JP2000302985A - 電気絶縁性樹脂組成物 - Google Patents

電気絶縁性樹脂組成物

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JP2000302985A
JP2000302985A JP11110220A JP11022099A JP2000302985A JP 2000302985 A JP2000302985 A JP 2000302985A JP 11110220 A JP11110220 A JP 11110220A JP 11022099 A JP11022099 A JP 11022099A JP 2000302985 A JP2000302985 A JP 2000302985A
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Japan
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zeolite
epoxy resin
manufactured
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Takahiro Ito
隆浩 伊藤
Hirokane Taguchi
裕務 田口
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板用プリプレグ、封止剤、表面実装用接着
剤、コンフォーマルコーティング剤等、電子、電気用途
に使用できる電気絶縁性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】脱イオン水に分散させた固形分10重量%
スラリーを1時間放置して得られた上澄み液のpHが
4.0以上11.0以下であるゼオライト系脱水剤を含
有する電気絶縁性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水、アンモニア、
二酸化炭素等、分子径が10Å以下の分子を良好に吸着
するゼオライト粉末を含有し、かつ、絶縁信頼性が優れ
た樹脂硬化物を与える樹脂組成物に関するもので、プリ
ント基板用のプリプレグ、封止剤、抵抗体やコンデンサ
ー等のチップ部品を仮固定するための表面実装用接着
剤、コンフォーマルコーティング剤等に好適に用いられ
る。
【0002】
【従来の技術】アルミナ及びシリケートの含水金属塩か
らなるゼオライトは、特異的な吸着特性を持つ鉱物であ
る。この含水金属塩は、加熱乾燥すると結晶水の一部が
抜け、分子の浸入が可能な空洞が生成する。この空洞
は、水、アンモニア、二酸化炭素等、分子径が10Å以
下の分子を選択的に取り込み、吸着することが知られて
いる。ゼオライトの吸着能力は、他の吸着材料と比較し
て優れており、吸着する分子が低濃度であっても、更
に、150℃迄の比較的高い温度においても良好に吸着
する。特異的な吸着力を示すゼオライトは、2液室温硬
化型ウレタン系樹脂組成物のポリオール成分の脱水に用
いられ、ポリオールに含まれる水分とイソシアネートと
の反応による、硬化時の発泡を防止したり、1液熱硬化
型ウレタン系樹脂組成物、1液湿気硬化型ウレタン樹脂
組成物、1液湿気硬化型シリコーン系樹脂組成物、1液
湿気硬化型エポキシ系樹脂組成物の保存安定性を著しく
改善したりする。特に、特開平6−200227では、
固体分散型エポキシ・アミンアダクト系潜在性硬化剤を
含有する1液熱硬化型エポキシ系樹脂組成物において、
ゼオライトを含有させることで、樹脂組成物の保存安定
性が著しく改善されることが示されている。
【0003】しかしながら、ゼオライトを含有する樹脂
組成物は、高い湿度におかれた場合、電気絶縁抵抗値
(以下、単に抵抗値と略す)が著しく低下するため、電
子、電気用途への使用は困難と考えられていた。
【0004】JIS−Z−3197に定められたII型
の櫛形基板を用いる抵抗値の測定で、このゼオライトを
含有する樹脂組成物は、25℃×60%RHの条件下で
は、1014Ω程度の抵抗値が得られるのに対し、沸水
中、2時間の処理後には、10 7Ω程度まで低下する。
電子、電気用途で使用するには、一般的に1011Ω以上
の抵抗値が必要とされている。
【0005】高湿度下で抵抗値が著しく低下する樹脂組
成物を基板用プリプレグ、封止剤、表面実装用接着剤、
コンフォーマルコーティング剤等、電子、電気用途に用
いると、端子間の電流の漏れ、端子の腐食、マイグレー
ション等、電子、電気部品に重大な欠陥を引き起こす可
能性があり、使用するのには問題があった。
