JP5189016B2 - ポリエステルフィルム - Google Patents

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本発明は、紫外線(以下、単にUVと略記することがある)を照射することにより発光するポリエステルフィルムに関するものである。
近年、電子機器や建材などの生活装飾品関連に至るまで多方面で機能性ポリエステルマットフィルムが使われている。また、生産ラインにおける、装飾やカットなどの目印として、機能性ポリエステルフィルムが使われる可能性がある。これらの用途では安価で、環境に優しく、高機能性のポリエステルフィルムが望まれている。
既存のポリエステルフィルムでは、生活用品装飾における建材用途として、主流のインクジェット法によるプリントが施されたポリエステルフィルムが知られている。インクジェット法の問題点としては、様々なポリマーや顔料を多量に使用することから、環境への負荷が大きい、また、汚染などのメンテナンスや設備投資費の大きさ、ランニングコスト、さらには、生産ラインにおける目印として利用するときに、乾燥工程が必要、インクで工程が汚染されてしまうこと、フィルム厚みの変化などの技術的な難点が挙げられる。
従来のインクジェット法ではなく、例えば、UV感光型の発光性能を有するポリエステルフィルムを用いたならば、上記で述べた生産ラインにおける目印として、インクを用いず、フィルム厚みを変えず、UV照射時に着色が発光の形で目視判断ができ、さらに、工程以外で着色の必要のないところでは、強いUV光源がないために本来のポリエステルフィルムの色調であることから、利用価値の高い新規着色方法として期待できる。さらなる例としては、電子部品におけるUV感光マーカーや光センサー技術としての用途可能性があるばかりではなく、UV感光着色技術を用いた美しい生活用品への応用の可能性が挙げられる。
そこで、ポリエステルフィルム自体にある種の発光性有機化合物を含有させることができたならば、インクジェット法に代わる新しい描写ポリエステルフィルムの提供方法となる。しかしながら、UV感光発光性有機化合物含有ポリエステルにおいては、問題点がいくつかある。例えば、UV感光有機発光性化合物では、フィルムの溶融、製膜時にかかる熱(約300℃)などによる分解のおそれがある。また、UV感光発光性有機化合物では、ポリエステルへの様々な方法に関する含有に対して、分散性が低い場合があり、その場合、期待した着色機能が発揮できないこともある。逆に、機能を重視して、UV感光有機発光性化合物をポリエステルに多量に配合する場合、ポリエステルフィルムの外観の問題や生産時のコストの問題が発生する。
特開2007−146014号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、使用される際に系内を汚染することがなく、電子機器や建材などの生活装飾品関連、電子部品におけるUV感光マーカーや光センサー技術への応用が期待できる、良好な識別機能が付与されたポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成を有するポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、表面粗度(Ra)が0.10〜1.00μmの範囲のフィルム表面を構成するポリエステル層が平均粒径〜10μmの粒子を〜10重量%含有するポリエステルフィルムであって、当該フィルム中に有機金属キレート錯体を0.05〜0.30重量%含有することを特徴とするポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における発光性ポリエステルフィルムを構成する、ポリエステルフィルムは、機能性や価格の面を考慮した時に、多層構成が望ましく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステルとしては、代表的には、例えば、構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレート、構成単位の80モル%以上がエチレン−2,6−ナフタレートであるポリエチレン−2,6−ナフタレート、構成単位の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートであるポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が挙げられる。それらの他にも、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等も挙げることができる。
本発明のポリエステルフィルムでは、表面外観を保つために、特定範囲のRa(算術平均粗さ)、すなわち高度の表面凹凸を付与することが必須となる。
以下に、本発明のポリエステルフィルムに高度の表面凹凸を付与させる方法について説明する。フィルム表面に凹凸を付与するに当たっては、当該表面を構成するポリエステル層に、不活性な無機粒子もしくは有機粒子を配合する方法が採用できる。
