JP4811215B2 - 流体伝動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の自動変速機等に用いられる、ロックアップクラッチを備えた流体伝動装置に関するものである。
自動車の自動変速機においては、エンジンの出力を自動変速機に伝達するに際し、その伝動装置の一種として流体伝動装置(トルクコンバータ)が用いられている。しかし、流体伝動装置では流体を介して動力伝達を行なうため、動力を100%伝達できない。そこで、ロックアップクラッチを設けて入力軸と出力軸とを機械的に接続可能とする技術が知られている(特許文献1)。
特許文献1に記載のような加圧式のロックアップクラッチでは、入力軸に連結されるクラッチドラムの内周面にスプラインを形成し、このスプラインに係合するドライブプレート及びリテイニングプレートが設けられる。そして、ロックアップピストンの押圧力によりドライブプレートを押圧して、出力軸に連結される摩擦プレートをドライブプレートとリテイニングプレートとを挟持することで、入力軸と出力軸とを機械的に接続する。
特開2005−220972号公報
ここで、クラッチドラム内周面のスプラインの歯とこれに係合するドライブプレート及びリテイニングプレートのスプラインの歯との間にはバッククラッシュが存在し、また、エンジンの出力トルクは変動する。このため、非ロックアップ時に互いのスプラインの歯側面が離間した状態から衝突し、歯打ち音を生じるという問題がある。
従って、本発明の目的は、ロックアップクラッチの歯打ち音を低減する流体伝動装置を提供することにある。
本発明によれば、エンジンからの回転力が入力される入力軸に連結され、内方に作動油が充填されたフロントカバーと、前記フロントカバーに連結されたインペラシェルと、前記インペラシェルに設けられたポンプインペラと、前記インペラシェルと対向するように配置され、前記ポンプインペラの回転により作動油を介して回転駆動されるタービンランナと、前記タービンランナの外殻を形成すると共に、前記入力軸と同軸上に設けられた出力軸に連結されたタービンシェルと、上記フロントカバーの内方空間に設けられたロックアップクラッチと、を備え、前記ロックアップクラッチが、前記フロントカバーに連結され、前記入力軸と同軸回りに形成されたクラッチ外筒部と、前記クラッチ外筒部の内周面に、前記クラッチ外筒部の軸方向に沿って形成された第1スプラインと、前記出力軸に連結され、前記入力軸と同軸回りに形成されたクラッチ内筒部と、前記クラッチ内筒部の外周面に、前記クラッチ内筒部の軸方向に沿って形成された第2スプラインと、前記第1スプラインに係合するスプラインが外周縁に形成され、前記第1スプラインに沿って移動可能に設けられた円板状の第1プレートと、前記第1スプラインに係合するスプラインが外周縁に形成され、前記第1スプラインに沿う移動が規制された円板状のリテイニングプレートと、前記第1プレートと前記リテイニングプレートとの間に介在する外周縁と、前記第2スプラインに係合するスプラインが形成された内周縁と、を有し、前記第2スプラインに沿って移動可能に設けられた円板状の第2プレートと、前記フロントカバー内方に形成されたクラッチ油圧室への作動油の導入により移動して前記第1プレートを前記リテイニングプレート側へ押圧し、前記第1プレートと前記リテイニングプレートとにより前記第2プレートを狭持させるピストンと、を備えた流体伝動装置において、前記第1プレートと前記リテイニングプレートとの間に、これらを互いに周方向逆方向に付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする流体伝動装置が提供される。
本発明の流体伝動装置では、前記付勢部材の付勢により、前記第1プレートと前記リテイニングプレートの前記スプラインの歯側面を前記第1スプラインの歯側面に常時当接させておくことができ、非ロックアップ時に、前記第1プレートと前記リテイニングプレートの前記スプラインと前記第1スプラインとから歯打ち音が発生することを低減することができる。
本発明においては、前記付勢部材は、前記第1プレートの前記スプラインの歯底部と、前記第1スプラインの歯先部と、の間に配設された一方端部と、前記リテイニングプレートの前記スプラインの歯底部と、前記第1スプラインの歯先部と、の間に配設された他方端部と、前記第1スプラインと前記第2プレートの前記外周縁との間に配設され、前記一方端部と前記他方端部とを接続する中間部と、を備えた弾性片である構成を採用できる。
この構成によれば、より簡易な構成で、かつ、前記ロックアップクラッチの動作に影響を与えることなく、前記付勢部材を構成できる。