【0006】高湿度下で樹脂硬化物の抵抗値が低下する
現象は、原料として用いられた樹脂組成物中に含まれる
イオン性不純物に起因すると考えられている。イオン性
不純物を捕捉し、抵抗値の低下を防止する方法として特
開平9−188866では、樹脂組成物中に無機イオン
交換体を添加する方法が提案されているが、抵抗値を1
11Ω以上とするには、多量の無機イオン交換体が必要
となり、コストの問題や無機イオン交換体による樹脂物
性の劣化等の問題があり、満足な効果を得ることはでき
なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、基板用プリ
プレグ、封止剤、表面実装用接着剤、コンフォーマルコ
ーティング剤等、電子、電気用途に使用できる電気絶縁
性樹脂組成物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ゼオライ
ト系脱水剤を含有する電子、電気用樹脂組成物の硬化物
における抵抗値を低下させる原因がゼオライト系脱水剤
に付着し、除去可能なイオン性不純物にあり、上記課題
を解決する上で、このイオン性不純物の少ないゼオライ
トを用いることが極めて有効であることを見出し、本発
明を完成するに至った。即ち、本発明は、脱イオン水に
分散させた固形分10重量%スラリーを1時間放置して
得られた上澄み液のpHが4.0以上11.0以下であ
るゼオライト系脱水剤を含有する電気絶縁性樹脂組成物
である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の樹脂組成物につい
て詳細に記述する。 ○ゼオライト系脱水剤 本発明で使用されるゼオライト系脱水剤は、アルミナ及
びシリケートの含水金属塩であり、天然品、合成品のど
ちらでもかまわないが、水や極性溶媒等を吸着する能力
を持つものである。この吸着能力をより効果的に発現さ
せるため、樹脂に均一に分散させることが望ましく、好
ましい平均粒子径は100μm以下、より好ましくは4
0μm以下1μm以上の範囲のものである。本発明にお
けるゼオライトは、脱イオン水に分散させた固形分10
重量%スラリーを1時間放置して得られた上澄み液のp
Hが4.0以上11.0以下であることを特徴としてい
る。好ましいゼオライトは、上記上澄み液のpH値が1
0.5以下のものである。
【0010】好ましいpH値の測定方法は、ゼオライト
5.0gを100mlビーカーに秤取り、pHが7.0
の脱イオン水45mlを加えて5分間攪拌し、1時間放
置後、25℃において測定する方法である。
【0011】本発明におけるゼオライト系脱水剤は、ゼ
オライトの市販品を水洗することにより容易に得ること
ができる。ゼオライトの市販品としては、例えば、「モ
レキュラーシーブ3A」(ユニオン昭和株式会社商品
名)、「モレキュラーシーブ4A」(ユニオン昭和株式
会社商品名)、「モレキュラーシーブ5A」(ユニオン
昭和株式会社商品名)、「モレキュラーシーブ13X」
(ユニオン昭和株式会社商品名)、「ゼオラム3A」
(東ソー株式会社商品名)及び「ゼオラム4A」(東ソ
ー株式会社商品名)等がある。これら市販されているゼ
オライトは、10重量%スラリーのpHが、11.5か
ら12.0にわたっているので、水洗及び再活性化によ
り10重量%スラリーのpH値を11.0以下とするこ
とができる。この水洗は、市販されているゼオライト系
脱水剤の表面に付着した溶解性アルカリ成分を除去する
ための工程であるから、通常1時間以内の操作で足り
る。本発明におけるゼオライト系脱水剤の好ましい添加
量は、樹脂100重量部当たり5〜50重量部である。
ゼオライトの添加量が少ないと、樹脂の発泡防止や保存
安定性等の改善効果が不充分である。逆に、添加量が多
すぎると、抵抗値の低下、粘度上昇による作業性の悪
化、さらに、湿気硬化型樹脂組成物の場合、硬化が遅く
なる。本発明における樹脂は電気絶縁性を有するもので
あり、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等の電気・電子
材料分野で利用されるものである。湿気硬化性を有する
樹脂、湿気により変質しやすい樹脂及び湿気により変質
しやすい添加剤を含有する樹脂等は、ゼオライト系脱水
剤を配合することにより、樹脂及び樹脂硬化物の特性を
顕著に改善させることができるので、上記のゼオライト
系脱水剤を配合して本発明の効果を発揮させる樹脂とし
て好ましいものである。本発明におけるゼオライト系脱
水剤を配合することができる好ましい樹脂を以下に説明
する。
