JP4810014B2 - 像振れ補正装置およびそれを備えた光学機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学機器に加わる振れに起因する像振れを補正するための像振れ補正装置、特にカメラ等に好適に搭載される像振れ補正装置およびそれを備えた光学機器の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学機器に加わる振れに起因する像振れを補正するための像振れ補正装置において、像振れを補正するための移動可能な補正光学系を支持する方法として、従来から色々な方法がある。
【0003】
例えば、特開平11−316399号公報に開示されている補正光学系の構成について、図32〜図36を用いて簡単に説明する。
【0004】
これらの図において、補正レンズ11は支持枠12に支持され、支持枠12が地板13に結合される。そして、永久磁石やコイル等より成る駆動手段によって、前記補正レンズ11及び支持枠12などにより成る補正光学系がピッチ方向17p及びヨー方向17yに駆動され、像振れが補正される。14はロックリングであり、ステッピングモータの出力がラック14aに伝わることにより、前記支持枠12、つまり補正光学系を所定の位置に係止することになる。15はローリング規制部材であり、3本の軸部15a1 〜15a3 を地板13を介して前記支持枠12に嵌合することで、該支持枠12の光軸回りのローリングを規制する事になる。18は不図示のステッピングモータやコイル、更には位置検出手段を成すホール素子などの各種の端子が同一平面上に集中して配線されることになるハード基板(プリント基板)である。
【0005】
前記支持枠12には、図33及び図34に示す様に支持枠12を中心として3方向に放射状に腕部12aが延出し、これら腕部12aにコロ17がネジ止めされ(図35,図36参照)、このコロ19が地板13の案内溝13a(図32及び図36参照)に嵌挿される。案内溝13aは図36に示す様に矢印13b方向に延びる長穴となっている為、3点の各コロ19はこの方向に移動出来る。即ち、支持枠12は地板13を含む平面内に、総ての方向に自由に摺動可能となる(図36の光軸方向13cにのみ位置規制される)。
【0006】
組立時には、前記支持枠12の腕部12aの3ケ所のうちの1ケ所或は2ケ所にコロ19をネジ止めし、ネジ止めした該コロ19を地板13の案内溝13aに嵌挿させて支持枠12を地板13上に乗せ、最後に残りの案内溝13aを通して同じく残りのコロ19を支持枠12の腕部12aにネジ止めする事で、地板13への支持枠12の組み込みが終了する。
【0007】
また、前記支持枠12の腕部12aに設けられたフック12bと地板13の周囲に設けられたフック13dの間にはバネ18が設けられている。このバネ18は、図33に示す様に、支持枠12の中心から放射状に3方向に延びており、支持枠12を八つ裂き状態に引っ張っている。フック12bは支持枠12の中心から径方向に大きく離れた位置に設けてある為、支持枠12にローリング方向17rの力が働いた場合、その力を八つ裂き方向に配置されたバネの弾性力で抑える事が出来る。即ち、弾性的にローリング規制を行っている為に微小なローリングガタが生じないようにできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の特開平11−316399号に開示された構成の場合、バネ18のコイル部の長さを長くする為に、該バネ18を連結する為の、支持枠12の腕部12aに設けられたフック12bは、図33や図35に示すように補正レンズ11より前面(被写体側)に飛び出した形状をしている為、装置が大型化し、また、支持枠12の重心から離れた位置でバネ18によって引っ張られている為、不要なモーメント(力)が発生し、支持枠12の駆動が不安定になったり、バネ18を掛けているフック12b,13bが軸形状の為に強度不足で破損する事があった。
【0009】
(発明の目的)
本発明の目的は、装置の大型化を防ぐと共に、支持枠と弾性部材の連結部の強度を増し、かつ振れ補正の為の駆動を安定して行うことのできる像振れ補正装置およびそれを備えた光学機器を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、光学機器に加わる振れに起因する像振れを補正するための像振れ補正装置において、像振れを補正するために移動可能で、光学素子を保持する円筒部を持つ保持枠と、該保持枠を前記光学機器の光軸に垂直な面内で摺動可能に保持する地板と、前記保持枠と前記地板とを連結し、前記保持枠を光軸に垂直な面内で弾性支持する複数の弾性部材と、前記保持枠を像振れ補正方向に移動させるための駆動手段とを有し、前記弾性部材により連結される前記保持枠の連結部を、前記保持枠の円筒部の内径部と前記光学素子の外周部とが前記光軸に平行に面する部位に設け、前記保持枠の連結部に前記弾性部材の連結部が係合することを特徴とする像振れ補正装置とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1〜図29は本発明の実施の第1の形態に係るレンズ調整機構を持つカメラのレンズ鏡筒の構成を示す斜視図である。
【0013】
ここで、本発明の実施の第1の形態に係るカメラのレンズ鏡筒の構成の詳細説明に入る前に、簡単に本発明の実施の第1の形態での特徴的な構成について、図26及び図27を用いて説明する。
【0014】
この実施の第1の形態においては、図26及び図27に示す様に、像振れを補正するために移動可能で、光学素子である1Bレンズ群211を保持する1Bホルダー210と、該1Bホルダー210を光軸に垂直な面内で摺動可能に保持するここでは不図示のベース部材(偏心調整ピン215が取り付けられる)とを連結し、前記1Bホルダー210を光軸に垂直な面内で弾性支持する複数のバネ214とを有し、このバネ214により連結される前記1Bホルダー210の連結部を、前記1Bホルダー210の円筒部の前記1Bレンズ群211と面する部位に設ける構造にしている。つまり、図33等で説明した従来の連結部のように光軸方向に飛び出す構造でないので、小型化できると共に、連結部が破損しにくいものとなる。また、1Bホルダー210の重心からバネ214によって該1Bホルダー210が引っ張られる構造にしているので、引っ張られる際に不要なモーメント(力)が発生せず、振れ補正の為の駆動を安定して行えることになる。
