JP2003519103A - 軟骨と骨の病状の処置におけるレチノイド受容体アンタゴニストの使用 - Google Patents

軟骨と骨の病状の処置におけるレチノイド受容体アンタゴニストの使用

Info

Publication number
JP2003519103A
JP2003519103A JP2001544671A JP2001544671A JP2003519103A JP 2003519103 A JP2003519103 A JP 2003519103A JP 2001544671 A JP2001544671 A JP 2001544671A JP 2001544671 A JP2001544671 A JP 2001544671A JP 2003519103 A JP2003519103 A JP 2003519103A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon atoms
group
alkyl
phenyl
independently
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001544671A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4808887B2 (ja
Inventor
マウリツィオ・パチフィチ
ロシャンタ・エイ・チャンドララトナ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Allergan Inc
Original Assignee
Allergan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Allergan Inc filed Critical Allergan Inc
Publication of JP2003519103A publication Critical patent/JP2003519103A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4808887B2 publication Critical patent/JP4808887B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/16Amides, e.g. hydroxamic acids
    • A61K31/165Amides, e.g. hydroxamic acids having aromatic rings, e.g. colchicine, atenolol, progabide
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/045Hydroxy compounds, e.g. alcohols; Salts thereof, e.g. alcoholates
    • A61K31/07Retinol compounds, e.g. vitamin A
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/185Acids; Anhydrides, halides or salts thereof, e.g. sulfur acids, imidic, hydrazonic or hydroximic acids
    • A61K31/19Carboxylic acids, e.g. valproic acid
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/335Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin
    • A61K31/35Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin having six-membered rings with one oxygen as the only ring hetero atom
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/38Heterocyclic compounds having sulfur as a ring hetero atom
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/02Drugs for skeletal disorders for joint disorders, e.g. arthritis, arthrosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/04Drugs for skeletal disorders for non-specific disorders of the connective tissue

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、レチノイド受容体アンタゴニストの使用から成る、骨関節炎のような骨成長関連疾患を含む、軟骨および骨の病状を処置する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 関節軟骨は四肢、体幹、頸部の関節に存在する特有な組織である。この組織は
関節軟骨細胞と、プロテオグリカン凝集体、ヒアルロン酸、リンクタンパク質、
II型コラーゲン筋原線維を含む、いくつかのよく特徴付けられている生体高分
子を含有する豊富な細胞外マトリックスから構成される。軟骨細胞はそのマトリ
ックス構成要素の合成、蓄積、維持を司っている。プロテオグリカン凝集体は、
大量の水分子及びイオンと結合し、また、組織に生体弾性を与える大きな高次構
造である。コラーゲン筋原線維は、引っ張り及びせん断力に耐えることができ、
また組織に引張り強度を与える3次元ネットワークを形成する。プロテオグリカ
ン凝集体とコラーゲン筋原線維は一緒になって、関節軟骨の基本的なバイオメカ
ニカル特性である弾力性を司っている。この特性により、運動時にその関節上に
作用する物理的力から結果的に生じる形状および容積における可逆的な変化をそ
の組織に起こさせることが可能となり、このようにして関節の正常な機能を可能
にする。正常で健康な環境下では、関節軟骨細胞は活性のまま維持され、また表
現型という点からみても生涯安定したまま維持される。すなわち、このことは、
関節軟骨がこの構造的および組織特性を維持することを可能にし、また、生涯を
通じて、関節におけるそのバイオメカニカルな役割を果すことを可能にする。
【0002】 軟骨内骨化とは、胚および成長生物体組織に存在する軟骨性骨格要素が固有の
骨要素に取り替えられるプロセスである。このプロセスは胚形成の第2半期には
じまり、また、骨格成長が停止する思春期に終了する。軟骨内骨化は、軟骨細胞
成熟のいくつかのはっきりと区別される段階を含む高度に調節されている多段階
のプロセスであり、四肢おける長骨成長板においてもっともよく見られる。軟骨
内骨化時には、休止未成熟軟骨細胞がまず急速な細胞増殖期にさらされる。その
細胞はその後に、細胞周期から出て、活発なマトリックス産生期に入る。この段
階で合成されたマトリックス構成要素は、プロテオグリカン(アグリカン)、I
I型コラーゲン、リンクタンパク質、及びヒアルロナンを含む典型的な軟骨マト
リックス生体高分子である。分裂後マトリックス合成細胞はその後に、サイズが
大きくなり始め、また、形状が平坦なものから長円形に変わる。この段階は、前
肥厚性段階と呼ばれ、また、シグナリング因子であるインディアンヘッジホッグ
を含む新たなタンパク質の合成により特徴付けられる。この細胞は継続して大き
くなり、また、その最終的な成熟段階である肥厚性段階に進む。肥厚性軟骨細胞
の生合成レパートリーが劇的に変化し、また、その細胞は、メタロプロテアーゼ
、X型コラーゲン、アルカリホスファターゼ、及びアネキシンV−豊富マトリッ
クス小胞を含むさまざまな新たなタンパク質の産生を開始する。それら細胞が生
合成においてこうした変化を受けると、肥厚性軟骨細胞もまた、骨特性I型およ
びIIIコラーゲンの合成を始め、マトリックスの中にアパタイト結晶を蓄積し
、したがって、肥厚性軟骨を骨様組織に形質転換させる。最終的には、それら細
胞はアポトーシスにさらされる。結果として、その組織は、その後に進んでその
肥厚性組織を除去し、またそれを固有の骨組織に替える。骨および骨髄前駆体細
胞により侵襲に対して受入れやすくなる。
【0003】 非常に多くの研究が、軟骨内骨化を制御するメカニズムを同定し、また特徴付
けるために、過去数年の間に実施されてきた。こうしたメカニズムへの関心は、
軟骨内骨化における欠陥が関連していて、またおそらくは骨格形成の先天性およ
び後天性の病態を引き起こすという事実を反映している(Jacenkoら、J. Rheuma
tol.22:39−41,(1995))。興味深いことに、いくつかの分子が、軟骨内骨
化においては否定的な役割を有すること、また、軟骨細胞が未成熟からその肥厚
性段階まで進歩するその速度を制限することが示されている。これら分子には、
線維芽細胞増殖因子−2(FGF−2)、線維芽細胞増殖因子受容体−3(FGF−R3)
、副甲状腺関連タンパク質(PTH−rP)、インディアンヘッジホッグ(IHH)が含
まれる(Coffinら、Mol.Biol.Cell,6:1861−1873(1995);Colvinら、Natu
re Genet.,12:390−397(1996);Vortkampら、Science,273:613−622(1
996))。しかし、その否定的な因子を阻止する非常に重要な役割を有すると思
われ、またその内骨化プロセスが進んでその終了に達することを可能にすると思
われる肯定的な因子が今日までほとんども同定されていない。
【0004】 骨成長に関連している病状には、骨関節炎が含まれる。骨関節炎は関節組織の
進行性喪失を引き起こす関節の変性疾患の1つである。現在まったく治癒または
効果的な治療が存在しない疾患であり、60歳を超える人口の10%以上が罹患
している。骨関節炎はおそらく、関節の生涯にわたる使用によって引き起こる機
械的な傷害となるものを含む数多くの因子により発症する。一旦関節軟骨が損傷
を受けると、その疾患は進行し、また、数え切れないほどの変化が細胞とマトリ
ックスで起こる。この疾患によりもっとも影響を受ける部位では、その関節軟骨
細胞は増殖を再び始め、また、異常な表現型形質を獲得し始める。これらには、
I型およびIII型コラーゲンの合成、細胞肥厚、X型コラーゲン合成、アルカ
リホスファターゼ活性、増大タンパク質加水分解活性、そして、マトリックス鉱
物化が含まれる(Hamerman,New Engl.J.Med.320:1322−1330(1989);Ne
rlichら、Vichows Archiv.B.Cell Pathol.63:249−255(1993);von der M
ark,K.ら、Acta Orthop.Scand.266:125−129(1995))。同時に、メタロ
プロテアーゼおよび他の分解酵素によるマトリックス分解の増加のため、プロテ
オグリカンの合成が増加する一方で、正味プロテオグリカン含量は減少する。関
節軟骨細胞は、細胞内退化とアポトーシスの兆候を示す可能性があるという報告
もある。一旦関節細胞が消失し、そのマトリックスが退化すると、その組織は非
機能性瘢痕組織または骨組織に替る。
【0005】 このように、骨関節炎などの骨成長関連疾患を含む軟骨と骨病状治療のための
効果的な諸療法に対する需要が存在している。
【0006】 (発明の開示) 本発明は、レチノイド受容体アンタゴニストの治療上有効な用量を投与するこ
とから成る軟骨または骨病状を処置する方法を提供する。1つの好適な実施態様
によると、レチノイド受容体アンタゴニストは、RAR受容体アンタゴニストであ
り、また好適にはRARαβγ受容体アンタゴニストである。
【0007】 本発明はさらに、その病状に関連してRARγ受容体を拮抗作用させることから
成る軟骨または骨病状を処置する方法を提供する。
【0008】 さらに1つの実施態様では、本発明は、レチノイド受容体アンタゴニストの治
療上有効な用量を投与することから成る軟骨および骨病状に関連している症状を
改善させる方法を提供する。
【0009】 本発明はさらに、レチノイド受容体アンタゴニストと薬理学的に許容できるキ
ャリアーまたは賦形剤から成る薬理学的組成の治療上有効な用量を投与すること
から成る軟骨または骨の病状を処置する方法を提供する。
【0010】 本発明は、レチノイド受容体アンタゴニストの使用から成る、骨成長関連疾患
を含む、軟骨および骨病状を処置する方法を提供する。骨成長関連疾患には、骨
関節炎、多発性軟骨性外骨腫、並びに類骨骨腫、類骨肉腫および骨腫を含む骨芽
細胞腫、変形性骨炎などのそうした関連する病理学的骨形成が含まれる(全般に
ついては、Robbinsら、Pathological Basis of Disease,W.B.Saunders(1979
)を参照されたい)。分子レベルでは、レチノイドは、ステロイド/甲状腺製剤
/ビタミンD3核受容体の超科に属する、核受容体の2つの科である、レチノイン
酸受容体(RARs)とレチノイドX受容体(RXRs)により、その生物学的効果を発
揮する。
【0011】 RARsとRXRsは、少なくとも2つの異なる方法で遺伝子発現を制御するリガンド
依存性転写因子である。すなわち、(a)RARsとRXRsはそれらのプロモーターに
存在しているRA反応性要素(RAREs)に結合することにより、遺伝子の発現をア
ップレギュレートする方法、(b)RARsとRXRsはAP1などの他の転写因子のエンハ
ンサー作用を拮抗させることにより遺伝子の発現をダウンレギュレートする方法
、である。RARs(α、β、γ)とRXRs(α、β、γ)の異なるイソタイプは、6
つの別個の遺伝子によりコード化される。各RARイソタイプはさらに、代替的な
スプライシングにより、および/または2つ以上のプロモーターを区別して使用
することにより生成される、N末端A領域が異なるいくつかのイソ型タンパク質と
して、発現させる。RARαは2つの主なイソ型(α1とα2)として発現させる。RA
Rβは4つのイソ型(β1、β2、β3、β4)として、またRARγは2つの主なイソ型
(γ1とγ2)として発現させる。RARsはRAR-RXRへテロダイマーとして専らイン
ビボで機能すると考えられる。
【0012】 発達期の四肢にある長骨モデルに存在する肥厚性軟骨細胞は、高レベルでRAR
、すなわちRARγを発現し、また、内因性レチノイドを含んでいることが分かっ
た。実施例に詳細に説明されているように、RARγおよび内因性レチノイドの役
割を決定するためには、レチノイドアンタゴニストAGN109を充填されたビーズが
、ニワトリ胚発生初期段階の発達長骨モデルの近傍に置かれた。その胚はその後
に、RARγアンタゴニストの存在下に再びインキュベートされ、また、アンタゴ
ニスト処置の効果がさまざまな経過時間で測定された。軟骨細胞の成熟と長骨発
達がアンタゴニスト処置により中断されることが分かった。対照四肢では、その
長骨モデルには、その中央部分(骨幹部と呼ばれる)には、X型コラーゲン、ア
ルカリホスファターゼを合成した肥厚性軟骨細胞が含まれていて、そのマトリッ
クスを鉱物化していた。さらに、肥厚性軟骨は骨と骨髄前駆体細胞と活性骨沈着
による侵襲を受けていた。際立って対照的に、レチノイドアンタゴニスト処置さ
れた長骨は全く軟骨性のものであり、また、肥厚性軟骨細胞、X型コラーゲンま
たはアルカリホスファターゼは含んではいない。さらに、カルシウム沈着と骨形
成はテスト群では観察されなかった。したがって、レチノイドは軟骨内骨化の肯
定的な制御因子であり、また、軟骨細胞成熟と軟骨内骨化を阻止するレチノイド
アンタゴニストによる処置により、正常なレチノイドシグナリングを干渉するよ
うにみえる(Koyamaら、Develop.Biol.208(2):375−391(1999)も参照さ
れたい)。
【0013】 したがって、本発明は、骨関節炎、またはカルシウム沈着につながる関節軟骨
の他の病態罹患時に関節軟骨細胞により成長板様形質の獲得を中断または逆転を
もさせるための諸方法を提供する。関節軟骨細胞は骨格関節に位置しているそう
した軟骨細胞である。したがって、適当なレチノイド受容体アンタゴニストは、
その疾患プロセス進行時にそのすべてが関節軟骨細胞で起こる(a)細胞の肥厚
、(b)メタロプロテアーゼの発現及びアルカリホスファターゼ活性、(c)鉱物
沈着およびアポトーシスでさえも防ぎ、(d)コラーゲンの諸タイプにおける切
換えを防ぐべきものである。こうした表現型変化を防ぐあるいはスローダウンす
ることにより、そのアンタゴニストは関節軟骨細胞によるそのマトリックス及び
組織のさらに効果的な修復を実行させるべきであり、また、その変性プロセスの
停止させることも可能となる。本発明の諸方法は、関節軟骨をもたらすことに関
連しているわけではないが、骨格系のいかなる箇所にも軟骨細胞をもたらすのに
使用することが可能であり、また、骨格発達または骨成長関連病状のいずれかの
病期に関連している可能性がある。
【0014】 当業者には現在公知のあらゆるレチノイド受容体アンタゴニストまたはその後