【0012】○1液熱硬化型エポキシ樹脂組成物 1液熱硬化型エポキシ樹脂組成物は、少なくともエポキ
シ樹脂と固体分散型エポキシ・アミンアダクト系潜在性
硬化剤からなる樹脂組成物である。 ・エポキシ樹脂 エポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を2個以上有す
るものであり、従来使用されてきた公知のものを用いる
ことができる。これらの例としては、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂、およびこれらの臭素化物、さらに
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ
樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、脂肪酸のグリシジル
エステル型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール、あ
るいはポリプロピレングリコールのグリシジルエーテル
型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポ
キシ樹脂は、単独または、混合物の形で用いることがで
き、イオン性不純物の含有量が少ない高純度エポキシ樹
脂はより好ましいものである。 ・固体分散型エポキシ・アミンアダクト系潜在性硬化剤 固体分散型エポキシ・アミンアダクト系潜在性硬化剤
は、エポキシ化合物と1・2級アミンを持つ化合物との
付加反応生成物(エポキシ・アミンアダクト体)であ
り、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチル
イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニル
イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾー
ル、2−イソプロピルイミダゾール等のイミダゾール
類、あるいは、N−メチルピペラジン等のピペラジン
類、あるいは、2−ジメチルアミノエチルアミン、3−
ジメチルアミノ−N−プロピルアミン等のアミン化合
物、あるいは、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸
ジヒドラジド等の有機酸ヒドラジド類等のアミン化合物
と、このアミン化合物に対して0.5ないし10.0重
量%程度の比較的分子量の大きい常温で固体のノボラッ
ク型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂等とをエポキシ樹脂の
融点以上に加熱、反応させることによって得られる。
【0013】このエポキシ・アミンアダクト体をエポキ
シ樹脂に混合した場合の、室温以上における保存安定性
を改良する目的で、エポキシ・アミンアダクト体の表面
において、ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、トリレンジイソシアネート(TDI)等のイソシ
アネート化合物と水とを反応させポリウレタンのシェル
を持つカプセル状にした硬化剤や、更に、硬化剤をエポ
キシ樹脂でマスターバッチ化したものも使用できる。 ・その他の潜在性硬化剤 さらにエポキシ・アミンアダクト体以外の潜在性硬化剤
等と併用することもできる。他の潜在性硬化剤として
は、グアニジン化合物、芳香族アミン化合物、カルボン
酸無水物、および、ヒドラジド化合物等がある。
【0014】潜在性硬化剤の平均粒子径は、樹脂硬化物
の物性や、硬化剤の添加効率を考慮すると、40μm以
下であることが望ましく、12μm以下であれば更に良
い結果が得られる。
【0015】このエポキシ・アミンアダクト体は、エポ
キシ樹脂の硬化剤として市販もされており、旭化成株式
会社の商品名ノバキュア、味の素株式会社の商品名アミ
キュア等がこれに該当する。
【0016】○1液湿気硬化型エポキシ樹脂組成物 1液湿気硬化型エポキシ樹脂組成物は、少なくとも前述
したエポキシ樹脂とケチミン系潜在性硬化剤からなる樹
脂組成物である。 ・ケチミン系潜在性硬化剤 ケチミン系潜在性硬化剤は、1分子中に2つ以上のアミ
ノ基を有するアミン化合物とケトン化合物との脱水縮合
反応物であり、空気中の水分と容易に反応して、アミン
化合物を生成するので、エポキシ樹脂やウレタン樹脂の
湿気硬化用の硬化剤として用いられるものである。ケチ
ミン系潜在性硬化剤を調製するために用いられるアミン
化合物の具体例としては、ジエチレントリアミン(DE
