JP4810883B2 - 銅イオン含有樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、分子中に極性基あるいは配位性官能基を有する樹脂中に、1価の銅イオン(Cu+イオン)を特定量含有させることを特徴とする、銅イオン含有樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、Cu2Oナノ粒子などの状態で樹脂中に一価の銅イオン(Cu+イオン)を含有し、紫外光により優れた量子効率で励起されて、可視光を含む広い波長領域で高強度の発光特性を示す樹脂組成物に関するものである。
遷移金属イオンは、結晶やガラスのマトリックス中に導入されたとき、周囲の陰イオンからの結晶場の影響を強く受ける。そのため、遷移金属イオンを導入された結晶やガラスのマトリックスは、可視光領域における光吸収や、近赤外領域における蛍光発光を起こすため、この性質を利用した波長可変固体レーザーの発光素子として、あるいは高強度の発光を利用した蛍光ガラスとして、用いることができる。レーザーの発光素子としてもちいる場合、遷移金属イオンの配位子場による影響を制御することにより、レーザーの発振波長に任意性を持たせることができる。
しかし、遷移金属イオンは周囲の環境により、複数のイオン状態をとることが多い。遷移金属イオンは特定のイオン価数の状態で発光するので、イオン価数によっては発光が観測できなかったり、発光効率が著しく低かったりして、レーザーの発光素子として利用することができないため、イオン価数を制御すべきである。
遷移金属の中で、Cu+イオンは3d94s1→3d10遷移による発光挙動を示す。具体的には、Cu+は約300nm近傍の紫外線を照射して励起すると、基底状態に緩和される際に周囲の配位子場や振動などの状況により400〜550nm付近の可視光域に発光を示す。この発光は、発光強度が大きい、発光寿命が比較的長い、および発光の半値幅が広い、という理由から波長可変レーザーとしての応用が期待されており、Cu+イオンを結晶やガラスのマトリックス中に導入して、発光素子として応用する検討がなされている。また紫外線により励起されたCu+イオンは非常に高い光触媒活性を示すことから、触媒としての応用研究も進められている。
しかし、銅イオンはガラスなどのマトリックス中で通常Cu+イオンまたはCu2+イオンとして存在する。Cu2+イオンは酸化雰囲気で安定であり、Cu+は還元雰囲気で安定である。すなわち、銅イオンはガラス中で酸化雰囲気下でのCu2+イオンと中性あるいは還元雰囲気下でのCu+イオンとが平衡関係を保って存在している。このようなガラス中で平衡状態にあるCu+イオンの濃度を高めることは、より強い発光強度を有する発光素子を開発するうえで不可欠である。そのために様々なガラス組成を有するガラス中に銅イオンを導入し、Cu+イオンの濃度を高めることが提案されてきている。これらのガラスの中には、Cu+イオンの濃度をある程度高めることが可能なものもあったが、それと同時にCu+イオンのペア(Cu+−Cu+)が生成してしまうことがあった。このイオンペアは、電子の相互作用を起こし、量子効率を下げて発光強度を低下させる原因となる。
非特許文献1では、青色レーザーガラスとして利用することを意図した、Cu+イオン含有酸化物ガラスを開示している。そこでは種々のガラス組成を有するケイ酸塩、ホウ酸塩またはリン酸塩ガラス中における銅イオンの価数、およびAl23の添加効果が検討されている。また特許文献1では、ガラスの組成を最適化することでCu+イオンを含み紫外光で励起されて可視光を発するようなガラスを得ることができると述べられている。そのほかにも非特許文献2では、無機結晶中にCu+イオンを含有させることで、発光特性を有する組成物を得ており、非特許文献3では、Cu+イオンに紫外光を照射すると、N2OからN2およびO2への光触媒分解が進行することが示されている。しかしながら、Cu+イオンを樹脂組成物中に含有させて、可視光を発する樹脂組成物を得ようとする試みについては、これまでは全く報告されていない。
特開平10−236843 森永他 日本金属学会誌 61(11)p1175 (1997) 竹内他 Phys Status Solidi B 172(2) pK77-K80 (1992) 安保他 J. Phys. Chem. B 104(20) p4911 (2000)
