JP4812330B2 - 重炭酸溶液充填容器または易酸化性溶液充填容器の製造方法、およびそれらに用いられるガスバリア性多層フィルム - Google Patents

重炭酸溶液充填容器または易酸化性溶液充填容器の製造方法、およびそれらに用いられるガスバリア性多層フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP4812330B2
JP4812330B2 JP2005139922A JP2005139922A JP4812330B2 JP 4812330 B2 JP4812330 B2 JP 4812330B2 JP 2005139922 A JP2005139922 A JP 2005139922A JP 2005139922 A JP2005139922 A JP 2005139922A JP 4812330 B2 JP4812330 B2 JP 4812330B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas barrier
layer
film
multilayer film
base layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005139922A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006315718A (ja
Inventor
恒平 湯山
順二 加賀
実 岡
英克 庄司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2005139922A priority Critical patent/JP4812330B2/ja
Publication of JP2006315718A publication Critical patent/JP2006315718A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4812330B2 publication Critical patent/JP4812330B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bag Frames (AREA)
  • Packages (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、重炭酸溶液または易酸化性溶液が充填されたプラスチック容器を製造する方法と、上記プラスチック容器の製造に用いられるガスバリア性多層フィルムと、上記ガスバリア性多層フィルムを用いて形成された重炭酸溶液充填容器および易酸化性溶液充填容器に関する。
輸液バッグなどのプラスチック容器は、軽量で、取扱い易く、使用後の廃棄が簡易であるといった利点を有していることから、医療用容器などの分野で広く用いられている。また、プラスチック容器には、収容される溶液の変質や、プラスチック加工用薬剤の溶出といった不具合を防止する観点から、通常、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が用いられている。
しかし、ポリオレフィン系樹脂はガスを透過し易い素材である。それゆえ、例えば、重炭酸溶液(炭酸水素ナトリウム水溶液)を収容するプラスチック容器に対して、高温滅菌処理などの加熱処理を施すことによって、炭酸ガスの漏出と、それに伴う重炭酸溶液のpH上昇を招いてしまい、その結果、重炭酸溶液の静脈への投与や手術用灌流液としての使用ができなくなるという不具合を生じるおそれがある。また、例えば、アミノ酸、脂肪、ビタミン類などの酸化し易い物質を含む易酸化性溶液についても、経時的に酸素がプラスチック容器内に侵入することにより、溶液の酸化劣化が促進されるという不具合を生じるおそれがある。
これらの不具合を防止する方法として、例えば、重炭酸溶液や易酸化性溶液が充填されたプラスチック容器を、ガス透過性の低い外装袋に収容することが考えられるが、この場合には、余分な手間やコストがかかる。
そこで、近年、輸液バッグなどのプラスチック容器自体に、ガスバリア性を付与することが、種々検討されており、例えば、特許文献1には、一面に酸化アルミニウムの蒸着皮膜が設けられたポリエステルフィルムと、キャストポリプロピレン層との間に、両面に酸化アルミニウムの蒸着皮膜が設けられたポリエステルフィルムが、変性ポリプロピレン層を介して接合された蒸着ラミネートフィルムや、この蒸着ラミネートフィルムを用いて成形された耐熱性容器が記載されている。
特許文献2には、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックフィルム層の一方の面に酸化ケイ素などの無機酸化物薄膜層が設けられた層構成体を、少なくとも2個以上備え、一方の上記層構成体の無機物薄膜層と、他方の上記層構成体のプラスチックフィルム層とが重なり合うように、接着剤層を介して接合されたガスバリア性積層体が記載されている。
また、特許文献3には、PETやナイロン樹脂などのプラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの無機酸化物薄膜層が形成された複数の層構成体(ガスバリア性積層体)を用い、前記薄膜層面同士をエチレン系共重合体などの溶融押出し樹脂層のみを介して貼り合わせた包装材料積層体が記載されている。
特開平3−143631号公報 特開2002−234101号公報 特開2001−88238号公報
従来、重炭酸溶液を充填、密閉したプラスチック容器については、滅菌時または経時的に重炭酸溶液のpHが上昇することを見越して、あらかじめ重炭酸溶液のpHを過剰に低下させる処理や、重炭酸溶液が充填、密閉されたプラスチック容器を収容する外装袋に対して、その内部を炭酸ガスで置換する処理などの、余分の処理を施す必要が生じる。また、易酸化性溶液が充填、密閉されたプラスチック容器を収容する外装袋についても、その内部を不活性ガスで置換して、酸素を実質的に含まない状態にするなど、余分の処理を施す必要が生じる。
また、特許文献1に記載のフィルムからなる耐熱性容器では、ガスバリア性が十分ではないことから、例えば、重炭酸溶液充填容器に対して高温滅菌処理などの加熱処理をした場合に、炭酸ガスが容器外部に漏出することを免れない。また、易酸化性溶液充填容器については、易酸化性溶液が酸化劣化することを免れない。
一方、特許文献2および3に記載の積層体を用いたプラスチック容器では、PETやナイロン樹脂に含まれるモノマー成分や、これらのプラスチックフィルムの接着に用いられている接着剤成分などが、容器内の重炭酸溶液や易酸化性溶液中に溶出されるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、プラスチック容器に充填される重炭酸溶液のpHをあらかじめ過剰に低下させたり、重炭酸溶液充填容器や易酸化性溶液充填容器を、所定のガスで置換された外装袋に収容させたりする必要のない、重炭酸溶液充填容器または易酸化性溶液充填容器の製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、上記製造方法による重炭酸溶液充填容器または易酸化性溶液充填容器の製造に適したガスバリア性多層フィルムを提供することである。
本発明のさらに他の目的は、上記ガスバリア性多層フィルムを用いて形成された重炭酸溶液充填容器または易酸化性溶液充填容器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、
