JP4808887B2 - 軟骨と骨の病状の処置におけるレチノイド受容体アンタゴニストの使用 - Google Patents

軟骨と骨の病状の処置におけるレチノイド受容体アンタゴニストの使用 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の背景)
関節軟骨は四肢、体幹、頸部の関節に存在する特有な組織である。この組織は関節軟骨細胞と、プロテオグリカン凝集体、ヒアルロン酸、リンクタンパク質、II型コラーゲン筋原線維を含む、いくつかのよく特徴付けられている生体高分子を含有する豊富な細胞外マトリックスから構成される。軟骨細胞はそのマトリックス構成要素の合成、蓄積、維持を司っている。プロテオグリカン凝集体は、大量の水分子及びイオンと結合し、また、組織に生体弾性を与える大きな高次構造である。コラーゲン筋原線維は、引っ張り及びせん断力に耐えることができ、また組織に引張り強度を与える3次元ネットワークを形成する。プロテオグリカン凝集体とコラーゲン筋原線維は一緒になって、関節軟骨の基本的なバイオメカニカル特性である弾力性を司っている。この特性により、運動時にその関節上に作用する物理的力から結果的に生じる形状および容積における可逆的な変化をその組織に起こさせることが可能となり、このようにして関節の正常な機能を可能にする。正常で健康な環境下では、関節軟骨細胞は活性のまま維持され、また表現型という点からみても生涯安定したまま維持される。すなわち、このことは、関節軟骨がこの構造的および組織特性を維持することを可能にし、また、生涯を通じて、関節におけるそのバイオメカニカルな役割を果すことを可能にする。
【0002】
軟骨内骨化とは、胚および成長生物体組織に存在する軟骨性骨格要素が固有の骨要素に取り替えられるプロセスである。このプロセスは胚形成の第2半期にはじまり、また、骨格成長が停止する思春期に終了する。軟骨内骨化は、軟骨細胞成熟のいくつかのはっきりと区別される段階を含む高度に調節されている多段階のプロセスであり、四肢おける長骨成長板においてもっともよく見られる。軟骨内骨化時には、休止未成熟軟骨細胞がまず急速な細胞増殖期にさらされる。その細胞はその後に、細胞周期から出て、活発なマトリックス産生期に入る。この段階で合成されたマトリックス構成要素は、プロテオグリカン(アグリカン)、II型コラーゲン、リンクタンパク質、及びヒアルロナンを含む典型的な軟骨マトリックス生体高分子である。分裂後マトリックス合成細胞はその後に、サイズが大きくなり始め、また、形状が平坦なものから長円形に変わる。この段階は、前肥厚性段階と呼ばれ、また、シグナリング因子であるインディアンヘッジホッグを含む新たなタンパク質の合成により特徴付けられる。この細胞は継続して大きくなり、また、その最終的な成熟段階である肥厚性段階に進む。肥厚性軟骨細胞の生合成レパートリーが劇的に変化し、また、その細胞は、メタロプロテアーゼ、X型コラーゲン、アルカリホスファターゼ、及びアネキシンV−豊富マトリックス小胞を含むさまざまな新たなタンパク質の産生を開始する。それら細胞が生合成においてこうした変化を受けると、肥厚性軟骨細胞もまた、骨特性I型およびIIIコラーゲンの合成を始め、マトリックスの中にアパタイト結晶を蓄積し、したがって、肥厚性軟骨を骨様組織に形質転換させる。最終的には、それら細胞はアポトーシスにさらされる。結果として、その組織は、その後に進んでその肥厚性組織を除去し、またそれを固有の骨組織に替える。骨および骨髄前駆体細胞により侵襲に対して受入れやすくなる。
【0003】
非常に多くの研究が、軟骨内骨化を制御するメカニズムを同定し、また特徴付けるために、過去数年の間に実施されてきた。こうしたメカニズムへの関心は、軟骨内骨化における欠陥が関連していて、またおそらくは骨格形成の先天性および後天性の病態を引き起こすという事実を反映している(Jacenkoら、J. Rheumatol.22:39−41,(1995))。興味深いことに、いくつかの分子が、軟骨内骨化においては否定的な役割を有すること、また、軟骨細胞が未成熟からその肥厚性段階まで進歩するその速度を制限することが示されている。これら分子には、線維芽細胞増殖因子−2(FGF−2)、線維芽細胞増殖因子受容体−3(FGF−R3)、副甲状腺関連タンパク質(PTH−rP)、インディアンヘッジホッグ(IHH)が含まれる(Coffinら、Mol.Biol.Cell,6:1861−1873(1995);Colvinら、Nature Genet.,12:390−397(1996);Vortkampら、Science,273:613−622(1996))。しかし、その否定的な因子を阻止する非常に重要な役割を有すると思われ、またその内骨化プロセスが進んでその終了に達することを可能にすると思われる肯定的な因子が今日までほとんども同定されていない。
【0004】
骨成長に関連している病状には、骨関節炎が含まれる。骨関節炎は関節組織の進行性喪失を引き起こす関節の変性疾患の1つである。現在まったく治癒または効果的な治療が存在しない疾患であり、60歳を超える人口の10%以上が罹患している。骨関節炎はおそらく、関節の生涯にわたる使用によって引き起こる機械的な傷害となるものを含む数多くの因子により発症する。一旦関節軟骨が損傷を受けると、その疾患は進行し、また、数え切れないほどの変化が細胞とマトリックスで起こる。この疾患によりもっとも影響を受ける部位では、その関節軟骨細胞は増殖を再び始め、また、異常な表現型形質を獲得し始める。これらには、I型およびIII型コラーゲンの合成、細胞肥厚、X型コラーゲン合成、アルカリホスファターゼ活性、増大タンパク質加水分解活性、そして、マトリックス鉱物化が含まれる(Hamerman,New Engl.J.Med.320:1322−1330(1989);Nerlichら、Vichows Archiv.B.Cell Pathol.63:249−255(1993);von der Mark,K.ら、Acta Orthop.Scand.266:125−129(1995))。同時に、メタロプロテアーゼおよび他の分解酵素によるマトリックス分解の増加のため、プロテオグリカンの合成が増加する一方で、正味プロテオグリカン含量は減少する。関節軟骨細胞は、細胞内退化とアポトーシスの兆候を示す可能性があるという報告もある。一旦関節細胞が消失し、そのマトリックスが退化すると、その組織は非機能性瘢痕組織または骨組織に替る。
【0005】
このように、骨関節炎などの骨成長関連疾患を含む軟骨と骨病状治療のための効果的な諸療法に対する需要が存在している。
【0006】
(発明の開示)
本発明は、レチノイド受容体アンタゴニストの治療上有効な用量を投与することから成る軟骨または骨病状を処置する方法を提供する。1つの好適な実施態様によると、レチノイド受容体アンタゴニストは、RAR受容体アンタゴニストであり、また好適にはRARαβγ受容体アンタゴニストである。
【0007】
本発明はさらに、その病状に関連してRARγ受容体を拮抗作用させることから成る軟骨または骨病状を処置する方法を提供する。
【0008】
さらに1つの実施態様では、本発明は、レチノイド受容体アンタゴニストの治療上有効な用量を投与することから成る軟骨および骨病状に関連している症状を改善させる方法を提供する。
【0009】
本発明はさらに、レチノイド受容体アンタゴニストと薬理学的に許容できるキャリアーまたは賦形剤から成る薬理学的組成の治療上有効な用量を投与することから成る軟骨または骨の病状を処置する方法を提供する。
【0010】
本発明は、レチノイド受容体アンタゴニストの使用から成る、骨成長関連疾患を含む、軟骨および骨病状を処置する方法を提供する。骨成長関連疾患には、骨関節炎、多発性軟骨性外骨腫、並びに類骨骨腫、類骨肉腫および骨腫を含む骨芽細胞腫、変形性骨炎などのそうした関連する病理学的骨形成が含まれる(全般については、Robbinsら、Pathological Basis of Disease,W.B.Saunders(1979)を参照されたい)。分子レベルでは、レチノイドは、ステロイド/甲状腺製剤/ビタミンD3核受容体の超科に属する、核受容体の2つの科である、レチノイン酸受容体(RARs)とレチノイドX受容体(RXRs)により、その生物学的効果を発揮する。
【0011】
RARsとRXRsは、少なくとも2つの異なる方法で遺伝子発現を制御するリガンド依存性転写因子である。すなわち、(a)RARsとRXRsはそれらのプロモーターに存在しているRA反応性要素(RAREs)に結合することにより、遺伝子の発現をアップレギュレートする方法、(b)RARsとRXRsはAP1などの他の転写因子のエンハンサー作用を拮抗させることにより遺伝子の発現をダウンレギュレートする方法、である。RARs(α、β、γ)とRXRs(α、β、γ)の異なるイソタイプは、6つの別個の遺伝子によりコード化される。各RARイソタイプはさらに、代替的なスプライシングにより、および/または2つ以上のプロモーターを区別して使用することにより生成される、N末端A領域が異なるいくつかのイソ型タンパク質として、発現させる。RARαは2つの主なイソ型(α1とα2)として発現させる。RARβは4つのイソ型(β1、β2、β3、β4)として、またRARγは2つの主なイソ型(γ1とγ2)として発現させる。RARsはRAR-RXRへテロダイマーとして専らインビボで機能すると考えられる。
【0012】
発達期の四肢にある長骨モデルに存在する肥厚性軟骨細胞は、高レベルでRAR、すなわちRARγを発現し、また、内因性レチノイドを含んでいることが分かった。実施例に詳細に説明されているように、RARγおよび内因性レチノイドの役割を決定するためには、レチノイドアンタゴニストAGN109を充填されたビーズが、ニワトリ胚発生初期段階の発達長骨モデルの近傍に置かれた。その胚はその後に、RARγアンタゴニストの存在下に再びインキュベートされ、また、アンタゴニスト処置の効果がさまざまな経過時間で測定された。軟骨細胞の成熟と長骨発達がアンタゴニスト処置により中断されることが分かった。対照四肢では、その長骨モデルには、その中央部分(骨幹部と呼ばれる)には、X型コラーゲン、アルカリホスファターゼを合成した肥厚性軟骨細胞が含まれていて、そのマトリックスを鉱物化していた。さらに、肥厚性軟骨は骨と骨髄前駆体細胞と活性骨沈着による侵襲を受けていた。際立って対照的に、レチノイドアンタゴニスト処置された長骨は全く軟骨性のものであり、また、肥厚性軟骨細胞、X型コラーゲンまたはアルカリホスファターゼは含んではいない。さらに、カルシウム沈着と骨形成はテスト群では観察されなかった。したがって、レチノイドは軟骨内骨化の肯定的な制御因子であり、また、軟骨細胞成熟と軟骨内骨化を阻止するレチノイドアンタゴニストによる処置により、正常なレチノイドシグナリングを干渉するようにみえる(Koyamaら、Develop.Biol.208(2):375−391(1999)も参照されたい)。
【0013】
したがって、本発明は、骨関節炎、またはカルシウム沈着につながる関節軟骨の他の病態罹患時に関節軟骨細胞により成長板様形質の獲得を中断または逆転をもさせるための諸方法を提供する。関節軟骨細胞は骨格関節に位置しているそうした軟骨細胞である。したがって、適当なレチノイド受容体アンタゴニストは、その疾患プロセス進行時にそのすべてが関節軟骨細胞で起こる(a)細胞の肥厚、(b)メタロプロテアーゼの発現及びアルカリホスファターゼ活性、(c)鉱物沈着およびアポトーシスでさえも防ぎ、(d)コラーゲンの諸タイプにおける切換えを防ぐべきものである。こうした表現型変化を防ぐあるいはスローダウンすることにより、そのアンタゴニストは関節軟骨細胞によるそのマトリックス及び組織のさらに効果的な修復を実行させるべきであり、また、その変性プロセスの停止させることも可能となる。本発明の諸方法は、関節軟骨をもたらすことに関連しているわけではないが、骨格系のいかなる箇所にも軟骨細胞をもたらすのに使用することが可能であり、また、骨格発達または骨成長関連病状のいずれかの病期に関連している可能性がある。
【0014】
当業者には現在公知のあらゆるレチノイド受容体アンタゴニストまたはその後に開発されたレチノイド受容体アンタゴニストは、特許請求されている方法を実施する際に使用しうる。例示的な受容体アンタゴニストの合成が、例えば米国特許第5,877,207号、第5,514,825号、第5,648,514号、第5,728,846号、第5,739,338号、第5,760,276号、第5,776,699号、第5,773,594号、第5,763,635号、第5,808,124号、および米国特許出願第08/840,040号、第08/845,019号に記載されており、それらは全体として本明細書に引用して組み込まれる。
【0015】
1つの好適な方法では、そのアンタゴニストはRARアンタゴニストであり、また、さらに好適には、RARαβγアンタゴニストである。しかし、特定のイソタイプおよび/またはイソ型あるいはそれらの組み合わせに対する特異的な活性を備えているアンタゴニストも、本発明の各方法において使用しうる。したがって、RARα、β、γ、または、αβ、αγ、βγなどのそれらの組み合わせに対して特異的であるアンタゴニストを使用しうる。こうした受容体イソタイプ特異的アンタゴニストは、非特異的アンタゴニストの使用と関連しているいずれかの副作用を軽減するためには好適なものでありうる。
【0016】
本明細書中で使用される「アゴニスト」は、特定のレチノイド受容体のリガンド仲介トランス作用活性(ligand-mediated transactivational activty)を刺激するであろう化合物を意味する。
【0017】
本明細書中で使用される「アンタゴニスト」は、特定のレチノイド受容体のリガンド仲介トランス作用活性を阻害または阻止するであろう化合物を意味する。
【0018】
本明細書中で使用される「逆(inverse)アゴニスト」は、特定のレチノイド受容体のトランス作用活性の基底値を減少させるであろう化合物を意味し、その基底値が、加えられるアゴニストが存在しない場合に観察されるトランス作用活性量となる。
【0019】
本明細書中で使用される「選択的」という用語は、所定のリガンドが、1つの受容体サブタイプに対して、別の受容体サブタイプに対してよりも、Kd値(解離定数)によって示すと、少なくとも約10倍大きな結合親和性を示すことを意味する。
【0020】
本明細書中で使用される「特異的」という用語は、所定のリガンドが、1つの受容体サブタイプに対して、別の受容体サブタイプに対してよりも、少なくとも約500倍大きな結合親和性を、またさらに好適には、少なくとも約1000倍大きな結合親和性を示すことを意味する。
【0021】