TA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラ
エチレンペンタミン(TEPA)、ジプロピレンジアミ
ン(DPDA)、ジエチルアミノプロピルアミン(DE
APA)、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、N−
アミノエチルピペラジン(N−AEP)、メンセンジア
ミン(MDA)、イソフォロンジアミン(IPDA)m
−フェニレンジアミン(MPDA)、m−キシリレンジ
アミン(MXDA)等があげられる。また、ケトン化合
物としては、アセトン、メチルエチルケトン(ME
K)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等があげら
れる。
【0017】○1液湿気硬化型シリコーン樹脂組成物 1液湿気硬化型シリコーン樹脂組成物は、少なくともシ
リコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂からなる樹脂組成
物である。 ・シリコーン樹脂 ここでいうシリコーン樹脂とは、1分子中に2つ以上の
加水分解性のシリル基を有するポリオルガノシロキサン
であり、また、変性シリコーン樹脂とは、1分子中に2
つ以上の加水分解性のシリル基を有するポリオキシアル
キレンである。一般的には、次式で示される。シリコー
ン樹脂であれば、XaR’(3-a)SiO(R’2SiO)n
SiR’(3-a)a、また、変性シリコーン樹脂であれ
ば、XaR’(3-a)SiO(R”O)nSiR’
(3-a)a、である。ここに、Xは加水分解性基であり、
R’は1価の炭化水素基であり、aは1、2または3で
ある。R”は、炭素数2〜4の2価の炭化水素基であ
る。前記加水分解性基Xは、水(蒸気)と反応して加水
分解されるどんなものでもよく、例えばアルコキシ、ア
シロキシ、ケトオキシモ、n−メチルベンズアミド、お
よび、アルケニルオキシでありうる。1価の炭化水素基
は、アルキル(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、イソプロピルおよびオクチル)、アルケニル(例え
ばビニル、アリルおよびヘキセニル)、シクロアルキル
(例えばシクロペンチルおよびシクロヘキシル)、アリ
ール(例えばフェニル、トリルおよび、キシリル)、ま
たは、アラルキル(例えば2−ベンジルエチル)等であ
る。2価の炭化水素基は、エチレン、プロピレン、ブチ
レン等である。 ・硬化触媒 硬化触媒の一例としては、ジブチルスズジラウレート、
ジブチルスズジアセテート、オクタン酸スズ、および、
2−エチルヘキサン酸第一スズがある。
【0018】○1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物 1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物は、少なくともウレ
タンプレポリマーからなる樹脂組成物である。 ・ウレタンプレポリマー ウレタンプレポリマーとは、水酸基を有するポリオール
と過剰量のイソシアネート化合物を窒素気流下におい
て、常圧下、反応温度70〜90℃で、1〜3時間反応
させることにより得られる。これら反応成分の割合は、
通常、NCO/OHの当量比が1.2〜1.9、好まし
くは1.4〜1.7の範囲となるように設定すればよ
い。1.2未満では、ウレタンプレポリマーの粘度が著
しく高くなり、また1.9を越えると粘度は低いが、湿
気硬化時の二酸化炭素による発泡が著しくなる傾向があ
る。
【0019】○1液熱硬化型ウレタン樹脂組成物 1液熱硬化型ウレタン樹脂組成物は、少なくともウレタ
ンプレポリマーと固体分散型ヒドラジド系潜在性硬化剤
からなる樹脂組成物である。 ・固体分散型ヒドラジド系潜在性硬化剤 固体分散型ヒドラジド系潜在性硬化剤は、有機酸のヒド
ラジド化合物であり、カルボン酸エステルとヒドラジン
から容易に合成できる高融点の粉体である。末端窒素の
2個の活性水素がイソシアネートと反応し、第一アミン
と同じような硬化をするので、感熱性の潜在性硬化剤と
して作用する。具体例としては、カルボジヒドラジド
(CDH)、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、セバ
チン酸ジヒドラジド(SDH)、コハク酸ジヒドラジ
ド、イソフタル酸ジヒドラジド、p−オキシ安息香酸ヒ
ドラジド等があげられる。