【0015】
以下、レンズ鏡筒の詳細な説明に入る。
【0016】
まず、レンズ群を保持し移動する筒構造について、図1,図9,図10,図11により説明する。
【0017】
このレンズ鏡筒は、いわゆる差動カム筒を2つ設けた3段沈胴式鏡筒である。101はカメラ本体に固定される固定筒であり、この固定筒101の内周部には、メスヘリコイド101aが形成されている。120は第1差動カム筒であり、その後端外周部120aにはオスヘリコイドとギヤが重なって形成されている。110は第1差動カム筒の内周部に回転方向のみ摺動自在に保持される第1直進ガイド筒である。104(図9参照)はその回転軸が固定筒101に固定された長軸ギヤで、第1差動カム筒の後端外周部120aのギヤ部と噛み合っている。また、長軸ギヤ104は、ズームギヤユニット103の最終ギヤ(不図示)とも噛み合っている。
【0018】
第1直進ガイド筒110と第1差動カム筒120は、相対的に回転可能に固定されている。その構造について述べる。
【0019】
第1直進ガイド筒110の後部に設けられた突起110dは周上4箇所に設けられ、組み立て時、第1差動カム筒120の内側面取り部120cを乗り越えて、内側溝部120bに嵌り込む。また、第1直進ガイド筒110のガイドピン部110cは、固定筒101上の光軸に平行な長溝(不図示)に嵌入している。
【0020】
よって、第1直進ガイド筒は、固定筒101に対して不回転で光軸方向に移動可能であり、第1差動カム筒120は第1直進ガイド筒110に対して相対的に回転可能でありながら光軸方向に一体的に移動可能となる。
【0021】
次に、第2直進ガイド筒130と第2差動カム筒140は、相対的に回転可能に固定され、第1直進筒に対して光軸方向に進退する構造となっている。その構造について述べる。
【0022】
145は駆動リングであり、その折り曲げ先端のメネジ部145a(周上に2箇所有り)が第2差動カム筒140の凹部に嵌合し、外側より駆動ピン146によって、第2差動カム筒140に一体的にネジ止め固定される。第2直進ガイド筒130のリング部130bには、前記駆動リング145を相対回転可能な隙間を保ったまま挟み込む様に、第2直進板A131と、また第2直進板B132がネジ止めされる。この構造によって、第2直進ガイド筒130と第2差動カム筒140(図4参照)は、光軸方向には一体移動で、相対的に回転可能となる。第2直進ガイド筒の突起部130a(4箇所)は、第1直進ガイド筒110の長溝110gに嵌入している。駆動ピン146(2本)は、第1直進ガイド筒110上に貫通して形成されたリードカム溝A110eと第1差動カム筒の内径部に有底で光軸に平行に形成された長溝120dに嵌入している。第2差動カム筒140の後部に固定された6本のピン144は、第1直進ガイド筒内径のリードカム溝B110fに嵌入している。
【0023】
よって、第2直進ガイド筒130は、第1直進ガイド筒110に対して非回転でかつ光軸方向には進退可能となる。また、第2差動カム筒140は、第1差動カム筒110と同一回転角度で回転し、光軸方向には進退可能となる。
【0024】
1群レンズ鏡筒150(図10,図11参照)は、その後部の周上3箇所に1 群ピン151が埋め込まれ、その1群ピン151は、第2差動カム筒140の内径に設けられた3本の有底である1群カム溝140aに嵌入している。また、1群レンズ鏡筒150の内側上下に設けられた上側長溝150aと下側長溝150bには、第2直進ガイド筒130の上側キー部130cと下側キー部130dの幅部分が嵌入している。
【0025】
よって、1群レンズ鏡筒150は、第2直進ガイド筒130に対しては非回転で光軸方向に進退可能となる。
【0026】
2群レンズ群181(図10参照)を保持している第2群レンズホルダー180の外周部には、3本の2群ピン部180bが配置され、その2群ピン部180bは、第2差動カム筒内側に配置された有底である2群カム溝140bに嵌入している。第2レンズホルダー180の上下に配置された2つの突起部180aは、第2直進ガイド筒130の上下に配置された長溝130eに嵌入している。
【0027】
次に、モータ102回転による各筒の駆動状態を、同じく図1,図9,図10,図11により説明する。
【0028】
第1差動カム筒120にモータ102(図1参照)による駆動源からの回転力が付与されると、第1差動カム筒120は固定筒101のメスヘリコイド101aとのヘリコイド結合により、回転しながら光軸方向に進退する。この時、第1直進ガイド筒110はその回転を固定筒101により規制されるように構成されているので、第1差動カム筒120と一体となって回転せずに光軸方向に進退する。
【0029】
第1直進ガイド筒110のリードカム溝A110eと第1差動カム筒120の長溝120dに嵌入した駆動ピン146の働きによって、次段の第2差動カム筒140は第1差動カム筒120と同じ回転角度で、かつ相対的に光軸方向に進退する。この時、第2直進ガイド筒130はその回転を第1直進ガイド筒110により規制されるように構成されているので、第2差動カム筒140と一体となって回転せずに光軸方向に進退する。
【0030】
第2差動カム筒140の1群カム溝に嵌入している1群ピン151(図10参照)と、第2直進ガイド筒130の上側キー部130cと下側キー部130dが嵌入している1群レンズ鏡筒150の上側長溝150aと下側長溝150bの働きによって、1群レンズ鏡筒150は、回転せずに光軸方向に進退する。
【0031】
第2差動カム筒の2群カム溝140bに嵌入している2群ピン部180bと、第2直進ガイド筒の上下に配置された長溝130eに嵌入している突起部180aの働きによって、回転せずに光軸方向に進退する。