本明細書中で使用される「処置」(treating)という用語は、ある疾患の進行を軽減するあるいは遅くすることを意味する。これに代えてまたは加えて、この用語はある疾患を治療(remedy)する、あるいは回復させることを意味する。その疾患が腫瘍関連のものである場合は、処置という用語は、がん細胞の増殖を阻害する、および/または腫瘍の兆候を減らすことを意味する。
【0022】
「改善する」という用語は、痛みおよび炎症などの特定の疾患に関連している症状を軽減させることを意味する。
【0023】
好ましい処置法において、アンタゴニストは、式(I):
【化20】
Figure 0004808887
[式中、
Xは、S、SO、SO2、O、NR1、[C(R1)2nであり、各R1は、独立に、または共に、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、nは1または2であり;
または、Xは不存在であり;
X1およびX2は、それぞれCであり;
または、X1は不存在であり、X2は、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、Br、I、CF3、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、SH、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオであり;
但し、少なくともXが存在するか、またはX1およびX2がそれぞれCであることを条件とし;
-----は、任意に存在する結合であり;
各R2は、独立に、または共に、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、Br、I、CF3、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、SH、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオ、NH2、NR1H、N(R1)2、N(R1)COR1、NR1CON(R1)2またはOCOR1であり;
各R3は、独立に、または共に、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、BrまたはIであり;
mは、0〜3の整数であり;
oは、0〜3の整数であり;
Zは、−C≡C−、−N=N−、−N=CR1−、−CR1=N、−(CR1=CR1)n’−(n'は0〜5の整数)、−CO−NR1−、−CS−NR1−、−NR1−CO−、−NR1CS−、−COO−、−OCO−、−CSO−または−OCS−であり;
Yは、フェニルまたはナフチル基、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリルおよびピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニルおよびヘテロアリール基は1個または2個のR2基で任意に置換されているか、または
Zが−(CR1=CR1)n −であり、n'が3、4または5である場合、Yは該−(CR1=CR1)n −基とBとの間の直接原子価結合を表し;
Aは、(CH2)q(qは1〜5)、3〜6個の炭素原子を有する低級分岐鎖アルキル、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の二重結合を有するアルケニル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の三重結合を有するアルキニルであるか、または直接結合であるか、不存在であり;
Bは、水素、COOH、COOR8、CONR9R10、CH2OH、CH2OR11、CH2OCOR11、CHO、CH(OR12)2、CHOR13O、COR7、CR7(OR12)2、CR7OR13Oまたはトリ−低級アルキルシリルであり、R7は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアルケニル基であり、R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキル基が1〜10個の炭素原子を有する(トリメチルシリル)アルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはRはフェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R9およびR10は、独立に、水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはフェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R11は、低級アルキル、フェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R12は低級アルキルであり、R13は2〜5個の炭素原子を有する二価アルキル基であり;
R14は、(R15)−フェニル、(R15)r−ナフチル、またはヘテロアリール基がO、SおよびNから成る群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する(R15)r−ヘテロアリールであり、rは0〜6の整数であり、
R15は、独立に、H、F、Cl、Br、I、NO2、N(R8)2、N(R8)COR8、NR8、CON(R8)2、OH、OCOR8、OR8、CN、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の二重結合を有するアルケニル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の三重結合を有するアルキニル基、またはアルキル基が独立に1〜6個の炭素原子を有するトリアルキルシリルまたは(トリアルキルシリル)オキシ基である。]
で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩またはエステルである。
【0024】
1つの実施態様によれば、Xが存在し、X1が不存在である式(Ia):
【化21】
Figure 0004808887
の化合物を提供する。
【0025】
他の実施態様において、Xが不存在であり、X1およびX2がCである式(Ib):
【化22】
Figure 0004808887
の化合物を提供する。
【0026】
さらに、特に好ましい実施態様において、Xが存在し、X1およびX2がCである式(Ic):
【化23】
Figure 0004808887
の化合物を提供する。
【0027】
式I、Ia、IbおよびIcの好ましい実施態様において、Yはフェニルであり、R14は(R15)r−フェニルであり、好ましくは、R14とXを含んで成る複素環成分との結合は、R14基の自由回転を可能にする。他の実施態様において、−Y(R2)−A−Bは−フェニル−COOHである。
【0028】
式(I)に含まれる特定のアンタゴニスト、合成法、ならびに式(I)の化合物を定義するのに使用される用語の定義は、米国特許第5776699号に詳しく記載されている。本発明を実施するのに使用しうる化合物の他の例は式(II)〜(V)の化合物を包含する:
式(II)の化合物:
【化24】
R14−X'−Y1(R2R'3)−Z−Y(R2)−A−B (II)
[式中、
X'は、O、S、SO、SO2、N、NR3またはC(R3)2であるか、または−X'−R14は、−C(R14)H2または−C(R14)−(CH2)nH(nは1〜6)であり;
Y1は、フェニル、ナフチル、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリルおよびピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニル、ナフチルおよびヘテロアリール基は1個のR'3および1個または2個のR2基で任意に置換され;
R'3は、H、(C1〜C10)アルキル、1−アダマンチル、2−テトラヒドロピラノキシ、アルキルが1〜6個の炭素原子を有するトリアルキルシラニルおよびトリアルキルシラニルオキシ、アルキルが1〜10個の炭素原子を有するアルコキシおよびアルキルチオ、またはOCH2O(C1〜C6)アルキルであり;
Z、Y、A、B、R2、R3およびR14は、先に定義した通りである。];
好ましい実施態様は、式(IIa):
【化25】
Figure 0004808887
[式中、mは0〜2である。];
の化合物を包含し;
他の好ましい実施態様は、式(IIb):
【化26】
Figure 0004808887
[式中、好ましくは、R'3はアルキルである。];
の化合物を包含し;
別の実施態様は、式(IIc):
【化27】
Figure 0004808887
の化合物を包含する;
【0029】
式(III)の化合物:
【化28】
Figure 0004808887
[式中、R2は先に定義した通りであり、加えて、好ましくはC1〜C6アルケニルであり、XおよびR14は先に定義した通りである。];
【0030】
式(IV)の化合物:
【化29】
Figure 0004808887
[式中、Xは、S、SO、SO2、O、NR1、[C(R1)2n、−C(R1)2−NR1−、−C(R1)2−S−、−C(R1)2−O−または−C(R1)2−(R1)2−であり;R1、R2、R3、R14、Z、Y、A、B、mおよびoは、先に定義した通りである。];
好ましい実施態様は式(IVa):
【化30】
Figure 0004808887
の化合物を包含する;
【0031】
式(V)の化合物:
【化31】
Figure 0004808887
[式中、Z、Y、A、BおよびR2は、先に定義した通りである。]
【0032】
他の好ましい種類の化合物は、式(VI):
【化32】
Figure 0004808887
[式中、
X、R2、R3、m、o、Y、A、B、R14およびR15は、先に定義した通りであり;
R16は、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであり;
R17は、H、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、OHまたはOCOR11(R11は先に定義した通り)であるか、またはR17は不存在であり;
pは、0または1であり、但し、pが1であるとき、R17は不存在である。]
で示される化合物である。
【0033】
他の好ましい種類の化合物は、式(VII):
【化33】
Figure 0004808887
[式中、
X、R1、R2、m、R3およびoは、先に定義した通りであり;
sは、1〜3の整数であり;
R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキル基が1〜10個の炭素原子を有するトリメチルシリルアルキル、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基であり、またはR8はフェニルまたは低級アルキルフェニルであり;
R15は、先に定義した通りであり;
tは、0〜5の整数であり;
CONH基は、ベンゾピランの6位または7位、およびジヒドロナフタリン環の2位または3位に存在する。]
で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩である。
【0034】
他の好ましい種類の化合物は、式(VIII):
【化34】
Figure 0004808887
[式中、
Xは、好ましくはC(CH3)2またはOであり;
R2は、好ましくはHまたはBrであり;
R2 およびR2 ’’は、独立に、HまたはFであり;
R3は、好ましくは、HまたはCH3であり;
R8は、好ましくは、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルである。]
で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩である。
【0035】
さらに、好ましい種類のそのような化合物は、式(IX):
【化35】
Figure 0004808887
[式中、
X1は、好ましくはSまたはOであり;
X3は、CHまたはNであり;
R2は、好ましくは、H、F、CF3、または1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり;
R2 は、H、FまたはCF3であり;
R8は、好ましくは、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであり;
R14は、好ましくは、非置換フェニル、チエニルまたはピリジルであるか、または1〜3個のR15基で置換されたフェニル、チエニルまたはピリジルであり、R15は、好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、塩素、CF3、または1〜6個の炭素原子を有するアルコキシである。]
で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩である。
【0036】
式(IX)の化合物の好ましい実施態様は、XはSであり;R2は、H、FまたはOCH3であり;R2 は、HまたはFであり;R8は、H、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであり;R14は、フェニル、4−(低級アルキル)フェニル、5−(低級アルキル)−2−チエニル、および6−(低級アルキル)−3−ピリジルであり、該低級アルキルは1〜6個の炭素原子を有する式(IX)の化合物または医薬的に許容されるその塩である。1つの特定の実施態様において、R2はHであり;R2 はHであり;X3はCHであり;R14はエチルである。
【0037】
式(IX)の化合物の他の好ましい実施態様は、XはOであり;R2はHであり;R2 はHまたはFであり;R8は、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであり;R14は、フェニル、および低級アルキルが1〜6個の炭素原子を有する4−(低級アルキル)フェニルから成る群から選択される式(IX)の化合物または医薬的に許容されるその塩である。
【0038】
さらに他の好ましい化合物は、式(X):
【化36】
Figure 0004808887
[式中、R8は、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルである。]
で示される化合物、または医薬的に許容される該化合物の塩である。R8がHである場合、この化合物は好ましい実施態様のAGN 109である。
【0039】
さらに、本発明に有効な追加的化合物の構造を以下に示す:
A.