(1)ポリオレフィン系樹脂からなるベース層と、前記ベース層に積層されたポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層と、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しており、当該蒸着膜が前記接着層に接着されるように当該接着層に積層されたガスバリア層とを有し、全体の炭酸ガス透過度が、温度25℃、湿度50%RHにおいて、10cm/m・24h・atm以下であるガスバリア性多層フィルムを形成する工程と、前記ベース層が内側面になるように前記ガスバリア性多層フィルムを袋状に成形してプラスチック容器を形成する工程と、前記プラスチック容器内に、重炭酸溶液を充填し、密閉した後、滅菌する工程とを含むことを特徴とする、重炭酸溶液充填容器の製造方法、
(2)ポリオレフィン系樹脂からなるベース層と、前記ベース層に積層されたポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層と、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しており、当該蒸着膜が前記接着層に接着されるように当該接着層に積層されたガスバリア層とを有し、全体の酸素透過度が、温度25℃、湿度50%RHにおいて、10cm/m・24h・atm以下であるガスバリア性多層フィルムを形成する工程と、前記ベース層が内側面になるように前記ガスバリア性多層フィルムを袋状に成形してプラスチック容器を形成する工程と、前記プラスチック容器内に、易酸化性溶液を充填し、密閉した後、滅菌する工程とを含むことを特徴とする、易酸化性溶液充填容器の製造方法、
(3)重炭酸溶液または易酸化性溶液が充填されたプラスチック容器の製造に用いられるガスバリア性多層フィルムであって、ポリオレフィン系樹脂からなるベース層と、前記ベース層に積層されたポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層と、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しており、当該蒸着膜が前記接着層に接着されるように当該接着層に積層されたガスバリア層とを有し、全体の炭酸ガス透過度または酸素透過度が、温度25℃、湿度50%RHにおいて、10cm/m・24h・atm以下であり、前記ベース層が、前記プラスチック容器の内側面になるように用いられることを特徴とする、ガスバリア性多層フィルム、
(4)前記ガスバリア層よりも前記プラスチック容器の外側面側において、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有している他のガスバリア層を、さらに1層以上有していることを特徴とする、前記(3)に記載のガスバリア性多層フィルム、
(5)前記ガスバリア性多層フィルムの積層方向における前記無機酸化物蒸着膜の厚みの合計が、1nm〜10μmであることを特徴とする、前記(3)または(4)に記載のガスバリア性多層フィルム、
(6)前記ガスバリア層よりも前記プラスチック容器の外側面側において、さらに有機バリア層を有していることを特徴とする、前記(3)〜(5)のいずれかに記載のガスバリア性多層フィルム、
(7)前記ガスバリア層よりも前記プラスチック容器の外側面側において、さらに前記プラスチック容器の外側面をなす表面層を有していることを特徴とする、前記(3)〜(6)のいずれかに記載のガスバリア性多層フィルム、
(8)前記ガスバリア層が、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂またはポリアミド系樹脂からなるフィルムの少なくとも一方側表面に、無機酸化物の蒸着膜を有していることを特徴とする、前記(3)〜(7)のいずれかに記載のガスバリア性多層フィルム、
(9)ポリオレフィン系樹脂からなるベース層と、前記ベース層に積層されたポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層と、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しており、当該蒸着膜が前記接着層に接着されるように当該接着層に積層されたガスバリア層とを有し、全体の炭酸ガス透過度が、温度25℃、湿度50%RHにおいて、10cm /m ・24h・atm以下であるガスバリア性多層フィルムを用いて、前記ベース層が内側面になるように前記ガスバリア性多層フィルムを袋状に成形して形成され、内部に重炭酸溶液が充填されて密閉されていることを特徴とする、重炭酸溶液充填容器、
(10)ポリオレフィン系樹脂からなるベース層と、前記ベース層に積層されたポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層と、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しており、当該蒸着膜が前記接着層に接着されるように当該接着層に積層されたガスバリア層とを有し、全体の酸素透過度が、温度25℃、湿度50%RHにおいて、10cm /m ・24h・atm以下であるガスバリア性多層フィルムを用いて、前記ベース層が内側面になるように前記ガスバリア性多層フィルムを袋状に成形して形成され、内部に易酸化性溶液が充填されて密閉されていることを特徴とする、易酸化性溶液充填容器、
を提供する。
本発明によれば、プラスチック容器が、炭酸ガスや酸素ガスに対して優れたガスバリア性能を発揮することから、重炭酸溶液のpHの上昇や、易酸化性溶液の酸化劣化を防止することができる。それゆえ、プラスチック容器に充填する重炭酸溶液のpHをあらかじめ過剰に低下させたり、重炭酸溶液充填容器や易酸化性溶液充填容器を、内部が所定のガスで置換された外装袋に収容させたりするなどの、余分の工程を経なくても、プラスチック容器内に充填、密閉されている重炭酸溶液のpH上昇や易酸化性溶液の酸化劣化を十分に抑制することができ、重炭酸溶液充填容器や易酸化性溶液充填容器の製造コストの低減を図ることができる。
また、上記ベース層および上記ガスバリア層間の接着層を形成するポリオレフィン系接着樹脂は、接着剤成分の溶出といった問題を生じるおそれがなく、しかも、上記ガスバリア層の蒸着膜は、ガスバリア性多層フィルムに含まれるモノマー成分や接着剤成分などが、プラスチック容器の外側面側から内側面側へと滲出するのを防止する作用を示すことから、上記成分の重炭酸溶液や易酸化性溶液中への溶出を防止することができる。
本発明の重炭酸溶液充填容器の製造方法においては、プラスチック容器を形成するガスバリア性多層フィルムとして、
(A)ポリオレフィン系樹脂からなるベース層と、ポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層と、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しているガスバリア層とを有し、
(B)前記ベース層の一方側表面と、前記ガスバリア層の蒸着膜側表面とが、前記接着層により互いに接着され、
(C)前記ベース層の他方側表面が前記プラスチック容器の内側面をなし、かつ、
(D)全体の炭酸ガス透過度が、温度25℃、湿度50%RHにおいて、10cm3/m2・24h・atm以下であるものが用いられる。
また、本発明の易酸化性溶液充填容器の製造方法においては、プラスチック容器を形成するガスバリア性多層フィルムとして、
(a)ポリオレフィン系樹脂からなるベース層と、ポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層と、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しているガスバリア層とを有し、