に開発されたレチノイド受容体アンタゴニストは、特許請求されている方法を実
施する際に使用しうる。例示的な受容体アンタゴニストの合成が、例えば米国特
許第5,877,207号、第5,514,825号、第5,648,514号、第5,728,846号、第5,739,33
8号、第5,760,276号、第5,776,699号、第5,773,594号、第5,763,635号、第5,808
,124号、および米国特許出願第08/840,040号、第08/845,019号に記載されてお
り、それらは全体として本明細書に引用して組み込まれる。
【0015】 1つの好適な方法では、そのアンタゴニストはRARアンタゴニストであり、ま
た、さらに好適には、RARαβγアンタゴニストである。しかし、特定のイソタ
イプおよび/またはイソ型あるいはそれらの組み合わせに対する特異的な活性を
備えているアンタゴニストも、本発明の各方法において使用しうる。したがって
、RARα、β、γ、または、αβ、αγ、βγなどのそれらの組み合わせに対し
て特異的であるアンタゴニストを使用しうる。こうした受容体イソタイプ特異的
アンタゴニストは、非特異的アンタゴニストの使用と関連しているいずれかの副
作用を軽減するためには好適なものでありうる。
【0016】 本明細書中で使用される「アゴニスト」は、特定のレチノイド受容体のリガン
ド仲介トランス作用活性(ligand-mediated transactivational activty)を刺
激するであろう化合物を意味する。
【0017】 本明細書中で使用される「アンタゴニスト」は、特定のレチノイド受容体のリ
ガンド仲介トランス作用活性を阻害または阻止するであろう化合物を意味する。
【0018】 本明細書中で使用される「逆(inverse)アゴニスト」は、特定のレチノイド
受容体のトランス作用活性の基底値を減少させるであろう化合物を意味し、その
基底値が、加えられるアゴニストが存在しない場合に観察されるトランス作用活
性量となる。
【0019】 本明細書中で使用される「選択的」という用語は、所定のリガンドが、1つの
受容体サブタイプに対して、別の受容体サブタイプに対してよりも、Kd値(解離
定数)によって示すと、少なくとも約10倍大きな結合親和性を示すことを意味す
る。
【0020】 本明細書中で使用される「特異的」という用語は、所定のリガンドが、1つの
受容体サブタイプに対して、別の受容体サブタイプに対してよりも、少なくとも
約500倍大きな結合親和性を、またさらに好適には、少なくとも約1000倍大きな
結合親和性を示すことを意味する。
【0021】 本明細書中で使用される「処置」(treating)という用語は、ある疾患の進行
を軽減するあるいは遅くすることを意味する。これに代えてまたは加えて、この
用語はある疾患を治療(remedy)する、あるいは回復させることを意味する。そ
の疾患が腫瘍関連のものである場合は、処置という用語は、がん細胞の増殖を阻
害する、および/または腫瘍の兆候を減らすことを意味する。
【0022】 「改善する」という用語は、痛みおよび炎症などの特定の疾患に関連している
症状を軽減させることを意味する。
【0023】 好ましい処置法において、アンタゴニストは、式(I):
【化20】 [式中、 Xは、S、SO、SO2、O、NR1、[C(R1)2nであり、各R1は、独立に、または共に
、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、nは1または2であり; または、Xは不存在であり; X1およびX2は、それぞれCであり; または、X1は不存在であり、X2は、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アル
キル、F、Cl、Br、I、CF3、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、O
H、SH、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、または1〜6個の炭素原子を有す
るアルキルチオであり; 但し、少なくともXが存在するか、またはX1およびX2がそれぞれCであることを
条件とし; -----は、任意に存在する結合であり; 各R2は、独立に、または共に、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル
、F、Cl、Br、I、CF3、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、S
H、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するアルキ
ルチオ、NH2、NR1H、N(R1)2、N(R1)COR1、NR1CON(R1)2またはOCOR1であり; 各R3は、独立に、または共に、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル
、F、Cl、BrまたはIであり; mは、0〜3の整数であり; oは、0〜3の整数であり; Zは、−C≡C−、−N=N−、−N=CR1−、−CR1=N、−(CR1=CR1)n’−(n'は0〜5
の整数)、−CO−NR1−、−CS−NR1−、−NR1−CO−、−NR1CS−、−COO−、−O
CO−、−CSO−または−OCS−であり; Yは、フェニルまたはナフチル基、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリ
ダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリ
ルおよびピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニ
ルおよびヘテロアリール基は1個または2個のR2基で任意に置換されているか、ま
たは Zが−(CR1=CR1)n’−であり、n'が3、4または5である場合、Yは該−(CR1=CR 1 )n’−基とBとの間の直接原子価結合を表し; Aは、(CH2)q(qは1〜5)、3〜6個の炭素原子を有する低級分岐鎖アルキル、3
〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜6個の炭素原子および1個または2
個の二重結合を有するアルケニル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の三重
結合を有するアルキニルであるか、または直接結合であるか、不存在であり; Bは、水素、COOH、COOR8、CONR9R10、CH2OH、CH2OR11、CH2OCOR11、CHO、CH(O
R12)2、CHOR13O、COR7、CR7(OR12)2、CR7OR13Oまたはトリ−低級アルキルシリル
であり、R7は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアル
ケニル基であり、R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキ
ル基が1〜10個の炭素原子を有する(トリメチルシリル)アルキル基、または5〜10
個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはRはフェニルまたは低級アル
キルフェニルであり、R9およびR10は、独立に、水素、1〜10個の炭素原子を有す
るアルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはフ
ェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R11は、低級アルキル、フェニルま
たは低級アルキルフェニルであり、R12は低級アルキルであり、R13は2〜5個の炭
素原子を有する二価アルキル基であり; R14は、(R15)−フェニル、(R15)r−ナフチル、またはヘテロアリール基がO
、SおよびNから成る群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する(R15)r−ヘテ
ロアリールであり、rは0〜6の整数であり、 R15は、独立に、H、F、Cl、Br、I、NO2、N(R8)2、N(R8)COR8、NR8、CON(R8)2
、OH、OCOR8、OR8、CN、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素
原子を有するフルオロ置換アルキル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の二重
結合を有するアルケニル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の三重結合を有す
るアルキニル基、またはアルキル基が独立に1〜6個の炭素原子を有するトリア
ルキルシリルまたは(トリアルキルシリル)オキシ基である。] で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩またはエステルである。
【0024】 1つの実施態様によれば、Xが存在し、X1が不存在である式(Ia):
【化21】 の化合物を提供する。
【0025】 他の実施態様において、Xが不存在であり、X1およびX2がCである式(Ib):
【化22】 の化合物を提供する。
【0026】 さらに、特に好ましい実施態様において、Xが存在し、X1およびX2がCである式
(Ic):
【化23】 の化合物を提供する。
【0027】 式I、Ia、IbおよびIcの好ましい実施態様において、Yはフェニルであり、R14
は(R15)r−フェニルであり、好ましくは、R14とXを含んで成る複素環成分との結
合は、R14基の自由回転を可能にする。他の実施態様において、−Y(R2)−A−Bは
−フェニル−COOHである。
【0028】 式(I)に含まれる特定のアンタゴニスト、合成法、ならびに式(I)の化合物
を定義するのに使用される用語の定義は、米国特許第5776699号に詳しく記載さ
れている。本発明を実施するのに使用しうる化合物の他の例は式(II)〜(V)
の化合物を包含する: 式(II)の化合物:
【化24】 R14−X'−Y1(R2R'3)−Z−Y(R2)−A−B (II) [式中、 X'は、O、S、SO、SO2、N、NR3またはC(R3)2であるか、または−X'−R14は、−
C(R14)H2または−C(R14)−(CH2)nH(nは1〜6)であり; Y1は、フェニル、ナフチル、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリダジニ
ル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリルおよ
びピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニル、ナ
フチルおよびヘテロアリール基は1個のR'3および1個または2個のR2基で任意に置
換され; R'3は、H、(C1〜C10)アルキル、1−アダマンチル、2−テトラヒドロピラノキ
シ、アルキルが1〜6個の炭素原子を有するトリアルキルシラニルおよびトリアル
キルシラニルオキシ、アルキルが1〜10個の炭素原子を有するアルコキシおよび
アルキルチオ、またはOCH2O(C1〜C6)アルキルであり; Z、Y、A、B、R2、R3およびR14は、先に定義した通りである。]; 好ましい実施態様は、式(IIa):
【化25】 [式中、mは0〜2である。]; の化合物を包含し; 他の好ましい実施態様は、式(IIb):
【化26】 [式中、好ましくは、R'3はアルキルである。]; の化合物を包含し; 別の実施態様は、式(IIc):
【化27】 の化合物を包含する;
【0029】 式(III)の化合物:
【化28】 [式中、R2は先に定義した通りであり、加えて、好ましくはC1〜C6アルケニルで
あり、XおよびR14は先に定義した通りである。];
【0030】 式(IV)の化合物:
【化29】 [式中、Xは、S、SO、SO2、O、NR1、[C(R1)2n、−C(R1)2−NR1−、−C(R1)2
−S−、−C(R1)2−O−または−C(R1)2−(R1)2−であり;R1、R2、R3、R14、Z、Y
、A、B、mおよびoは、先に定義した通りである。]; 好ましい実施態様は式(IVa):
【化30】 の化合物を包含する;
【0031】 式(V)の化合物:
【化31】 [式中、Z、Y、A、BおよびR2は、先に定義した通りである。]
【0032】 他の好ましい種類の化合物は、式(VI):
【化32】 [式中、 X、R2、R3、m、o、Y、A、B、R14およびR15は、先に定義した通りであり; R16は、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであり; R17は、H、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、OHまたはOCOR11(R11
先に定義した通り)であるか、またはR17は不存在であり; pは、0または1であり、但し、pが1であるとき、R17は不存在である。] で示される化合物である。
【0033】 他の好ましい種類の化合物は、式(VII):
【化33】 [式中、 X、R1、R2、m、R3およびoは、先に定義した通りであり; sは、1〜3の整数であり; R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキル基が1〜10個の
炭素原子を有するトリメチルシリルアルキル、または5〜10個の炭素原子を有す
るシクロアルキル基であり、またはR8はフェニルまたは低級アルキルフェニルで
あり; R15は、先に定義した通りであり; tは、0〜5の整数であり; CONH基は、ベンゾピランの6位または7位、およびジヒドロナフタリン環の2位
または3位に存在する。] で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩である。
【0034】 他の好ましい種類の化合物は、式(VIII):
【化34】 [式中、 Xは、好ましくはC(CH3)2またはOであり; R2は、好ましくはHまたはBrであり; R2’およびR2’’は、独立に、HまたはFであり; R3は、好ましくは、HまたはCH3であり; R8は、好ましくは、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルである
。] で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩である。
【0035】 さらに、好ましい種類のそのような化合物は、式(IX):
【化35】 [式中、 X1は、好ましくはSまたはOであり; X3は、CHまたはNであり; R2は、好ましくは、H、F、CF3、または1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ
であり; R2 は、H、FまたはCF3であり; R8は、好ましくは、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであり
; R14は、好ましくは、非置換フェニル、チエニルまたはピリジルであるか、ま
たは1〜3個のR15基で置換されたフェニル、チエニルまたはピリジルであり、R15 は、好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、塩素、CF3、または1
〜6個の炭素原子を有するアルコキシである。] で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩である。
【0036】 式(IX)の化合物の好ましい実施態様は、XはSであり;R2は、H、FまたはOCH3 であり;R2 は、HまたはFであり;R8は、H、1〜6個の炭素原子を有する低級ア
ルキルであり;R14は、フェニル、4−(低級アルキル)フェニル、5−(低級アルキ
ル)−2−チエニル、および6−(低級アルキル)−3−ピリジルであり、該低級アル
キルは1〜6個の炭素原子を有する式(IX)の化合物または医薬的に許容されるそ
の塩である。1つの特定の実施態様において、R2はHであり;R2 はHであり;X3
はCHであり;R14はエチルである。
【0037】 式(IX)の化合物の他の好ましい実施態様は、XはOであり;R2はHであり;R2
はHまたはFであり;R8は、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル
であり;R14は、フェニル、および低級アルキルが1〜6個の炭素原子を有する4−
(低級アルキル)フェニルから成る群から選択される式(IX)の化合物または医薬
的に許容されるその塩である。
【0038】 さらに他の好ましい化合物は、式(X):
【化36】 [式中、R8は、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルである。] で示される化合物、または医薬的に許容される該化合物の塩である。R8がHであ
る場合、この化合物は好ましい実施態様のAGN 109である。
【0039】 さらに、本発明に有効な追加的化合物の構造を以下に示す: A.