【化37】
Figure 0004808887
[式中、nは1〜10の整数である。]
B.
【化38】
Figure 0004808887
[式中、nは1〜10の整数である。]
C.
【化39】
Figure 0004808887
D.
【化40】
Figure 0004808887
E.
【化41】
Figure 0004808887
【0040】
上で説明したように、レチノイド受容体アンタゴニスト活性を有する化合物または薬剤のいずれも使用しうる。所定の薬剤または化合物のアンタゴニスト活性を測定する手段は当業界では既知である。例えば、本発明の化合物のアンタゴニスト/アゴニスト様活性またはいくつかのレチノイド受容体サブタイプに結合する能力をそれぞれ測定するホロ受容体トランス作用測定およびリガンド結合測定は、1993年6月24日に公開された、PCT出願公開WO93/11755(特に30〜33および37〜41ページ)に記載されている。この公開公報も、本出願に引用して組み込まれる。
【0041】
医薬的に許容される塩は、塩を形成することができる官能性、例えば、酸官能性を有する本発明のいずれかの化合物について調製することができる。医薬的に許容される塩は、親化合物の活性を維持し、かつ、それが投与される状況において、それが投与される対象に対する何らかの有害なまたは不適当な効果を与えることがない塩である。
【0042】
医薬的に許容される塩は、有機または無機塩基から誘導することができる。その塩は一価または多価イオンであり得る。特に興味深いものは、無機イオン、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムである。有機塩は、アミン、特に、モノ−、ジ−およびトリ−アルキルアミンまたはエタノールアミンなどのアンモニウム塩と形成される。塩はまた、カフェイン、トロメタミンおよび類似の分子とも形成され得る。酸付加塩を形成することができるように十分に塩基性である窒素が存在する場合は、酸付加塩は、あらゆる無機または有機酸、若しくはヨウ化メチルなどのアルキル化薬剤により形成され得る。その場合、好適な塩は、塩化水素酸、硫酸またはリン酸などの無機酸類と形成される塩である。モノ−、ジ−またはトリ−酸などの多数の単純な有機酸のいずれも使用することができる。
【0043】
本発明の化合物のいくつかは、トランスおよびシス(EおよびZ)異性体を有することがある。さらに、本発明の化合物は、1つまたはそれ以上のキラル中心を含むことがあり、したがって、エナンチオマーおよびジアステレオマー形態で存在し得る。その上、本発明のオキシムおよび関連化合物は、シンまたはアンチ異性体形でも存在しうる。本発明の範囲は、シスおよびトランス異性体の混合物、シンおよびアンチ異性体の混合物、ジアステレオマーの混合物、エナンチオマー(光学異性体)のラセミ混合物だけではなく、これら異性体自体すべてを包含するように意図されている。本明細書において、ある化合物(または不斉炭素)の構造(シス、トランス、シンまたはアンチ、若しくはRまたはS)について特定の言及がなされない場合、これら異性体の混合物または異性体の中のいずれか1種が意図されている。同様に、本出願の化学構造式の中で、原子価結合を表す直線が不斉炭素に引かれている場合には、RおよびS配置の異性体の両方が、その混合物と同様に意図されている。不斉炭素について定義されている立体化学は、式の中で(適用可能な場合は)、β−配置を示す黒三角形、またはα−配置を示す破線により示されている。
【0044】
本発明はまた、医薬的に許容される希釈剤または賦形剤とともに、1つまたはそれ以上の本発明の化合物から成る医薬組成物を提供する。このような組成物は、好ましくは、単位投与形のもの、例えば錠剤、丸薬、カプセル(持続放出性製剤または遅効性放出性製剤を含む)、粉末、顆粒、エリキシル剤、チンキ剤、シロップ剤、乳剤、無菌非経口投与溶液または懸濁液、エアゾールまたは液体スプレー、点滴剤、アンプル剤、自動注射装置または坐薬;すなわち、経口投与、非経口投与(例えば、静脈内、筋内または皮下投与)、鼻腔内、舌下または直腸投与、若しくは吸入またはガス注入による投与用のものであり、適切な方法で、Remington's Pharmaceutical Sciences,Gennaro 編、Mack Publishing、ペンシルバニア州イーストン、1990年に開示されているような容認されている実施方法により製剤化され得る。あるいは、そのような組成物は、例えば、週1回または月1回投与に適している持続放出性製剤形態のものであり得る。例えば、デカン酸塩などの活性化合物の不溶性塩が、筋内注射用デポー剤を提供するために採用されうる。本発明はまた、例えば、眼、皮膚または粘膜に投与するための適当な局所製剤を提供することを意図している。
【0045】
例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与のために、活性薬剤成分は、エタノール、医薬的に許容されるオイル、グリセロール、水などの、医薬的に許容される経口用非毒性不活性担体と組み合わせることができる。さらに、所望されるまたは必要とされる場合には、適当な結合剤、潤滑剤、崩壊剤、芳香剤、着色剤を、混合物の中に組み入れることもできる。適当な結合剤には、制限されることなく、スターチ、ゲラチン、グルコースまたはβ−ラクトースなどの天然の糖類、アカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが含まれる。このような投与形で使用される潤滑剤には、制限されることなく、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩酸ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、制限されることなく、スターチ、メチルセルロース、アガー、ベントナイト、キサンタンゴムなどが含まれる。
【0046】
錠剤などの固形組成物を調製するために、活性成分は、上述したような適当な製薬用賦形剤、その他の製薬用希釈剤、例えば、水と混合され、本発明の化合物または医薬的に許容されるその塩の均質な混合物を含む製剤化前の固形組成物に形成され得る。「均質」という用語は、組成物が、錠剤、丸薬、カプセルなどの等しく効果的である単位形に容易に小分けされ得るように、活性成分が組成物の中全体に均等に分散されることを意味する。製剤化前固形組成物は、その後に、本発明の活性成分0.1〜約50mgを含む上述のタイプの単位投与形に小分けされ得る。
【0047】
もう1つの実施態様では、本発明組成物の錠剤または丸薬は、長時間作用の利点を与える投与形を提供するために被覆、または調合され得る。例えば、錠剤または丸薬は、活性化合物を含有する内側芯と、その芯を取り囲む被膜としての外層を含むことができる。外側被膜は、胃での崩壊に対して抵抗するのに有用であって、内側芯が十二指腸の中まで損なわれずに通過していく、または放出が遅れるようにする腸溶層であり得る。腸溶層または被膜には様々な材料を使用することができ、このような材料には、多数の重合体酸、および重合体酸とセラック、セチルアルコール、酢酸セルロースなどの通常の材料との混合物を含む様々な材料が含まれる。
【0048】
本発明組成物が経口でまたは注射により投与されるように組み込まれている液体形態には、エリキシル剤および類似の製薬用キャリアーだけではなく、水溶液、適当に風味付けされたシロップ、水性または油性懸濁液、および、綿実油、ゴマ油、ココナツ油またはピーナツ油などの食用油により風味付けされた乳剤が含まれる。水性懸濁液のための適当な分散剤または懸濁剤には、トラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ゼラチン、メチルセルロース、またはポリビニルピロリドンなどの合成および天然ゴムが含まれる。使用できる他の分散剤には、グリセリンなどが含まれる。非経口投与には、無菌懸濁液および溶液が望ましい。静脈内投与が望ましい場合には、通常適当な保存剤を含有している等張製剤が用いられる。また、組成物は、接眼投与用に、眼用溶液または懸濁液製剤として、すなわち点眼液として、製剤化することができる。
【0049】
本明細書中で使用する「被験者」という用語は、動物、好適には哺乳動物、より好適には、処置、観察または実験の対象となったヒトを言う。
【0050】
本明細書中で使用する「治療上有効な量」という用語は、研究者、獣医、医師、またはその他の診療医により診療されている組織、器官、動物またはヒトにおいて生物学的または医学的応答(処置される疾患の症状の緩和を含む)を引き出す活性化合物または医薬の用量を意味する。
【0051】
有利には、本発明の化合物は、1日1回量で投与されうるものであり、または1日合計量が、1日に2回、3回または4回に分けて投与されうる。さらに、本発明の化合物は、鼻腔内形態で、適当な鼻腔内ビヒクルを局所的に使用することにより投与され得るものであり、あるいは、当業者には周知の経皮的皮膚パッチの形態を使用して投与され得るものである。経皮的デリバリーシステムの形態で投与するには、その投与は、もちろん、投与計画を通じて、断続的よりも継続的なものとし、また投与レベルについては製剤化されるときにこのことが考慮される必要がある。
【0052】
本発明の化合物を使用する投与計画は、タイプ、種、年齢、体重、性別、その患者の医学的状態を含むさまざまな因子により選択される。すなわち、処置されるべき症状の重篤度、投与経路、患者の腎臓および肝臓の機能、用いらる特定の化合物である。通常の技術を有する医師または獣医であれば、処置に当たっているその疾患または傷害の進行を防ぐ、対処するまたは止めるのに必要となるその薬剤の有効な量を容易に決定し、また処方することができる。
【0053】
レチノイド受容体アンタゴニストまたは逆アゴニストの1日投与量は、成人1日当たり0.01〜100mgの広範な範囲にわたって変えることができる。経口投与に関しては、組成物は、好適には、処置される患者に対する投与量を症状に合わせて調節するため、活性成分0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0または50.0mgを含有する錠剤の形態で供給される。単位投与量は典型的には、活性成分約0.001mg〜約50mgを含有し、好適には活性成分約1mg〜10mgを含有する。薬剤の有効な量は、1日当たり約0.0001mg/kg体重〜約25mg/kg体重という投与レベルで、通常では供給される。その範囲は活性成分1日当たり約0.001mg〜約10mg/kg体重であり、特に好適には、1日当たり約0.001mg/kg〜1mg/kg体重である。化合物は、1日に1回〜4回という投与計画で投与されうる。
【0054】
引用された参考文献はすべて全体として、本明細書に引用して組み入れられる。
【0055】
本発明を、以下の実施例においてさらに詳細に説明するが、それら実施例は特許請求されている本発明の範囲を限定することを全く意図していない。
【0056】
(実施例)
(実施例I−材料と方法)
インサイチューハイブリダイゼーション
本手順は、以前に記載された通りに実施されている(Nojiら、Acta Histochem.Cytochem.23、353−366(1990);Koyamaら、Dev.Dynam.203、152−162(1995))。手短に言うと、ニワトリ胚あるいは胚部分が、4時間あるいは一晩、4%パラホルムアルデヒドで固定され、パラフィンに包埋され、切片化された。その5μm厚さの切片は、室温で1分間、50mMトリス、5mM EDTA、pH7.5で1μg/mlのプロテイナーゼK(Sigma社、ミズーリ州セントルイス市)で、前処置され、すぐその後に4%パラホルムアルデヒド緩衝液の中で10分間固定され、またその後に10分/洗浄の間、2mg/mlグリシンを含むPBSの中で2回洗浄された。切片は、トリエタノールアミン緩衝液の中で0.25%無水酢酸の新鮮に調製された溶液で、15分間処置された。切片は50℃で16時間35S標識化アンチセンスあるいはセンスニワトリcDNAリボプローブ(およそ1×106DPM/切片)によりハイブリダイゼーションされた。ハイブリダイゼーション後、スライドが、50℃で20分間/洗浄の間、50%ホルムアミドを含む2X SSCで3回洗浄され、30分間37℃で20μg/ml RNアーゼAにより処置され、また最終的には50℃で10分間/洗浄の間、0.1X SSCで3回洗浄された。切片は、水で1:1に希釈されたKodak NTB3エマルションで塗布され、7日間暴露して、3分間20℃でKodak D19により現像された。ヘマトキシリンとエオシンで染色した後、スライドは明暗視野光学素子を使用してNikon製顕微鏡で分析された。
【0057】
使用されたニワトリcDNAプローブは以下のとおりである。すなわち、リガンド結合ドメインを包含する1.6kb RARαおよび0.9kb RARβクローン(Nojiら、Nature350、83−86(1991));完全長RARγ2から調製された0.16kb RARγサブクローン(ヌクレオチド444−607)(Michailleら、Dev.Dynam.201、334−343(1994)))、また、ドメインCの一部分をコード化した;N末端ドメインの一部をコード化する0.56kb Ihhクローン(Vortkampら、Science 273、613−633(1996));I型コラーゲンpGEM821、I型コラーゲンサブユニットα2(I)の3'末端から得た0.821kbクローン(Bennettら、J. Biol. Chem. 264、8402−8409(1989));II型コラーゲンクローンpDLr2(Leboyら、J.Biol.Chem.264:17281−17286(1989))、II型コラーゲンの3'領域から得た0.8kbクローン(Youngら、Nucl.Acids Res.12、4207−4228(1984));0.197kb X型コラーゲンクローンpDLr10(Leboyら、J. Biol. Chem. 264、17281−17286(1989));およびオステオポンチンの完全コード配列を含む1.1kbクローンpMMPP2(Mooreら、Biochemistry 30、2501−2508(1991))。