【0020】○2液室温硬化型ウレタン樹脂組成物 2液室温硬化型ウレタン樹脂組成物は、少なくともポリ
オール及びイソシアネート化合物からなる樹脂組成物で
ある。 ・ポリオール ポリオールは、1分子中に2つ以上の水酸基を有し、イ
ソシアネート化合物と容易に付加反応してウレタン樹脂
を生成する比較的低分子量の重合体である。重合体の骨
格は、エーテル系、エステル系、ダイマー酸系、アクリ
ル酸エステル系、ビニルエステル系、炭化水素系等、用
途、目的に応じて様々なものが開発され、それぞれを単
独で用いても、複数を併用して用いることもできる。 ・イソシアネート化合物 好ましいイソシアネート化合物として、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、
水添ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイ
ソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート
(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMD
I)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート(IPDI)、フェニレンジ
イソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフ
ェニルメタンジイソシアネートをはじめとする種々のポ
リイソシアネート、あるいはこれらのポリイソシアネー
トのウレタン変性体、二量体、三量体、カルボジイミド
変性体、アロハネート変性体、ウレア変性体、ビウレッ
ト変性体、プレポリマー等がある。
【0021】○無機イオン交換体 本発明の組成物において、樹脂組成物中のイオン性不純
物をさらに低減する目的で、無機イオン交換体を併用す
ることができる。無機イオン交換体としては、陰イオン
及び陽イオン交換機能を併せ持ったものが好ましいが、
陰イオンまたは陽イオンのみの交換機能のものでも高い
添加効果が期待できる。
【0022】陰イオン交換機能を持つものとしては、ビ
スマス系、マグネシウム、アルミニウム系、ジルコニウ
ム系、鉛系イオン交換体が使用できるがビスマス系が好
ましい。
【0023】また、陽イオン交換機能を持つものとして
は、ジルコニウム系、スズ系、アンチモン系、チタン系
イオン交換体が使用できるが、アンチモン系が好まし
い。
【0024】無機イオン交換体は、上記のようなイオン
性不純物及びアミン化合物を捕捉できるかぎり、一種又
は複数種で使用してもよい。
【0025】○その他の所望成分 その他、本発明では、粘度、チクソトロピー性、耐熱性
等を向上させるために可塑剤や反応性希釈剤、無機充填
材、チクソトロピー性付与剤、硬化触媒、さらに、消泡
剤、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防黴剤な
どの添加剤等を使用することができる。
【0026】○用途 本発明の樹脂組成物は、電気絶縁性に優れているので、
各種の電気・電子材料用として有用であり、例えばプリ
ント基板用のプリプレグ、半導体等の電子部品を封止す
る材料、抵抗体やコンデンサー等のチップ部品を仮固定
するための表面実装用接着剤、コンフォーマルコーティ
ング剤等に好適に用いられる。
【0027】
【実施例】以下に、実施例により本発明を具体的に説明
する。 (ゼオライト系脱水剤の洗浄)3リットルのビーカー
に、粉末状ゼオライト(ユニオン昭和株式会社製品、モ
レキュラーシーブ3A微粉末)を100g取り、これに
脱イオン水500gを加えて室温で30分攪拌した。ゼ
オライト粉末を沈降させ、上澄みを除去し、乾燥した
後、300℃電気オーブン中で2時間加熱して再活性化
したものを「洗浄ゼオライトA」とした。この洗浄操作を
2回行って再活性化したものを「洗浄ゼオライトB」とし
た。2回の洗浄操作の後、ろ過し、さらに、ろ紙上のゼ
オライトに1リットルの脱イオン水を流して充分な洗浄
を行って再活性化したものを「洗浄ゼオライトC」とし
た。好ましいpH値の測定法として前記した方法で測定
した上澄み液のpHは、洗浄前の粉末状ゼオライトが1
1.7であったのに対し、洗浄ゼオライトAが11.1
であり、洗浄ゼオライトBが10.7であり、洗浄ゼオ
ライトCが10.2であった。これらのゼオライト系脱
水剤を、後述する実施例に使用した。
【0028】(粘度の測定)トキメック製EMD−ST
型回転粘度計を用い、25℃、5rpmで測定した。 (ゲルタイムの測定)所定温度の熱板上で0.3±0.