(b)前記ベース層の一方側表面と、前記ガスバリア層の蒸着膜側表面とが、前記接着層により互いに接着され、
(c)前記ベース層の他方側表面が前記プラスチック容器の内側面をなし、かつ、
(d)全体の酸素透過度が、温度25℃、湿度50%RHにおいて、10cm3/m2・24h・atm以下であるものが用いられる。
また、本発明のガスバリア性多層フィルムは、重炭酸溶液または易酸化性溶液が充填されたプラスチック容器の製造に用いられるものであって、
(I)ポリオレフィン系樹脂からなるベース層と、ポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層と、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しているガスバリア層とを有し、
(II)前記ベース層の一方側表面と、前記ガスバリア層の蒸着膜側表面とが、前記接着層により互いに接着され、
(III)前記ベース層の他方側表面が前記プラスチック容器の内側面をなし、かつ、
(IV)全体の炭酸ガス透過度または酸素透過度が、温度25℃、湿度50%RHにおいて、10cm3/m2・24h・atm以下であることを特徴とする。
上記ガスバリア性多層フィルムにおいて、ベース層は、その一方側表面が、後述するガスバリア層の蒸着膜側表面と、後述する接着層を介して接着され、かつ、その他方側表面が、上記プラスチック容器の内側面をなすものである。
上記ベース層を形成するポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE);エチレンと、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1,4−メチル−1−ペンテン、オクテン−1、デセン−1などの炭素数3〜12のα−オレフィン類とのコポリマー;ポリプロピレン(PP);プロピレンと、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1,4−メチル−1−ペンテン、オクテン−1、デセン−1などの炭素数2〜12のα−オレフィン類とのコポリマー;環状オレフィン(COP);エチレンとノルボルネンとのコポリマーなどが挙げられる。なかでも、好ましくは、PEが挙げられる。
ポリエチレンは、高密度や低密度といった密度範囲、直鎖状や分岐状といった分子構造、高圧法や低圧法といった製造方法などによって限定されるものではないが、例えば、ガスバリア性多層フィルムの透明性や強度の観点からは、ポリエチレンが直鎖状であることが好ましい。また、ポリエチレンは、単独で用いてもよく、密度、分子構造などが異なる2種以上のポリエチレンを混合して用いてもよい。
ベース層がポリエチレンからなる場合において、ベース層は、2種以上のポリエチレンフィルムの積層体であってもよい。この積層フィルムの具体例としては、例えば、密度0.910〜0.930g/cm3の直鎖状ポリエチレンフィルムの両面に、密度0.950〜0.970g/cm3の高密度ポリエチレンフィルムを配した3層構造のポリエチレンフィルムなどが挙げられる。ベース層として、上記3層構造のポリエチレンフィルムを用いた場合には、ガスバリア性多層フィルムの成形性や強度を、より一層向上させることができる。上記3層構造のポリエチレンフィルムにおける各高密度ポリエチレンフィルムの厚みの割合は、直鎖状ポリエチレンフィルムの厚みに対して、好ましくは、0.2〜0.3倍であり、より好ましくは、0.22〜0.28倍である。
ベース層の厚みは、ガスバリア性多層フィルム全体の厚みなどに応じて適宜設定されるものであって、特に限定されないが、好ましくは、5〜30μmである。
ベース層の成形方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、キャスティング法(溶液流延法)、溶融押出法などの、種々の成形方法(成膜法)が挙げられる。また、ベース層は、溶融押出法の一種であるインフレーション法によって、チューブ状に成形されたものであってもよい。
上記ガスバリア性多層フィルムにおいて、接着層を形成するポリオレフィン系接着性樹脂としては、例えば、不飽和カルボン酸変性ポリエチレン(例えば、商品名「アドマー(登録商標)」、三井化学(株)製など。)、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体(例えば、商品名「ボンダイン(登録商標)」、アルケマ(株)など。)、三菱化学(株)製の商品名「モディック(登録商標)−AP」などが挙げられる。
接着層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは、5〜50μmである。
上記ガスバリア性多層フィルムにおいて、ガスバリア層としては、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しているものが挙げられる。このガスバリア層は、具体的には、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などからなるフィルム(無機酸化物蒸着膜の担持体)の少なくとも一方側表面に、無機酸化物の蒸着膜が形成されたものが挙げられる。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、上記ベース層を形成するポリオレフィン系樹脂と同様のものが挙げられる。
上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。なかでも、好ましくは、PETが挙げられる。
上記ポリアミド系樹脂としては、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン−6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリンラクタム(ナイロン−12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン−6,10)などのナイロンが挙げられる。
また、上記例示のポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂は、特に限定されないが、ガスバリア性多層フィルムの強度を向上させ、ガスや水蒸気のバリア性をより一層向上させるという観点から、延伸処理を施したものであることが好ましい。
また、上記無機酸化物蒸着膜の担持体としてのフィルムは、上記ガスバリア性多層フィルムに要求される特性に応じて適宜選択されるものであって、上記例示のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリアミド系樹脂に限定されるものではなく、例えば、種々の熱可塑性樹脂などを適宜選択して用いることができる。なお、例えば、上記担持体としてのフィルムに用いられる熱可塑性樹脂として、後述する有機バリア層の形成に用いられる「ガスバリア性を有する樹脂」を用いたときには、ガスバリア層のガスバリア性をより一層向上させることができる。
上記フィルムの成形方法については、特に限定されるものではなく、例えば、キャスティング法(溶液流延法)、溶融押出法などの、種々の成形方法が挙げられる。
上記無機酸化物蒸着膜を形成する無機酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素(シリカ)などが挙げられる。
無機酸化物蒸着膜の形成方法としては、特に限定されず、化学的気相蒸着法(CVD)、スパッタリング法、真空蒸着法などの、種々の方法が挙げられる。