【0058】
アンタゴニスト処置
使用されているRARアンタゴニストは、AGN 109(Allergan Pharmaceuticals社、カリフォルニア州アービン市)と、Ro 41−5253(下に図示)(Hoffmann−LaRoche、スイス、バーゼル市)であった:
【化42】
Figure 0004808887
【0059】
Ro 41-5253は、全RARイソ型に対して、アンタゴニスト効果を発揮するが、しかし、RARα(IC50=60nM);RARγに対するそのIC50は3300nMである(Apfelら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89、7129−7133(1992);Keidelら、Mol. Cell. Biol. 14、287-298(1994))に対して優先的にその効果を発揮する。AGN 109はRARα、βおよびγを等しく良好に阻害し、また、RARγ(5+1nM)に対しては、Ro 41−5253に比べてほぼ500倍低いIC50を有する(Kleinら、J. Biol. Chem. 271、22692−22696(1996))。直径200−400μmのAG1−X2イオン交換ビーズは、Ro 41-5253の溶液中に1時間浸漬させるか、あるいは3.5μM〜3.5mMという範囲の濃度のAGN 109中に浸漬させた。濃度のこの範囲は、以前の研究に基づいている(例えば、Luら、Development 124、1643−1651(1997)を参照されたい)。アンタゴニスト溶液はDMSOの中で調製され、また、黄灯条件下で使用された;対照ビーズは、DMSOのみで浸漬された。ビーズはその後に、ビーズが注入時にさらに見やすいようにフェノールレッド含有生理的食塩水(HBSS)に非常に手短に浸漬させた。
【0060】
アンタゴニスト含有ビーズあるいは対照ビーズが、段階21〜22(3〜3.5日)あるいは段階27〜28(5.5日)ニワトリ胚の翅芽に注入された(HamburgerとHamilton、J. Morphol. 88、49−92(1951));反対側性翅芽は対照として役立った。卵の殻に小さな窓を開け、また、小さな切開をその翅芽の前背近位部分上に作った。1個のビーズあるいは数個のビーズがその後に、下に特定されるように、予定上腕骨の近傍に置かれ、また卵は密封されて、また、インキュベータに戻された。分析の日に、胚は断頭術により犠牲にされ、また、対照と手術を受けた羽が、Nikon SMZ−U解剖光学顕微鏡を用いる顕微鏡法で調べられ、また上腕骨の長さが微小計量的に測定された。対照上腕骨の長さが胚によって少々ばらつきがあるため、おそらく、年齢における少々の差異を反映していて、上腕骨は、それらの長さが対照値よりも少なくとも25%短くなっていた場合のみ、アンタゴニスト処置により影響を受けたと考えられた。随伴対照とアンタゴニスト処置四肢は、組織学的に処理され、また組織切片を使用してインサイチューハイブリダイゼーションが行われた。
【0061】
軟骨細胞培養
前肥厚性および初期肥厚性軟骨細胞に豊富な細胞集団が、17〜18日目ニワトリ胚胸板の頭側コア領域から分離され、一方、未成熟軟骨細胞が、尾側胸板領域から分離された(GibsonとFlint、J. Cell Biol. 101、277−284(1985);Pacificiら、Exp. Cell Res. 195、38−46(1991));Iwamotoら、Exp. Cell Res. 207、413−420(1993b)。切開された頭部側と尾側組織が、0.1%型1−Sコラーゲナーゼ含有生理的食塩水(Sigma Chemical社、ミズーリ州セントルイス市)の中で1時間37℃にてインキュベートされた;このインキュベーション後に放出された細胞は、軟骨膜細胞と血液細胞から主に構成されるので処分された。その残りの組織は、0.25%トリプシンと0.1%コラーゲナーゼの新鮮な混合物の中で、3時間それが完全に消化される温度で、インキュベートされた。その新たに分離された軟骨細胞は、12−ウェルプレートの1×106細胞/60mm皿あるいは3×106細胞/100mm皿の中に2×105細胞/ウェルという密度で置かれた。頭部側コア軟骨細胞は、単層で2〜3週間継代培養せずに継続して増殖が行われた。最初の2日間に、培養培地は、細胞剥離を最小限にするため、精巣ヒアルロニダーゼ4U/mlを受け(Leboyら、J. Biol. Chem. 264、17281−17286(1989))、また、培養培地は、2週間までに融合した。尾側未成熟軟骨細胞が、浮遊未成熟軟骨細胞が、付着汚染線維芽細胞から分離される温度で、まず5日間増殖された。浮遊細胞はトリプシン化され、また、細胞付着を増加させるために、ヒアルロニダーゼの存在下で2番目の培養培地に再戴置された。培養培地は1日置きに、10%規定牛胎児血清(Hyclone社、ユタ州ローガン市)、2mM L−グルタミンおよび50U/mlペニシリンとストレプトマイシン(Pacificiら、Exp. Cell Res. 195、38−46(1991))を含むダルベッコの変法高グルコースイーグル培地(GIBCO BRL、メリーランド州ゲティスバーグ市)を補給された。指示されたときに、培養培地は全トランスRA(Sigma社)あるいは全トランスRAおよびRo 41−5253の組み合わせにより処置された。これらレチノイドの原液が、DMSOの中で調製され、また、95%エタノールの中で使用液中に希釈された:対照皿はレチノイドが入っていないビヒクルの等量を受け取った。鉱物化を分析するために、頭部側胸板対照とレチノイド処置培養培地は、リン酸塩源として役立てるために、3mM βグリセロリン酸塩を補充された。これらさまざまな処置計画時に、培地は毎日取り替えられた。カルシウム沈着を局在化するため、その細胞層が、0.5%アリザリンレッドS溶液、pH4.0を室温にて5分間染色された。培養培地が2、4あるいは6日間処置された実験では、全培養培地(対照培養培地を含む)が同時に回収されるようにレチノイド処置が開始された。
【0062】
RNA分離と分析
ニワトリ胚軟骨から分離された全細胞RNAとグアニジンイソチオシアネート法により培養された軟骨細胞(ChomczynskiとSacchi、Anal. Biochem. 162、156−159(1987))がグリオキサール化により変性され、10あるいは30μg/レーンにて1%アガロースゲル上で電気泳動が実施され、また、キャピラリーブロッティングにより以前に述べられたようにHybond−N膜に移された(OettingerとPacifici、Exp. Cell Res. 191、292−298(1990);Iwamotoら、Exp. Cell Res. 205、213−224(1993a))。ブロットは、各試料が効率的に移動されたことを証明するために、0.04%メチレンブルーにより染色された。ブロットは、16時間、50%ホルムアミド、1.5X SSPE、500μg/mlせん断変性サケ精液DNA、100μg/ml tRNA、0.5%(w/v)乾燥ミルクおよび1%SDSを含む濃度2.5×106DPM/mlのハイブリダイゼーション溶液で、32P-標識化リボプローブにハイブリダイズされた。その使用されたcDNAプローブは、インサイチューハイブリダイゼーションに対して使用されたものと同じであった。ハイブリダイゼーション温度は、RARγおよびAPアーゼに関しては55℃であり、また、X型コラーゲンに関しては60℃であった。ハイブリダイゼーション後、ブロットは、2X SSCおよび0.5%SDSにより室温にて数回洗浄された;最終高緊縮性洗浄は、70℃で0.1X SSCおよび0.5%SDSによるものであった。ブロットは、Kodak BioMax X線フィルムに−70℃で露光された。
【0063】
レチノイド分析
胚組織における内在性レチノイド値の半定量分析は、感受性インビトロレポーター測定法を使用して実施された(Wagnerら、Development 116;55−66(1992);McCafferyら、Development 115:371−382(1992))。β-gal測定法は、E.coli lacZ遺伝子のすぐ上流に置かれているヒトRARβ遺伝子(de Theら、Nature 343、377−180(1990))のプロモーター領域からの64bpレチノイン酸反応要素(RARE)を含むレポーター構築物により安定的にトランスフェクションされたF9奇形癌細胞系統から成る。そのF9細胞系統は、安定的にトランスフェクションされた構築物にレチノイド反応性を付与する、RARα、βおよびγ(Zelentら、Nature 339、714−717(1989))を構造的に発現する。細胞は、20%牛胎児血清と0.8mg/ml G418(完全培地)を補充された変法L15 CO2組織培養培地(Specialty Media社、ニュージャージー州ラバレット市)の中にあるゲラチン塗布皿上に保持され、また80〜90%融合時に使用された。この培養条件では、そのレポーター細胞は、0.01nMという低い濃度での外来性全トランスRA処置に対して非常に感受性がある(すなわち、β-galの高い発現)ことを示した(Wagnerら、Development 116、55−66(1992))。これら細胞では、外来性9-シス-RA、RXRsとRARsとの両方に対するリガンド(Levinら、Nature 355、359−361(1992))は、全トランスRA処置に応じて、それよりも10倍低い効率での転写を刺激する(未公表の観察結果)。
【0064】
組織抽出物を調製するために、組織は、10日目のニワトリ胚から外科的に分離され、包接された。付着軟骨膜組織が、肝臓、脳、砂嚢および心臓から、注意深く取り除かれた軟骨上腕骨および頚骨の骨幹端-骨幹部部分である。分離時に、全組織は、レチノイドを保護するために、安全黄灯条件下で氷上の生理的食塩水の中に保持された。各組織あるいは器官約200mgが、その後に4℃でL15完全培地0.9ml中でPolytronにより均質化され、また、試料はその後に、完全な細胞破壊のため、ドライアイスの中で急速凍結された。試料は氷水の中で融解され、また、4℃で1時間、レチノイドを抽出するためにインキュベートされた。抽出物は、15分間4℃にて13,000gで遠心分離にかけられた。その結果生じた上清は、そのペレットから注意深く分離され、また直接、22mmマルチウェルプレート(0.4ml/ウェル)の中で増殖させたF9レポーター細胞の半融合状態の培養培地に加えられた。培養培地は24時間再びインキュベートされ、またその後に、β-ガラクトシダーゼ活性の組織化学的検出のために処理された(LimとChae、Biotechniques 7、576−579(1989))。
【0065】
β-ガラクトシダーゼ活性がレチノイド濃度と比例していたことを確かめるために、半融合状態のF9細胞培養培地の平行培養が、1M〜2μMの範囲にある全トランスRAの公知の用量で処理され(95%エタノールで100×原液)、24時間インキュベートされ、また、その後に、β-ガラクトシダーゼ活性の定量的分析のために処理された。手短に言うと、培養培地は、室温にて15分間、0.1Mリン酸塩緩衝液pH7.0の中で0.1%グルタルアルデヒドにより固定された。PBSで洗浄後、培養培地は、16時間37℃にてリン酸塩緩衝液の中で0.2%X-Galの溶液で染色された。再び洗浄した後、培養培地はDMSO 0.2mlで抽出され、その抽出された材料の吸光度がパーキン-エルマー分光光度計を使用して655nmで測定された。こうした条件下で、F9細胞は、1nM〜0.5μM全トランスRAの間のβ-ガラクトシダーゼ活性で、直線的な増加を示した。
【0066】
(実施例II−結果)
骨格形成時RAR遺伝子発現
実験の第1セットでは(実施例I、インサイチューハイブリダイゼーションを参照されたい)、RARα、βおよびγの発現パターンは、ニワトリ四肢骨格形成の異なる段階で測定された。四肢骨格要素の縦連続切片が、アンチセンスニワトリRARα、βあるいはγをコード化する35S-標識化アンチセンスリボプローブを使用してインサイチューハイブリダイゼーションのために処理された;対照として、切片がこうしたRARに対して標的化された放射線標識化センスプローブによりハイブリダイズされた。未成熟軟骨細胞のみを含み、また成長板をまだ顕示していない、段階27〜28(5.5日)のニワトリ胚上腕骨初期に新たに出現した骨格要素が調べられたとき、RARαおよびγの遺伝子発現レベルは低く、また拡散していて、新たに形成された軟骨組織内のハイブリダイゼーションシグナルのレベルは、周囲を取り囲む間葉および結合組織の中に検出できるものよりもいくらか低かったことが分かった。RARαとγの拡散していて、はっきりしないパターンとは対照的に、軟骨組織それ自体中では非常に低いけれども、RARβの遺伝子発現は、特に、初期骨幹部に沿った軟骨膜組織でははっきりしていてまた、非常に顕著なものであった。センスRARプローブによるハイブリダイゼーションは、ほとんど検出可能なシグナルをもたらさなかった。軟骨組織全体は、II型コラーゲンアンチセンスプローブによるハイブリダイゼーションにより描写された。
【0067】