05gの樹脂組成物を加熱し、流動状態が消失してゲル
化に至るまでの時間を測定した。
【0029】(硬化時間の測定)25℃、60%の雰囲
気に5g樹脂組成物を放置し、流動状態が消失してゲル
化に至るまでの時間を測定した。
【0030】(試験片調製時の硬化条件)1液熱硬化型
エポキシ樹脂組成物、1液熱硬化型ウレタン樹脂組成物
は、150℃において60分加熱した。1液湿気硬化型
エポキシ樹脂組成物、1液湿気硬化型シリコーン樹脂組
成物、1液湿気硬化型変性シリコーン樹脂組成物、1液
湿気硬化型ウレタン樹脂組成物、2液室温硬化型ウレタ
ン樹脂組成物は、25℃60%RHの雰囲気で7日間放
置した。
【0031】(保存安定性)各々の樹脂組成物をポリエ
チレン製蓋付きカップに入れ、密封した状態で40℃に
保管して、経時的な粘度変化を測定した。粘度が初期の
2倍となるまでの日数を求めた。
【0032】(発泡の評価)樹脂組成物の硬化前と、硬
化後に比重を測定し、硬化前に対し、5%以内の変動で
あれば、「○」、5%以上の低下が見られれば、
「×」、とした。
【0033】(表面抵抗値の測定)JIS−Z−319
7に示されるII型の櫛形基板上に、膜厚100〜15
0μm程度に各組成物を塗布、硬化し、続いて、この基
板を2時間沸騰水中に浸漬した後、25℃、60%RH
の雰囲気下で約1時間放置して、微小電流測定器を用い
て、表面抵抗値を測定した。
【0034】尚、表面抵抗値は「mE+n」の形式で示
されており、これは「m×10n」と同義である。 (実施例1) (1液熱硬化型エポキシ樹脂組成物)エポキシ樹脂(油
化シェルエポキシ株式会社製エピコート828)100
g、反応性希釈剤(油化シェルエポキシ株式会社製YE
D−122)10g、固体分散型エポキシ・アミンアダ
クト系潜在性硬化剤(味の素株式会社製PN−23)2
0g、無機充填材(日本タルク工業株式会社製ミクロエ
ースK−1)20g、チクソトロピー性付与剤(日本ア
エロジル工業株式会社製#200)1g、洗浄ゼオライ
トC20gを三本ロールを用いて均一に混合した。
【0035】(実施例2) (1液湿気硬化型エポキシ樹脂組成物)エポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ株式会社製エピコート828)1
00g、ケチミン化合物20g、無機充填材(日本タル
ク工業株式会社製ミクロエースK−1)20g、チクソ
トロピー性付与剤(日本アエロジル工業株式会社製#2
00)1g、洗浄ゼオライトC20gを三本ロールを用
いて均一に混合した。ケチミン化合物としては、ジエチ
レントリアミンとメチルエチルケトンとの脱水縮合物を
用いた。
【0036】(実施例3) (1液湿気硬化型シリコーン樹脂組成物)シリコーン樹
脂(信越化学株式会社製KE3495)100g、シラ
ンカップリング剤(日本ユニカー株式会社製A−112
0)5g、無機充填材(日本タルク工業株式会社製ミク
ロエースK−1)20g、チクソトロピー性付与剤(日
本アエロジル工業株式会社製#200)1g、洗浄ゼオ
ライトC20gを三本ロールを用いて均一に混合した。
【0037】(実施例4) (1液湿気硬化型変性シリコーン樹脂組成物)変性シリ
コーン樹脂(鐘淵化学工業株式会社製MSポリマー30
3)100g、可塑剤(ジオクチルフタレート)30
g、シランカップリング剤(日本ユニカー株式会社製A
−1120)5g、スズ系硬化触媒A(ジブチルスズオ
キサイドとジオクチルフタレートとの混合物)3g、無
機充填材(日本タルク工業株式会社製ミクロエースK−
1)20g、チクソトロピー性付与剤(日本アエロジル
工業株式会社製#200)1g、洗浄ゼオライトC20
gを三本ロールを用いて均一に混合した。
【0038】(実施例5) (1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物)ウレタンプレポ
リマー100g、可塑剤(ジオクチルフタレート)30
g、アミン系硬化触媒(トリエチレンジアミン)3g、
無機充填材(日本タルク工業株式会社製ミクロエースK
−1)20g、チクソトロピー性付与剤(日本アエロジ
ル工業株式会社製#200)1g、洗浄ゼオライトC2
0gを三本ロールを用いて均一に混合した。ウレタンプ
レポリマーは、分子量3000のポリオキシプロピレン