【0032】
次に、沈胴状態(図2,図5)からワイド待機状態(図3,図6)への動作について、図2,図3,図5,図6,図12,図13,図14,図15により説明する。
【0033】
使用者が、カメラのスイッチ(不図示)をオンにした場合、第1差動カム筒120にモータ102による駆動源からの回転力が付与されると、第1差動カム筒120は固定筒101のメスヘリコイド101aとのヘリコイド結合により、回転しながら光軸方向に繰り出され、第2差動カム筒140に設けられた駆動ピン146は、リードカム溝A110e(図13参照)の110e1 部から110e2 部まで移動し、第1直進ガイド筒110に対して第2差動カム筒140がリードカム溝A110e1 部と110e2 部の光軸方向量分だけ繰り出される。1群レンズ鏡筒150の1群ピン151は、1群カム溝140a(図4参照)の140a1 部から140a2 部まで移動し、第2差動カム筒140に対して1群レンズ鏡筒150がそのカムの140a1 部と140a2 部の光軸方向量分だけ繰り出される。第2群レンズホルダー180の2群ピン部180bは、2群カム溝140bの140b1 部から140b2 部まで移動し、第2差動カム筒140に対して第2レンズ群181が、そのカムの140b1 部と140b2 部の光軸方向量分だけ繰り込まれる。
【0034】
以上の繰り出しにより、図3,図6のワイド待機状態に繰り出される。
【0035】
次に、ワイド時のフォーカシングについて、図12,図13,図14,図15を用いて説明する。
【0036】
撮影者がカメラのレリーズボタン(不図示)を押し撮影操作を行なうと、カメラは、被写体の距離に応じて、ピント調節を行なう為に、第1差動カム筒120にモータ102による駆動源からの回転力が付与され、第1差動カム筒120はヘリコイドによりさらに繰り出され、駆動ピン146は、モータの回転量に応じてリードカム溝A110eの110e3 部(無限位置)から110e4 部(至近位置)の任意の位置に停止する。1群レンズ鏡筒150の1群ピン151は、1群カム溝140aの140a3 部から140a4 部間の任意の位置に移動し、第2群レンズホルダー180の2群ピン部180bは、2群カム溝140bの140b3 部から140b4 部間の任意の位置まで移動する。
【0037】
以上の繰り出しにより、1群レンズ鏡筒150に固定されている第1レンズ群と第2群レンズホルダー180に固定されている第2レンズ群181は移動し、無限から至近の被写体に応じて、ピント調節が行われ、シャッタの開閉が行われ、モータ102を逆回転させ、鏡筒を前述のワイド待機位置まで繰り込み、フィルム(不図示)の巻き上げが行われる。
【0038】
次に、ワイドからテレへのズーミングについて、図3,図4,図6,図7,図12,図13,図14,図15により説明する。
【0039】
撮影者が、カメラのズームスイッチ(不図示)をテレにした場合は、第1差動カム筒120にモータ102による駆動源からの回転力が付与され、第1差動カム筒120は固定筒101のメスヘリコイド101aとのヘリコイド結合により、回転しながら光軸方向に繰り出され、第2差動カム筒の駆動ピン146は、リードカム溝A110eの110e18部まで移動し、1群レンズ鏡筒150の1群ピン151は、140a18部まで移動し、第2群レンズホルダー180の2群ピン部180bは、2群カム溝140bの140b18部まで移動する。
【0040】
以上の繰り出しにより、図4,図7のテレ待機状態に繰り出される。
【0041】
次に、テレ状態でのフォーカシングについて、図12,図13,図14,図15により説明する。
【0042】
撮影者がカメラのレリーズボタン(不図示)を押し撮影操作を行なうと、カメラは、被写体の距離に応じて、ピント調節を行なう為に、第1差動カム筒120にモータ102による駆動源からの回転力が付与され、第1差動カム筒120はヘリコイドによりさらに繰り出され、第2差動カム筒の駆動ピン146は、モータの回転量に応じてリードカム溝A110eの110e19部(無限位置)から110e20部(至近位置)の任意の位置に停止する。1群レンズ鏡筒150の1群ピン151は、1群カム溝140aの140a19部から140a20部間の任意の位置に移動し、第2群レンズホルダー180の2群ピン部180bは、2群カム溝140bの140b19部から140b20部間の任意の位置まで移動する。
【0043】
以上の繰り出しにより、1群レンズ鏡筒150に固定されている第1レンズ群と第2群レンズホルダー180に固定されている第2レンズ群181は移動し、無限から至近の被写体に応じて、ピント調節が行われ、シャッタ(図外)の開閉が行われ、モータ102を逆回転させ、鏡筒を前述のテレ待機位置まで繰り込み、フィルム(図外)の巻き上げが行われる。
【0044】
各カムのテレの範囲(リードカム溝A110eでは110e18から110e21の範囲、1群カム溝140aでは140a18から140a21の範囲に相当)は、カムの傾きが、他のカム部分より小さい。
【0045】
次に、フレアカット板の構造について、図9,図11により説明する。
【0046】
111は撮影光路外の有害光をカットするための第1フレアカット板である。この第1フレアカット板111の内周部の中央には、必要な撮影光を通すための開口111aが形成されており、さらに外周部分には第1直進ガイド筒110の後端フランジ部110aに形成された被係合部110bに係止される複数の係合部111bが形成されている。この構成により、第1フレアカット板111は第1直進ガイド筒110と一体となって光軸方向に進退する。
【0047】
133は第2フレアカットシートである。この第2フレアカットシート133の前面に接着剤が塗布されていて、第2直進ガイド筒130の後面に接着されることにより、第2フレアカットシート133は第2直進ガイド筒130と共に光軸方向に進退する。この第2フレアカットシート133の内周部の中央には、必要な撮影光を通すための開口133aが形成されている。