ガラスは比重が樹脂に比べて大きい上、衝撃に対してもろい特性を有する。このため種々の光学素子として用いる際には、適用範囲が限られているという問題点がある。さらにガラスは同一形状の部品を大量に製造するのが非常に困難であるという加工上の課題があるため、光学素子に加工する際には加工費が非常に高額となってしまう。これに対して樹脂組成物で同様の光学素子が実現できれば、軽量で衝撃に対して強く、かつ成形加工がガラスに比べて大幅に容易となるため、高性能光学素子を工業的に大量に使用するためにはガラス部品の樹脂化が望まれている。しかしながら、銅イオンを含有することで紫外光を照射したときに可視光を発するようなガラス組成物は知られているものの、同様の特性を有する樹脂組成物についてはこれまで全く研究されていない。
本発明は、紫外光により励起されたとき、優れた量子効率で励起されて、可視光を含む広い波長領域で高強度の蛍光を発光する樹脂組成物を得ることにある。
本発明者は上記の従来技術の問題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、分子中に極性基あるいは金属に配位可能な官能基を有する樹脂中に、特定量のCu+イオンを含有させることにより、樹脂と銅イオンとの相互作用が生じる結果、上記課題を解決しうる樹脂組成物を得ることが可能であることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、分子中に極性基あるいは金属に配位可能な官能基を有する樹脂100重量部に対し、1価の銅イオンを銅イオンの重量で0.001重量部以上20重量部以下含有し、前記1価の銅イオンが300nm以下の数平均分散粒径にて、且つCu 2 Oの状態で前記樹脂中に分散して存在しており、200nm〜400nmの波長を含む光を照射することで、照射光の波長より長い400nm〜800nmの波長を含む光を発することを特徴とする、銅イオン含有樹脂組成物に関する。
好ましい実施形態としては、
(1)樹脂分子中の極性基あるいは金属に対して配位可能な官能基が、酸素含有基、リン含有基、窒素含有基、イオウ含有基、及びシクロペンタジエン基から選ばれる1種以上であることを特徴とする、銅イオン含有樹脂組成物。
(2)銅イオンを含有していないときに測定した全光線透過率の値が50%以上である樹脂に、1価の銅イオンを含有させることを特徴とする、銅イオン含有樹脂組成物。
)1価の銅イオン/2価の銅イオンの重量比が3/1以上であることを特徴とする、銅イオン含有樹脂組成物。
)樹脂中で1価の銅イオン化合物が製造されることで、前記1価の銅イオンが前記樹脂中で分散して存在していることを特徴とする、銅イオン含有樹脂組成物。
である。
以下、本発明をその実施の形態とともに説明する。
本発明で用いられる樹脂とは、単量体を重合することにより得られる重合体のことであり、重合体は工業的に合成されたものであっても自然界に存在するものであっても良い。重合体の分子量は特に限定されないが、好ましくは数平均分子量で500〜1000000、より好ましくは約1000〜500000である。分子量分布も特に限定されず、種々の分子量分布を有する重合体を用いることができる。重合体は1成分の単量体のみを重合したものでも良く、複数の単量体を共重合したものでも良い。重合体がある程度相溶する場合には、複数種の重合体を混合したものであっても良い。また、分子の形状は分岐状、線状いずれの形状でも良い。さらには熱可塑性を示すものであっても熱硬化性を示すものであっても良く、両者を混合したものであっても良い。
本発明で用いられる樹脂とは、分子中に極性基あるいは金属に配位可能な官能基を有していることが必要である。樹脂中の極性基あるいは官能基がCu+イオンと相互作用することにより、Cu+イオンが直線状2配位、あるいは平面3配位、などの状態を取ったときに、特に可視光領域に強い発光を生じることとなる。
樹脂分子中に存在する極性基あるいは金属に配位可能な官能基としては特に制限は無く、公知のさまざまな極性基あるいは配位官能基を使用することが可能である。これら公知の極性基あるいは配位官能基の中でも、金属に対する親和性の高さなどから、酸素含有基、リン含有基、窒素含有基、イオウ含有基、及びシクロペンタジエン基から選ばれる1種以上であることが好ましい。
具体的には、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、エーテル基、エポキシ基、酸無水物、カルボン酸、カルボン酸金属塩、アルコキシシリル基、エステル結合、カーボネート結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン基、ヒドラジド基、イソシアネート基、オキサゾリン基、ホスフィン基、ホスフィンオキシド基、ホスファイト基、ホスフェート基、アミノ基、ニトロシル基、ニトリル基、フタロシアニン基、チオール基、チオカルボニル基、チオフェン基、スルホン酸、スルホン酸金属塩、及びシクロペンタジエン基等を例示することができる。これら好ましい極性基あるいは官能基の中でも、金属に対する親和性が強いこと、樹脂に及ぼす物性の影響、等を考慮すると、特に好ましい極性基あるいは官能基は、カルボニル基、アミノ基、ホスフィン基、ホスフィンオキシド基、チオール基、チオカルボニル基、及びシクロペンタジエン基である。