四肢発達の8日目と10日目の間に、その長骨軟骨モデルは、さらに完全形態学的特性と組織を獲得する。それらモデルは、骨端と長い成長板で、骨幹端および骨幹部を占め、良好に限定されている増殖(pz)、増殖後-肥厚前(phz)および肥厚性(hz)ゾーンを備えた予定関節軟骨細胞(ac)を示した。さらに、その骨幹部では、軟骨内骨化のプロセスが開始され、また、膜内骨様襟に取り囲まれる(Fell,J.Morphol.Physiol.40、417−459(1925);Scott-SavageとHall,J.Morphol 162、453−464(1979);OsdobyとCaplan,Dev.Biol. 86、147−156(1981);Koyamaら、Dev.Dynam.203、152−162(1995))。10日目のニワトリ胚羽の連続切片でのインサイチューハイブリダイゼーションは、その軟骨組織全体にRARα遺伝子発現は、低くかつ拡散したまま残った一方で、RARβ発現はまだ、軟骨膜において強く、RARγ発現は成長板の肥厚ゾーンでは顕著にアップレギュレーションされていた。X型コラーゲンをコード化するプローブによるハイブリダイゼーションでは、肥厚性軟骨細胞のマーカー(GibsonとFlint,J.Cell Biol.101、277−284(1985))が、RARγ転写物の増加がX型コラーゲン転写物での増加をやや上回っていたが、X型コラーゲン転写物とRARγ転写物の局所解剖分布の間には同様に有意なものがあったことを確認した。他のマーカーの分析では、RARγ-とX型コラーゲン豊富軟骨細胞が、形態学的因子インディアンヘッジホッグ(Ihh)を発現する肥厚前軟骨細胞による成長板においては上回っていることが明らかにされ(Koyamaら、Dev.Dynam.207、344−354(1996a);Vortkampら、Science 273、613−622(1996))、また、その後、軟骨内骨化を蒙っている肥厚後軟骨細胞を鉱物化し、また、オステオポンチンなどの後期成熟マーカーを発現した(Iwamotoら、Exp.Cell Res.207、413−420(1993b))。オステオポンチン発現はまた、骨幹部と骨幹端を取り囲む発達骨様襟において検出可能であった。予想されていたように、II型コラーゲン遺伝子発現は軟骨組織の大半で強かったが、鉱物化および軟骨内骨化ゾーンにおいては顕著にダウンレギュレーションされ、一方、I型コラーゲンRNAは、その骨様襟、軟骨膜組織および他の周囲結合組織に限定された。同様の結果が、8.5日目(段階35)の胚(以下参照)で得られた。
【0068】
増加RARβ発現と肥厚性軟骨細胞の出現との間の関係がさらに、互いに近接している近位-遠位軸に沿って発達の異なる段階において短い骨格要素を含む10日目の四肢の指領域で分析された。実際に、発達上より古い近位趾節骨(pp)要素が、骨幹部にRARγ転写物を豊富に、また、非常にたくさんの肥厚性軟骨細胞を含んでいて、一方、発達上より若い内側趾節骨(mp)が数少ない肥厚性細胞と、低量のRARγ転写物しか含んでおらず、また、より若い遠位趾節骨(dp)に到っては何も含んでいなかったことが判明した。その近位趾節骨の骨幹部領域をさらに詳しく調べた結果、RARγ転写物が、骨幹部全体に存在したにもかかわらず、肥厚性軟骨細胞は存在しなかったことが明らかになった。これら細胞は、その中心よりも骨幹部の周辺でずっとより明確になり、また非常に数多くなっていた。
【0069】
まとめると上述のデータは、RARsが、四肢軟骨細胞成熟と骨格形成時に遺伝子発現の異なるパターンを示していることを教示している。特に、RARα発現が広範かつ分散して残っているのにもかかわらず、RARγ発現は、その軟骨細胞が完全に肥厚する前に選択的にアップレギュレーションされ、また肥厚性細胞においては高くなる。このデータはまた、第1肥厚性軟骨細胞が軟骨要素の周辺で形成されることを示している。
【0070】
レチノイドバイオアッセイ
次に、発達の後期段階で四肢に存在する軟骨骨格要素がまた、内在性レチノイドをも含んでいるかどうかが判定された(実施例I、レチノイド分析を参照されたい)。そうである場合、レチノイドは、RARsがこれらの段階に発現する際のリガンドとして役立っていた可能性がある。さらにそれらは、RAR遺伝子発現それ自体を制御する際に直接あるいは間接的役割を有していた可能性がある。1つのアプローチとして、ニワトリとマウス胚における他の発達組織と器官における内在性レチノイドレベルを推定するのに以前に使用された1つの感受性バイオアッセイが使用された(Wagnerら、Development 116、55−66(1992);McCafferyら、Development 115、371−382(1992))。このバイオアッセイは、レチノイド感受性RARE/β-ガラクトシダーゼレポーター構築物で安定的にトランスフェクションされたF9奇形癌細胞系統を利用している。
【0071】
軟骨性上腕骨全体が顕微鏡下手術で、5.5日目(段階27〜28)胚から分離され、また、8.5日目から得た上腕骨の骨幹端-骨幹部部分と10個のニワトリ胚が分離された。その軟骨組織はその後に、取り囲んでいる軟骨膜組織と、レチノイド分析のために処理された軟骨組織から注意深く分離された。比較のため、同じ5.5、8.5および10日目胚から得た、肝臓、脳、眼および皮膚とともに、軟骨膜組織自体が処理された。しかし、5.5日目胚から得た軟骨膜組織は、その胚の小さな寸法により与えられる十分な量が得られなかったため、分析からは除外された。100〜200mgの各組織あるいは器官は、新鮮な完全培養培地の中に懸濁され、均質化され、また抽出された;浄化後、その抽出物は12ウェルプレートで増殖させたレポーターF9細胞の半融合培養培地に加えられた。培養培地は24時間再インキュベートされ、またその後は、β-ガラクトシダーゼ活性の組織化学的検出のために処理された。陰性対照ウェルが、模擬抽出新鮮完全培地を受容し、陽性対照ウェルは、全トランスRAの既知量を含有する新鮮培地を受容した。
【0072】
その軟骨組織が、RARレポーター遺伝子の転写を刺激することが可能な薬剤を含み、また、調べられた発達の各段階でそれを行ったことが見出された。軟骨組織抽出物中のレチノイドの量は、これら器官に存在する大量のレチノイドを基準にして予想される肝臓、眼および皮膚におけるそれらレチノイドの量よりもずっと低かったが、脳抽出物に存在するそうしたものよりも高かった。印象的に、軟骨膜組織は極めて大量のレチノイドを示したことも判明した。陰性と陽性対照は予想可能な結果をもたらした。すなわち、ビヒクルのみを受容しているF9細胞(95%エタノール)は陰性であったが、一方、3nM全トランスRAで処置された細胞は陽性であった。
【0073】
レチノイドアンタゴニストのインビボにおける骨格発達の障害
RAR遺伝子発現が軟骨細胞成熟時に変化し、また、それを取り囲む軟骨膜組織とともにその軟骨要素が内在性レチノイドを含有することを示して、実験は、そのRARsおよびそのリガンドが、軟骨細胞成熟と骨格形成時にどんな役割を果たしている可能性があるのかを判定するために実施された(実施例I、アンタゴニスト処置を参照されたい)。この問題にアプローチするために、レチノイドアンタゴニストを含有するビーズが、段階21〜22(3〜3.5日)ニワトリ胚における予定上腕骨間葉細胞縮合部分の近傍に注入され、また、10日目までに上腕骨発達がインビボにて障害されたかどうかが測定された。3.5μM〜3.5mMの範囲にある濃度のRo 41-5253あるいはAGN 109を含有するビーズが、一方の翅芽に置かれた。すなわち、反対側性翅芽は、ビヒクルのみを含有するビーズを受容し、また対照として役立った。
【0074】
アンタゴニストは両方とも、上腕骨発達に対して著しい効果を有していた。ビーズを含有しているRo 41-5253を注入された10日目の胚の上腕骨は、ビヒクルのみで処置された対照反対側性上腕骨あるいは未処置上腕骨よりも約50%短かった。その効果は、高度に選択的であり、また、その上腕骨に解剖局所的に限定されていた。すなわち、寸法および/または形状における明らかな変化は、発達橈骨、尺骨、趾骨では観察されなかった。同様な効果が、AGN 109により発揮されたが、このアンタゴニストについては、おそらくあらゆるRARを等しく良好に拮抗するその能力の故に、上腕骨の欠陥を高頻度で得るためには、ずっと低い濃度が必要であった(表1参照)。
【0075】
【表1】
Figure 0004808887
【0076】
10日目上腕骨の縦切片の組織学的およびインサイチューハイブリダイゼーション分析は、これらアンタゴニストの効果についてのさらなる詳細を提供した。対照上腕骨では、その骨端と骨幹端が良好に発達しており、また、骨幹部には、RARγとX型コラーゲンを発現する非常に数多くの成熟肥厚性軟骨細胞が含まれており、骨と骨髄による置換が行われ、またオステオポンチンを強く発現させる中心コア領域を呈示し、またこれは、オステオポンチンを発現させる薄い膜内骨様襟により取り囲まれていた。
【0077】
極めて対照的に、アンタゴニスト処置上腕骨の骨幹部には、RARγもオステオポンチンおよびX型コラーゲンも発現させない小さな寸法の軟骨細胞のみが含まれており、完全に軟骨性であり、軟骨内骨化も骨髄の侵襲も蒙ってはいなかった。しかし興味深いことに、この骨幹部は、オステオポンチンを発現させる見掛けは正常な膜内骨襟により取り囲まれていて、また、骨幹端部分は対照でみられるIhh遺伝子発現を示した。また、アンタゴニスト処置上腕骨は多くの場合、アンタゴニストを充填したビーズに面している凹側と、その反対側に面している凸側を備えた湾曲を示したことは興味深く留意すべき点である。こうした湾曲は、ビヒクルを充填したビーズを注入された対照上腕骨では観察されなかった。アンタゴニストにより引き出された効果は、その上腕骨に限定されていたが、一方、ビーズ注入部位からは離れている骨格要素は、対照およびアンタゴニスト注入羽の尺骨において強力なX型コラーゲン遺伝子発現により例示されたように、形態学的にもまた遺伝子発現の点でも正常であった。これは、そのレチノイドアンタゴニストにより発揮される阻害効果が、ビーズ注入部位に限定され、また、一般化された全身系効果を反映したものではなかったという上記の結論を繰り返したものである。
【0078】
実験の次の設定では、発達の後期段階で開始されたアンタゴニスト処置が、上腕骨発達の阻害に、さらにつながるかどうかという問題に取り組んだ。もしつながるのならば、内在性レチノイドが、軟骨組織の中に継続して存在していることを示し、また、レチノイドが骨格発達に継続して必要であるのではないかと示唆しているバイオアッセイデータと良好に相関するであろう。この処置期間はまた、実験的操作と効果分析との間の間隔を最小にするように、短縮された。このように、単一あるいは複数のAGN 109充填ビーズが、5.5日目(段階28)ニワトリ胚の軟骨性上腕骨の片側あるいはその周囲に注入され、また、その効果が8.5日目に調べられた。上腕骨の発達は、3〜4個のビーズ(6/7)を注入されたこうした短い処置時間枠後も、阻害されたことが判明した。すなわち、単一ビーズは非常に効果的ではなかった(5/5)。正常な対照物と比べると、アンタゴニスト処置上腕骨はより短くなり、また、その細胞は肥厚段階に進むことはなく、また、RARγとX型コラーゲンをコード化する転写物がなかった。対照および処置上腕骨は共に、II型コラーゲンの非常に強い発現を示し、また、アンタゴニストは、細胞生存度と鑑別される機能とに対する望ましくない副作用を及ぼすことはなかったことが示された。
【0079】
こうした実験で、2つの付加的な興味深いデータをもたらした。第1のデータは、対照8.5日目の上腕骨において、第一のX型コラーゲン発現軟骨細胞が骨幹部の周辺に出現したというものである。このデータは、上の形態学的な観察と完全に一致しており、また、骨幹部全体で、連続切片についてインサイチューハイブリダイゼーションにより確かめられた。第2の興味深いデータは、おそらく、その上腕骨の両側にそのアンタゴニスト充填ビーズが戴置された故に、そのアンタゴニスト処置上腕骨が、形態学的にその対照のように直線的なものであり、決して湾曲を示さなかったというものである。
【0080】
アンタゴニスト処置の効果は可逆的なものであって、また、時間およびさらなる発達とともに消散するかどうか測定するため、上述のように、段階28(5.5日)でAGN 109ビーズを注入された胚は、胚形成の14日目〜18日目まで発達することが可能となり、またその後に、組織学およびインサイチューハイブリダイゼーションのために処理された。14日目までに、そのアンタゴニスト処理上腕骨は、強いX型コラーゲンであり、また低いII型コラーゲン遺伝子発現である、特徴的な遺伝子発現パターンを示すその骨幹部における肥厚性軟骨細胞を含んでいたことが判明した。さらに、骨と骨髄前駆細胞は、肥厚性軟骨を侵襲しはじめた。こうした形態学的および遺伝子発現の特徴は、通常、胚形成の9〜9.5日目辺りで上腕骨を特徴付け、また、アンタゴニスト処置上腕骨の発達が約5日間まで遅延されたが、それから正常な経過の再開であることが示される。
【0081】
培養軟骨細胞
研究の最終設定では、上述のインビボ実験で使用されたアンタゴニストが、軟骨細胞の中の天然レチノイドの生物学的効果を拮抗することができるかどうか、また、そのアンタゴニストがニワトリ胚軟骨細胞の培養に対する、外来性全トランスRAの前成熟効果を阻止するあるいは阻害することができたかどうかが判定された(実施例I、軟骨細胞培養を参照されたい)。これまでに示されているように、17〜18日目のニワトリ胚胸骨の尾側休止部分から分離された未成熟軟骨細胞の培養には、肥厚性X型コラーゲン発現細胞に発達させるために、全トランスRAによる処置を必要とする。同様に、新たに出現した、17〜18日目のニワトリ胚胸骨の頭部側部分から分離された肥厚性軟骨細胞の培養には、その成熟を完了させて、後肥厚性アルカリホスファターゼ豊富な鉱物化軟骨細胞にするために、全トランスRAによる処理が必要となる(Pacificiら、Exp. Cell Res.195、38−46(1991);Iwamotoら、Exp. Cell Res.207、413−420(1993b);Microsc. Res. Tech. 28、483−491(1994))。
【0082】