上記の不活性粒子としては、主に酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、カオリン、クレー、カーボンブラック等の公知の無機粒子、およびアクリル樹脂、ポリスチレン、有機シリコーン樹脂、アクリル−スチレン共重合体等の有機粒子が挙げられ、いずれか1種以上を配合すればよい。中でも酸化ケイ素(シリカ)が粒径分布、製膜性の点で好ましい。また、酸化ケイ素粒子に加えて他の粒子、例えば酸化チタンを配合することも好ましい態様の一つである。
本発明のフィルムにおいて、表面粗度(Ra)が0.10〜1.00μmの範囲のフィルム表面を構成するポリエステル層中の不活性粒子の平均粒径は、3〜10μmであり、好ましくは3.5〜9μm、さらに好ましくは4〜8μmの範囲である。平均粒径が3μm未満の場合、フィルム表面に十分な凹凸が形成されず、所望のRa、すなわち、いわゆるマットフィルム特有の外観が表現できない。一方、平均粒径が10μmを超えると、フィルム表面の凹凸の高低が大きくなりすぎて、粒子の脱落、製膜連続性の低下等の問題が生じる。
本発明において、表面粗度(Ra)が0.10〜1.00μmの範囲のフィルム表面を構成するポリエステル層中の不活性粒子の含有量は、3〜30重量%であり、好ましくは4〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%である。不活性粒子の含有量が3重量%未満の場合は、フィルム表面に十分な凹凸が形成されず、所望のRa値を得ることが出来ない。一方、含有量が30重量%を超える場合には、フィルム表面の凹凸が大きくなりすぎて、粒子の脱落や製膜連続性の低下等の問題が生じる。
本発明のポリエステルフィルムの固有粘度(dl/g)は、好ましくは0.60以上、さらに好ましくは0.65以上である。極限粘度が0.60未満の場合、十分な機械的強度を有するフィルムが得られないことがある。
本発明のポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面の算術平均粗さ(Ra)は0.10〜1.00μmであることが必要であり、好ましくは0.40〜0.90μm、さらに好ましくは0.50〜0.80μmの範囲である。Raが0.10μm未満では、マットフィルム特有の外観が表現できない。一方、Raが1.00μmを超える場合には、フィルム製膜時に破断などを起こしやすくなり、生産性の面で問題になる。
本発明のポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面の十点平均粗さ(Rz)は、1.0〜5.0μmであることが好ましく、より好ましくは1.3〜4.0μm、さらに好ましくは1.0〜3.0μmの範囲内である。Rzが1.0μmに満たない場合、フィルム表面に十分な凹凸が形成されず、マットフィルム特有の外観が表現できない傾向にある。一方、Rzが5.0μmを超える場合、フィルム表面の凹凸が大きくなり過ぎる傾向にあり、その大きすぎる粒子のためにフィルム製膜時に破断などを起こしやすくなり、生産性の面で問題になることがある。
本発明のポリエステルフィルムの総厚みは特に限定されないが、電子機器や車の内装などの装飾品として汎用に使われる可能性があるので、生産性やコストの面などを考慮して、ベースフィルム厚みは、適度の腰強さ、シワの発生回避の観点から通常20〜100μm、好ましくは25〜75μm、さらに好ましくは30〜50μmの範囲である。
本発明のポリエステルフィルムは、2層以上からなることが好ましいが、上記条件を満足するのであれば、単層構造のフィルムであってもよい。
少なくとも一方の最表面は高度の凹凸(マット調)を保持する必要から、特定の粒径(3〜10μm)の無機粒子もしくは有機粒子を相当量(3〜30μm)含有する必要があり、そのような組成からなるフィルムは、しばしば単層構成では二軸延伸に耐えうる強度を保てなくなるおそれがあり、製膜連続性を保てないこともある。したがって、この表面層とは異なる少なくとも一つの粒子低減層(フィルム強度の維持に貢献するための層)を有する構成のものが好ましい。なお、本発明の要旨を越えない限り、この粒子低減層が2層以上の複数層から構成されても差し支えはない。
少なくとも一方の最表面を構成する粒子多量層の厚さは、通常3μm以上であり、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは7μm以上である。最表面層の厚さが3μm未満の場合、フィルム表面に十分な凹凸が形成されず、目的とする特有の外観が表現できない傾向にある。
この粒子多量層の厚さの上限については、フィルムの全厚さにより制限されるが、粒子低減層の比が低減することによる強度低下、コストアップの問題などを考慮すると、好ましくは全厚さの1/3以下、より好ましくは1/4以下である。
本発明のポリエステルフィルムには、帯電防止性、滑り性、剥離性の向上のために表面塗布層を設けてもよい。塗布面はポリエステルフィルムの片面、両面を問わず、また両面の場合、同一の塗布層、異なる塗布層のどちらでもよい。
次に本発明のフィルムの製造方法について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料に、後述するUV感光発光性有機金属キレート錯体をブレンドしたものを使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明においてUV感光発光性有機金属キレート錯体含有ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