これらの極性基あるいは官能基を含有する樹脂とは、前記の極性基あるいは官能基を樹脂の主鎖、側鎖、単量体中、などに有する樹脂であり、具体的には、熱可塑性樹脂ではポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアリールケトン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアリーレンスルフィド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂をはじめとする水溶性樹脂、でんぷんなどをはじめとする生物由来樹脂、などを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
また、前記の極性基あるいは官能基を有していない樹脂であっても、樹脂に対して極性基あるいは官能基を有するモノマーを少量共重合したり、樹脂末端を変性あるいは高分子反応により極性基あるいは官能基を付与したりする方法により、好ましい極性基あるいは官能基を有する樹脂として使用することができるようになる。このような方法で使用可能な樹脂は具体的には、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂やオレフィン系熱可塑性エラストマーをはじめとするポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂をはじめとするゴム状重合体、などが例示できるが、これらに限定されるものではない。
また、これらの極性基あるいは官能基を有していない樹脂に共重合可能な極性基あるいは官能基を有するモノマーとしては、エステル、アミン、アルコール、ニトリル、メルカプタン、アルコキシシラン、などを例示することができる。これらモノマーは、二重結合を有しているとラジカル重合反応を生じる際に共重合させることが容易となるので好ましく用いることができるが、これらに限定されるものではなく種々のモノマーユニットを共重合して用いることができる。
また熱硬化性樹脂としては種々の樹脂があるが、熱硬化性樹脂はほぼすべての場合において上記の好ましい極性基あるいは官能基をモノマーユニットあるいは反応後のポリマーユニット中に既に有しており、この極性基あるいは官能基が反応することによって熱硬化反応が生じるのであるから、ほぼすべての熱硬化性樹脂を好ましく用いることができる。
本発明で用いられる樹脂は、透明な外観を有した樹脂であることが好ましい。具体的にはASTM D1003に基づき厚さ2mmで測定した全光線透過率が50%以上の樹脂を用いることにより、本発明の効果を明確に得ることが可能となる。ただし本発明で得られた樹脂を光学用途として広範囲に用いるためには、全光線透過率の値は大きいほど適しており、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上である。また本特許では、1価の銅イオンを含有して可視光を発する状態にて測定した全光線透過率も、50%以上であることが、工業的な用途が広がるため好ましい。1価の銅イオンを含有した状態で測定した全光線透過率は、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上である。
また本発明で用いられる樹脂は、ASTM D1003に基づき厚さ2mmで測定したヘイズの値も小さい方が好ましい。具体的には1価の銅イオンを含有した状態で測定したヘイズの値が20%以下、好ましくは12%以下、さらに好ましくは10%以下、最も好ましくは8%以下である。
本願発明の銅イオンは、樹脂中での数平均分散粒径が300nm以下で分散していることが、樹脂中での発光効率が向上するため好ましい。樹脂中での数平均分散粒径は、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは100nm以下、最も好ましくは80nm以下である。樹脂中での数平均分散粒径が大きすぎると、樹脂中で可視光を散乱させるため、光学材料として好ましくない特性を示す場合がある。樹脂中での数平均分散粒径の下限値には特に制限は無く、銅イオンが完全に樹脂と相溶化して一体となっていても良いし、樹脂の中のアニオンとイオン結合した状態で樹脂の一部として存在していても良い。しかしながら樹脂中でのイオン価数が安定化することから、分散粒径の下限値は0.1nm以上であることが好ましい。樹脂中での数平均分散粒径は、より好ましくは0.2nm以上、さらに好ましくは0.5nm以上、最も好ましくは1nm以上である。