このように、未成熟尾側胸骨軟骨細胞は、約2週間、培養培地を含む標準的な血清の中で増殖された。この期間、細胞は活発に増殖し、また、大きさは適度に増大し(約2〜3倍)、細胞が成熟の前肥厚段階に進んだことを示していた(Pacificiら、Exp.Cell Res.195、38−46(1991)を参照されたい)。培地はその後に、全トランスRA、Ro 41-5253、または全トランスRAとRo 41-5253の両方で処理される、あるいは未処置のまま残されるかであった。ノーザンブロット分析では、対照未処置培養培地には、検出可能量のX型コラーゲン転写物がほとんどなかったことが示されていた。しかし、50nM全トランスRAで2、4あるいは6日間処置された培養培地は、X型コラーゲン転写物が顕著な時間-依存性増加を示した。そのような増加は、500nM Ro 41-5253との共処置により、全面的ではないが、有意に阻止された。アンタゴニスト単独での処置では、大きな効果を有しなかった。このように、Ro 41-5253は、培養された前肥厚性尾側胸骨軟骨細胞においては、初期成熟マーカーであるX型コラーゲンのアップレギュレーションを中和することができる。
【0083】
この結論は、確認され、また、胸骨の頭部側コア部分から分離されたさらに成熟した軟骨細胞の培養にも広げられた。2週齢対照未処置培養培地では、大きな細胞直径(Pacificiら、Exp.Cell Res.195、38−46(1991)を参照されたい。)と、豊富なX型コラーゲンmRNAにより特徴付けられる、予想された肥厚性細胞表現型が示された。この細胞が50nM 全トランスRAにより処置されたときに、後期成熟マーカーであるアルカリホスファターゼの遺伝子発現が、劇的に増加され、一方、X型コラーゲンの発現は、基本的には処置6日間までで除外された。これは、アルカリホスファターゼ発現はアップレギュレーションされ、またX型コラーゲン発現は、軟骨内骨化時に肥厚性軟骨細胞が終末後肥厚性鉱物化段階に進む時にインビボにてダウンレギュレーションされるという事実と、良好に相関する関係にある(Iwamotoら、Micros.Res.Tech.28:483−491(1994))。これら2つの遺伝子の全トランスRA処置に対する逆の応答が、500nM Ro 41-5253との共処置により中和された。このように、アルカリホスファターゼ遺伝子発現は極めて低い状態のままで残り、一方、X型コラーゲン遺伝子発現は、かなり強力な状態で残った。アンタゴニスト単独による処置は、大きな効果は有さなかった。同様のデータが、AGN 109より得られた。
【0084】
その軟骨細胞成熟プロセスの鉱物化段階を調べるために、胸骨の頭部側コア部分から分離された成熟性軟骨細胞が、融合性になるまで、22mmマルチウェルプレートの中で2週間増殖され、またその後に6日間、全トランスRA、全トランスRAとRo 41-5253との両方、あるいはRo 41-5253単独で処置された。培養培地はすべてβ-ガラクトシダーゼを受容し、リン酸塩供与体は、鉱物形成と沈着のために必要とされた。鉱物はアリザリンレッドによる染色によって示された。対照未処置培養培地では、検出可能な染色が示されなかった。対照的に、25あるいは50nM全トランスRAにより処置された培養培地は、豊富なアリザリンレッド染色可能な鉱物が含まれていた。Ro 41-5253の量を増加することにより、25あるいは50nM全トランスRAおよび500nM Ro 41-5253により共処置された培養培地がほとんどまったく鉱物化を示さないよう、全トランスRAの前鉱物化効果が効果的に拮抗された。Ro 41-5253単独での処置は、まったく効果を有しなかった。
【0085】
このように、外来性全トランスRAは、インビボにて、軟骨細胞成熟の異なる段階で起こるものと同一のものである、培養胸骨軟骨細胞における遺伝子発現、細胞挙動および活性の変化を誘導する。使用されたレチノイドアンタゴニストは、全トランスRAの前成熟能力を中和する。

Claims (41)

  1. レチノイド受容体アンタゴニストを有効成分として含有する、軟骨内骨化によって特徴付けられる軟骨または骨病状を処置するための医薬組成物であって、アンタゴニストは、式(I):
    Figure 0004808887
    [式中、
    Xは、S、SO、SO 2 、O、NR 1 または[C(R 1 ) 2 n であり、各R 1 は、独立に、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、nは1または2であり;
    または、Xは不存在であり;
    X 1 およびX 2 は、それぞれCであり;
    または、X 1 は不存在であり、X 2 は、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、Br、I、CF 3 、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、SH、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオであり;
    但し、少なくともXが存在するか、またはX 1 およびX 2 がそれぞれCであることを条件とし;
    -----は、任意に存在する結合であり;
    各R 2 は、独立に、または共に、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、Br、I、CF 3 、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、SH、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオ、NH 2 、NR 1 H、N(R 1 ) 2 、N(R 1 )COR 1 、NR 1 CON(R 1 ) 2 またはOCOR 1 であり;
    各R 3 は、独立に、または共に、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、BrまたはIであり;
    mは、0〜3の整数であり;
    oは、0〜3の整数であり;
    Zは、−C≡C−、−N=N−、−N=CR 1 −、−CR 1 =N、−(CR 1 =CR 1 ) n'−(n'は0〜5の整数)、−CO−NR 1 −、−CS−NR 1 −、−NR 1 −CO−、−NR 1 CS−、−COO−、−OCO−、−CSO−または−OCS−であり;
    Yは、フェニルまたはナフチル基、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリルおよびピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニルおよびヘテロアリール基は1個または2個のR 2 基で任意に置換されているか、または
    Zが−(CR 1 =CR 1 ) n −であり、n'が3、4または5である場合、Yは該−(CR 1 =CR 1 ) n −基とBとの間の直接原子価結合を表し;
    Aは、(CH 2 ) q (qは1〜5)、3〜6個の炭素原子を有する低級分岐鎖アルキル、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の二重結合を有するアルケニル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の三重結合を有するアルキニルであるか、または直接結合であるか、不存在であり;
    Bは、水素、COOH、COOR 8 、CONR 9 R 10 、CH 2 OH、CH 2 OR 11 、CH 2 OCOR 11 、CHO、CH(OR 12 ) 2 、CHOR 13 O、COR 7 、CR 7 (OR 12 ) 2 、CR 7 OR 13 Oまたはトリ−低級アルキルシリルであり、R 7 は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアルケニル基であり、R 8 は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキル基が1〜10個の炭素原子を有する(トリメチルシリル)アルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはR はフェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R 9 およびR 10 は、独立に、水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはフェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R 11 は、低級アルキル、フェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R 12 は低級アルキルであり、R 13 は2〜5個の炭素原子を有する二価アルキル基であり;
    R 14 は、(R 15 ) −フェニル、(R 15 ) r −ナフチル、またはヘテロアリール基がO、SおよびNから成る群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する(R 15 ) r −ヘテロアリールであり、rは0〜6の整数であり;
    R 15 は、独立に、H、F、Cl、Br、I、NO 2 、N(R 8 ) 2 、N(R 8 )COR 8 、NR 8 、CON(R 8 ) 2 、OH、OCOR 8 、OR 8 、CN、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の二重結合を有するアルケニル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の三重結合を有するアルキニル基、またはアルキル基が独立に1〜6個の炭素原子を有するトリアルキルシリルまたは(トリアルキルシリル)オキシ基である。]
    で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩またはエステルであり、式:
    Figure 0004808887
    で示される化合物ではない組成物
  2. 該レチノイド受容体アンタゴニストは、RAR受容体アンタゴニストである請求項1に記載の組成物
  3. 該RAR受容体アンタゴニストは、RARαβγ受容体アンタゴニストである請求項2に記載の組成物
  4. 該症状は、骨関節症である請求項1に記載の組成物
  5. Xが存在し、X1が不存在である請求項に記載の組成物
  6. Yはフェニルであり、R14は(R15)r−フェニルである請求項に記載の組成物
  7. −Y(R2)−A−Bは−フェニル−COOHである請求項に記載の組成物
  8. Xが不存在であり、X1およびX2がCである請求項に記載の組成物
  9. Yはフェニルであり、R14は(R15)r−フェニルである請求項に記載の組成物
  10. −Y(R2)−A−Bは−フェニル−COOHである請求項に記載の組成物
  11. Xが存在し、X1およびX2がCである請求項に記載の組成物
  12. Yはフェニルであり、R14は(R15)r−フェニルである請求項11に記載の組成物
  13. −Y(R2)−A−Bは−フェニル−COOHである請求項12に記載の組成物
  14. レチノイド受容体アンタゴニストを有効成分として含有する、軟骨内骨化によって特徴付けられる軟骨または骨病状を処置するための医薬組成物であって、アンタゴニストは、式(II):
    【化3】
    R14−X'−Y1(R2R'3)−Z−Y(R2)−A−B (II)
    [式中、
    R14は、(R15)−フェニル、(R15)r−ナフチル、またはヘテロアリール基がO、SおよびNから成る群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する(R15)r−ヘテロアリールであり、rは0〜6の整数であり;
    R15は、独立に、H、F、Cl、Br、I、NO2、N(R8)2、N(R8)COR8、NR8、CON(R8)2、OH、OCOR8、OR8、CN、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の二重結合を有するアルケニル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の三重結合を有するアルキニル基、またはアルキル基が独立に1〜6個の炭素原子を有するトリアルキルシリルまたは(トリアルキルシリル)オキシ基であり;
    X'は、O、S、SO、SO2、N、NR3またはC(R3)2であるか、または−X'−R14は、−C(R14)H2または−C(R14)−(CH2)nH(nは1〜6)であり;
    Y1は、フェニル、ナフチル、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリルおよびピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニル、ナフチルおよびヘテロアリール基は1個のR'3および1個または2個のR2基で任意に置換され;
    R2は、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、Br、I、CF3、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、SH、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオ、NH2、NR1H、N(R1)2、N(R1)COR1、NR1CON(R1)2またはOCOR1であり;
    R'3は、H、(C1〜C10)アルキル、1−アダマンチル、2−テトラヒドロピラノキシ、アルキルが1〜6個の炭素原子を有するトリアルキルシラニルおよびトリアルキルシラニルオキシ、アルキルが1〜10個の炭素原子を有するアルコキシおよびアルキルチオ、またはOCH2O(C1〜C6)アルキルであり;
    Zは、−C≡C−、−N=N−、−N=CR1−、−CR1=N、−(CR1=CR1) n'−(n'は0〜5の整数)、−CO−NR1−、−CS−NR1−、−NR1−CO−、−NR1CS−、−COO−、−OCO−、−CSO−または−OCS−であり、R1は、Hまたは1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、nは1または2であり;