本発明において使用する有機金属キレート錯体としては、発光効率を考慮に入れて、耐熱性を有することが好ましい。有機金属キレート錯体の具体例としては、蛍光のものとして、トリス(8−ヒドロキノリナト)アルミニウム(III)が挙げられ、燐光のものとしては、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタアセチル−21H,23H−ポルフィン白金(II)、(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)、(ピリジン)白金(II)錯体([Pt(46dfppy)(acac)]:46dfppyは2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジン、acacはアセチルアセトンを意味する)、特に高発光性の(ポリピリジン)レニウム錯体(I)([Re(L)(COCNR)]:Lは2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン類似体等)等が挙げられる。
次に本発明におけるUV感光発光性有機金属キレート錯体のポリエステルへの練り込みについて説明する。これらの化合物はポリエステルレジンに練り込んだマスターバッチとして用いる方が好ましいが、ポリエステルレジンへ直接添加してもよい。
有機金属キレート錯体のフィルム中の含有量は、0.05〜0.30重量%の範囲である。含有量が0.05重量%未満では、フィルムの発光性が劣る。一方、0.30重量%を超えて含有する場合、フィルム中での劣化物により、不具合が生じる。
さらに本発明における有機金属キレート錯体含有UV感光発光性ポリエステルフィルムについて、UV感光発光性有機金属キレート錯体の練り込みの層構成について説明する。UV感光発光性有機化合物はポリエステルフィルムの表層、もしくは中間層どちらへの練り込みでも構わない。フィルム全体として、上記の含有量となるように表層あるいは中間層の含有量を調整すればよい。
本発明における、発光とはUV照射時における蛍光もしくは燐光に分類され、詳しくはフィルムに含有された有機金属錯体の電子がそのUV光のエネルギーを吸収して第一電子励起状態へと励起し、そこから基底状態に戻る際に発せられる光のことを蛍光といい、同様に、有機金属錯体の電子がそのUV光のエネルギーを吸収して第一電子励起状態へと励起し、その励起状態から系間交差を経て、三重項励起状態へと電子が遷移し、そこから基底状態に戻る際に発せられる光のことを燐光といい、これらの発せられる光のことをいう。つまり、本発明では、これら現象を持つポリエステルフィルム外観におけるUV照射時の色の変化であり、ポリエステルフィルムの見た目において、UV照射前は白色のマット調フィルムがUV照射中に、UV照射部分のみ(黄色)発光を示すことをいう。
本発明のポリエステルフィルムによれば、有機金属キレート錯体を適量範囲内で表層でも中間層でもどちらに練り込んでも、UV感光発光性ポリエステルフィルムを提供することができる。また、本発明のポリエステルフィルムは、インクジェットなどの方法に代わる、生産ラインの何らかの目印になること、また、電子部品におけるUV感光マーカーや光センサー技術としての用途可能性があるばかりではなく、UV感光発光技術を用いた美しい生活用品への応用が期待できるため、その工業的価値は高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法および評価方法は次のとおりである。なお、本発明における各種の物性およびその測定方法、定義は下記のとおりである。
本発明におけるポリエステルフィルムの評価について説明する。また、以下の「部」および「%」とあるのは、各「重量部」および「重量%」を意味する。
(1)添加物の平均粒径(μm)
株式会社 島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法によって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値を用いて平均粒径とした。
(2)ポリエステルの固有粘度(dl/g)
ポリエステル1gに対し、フェノール/テトラクロロエタン:50/50(重量比)の混合溶媒を100mlの比で加えて溶解させ、30℃で測定した。
(3)算術平均粗さ(Ra)および十点平均粗さ(Rz)
小坂研究所製のサーフコーダSE3500を用いて、RaおよびRzを測定した。下記の条件でサンプルの片面(キャスト面)につき12回測定し、最大最小の2点を除いた十点の平均値をとった。
触針先端径:5ミクロン
測定力:30mgf
測定長:2.5mm
カットオフ値:0.08mm
本発明の実施例、比較例において、得られたポリエステルフィルムについて、Raによる判断を行った。次のような基準で判断する。
○:0.30〜1.00以上
×:0.30より低いもしくは1.00より大きい
(4)発光性ポリエステルフィルムの外観の目視評価
UV感光発光性ポリエステルフィルムにおいて、本発明は将来的には工業的生産を目的としていて、目視綺麗なマット調を表現しているポリエステルフィルムである事が第一条件となるため、得られたポリエステルフィルムについて、目視による外観の判断を行った。次のような基準で判断する。