【0048】
次に、1群ユニット152の構造について説明する。
【0049】
1群ユニット152には、手振れ低減機構と、シャッタ開閉機構と、ワイド時の開放口径を規制する開放口径規制機構が含まれている。以下、その詳細について説明する。
【0050】
まず、コイル163の構造について、図20により説明する。
【0051】
非導体であるターミナル163一つ当りに金属製のターミナルピン162が2本はめ込まれ、コイル164の長穴部164aの中央に接着固定されている。そして、コイルの2本のリード線部164bは、各々ターミナルピン162に半田付けされている。そして、フレキシブルプリント板190の穴190aにターミナルピン162を通し、半田付けすることで、コイル164はフレキシブルプリント板190と電気的に接続される。
【0052】
次に、ベースA160に取り付けられる部品について、図20,図22により説明する。
【0053】
1群ユニットの先端に位置するベースA160のリブ部160b1に磁性体である吸着板161の穴部161aを通して、吸着板161を凹部160aに接着固定し、次に、リブ部160bに前述のユニット化されたコイル164の長穴部164aをはめ込む。さらに、非磁性体である板165をその位置決め穴165a・bを、ベースAの位置決めピン部160t,160dにはめ込み、板165とベースA160を接着固定する。この状態では、コイル164は、ベースA160の凹部160aと板165の隙間でガタを持ち、光軸方向の位置が決まっていない。そこで、2つのコイル164各々を、板165に接するように押し付け、コイル164を板165に接着固定する。
【0054】
ベースA160の上下部は、第2直進ガイド筒の上側キー部130cと下側キー部130dが通過する為、逃げ形状として平面になっている。
【0055】
次に、ベースBに取り付けられる部品について、図19,図20,図22で説明する。
【0056】
ベースB170には、シャッタアクチュエーターユニット171がネジ178で固定されている。シャッタ羽根A172の穴172aとシャッタ羽根C174の穴174aは、シャッタアクチュエーターユニットのボス部A171aに嵌合し、シャッタ羽根Aの長穴172bとシャッタ羽根Cの長穴174bは、シャッタアクチュエーターユニットのアーム部171cに嵌入している。シャッタ羽根B173の穴173aは、ベースBのボス部B170aに嵌合し、シャッタ羽根B173の長穴173bは、シャッタアクチュエーターユニットのアーム部171cに嵌入している。1Cホルダー220には、シャッタPI(フォトインターラプター)222が接着固定され、その1Cホルダー220は、2本のネジ223 によって、ベースB170に固定されている。
【0057】
図19のように、シャッタバネ179は、その中心と一端を1Cホルダー220のボス部,220a,220bに掛けられ、そのバネの先端部は、シャッタアクチュエーターユニットのアーム部171cに掛かっている。この時、シャッタバネは、シャッタを閉じる方向の力を発生している。
【0058】
1Cホルダー220には、その後部に1Cレンズ221が接着固定されている。
【0059】
第2直進ガイド筒130の上側キー部130cと下側キー部130dが通過する為、ベースB170の上下部は、逃げ形状の平面になっている。
【0060】
次に、開口規制レバー175の構造と駆動について、図6,図7,図19,図20により説明する。
【0061】
ワイド時、シャッタの開放口径を他の焦点距離時よりも小さくする為に、開放口径規制レバー175は、軸176によって、ある角度回転可能にベースB170に固定される。
【0062】
鏡筒正面から見た開放口径規制レバー175の位置は、1Bホルダー210の腕部210gの左側腕部と右下側腕部の間で、開放口径規制レバー175の光軸方向位置は、1Bホルダー210とほぼ等しい。
【0063】
図19のように、開放口径規制バネ177は、1Cホルダー上のボス部220c,220dに掛けられ、そのバネの先端部は、開放口径規制レバー175に掛かっている。この開放口径規制バネ177によって、通常はシャッタ羽根A172,B173,C174が全開可能となっている。
【0064】
図7のように、テレ状態では、その開放口径規制レバー175の規制部175bは、開放口径規制バネ177によって、シャッタ羽根A172,B173,C174の開閉動作面から退避している為、シャッタアクチュエーターによって、シャッタ羽根A172,B173,C174は、全開動作が可能となる。
【0065】
ズーミングにより、図6のワイド状態になると、第2直進ガイド筒130の下側キー部130dが開放口径規制レバーの先端部を押し上げる事により、レバーが回転し、規制部175bがシャッタ羽根の開閉動作面に進入する。この状態で、シャッタ動作を行なうと、シャッタ羽根A172のストッパー部172cが開放口径規制レバーの規制部175bに衝突する事で、シャッタが全開でき無い。この小さい口径が、設計上、ワイドの最大口径である。
【0066】
次に、1Bホルダーの構造と組込みについて、図20,図22,図26,図27により説明する。
【0067】
図20のように、1Bレンズ群211を保持する1Bホルダー210上の2箇所の受け部210aにヨーク板212と磁石213を重ねて接着固定している。
【0068】
図26のように、3本のバネ214を掛ける1Bホルダー210(図27参照)の形状は、1Bレンズ群211の外径を取り巻く円筒内径部に光軸と平行なU溝210bが3箇所配置され、1Bホルダー210の前側にある凹部210fは一部、U溝210bとつながっている。U溝210bの途中では、光軸中心に向かって盛り上がっている凸部210cがある。
【0069】