なお本発明における数平均分散粒径とは、透過型電子顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡にて撮影された写真を用いて、少なくとも100個以上の粒子の粒子径を定規により測定し、数平均により算出した数平均粒子径をいう。但し、電子顕微鏡で撮影された粒子の写真が円形でない場合には、粒子の占める面積を算出した後、同面積を有する円形に置き換えた時の円直径を用いることで判断出来る。
本発明で使用できる銅イオンの分散形状は特に限定はなく、任意の形状をとることが出来る。具体的には、球状、ラグビーボール状やサッカーボール状や20面体状等の球に近い立体形状、6面体状、ロッド状、針状、板状、鱗片状、破砕状、不定形状等の形状が挙げられる。さらには粒子の表面または内部に空洞部分や欠陥部分を有していても良く、表面や内部に多数の穴を有するような多孔質の粒子であっても良い。
本発明の銅イオン含有樹脂組成物は、種々の方法により製造することが可能である。代表的な製造方法としては、まず予めCu2Oナノ粒子を合成した後、ナノ粒子表面を有機化合物で修飾するなどして凝集を防止してから樹脂と混合し、樹脂中に分散させる方法、1価銅イオン含有有機化合物を合成しこれを樹脂と混合して樹脂中に分散させる方法、2価銅イオン含有有機化合物を還元あるいは熱分解などの方法を用いて樹脂中で反応させることにより樹脂中でCu2Oナノ粒子あるいは1価銅イオン含有有機化合物を合成する方法、などを例示することができる。
しかしながら、1価の銅イオンを多く含有する微粒子や1価銅イオン含有有機化合物は、大気雰囲気下では酸化されやすいなど不安定な場合が多いため、Cu2Oや1価銅イオン含有有機化合物を樹脂と混合する方法では、1価の銅イオンが均一分散した樹脂組成物を安定して製造するのは困難な場合が多い。そのため、2価の銅イオンを含有する有機化合物を樹脂中で還元するなどの方法を用いて、樹脂中で1価の銅イオン化合物を製造する方法を用いる方が、安定した樹脂組成物を容易に製造できるので好ましい。
樹脂中で1価の銅イオン化合物を製造する方法としては特に制限は無いが、たとえばカルボアニオンのCu2+塩を樹脂存在下に化合物の分解温度以上まで加熱し、生じる分解物を減圧下で系外へ除去する方法により、Cu2Oナノ粒子が樹脂中に分散した組成物を得ることができる。
このような方法を用いる際に使用可能な銅含有有機化合物としては例えば、炭素数2(以下C2の様に略す)以上C100以下の飽和あるいは不飽和の直鎖あるいは分岐状脂肪族カルボン酸銅塩、C3以上C100以下の飽和あるいは不飽和の脂環式カルボン酸銅塩、C6以上C100以下の芳香族カルボン酸銅塩、C2以上C100以下の飽和あるいは不飽和の直鎖あるいは分岐状脂肪族スルホン酸銅塩、C3以上C100以下の飽和あるいは不飽和の脂環式スルホン酸銅塩、C6以上C100以下の芳香族スルホン酸銅塩、C1以上C50以下の銅アルコキシド、C1以上C100以下の銅錯体、などが挙げられる。
具体的には、ナフテン酸銅、オクタン酸銅、ラウリン酸銅、オレイン酸銅、ステアリン酸銅、安息香酸銅、パラトルイル酸銅、2−エチルヘキサン酸銅、等のカルボン酸銅塩、n―ブトキシド、t―ブトキシド、n−プロポキシド、i−プロポキシド、エトキシド、メトキシド、等の銅アルコキシド、銅のアセチルアセトン錯塩、等が挙げられる。
これらの中でも、特にラウリン酸銅、オレイン酸銅、ステアリン酸銅、2−エチルヘキサン酸銅、パラトルイル酸銅、銅エトキシド、銅プロポキシド、銅アセチルアセトネート、等が好ましい。脂肪酸銅塩としては反応性の観点から特に直鎖あるいは短い分岐のみを有するカルボン酸の銅酸が好ましく、炭素数は好ましくは6〜30、より好ましくは8〜20である。
但し好ましい銅含有有機化合物は、一般的には樹脂との組み合わせによって決まるものであるから、樹脂の種類が変わると好ましい銅含有有機化合物を適宜選択する必要がある。すなわち樹脂組成物中での銅イオンの分散性を高めるためには、樹脂と極性が近い、あるいは樹脂との相溶性に優れた有機基を有する銅含有有機化合物を用いることが好ましい。また銅含有有機化合物の分解開始温度以上かつ完全分解温度未満の温度にて、樹脂が溶融しておりかつ樹脂が熱分解しないような組み合わせとすることが好ましい。