無機酸化物蒸着膜の無機酸化物がアルミナであるガスバリア層の具体例としては、例えば、凸版印刷(株)製の透明バリアフィルム(商品名「GLファミリー」;「GL−AEH」(基材:PET)、「GL−AU」(基材:PET)、「GL−AE」(基材:PET)など)、東レフィルム加工(株)製の透明バリアフィルム(商品名「バリアロックス」シリーズ;「1011RG」、「1011HG」、「1031HG」など)が挙げられる。
上記ガスバリア性多層フィルムは、さらに、他の層として、例えば、有機バリア層、表面層などを有していてもよい。
有機バリア層としては、例えば、ガスバリア性を有する樹脂フィルムからなる層が挙げられる。ガスバリア性を有する樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、またはこれらの樹脂を熱可塑性樹脂の成形体にコーティングしたものなどが挙げられる。
表面層は、上記プラスチック容器の外側面をなす層であって、この表面層を形成する樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ガスバリア性を有する樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、いずれも、上記例示のものと同様のものが挙げられる。
上記表面層は、通常、上記ガスバリア性多層フィルムにおいて任意の構成要素であるが、上記ガスバリア層がその両側の表面に無機酸化物蒸着膜を有するものである場合においては、ガスバリア層の他方側表面(接着層を介してベース層の上記一方側表面と接着される側の表面とは異なる側の表面)の無機酸化物蒸着膜を保護するという観点から、必須の構成要素である。
なお、上記表面層は、プラスチック容器の外側面をなす層であることから、これに限定されないが、例えば、プラスチック容器に対する蒸気滅菌時などにおいて、上記ガスバリア層などが直接水分の影響を受けないようにするという観点から、水蒸気透過度の低いポリオレフィン系樹脂やポリアミド系樹脂を用いることが好ましい。
上記ガスバリア性多層フィルム全体の酸素透過度は、温度25℃、湿度50%RHにおいて、10cm3/m2・24h・atm以下、好ましくは、5cm3/m2・24h・atm以下、より好ましくは、1cm3/m2・24h・atm以下である。
ガスバリア性多層フィルム全体の酸素透過度が上記範囲を上回るときは、例えば、上記プラスチック容器に重炭酸溶液や易酸化性溶液を充填して密閉した後、こうして得られた重炭酸溶液充填容器または易酸化性溶液充填容器を、ガスバリア性の外装袋に収容、密閉することなく放置した場合や、上記重炭酸溶液充填容器または易酸化性溶液充填容器に滅菌処理をした場合において、十分なガスバリア性能を発揮することができず、重炭酸溶液のpHの上昇や、易酸化性溶液の酸化劣化といった不具合を生じるおそれがある。
上記ガスバリア性多層フィルムにおいて、その積層方向におけるガスバリア層の積層数は、ガスバリア性多層フィルム全体の酸素透過度に応じて設定されるものであることから、特に限定されないが、上記の、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しているガスバリア層のほかに、さらに、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有している他のガスバリア層を、1層以上(すなわち、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しているガスバリア層を2層以上)有していることが好ましい。
なお、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しているガスバリア層の積層数が多くなりすぎると、ガスバリア性多層フィルムの柔軟性が損なわれるおそれがあることから、上記ガスバリア層の積層数は、これに限定されないが、好ましくは、4層以下であり、より好ましくは、3層以下である。
また、上記ガスバリア性多層フィルムにおいて、その積層方向における無機酸化物蒸着膜の厚みの合計は、ガスバリア性多層フィルム全体の酸素透過度に応じて設定されるものであることから、特に限定されないが、1nm以上、10μm以下であることが好ましく、1nm以上、1μm以下であることがより好ましい。
上記ガスバリア性多層フィルムの透明度は、特に限定されないが、例えば、日本薬局方(第14改正)第1部「55.プラスチック製医薬品容器試験法 4.透明性試験 第1法」に記載の方法に準じて測定された波長450nmの透過率で、好ましくは、80%以上であり、より好ましくは、85%以上である。
図1〜図6は、上記ガスバリア性多層フィルムの層構成の好適態様を示す概略断面図である。
図1に示すガスバリア性多層フィルム10aは、ポリオレフィン系樹脂からなるベース層11と、ポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層17,17’と、担持体13の両側の表面に無機酸化物蒸着膜14を有するガスバリア層12と、表面層18と、を有している。
ベース層11の一方側表面11aと、ガスバリア層12の一方の無機酸化物蒸着膜14側の表面19aとは、接着層17を介して積層されている。また、ベース層11の他方側表面11bは、プラスチック容器の内側面をなしている。ガスバリア層12の他方の無機酸化物蒸着膜14側の表面19bには、他の接着層17’を介して、表面層18が積層されている。また、表面層18のうち、ガスバリア層12との接着面と相対する側の面18aは、プラスチック容器の外側面をなしている。なお、ガスバリア層12と表面層18との接着は、他の接着層17’による接着に代えて、接着剤を用いた接着であってもよい。
このガスバリア性多層フィルム10aは、ガスバリア層として、担持体13の両側の表面に無機酸化物蒸着膜14を有するガスバリア層12を、1層のみ有している。
図2に示すガスバリア性多層フィルム10bは、ポリオレフィン系樹脂からなるベース層11と、ポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層17,17’と、担持体13の両側の表面に無機酸化物蒸着膜14を有するガスバリア層12と、担持体13の一方側の表面に無機酸化物蒸着膜14を有する他のガスバリア層12aと、を有している。
ベース層11の一方側表面11aと、ガスバリア層12の一方の無機酸化物蒸着膜14側の表面19aとは、接着層17を介して積層されている。また、ベース層11の他方側表面11bは、プラスチック容器の内側面をなしている。ガスバリア層12の他方の無機酸化物蒸着膜14側の表面19bには、他の接着層17’を介して、他のガスバリア層12aが積層されている。他のガスバリア層12aは、その無機酸化物蒸着膜14側の表面が、ガスバリア層12の他方の無機酸化物蒸着膜側表面19bと向かい合うように配置されている。他のガスバリア層12aのうち、無機酸化物蒸着膜14を有していない側の表面13aは、プラスチック容器の外側面をなす面である。なお、ガスバリア層12と他のガスバリア層12aとの接着は、他の接着層17’による接着に代えて、接着剤を用いた接着であってもよい。
このガスバリア性多層フィルム10bは、ガスバリア層として、担持体13の両側の表面に無機酸化物蒸着膜14を有するガスバリア層12と、担持体13の一方側の表面にのみ無機酸化物蒸着膜14を有するガスバリア層12aとの、計2層を有している。