1Bホルダー210が光軸と垂直な面内で変位する際、隣接する部品と摺動する前側凸球部210dは、1Bホルダー210の円筒形状部から外側に延長されたL型をした腕部210g表面で、かつ後述するバネ214の前側に配置される。このL型をした腕部210gは、バネ214のコイル部214bの前側と一方の側面を取り巻くように配置されている。隣接する部品と摺動する後側凸球部210eは、1Bホルダー210の円筒形状部から外側に延長されたL型をした腕部210g背面で、かつ後述するバネ214のやや斜め後側に配置される。この様に、1Bホルダー210は、バネ214の一部を取り巻く形状をしたL型をした腕部210gを持ち、その腕部上で且つバネの前後に前側凸球部210dと後側凸球部210eが形成されている。各前側凸球部210dと各バネのコイル部214bを結ぶ仮想直線は、1Bレンズ群211の光軸と平行である。
【0070】
3本のバネ214は、そのL型フック部214cが1Bホルダー210のU溝210bの凸部210cにて点接触している。この凸部210cは、バネ214の伸縮方向の延長線上に配置されている。
【0071】
バネ214のL型フック部の先端にあるカギ部214dは、1Bホルダーの凹部210fに掛かかり、バネ214がベースB210から抜け落ちるのを防止している。
【0072】
また、バネ214の内、2本のリング部214aは、偏心調整ピン215のクランク部215cに嵌入している。2本の偏心調整ピン215は、その前側の嵌合部A215bがベースA160の穴部160cに嵌入し、後側の嵌合部B215dがベースBの穴部170bに嵌入している。
【0073】
また、偏心調整ピンに嵌入していない1本のバネ214のリング部214aは、図22のように、ベースA160に一体に成型されたボス部160eに掛けられている。
【0074】
以上の3本のバネ214によって1Bホルダー210は、外径方向に引っ張られた宙吊り状態である。
【0075】
前述のユニット化されたベースA160に組み込まれたを貫通して突出している位置決めピン部160t,160dが、ベースBの受け平面170hの上下に配置された位置決め穴170iに嵌り、2本のネジ166でベースA160とベースB170がネジ止め固定される。この事により、ベースB170の受け平面170hに板165で蓋をした状態となり、ベースB170の受け平面170hとベースBの3箇所の凸平面170cとの段差に、1Bホルダー210の腕部210gが光軸方向に有るガタを持って挟み込まれ、2本のネジ166でベースAとベースBが固定される。この組込みによって、板165はベースA160とベースB170に挟み込まれた状態になる。
【0076】
1Bホルダー210の3箇所にある前側凸球部210dは、板165の平面部と接触摺動し、1Bホルダー210の3箇所にある後側凸球部210eは、ベースB170上の3箇所の凸平面170cと接触摺動する。板165は、1Bホルダー210に固定された磁石213とコイル164が直接接触させない隔絶板の役目も果たしている。
【0077】
一般に、ベースB170は金型を使用した樹脂成型で部品が作られる為、ベースB170上のベースB170上の3箇所の凸平面170cに相当する金型部分の高さを補正すれば、1Bホルダー210の光軸方向のガタを任意に設定可能である。
【0078】
1Bホルダー210の3箇所の腕部210gの内、左側腕部と右上腕部の間には第2直進ガイド筒130の上側キー部130cが通過し、左側腕部と右上腕部の間には第2直進ガイド筒130の下側キー部130dが通過する。
【0079】
次に、1Bホルダーの動作について、図20,図23により説明する。
【0080】
ベースA160とベースB170の間に挿まれ、光軸に垂直な面内で摺動可能な1Bホルダー210の動作について述べる。
【0081】
1Bホルダー210は、1Bホルダー上に固定された2つの磁石213と、ベースA160に固定された2つのコイル164との相互の磁力作用によって駆動されている。レンズ鏡筒正面から見て、光軸から左上45度方向に配置されたコイル164に正方向の通電を行うと、左上45度方向に配置された磁石が左上45度方向の力を受け、1Bホルダー210は左上45度方向に移動開始する。この時、1Bホルダーを吊っている3本のバネ214が伸縮し、1Bホルダーを光軸のある中心へ1Bホルダーを引き戻そうとする。1Bホルダー210は、このコイル164の吸引力とバネ214の引き戻し力が吊り合うある左上45度の位置で停止する。
【0082】
左上コイル164の通電を逆方向にすると、1Bホルダー210はコイル164の吸引力とバネ214の引き戻し力が吊り合うある左下45度の位置で停止する。
【0083】
同様に、左下コイル164のみに正方向の通電を行うと、1Bホルダー210はある右上45度の位置で停止する。左下コイル164のみに逆方向の通電を行うと、1Bホルダー210はある右下45度の位置で停止する。
【0084】
この様に、互いに90度を成す2つのコイルにそれぞれ任意の電流方向と電流値の電流を流すと、1Bホルダー210は光軸に垂直な面内で、光軸から任意の位置に駆動する事が可能である。
【0085】
次に、1Aホルダー200の構造と組込みについて、図20により説明する。
【0086】
1Aホルダー200は、その中心に1Aレンズ群201が固定されている。1Aホルダー200の外周部3箇所には、くさび型をしたバヨネットオス部200aを持つ。
【0087】
1Aホルダー200をベースA160に取り付ける方法は、1Aホルダー200のバヨネットオス部200aをベースAのバヨネットメス部160gと位置合わせをして、はめ込み、数度回転させると、バヨネットオス部200aのくさび型が食い込む事により、ガタ付き無く固定される。バヨネット形状は周上120度等間隔であるため、1Aホルダー200は組込み時、光軸中心で、120度ごとの回転位置を選択できる。
【0088】
次に、1Bホルダー210の調整について、図20,図26により説明する。
【0089】
1Bホルダー210は、3本のバネによってつられている為、1Bレンズ群211は、1Aレンズ群201や1Cレンズ221に対して、光軸がズレ易い。そこで、マイナスドライバー(ねじ回し)で、ベースA160の穴160cを通して、偏心調整ピン215のスリ割部215aを回転して、2本のバネ214の張力を変化させて、1Bレンズ群211の光軸を1Aレンズ群201や1Cレンズ221の光軸に一致させる。その後、ベースA160の穴160cに接着剤を塗布して、偏心調整ピン215を固定する。