銅含有有機化合物は、用いる樹脂との相溶性や熱分解温度をコントロールする目的で、有機基部分に適宜極性基、官能基、変性化合物、等を用いることができる。好ましい極性基あるいは官能基としては、水酸基、カルボニル基、アミン基、等が挙げられる。好ましい変性化合物としてはパーフルオロ化合物が挙げられる。また銅含有有機化合物は、単独で又は2種以上併用することができる。また他の金属含有有機化合物と併用して用いることも可能で、この場合に用いる金属は特に制限されず、最終製品の用途等に応じて適宜選択することができる。
本発明で製造される銅イオンは、無機物超微粒子として樹脂中に存在している場合には、複数の価数を有する銅イオンおよび金属銅の混合物であってもよく、あるいは金属部分と金属酸化物部分とを併せ持ったような無機物粒子であっても良い。さらには無機物粒子の中心に近い領域が金属主体で、無機物粒子の表面に近い領域が金属酸化物主体の構造をとっているような場合もある。また無機物粒子状態で存在する場合には好ましくは、粒子の表面に有機成分が結合しているものであることが好ましい。
無機物粒子の表面に有機成分が結合していることにより、樹脂中での無機物粒子の分散性が優れた樹脂組成物が得られる。ここで、有機成分と金属成分とは、その一部又は全部が化学的あるいはイオン的に結合した状態で存在している。また、無機物粒子の金属あるいは金属酸化物からなる部分にも、銅含有有機化合物、それに由来する有機質成分等が含まれる場合があるが、これらも本発明に包含される。
但し、2価の銅イオンが樹脂中に特定量以上存在していると、Cu2+の紫外光吸収帯は、Cu+の励起に用いられる励起波長と重なるうえ、Cu2+の赤外光吸収帯は極めて広いので、その吸収帯の裾部はCu+の可視光発光波長に重なってくる。このため、Cu+イオンによる発光の効率を高めるためには、樹脂中に存在するCu2+イオンを減らすことが重要である。具体的には、1価の銅イオン/2価の銅イオンの重量比が3/1以上であることが好ましい。1価の銅イオン/2価の銅イオンの重量はより好ましくは4/1以上であり、さらに好ましくは5/1以上であり、最も好ましくは9/1以上である。
また同様に、金属銅が樹脂中に特定量以上存在していると、その粒子径によってはプラズモン吸収を示すため、Cu+の可視光発光波長を吸収してしまう場合がある。このため、Cu+イオンによる発光の効率を高めるためには、樹脂中に存在する金属銅成分も少ない方が好ましい。具体的には、1価の銅イオン/金属銅の重量比が5/1以上であることが好ましい。1価の銅イオン/金属銅の重量はより好ましくは7/1以上であり、最も好ましくは9/1以上である。
樹脂と混合してCu2Oナノ粒子を合成する方法としては、溶媒存在下で銅含有有機化合物と樹脂とを溶媒中に分散あるいは溶解させ、加熱した後溶媒を除去する方法、溶媒存在下あるいは非存在下に銅含有有機化合物と単量体とを分散あるいは溶媒に溶解させ、単量体の重合と同時に銅含有有機化合物を反応させる方法、樹脂をその樹脂の溶融温度以上に加熱した状態で銅含有有機化合物と混合し、溶融樹脂中でナノ粒子を合成する方法、樹脂と銅含有有機化合物とを予め混合し、混合物をその樹脂の溶融温度以上に加熱して溶融樹脂中でナノ粒子を合成する方法、などを挙げることができる。これらのなかでも、Cu2Oナノ粒子は樹脂中で合成されたものであることが好ましい。樹脂中で合成されることにより、樹脂がナノ粒子の凝集を防ぐ役割を果たすことが期待できるほか、粒子表面に樹脂中の極性基あるいは官能基が相互作用しやすくなるためである。
これら樹脂に混合してナノ粒子を合成する方法の中でも、銅含有有機化合物を、樹脂および/または単量体の存在下において、その銅含有有機化合物の分解開始温度以上完全分解温度未満の温度で加熱することにより製造する製造方法が好ましい。このような製造方法を用いることにより、樹脂中にナノ粒子を適切に分散させた樹脂組成物を容易に製造することができる。
なお例えば、昇華性がある、急激に分解する、等の特性を有する銅含有有機化合物を原料として用いる場合には、昇華性や反応性を制御するために、予め溶融状態にしておいた樹脂中、あるいは液体状態や溶液に溶解した状態の単量体中に、銅含有有機化合物を混合することで、有効に使用することができる。
加熱温度は、銅含有有機化合物が完全に分解しない限り特に制限されないが、用いる銅含有有機化合物の分解開始温度以上完全分解温度未満の温度範囲内とすることにより、粒径や組成が制御されたナノ粒子を合成することができる。分解開始温度とは、その銅含有有機化合物の有機部分が金属部分から脱離あるいは有機質成分が分解しはじめる温度をいい、また完全分解温度とはその銅含有有機化合物の有機部分が金属部分からほとんど脱離するか、あるいは有機質成分が完全に分解してしまう温度をいう。この温度は、揮発性や昇華性を有する化合物の場合以外の一般の化合物の場合は、少量の銅含有有機化合物を容器内に計量し、熱重量分析装置を用いて不活性ガス雰囲気下一定速度で昇温しながら重量変化を測定する方法などにより測定することが可能である。