図3に示すガスバリア性多層フィルム10cは、ポリオレフィン系樹脂からなるベース層11と、ポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層17,17’と、担持体13の両側の表面に無機酸化物蒸着膜14を有するガスバリア層12,12’と、担持体13の一方側の表面に無機酸化物蒸着膜14を有する他のガスバリア層12aと、を有している。
ベース層11の一方側表面11aと、ガスバリア層12の一方の無機酸化物蒸着膜14側の表面19aとは、接着層17を介して積層されている。また、ベース層11の他方側表面11bは、プラスチック容器の内側面をなしている。ガスバリア層12の他方の無機酸化物蒸着膜14側の表面19bには、他の接着層17’を介して、他のガスバリア層12’が積層されている。また、他のガスバリア層12’のうち、ガスバリア層12との接着面と相対する側の面には、さらに他の接着層17’を介して、さらに他のガスバリア層12aが積層されている。他のガスバリア層12aは、その無機酸化物蒸着膜14側の表面が、他のガスバリア層12’と向かい合うように配置されており、無機酸化物蒸着膜14を有していない側の表面13aが、プラスチック容器の外側面をなしている。なお、ガスバリア層12と他のガスバリア層12’との接着および他のガスバリア層12’とさらに他のガスバリア層12aとの接着は、いずれも、他の接着層17’による接着に代えて、接着剤を用いた接着であってもよい。
このガスバリア性多層フィルム10cは、ガスバリア層として、担持体13の両側の表面に無機酸化物蒸着膜14を有するガスバリア層12,12’と、担持体13の一方側の表面にのみ無機酸化物蒸着膜14を有するガスバリア層12aとの、計3層を有している。
図4に示すガスバリア性多層フィルム10dは、ポリオレフィン系樹脂からなるベース層11と、ポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層17,17’と、担持体13の一方側の表面に無機酸化物蒸着膜14を有する他のガスバリア層12a〜12dと、を有している。
ベース層11の一方側表面11aには、プラスチック容器の内側面側Iから外側面側Oにかけて、接着層およびガスバリア層を、この順で、計4回繰り返して積層されている。ガスバリア層12a〜12dは、いずれも、その無機酸化物蒸着膜14側の表面がベース層11側(または、上記内側面側I)となるように配置されている。また、ベース層11の他方側表面11bは、プラスチック容器の内側面をなしている。4層のガスバリア層12a〜12dのうち、最も上記外側面側Oのガスバリア層12dにおいては、担持体13の無機酸化物蒸着膜14を有していない側の表面13aが、プラスチック容器の外側面をなしている。なお、ガスバリア層12a〜12d同士の接着は、いずれも、他の接着層17’による接着に代えて、接着剤を用いた接着であってもよい。
このガスバリア性多層フィルム10dは、ガスバリア層として、担持体13の一方側の表面にのみ無機酸化物蒸着膜14を有するガスバリア層12a〜12dを、計4層を有している。
図5に示すガスバリア性多層フィルム10eは、ポリオレフィン系樹脂からなるベース層11と、ポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層17,17’と、担持体13の一方側の表面に無機酸化物蒸着膜14を有する他のガスバリア層12a,12bと、担持体13の両側の表面に無機酸化物蒸着膜14を有するガスバリア層12と、を有している。
ベース層11の一方側表面11aと、ガスバリア層12aの無機酸化物蒸着膜14側の表面19aとは、接着層17を介して積層されている。また、ベース層11の他方側表面11bは、プラスチック容器の内側面をなしている。ガスバリア層12aのうち、無機酸化物蒸着膜14を有していない側の表面19bには、他の接着層17’を介して、他のガスバリア層12が積層されている。他のガスバリア層12のうち、ガスバリア層12aとの接着面と相対する側の面には、さらに他の接着層17’を介して、さらに他のガスバリア層12bが積層されている。他のガスバリア層12bは、その無機酸化物蒸着膜14側の表面が、他のガスバリア層12と向かい合うように配置されており、無機酸化物蒸着膜14を有していない側の表面13aが、プラスチック容器の外側面をなしている。なお、ガスバリア層12aと他のガスバリア層12との接着および他のガスバリア層12とさらに他のガスバリア層12bとの接着は、いずれも、他の接着層17’による接着に代えて、接着剤を用いた接着であってもよい。
このガスバリア性多層フィルム10eは、ガスバリア層として、担持体13の一方側の表面にのみ無機酸化物蒸着膜14を有するガスバリア層12a,12bと、担持体13の両方の表面に無機酸化物蒸着膜14を有するガスバリア層12との、計3層を有している。
図6に示すガスバリア性多層フィルム10fは、ポリオレフィン系樹脂からなるベース層11と、ポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層17,17’と、担持体13の両側の表面に無機酸化物蒸着膜14を有するガスバリア層12,12’と、表面層18と、を有している。
ベース層11の一方側表面11aには、プラスチック容器の内側面側Iから外側面側Oにかけて、接着層およびガスバリア層を、この順で、計2回繰り返して積層されている。ベース層11の他方側表面11bは、プラスチック容器の内側面をなしている。また、2層のガスバリア層12,12’のうち、上記外側面側Oのガスバリア層12’においては、上記外側面側Oの無機酸化物蒸着膜14に、接着層17’を介して、表面層18が積層されている。また、表面層18のうち、ガスバリア層12’との接着面と相対する側の面18aは、プラスチック容器の外側面をなしている。なお、ガスバリア層12,12’同士の接着およびガスバリア層12’と表面層18との接着は、いずれも、接着層17’による接着に代えて、接着剤を用いた接着であってもよい。
このガスバリア性多層フィルム10fは、ガスバリア層として、担持体13の両方の表面に無機酸化物蒸着膜14を有するガスバリア層12,12’を、計2層を有している。
図1〜図6に示すガスバリア性多層フィルム10a〜10fの好適態様において、ベース層11は、いずれも、プラスチック容器の内側面をなす層であって、また、いずれも、ポリオレフィン系樹脂からなるものである。ポリオレフィン系樹脂は、医薬的に安全性が高い樹脂であることから、上記ガスバリア性多層フィルム10a〜10fを用いて成形されるプラスチック容器は、例えば、重炭酸溶液や易酸化性溶液などを収容し、保存する用途に好適である。
また、図1〜図6に示すガスバリア性多層フィルム10a〜10fの好適態様において、ベース層11は、いずれも、ポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層17を介して、ガスバリア層の表面と接着されており、しかも、ガスバリア層は、その無機酸化物蒸着膜14側の表面において、ベース層11に積層されている。ここで、上記ポリオレフィン系接着性樹脂は、従来から樹脂フィルム同士の接着に用いられている接着剤とは異なり、ベース層11を通じてプラスチック容器の内側面側へと接着剤成分を滲出させることがない。また、ガスバリア層の無機酸化物蒸着膜14は、ガスバリア層の担持体13や樹脂フィルムに含まれるモノマー成分の通過を遮断し得るものである。それゆえ、上記ガスバリア性多層フィルム10a〜10fを用いて成形されるプラスチック容器は、接着剤成分や樹脂のモノマー成分によって、上記プラスチック容器内に収容される重炭酸溶液や易酸化性溶液などが汚染されることを高度に抑制することができ、これら溶液の収容、保存の用途に好適である。