【化37】 [式中、nは1〜10の整数である。] B.
【化38】 [式中、nは1〜10の整数である。] C.
【化39】 D.
【化40】 E.
【化41】
【0040】 上で説明したように、レチノイド受容体アンタゴニスト活性を有する化合物ま
たは薬剤のいずれも使用しうる。所定の薬剤または化合物のアンタゴニスト活性
を測定する手段は当業界では既知である。例えば、本発明の化合物のアンタゴニ
スト/アゴニスト様活性またはいくつかのレチノイド受容体サブタイプに結合す
る能力をそれぞれ測定するホロ受容体トランス作用測定およびリガンド結合測定
は、1993年6月24日に公開された、PCT出願公開WO93/11755(特に30〜33および3
7〜41ページ)に記載されている。この公開公報も、本出願に引用して組み込ま
れる。
【0041】 医薬的に許容される塩は、塩を形成することができる官能性、例えば、酸官能
性を有する本発明のいずれかの化合物について調製することができる。医薬的に
許容される塩は、親化合物の活性を維持し、かつ、それが投与される状況におい
て、それが投与される対象に対する何らかの有害なまたは不適当な効果を与える
ことがない塩である。
【0042】 医薬的に許容される塩は、有機または無機塩基から誘導することができる。そ
の塩は一価または多価イオンであり得る。特に興味深いものは、無機イオン、ナ
トリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムである。有機塩は、アミン
、特に、モノ−、ジ−およびトリ−アルキルアミンまたはエタノールアミンなど
のアンモニウム塩と形成される。塩はまた、カフェイン、トロメタミンおよび類
似の分子とも形成され得る。酸付加塩を形成することができるように十分に塩基
性である窒素が存在する場合は、酸付加塩は、あらゆる無機または有機酸、若し
くはヨウ化メチルなどのアルキル化薬剤により形成され得る。その場合、好適な
塩は、塩化水素酸、硫酸またはリン酸などの無機酸類と形成される塩である。モ
ノ−、ジ−またはトリ−酸などの多数の単純な有機酸のいずれも使用することが
できる。
【0043】 本発明の化合物のいくつかは、トランスおよびシス(EおよびZ)異性体を有す
ることがある。さらに、本発明の化合物は、1つまたはそれ以上のキラル中心を
含むことがあり、したがって、エナンチオマーおよびジアステレオマー形態で存
在し得る。その上、本発明のオキシムおよび関連化合物は、シンまたはアンチ異
性体形でも存在しうる。本発明の範囲は、シスおよびトランス異性体の混合物、
シンおよびアンチ異性体の混合物、ジアステレオマーの混合物、エナンチオマー
(光学異性体)のラセミ混合物だけではなく、これら異性体自体すべてを包含す
るように意図されている。本明細書において、ある化合物(または不斉炭素)の
構造(シス、トランス、シンまたはアンチ、若しくはRまたはS)について特定の
言及がなされない場合、これら異性体の混合物または異性体の中のいずれか1種
が意図されている。同様に、本出願の化学構造式の中で、原子価結合を表す直線
が不斉炭素に引かれている場合には、RおよびS配置の異性体の両方が、その混合
物と同様に意図されている。不斉炭素について定義されている立体化学は、式の
中で(適用可能な場合は)、β−配置を示す黒三角形、またはα−配置を示す破
線により示されている。
【0044】 本発明はまた、医薬的に許容される希釈剤または賦形剤とともに、1つまたは
それ以上の本発明の化合物から成る医薬組成物を提供する。このような組成物は
、好ましくは、単位投与形のもの、例えば錠剤、丸薬、カプセル(持続放出性製
剤または遅効性放出性製剤を含む)、粉末、顆粒、エリキシル剤、チンキ剤、シ
ロップ剤、乳剤、無菌非経口投与溶液または懸濁液、エアゾールまたは液体スプ
レー、点滴剤、アンプル剤、自動注射装置または坐薬;すなわち、経口投与、非
経口投与(例えば、静脈内、筋内または皮下投与)、鼻腔内、舌下または直腸投
与、若しくは吸入またはガス注入による投与用のものであり、適切な方法で、Re
mington's Pharmaceutical Sciences,Gennaro 編、Mack Publishing、ペンシル
バニア州イーストン、1990年に開示されているような容認されている実施方法に
より製剤化され得る。あるいは、そのような組成物は、例えば、週1回または月1
回投与に適している持続放出性製剤形態のものであり得る。例えば、デカン酸塩
などの活性化合物の不溶性塩が、筋内注射用デポー剤を提供するために採用され
うる。本発明はまた、例えば、眼、皮膚または粘膜に投与するための適当な局所
製剤を提供することを意図している。
【0045】 例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与のために、活性薬剤成分は、
エタノール、医薬的に許容されるオイル、グリセロール、水などの、医薬的に許
容される経口用非毒性不活性担体と組み合わせることができる。さらに、所望さ
れるまたは必要とされる場合には、適当な結合剤、潤滑剤、崩壊剤、芳香剤、着
色剤を、混合物の中に組み入れることもできる。適当な結合剤には、制限される
ことなく、スターチ、ゲラチン、グルコースまたはβ−ラクトースなどの天然の
糖類、アカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合
成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなど
が含まれる。このような投与形で使用される潤滑剤には、制限されることなく、
オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、
安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩酸ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤
には、制限されることなく、スターチ、メチルセルロース、アガー、ベントナイ
ト、キサンタンゴムなどが含まれる。
【0046】 錠剤などの固形組成物を調製するために、活性成分は、上述したような適当な
製薬用賦形剤、その他の製薬用希釈剤、例えば、水と混合され、本発明の化合物
または医薬的に許容されるその塩の均質な混合物を含む製剤化前の固形組成物に
形成され得る。「均質」という用語は、組成物が、錠剤、丸薬、カプセルなどの
等しく効果的である単位形に容易に小分けされ得るように、活性成分が組成物の
中全体に均等に分散されることを意味する。製剤化前固形組成物は、その後に、
本発明の活性成分0.1〜約50mgを含む上述のタイプの単位投与形に小分けされ得
る。
【0047】 もう1つの実施態様では、本発明組成物の錠剤または丸薬は、長時間作用の利
点を与える投与形を提供するために被覆、または調合され得る。例えば、錠剤ま
たは丸薬は、活性化合物を含有する内側芯と、その芯を取り囲む被膜としての外
層を含むことができる。外側被膜は、胃での崩壊に対して抵抗するのに有用であ
って、内側芯が十二指腸の中まで損なわれずに通過していく、または放出が遅れ
るようにする腸溶層であり得る。腸溶層または被膜には様々な材料を使用するこ
とができ、このような材料には、多数の重合体酸、および重合体酸とセラック、
セチルアルコール、酢酸セルロースなどの通常の材料との混合物を含む様々な材
料が含まれる。
【0048】 本発明組成物が経口でまたは注射により投与されるように組み込まれている液
体形態には、エリキシル剤および類似の製薬用キャリアーだけではなく、水溶液
、適当に風味付けされたシロップ、水性または油性懸濁液、および、綿実油、ゴ
マ油、ココナツ油またはピーナツ油などの食用油により風味付けされた乳剤が含
まれる。水性懸濁液のための適当な分散剤または懸濁剤には、トラガカント、ア
カシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム
、ゼラチン、メチルセルロース、またはポリビニルピロリドンなどの合成および
天然ゴムが含まれる。使用できる他の分散剤には、グリセリンなどが含まれる。
非経口投与には、無菌懸濁液および溶液が望ましい。静脈内投与が望ましい場合
には、通常適当な保存剤を含有している等張製剤が用いられる。また、組成物は
、接眼投与用に、眼用溶液または懸濁液製剤として、すなわち点眼液として、製
剤化することができる。
【0049】 本明細書中で使用する「被験者」という用語は、動物、好適には哺乳動物、よ
り好適には、処置、観察または実験の対象となったヒトを言う。
【0050】 本明細書中で使用する「治療上有効な量」という用語は、研究者、獣医、医師
、またはその他の診療医により診療されている組織、器官、動物またはヒトにお
いて生物学的または医学的応答(処置される疾患の症状の緩和を含む)を引き出
す活性化合物または医薬の用量を意味する。
【0051】 有利には、本発明の化合物は、1日1回量で投与されうるものであり、または1
日合計量が、1日に2回、3回または4回に分けて投与されうる。さらに、本発明の
化合物は、鼻腔内形態で、適当な鼻腔内ビヒクルを局所的に使用することにより
投与され得るものであり、あるいは、当業者には周知の経皮的皮膚パッチの形態
を使用して投与され得るものである。経皮的デリバリーシステムの形態で投与す
るには、その投与は、もちろん、投与計画を通じて、断続的よりも継続的なもの
とし、また投与レベルについては製剤化されるときにこのことが考慮される必要
がある。
【0052】 本発明の化合物を使用する投与計画は、タイプ、種、年齢、体重、性別、その
患者の医学的状態を含むさまざまな因子により選択される。すなわち、処置され
るべき症状の重篤度、投与経路、患者の腎臓および肝臓の機能、用いらる特定の
化合物である。通常の技術を有する医師または獣医であれば、処置に当たってい
るその疾患または傷害の進行を防ぐ、対処するまたは止めるのに必要となるその
薬剤の有効な量を容易に決定し、また処方することができる。
【0053】 レチノイド受容体アンタゴニストまたは逆アゴニストの1日投与量は、成人1日
当たり0.01〜100mgの広範な範囲にわたって変えることができる。経口投与に関
しては、組成物は、好適には、処置される患者に対する投与量を症状に合わせて
調節するため、活性成分0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、2
5.0または50.0mgを含有する錠剤の形態で供給される。単位投与量は典型的には
、活性成分約0.001mg〜約50mgを含有し、好適には活性成分約1mg〜10mgを含有す
る。薬剤の有効な量は、1日当たり約0.0001mg/kg体重〜約25mg/kg体重という
投与レベルで、通常では供給される。その範囲は活性成分1日当たり約0.001mg〜
約10mg/kg体重であり、特に好適には、1日当たり約0.001mg/kg〜1mg/kg体重
である。化合物は、1日に1回〜4回という投与計画で投与されうる。
【0054】 引用された参考文献はすべて全体として、本明細書に引用して組み入れられる
【0055】 本発明を、以下の実施例においてさらに詳細に説明するが、それら実施例は特
許請求されている本発明の範囲を限定することを全く意図していない。
【0056】 (実施例) (実施例I−材料と方法) インサイチューハイブリダイゼーション 本手順は、以前に記載された通りに実施されている(Nojiら、Acta Histochem
.Cytochem.23、353−366(1990);Koyamaら、Dev.Dynam.203、152−162(1
995))。手短に言うと、ニワトリ胚あるいは胚部分が、4時間あるいは一晩、4