【0090】
次に、1群ユニットの偏心調整について、図28,図29で説明する。
【0091】
この実施の形態における鏡筒は、1群ユニット152を光軸に垂直な面内で平行偏心させることで、第2レンズ群181の光軸に対する第1レンズ群(すなわち1Aレンズ群201と1Bレンズ群211と1Cレンズ221)の光軸位置を調節して、レンズ性能を高めている。
【0092】
ここで、その1群ユニットの偏心調整機構を、図28により説明する。
【0093】
板バネA230を1群レンズ鏡筒150の前面に接し、ネジ232のネジ部232aは、板バネA230の穴230cと1群レンズ鏡筒150の逃げ穴150cを通り、ベースA160のメネジ部160hにネジ込まれる。このネジ込み時、ネジ232には、段差部232bが平面160qに当り、ネジ込み量が既定される。この状態では、板バネA230の端部230a,230bは、1群レンズ鏡筒150の段差部150f,150hに当接し、板バネA230の中間部は、1群レンズ鏡筒の凸部150gに当接している。さらに、ネジ232の頭部232cは、板バネA230の230c周りを1群レンズ鏡筒150の凹部150eに近づく方向に撓ませている。同様にネジ233も板バネ230の穴230d回りを撓ませて、ベースA160のメネジ部160iにねじ込まれる。
【0094】
板バネA230と同様に、ネジ234,235が、板バネB231の穴周り231c,231dを撓ませた状態で、ベースAにねじ止めされる。
【0095】
以上の板バネA230,231Bの弾性によって、ベースAを含む1群ユニット152を1群レンズ鏡筒の天井部150vに当接している。その当接している面は、ベースAの周上3点に配置された平面部160q,160r,160sである。
【0096】
1群偏心調整ピンA236は、その頭部236bが1群レンズ鏡筒の段付き穴150pに嵌合し、そのピン先136aがベースAの長穴160lに嵌入している。同様に1群偏心調整ピンB237は、その頭部237bが1群レンズ鏡筒の段付き穴150qに嵌合し、そのピン先137aがベースAの穴160mに嵌入している。
【0097】
次に、1群ユニット152の偏心調整操作について述べる。
【0098】
1群偏心調整ピンB237を左右に90度以内で回転させると、1群偏心調整ピンBの先端237aは、1群レンズ鏡筒の段付き穴150qと同軸で回転し、1群偏心調整ピンBの先端が嵌入しているベースAの穴部160mは、1群偏心調整ピンBの先端237aと同一の位置に移動する。一方、ベースAの長穴部160lは、回転させていない1群偏心調整ピンAの先端236aで、溝幅方向の移動が規制され、溝長手方向のみ移動可能となっている。この構造により、1群ユニット152の光軸は、概略x方向(横方向)の移動が行なわれる。
【0099】
次に、1群偏心調整ピンB237を回転させずに、1群偏心調整ピンA236を左右に90度以内で回転させると、1群ユニット152は、ベースAの穴160kを中心として回転する。この時、1群ユニットの光軸は、概略y方向(縦方向)の移動が行なわれる。
【0100】
以上の事から、1群偏心調整ピンA236の回転量と、1群偏心調整ピンB237の回転量を任意に調整する事で、1群ユニットは、1群レンズ鏡筒に1群ユニットの光軸は、光軸に垂直なxy平面内で移動可能となる。この時、前述の板バネA230、板バネB231の働きによって、1群ユニット152は1群レンズ鏡筒の天井部150vに当接したまま摺動移動しているので、1群ユニットの光軸が傾く事が無い。
【0101】
1群偏心調整ピンA236,B237の切り欠き部236c,237cは、先端部236a,237aの位置と一致していて、1群ユニットの偏心調整時に、偏心量の目安となる。
【0102】
次に、1群ユニット152を1群レンズ鏡筒150に固定する方法について、述べる。
【0103】
ベースA160の突起160nは、1群レンズ鏡筒150の逃げ穴150rに入っている。逃げ穴150rの穴形状は、偏心調整時にも、突起160nに衝突しない形状となっている。同様に、ベースA160の突起160pも、1群レンズ鏡筒の逃げ穴150sに入り、突起160pと逃げ穴150sは衝突しない形状となっている。
【0104】
前述の1群偏心調整ピンA・Bによる1群偏心調整が終了したら、ベースAの突起160nと1群レンズ鏡筒の逃げ穴150rとの隙間と、突起160pと逃げ穴150sとの隙間に接着剤を塗布することで、1群ユニット152が1群レンズ鏡筒150に固定される。
【0105】
次に、隔絶シート238を、前述の1群調整用の板バネA230と板バネB231上に重なるように組み込む
1群レンズ鏡筒150のボス150tと150uは、図29にあるバリアユニット240のバリア羽根A242の回転中心穴242aとバリア羽根B243の回転中心穴243aが嵌合するボスであり、このバリアユニット240は、前述の隔絶シート238上に重なるように配置されている。
【0106】
以上の実施の第1の形態によれば、図26や図27に示す様に、光学素子である1Bレンズ群211を保持する円筒部を持つ1Bホルダー210と該1Bホルダー210を光軸に垂直な面内で摺動可能に保持するベースB170(偏心調整ピン215を介して)とを連結して、1Bホルダー210を光軸に垂直な面内で支持する複数のバネ214を有し、該バネ214が連結する前記1Bホルダー210の連結部を、該Bホルダー210の円筒部の前記1Bレンズ群211と面する部位に設けた構造にしている。
【0107】
よって、1Bホルダー210とバネ214の連結部を小型にできる。また、このことにより、バネ214を図示のように大型にできる為、1Bホルダー210を安定して駆動可能となる。更に、連結部が1Bホルダー210の円筒部であるため、強度を高くできる。
【0108】