例えば、本発明の銅含有有機化合物を窒素雰囲気下で昇温しながら熱減少率を測定し、分解開始温度は重量減少が開始する温度、及び完全分解温度とはそれ以上重量減少が進まない温度、にて定義することができる。より好ましい加熱温度は、不活性ガス雰囲気下で10℃/分の一定速度で昇温しながら同様の測定方法にて測定した際、重量減少率が銅含有有機化合物の有機成分中のうち5%に達する温度以上、銅含有有機化合物の有機成分のうち95%に達する温度以下、さらに好ましい加熱温度は、同様の測定方法にて測定した際、重量減少率が銅含有有機化合物の有機成分中のうち10%に達する温度以上、銅含有有機化合物の有機成分のうち90%に達する温度以下、最も好ましい加熱温度は、同様の測定方法にて測定した際、重量減少率が銅含有有機化合物の有機成分中のうち15%に達する温度以上、銅含有有機化合物の有機成分のうち85%に達する温度以下である。
本発明では、この温度範囲内において、銅含有有機化合物の種類、用いる樹脂の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、分解開始温度が約200℃であり、完全分解温度が約400℃である銅含有有機化合物の場合、200℃〜400℃の温度範囲内に加熱温度を保持する方法が好ましい。なお、保持時間は、加熱温度等に応じて適宜変更することができる。
加熱雰囲気は特に限定されず、樹脂あるいは単量体の存在下であることが好ましい。しかしながら加熱雰囲気があまりに還元性雰囲気下であると、銅イオンが1価のCu+イオンではなく金属Cuとなってしまう場合がある。また加熱雰囲気があまりに酸化性雰囲気下であると、銅イオンが1価のCu+イオンではなく2価のCu2+イオンとなってしまう場合がある。このため減圧条件あるいは不活性ガス雰囲気下で加熱するのが多くの場合好ましい。不活性ガスとしては、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム等を使用することができる。これらは気流として用いてもよく、高温高圧下で超臨界流体として用いてもよい。なお樹脂の種類によっては、若干還元性雰囲気下としたほうが好ましい場合や、若干酸化性雰囲気下としたほうが好ましい場合などがある。多くの場合、減圧雰囲気下で加熱するのが最も好ましい。
本発明の樹脂組成物の製造に用いる装置は特に制限されるものではなく、例えば樹脂と銅含有有機化合物とを、種々の一般的な混練装置を用いて溶融混練する方法をあげることができる。混練装置の例としては、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどが挙げられ、特に、剪断効率の高い混練装置が好ましい。樹脂と銅含有有機化合物とは、上記の混練装置に一括投入して溶融混練しても良い。あるいは予め溶融状態にした樹脂中に、液体の銅含有有機化合物単体あるいは溶媒等の分散媒に溶解させた銅含有有機化合物を添加し、その後溶媒等の分散媒を除去する方法により、溶融混練しても良い。
また、溶媒に溶解した樹脂や単量体に銅含有有機化合物を加える、あるいは樹脂や単量体と銅含有有機化合物のブレンド物を溶媒に分散あるいは溶解する事により該有機化合物と樹脂や単量体とを混合しても良い。
本発明の樹脂組成物において、樹脂100重量部に対する、銅イオン含有量の下限値は、0.001重量部であり、好ましくは0.005重量部であり、より好ましくは0.01重量部であり、最も好ましくは0.05重量部である。配合量の上限値は20重量部であり、好ましくは15重量部であり、より好ましくは10重量部であり、最も好ましくは5重量部である。銅イオンの含有量が0.005重量部より少ないと、銅イオンを添加しても可視光領域での発光が不明瞭となることがあり、含有量が20重量部より多いと、樹脂中で可視光が透過しづらくなるため光学的用途に用いづらくなる傾向がある。
本発明の樹脂組成物は、本発明の特性を損なわない範囲で強化充填剤を組み合わせることにより、強化材料としてもよい。すなわち、強化充填剤を添加することで耐熱性や機械的強度等の向上を図ることができる。このような強化充填剤としては特に限定されず、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維等の繊維状充填剤;ガラスビーズ、ガラスフレーク;タルク、マイカ、カオリン、ワラストナイト、スメクタイト、珪藻土等のケイ酸塩化合物;炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。なかでも、ケイ酸塩化合物及び繊維状充填剤が好ましい。