%パラホルムアルデヒドで固定され、パラフィンに包埋され、切片化された。そ
の5μm厚さの切片は、室温で1分間、50mMトリス、5mM EDTA、pH7.5で1μg/mlの
プロテイナーゼK(Sigma社、ミズーリ州セントルイス市)で、前処置され、すぐ
その後に4%パラホルムアルデヒド緩衝液の中で10分間固定され、またその後に10
分/洗浄の間、2mg/mlグリシンを含むPBSの中で2回洗浄された。切片は、トリ
エタノールアミン緩衝液の中で0.25%無水酢酸の新鮮に調製された溶液で、15分
間処置された。切片は50℃で16時間35S標識化アンチセンスあるいはセンスニワ
トリcDNAリボプローブ(およそ1×106DPM/切片)によりハイブリダイゼーショ
ンされた。ハイブリダイゼーション後、スライドが、50℃で20分間/洗浄の間、
50%ホルムアミドを含む2X SSCで3回洗浄され、30分間37℃で20μg/ml RNアーゼ
Aにより処置され、また最終的には50℃で10分間/洗浄の間、0.1X SSCで3回洗浄
された。切片は、水で1:1に希釈されたKodak NTB3エマルションで塗布され、7
日間暴露して、3分間20℃でKodak D19により現像された。ヘマトキシリンとエオ
シンで染色した後、スライドは明暗視野光学素子を使用してNikon製顕微鏡で分
析された。
【0057】 使用されたニワトリcDNAプローブは以下のとおりである。すなわち、リガンド
結合ドメインを包含する1.6kb RARαおよび0.9kb RARβクローン(Nojiら、Natu
re350、83−86(1991));完全長RARγ2から調製された0.16kb RARγサブクロ
ーン(ヌクレオチド444−607)(Michailleら、Dev.Dynam.201、334−343(19
94)))、また、ドメインCの一部分をコード化した;N末端ドメインの一部をコ
ード化する0.56kb Ihhクローン(Vortkampら、Science 273、613−633(1996)
);I型コラーゲンpGEM821、I型コラーゲンサブユニットα2(I)の3'末端から
得た0.821kbクローン(Bennettら、J. Biol. Chem. 264、8402−8409(1989))
;II型コラーゲンクローンpDLr2(Leboyら、J.Biol.Chem.264:17281−17286
(1989))、II型コラーゲンの3'領域から得た0.8kbクローン(Youngら、Nucl.
Acids Res.12、4207−4228(1984));0.197kb X型コラーゲンクローンpDLr10
(Leboyら、J. Biol. Chem. 264、17281−17286(1989));およびオステオポ
ンチンの完全コード配列を含む1.1kbクローンpMMPP2(Mooreら、Biochemistry 3
0、2501−2508(1991))。
【0058】 アンタゴニスト処置 使用されているRARアンタゴニストは、AGN 109(Allergan Pharmaceuticals社
、カリフォルニア州アービン市)と、Ro 41−5253(下に図示)(Hoffmann−LaR
oche、スイス、バーゼル市)であった:
【化42】
【0059】 Ro 41-5253は、全RARイソ型に対して、アンタゴニスト効果を発揮するが、し
かし、RARα(IC50=60nM);RARγに対するそのIC50は3300nMである(Apfelら
、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89、7129−7133(1992);Keidelら、Mol. Cell
. Biol. 14、287-298(1994))に対して優先的にその効果を発揮する。AGN 109
はRARα、βおよびγを等しく良好に阻害し、また、RARγ(5+1nM)に対しては
、Ro 41−5253に比べてほぼ500倍低いIC50を有する(Kleinら、J. Biol. Chem.
271、22692−22696(1996))。直径200−400μmのAG1−X2イオン交換ヒ゛ース゛は、Ro 41-5253の溶液中に1時間浸漬させるか、あるいは3.5μM〜3.5mMという範囲の濃
度のAGN 109中に浸漬させた。濃度のこの範囲は、以前の研究に基づいている(
例えば、Luら、Development 124、1643−1651(1997)を参照されたい)。アン
タゴニスト溶液はDMSOの中で調製され、また、黄灯条件下で使用された;対照ビ
ーズは、DMSOのみで浸漬された。ビーズはその後に、ビーズが注入時にさらに見
やすいようにフェノールレッド含有生理的食塩水(HBSS)に非常に手短に浸漬さ
せた。
【0060】 アンタゴニスト含有ビーズあるいは対照ビーズが、段階21〜22(3〜3.5日)あ
るいは段階27〜28(5.5日)ニワトリ胚の翅芽に注入された(HamburgerとHamilt
on、J. Morphol. 88、49−92(1951));反対側性翅芽は対照として役立った。
卵の殻に小さな窓を開け、また、小さな切開をその翅芽の前背近位部分上に作っ
た。1個のビーズあるいは数個のビーズがその後に、下に特定されるように、予
定上腕骨の近傍に置かれ、また卵は密封されて、また、インキュベータに戻され
た。分析の日に、胚は断頭術により犠牲にされ、また、対照と手術を受けた羽が
、Nikon SMZ−U解剖光学顕微鏡を用いる顕微鏡法で調べられ、また上腕骨の長さ
が微小計量的に測定された。対照上腕骨の長さが胚によって少々ばらつきがある
ため、おそらく、年齢における少々の差異を反映していて、上腕骨は、それらの
長さが対照値よりも少なくとも25%短くなっていた場合のみ、アンタゴニスト処
置により影響を受けたと考えられた。随伴対照とアンタゴニスト処置四肢は、組
織学的に処理され、また組織切片を使用してインサイチューハイブリダイゼーシ
ョンが行われた。
【0061】 軟骨細胞培養 前肥厚性および初期肥厚性軟骨細胞に豊富な細胞集団が、17〜18日目ニワトリ
胚胸板の頭側コア領域から分離され、一方、未成熟軟骨細胞が、尾側胸板領域か
ら分離された(GibsonとFlint、J. Cell Biol. 101、277−284(1985);Pacifi
ciら、Exp. Cell Res. 195、38−46(1991));Iwamotoら、Exp. Cell Res. 20
7、413−420(1993b)。切開された頭部側と尾側組織が、0.1%型1−Sコラーゲ
ナーゼ含有生理的食塩水(Sigma Chemical社、ミズーリ州セントルイス市)の中
で1時間37℃にてインキュベートされた;このインキュベーション後に放出され
た細胞は、軟骨膜細胞と血液細胞から主に構成されるので処分された。その残り
の組織は、0.25%トリプシンと0.1%コラーゲナーゼの新鮮な混合物の中で、3時
間それが完全に消化される温度で、インキュベートされた。その新たに分離され
た軟骨細胞は、12−ウェルプレートの1×106細胞/60mm皿あるいは3×106細胞/
100mm皿の中に2×105細胞/ウェルという密度で置かれた。頭部側コア軟骨細胞
は、単層で2〜3週間継代培養せずに継続して増殖が行われた。最初の2日間に、
培養培地は、細胞剥離を最小限にするため、精巣ヒアルロニダーゼ4U/mlを受け
(Leboyら、J. Biol. Chem. 264、17281−17286(1989))、また、培養培地は
、2週間までに融合した。尾側未成熟軟骨細胞が、浮遊未成熟軟骨細胞が、付着
汚染線維芽細胞から分離される温度で、まず5日間増殖された。浮遊細胞はトリ
プシン化され、また、細胞付着を増加させるために、ヒアルロニダーゼの存在下
で2番目の培養培地に再戴置された。培養培地は1日置きに、10%規定牛胎児血
清(Hyclone社、ユタ州ローガン市)、2mM L−グルタミンおよび50U/mlペニシ
リンとストレプトマイシン(Pacificiら、Exp. Cell Res. 195、38−46(1991)
)を含むダルベッコの変法高グルコースイーグル培地(GIBCO BRL、メリーラン
ド州ゲティスバーグ市)を補給された。指示されたときに、培養培地は全トラン
スRA(Sigma社)あるいは全トランスRAおよびRo 41−5253の組み合わせにより処
置された。これらレチノイドの原液が、DMSOの中で調製され、また、95%エタノ
ールの中で使用液中に希釈された:対照皿はレチノイドが入っていないビヒクル
の等量を受け取った。鉱物化を分析するために、頭部側胸板対照とレチノイド処
置培養培地は、リン酸塩源として役立てるために、3mM βグリセロリン酸塩を補
充された。これらさまざまな処置計画時に、培地は毎日取り替えられた。カルシ
ウム沈着を局在化するため、その細胞層が、0.5%アリザリンレッドS溶液、pH4.
0を室温にて5分間染色された。培養培地が2、4あるいは6日間処置された実験で
は、全培養培地(対照培養培地を含む)が同時に回収されるようにレチノイド処
置が開始された。
【0062】 RNA分離と分析 ニワトリ胚軟骨から分離された全細胞RNAとグアニジンイソチオシアネート法
により培養された軟骨細胞(ChomczynskiとSacchi、Anal. Biochem. 162、156−
159(1987))がグリオキサール化により変性され、10あるいは30μg/レーンに
て1%アガロースゲル上で電気泳動が実施され、また、キャピラリーブロッティ
ングにより以前に述べられたようにHybond−N膜に移された(OettingerとPacifi
ci、Exp. Cell Res. 191、292−298(1990);Iwamotoら、Exp. Cell Res. 205
、213−224(1993a))。ブロットは、各試料が効率的に移動されたことを証明
するために、0.04%メチレンブルーにより染色された。ブロットは、16時間、50%
ホルムアミド、1.5X SSPE、500μg/mlせん断変性サケ精液DNA、100μg/ml tRN
A、0.5%(w/v)乾燥ミルクおよび1%SDSを含む濃度2.5×106DPM/mlのハイブ
リダイゼーション溶液で、32P-標識化リボプローブにハイブリダイズされた。そ
の使用されたcDNAプローブは、インサイチューハイブリダイゼーションに対して
使用されたものと同じであった。ハイブリダイゼーション温度は、RARγおよびA
Pアーゼに関しては55℃であり、また、X型コラーゲンに関しては60℃であった。
ハイブリダイゼーション後、ブロットは、2X SSCおよび0.5%SDSにより室温にて
数回洗浄された;最終高緊縮性洗浄は、70℃で0.1X SSCおよび0.5%SDSによるも
のであった。ブロットは、Kodak BioMax X線フィルムに−70℃で露光された。
【0063】 レチノイド分析 胚組織における内在性レチノイド値の半定量分析は、感受性インビトロレポー
ター測定法を使用して実施された(Wagnerら、Development 116;55−66(1992
);McCafferyら、Development 115:371−382(1992))。β-gal測定法は、E.
coli lacZ遺伝子のすぐ上流に置かれているヒトRARβ遺伝子(de Theら、Nature
343、377−180(1990))のプロモーター領域からの64bpレチノイン酸反応要素
(RARE)を含むレポーター構築物により安定的にトランスフェクションされたF9
奇形癌細胞系統から成る。そのF9細胞系統は、安定的にトランスフェクションさ
れた構築物にレチノイド反応性を付与する、RARα、βおよびγ(Zelentら、Nat
ure 339、714−717(1989))を構造的に発現する。細胞は、20%牛胎児血清と0.