図2〜図5に示すガスバリア性多層フィルム10b〜10eの好適態様においては、ガスバリア層がガスバリア性多層フィルム10b〜10eの表面をなしているが、この場合において、ガスバリア性多層フィルム10b〜10eの無機酸化物蒸着膜14は、いずれも、プラスチック容器の内側面側Iに向けて配置されている。それゆえ、無機酸化物蒸着膜14の剥離や損傷によるガスバリア性の低下が防止される。
上記ガスバリア性多層フィルム10a〜10fは、これらガスバリア性多層フィルムを形成する各層を共押出成形により積層したりするなど、種々の成形方法により製造することができる。
本発明の重炭酸溶液充填容器の製造方法および易酸化性溶液充填容器の製造方法に用いられるプラスチック容器は、上記のガスバリア性多層フィルムを用いて形成されたものである。
上記プラスチック容器の形態の具体例としては、特に限定されないが、例えば、輸液バッグなどの、可撓性を有するバッグタイプのプラスチック容器が挙げられる。
また、上記プラスチック容器がバッグタイプのものである場合において、その具体的形態は特に限定されず、種々の形態を採用することができる。例えば、一般的な輸液バッグなどのように、単室容器(単室バッグ)であってもよく、易剥離性を有する隔壁で隔離された2以上の収容室を有する、いわゆる複室容器(複室バッグ)であってもよい。
上記プラスチック容器が複室容器(複室バッグ)である場合において、2以上の収容室には、そのいずれか一の収容室に、重炭酸溶液または易酸化性溶液が充填されていればよく、その他の収容室の収容物については、特に限定されるものではない。また、例えば、複数の易酸化性溶液が充填される場合には、複数の易酸化性溶液は、それぞれ複数の収容室に分けて収容されていてもよい。
図7は、上記プラスチック容器の一実施形態を示す正面図である。図7に示すプラスチック容器30は、可撓性を有するバッグタイプの医療用容器であって、いわゆる輸液バッグである。このプラスチック容器30は、上記ガスバリア性多層フィルムのベース層を内側にして袋状に成形し、さらに、得られた袋の周縁部(31,32,33)をヒートシールすることによって、製造することができる。
上記ガスバリア性多層フィルムのベース層が、インフレーション法により成膜されたチューブ状のフィルムである場合には、例えば、ベース層上に形成されたガスバリア層などの継ぎ目部分において上記ベース層を折り畳み、さらに、上記継ぎ目部分をヒートシールすることによって周縁部33を形成すればよい。
プラスチック容器30の口部材34の種類、形状、個数などについては、特に限定されず、プラスチック容器30の用途に応じて、適宜設定すればよい。
本発明の重炭酸溶液充填容器の製造方法は、上記のガスバリア性多層フィルムからなるプラスチック容器に、pHが使用時の許容範囲内に調製された重炭酸溶液を充填し、上記プラスチック容器を密閉した後、滅菌し、かつ、こうして得られた重炭酸溶液充填容器を、ガスバリア性の外装袋内に収容、密閉せずに、保存することを特徴とする。
プラスチック容器内への重炭酸溶液の充填処理は、例えば、下記のとおりにして行えばよい。すなわち、重炭酸溶液の調製タンク内を空気またはCO2ガスで満たした後、上記調製タンク内に、重炭酸ナトリウム、水、その他の重炭酸溶液の用途に応じて必要となる原料を配合する。次いで、上記調製タンクを密閉した状態で、調製タンク内を100%のCO2ガスで置換して、調製タンク内の重炭酸溶液のpHを低下させる。なお、CO2ガスの充填に伴って、調製タンク内の重炭酸溶液では、下記式で示される平衡が成り立つ。
HCO3 -+H+=CO2+H2
次に、こうして調製された重炭酸溶液をプラスチック容器に充填し、密閉する。この際、調製タンク内の液量の減少に伴って、CO2ガスの溶存量も低下することから、調製タンク内には、重炭酸溶液のpHに応じて、適宜、CO2ガスを供給する。
重炭酸溶液をプラスチック容器に充填し、密閉した後、通常、100℃〜110℃で、高温滅菌処理を実行する。
上記の重炭酸溶液充填容器の製造方法によれば、後述する実施例より明らかなように、たとえ、重炭酸溶液充填容器に対して滅菌をした場合であっても、重炭酸溶液のpHを、調製タンク内で調製されたときの状態で維持することができる。それゆえ、重炭酸溶液をプラスチック容器に充填、密閉した後において、プラスチック容器内を炭酸ガスで置換したり、炭酸ガスを封入したガスバリア性の外装袋で包装したりするといった、手間やコストをかける必要や、プラスチック容器に充填する重炭酸溶液のpHをあらかじめ過剰に低下させたりする必要をなくすことができる。
本発明の易酸化性溶液充填容器の製造方法は、上記のガスバリア性多層フィルムからなるプラスチック容器に易酸化性溶液を充填し、上記プラスチック容器を密閉した後、滅菌し、かつ、こうして得られた易酸化性溶液充填容器を、ガスバリア性の外装袋内に収容、密閉せずに、保存することを特徴とする。
上記易酸化性溶液としては、例えば、アミノ酸、脂肪、ビタミン類などの易酸化性物質を含む溶液が挙げられる。
アミノ酸としては、種々のアミノ酸から適宜選択して用いることができる。それゆえ、これに限定されないが、例えば、L−システイン、L−トリプトファンなどが挙げられる。また、アミノ酸を含む易酸化性溶液(以下、単に「アミノ酸溶液」という場合がある。)の調製方法およびアミノ酸溶液のプラスチック容器内への充填方法は、特に限定されず、種々の調製方法および充填方法を適宜選択することができる。
脂肪としては、例えば、脂肪乳剤の形態で、輸液などの用途に用いられている種々のものが挙げられる。
ビタミン類としては、種々のビタミン類から適宜選択して用いることができる。それゆえ、これに限定されないが、例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンCなどが挙げられる。
本発明の易酸化性溶液充填容器の製造方法によれば、容器内の酸素濃度の経時的な上昇を抑制することができ、易酸化性溶液の劣化を高度に抑制することができる。
なお、上記易酸化性溶液充填容器は、さらに、その内部に、微量元素または微量元素製剤を含んでいてもよい。これら微量元素または微量元素製剤は、開封され易い小袋に封入された状態で、易酸化性溶液充填容器内に収容されていてもよい。上記小袋の具体例としては、例えば、特開2003−62038号公報に記載された薬液収容小袋付き薬液容器の薬液収容小袋、国際公開第99/39679号パンフレット(WO99/39679)に記載されたビタミンD溶液収容容器などと同様の態様からなる小袋が挙げられる。
微量元素または微量元素製剤の微量元素としては、例えば、人(とりわけ、輸液などの薬液の投与を要する患者)にとって、微量であるが必須の元素が挙げられ、具体的には、
例えば、鉄、銅、亜鉛、マンガン、ヨウ素などが挙げられる。これらの微量元素は、例えば、塩化物、硫酸塩などの塩の形態で、または、これらを常法により製剤化して用いられる。
<重炭酸溶液の調製>
水1000ミリリットル中に、炭酸水素ナトリウム70gを配合し、溶解させて、炭酸液(炭酸水素ナトリウム注射液;7%)を調製した。
<ガスバリア性多層フィルムおよび重炭酸溶液充填容器の製造>
実施例1
両面に、それぞれ、厚さ12μmのアルミナ(Al23)蒸着膜(無機酸化物蒸着膜14)を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ガスバリア層12,12’)2枚を、ポリエチレン系接着フィルム(接着層17,17’;東セロ(株)製のPE系接着フィルム、商品名「アドマー(登録商標)NE−058」、厚さ20μm)を介して、積層した。上記の、両面にアルミナ蒸着膜を有するPETフィルムのPET層(担持体13)の厚さは、12μmであった。また、上記積層体は、計2枚形成した。