また、本発明においては、前記第1プレートが、前記一方端部と係合し、前記第1プレートの径方向に前記一方端部が脱落することを防止する第1係合部を備え、前記リテイニングプレートが、前記他方端部と係合し、前記リテイニングプレートの径方向に前記他方端部が脱落することを防止する第2係合部を備えた構成を採用できる。
この構成によれば、前記付勢部材である前記弾性片が前記第1プレート及び前記リテイニングプレートから脱落することを比較的簡易な構成でより確実に防止することができる。
また、本発明においては、前記第1及び第2プレート並びに前記リテイニングプレートに、それぞれ、前記付勢部材を組付ける際に、これらの回転位相合わせを行なうためのピンが挿入される孔を設けた構成を採用できる。
この構成によれば、前記第1及び第2プレート、前記リテイニングプレート並びに前記付勢部材の組付け性を向上することができる。
また、本発明においては、前記付勢部材を、前記第1プレート及び前記リテイニングプレートの周方向の複数箇所に等間隔で複数配設した構成を採用できる。
この構成によれば、前記付勢部材を設けたことによる、前記入力軸及び前記出力軸の回転バランスへの影響を最小とすることができる。
以上述べた通り、本発明によれば、ロックアップクラッチの歯打ち音を低減する流体伝動装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るロックアップクラッチ付き流体伝動装置A(トルクコンバータ)の全体的な構成を示す概略図であり、入力軸1の軸線Lを境界として流体伝動装置Aの上半分の断面図を示している。
流体伝動装置Aは、エンジンのクランクシャフト(図示せず)に連結されてエンジンからの回転力が入力される入力軸1に連結されたフロントカバー2と、フロントカバー2に連結されたインペラシェル3と、インペラシェル3の内方に設けられたポンプインペラ4と、インペラシェル3及びポンプインペラ4と対向して配置されたタービン10と、を備える。
タービン10は、インペラシェル3と対向するように配置されたタービンランナ11と、タービンランナ11の外殻を形成すると共に、入力軸1と同軸上に設けられた出力軸(タービンシャフト)5に連結されたタービンシェル12と、を備える。タービンシェル12は、出力軸5に固定された固定スリーブ6を介して出力軸5に連結されている。インペラシェル3とポンプインペラ4とから構成されるポンプとタービン10との間にはステータ7が配設されている。
フロントカバー2及びインペラシェル3で形成される内方空間には作動油(不図示)が充填されている。ポンプインペラ4は入力軸1と一体的に回転し、ポンプインペラ4の回転により作動油を介してタービンランナ11が回転駆動され、タービン10及び出力軸5が回転する。出力軸5の回転力は不図示の変速歯車機構に入力されることになる。
フロントカバー2の内方空間にはロックアップクラッチ20が設けられている。ロックアップクラッチ20は、入力軸1と出力軸5とを機械的に且つ選択的に連結する。即ち、機械的に締結状態、締結解除状態或いは半クラッチ状態にされる。完全に締結されたときには、エンジンの回転を、ロックアップクラッチ20を介して出力軸5に直接に伝達することが出来る。
ロックアップクラッチ20はフロントカバー2に固定されたクラッチドラム21を有する。クラッチドラム21は入力軸1と同軸回りに形成されたクラッチ外筒部21aを有し、クラッチ外筒部21aの内周面にはその軸方向(軸線L方向)に沿ってスプライン21bが形成されている。
ロックアップクラッチ20はクラッチハブ22を有する。クラッチハブ22は入力軸1と同軸回りに形成されたクラッチ内筒部22aを有し、クラッチ内筒部22aの外周面にはその軸方向(軸線L方向)に沿ってスプライン22bが形成されている。クラッチハブ22はロックアップ時のエンジントルクの変動を吸収するダンパ部23及び固定スリーブ6を介して出力軸5に連結されている。
ロックアップクラッチ20はスプライン21bに係合するスプライン24aが外周縁に形成され、スプライン21bに沿って軸線L方向に移動可能に設けられた円板状のドライブプレート(第1プレート)24と、スプライン21bに係合するスプライン25aが外周縁に形成され、スプライン21bに沿う移動が規制された円板状のリテイニングプレート25と、を備える。スプライン21bの端部にはスプリングリテーナ26が固定されており、これによりリテイニングプレート25のタービン10側への移動が規制される。なお、スプライン24aとスプライン25aの歯形は同形である。
ドライブプレート24とリテイニングプレート25との間には、円板状のドリブンプレート(第2プレート)26が配設されている。ドリブンプレート26はドライブプレート24とリテイニングプレート25との間に介在する外周縁26aと、スプライン22bに係合するスプライン26bが形成された内周縁と、を有し、スプライン22bに沿って軸線L方向に移動可能に設けられている。なお、外周縁26の表裏には摩擦材26cが配設されている。