    Yは、フェニルまたはナフチル基、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリルおよびピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニルおよびヘテロアリール基は1個または2個のR2基で任意に置換されているか、または
    Zが−(CR1=CR1)n’−であり、n'が3、4または5である場合、Yは該−(CR1=CR1)n’−基とBとの間の直接原子価結合を表し;
    Aは、(CH2)q(qは1〜5)、3〜6個の炭素原子を有する低級分岐鎖アルキル、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の二重結合を有するアルケニル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の三重結合を有するアルキニルであるか、または直接結合であるか、不存在であり;
    Bは、水素、COOH、COOR8、CONR9R10、CH2OH、CH2OR11、CH2OCOR11、CHO、CH(OR12)2、CHOR13O、COR7、CR7(OR12)2、CR7OR13Oまたはトリ−低級アルキルシリルであり、R7は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアルケニル基であり、R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキル基が1〜10個の炭素原子を有する(トリメチルシリル)アルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはRはフェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R9およびR10は、独立に、水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはフェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R11は、低級アルキル、フェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R12は低級アルキルであり、R13は2〜5個の炭素原子を有する二価アルキル基である。]
    で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩またはエステルである組成物
  15. アンタゴニストは、式(IIa):
    Figure 0004808887
    [式中、mは0〜2である。]
    の化合物である請求項14に記載の組成物
  16. アンタゴニストは、式(IIb):
    Figure 0004808887
    [式中、R'3はアルキルである。];
    の化合物である請求項14に記載の組成物
  17. アンタゴニストは、式(IIc):
    Figure 0004808887
    の化合物である請求項14に記載の組成物
  18. レチノイド受容体アンタゴニストを有効成分として含有する、軟骨内骨化によって特徴付けられる軟骨または骨病状を処置するための医薬組成物であって、アンタゴニストは、式(III):
    Figure 0004808887
    [式中、
    Xは、S、SO、SO2、O、NR1または[C(R1)2nであり、各R1は、独立に、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、nは1または2であり;
    R2は、C1−C6アルケニルであり;
    R14は、(R15)−フェニル、(R15)r−ナフチル、またはヘテロアリール基がO、SおよびNから成る群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する(R15)r−ヘテロアリールであり、rは0〜6の整数であり、
    R15は、独立に、H、F、Cl、Br、I、NO2、N(R8)2、N(R8)COR8、NR8、CON(R8)2、OH、OCOR8、OR8、CN、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の二重結合を有するアルケニル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の三重結合を有するアルキニル基、またはアルキル基が独立に1〜6個の炭素原子を有するトリアルキルシリルまたは(トリアルキルシリル)オキシ基であり、R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキル基が1〜10個の炭素原子を有する(トリメチルシリル)アルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはRはフェニルまたは低級アルキルフェニルである。]
    で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩またはエステルである組成物
  19. レチノイド受容体アンタゴニストを有効成分として含有する、軟骨内骨化によって特徴付けられる軟骨または骨病状を処置するための医薬組成物であって、アンタゴニストは、式(IV):
    Figure 0004808887
    [式中、Xは、S、SO、SO2、O、NR1、[C(R1)2n、−C(R1)2−NR1−、−C(R1)2−S−、−C(R1)2−O−または−C(R1)2−(R1)2−であり、各R1は、独立して、または共に、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、nは1または2であり:
    各R2は、独立に、または共に、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、Br、I、CF3、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、SH、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオ、NH2、NR1H、N(R1)2、N(R1)COR1、NR1CON(R1)2またはOCOR1であり;
    R3は、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、BrまたはIであり;
    mは、0〜3の整数であり;
    oは、0〜3の整数であり;
    Zは、−C≡C−、−N=N−、−N=CR1−、−CR1=N、−(CR1=CR1)n'−(n'は0〜5の整数)、−CO−NR1−、−CS−NR1−、−NR1−CO−、−NR1CS−、−COO−、−OCO−、−CSO−または−OCS−であり;
    Yは、フェニルまたはナフチル基、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリルおよびピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニルおよびヘテロアリール基は1個または2個のR2基で任意に置換されているか、または
    Zが−(CR1=CR1)n’−であり、n'が3、4または5である場合、Yは該−(CR1=CR1)n’−基とBとの間の直接原子価結合を表し;
    Aは、(CH2)q(qは1〜5)、3〜6個の炭素原子を有する低級分岐鎖アルキル、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の二重結合を有するアルケニル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の三重結合を有するアルキニルであるか、または直接結合であるか、不存在であり;
    Bは、水素、COOH、COOR8、CONR9R10、CH2OH、CH2OR11、CH2OCOR11、CHO、CH(OR12)2、CHOR13O、COR7、CR7(OR12)2、CR7OR13Oまたはトリ−低級アルキルシリルであり、R7は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアルケニル基であり、R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキル基が1〜10個の炭素原子を有する(トリメチルシリル)アルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはRはフェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R9およびR10は、独立に、水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはフェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R11は、低級アルキル、フェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R12は低級アルキルであり、R13は2〜5個の炭素原子を有する二価アルキル基であり;
    R14は、(R15)−フェニル、(R15)r−ナフチル、またはヘテロアリール基がO、SおよびNから成る群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する(R15)r−ヘテロアリールであり、rは0〜6の整数であり;
    R15は、独立に、H、F、Cl、Br、I、NO2、N(R8)2、N(R8)COR8、NR8、CON(R8)2、OH、OCOR8、OR8、CN、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の二重結合を有するアルケニル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の三重結合を有するアルキニル基、またはアルキル基が独立に1〜6個の炭素原子を有するトリアルキルシリルまたは(トリアルキルシリル)オキシ基である。]
    で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩またはエステルである組成物
  20. レチノイド受容体アンタゴニストを有効成分として含有する、軟骨内骨化によって特徴付けられる軟骨または骨病状を処置するための医薬組成物であって、アンタゴニストは、式(V):
    Figure 0004808887
    [式中、
    Zは、−C≡C−、−N=N−、−N=CR1−、−CR1=N、−(CR1=CR1)n’−(n'は0〜5の整数)、−CO−NR1−、−CS−NR1−、−NR1−CO−、−NR1CS−、−COO−、−OCO−、−CSO−または−OCS−であり、各R1は、独立に、または共に、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、nは1または2であり;
    Yは、フェニルまたはナフチル基、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリルおよびピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニルおよびヘテロアリール基は1個または2個のR2基で任意に置換されているか、または
    Zが−(CR1=CR1)n’−であり、n'が3、4または5である場合、Yは該−(CR1=CR1)n’−基とBとの間の直接原子価結合を表し;
    Aは、(CH2)q(qは1〜5)、3〜6個の炭素原子を有する低級分岐鎖アルキル、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の二重結合を有するアルケニル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の三重結合を有するアルキニルであるか、または直接結合であるか、不存在であり;
    Bは、水素、COOH、COOR8、CONR9R10、CH2OH、CH2OR11、CH2OCOR11、CHO、CH(OR12)2、CHOR13O、COR7、CR7(OR12)2、CR7OR13Oまたはトリ−低級アルキルシリルであり、R7は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアルケニル基であり、R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキル基が1〜10個の炭素原子を有する(トリメチルシリル)アルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはRはフェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R9およびR10は、独立に、水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはフェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R11は、低級アルキル、フェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R12は低級アルキルであり、R13は2〜5個の炭素原子を有する二価アルキル基であり;