8mg/ml G418(完全培地)を補充された変法L15 CO2組織培養培地(Specialty M
edia社、ニュージャージー州ラバレット市)の中にあるゲラチン塗布皿上に保持
され、また80〜90%融合時に使用された。この培養条件では、そのレポーター細
胞は、0.01nMという低い濃度での外来性全トランスRA処置に対して非常に感受性
がある(すなわち、β-galの高い発現)ことを示した(Wagnerら、Development
116、55−66(1992))。これら細胞では、外来性9-シス-RA、RXRsとRARsとの両
方に対するリガンド(Levinら、Nature 355、359−361(1992))は、全トラン
スRA処置に応じて、それよりも10倍低い効率での転写を刺激する(未公表の観察
結果)。
【0064】 組織抽出物を調製するために、組織は、10日目のニワトリ胚から外科的に分離
され、包接された。付着軟骨膜組織が、肝臓、脳、砂嚢および心臓から、注意深
く取り除かれた軟骨上腕骨および頚骨の骨幹端-骨幹部部分である。分離時に、
全組織は、レチノイドを保護するために、安全黄灯条件下で氷上の生理的食塩水
の中に保持された。各組織あるいは器官約200mgが、その後に4℃でL15完全培地0
.9ml中でPolytronにより均質化され、また、試料はその後に、完全な細胞破壊の
ため、ドライアイスの中で急速凍結された。試料は氷水の中で融解され、また、
4℃で1時間、レチノイドを抽出するためにインキュベートされた。抽出物は、15
分間4℃にて13,000gで遠心分離にかけられた。その結果生じた上清は、そのペレ
ットから注意深く分離され、また直接、22mmマルチウェルプレート(0.4ml/ウ
ェル)の中で増殖させたF9レポーター細胞の半融合状態の培養培地に加えられた
。培養培地は24時間再びインキュベートされ、またその後に、β-ガラクトシダ
ーゼ活性の組織化学的検出のために処理された(LimとChae、Biotechniques 7、
576−579(1989))。
【0065】 β-ガラクトシダーゼ活性がレチノイド濃度と比例していたことを確かめるた
めに、半融合状態のF9細胞培養培地の平行培養が、1M〜2μMの範囲にある全トラ
ンスRAの公知の用量で処理され(95%エタノールで100×原液)、24時間インキ
ュベートされ、また、その後に、β-ガラクトシダーゼ活性の定量的分析のため
に処理された。手短に言うと、培養培地は、室温にて15分間、0.1Mリン酸塩緩衝
液pH7.0の中で0.1%グルタルアルデヒドにより固定された。PBSで洗浄後、培養培
地は、16時間37℃にてリン酸塩緩衝液の中で0.2%X-Galの溶液で染色された。再
び洗浄した後、培養培地はDMSO 0.2mlで抽出され、その抽出された材料の吸光度
がパーキン-エルマー分光光度計を使用して655nmで測定された。こうした条件下
で、F9細胞は、1nM〜0.5μM全トランスRAの間のβ-ガラクトシダーゼ活性で、直
線的な増加を示した。
【0066】 (実施例II−結果) 骨格形成時RAR遺伝子発現 実験の第1セットでは(実施例I、インサイチューハイブリダイゼーションを参
照されたい)、RARα、βおよびγの発現パターンは、ニワトリ四肢骨格形成の
異なる段階で測定された。四肢骨格要素の縦連続切片が、アンチセンスニワトリ
RARα、βあるいはγをコード化する35S-標識化アンチセンスリボプローブを使
用してインサイチューハイブリダイゼーションのために処理された;対照として
、切片がこうしたRARに対して標的化された放射線標識化センスプローブにより
ハイブリダイズされた。未成熟軟骨細胞のみを含み、また成長板をまだ顕示して
いない、段階27〜28(5.5日)のニワトリ胚上腕骨初期に新たに出現した骨格要
素が調べられたとき、RARαおよびγの遺伝子発現レベルは低く、また拡散して
いて、新たに形成された軟骨組織内のハイブリダイゼーションシグナルのレベル
は、周囲を取り囲む間葉および結合組織の中に検出できるものよりもいくらか低
かったことが分かった。RARαとγの拡散していて、はっきりしないパターンと
は対照的に、軟骨組織それ自体中では非常に低いけれども、RARβの遺伝子発現
は、特に、初期骨幹部に沿った軟骨膜組織でははっきりしていてまた、非常に顕
著なものであった。センスRARプローブによるハイブリダイゼーションは、ほと
んど検出可能なシグナルをもたらさなかった。軟骨組織全体は、II型コラーゲン
アンチセンスプローブによるハイブリダイゼーションにより描写された。
【0067】 四肢発達の8日目と10日目の間に、その長骨軟骨モデルは、さらに完全形態学
的特性と組織を獲得する。それらモデルは、骨端と長い成長板で、骨幹端および
骨幹部を占め、良好に限定されている増殖(pz)、増殖後-肥厚前(phz)および
肥厚性(hz)ゾーンを備えた予定関節軟骨細胞(ac)を示した。さらに、その骨
幹部では、軟骨内骨化のプロセスが開始され、また、膜内骨様襟に取り囲まれる
(Fell,J.Morphol.Physiol.40、417−459(1925);Scott-SavageとHall,J
.Morphol 162、453−464(1979);OsdobyとCaplan,Dev.Biol. 86、147−156
(1981);Koyamaら、Dev.Dynam.203、152−162(1995))。10日目のニワト
リ胚羽の連続切片でのインサイチューハイブリダイゼーションは、その軟骨組織
全体にRARα遺伝子発現は、低くかつ拡散したまま残った一方で、RARβ発現はま
だ、軟骨膜において強く、RARγ発現は成長板の肥厚ゾーンでは顕著にアップレ
ギュレーションされていた。X型コラーゲンをコード化するプローブによるハイ
ブリダイゼーションでは、肥厚性軟骨細胞のマーカー(GibsonとFlint,J.Cell
Biol.101、277−284(1985))が、RARγ転写物の増加がX型コラーゲン転写物
での増加をやや上回っていたが、X型コラーゲン転写物とRARγ転写物の局所解剖
分布の間には同様に有意なものがあったことを確認した。他のマーカーの分析で
は、RARγ-とX型コラーゲン豊富軟骨細胞が、形態学的因子インディアンヘッジ
ホッグ(Ihh)を発現する肥厚前軟骨細胞による成長板においては上回っている
ことが明らかにされ(Koyamaら、Dev.Dynam.207、344−354(1996a);Vortka
mpら、Science 273、613−622(1996))、また、その後、軟骨内骨化を蒙って
いる肥厚後軟骨細胞を鉱物化し、また、オステオポンチンなどの後期成熟マーカ
ーを発現した(Iwamotoら、Exp.Cell Res.207、413−420(1993b))。オステ
オポンチン発現はまた、骨幹部と骨幹端を取り囲む発達骨様襟において検出可能
であった。予想されていたように、II型コラーゲン遺伝子発現は軟骨組織の大半
で強かったが、鉱物化および軟骨内骨化ゾーンにおいては顕著にダウンレギュレ
ーションされ、一方、I型コラーゲンRNAは、その骨様襟、軟骨膜組織および他の
周囲結合組織に限定された。同様の結果が、8.5日目(段階35)の胚(以下参照
)で得られた。
【0068】 増加RARβ発現と肥厚性軟骨細胞の出現との間の関係がさらに、互いに近接し
ている近位-遠位軸に沿って発達の異なる段階において短い骨格要素を含む10日
目の四肢の指領域で分析された。実際に、発達上より古い近位趾節骨(pp)要素
が、骨幹部にRARγ転写物を豊富に、また、非常にたくさんの肥厚性軟骨細胞を
含んでいて、一方、発達上より若い内側趾節骨(mp)が数少ない肥厚性細胞と、
低量のRARγ転写物しか含んでおらず、また、より若い遠位趾節骨(dp)に到っ
ては何も含んでいなかったことが判明した。その近位趾節骨の骨幹部領域をさら
に詳しく調べた結果、RARγ転写物が、骨幹部全体に存在したにもかかわらず、
肥厚性軟骨細胞は存在しなかったことが明らかになった。これら細胞は、その中
心よりも骨幹部の周辺でずっとより明確になり、また非常に数多くなっていた。
【0069】 まとめると上述のデータは、RARsが、四肢軟骨細胞成熟と骨格形成時に遺伝子
発現の異なるパターンを示していることを教示している。特に、RARα発現が広
範かつ分散して残っているのにもかかわらず、RARγ発現は、その軟骨細胞が完
全に肥厚する前に選択的にアップレギュレーションされ、また肥厚性細胞におい
ては高くなる。このデータはまた、第1肥厚性軟骨細胞が軟骨要素の周辺で形成
されることを示している。
【0070】 レチノイドバイオアッセイ 次に、発達の後期段階で四肢に存在する軟骨骨格要素がまた、内在性レチノイ
ドをも含んでいるかどうかが判定された(実施例I、レチノイド分析を参照され
たい)。そうである場合、レチノイドは、RARsがこれらの段階に発現する際のリ
ガンドとして役立っていた可能性がある。さらにそれらは、RAR遺伝子発現それ
自体を制御する際に直接あるいは間接的役割を有していた可能性がある。1つの
アプローチとして、ニワトリとマウス胚における他の発達組織と器官における内
在性レチノイドレベルを推定するのに以前に使用された1つの感受性バイオアッ
セイが使用された(Wagnerら、Development 116、55−66(1992);McCafferyら
、Development 115、371−382(1992))。このバイオアッセイは、レチノイド
感受性RARE/β-ガラクトシダーゼレポーター構築物で安定的にトランスフェク
ションされたF9奇形癌細胞系統を利用している。
【0071】 軟骨性上腕骨全体が顕微鏡下手術で、5.5日目(段階27〜28)胚から分離され
、また、8.5日目から得た上腕骨の骨幹端-骨幹部部分と10個のニワトリ胚が分離
された。その軟骨組織はその後に、取り囲んでいる軟骨膜組織と、レチノイド分
析のために処理された軟骨組織から注意深く分離された。比較のため、同じ5.5
、8.5および10日目胚から得た、肝臓、脳、眼および皮膚とともに、軟骨膜組織
自体が処理された。しかし、5.5日目胚から得た軟骨膜組織は、その胚の小さな
寸法により与えられる十分な量が得られなかったため、分析からは除外された。
100〜200mgの各組織あるいは器官は、新鮮な完全培養培地の中に懸濁され、均質
化され、また抽出された;浄化後、その抽出物は12ウェルプレートで増殖させた
レポーターF9細胞の半融合培養培地に加えられた。培養培地は24時間再インキュ
ベートされ、またその後は、β-ガラクトシダーゼ活性の組織化学的検出のため
に処理された。陰性対照ウェルが、模擬抽出新鮮完全培地を受容し、陽性対照ウ
ェルは、全トランスRAの既知量を含有する新鮮培地を受容した。
【0072】 その軟骨組織が、RARレポーター遺伝子の転写を刺激することが可能な薬剤を
含み、また、調べられた発達の各段階でそれを行ったことが見出された。軟骨組
織抽出物中のレチノイドの量は、これら器官に存在する大量のレチノイドを基準
にして予想される肝臓、眼および皮膚におけるそれらレチノイドの量よりもずっ
と低かったが、脳抽出物に存在するそうしたものよりも高かった。印象的に、軟
骨膜組織は極めて大量のレチノイドを示したことも判明した。陰性と陽性対照は
予想可能な結果をもたらした。すなわち、ビヒクルのみを受容しているF9細胞(
95%エタノール)は陰性であったが、一方、3nM全トランスRAで処置された細胞
は陽性であった。
【0073】 レチノイドアンタゴニストのインビボにおける骨格発達の障害 RAR遺伝子発現が軟骨細胞成熟時に変化し、また、それを取り囲む軟骨膜組織
とともにその軟骨要素が内在性レチノイドを含有することを示して、実験は、そ
のRARsおよびそのリガンドが、軟骨細胞成熟と骨格形成時にどんな役割を果たし
ている可能性があるのかを判定するために実施された(実施例I、アンタゴニス
ト処置を参照されたい)。この問題にアプローチするために、レチノイドアンタ
ゴニストを含有するビーズが、段階21〜22(3〜3.5日)ニワトリ胚における予定
上腕骨間葉細胞縮合部分の近傍に注入され、また、10日目までに上腕骨発達がイ
ンビボにて障害されたかどうかが測定された。3.5μM〜3.5mMの範囲にある濃度
のRo 41-5253あるいはAGN 109を含有するビーズが、一方の翅芽に置かれた。す
なわち、反対側性翅芽は、ビヒクルのみを含有するビーズを受容し、また対照と
して役立った。
【0074】 アンタゴニストは両方とも、上腕骨発達に対して著しい効果を有していた。ビ
ーズを含有しているRo 41-5253を注入された10日目の胚の上腕骨は、ビヒクルの
みで処置された対照反対側性上腕骨あるいは未処置上腕骨よりも約50%短かった
。その効果は、高度に選択的であり、また、その上腕骨に解剖局所的に限定され
ていた。すなわち、寸法および/または形状における明らかな変化は、発達橈骨
、尺骨、趾骨では観察されなかった。同様な効果が、AGN 109により発揮された
が、このアンタゴニストについては、おそらくあらゆるRARを等しく良好に拮抗
するその能力の故に、上腕骨の欠陥を高頻度で得るためには、ずっと低い濃度が
必要であった(表1参照)。
【0075】
【表1】
【0076】 10日目上腕骨の縦切片の組織学的およびインサイチューハイブリダイゼーショ
ン分析は、これらアンタゴニストの効果についてのさらなる詳細を提供した。対
照上腕骨では、その骨端と骨幹端が良好に発達しており、また、骨幹部には、RA
RγとX型コラーゲンを発現する非常に数多くの成熟肥厚性軟骨細胞が含まれてお
り、骨と骨髄による置換が行われ、またオステオポンチンを強く発現させる中心
コア領域を呈示し、またこれは、オステオポンチンを発現させる薄い膜内骨様襟
により取り囲まれていた。
【0077】 極めて対照的に、アンタゴニスト処置上腕骨の骨幹部には、RARγもオステオ
ポンチンおよびX型コラーゲンも発現させない小さな寸法の軟骨細胞のみが含ま
れており、完全に軟骨性であり、軟骨内骨化も骨髄の侵襲も蒙ってはいなかった
。しかし興味深いことに、この骨幹部は、オステオポンチンを発現させる見掛け
は正常な膜内骨襟により取り囲まれていて、また、骨幹端部分は対照でみられる
Ihh遺伝子発現を示した。また、アンタゴニスト処置上腕骨は多くの場合、アン
タゴニストを充填したビーズに面している凹側と、その反対側に面している凸側
を備えた湾曲を示したことは興味深く留意すべき点である。こうした湾曲は、ビ
ヒクルを充填したビーズを注入された対照上腕骨では観察されなかった。アンタ
ゴニストにより引き出された効果は、その上腕骨に限定されていたが、一方、ビ
ーズ注入部位からは離れている骨格要素は、対照およびアンタゴニスト注入羽の
尺骨において強力なX型コラーゲン遺伝子発現により例示されたように、形態学
的にもまた遺伝子発現の点でも正常であった。これは、そのレチノイドアンタゴ
ニストにより発揮される阻害効果が、ビーズ注入部位に限定され、また、一般化
された全身系効果を反映したものではなかったという上記の結論を繰り返したも
のである。
【0078】 実験の次の設定では、発達の後期段階で開始されたアンタゴニスト処置が、上
腕骨発達の阻害に、さらにつながるかどうかという問題に取り組んだ。もしつな
がるのならば、内在性レチノイドが、軟骨組織の中に継続して存在していること
を示し、また、レチノイドが骨格発達に継続して必要であるのではないかと示唆
しているバイオアッセイデータと良好に相関するであろう。この処置期間はまた
、実験的操作と効果分析との間の間隔を最小にするように、短縮された。このよ
うに、単一あるいは複数のAGN 109充填ビーズが、5.5日目(段階28)ニワトリ胚