ロックアップクラッチ20は、ロックアップピストン27を有する。ロックアップピストン27は、フロントカバー2に固定されたピストンハウジング28のボス部28aと、ピストンハウジング28の上端部28bとで案内されて、軸線L方向に移動可能となっている。
フロントカバー2の内方空間において、ロックアップピストン27とピストンハウジング28との間には、クラッチ油圧室29が形成されている。ロックアップピストン27は、クラッチ油圧室29の作動油の油圧の変化によって軸線L方向に移動するようになっている。
ロックアップピストン27は、主に、クラッチ油圧室29の作動油から油圧を受ける受圧部27aと、ドライブプレート24を押圧する押圧部29bとを有する。しかして、ロックアップ時には、クラッチ油圧室29への作動油の導入により、クラッチ油圧室29内が加圧されて、ロックアップピストン27が軸線L方向タービン10側に移動してドライブプレート24をリテイニングプレート25側へ押圧する。この結果、ドライブプレート24とリテイニングプレート25とによりドリブンプレート26が挟持され、入力軸1と出力軸5とが機械的に連結される。また、クラッチ油圧室29の作動油を減圧することで、ロックアップピストン27が軸線L方向入力軸1側に移動して、ドライブプレート24とドリブンプレート26とが小さな圧力で接触する半クラッチ状態、或いは、ドライブプレート24とドリブンプレート26とが完全に離れる締結解除状態とすることが出来る。
次に、図2乃至図4(a)及び(b)を参照して流体伝動装置Aはドライブプレート24とリテイニングプレート25との間に、これらを互いに周方向逆方向に付勢する付勢部材30を備える。図2は付勢部材30の装着態様を示すドライブプレート24、ドリブンプレート26、リテイニングプレート25の斜視図であり、図3はその分解斜視図である。また、図4(a)は付勢部材30の装着態様をリテイニングプレート25側から見た要部正面図(破断図)、図4(b)は図4(a)の構成の要部平面図である。
本実施形態の場合、付勢部材30は、ドライブプレート24のスプライン24aの歯底部24a’と、クラッチドラム21のスプライン21bの歯先部21b’と、の間に配設された端部31と、リテイニングプレート25のスプライン25aの歯底部25a’と、クラッチドラム21のスプライン21bの歯先部21b’と、の間に配設された端部32と、クラッチドラム21のスプライン21bとドリブンプレート26の外周縁26aとの間に配設され、端部31と端部32とを接続する中間部33と、を備えた弾性片であり、例えば、バネ鋼の金属片である。
中間部33の軸方向(図4(b)参照。)の幅はドリブンプレート26の厚さよりも小さくされている。これはロックアップ時にドライブプレート24とリテイニングプレート25とが中間部33を噛むことを防止するためである。付勢部材30の周方向(図4(a)及び(b)参照。)の長さは、スプライン24a(スプライン25a)の歯底部24a’(25a’)の周方向の幅よりも大きくされている。
なお、本実施形態では、端部31と端部32とを、スプライン24a及び25aの互いに同位相となる歯底部24a’、25a’に配設しているが、異なる位相の歯底部に配設してもよい。この場合、付勢部材30の周方向の長さを配設箇所間の距離に応じて適宜変更することになる。例えば、端部31を設けた歯底部24a’の隣の歯底部に対応する歯底部25a’に端部32を配設する構成の場合、(歯底部24a’(25a’)の周方向の幅)×2+(隣接する歯底部24a’(25a’)間の距離)から算出される幅よりも付勢部材30の周方向の長さは長くすることになる。
ドライブプレート24は、付勢部材30の端部31と係合し、ドライブプレート24の径方向に端部31が脱落することを防止する係合部241を備える。図4(c)は係合部241の斜視図であり、スプライン24aの歯側面下部に形成された切り欠きである。なお、端部31は軸方向(図4(b)参照。)については係合部241に沿って摺動可能である。リテイニングプレート25も、付勢部材30の端部32と係合し、リテイニングプレート25の径方向に端部32が脱落することを防止する係合部251を備え、その構成は図4に示した係合部241と同様である。
このような係合部241、251を設けておくことで、付勢部材30がドライブプレート24及びリテイニングプレート25から脱落することを比較的簡易な構成でより確実に防止することができ、流体伝動装置Aの信頼性を向上することができる。