また、1Bホルダー210の連結部を、前記バネ214の連結部と点接触する突起部(210c)を有する事により、Bホルダー210とバネ214の連結位置が決定され、1Bホルダー210が安定して駆動することになる。
【0109】
また、突起部(210c)は、1Bホルダー210の移動に伴なって伸縮するバネ214の伸縮方向の延長線上に配置しているので、1Bホルダー210に働くバネ214の弾性力が動的に変化しても、1Bホルダー210とバネ214の連結部に不要な回転モーメントが発生せず、1Bホルダー210が安定して駆動することになるし、 これらの連結部の破壊を防止できる。
【0110】
また、1Bホルダー210の連結部は、円筒部の内径面に光軸と平行な溝(図26参照)を有し、バネ24の連結部(214c)が前記溝と嵌合する構成にしているので、1Bホルダー210とバネ214の連結が安定すると共に、バネ214と1Bレンズ群211の干渉・破壊を防止できる。
【0111】
また、バネ214の連結部の先端には、1Bホルダー210の連結部との抜け止め部(214d)を設け、1Bホルダー210の連結部には、前記抜け止め部が嵌入する嵌入部(210f)を設けているので、バネ214が1Bホルダー210から外れる危険性が無くなり、安定した駆動が可能となる。
【0112】
(実施の第2の形態)
図30は本発明の実施の第2の形態に係る主要部分の構造を示す図である。
【0113】
図30のように、1Bレンズ群611を保持する1Bホルダー610上の2箇所の受け部610aにヨーク板612と磁石613を重ねて接着固定している。
【0114】
3本のバネ614を掛ける1Bホルダー610の形状は、1Bレンズ群611の外径を取り巻く円筒内径部に光軸と平行なU溝610bが3箇所配置され、1Bホルダー610の前側にある凹部610fは一部、U溝610bとつながっている。
【0115】
1Bホルダー610が光軸と垂直な面内で変位する際、隣接する部品と摺動する前側凸球部610dは、1Bホルダーの円筒形状部から外側に延長されたL型をした腕部610g表面で、かつ後述するバネ614の前側に配置される。このL型をした腕部610gは、バネ614のコイル部614bの前側と一方の側面を取り巻くように配置されている。隣接する部品と摺動する後側凸球部610eは、1Bホルダー610の円筒形状部から外側に延長されたL型をした腕部610g背面で、かつ後述するバネ614のやや斜め後側に配置される。この様に、1Bホルダー610は、バネ614の一部を取り巻く形状をしたL型をした腕部610gを持ち、その腕部上で且つバネの前後に前側凸球部610dと後側凸球部610eが形成されている。各前側凸球部610dと各バネのコイル部614bを結ぶ仮想直線は、1Bレンズ群611の光軸と平行である。
【0116】
3本のバネ614は、そのL型フック部614c上の凸部614eが1BホルダーのU溝610bに当てついている。この凸部614eは、バネの伸縮方向の延長線上に配置されている。
【0117】
バネのL型フック部の先端にあるカギ部614dは、1Bホルダーの凹部610fに掛かかり、バネ614がベースB610から抜け落ちるのを防止している。
【0118】
また、バネ614の内、2本のリング部614aは、偏心調整ピン615のクランク部615cに嵌入している。
【0119】
上記の実施の第2に形態によれば、バネ614の連結部を、前記1Bホルダー610の連結部と点接触する突起部(614e)を有する事により、1Bホルダー610とバネ614の連結位置が決定され、1Bホルダー610が安定して駆動することになる。
【0120】
(実施の第3の形態)
図31は本発明の実施の第3の形態に係る主要部分の構造を示す図である。
【0121】
図31のように、1Bレンズ群711を保持する1Bホルダー710上の2箇所の受け部710aにヨーク板712と磁石713を重ねて接着固定している。
【0122】
1Bホルダー710の腕部710gは、3本のバネ714を取り巻く様な形状で、1Bホルダー外側に配置され、その腕部後面上に、隣接する部品(第1の地板:不図示)と摺動する後側凸部610eが配置されている。隣接する部品(第2の地板:不図示)と摺動する前側凸部も腕部前面上に配置されている(図31では見えない)。
【0123】
この前側凸部とバネと後側凸部を結ぶ仮想直線は、1Bレンズ群711の光軸と平行である。また、バネを取り巻いている腕部の穴部は、1Bホルダー710が光軸に垂直な面内で摺動しても、干渉しない大きさである。バネ714の一端は、1Bホルダー710に固定され、もう一端(外側)は、偏心調整ピン715に固定されている。偏心調整ピン715の両端は、第1の地板と第2の地板に嵌入し、回転する事で、各バネの張力を調整する。
【0124】
上記実施の第3の形態によれば、1Bホルダー710の腕部710gは、3本のバネ714を取り巻く様な筒形状であるため、腕部の強度が上記実施の第1,第2の形態よりも強く、1Bホルダー710の精度の高い駆動が可能となる。
【0125】
また、バネが半分覆われているため、第1の地板や第2の地板とバネの干渉の危険性が低くなり、1Bホルダー710を確実に駆動可能となる。
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、装置の大型化を防ぐと共に、支持枠と弾性部材の連結部の強度を増し、かつ振れ補正の為の駆動を安定して行うことがきる像振れ補正装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係るレンズ鏡筒の斜視図である。
【図2】図1のレンズ鏡筒の沈胴状態を示す斜視図である。
【図3】図1のレンズ鏡筒のワイド状態を示す斜視図である。
【図4】図1のレンズ鏡筒のテレ状態を示す斜視図である。
【図5】図1のレンズ鏡筒の沈胴状態を示す断面図である。
【図6】図1のレンズ鏡筒のワイド状態を示す断面図である。
【図7】図1のレンズ鏡筒のテレ状態を示す断面図である。
【図8】図1のレンズ鏡筒の部品構成を示す分解斜視図である。
【図9】図の部分拡大図である。