    R2は、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、Br、I、CF3、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、SH、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオ、NH2、NR1H、N(R1)2、N(R1)COR1、NR1CON(R1)2またはOCOR1である。]
    で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩またはエステルである組成物
  21. RARアンタゴニストを有効成分として含有する、軟骨内骨化によって特徴付けられる軟骨または骨病状を処置するための医薬組成物であって、該RARアンタゴニストは、式(VI):
    Figure 0004808887
    [式中、
    Xは、S、SO、SO2、O、NR'であり、R'はH、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであるか、またはXは、[C(R1)2nであり、R1は、独立に、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、nは1または2であり;
    R2は、独立に、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、Br、I、CF3、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、SH、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオであり;
    R3は、独立に、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルまたはFであり;
    mは、0〜3の整数であり;
    oは、0〜3の整数であり;
    Yは、フェニルまたはナフチル基、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリルおよびピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニルおよびヘテロアリール基は1個または2個のR2基で任意に置換されており;
    Aは、(CH2)q(qは1〜5)、3〜6個の炭素原子を有する低級分岐鎖アルキル、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の二重結合を有するアルケニル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の三重結合を有するアルキニルであるか、または直接結合であるか、不存在であり;
    Bは、水素、COOHまたは医薬的に許容されるその塩、COOR8、CONR9R10、CH2OH、CH2OR11、CH2OCOR11、CHO、CH(OR12)2、CHOR13O、COR7、CR7(OR12)2、CR7OR13Oまたはトリ−低級アルキルシリルであり、R7は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアルケニル基であり、R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキル基が1〜10個の炭素原子を有する(トリメチルシリル)アルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはRはフェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R9およびR10は、独立に、水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはフェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R11は、低級アルキル、フェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R12は低級アルキルであり、R13は2〜5個の炭素原子を有する二価アルキル基であり;
    R14は、(R15)−フェニル、(R15)r−ナフチル、またはヘテロアリール基がO、SおよびNから成る群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する(R15)r−ヘテロアリールであり、rは0〜5の整数であり;
    R15は、独立に、H、F、Cl、Br、I、NO2、N(R8)2、N(R8)COR8、NR8、CON(R8)2、OH、OCOR8、OR8、CN、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の二重結合を有するアルケニル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の三重結合を有するアルキニル基、またはアルキル基が独立に1〜6個の炭素原子を有するトリアルキルシリルまたは(トリアルキルシリル)オキシ基であり;
    R16は、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであり;
    R17は、H、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、OHまたはOCOR11であり;
    pは、0または1であり、但し、pが1であるとき、R17は不存在であり;
    mは、0〜2の整数である。]
    で示される化合物である組成物
  22. RARアンタゴニストを有効成分として含有する、軟骨内骨化によって特徴付けられる軟骨または骨病状を処置するための医薬組成物であって、該RARアンタゴニストは、式(VII):
    Figure 0004808887
    [式中、
    Xは、C(R1)またはOであり;
    R1は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり;
    R2は、独立に、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、Br、I、CF3、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、SH、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオであり;
    mは、0〜3の整数であり;
    R3は、独立に、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基またはFであり;
    oは、0〜3の整数であり;
    sは、1〜3の整数であり;
    R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキル基が1〜10個の炭素原子を有するトリメチルシリルアルキル、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基であり、またはR8はフェニルまたは低級アルキルフェニルであり;
    R15は、独立に、H、F、Cl、Br、I、NO2、N(R8)2、COR8、N(R8)COR8、OCOR8、OR8、CN、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の二重結合を有するアルケニル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の三重結合を有するアルキニル基、またはアルキル基が独立に1〜6個の炭素原子を有するトリアルキルシリルまたは(トリアルキルシリル)オキシ基であり;
    tは、0〜5の整数であり;
    CONH基は、ベンゾピランの6位または7位、およびジヒドロナフタリン環の2位または3位に存在する。]
    で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩である組成物
  23. RARアンタゴニストを有効成分として含有する、軟骨内骨化によって特徴付けられる軟骨または骨病状を処置するための医薬組成物であって、該RARアンタゴニストは、式(VIII):
    Figure 0004808887
    [式中、
    Xは、C(CH3)2またはOであり;
    R2は、HまたはBrであり;
    R2’およびR2’’は、独立に、HまたはFであり;
    R3は、HまたはCH3であり;
    R8は、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルである。]
    で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩である組成物
  24. RARアンタゴニストを有効成分として含有する、軟骨内骨化によって特徴付けられる軟骨または骨病状を処置するための医薬組成物であって、該RARアンタゴニストは、式(IX):
    Figure 0004808887
    [式中、
    X1は、SまたはOであり;
    X3は、CHまたはNであり;
    R2は、H、F、CF3、または1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり;
    R2 は、H、FまたはCF3であり;
    R8は、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであり;
    R14は、非置換フェニル、チエニルまたはピリジルであるか、または1〜3個のR15基で置換されたフェニル、チエニルまたはピリジルであり、R15は、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、塩素、CF3、または1〜6個の炭素原子を有するアルコキシである。]
    で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩である組成物
  25. XはSであり;R2は、H、FまたはOCH3であり;R2 は、HまたはFであり; R14は、フェニル、4−(低級アルキル)フェニル、5−(低級アルキル)−2−チエニルまたは6−(低級アルキル)−3−ピリジルであり、該低級アルキルは1〜6個の炭素原子を有する化合物または医薬的に許容されるその塩である請求項24に記載の組成物
  26. XはOであり;X3はCHであり;R2はHであり;R2 はHまたはFであり; R14は、フェニルまたは4−(低級アルキル)フェニルであり、該低級アルキルは1〜6個の炭素原子を有する化合物または医薬的に許容されるその塩である請求項24に記載の組成物
  27. X3はCHであり;R2はHであり;R2 はHであり; R14はエチルである化合物または医薬的に許容されるその塩である請求項25に記載の組成物
  28. RARアンタゴニストを有効成分として含有する、軟骨内骨化によって特徴付けられる軟骨または骨病状を処置するための医薬組成物であって、該RARアンタゴニストは、式(X):
    Figure 0004808887
    [式中、R8、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルである。]
    で示される化合物、または医薬的に許容される該化合物の塩である組成物
  29. RARアンタゴニストを有効成分として含有する、軟骨内骨化によって特徴付けられる軟骨または骨病状を処置するための医薬組成物であって、該RARアンタゴニストは、式:
    Figure 0004808887
    [式中、nは1〜10の整数である。]
    の化合物、または医薬的に許容される該化合物の塩である組成物
  30. RARアンタゴニストを有効成分として含有する、軟骨内骨化によって特徴付けられる軟骨または骨病状を処置するための医薬組成物であって、該RARアンタゴニストは、式:
    Figure 0004808887
    [式中、nは1〜10の整数である。]
    の化合物、または医薬的に許容される該化合物の塩である組成物
  31. RARアンタゴニストを有効成分として含有する、軟骨内骨化によって特徴付けられる軟骨または骨病状を処置するための医薬組成物であって、該RARアンタゴニストは、式:
    Figure 0004808887
    の化合物、または医薬的に許容される該化合物の塩である組成物
  32. RARアンタゴニストを有効成分として含有する、軟骨内骨化によって特徴付けられる軟骨または骨病状を処置するための医薬組成物であって、該RARアンタゴニストは、式:
    Figure 0004808887
    の化合物である組成物
  33. RARアンタゴニストを有効成分として含有する、軟骨内骨化によって特徴付けられる軟骨または骨病状を処置するための医薬組成物であって、該RARアンタゴニストは、式:
    Figure 0004808887
    の化合物、または医薬的に許容される該化合物の塩である組成物
  34. RARγ受容体を拮抗作用させる請求項1〜33のいずれかに記載の組成物
  35. 関節炎を処置するための請求項34に記載の組成物
  36. 状を改善させる請求項1〜35のいずれかに記載の組成物
  37. レチノイド受容体アンタゴニストは、RAR受容体アンタゴニストである請求項36に記載の組成物
  38. 該RAR受容体アンタゴニストは、RARαβγ受容体アンタゴニストである請求項37に記載の組成物
  39. 該症状は、骨関節炎である請求項36に記載の組成物
  40. 理学的に許容できるキャリアーまたは賦形剤を有効成分と共に含有する請求項1〜39のいずれかに記載の組成物
  41. 関節炎を処置するための請求項40に記載の組成物
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