しかして、係る構成からなる付勢部材30は、図4(a)に示すように、ドライブプレート24については周方向の矢印D1方向に、リテイニングプレート25については矢印D1方向とは逆の周方向の矢印D2方向に、これらをそれぞれ付勢する。
このような付勢部材30の付勢により、ドライブプレート24とリテイニングプレート25のスプライン24a、25aの歯側面をクラッチドラム21のスプライン21bの歯側面に常時当接(図4(a)のP1、P2参照。)させておくことができ、非ロックアップ時に、ドライブプレート24とリテイニングプレート25のスプライン24a、25aとクラッチドラム21のスプライン21bとから歯打ち音が発生することを低減することができる。
付勢部材(30)としては、上記構成の弾性片以外にも様々な構成のものを採用することができる。しかし、上記構成の付勢部材30は、より簡易な構成で、ドライブプレート24とリテイニングプレート25とを互いに周方向逆方向に付勢して歯打ち音の発生を低減できる。また、ドライブプレート24とリテイニングプレート25とは、いずれもクラッチドラム21のスプライン21bに係合する構成であり、ドライブプレート24は可動であることに加えて、ドライブプレート24とリテイニングプレート25との間にはドリブンプレート26が存在する構成である。
本実施形態の付勢部材30はその端部31、32がスプライン24aの歯底部24a’、スプライン25aの歯底部25a’と、クラッチドラム21のスプライン21bの歯先部21b’との間にそれぞれ配されることにより、ドライブプレート24及びリテイニングプレート25とクラッチドラム21とのスプライン係合を妨げることなく、また、ドライブプレート24の移動を妨げることもない。更に、中間部33がクラッチドラム21のスプライン21bとドリブンプレート26の外周縁26aとの間に配されることにより、ドライブプレート24とリテイニングプレート25とによるドリブンプレート26の挟持を妨げることなく端部31、32間を連結することができる。このように本実施形態の付勢部材30はロックアップクラッチ20の動作に影響を与えることなく、上記作用を発揮する。
ところで、ドライブプレート24及びリテイニングプレート25をクラッチドラム21に組付ける際には、スプライン24a、25aをスプライン21bに係合させ、また、ドリブンプレート26をクラッチハブ22に組付ける際には、スプライン26bをスプライン22bに係合させることが必要となる。
これらの係合作業と共に付勢部材30の組付けを行なうためには、ドライブプレート24、リテイニングプレート25、ドリブンプレート26の回転位相合わせを行なっておき、同時に組付けることが便利である。
本実施形態では、図3に示すようにドライブプレート24、リテイニングプレート25、ドリブンプレート26に、それぞれ、付勢部材30を組付ける際に、これらの回転位相合わせを行なうためのピン100が挿入される孔124、125、126が形成されている。各孔124、125、126はドライブプレート24、リテイニングプレート25、ドリブンプレート26のスプライン24a、25a、26bの位相が合うように位置決めされて形成されている。
しかして、付勢部材30の組付け時には、まず、ピン100を各孔124、125、126に挿入する。続いて、付勢部材30をドライブプレート24、リテイニングプレート25に組付け、ドライブプレート24、リテイニングプレート25、ドリブンプレート26をまとめてクラッチドラム21、クラッチハブ22に組付ける。その後、ピン100は抜き取られる。このように構成することで、ドライブプレート24、リテイニングプレート25、ドリブンプレート26並びに付勢部材30の組付け性を向上することができる。
次に、上記実施形態では付勢部材30を一つのみ設けたが複数設けることもできる。複数設けることにより、全周に渡ってより確実に、ドライブプレート24とリテイニングプレート25のスプライン24a、25aの歯側面をクラッチドラム21のスプライン21bの歯側面に常時当接させておくことができ、歯打ち音が発生することを低減することができる。
付勢部材30を複数設ける場合、ドライブプレート24及びリテイニングプレート25の周方向の複数箇所に等間隔で配設することが望ましい。図5は付勢部材30を3つ設けた場合の例を示しており、120度間隔で等間隔(孤長d)にて配設した例を示している。このように等間隔で複数の付勢部材30を配設することにより、付勢部材30を設けたことによる、入力軸1及び出力軸5の回転バランスへの影響を最小とすることができる。
本発明の一実施形態に係るロックアップクラッチ付き流体伝動装置A(トルクコンバータ)の全体的な構成を示す概略図である。 付勢部材30の装着態様を示す、ドライブプレート24、ドリブンプレート26、リテイニングプレート25の斜視図である。 図2の構成の分解斜視図である。 (a)は付勢部材30の装着態様をリテイニングプレート25側から見た要部正面図(破断図)、(b)は図4(a)の構成の要部平面図、(c)は係合部241の斜視図である。 複数の付勢部材30を等間隔に配設した例を示す図である。