本発明の樹脂組成物をより高性能なものにするため、フェノール系酸化防止剤等の酸化防止剤、チオエーテル系安定剤やリン系安定剤等の熱安定剤;等を1種のみで又は2種類以上併せて使用することが好ましい。更に必要に応じて、通常良く知られた、滑剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、ドリッピング防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、帯電防止剤、導電性付与剤、分散剤、相溶化剤、抗菌剤等の添加剤を1種のみで又は2種類以上併せて使用することもできる。
本発明で製造された樹脂組成物の成形加工法としては特に限定されず、一般に用いられている成形法、例えば、フィルム成形、射出成形、ブロー成形、押出成形、真空成形、プレス成形、カレンダー成形、発泡成形等を利用することができる。また本発明の樹脂組成物は、種々の用途に好適に使用することができるが、中でも特に発光素子として有用に用いることができる。
以下、実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
樹脂組成物中の数平均分散粒径測定:得られた樹脂組成物から、ウルトラミクロトーム(ライカ製ウルトラカットUCT)を用いてTEM観察用超薄切片を作成した後、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子JEM−1200EX)を用いて、倍率1万倍〜40万倍程度で分散状態を複数箇所で写真撮影した。得られたTEM写真を複数用いて少なくとも100個以上の分散物で粒径を測定することにより、数平均分散粒径測定を算出した。
発光波長の測定:PERKIN−ELMER製蛍光光度計LS55を用い、樹脂フィルムの状態で302nmの紫外光を照射したときの発光波長を測定した。
銅イオン含有量の測定:樹脂フィルムをエスアイアイ・ナノテクノロジー製熱重量分析装置TG/DTA6100を用いて空気中1000℃まで昇温加熱保持し、有機成分を除去した上で無機分を十分酸化し、残渣として得られる酸化銅(II)の含有量を測定した。別途結晶状態の測定から銅イオンの価数を測定することにより、樹脂中の1価銅イオンの含有量を算出した。
結晶状態の分析:樹脂フィルムを金属ホルダーに固定した状態で、理学電機製ガイガーフレックスRAD−rAを用いた広角X線回折測定により、角度2θ=20°〜90°の範囲にて、Cu・Kα線にてXRD測定を実施した。得られたピーク角度をJCPDSカードチャートと比較することにより、銅の樹脂中での結晶状態を定量し、1価の銅イオン/2価の銅イオンの重量比を算出した。
全光線透過率の測定:日精樹脂工業(株)製80t射出成形機を用いて、シリンダー温度230℃にて50mm×50mmのサイズの試験片を成形した。この試験片を用い、日本電色工業製濁度計300Aにて、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の条件で、全光線透過率を測定した。
(実施例1)全光線透過率が90%のポリメチルメタクリレート樹脂(以下PMMAと略す)であるVH5−000(三菱レイヨン(株)製)500g、2−エチルヘキサン酸銅(II)(シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製試薬)12.24g、フェノール系安定剤であるアデカスタブAO−60(旭電化(株)製)2.5g、を秤量し、ドライブレンドした後、スクリュー途中に2箇所の減圧ベント口を設けた15mm噛み合い型同方向二軸押出機KZW15−45(テクノベル(株)製、L/D=45)にて、先端設定温度230℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量600g/hrの溶融混練条件にて溶融混練し、PMMA中でCu2Oナノ粒子を合成した。
さらに溶融混練装置先端に150mm幅のT型ダイスを取り付け、ダイスから押し出されたフィルム状サンプルを95℃に温調したロールにて100m/hrの速度で巻き取ることにより、Cu2Oナノ粒子がPMMA樹脂中に分散した黄色透明樹脂フィルムのサンプルを得た。得られた樹脂フィルムを光学顕微鏡で観察したところ、粒子状物質は観察されなかった。樹脂組成物中ナノ粒子の数平均粒径は約16nmであった。TEM観察により得られたナノ粒子の画像を(図1)に示す。