次いで、インフレーション成形されたチューブ状のポリエチレン(PE)フィルム(ベース層11)を折り重ねて、シート状にした後、このPEフィルムの表裏両面と、上記積層体の一方側最外層(アルミナ蒸着膜)とが、上記PE系接着フィルム(前出の「アドマーNE−058」)を介して、それぞれ重なり合うように、積層した。上記PEフィルムの厚さは150μmであった。
さらに、上記積層されたPETフィルムの他方側最外層(アルミナ蒸着膜)2面のそれぞれに、片面に厚さ12μmのアルミナ(Al23)蒸着膜(無機酸化物蒸着膜14)を有するPETフィルム(ガスバリア層12a)を、そのアルミナ蒸着膜と、上記積層されたPETフィルムの他方側最外層とが、上記PE系接着フィルム(前出の「アドマーNE−058」)を介して重なり合うように、積層した。上記の、片面にアルミナ蒸着膜を有するPETフィルムのPET層(担持体13)の厚さは、12μmであった。
こうして、チューブ状に成形されたガスバリア性多層フィルム10cを得た(図3参照)。
次に、上記チューブ状のガスバリア性多層フィルム10cを折り重ねて、シート状にした状態で、袋の周縁部(31,32,33)をヒートシールすることによって、図5に示すプラスチック容器(輸液バッグ)30を製造した。
こうして得られた輸液バッグ30に、上記の重炭酸溶液を充填して、密閉することにより、重炭酸溶液充填容器を得た。
さらに、得られた重炭酸溶液充填容器に、105℃の蒸気を用いた高温滅菌処理を施した。
その結果、重炭酸溶液のpHは、滅菌処理前および滅菌処理後のいずれも7.85であって、滅菌処理に伴う重炭酸溶液のpH変化は観察されなかった。
それゆえ、実施例1では、炭酸液を含む輸液バッグを、ガス非透過性の外装袋に収容して保存する必要がなく、しかも、滅菌処理後において、輸液バッグ内の炭酸ガス置換は不要であった。
比較例1
輸液バッグとして、実施例1で得た輸液バッグに代えて、厚さ220μmのポリエチレンフィルムで形成された輸液バッグを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、重炭酸溶液を充填、密閉し、滅菌処理を施した。
その結果、重炭酸溶液のpHは、滅菌処理前が7.76であったのに対し、滅菌処理後は8.16に上昇した。なお、このpH値は、ポリエチレンフィルムがガスバリア性を持たないので、そのままの状態では、直ぐに静脈への投与や手術用灌流液としての使用ができない値となってしまう。
それゆえ、比較例1では、炭酸液を含む輸液バッグを、ガス非透過性の外装袋に収容して保存することが必要であった。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。
ガスバリア性多層フィルムの層構成の一実施形態を示す概略断面図である。 ガスバリア性多層フィルムの層構成の他の実施形態を示す概略断面図である。 ガスバリア性多層フィルムの層構成のさらに他の実施形態を示す概略断面図である。 ガスバリア性多層フィルムの層構成のさらに他の実施形態を示す概略断面図である。 ガスバリア性多層フィルムの層構成のさらに他の実施形態を示す概略断面図である。 ガスバリア性多層フィルムの層構成のさらに他の実施形態を示す概略断面図である。 重炭酸充填容器または易酸化性溶液充填容器におけるプラスチック容器の一実施形態を示す正面図である。
符号の説明
10a,10b,10c,10d,10e,10f ガスバリア性多層フィルム
11 ベース層
12,12’,12a,12b,12c,12d ガスバリア層
14 無機酸化物蒸着膜
17,17’ 接着層
18 表面層
30 プラスチック容器
I 内側面側
O 外側面側

Claims (10)

  1. リオレフィン系樹脂からなるベース層と、前記ベース層に積層されたポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層と、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しており、当該蒸着膜が前記接着層に接着されるように当該接着層に積層されたガスバリア層とを有し、全体の炭酸ガス透過度が、温度25℃、湿度50%RHにおいて、10cm/m・24h・atm以下であるガスバリア性多層フィルムを形成する工程と、
    前記ベース層が内側面になるように前記ガスバリア性多層フィルムを袋状に成形してプラスチック容器を形成する工程と、
    記プラスチック容器内に、重炭酸溶液を充填し、密閉した後、滅菌する工程とを含むことを特徴とする、重炭酸溶液充填容器の製造方法。
  2. リオレフィン系樹脂からなるベース層と、前記ベース層に積層されたポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層と、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しており、当該蒸着膜が前記接着層に接着されるように当該接着層に積層されたガスバリア層とを有し、全体の酸素透過度が、温度25℃、湿度50%RHにおいて、10cm/m・24h・atm以下であるガスバリア性多層フィルムを形成する工程と、
    前記ベース層が内側面になるように前記ガスバリア性多層フィルムを袋状に成形してプラスチック容器を形成する工程と、
    記プラスチック容器内に、易酸化性溶液を充填し、密閉した後、滅菌する工程とを含むことを特徴とする、易酸化性溶液充填容器の製造方法。
  3. 重炭酸溶液または易酸化性溶液が充填されたプラスチック容器の製造に用いられるガスバリア性多層フィルムであって、
    ポリオレフィン系樹脂からなるベース層と、前記ベース層に積層されたポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層と、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しており、当該蒸着膜が前記接着層に接着されるように当該接着層に積層されたガスバリア層とを有し
    体の炭酸ガス透過度または酸素透過度が、温度25℃、湿度50%RHにおいて、10cm/m・24h・atm以下であり、
    前記ベース層が、前記プラスチック容器の内側面になるように用いられることを特徴とする、ガスバリア性多層フィルム。
  4. 前記ガスバリア層よりも前記プラスチック容器の外側面側において、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有している他のガスバリア層を、さらに1層以上有していることを特徴とする、請求項3に記載のガスバリア性多層フィルム。
  5. 前記ガスバリア性多層フィルムの積層方向における前記無機酸化物蒸着膜の厚みの合計が、1nm〜10μmであることを特徴とする、請求項3または4に記載のガスバリア性多層フィルム。
  6. 前記ガスバリア層よりも前記プラスチック容器の外側面側において、さらに有機バリア層を有していることを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載のガスバリア性多層フィルム。
  7. 前記ガスバリア層よりも前記プラスチック容器の外側面側において、さらに前記プラスチック容器の外側面をなす表面層を有していることを特徴とする、請求項3〜6のいずれかに記載のガスバリア性多層フィルム。
  8. 前記ガスバリア層が、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂またはポリアミド系樹脂からなるフィルムの少なくとも一方側表面に、無機酸化物の蒸着膜を有していることを特徴とする、請求項3〜7のいずれかに記載のガスバリア性多層フィルム。