の軟骨性上腕骨の片側あるいはその周囲に注入され、また、その効果が8.5日目
に調べられた。上腕骨の発達は、3〜4個のビーズ(6/7)を注入されたこうした
短い処置時間枠後も、阻害されたことが判明した。すなわち、単一ビーズは非常
に効果的ではなかった(5/5)。正常な対照物と比べると、アンタゴニスト処置
上腕骨はより短くなり、また、その細胞は肥厚段階に進むことはなく、また、RA
RγとX型コラーゲンをコード化する転写物がなかった。対照および処置上腕骨は
共に、II型コラーゲンの非常に強い発現を示し、また、アンタゴニストは、細胞
生存度と鑑別される機能とに対する望ましくない副作用を及ぼすことはなかった
ことが示された。
【0079】 こうした実験で、2つの付加的な興味深いデータをもたらした。第1のデータは
、対照8.5日目の上腕骨において、第一のX型コラーゲン発現軟骨細胞が骨幹部の
周辺に出現したというものである。このデータは、上の形態学的な観察と完全に
一致しており、また、骨幹部全体で、連続切片についてインサイチューハイブリ
ダイゼーションにより確かめられた。第2の興味深いデータは、おそらく、その
上腕骨の両側にそのアンタゴニスト充填ビーズが戴置された故に、そのアンタゴ
ニスト処置上腕骨が、形態学的にその対照のように直線的なものであり、決して
湾曲を示さなかったというものである。
【0080】 アンタゴニスト処置の効果は可逆的なものであって、また、時間およびさらな
る発達とともに消散するかどうか測定するため、上述のように、段階28(5.5日
)でAGN 109ビーズを注入された胚は、胚形成の14日目〜18日目まで発達するこ
とが可能となり、またその後に、組織学およびインサイチューハイブリダイゼー
ションのために処理された。14日目までに、そのアンタゴニスト処理上腕骨は、
強いX型コラーゲンであり、また低いII型コラーゲン遺伝子発現である、特徴的
な遺伝子発現パターンを示すその骨幹部における肥厚性軟骨細胞を含んでいたこ
とが判明した。さらに、骨と骨髄前駆細胞は、肥厚性軟骨を侵襲しはじめた。こ
うした形態学的および遺伝子発現の特徴は、通常、胚形成の9〜9.5日目辺りで上
腕骨を特徴付け、また、アンタゴニスト処置上腕骨の発達が約5日間まで遅延さ
れたが、それから正常な経過の再開であることが示される。
【0081】 培養軟骨細胞 研究の最終設定では、上述のインビボ実験で使用されたアンタゴニストが、軟
骨細胞の中の天然レチノイドの生物学的効果を拮抗することができるかどうか、
また、そのアンタゴニストがニワトリ胚軟骨細胞の培養に対する、外来性全トラ
ンスRAの前成熟効果を阻止するあるいは阻害することができたかどうかが判定さ
れた(実施例I、軟骨細胞培養を参照されたい)。これまでに示されているよう
に、17〜18日目のニワトリ胚胸骨の尾側休止部分から分離された未成熟軟骨細胞
の培養には、肥厚性X型コラーゲン発現細胞に発達させるために、全トランスRA
による処置を必要とする。同様に、新たに出現した、17〜18日目のニワトリ胚胸
骨の頭部側部分から分離された肥厚性軟骨細胞の培養には、その成熟を完了させ
て、後肥厚性アルカリホスファターゼ豊富な鉱物化軟骨細胞にするために、全ト
ランスRAによる処理が必要となる(Pacificiら、Exp. Cell Res.195、38−46(1
991);Iwamotoら、Exp. Cell Res.207、413−420(1993b);Microsc. Res. Te
ch. 28、483−491(1994))。
【0082】 このように、未成熟尾側胸骨軟骨細胞は、約2週間、培養培地を含む標準的な
血清の中で増殖された。この期間、細胞は活発に増殖し、また、大きさは適度に
増大し(約2〜3倍)、細胞が成熟の前肥厚段階に進んだことを示していた(Paci
ficiら、Exp.Cell Res.195、38−46(1991)を参照されたい)。培地はその後
に、全トランスRA、Ro 41-5253、または全トランスRAとRo 41-5253の両方で処理
される、あるいは未処置のまま残されるかであった。ノーザンブロット分析では
、対照未処置培養培地には、検出可能量のX型コラーゲン転写物がほとんどなか
ったことが示されていた。しかし、50nM全トランスRAで2、4あるいは6日間処置
された培養培地は、X型コラーゲン転写物が顕著な時間-依存性増加を示した。そ
のような増加は、500nM Ro 41-5253との共処置により、全面的ではないが、有意
に阻止された。アンタゴニスト単独での処置では、大きな効果を有しなかった。
このように、Ro 41-5253は、培養された前肥厚性尾側胸骨軟骨細胞においては、
初期成熟マーカーであるX型コラーゲンのアップレギュレーションを中和するこ
とができる。
【0083】 この結論は、確認され、また、胸骨の頭部側コア部分から分離されたさらに成
熟した軟骨細胞の培養にも広げられた。2週齢対照未処置培養培地では、大きな
細胞直径(Pacificiら、Exp.Cell Res.195、38−46(1991)を参照されたい。
)と、豊富なX型コラーゲンmRNAにより特徴付けられる、予想された肥厚性細胞
表現型が示された。この細胞が50nM 全トランスRAにより処置されたときに、後
期成熟マーカーであるアルカリホスファターゼの遺伝子発現が、劇的に増加され
、一方、X型コラーゲンの発現は、基本的には処置6日間までで除外された。これ
は、アルカリホスファターゼ発現はアップレギュレーションされ、またX型コラ
ーゲン発現は、軟骨内骨化時に肥厚性軟骨細胞が終末後肥厚性鉱物化段階に進む
時にインビボにてダウンレギュレーションされるという事実と、良好に相関する
関係にある(Iwamotoら、Micros.Res.Tech.28:483−491(1994))。これら
2つの遺伝子の全トランスRA処置に対する逆の応答が、500nM Ro 41-5253との共
処置により中和された。このように、アルカリホスファターゼ遺伝子発現は極め
て低い状態のままで残り、一方、X型コラーゲン遺伝子発現は、かなり強力な状
態で残った。アンタゴニスト単独による処置は、大きな効果は有さなかった。同
様のデータが、AGN 109より得られた。
【0084】 その軟骨細胞成熟プロセスの鉱物化段階を調べるために、胸骨の頭部側コア部
分から分離された成熟性軟骨細胞が、融合性になるまで、22mmマルチウェルプレ
ートの中で2週間増殖され、またその後に6日間、全トランスRA、全トランスRAと
Ro 41-5253との両方、あるいはRo 41-5253単独で処置された。培養培地はすべて
β-ガラクトシダーゼを受容し、リン酸塩供与体は、鉱物形成と沈着のために必
要とされた。鉱物はアリザリンレッドによる染色によって示された。対照未処置
培養培地では、検出可能な染色が示されなかった。対照的に、25あるいは50nM全
トランスRAにより処置された培養培地は、豊富なアリザリンレッド染色可能な鉱
物が含まれていた。Ro 41-5253の量を増加することにより、25あるいは50nM全ト
ランスRAおよび500nM Ro 41-5253により共処置された培養培地がほとんどまった
く鉱物化を示さないよう、全トランスRAの前鉱物化効果が効果的に拮抗された。
Ro 41-5253単独での処置は、まったく効果を有しなかった。
【0085】 このように、外来性全トランスRAは、インビボにて、軟骨細胞成熟の異なる段
階で起こるものと同一のものである、培養胸骨軟骨細胞における遺伝子発現、細
胞挙動および活性の変化を誘導する。使用されたレチノイドアンタゴニストは、
全トランスRAの前成熟能力を中和する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/382 A61K 31/382 A61P 19/00 A61P 19/00 19/02 19/02 // C07D 335/06 C07D 335/06 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ロシャンタ・エイ・チャンドララトナ アメリカ合衆国92653カリフォルニア州ラ グーナ・ヒルズ、バックスキン・ドライブ 25241番 Fターム(参考) 4C023 KA01 4C084 AA02 AA17 BA44 CA59 NA14 ZA962 4C086 AA01 AA02 BB01 MA01 MA04 NA14 ZA96 4C206 AA01 AA02 DA17 DA21 DB15 GA07 GA34 KA01 MA01 MA04 NA14 ZA96

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レチノイド受容体アンタゴニストの治療上有効な用量を投与
    することから成る軟骨または骨病状を処置する方法。
  2. 【請求項2】 該レチノイド受容体アンタゴニストは、RAR受容体アンタゴ
    ニストである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 該RAR受容体アンタゴニストは、RARαβγ受容体アンタゴニ
    ストである請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該症状は、骨関節症である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 アンタゴニストは、式(I): 【化1】 [式中、 Xは、S、SO、SO2、O、NR1または[C(R1)2nであり、各R1は、独立に、H、ま
    たは1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、nは1または2であり; または、Xは不存在であり; X1およびX2は、それぞれCであり; または、X1は不存在であり、X2は、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アル
    キル、F、Cl、Br、I、CF3、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、O
    H、SH、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、または1〜6個の炭素原子を有す
    るアルキルチオであり; 但し、少なくともXが存在するか、またはX1およびX2がそれぞれCであることを
    条件とし; -----は、任意に存在する結合であり; 各R2は、独立に、または共に、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル
    、F、Cl、Br、I、CF3、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、S
    H、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するアルキ
    ルチオ、NH2、NR1H、N(R1)2、N(R1)COR1、NR1CON(R1)2またはOCOR1であり; 各R3は、独立に、または共に、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル
    、F、Cl、BrまたはIであり; mは、0〜3の整数であり; oは、0〜3の整数であり; Zは、−C≡C−、−N=N−、−N=CR1−、−CR1=N、−(CR1=CR1) n'−(n'は0〜5
    の整数)、−CO−NR1−、−CS−NR1−、−NR1−CO−、−NR1CS−、−COO−、−O
    CO−、−CSO−または−OCS−であり; Yは、フェニルまたはナフチル基、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリ
    ダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリ
    ルおよびピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニ
    ルおよびヘテロアリール基は1個または2個のR2基で任意に置換されているか、ま
    たは Zが−(CR1=CR1)n’−であり、n'が3、4または5である場合、Yは該−(CR1=CR 1 )n’−基とBとの間の直接原子価結合を表し; Aは、(CH2)q(qは1〜5)、3〜6個の炭素原子を有する低級分岐鎖アルキル、3
    〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜6個の炭素原子および1個または2
    個の二重結合を有するアルケニル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の三重
    結合を有するアルキニルであるか、または直接結合であるか、不存在であり; Bは、水素、COOH、COOR8、CONR9R10、CH2OH、CH2OR11、CH2OCOR11、CHO、CH(O
    R12)2、CHOR13O、COR7、CR7(OR12)2、CR7OR13Oまたはトリ−低級アルキルシリル
    であり、R7は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアル
    ケニル基であり、 、R9およびR10は、独立に、水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、また
    は5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはフェニルまたは低級ア
    ルキルフェニルであり、R11は、低級アルキル、フェニルまたは低級アルキルフ
    ェニルであり、R12は低級アルキルであり、R13は2〜5個の炭素原子を有する二価
    アルキル基であり; R14は、(R15)−フェニル、(R15)r−ナフチル、またはヘテロアリール基がO
    、SおよびNから成る群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する(R15)r−ヘテ
    ロアリールであり、rは0〜6の整数であり; R15は、独立に、H、F、Cl、Br、I、NO2、N(R8)2、N(R8)COR8、NR8、CON(R8)2
    、OH、OCOR8、OR8、CN、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素
    原子を有するフルオロ置換アルキル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の二重
    結合を有するアルケニル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の三重結合を有す
    るアルキニル基、またはアルキル基が独立に1〜6個の炭素原子を有するトリア
    ルキルシリルまたは(トリアルキルシリル)オキシ基である。] で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩またはエステルである、請
    求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 Xが存在し、X1が不存在である請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 Yはフェニルであり、R14は(R15)r−フェニルである請求項6