【図10】同じく図8の部分拡大図である。
【図11】後方から見た図1のレンズ鏡筒の部品構成を示す斜視図である。
【図12】図1のレンズ鏡筒に具備される固定筒の展開図である。
【図13】図1のレンズ鏡筒に具備される第1直進ガイド筒の展開図である。
【図14】図1のレンズ鏡筒に具備される第2差動カム筒の展開図である。
【図15】図14の各レンズ群の移動用カム軌跡の説明図である。
【図16】図1のレンズ鏡筒においてワイド状態でのフレキシブルプリント基板を説明する為の図である。
【図17】図1のレンズ鏡筒においてテレ状態でのフレキシブルプリント基板を説明する為の図である。
【図18】図1のレンズ鏡筒において第1群ユニット周りのフレキシブルプリント基板を説明する為の図である。
【図19】図1のレンズ鏡筒において第1群ユニット後方のフレキシブルプリント基板を説明する為の図である。
【図20】図1のレンズ鏡筒に具備される第1群ユニットを示す分解斜視図である。
【図21】図20の一部拡大図である。
【図22】カメラ後方から見た図20の第1群ユニットの分解斜視図である。
【図23】図1のレンズ鏡筒に具備される振れ補正機構を説明する為の斜視図である。
【図24】同じく図1のレンズ鏡筒に具備される振れ補正機構を説明する為の斜視図である。
【図25】同じく図1のレンズ鏡筒に具備される振れ補正機構を説明する為の斜視図である。
【図26】図1のレンズ鏡筒に具備される1Bホルダー及びその周辺の構成を示す断面図である。
【図27】図1のレンズ鏡筒に具備される1Bホルダー及びその周辺の後方斜視図である。
【図28】図1のレンズ鏡筒に具備される1群ユニットの偏心調整機構の構成を示す斜視図である。
【図29】図1のレンズ鏡筒に具備されるバリア機構の構成を示す斜視図である。
【図30】本発明の実施の第2の形態に係る主要部分の構成を示す断面図である。
【図31】本発明の実施の第2の形態に係る主要部分の構成を示す断面図である。
【図32】従来の振れ補正装置の補正光学機構の構成を示す斜視図である。
【図33】図32の補正光学機構の正面図である。
【図34】図32の支持枠と地板の構造を示す正面図である。
【図35】図33のA−A’断面図である。
【図36】図33のD方向より見た図である。
【符号の説明】
101 固定筒
104 長軸ギヤ
110 第1直進ガイド筒
120 第1差動カム筒
130 第2直進ガイド筒
131 第2直進板A
132 第2直進板B
140 第2差動カム筒
145 駆動リング
146 駆動ピン
150 1群レンズ鏡筒
151 1群ピン
152 1群ユニット
160 ベースA
164 コイル
170 ベースB
180 第2群レンズホルダー
181 2群レンズ群
190 フレキシブルプリント板
200 1Aホルダー
201 1Aレンズ群
210 1Bホルダー
211 1Bレンズ群
214 バネ
215 偏心調整ピン
220 1Cホルダー
221 1Cレンズ
230 板バネA
231 板バネB
236 1群偏心調整ピンA
237 1群偏心調整ピンB
610 1Bホルダー
611 1Bレンズ群
614 バネ、
615 偏心調整ピン
710 1Bホルダー
711 1Bレンズ群
712 ヨーク板
713 磁石
714 バネ
715 偏心調整ピン
Claims (8)
- 光学機器に加わる振れに起因する像振れを補正するための像振れ補正装置において、
像振れを補正するために移動可能で、光学素子を保持する円筒部を持つ保持枠と、
該保持枠を前記光学機器の光軸に垂直な面内で摺動可能に保持する地板と、
前記保持枠と前記地板とを連結し、前記保持枠を光軸に垂直な面内で弾性支持する複数の弾性部材と、
前記保持枠を像振れ補正方向に移動させるための駆動手段とを有し、
前記弾性部材により連結される前記保持枠の連結部を、前記保持枠の円筒部の内径部と前記光学素子の外周部とが前記光軸に平行に面する部位に設け、前記保持枠の連結部に前記弾性部材の連結部が係合することを特徴とする像振れ補正装置。 - 前記保持枠の連結部は、前記弾性部材の連結部と点接触する突起部を有することを特徴とする請求項1に記載の像振れ補正装置。
- 前記弾性部材の連結部は、前記保持枠の連結部と点接触する突起部を有することを特徴とする請求項1に記載の像振れ補正装置。
- 前記突起部は、前記保持枠の移動に伴なって伸縮する前記弾性部材の伸縮方向の延長線上に配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の像振れ補正装置。
- 前記保持枠の連結部は、前記保持枠の円筒部の内径面に、光軸と平行な溝を有し、前記弾性部材の連結部が該溝と嵌合することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の像振れ補正装置。
- 前記弾性部材の連結部の先端には、前記保持枠の連結部との抜け止め部が設けられ、前記保持枠の連結部には、前記弾性部材の抜け止め部に嵌入する嵌入部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の像振れ補正装置。
- 前記弾性部材は、引っ張りコイルバネであり、その連結部はフック形状をしており、該フック形状の先端を更に曲げて前記抜け止め部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の像振れ補正装置。
- 請求項1〜7の何れかに記載の像振れ補正装置を備えた光学機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001228946A JP4810014B2 (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | 像振れ補正装置およびそれを備えた光学機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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