ジオール300g、分子量4000のポリオキシプロピ
レントリオール80g、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート50gを窒素置換されたフラスコ中、80℃におい
て2時間反応させて調製した。生成物のNCO含有量
は、1.2%であった。
【0039】(実施例6) (1液熱硬化型ウレタン樹脂組成物)ウレタンプレポリ
マー100g、ヒドラジド系硬化剤(日本ヒドラジド工
業株式会社製ADH)30g、無機充填材(日本タルク
工業株式会社製ミクロエースK−1)20g、チクソト
ロピー性付与剤(日本アエロジル工業株式会社製#20
0)1g、洗浄ゼオライトC20gを三本ロールを用い
て均一に混合した。ウレタンプレポリマーは、実施例5
と同じものを用いた。
【0040】(実施例7) (2液室温硬化型ウレタン樹脂組成物)ポリオール10
0g(出光石油化学株式会社製エポール、水酸基含有液
状イソプレン水素化物、数平均分子量1400、粘度1
10000mPa・s)、ポリエステルポリオール(水添ヒ
マシ油脂肪酸とトリメチロールプロパンとの縮合物、O
H価100、粘度2000mPa・s)30g、スズ系硬化
触媒B(ジブチルスズジラウレート)3g、無機充填材
(日本タルク工業株式会社製ミクロエースK−1)20
g、チクソトロピー性付与剤(日本アエロジル工業株式
会社製#200)1g、洗浄ゼオライトC20gを三本
ロールを用いて均一に混合してポリオール成分とした。
イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業株式会社
製ミリオネートMTL)をそのままイソシアネート成分
とした。ポリオール成分164gに対し、イソシアネー
ト成分20gを充分混合して評価に用いた。
【0041】(実施例8) (1液熱硬化型エポキシ樹脂組成物)実施例1の組成物
で、洗浄ゼオライトCの代わりに洗浄ゼオライトBを用
いた。
【0042】(実施例9) (1液熱硬化型エポキシ樹脂組成物)実施例8の組成物
で、洗浄ゼオライトBの添加量を50gとした。
【0043】(比較例1) (1液熱硬化型エポキシ樹脂組成物)実施例8の組成物
で、洗浄ゼオライトBの添加量を70gとした。
【0044】(比較例2) (1液熱硬化型エポキシ樹脂組成物)実施例1の組成物
で、洗浄ゼオライトCの代わりに洗浄ゼオライトAを用
いた。
【0045】(比較例3〜9)実施例1〜7の組成物に
おいて、洗浄ゼオライトCの代わりに、粉末状ゼオライ
ト(ユニオン昭和株式会社製品、モレキュラーシーブ3
A微粉末)をそのまま混合した。
【0046】(比較例10〜16)実施例1〜7の組成
物において、洗浄ゼオライトCを混合しなかった。
【0047】実施例、比較例による接着剤の評価結果を
下記表1〜6に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、高湿度下におけ
る抵抗値の低下を著しく抑制でき、端子間の電流の漏
れ、端子の腐食、マイグレーション等、電気部品に重大
な欠陥を引き起こすことのない絶縁信頼性の高い樹脂硬
化物とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AA001 CD001 CK021 CP031 DJ006 FD016 FD206 GH00 GJ01 GQ01 5G305 AA06 AA07 AA11 AA13 AB26 BA09 BA26 CA15 CA18 CA26 CC12 CD20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱イオン水に分散させた固形分10重量%
    スラリーを1時間放置して得られた上澄み液のpHが
    4.0以上11.0以下であるゼオライト系脱水剤を含
    有する電気絶縁性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】樹脂100重量部当たりのゼオライト系脱
    水剤の含有量が5〜50重量部である請求項1記載の電
    気絶縁性樹脂組成物。
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