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】 −Y(R2)−A−Bは−フェニル−COOHである請求項7に記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 Xが不存在であり、X1およびX2がCである請求項5に記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 Yはフェニルであり、R14は(R15)r−フェニルである請求項
    9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 −Y(R2)−A−Bは−フェニル−COOHである請求項10に記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 Xが存在し、X1およびX2がCである請求項5に記載の方法。
  13. 【請求項13】 Yはフェニルであり、R14は(R15)r−フェニルである請求項
    12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 −Y(R2)−A−Bは−フェニル−COOHである請求項13に記
    載の方法。
  15. 【請求項15】 化合物は、式: 【化2】 である請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 アンタゴニストは、式(II): 【化3】 R14−X'−Y1(R2R'3)−Z−Y(R2)−A−B (II) [式中、 R14は、(R15)−フェニル、(R15)r−ナフチル、またはヘテロアリール基がO
    、SおよびNから成る群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する(R15)r−ヘテ
    ロアリールであり、rは0〜6の整数であり; R15は、独立に、H、F、Cl、Br、I、NO2、N(R8)2、N(R8)COR8、NR8、CON(R8)2
    、OH、OCOR8、OR8、CN、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素
    原子を有するフルオロ置換アルキル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の二重
    結合を有するアルケニル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の三重結合を有す
    るアルキニル基、またはアルキル基が独立に1〜6個の炭素原子を有するトリア
    ルキルシリルまたは(トリアルキルシリル)オキシ基であり; X'は、O、S、SO、SO2、N、NR3またはC(R3)2であるか、または−X'−R14は、−
    C(R14)H2または−C(R14)−(CH2)nH(nは1〜6)であり; Y1は、フェニル、ナフチル、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリダジニ
    ル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリルおよ
    びピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニル、ナ
    フチルおよびヘテロアリール基は1個のR'3および1個または2個のR2基で任意に置
    換され; R2は、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、Br、I、CF3、1
    〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、SH、1〜6個の炭素原子を
    有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオ、NH2、NR1H、N(R 1 )2、N(R1)COR1、NR1CON(R1)2またはOCOR1であり; R'3は、H、(C1〜C10)アルキル、1−アダマンチル、2−テトラヒドロピラノキ
    シ、アルキルが1〜6個の炭素原子を有するトリアルキルシラニルおよびトリアル
    キルシラニルオキシ、アルキルが1〜10個の炭素原子を有するアルコキシおよび
    アルキルチオ、またはOCH2O(C1〜C6)アルキルであり; Zは、−C≡C−、−N=N−、−N=CR1−、−CR1=N、−(CR1=CR1) n'−(n'は0〜5
    の整数)、−CO−NR1−、−CS−NR1−、−NR1−CO−、−NR1CS−、−COO−、−O
    CO−、−CSO−または−OCS−であり、R1は、Hまたは1〜6個の炭素原子を有す
    るアルキルであり、nは1または2であり; Yは、フェニルまたはナフチル基、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリ
    ダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリ
    ルおよびピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニ
    ルおよびヘテロアリール基は1個または2個のR2基で任意に置換されているか、ま
    たは Zが−(CR1=CR1)n’−であり、n'が3、4または5である場合、Yは該−(CR1=CR 1 )n’−基とBとの間の直接原子価結合を表し; Aは、(CH2)q(qは1〜5)、3〜6個の炭素原子を有する低級分岐鎖アルキル、3
    〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜6個の炭素原子および1個または2
    個の二重結合を有するアルケニル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の三重
    結合を有するアルキニルであるか、または直接結合であるか、不存在であり; Bは、水素、COOH、COOR8、CONR9R10、CH2OH、CH2OR11、CH2OCOR11、CHO、CH(O
    R12)2、CHOR13O、COR7、CR7(OR12)2、CR7OR13Oまたはトリ−低級アルキルシリル
    であり、R7は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアル
    ケニル基であり、R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキ
    ル基が1〜10個の炭素原子を有する(トリメチルシリル)アルキル基、または5〜10
    個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはRはフェニルまたは低級アル
    キルフェニルであり、R9およびR10は、独立に、水素、1〜10個の炭素原子を有す
    るアルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはフ
    ェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R11は、低級アルキル、フェニルま
    たは低級アルキルフェニルであり、R12は低級アルキルであり、R13は2〜5個の炭
    素原子を有する二価アルキル基である。] で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩またはエステルである、請
    求項1に記載の方法。
  17. 【請求項17】 アンタゴニストは、式(IIa): 【化4】 [式中、mは0〜2である。] の化合物である請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 アンタゴニストは、式(IIb): 【化5】 [式中、R'3はアルキルである。]; の化合物である請求項16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 アンタゴニストは、式(IIc): 【化6】 の化合物である請求項16に記載の方法。
  20. 【請求項20】 アンタゴニストは、式(III): 【化7】 [式中、 Xは、S、SO、SO2、O、NR1または[C(R1)2nであり、各R1は、独立に、H、ま
    たは1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、nは1または2であり; R2は、C1−C6アルケニルであり; R14は、(R15)−フェニル、(R15)r−ナフチル、またはヘテロアリール基がO
    、SおよびNから成る群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する(R15)r−ヘテ
    ロアリールであり、rは0〜6の整数であり、 R15は、独立に、H、F、Cl、Br、I、NO2、N(R8)2、N(R8)COR8、NR8、CON(R8)2
    、OH、OCOR8、OR8、CN、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素
    原子を有するフルオロ置換アルキル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の二重
    結合を有するアルケニル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の三重結合を有す
    るアルキニル基、またはアルキル基が独立に1〜6個の炭素原子を有するトリア
    ルキルシリルまたは(トリアルキルシリル)オキシ基であり、R8は、1〜10個の炭
    素原子を有するアルキル基、またはアルキル基が1〜10個の炭素原子を有する(ト
    リメチルシリル)アルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル
    基、またはRはフェニルまたは低級アルキルフェニルである。] で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩またはエステルである、請
    求項1に記載の方法。
  21. 【請求項21】 アンタゴニストは、式(IV): 【化8】 [式中、Xは、S、SO、SO2、O、NR1、[C(R1)2n、−C(R1)2−NR1−、−C(R1)2
    −S−、−C(R1)2−O−または−C(R1)2−(R1)2−であり、各R1は、独立して、ま
    たは共に、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、nは1または2
    であり: 各R2は、独立に、または共に、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル
    、F、Cl、Br、I、CF3、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、S
    H、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するアルキ
    ルチオ、NH2、NR1H、N(R1)2、N(R1)COR1、NR1CON(R1)2またはOCOR1であり; R3は、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、BrまたはIであ
    り; mは、0〜3の整数であり; oは、0〜3の整数であり; Zは、−C≡C−、−N=N−、−N=CR1−、−CR1=N、−(CR1=CR1)n'−(n'は0〜5
    の整数)、−CO−NR1−、−CS−NR1−、−NR1−CO−、−NR1CS−、−COO−、−O
    CO−、−CSO−または−OCS−であり; Yは、フェニルまたはナフチル基、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリ
    ダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリ
    ルおよびピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニ
    ルおよびヘテロアリール基は1個または2個のR2基で任意に置換されているか、ま
    たは Zが−(CR1=CR1)n’−であり、n'が3、4または5である場合、Yは該−(CR1=CR 1 )n’−基とBとの間の直接原子価結合を表し; Aは、(CH2)q(qは1〜5)、3〜6個の炭素原子を有する低級分岐鎖アルキル、3
    〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜6個の炭素原子および1個または2
    個の二重結合を有するアルケニル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の三重
    結合を有するアルキニルであるか、または直接結合であるか、不存在であり; Bは、水素、COOH、COOR8、CONR9R10、CH2OH、CH2OR11、CH2OCOR11、CHO、CH(O
    R12)2、CHOR13O、COR7、CR7(OR12)2、CR7OR13Oまたはトリ−低級アルキルシリル
    であり、R7は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアル
    ケニル基であり、R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキ
    ル基が1〜10個の炭素原子を有する(トリメチルシリル)アルキル基、または5〜10
    個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはRはフェニルまたは低級アル
    キルフェニルであり、R9およびR10は、独立に、水素、1〜10個の炭素原子を有す
    るアルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはフ
    ェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R11は、低級アルキル、フェニルま
    たは低級アルキルフェニルであり、R12は低級アルキルであり、R13は2〜5個の炭
    素原子を有する二価アルキル基であり; R14は、(R15)−フェニル、(R15)r−ナフチル、またはヘテロアリール基がO
    、SおよびNから成る群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する(R15)r−ヘテ
    ロアリールであり、rは0〜6の整数であり; R15は、独立に、H、F、Cl、Br、I、NO2、N(R8)2、N(R8)COR8、NR8、CON(R8)2
    、OH、OCOR8、OR8、CN、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素