○:外観良し
△:外観悪くはない
×:外観悪し
(5)発光評価
ポリエステルフィルムのUV照射中の発光強度を目視にて次のような基準で評価した。
◎:強い発光
○:発光している
△:薄い発光
×:発光していない
実施例1:
平均粒径4.5μmの無定型シリカ粒子を9.0%含有する、固有粘度0.71のポリエチレンテレフタレートチップとUV感光発光性有機金属キレート錯体であるトリス(8−ヒドロキノリナト)アルミニウム(III)をそれぞれ98.6:1.4の割合で混合した原料を表層原料とし、平均粒径2.5μmの無定型シリカ粒子を600ppm含有する、固有粘度0.71のポリエチレンテレフタレートチップを中間層原料として、表層の混合原料と中間層のポリエステルを1:4の割合で2台の押出機に各々を供給し、各々290℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で4.0倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ50μm(表層5μm、中間層40μm)のポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、白色のポリエステルフィルムであった。そのポリエステルフィルムについて、高圧水銀灯によるUV(ウシオ電気株式会社:UVC−402/1HN:302/1MN:JC01)光照射(181mW/cm,10m/分,d=100mm)を行い、発光性能を目視評価したところ、顕著な黄色発光状態への変化が見られた。
実施例2:
原料とトリス(8−ヒドロキノリナト)アルミニウム(III)の比を99.72:0.28の割合で混合した混合原料を表層の原料として用いたこと以外は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、外観の良い白色のフィルムであった。そのポリエステルフィルムについて、実施例1と同様の方法でUV照射行い、発光性能を目視評価したところ、黄色発光状態への変化が見られた。
比較例1:
原料とトリス(8−ヒドロキノリナト)アルミニウム(III)の比を98.0:2.0の割合で混合した混合原料を表層の原料として用いたこと以外は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、黄色味がかり外観の悪いフィルムであった。そのポリエステルフィルムについて、実施例1と同様の方法でUV照射行い、発光性能を目視評価したところ、顕著な黄色発光状態への変化が見られた。
比較例2:
原料とトリス(8−ヒドロキノリナト)アルミニウム(III)の比を99.80:0.20の割合で混合した混合原料を表層の原料として用いたこと以外は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、外観の良い白色のフィルムであった。そのポリエステルフィルムについて、実施例1と同様の方法でUV照射行い、発光性能を目視評価したところ、黄色発光状態への変化はほとんど見られなかった。
比較例3:
無定型シリカ粒子の粒径、含有量がもたらすポリエステルフィルムの外観について、比較検討を行った。平均粒径4.5μmの無定型シリカ粒子を2.5重量%含むポリエステルチップを用いたということ以外、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは表面粗度が欠ける結果となった。
比較例4:
平均粒径4.5μmの無定型シリカ粒子を35重量%含むポリエステルチップを用いたということ以外、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルムは、外観において凝集物由来の斑があり、また、破断などの生産性の低下が顕著であった。
比較例5:
平均粒径2.5μmの無定型シリカ粒子を含むポリエステルチップを用いたということ以外、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルムは表面粗度が欠ける結果となった。
比較例6:
平均粒径12μmの無定型シリカ粒子を含むポリエステルチップを用いたということ以外、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。
凝集物由来の破断などで、ポリエステルフィルムを得ることが難しかった。
Figure 0005189016
Figure 0005189016
本発明の有機化合物含有UV感光発光性ポリエステルフィルムは、インクジェットなどの方法に代わる、生産ラインの何らかの目印になること、また、電子部品におけるUV感光マーカーや光センサー技術としての用途可能性があるばかりではなく、UV感光発光技術を用いた美しい生活用品への応用が期待できる。

Claims (1)

  1. 表面粗度(Ra)が0.10〜1.00μmの範囲のフィルム表面を構成するポリエステル層が平均粒径〜10μmの粒子を〜10重量%含有するポリエステルフィルムであって、当該フィルム中に有機金属キレート錯体を0.05〜0.30重量%含有することを特徴とするポリエステルフィルム。
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