  9. ポリオレフィン系樹脂からなるベース層と、前記ベース層に積層されたポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層と、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しており、当該蒸着膜が前記接着層に接着されるように当該接着層に積層されたガスバリア層とを有し、全体の炭酸ガス透過度が、温度25℃、湿度50%RHにおいて、10cm /m ・24h・atm以下であるガスバリア性多層フィルムを用いて、前記ベース層が内側面になるように前記ガスバリア性多層フィルムを袋状に成形して形成され、
    内部に重炭酸溶液が充填されて密閉されていることを特徴とする、重炭酸溶液充填容器。
  10. ポリオレフィン系樹脂からなるベース層と、前記ベース層に積層されたポリオレフィン系接着性樹脂からなる接着層と、少なくとも一方側表面に無機酸化物の蒸着膜を有しており、当該蒸着膜が前記接着層に接着されるように当該接着層に積層されたガスバリア層とを有し、全体の酸素透過度が、温度25℃、湿度50%RHにおいて、10cm /m ・24h・atm以下であるガスバリア性多層フィルムを用いて、前記ベース層が内側面になるように前記ガスバリア性多層フィルムを袋状に成形して形成され、
    内部に易酸化性溶液が充填されて密閉されていることを特徴とする、易酸化性溶液充填容器。
JP2005139922A 2005-05-12 2005-05-12 重炭酸溶液充填容器または易酸化性溶液充填容器の製造方法、およびそれらに用いられるガスバリア性多層フィルム Expired - Fee Related JP4812330B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005139922A JP4812330B2 (ja) 2005-05-12 2005-05-12 重炭酸溶液充填容器または易酸化性溶液充填容器の製造方法、およびそれらに用いられるガスバリア性多層フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005139922A JP4812330B2 (ja) 2005-05-12 2005-05-12 重炭酸溶液充填容器または易酸化性溶液充填容器の製造方法、およびそれらに用いられるガスバリア性多層フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006315718A JP2006315718A (ja) 2006-11-24
JP4812330B2 true JP4812330B2 (ja) 2011-11-09

Family

ID=37536743

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005139922A Expired - Fee Related JP4812330B2 (ja) 2005-05-12 2005-05-12 重炭酸溶液充填容器または易酸化性溶液充填容器の製造方法、およびそれらに用いられるガスバリア性多層フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4812330B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5437834B2 (ja) * 2010-01-25 2014-03-12 三井化学株式会社 液剤用バッグおよび液剤用バッグの製造方法
JP5659667B2 (ja) * 2010-09-30 2015-01-28 大日本印刷株式会社 ガスバリア性フィルム積層体、及び包装袋
JP6459349B2 (ja) * 2014-09-30 2019-01-30 大日本印刷株式会社 積層体の製造方法、並びに積層体及びそれよりなる医療用包装容器
JP6492498B2 (ja) * 2014-10-02 2019-04-03 大日本印刷株式会社 医療用包装材料及びそれよりなる医療用包装容器、並びにその製造方法
JP6497022B2 (ja) * 2014-10-02 2019-04-10 大日本印刷株式会社 輸液バッグ外装袋用包装材料及びそれよりなる輸液バッグ外装袋、並びにその製造方法
JP6492499B2 (ja) * 2014-10-02 2019-04-03 大日本印刷株式会社 輸液用包装材料及びそれよりなる輸液バッグ、並びにその製造方法
EP3725286A1 (en) * 2019-04-18 2020-10-21 B. Braun Melsungen AG Medicinal product comprising a container and an aqueous liquid containing bicarbonate

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002234101A (ja) * 2001-02-07 2002-08-20 Mitsui Chemicals Inc ガスバリヤー性積層体およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006315718A (ja) 2006-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4150595B2 (ja) 高ガスバリアの容器および閉鎖物アセンブリ
JP4607609B2 (ja) 薬液バッグ、薬液バッグ収容体および薬液バッグ収容体の製造方法
JP4812330B2 (ja) 重炭酸溶液充填容器または易酸化性溶液充填容器の製造方法、およびそれらに用いられるガスバリア性多層フィルム
JP4939405B2 (ja) 薬液容器収容体およびその製造方法
FI102246B (fi) Pakkausyksiköt lääketieteellistä käyttöä varten
JP5358694B2 (ja) 薬液充填プラスチックアンプルおよびその製造方法
CA2583807C (en) Medical gas barrier film and medical bag using the same
AU2002258838A1 (en) High gas barrier receptacle and closure assembly
US20040028856A1 (en) Method of storing labile species
JP2837435B2 (ja) 輸液バッグ
JP5106804B2 (ja) 多層容器の製造方法
ES2293280T3 (es) Pelicula multicapa.
RU2197219C2 (ru) Выдачной узел и способ его изготовления
JP2003104302A (ja) 液体用袋の製造方法
JP2021038009A (ja) 包装材料及び包装体
JPH10216225A (ja) 腹膜透析キット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110728

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110823

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4812330

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees