JP4811320B2 - 樹脂組成物および接着フィルム - Google Patents
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Description
(1) 半導体用部品、液晶表示用部品または基板のいずれかにフィルム状に設け、
露光、現像、パターニングした後に、半導体用部品または液晶表示用部品と、基板とを接合する樹脂組成物であって、
硬化性樹脂と、多孔質充填材とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
(2) 前記硬化性樹脂は、光硬化性樹脂を含むものである(1)に記載の樹脂組成物。
(3) 前記光硬化性樹脂は、アクリル系化合物を含むものである(2)に記載の樹脂組成物。
(4) 前記硬化性樹脂は、光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂を含むものである(1)ないし(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5) 前記多孔質充填材の室温での吸着力は、7(g/100g)以上である(1)ないし(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(6) 前記多孔質充填材の60℃での吸着力は、3(g/100g)以上である(1)ないし(5)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(7) 前記多孔質充填材の含有量は、前記樹脂組成物全体の5〜70重量%である(1)ないし(6)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(8) 前記多孔質充填材は、ゼオライトを含むものである(1)ないし(7)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(9) 接着剤として用いられるものである(1)ないし(8)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(10) (1)ないし(9)のいずれかに記載の樹脂組成物で構成されていることを特徴とする接着フィルム。
本発明の樹脂組成物は、硬化性樹脂と、多孔質充填材とを含むことを特徴とし、本発明の接着フィルムは前記樹脂組成物からなることを特徴とする。
前記硬化性樹脂は、特に限定されないが、光硬化性樹脂を含むことが好ましい。これにより、接着剤成分の位置合わせ精度に優れる。すなわち光硬化性樹脂を含むことで、接着フィルムを露光、現像、パターンニングすることにより接着剤成分を所定の位置に配置することが容易に可能となるからである。
前記アクリル系化合物としては、アクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルのモノマー等が挙げられ、具体的にはジアクリル酸エチレングリコール、ジメタクリ酸エチレングリコール、ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジアクリル酸グリセリン、ジメタクリル酸グリセリン、ジアクリル酸1,10−デカンジオール、ジメタクリル酸1,10−デカンジオール等の2官能アクリレート、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、トリアクリ酸ペンタエリスリトール、トリメタクリ酸ペンタエリスリトール、ヘキサアクリル酸ジペンタエリスリトール、ヘキサメタクリル酸ジペンタエリスリトール等の多官能アクリレートなどが挙げられる。これらの中でもアクリル酸エステルが好ましく、特に好ましくはエステル部位の炭素数が1〜15のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸アルキルエステルが好ましい。
また、前記樹脂組成物には、さらに、光重合開始剤を併用することが好ましい。これにより、光重合により樹脂を効率良くパターニングすることができる。
置に接着剤成分を配置した後、熱圧着することで半導体用部品等と基板とを接合することができる。
なお、前記硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂で前述したものを用いることができる。
前記範囲内であると、特に解像性に優れる。
前記多孔質充填材としては例えば活性アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、イモゴライト、アロフェン等の多孔質充填材等が挙げられる。これらを1種又は2種以上混合して用
いることもできる。前記多孔質充填材は、特にゼオライトを含むものであることが好ましい。
前記平均粒子径は、例えばレーザ回折式粒度分布測定装置SALD−7000((株)島津製作所製)を用いて評価することができる。
前記室温での吸着力[Q1]は、例えば、加熱により完全に乾燥させた充填材をアルミカップに計量し、25℃/50%環境下で168時間放置したあとの重量増加により求めることができる。
前記60℃での吸着力[Q2]は、例えば、加熱により完全に乾燥させた充填材をアルミカップに計量し、60℃/90%環境下で168時間放置したあとの重量増加により求めることができる。
0.4*[Q1]<[Q2]
[Q1]と[Q2]とが前記関係式を充足する場合、特に基板結露改善に効果がある。その理由としては、充填材が高温でも吸着力を維持することから、それを充填したフィルムは比較的高温でも透湿率を維持し、樹脂中を気体の水分が通り易いために、半導体装置内部や液晶装置内部の水分が少なくなり、曇るという現象が起こらないものと考えられる。
子径は、特に限定されないが、0.01〜90μmが好ましく、特に0.1〜40μmが好ましい。平均粒子径が前記上限値を超えるとフィルムの外観異常や解像性不良となる場合があり、前記下限値未満であると加熱貼り付け時の接着不良となる場合がある。
また、前記液晶表示用部品としては、特には限定されないが、例えば液晶パネル等が挙げられる。
1.光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂(アクリル変性フェノール樹脂の合成)
フェノールノボラック(大日本インキ化学工業(株)製、フェノライトTD−2090−60M)の不揮発分70%MEK溶液600g(OH約4当量)を、2lのフラスコ中に投入し、これにトリブチルアミン1g、およびハイドロキノン0.2gを添加し、110℃に加温した。その中へ、グリシジルメタクリレート284g(2モル)を30分間で滴下した後、110℃で5時間攪拌反応させることにより、不揮発分80%メタクリロイル基含有フェノールノボラック(メタクリロイル基変性率50%)を得た。
光硬化性樹脂として室温で液状のアクリル樹脂化合物(三洋化成(株)製、ネオマーPM201)5.1重量%、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンN−865)12.9重量%、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、BY16−115)5.4重量%、光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂として上記の合成したアクリル変性フェノール樹脂28.2重量%、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア651)1.9重量%、充填材として多孔質充填材(ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ3A)31.8重量%、溶剤としてメチルエチルケトン14.7重量%を秤量し、ディスパーザーを用い、回転数5,000rpmで1時間攪拌し、樹脂ワニスを調製した。
上述の樹脂ワニスをコンマコーターで支持基材ポリエステルフィルム(三菱ポリエステルフィルム(株)製、T100G、厚さ25μm)に塗布し、80℃、10分乾燥して膜厚50μmの接着フィルムを得た。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
光硬化性樹脂として室温で液状のアクリル樹脂化合物(三洋化成(株)製、ネオマーPM201)4.4重量%、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンN−865)11.1重量%、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、BY16−115)4.7重量%、光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂として上記の合成したアクリル変性フェノール樹脂24.3重量%、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア651)1.6重量%、充填材として多孔質充填材(ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ3A)41.2重量%、溶剤としてメチルエチルケトン12.7重量%とした。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
光硬化性樹脂として室温で液状のアクリル樹脂化合物(三洋化成(株)製、ネオマーPM201)5.5重量%、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンN−865)14.1重量%、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、BY16−115)5.9重量%、光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂として上記の合成したアクリル変性フェノール樹脂30.7重量%、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア651)2.1重量%、充填材として多孔質充填材(ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ3A、空孔径3Å)25.7重量%、溶剤としてメチルエチルケトン16.0重量%とした。
充填材として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
充填材として多孔質充填材(ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ4A、空孔径4Å)を用いた。
充填材として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
充填材として多孔質充填材(ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ5A、空孔径5Å)を用いた。
充填材として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
充填材として多孔質充填材(ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ13X、空孔径10Å)を用いた。
光および熱の両方で硬化可能な樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
光および熱の両方で硬化可能な樹脂として、カルボキシル基とアクリル基を有する樹脂(ダイセル化学工業(株)製、サイクロマーP)を用いた。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
光硬化性樹脂として室温で液状のアクリル樹脂化合物(三洋化成(株)製、ネオマーPM201)5.1重量%、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンN−865)12.9重量%、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、BY16−115)5.4重量%、光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂として上記の合成したアクリル変性フェノール樹脂28.2重量%、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア651)1.9重量%、充填材として多孔質充填材(ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ3A)15.9重量%、シリカ((株)アドマテックス製、アドマファインSE5101)15.9重量%、溶剤としてメチルエチルケトン14.7重量%とした。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
光硬化性樹脂として室温で液状のアクリル樹脂化合物(三洋化成(株)製、ネオマーPM201)5.1重量%、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンN−865)12.9重量%、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、BY16−115)5.4重量%、光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂として上記の合成したアクリル変性フェノール樹脂28.2重量%、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア651)1.9重量%、充填材として多孔質充填材(ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ3A)15.9重量%、シリカゲル(水澤化学工業(株)製)15.9重量%、溶剤としてメチルエチルケトン14.7重量%とした。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
光硬化性樹脂として室温で液状のアクリル樹脂化合物(三洋化成(株)製、ネオマーPM201)5.1重量%、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンN−865)12.9重量%、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、BY16−115)5.4重量%、光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂として上記の合成したアクリル変性フェノール樹脂28.2重量%、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア651)1.9重量%、充填材としてシリカ((株)アドマテックス製、アドマファインSE5101)31.8重量%、溶剤としてメチルエチルケトン14.7重量%とした。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
光硬化性樹脂として室温で液状のアクリル樹脂化合物(三洋化成(株)製、ネオマーPM201)8.1重量%、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンN−865)20.5重量%、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン(株)製、BY16−115)8.6重量%、光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂として上記の合成したアクリル変性フェノール樹脂44.8重量%、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア651)3.0重量%、溶剤としてメチルエチルケトン15.0重量%とした。
1)フィルム特性(引張破壊強さ)
得られた接着フィルムを波長365nmの光が750mJ/cm2照射されるように露光し、120℃で1時間、180℃で2時間硬化して、フィルム硬化物を得た。そのフィルム硬化物をJIS K7127に準じてダンベル型試験片を作製し、引張試験を行なった。そしてそれぞれの接着フィルムの引張破壊強さを求めた。
得られた接着フィルムの現像性を、25℃、3%のTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)に浸け、3分以内に樹脂が溶解し、支持基材ポリエステルフィルム上に残っていなければ、「現像性有り」と判断し、樹脂が残っていれば「現像性無し」と判断した。
解像性は、以下のように開口率で評価した。
得られた接着性フィルムをポリイミドフィルムに55℃でラミネートし、直径200μmのビアが開口できるようなネガティブタイプのフィルムマスクを用いて、波長365nmの光が200mJ/cm2照射されるようにパターン露光した。
その後、3%TMAHを用いて、スプレー圧0.1MPaで90秒現像し、測長顕微鏡でパターニングされたビアの直径を測定し、下記の式を用いて開口率を算出した。
開口率(%)=実測された開口部の直径(μm)/マスクの直径200(μm)X100
60℃に設定されたラミネータを用いて、得られた接着フィルムを貼り合せ、膜厚100μmのフィルムを作製し、露光機を用いて、露光量750mJ/cm2(波長365nm)照射したあとに、120℃/1時間、180℃/1時間熱硬化する。得られた硬化後のフィルムを透湿カップ法(JIS Z0208)に準じて、25℃/50%の環境下で評価し、透湿率を求めた。
(実施例1A〜9Aおよび比較例1A〜2A)
半導体用部品として固体撮像素子を用い、60℃に設定されたラミネーターを使用して、この6インチウエハー上に上記接着フィルムを貼り付ける。そして、ネガ型のマスクと露光機を用いて、露光し、現像することによりパターニングサンプルを作製する。パターニング形状ならびに配置は各個体撮像素子上の受光部を幅100μmでフレーム状に囲う配置となっている。なお、露光は、波長365nmの光が750mJ/cm2照射されるように露光し、現像は、3%TMAH(テトラアンモニウムハイドロオキサイド)を用いて、スプレー圧0.1MPa、時間90秒の条件で行った。得られたパターニングサンプルを個片化し、、ガラス基板(5mmx4mmx0.5mm)を加熱圧着(温度110℃、時間10秒、圧力1MPa)により貼り合せた。このサンプルを120℃で1時間、その後180℃で2時間硬化し、評価用基板にのせ、接続することにより評価用サンプルを作製した。
評価用サンプルで、半導体装置の一般的な加速信頼性試験をおこなった。温度60℃、湿度90%の条件下で、500時間処理したあと、温度25℃、湿度50%の環境に出し、評価用サンプルのガラス基板の内側が結露するか顕微鏡で観察した。その結果を表2に示す。
以上の結果から、本発明により、高性能、特に半導体・液晶用材料としての信頼性に優れた樹脂組成物および接着フィルムを提供できる。
Claims (10)
- 半導体用部品、液晶表示用部品または基板のいずれかにフィルム状に設け、
露光、現像、パターニングした後に、半導体用部品または液晶表示用部品と、基板とを接合する樹脂組成物であって、
硬化性樹脂と、多孔質充填材とを含むことを特徴とする樹脂組成物。 - 前記硬化性樹脂は、光硬化性樹脂を含むものである請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記光硬化性樹脂は、アクリル系化合物を含むものである請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記硬化性樹脂は、光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂を含むものである請求項1ないし3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記多孔質充填材の室温での吸着力は、7(g/100g)以上である請求項1ないし4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記多孔質充填材の60℃での吸着力は、3(g/100g)以上である請求項1ないし5のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記多孔質充填材の含有量は、前記樹脂組成物全体の5〜70重量%である請求項1ないし6のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記多孔質充填材は、ゼオライトを含むものである請求項1ないし7のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 接着剤として用いられるものである請求項1ないし8のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1ないし9のいずれかに記載の樹脂組成物で構成されていることを特徴とする接着フィルム。
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