符号の説明
A 流体伝動装置
1 入力軸
2 フロントカバー
3 インペラシェル
4 ポンプインペラ
5 出力軸
11 タービンランナ
12 タービンシェル
20 ロックアップクラッチ
21a クラッチ外筒部
21b スプライン
22a クラッチ内筒部
22b スプライン
24a スプライン
24 ドライブプレート
25a スプライン
25 リテイニングプレート
26a 外周縁
26b スプライン
26 ドリブンプレート
29 クラッチ油圧室
27 ピストン
30 付勢部材

Claims (5)

  1. エンジンからの回転力が入力される入力軸に連結され、内方に作動油が充填されたフロントカバーと、
    前記フロントカバーに連結されたインペラシェルと、
    前記インペラシェルに設けられたポンプインペラと、
    前記インペラシェルと対向するように配置され、前記ポンプインペラの回転により作動油を介して回転駆動されるタービンランナと、
    前記タービンランナの外殻を形成すると共に、前記入力軸と同軸上に設けられた出力軸に連結されたタービンシェルと、
    上記フロントカバーの内方空間に設けられたロックアップクラッチと、
    を備え、
    前記ロックアップクラッチが、
    前記フロントカバーに連結され、前記入力軸と同軸回りに形成されたクラッチ外筒部と、
    前記クラッチ外筒部の内周面に、前記クラッチ外筒部の軸方向に沿って形成された第1スプラインと、
    前記出力軸に連結され、前記入力軸と同軸回りに形成されたクラッチ内筒部と、
    前記クラッチ内筒部の外周面に、前記クラッチ内筒部の軸方向に沿って形成された第2スプラインと、
    前記第1スプラインに係合するスプラインが外周縁に形成され、前記第1スプラインに沿って移動可能に設けられた円板状の第1プレートと、
    前記第1スプラインに係合するスプラインが外周縁に形成され、前記第1スプラインに沿う移動が規制された円板状のリテイニングプレートと、
    前記第1プレートと前記リテイニングプレートとの間に介在する外周縁と、前記第2スプラインに係合するスプラインが形成された内周縁と、を有し、前記第2スプラインに沿って移動可能に設けられた円板状の第2プレートと、
    前記フロントカバー内方に形成されたクラッチ油圧室への作動油の導入により移動して前記第1プレートを前記リテイニングプレート側へ押圧し、前記第1プレートと前記リテイニングプレートとにより前記第2プレートを狭持させるピストンと、
    を備えた流体伝動装置において、
    前記第1プレートと前記リテイニングプレートとの間に、これらを互いに周方向逆方向に付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする流体伝動装置。
  2. 前記付勢部材は、
    前記第1プレートの前記スプラインの歯底部と、前記第1スプラインの歯先部と、の間に配設された一方端部と、
    前記リテイニングプレートの前記スプラインの歯底部と、前記第1スプラインの歯先部と、の間に配設された他方端部と、
    前記第1スプラインと前記第2プレートの前記外周縁との間に配設され、前記一方端部と前記他方端部とを接続する中間部と、
    を備えた弾性片であることを特徴とする請求項1に記載の流体伝動装置。
  3. 前記第1プレートが、前記一方端部と係合し、前記第1プレートの径方向に前記一方端部が脱落することを防止する第1係合部を備え、
    前記リテイニングプレートが、前記他方端部と係合し、前記リテイニングプレートの径方向に前記他方端部が脱落することを防止する第2係合部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の流体伝動装置。
  4. 前記第1及び第2プレート並びに前記リテイニングプレートに、それぞれ、前記付勢部材を組付ける際に、これらの回転位相合わせを行なうためのピンが挿入される孔を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の流体伝動装置。
  5. 前記付勢部材を、前記第1プレート及び前記リテイニングプレートの周方向の複数箇所に等間隔で複数配設したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の流体伝動装置。
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