さらに、このナノ粒子含有樹脂フィルムをクロロホルムに溶解したところ沈殿は認められず、黄色を帯びた透明状態となった。すなわち、得られたナノ粒子は有機溶媒中で凝集せず安定して分散する状態となっていることが認められた。さらにこのクロロホルム溶液に純水を添加し攪拌・静置したところ、黄色を帯びたCu2Oナノ粒子はクロロホルム溶媒中に存在していたことから、Cu2Oナノ粒子の表面には有機成分が結合していることが確認できた。
得られた樹脂フィルムに蛍光光度計にて302nm波長の励起光を照射すると、ピーク波長430nmと510nmの二山ピークを有する可視光を発した。XRD測定の結果、銅はほぼ100%Cu2Oの状態で樹脂中に分散していることが確認できた。樹脂中の1価銅イオン含有量は0.44重量部であった。
(比較例1)PMMAを、全光線透過率が89%の汎用ポリスチレン樹脂であるG9305(PSジャパン(株)製)に変更した以外は実施例1と同様にしてCu2Oナノ粒子がポリスチレン樹脂中に分散した樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムはわずかに赤茶色を帯びており、光学顕微鏡で観察したところ粒子状物質は観察されなかった。樹脂組成物中ナノ粒子の数平均粒径は約120nmであった。蛍光光度計にて302nm波長の励起光を照射したが、可視光領域での明確な発光は確認できなかった。XRD測定の結果、銅はCu2O/Cu(金属銅)=85/15の比率で樹脂中に分散していることが確認できた。CuOは確認できなかった。樹脂中の1価銅イオン含有量は0.37重量部であった。
(比較例2)2−エチルヘキサン酸銅(II)12.24gを、市販のCu2O粉末(シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製試薬)2.5gに変更した以外は実施例1と同様にして、Cu2O粉末含有PMMA樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムは赤茶色の外観であり、目視でも粉末状の無機銅化合物がフィルム中に観察できたほか、光学顕微鏡で見ると数十μmの粉末状の無機銅化合物がフィルム中に存在しているのを確認することができた。蛍光光度計にて302nm波長の励起光を照射したが、可視光領域での発光は確認できなかった。XRD測定の結果、銅はCu2O/CuO=70/30の比率で樹脂中に分散していることが確認できた。樹脂中の1価銅イオン含有量は0.31重量部であった。
本発明によれは、亜酸化銅のような1価銅イオンを特定の樹脂中に分散させることにより、可視光を発光するという驚くべき特性を発揮させる事ができる。また得られた組成物は通常の樹脂と同様に成形加工が可能であるため、成形体やフィルム等を成形することにより、発光特性を有する樹脂成形品が自由な形状へと大量に連続生産可能である。これによりガラスなどでは困難であった大量生産に対応可能となり、製品の実用化に大いに貢献できるので、工業的にも非常に有用である。
実施例1にて得られた樹脂組成物の透過型電子顕微鏡写真である。

Claims (5)

  1. 分子中に極性基あるいは金属に配位可能な官能基を有する樹脂100重量部に対し、1価の銅イオンを銅イオンの重量で0.001重量部以上20重量部以下含有し、前記1価の銅イオンが300nm以下の数平均分散粒径にて、且つCu 2 Oの状態で前記樹脂中に分散して存在しており、200nm〜400nmの波長を含む光を照射することで、照射光の波長より長い400nm〜800nmの波長を含む光を発することを特徴とする、銅イオン含有樹脂組成物。
  2. 樹脂分子中の極性基あるいは金属に対して配位可能な官能基が、酸素含有基、リン含有基、窒素含有基、イオウ含有基、及びシクロペンタジエン基から選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項1記載の銅イオン含有樹脂組成物。
  3. 樹脂が全光線透過率の値が50%以上であることを特徴とする、請求項1または2記載の銅イオン含有樹脂組成物。
  4. 1価の銅イオン/2価の銅イオンの重量比が3/1以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の銅イオン含有樹脂組成物。
  5. 樹脂中で1価の銅イオン化合物が製造されることで、前記1価の銅イオンが前記樹脂中で分散して存在していることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の銅イオン含有樹脂組成物。
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