    原子を有するフルオロ置換アルキル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の二重
    結合を有するアルケニル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の三重結合を有す
    るアルキニル基、またはアルキル基が独立に1〜6個の炭素原子を有するトリア
    ルキルシリルまたは(トリアルキルシリル)オキシ基である。] で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩またはエステルである、請
    求項1に記載の方法。
  22. 【請求項22】 アンタゴニストは、式(V): 【化9】 [式中、 Zは、−C≡C−、−N=N−、−N=CR1−、−CR1=N、−(CR1=CR1)n’−(n'は0〜5
    の整数)、−CO−NR1−、−CS−NR1−、−NR1−CO−、−NR1CS−、−COO−、−O
    CO−、−CSO−または−OCS−であり、各R1は、独立に、または共に、H、または1
    〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、nは1または2であり; Yは、フェニルまたはナフチル基、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリ
    ダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリ
    ルおよびピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニ
    ルおよびヘテロアリール基は1個または2個のR2基で任意に置換されているか、ま
    たは Zが−(CR1=CR1)n’−であり、n'が3、4または5である場合、Yは該−(CR1=CR 1 )n’−基とBとの間の直接原子価結合を表し; Aは、(CH2)q(qは1〜5)、3〜6個の炭素原子を有する低級分岐鎖アルキル、3
    〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜6個の炭素原子および1個または2
    個の二重結合を有するアルケニル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の三重
    結合を有するアルキニルであるか、または直接結合であるか、不存在であり; Bは、水素、COOH、COOR8、CONR9R10、CH2OH、CH2OR11、CH2OCOR11、CHO、CH(O
    R12)2、CHOR13O、COR7、CR7(OR12)2、CR7OR13Oまたはトリ−低級アルキルシリル
    であり、R7は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアル
    ケニル基であり、R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキ
    ル基が1〜10個の炭素原子を有する(トリメチルシリル)アルキル基、または5〜10
    個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはRはフェニルまたは低級アル
    キルフェニルであり、R9およびR10は、独立に、水素、1〜10個の炭素原子を有す
    るアルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはフ
    ェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R11は、低級アルキル、フェニルま
    たは低級アルキルフェニルであり、R12は低級アルキルであり、R13は2〜5個の炭
    素原子を有する二価アルキル基であり; R2は、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、Br、I、CF3、1
    〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、SH、1〜6個の炭素原子を
    有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオ、NH2、NR1H、N(R 1 )2、N(R1)COR1、NR1CON(R1)2またはOCOR1である。] で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩またはエステルである請求
    項1に記載の製法。
  23. 【請求項23】 該RARアンタゴニストは、式(VI): 【化10】 [式中、 Xは、S、SO、SO2、O、NR'であり、R'はH、または1〜6個の炭素原子を有するア
    ルキルであるか、またはXは、[C(R1)2nであり、R1は、独立に、H、または1〜
    6個の炭素原子を有するアルキルであり、nは1または2であり; R2は、独立に、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、Br、I
    、CF3、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、SH、1〜6個の炭
    素原子を有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオであり; R3は、独立に、水素、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルまたはFであり
    ; mは、0〜3の整数であり; oは、0〜3の整数であり; Yは、フェニルまたはナフチル基、またはピリジル、チエニル、フリル、ピリ
    ダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリ
    ルおよびピラゾリルから成る群から選択されるヘテロアリールであり、該フェニ
    ルおよびヘテロアリール基は1個または2個のR2基で任意に置換されており; Aは、(CH2)q(qは1〜5)、3〜6個の炭素原子を有する低級分岐鎖アルキル、3
    〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、2〜6個の炭素原子および1個または2
    個の二重結合を有するアルケニル、2〜6個の炭素原子および1個または2個の三重
    結合を有するアルキニルであるか、または直接結合であるか、不存在であり; Bは、水素、COOHまたは医薬的に許容されるその塩、COOR8、CONR9R10、CH2OH
    、CH2OR11、CH2OCOR11、CHO、CH(OR12)2、CHOR13O、COR7、CR7(OR12)2、CR7OR13 Oまたはトリ−低級アルキルシリルであり、R7は、1〜5個の炭素原子を有するア
    ルキル、シクロアルキルまたはアルケニル基であり、R8は、1〜10個の炭素原子
    を有するアルキル基、またはアルキル基が1〜10個の炭素原子を有する(トリメチ
    ルシリル)アルキル基、または5〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、ま
    たはRはフェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R9およびR10は、独立
    に、水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、または5〜10個の炭素原子を
    有するシクロアルキル基、またはフェニルまたは低級アルキルフェニルであり、
    R11は、低級アルキル、フェニルまたは低級アルキルフェニルであり、R12は低級
    アルキルであり、R13は2〜5個の炭素原子を有する二価アルキル基であり; R14は、(R15)−フェニル、(R15)r−ナフチル、またはヘテロアリール基がO
    、SおよびNから成る群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する(R15)r−ヘテ
    ロアリールであり、rは0〜5の整数であり; R15は、独立に、H、F、Cl、Br、I、NO2、N(R8)2、N(R8)COR8、NR8、CON(R8)2
    、OH、OCOR8、OR8、CN、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素
    原子を有するフルオロ置換アルキル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の二重
    結合を有するアルケニル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の三重結合を有す
    るアルキニル基、またはアルキル基が独立に1〜6個の炭素原子を有するトリア
    ルキルシリルまたは(トリアルキルシリル)オキシ基であり; R16は、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであり; R17は、H、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、OHまたはOCOR11であり; pは、0または1であり、但し、pが1であるとき、R17は不存在であり; mは、0〜2の整数である。] で示される化合物である、請求項1に記載の方法。
  24. 【請求項24】 該RARアンタゴニストは、式(VII): 【化11】 [式中、 Xは、C(R1)またはOであり; R1は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり; R2は、独立に、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、F、Cl、Br、I、CF3 、1〜6個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル、OH、SH、1〜6個の炭素原子
    を有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオであり; mは、0〜3の整数であり; R3は、独立に、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基またはFであり; oは、0〜3の整数であり; sは、1〜3の整数であり; R8は、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、またはアルキル基が1〜10個の
    炭素原子を有するトリメチルシリルアルキル、または5〜10個の炭素原子を有す
    るシクロアルキル基であり、またはR8はフェニルまたは低級アルキルフェニルで
    あり; R15は、独立に、H、F、Cl、Br、I、NO2、N(R8)2、COR8、N(R8)COR8、OCOR8、O
    R8、CN、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素原子を有するフ
    ルオロ置換アルキル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の二重結合を有するア
    ルケニル基、1〜10個の炭素原子および1〜3個の三重結合を有するアルキニル基
    、またはアルキル基が独立に1〜6個の炭素原子を有するトリアルキルシリルま
    たは(トリアルキルシリル)オキシ基であり; tは、0〜5の整数であり; CONH基は、ベンゾピランの6位または7位、およびジヒドロナフタリン環の2位
    または3位に存在する。] で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩である、請求項1に記載の
    方法。
  25. 【請求項25】 該RARアンタゴニストは、式(VIII): 【化12】 [式中、 Xは、C(CH3)2またはOであり; R2は、HまたはBrであり; R2’およびR2’’は、独立に、HまたはFであり; R3は、HまたはCH3であり; R8は、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルである。] で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩である、請求項1に記載の
    方法。
  26. 【請求項26】 該RARアンタゴニストは、式(IX): 【化13】 [式中、 X1は、SまたはOであり; X3は、CHまたはNであり; R2は、H、F、CF3、または1〜6個の炭素原子を有するアルコキシであり; R2 は、H、FまたはCF3であり; R8は、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであり; R14は、非置換フェニル、チエニルまたはピリジルであるか、または1〜3個のR 15 基で置換されたフェニル、チエニルまたはピリジルであり、R15は、1〜6個の
    炭素原子を有する低級アルキル、塩素、CF3、または1〜6個の炭素原子を有する
    アルコキシである。] で示される化合物、または医薬的に許容されるその塩である、請求項1に記載の
    方法。。
  27. 【請求項27】 XはSであり;R2は、H、FまたはOCH3であり;R2 は、Hま
    たはFであり; R14は、フェニル、4−(低級アルキル)フェニル、5−(低級アルキ
    ル)−2−チエニルまたは6−(低級アルキル)−3−ピリジルであり、該低級アルキ
    ルは1〜6個の炭素原子を有する化合物または医薬的に許容されるその塩である請
    求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 XはOであり;X3はCHであり;R2はHであり;R2 はHまたは
    Fであり; R14は、フェニルまたは4−(低級アルキル)フェニルであり、該低級ア
    ルキルは1〜6個の炭素原子を有する化合物または医薬的に許容されるその塩であ
    る請求項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】 X3はCHであり;R2はHであり;R2 はHであり; R14はエチ
    ルである化合物または医薬的に許容されるその塩である請求項27に記載の方法
  30. 【請求項30】 該RARアンタゴニストは、式(X): 【化14】 [式中、R8は、H、または1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルである。] で示される化合物、または医薬的に許容される該化合物の塩である、請求項1に
    記載の方法。
  31. 【請求項31】 該RARアンタゴニストは、式: 【化15】 [式中、nは1〜10の整数である。] の化合物、または医薬的に許容される該化合物の塩である請求項1に記載の方法
  32. 【請求項32】 該RARアンタゴニストは、式: 【化16】 [式中、nは1〜10の整数である。] の化合物、または医薬的に許容される該化合物の塩である請求項1に記載の方法
  33. 【請求項33】 該RARアンタゴニストは、式: 【化17】 の化合物、または医薬的に許容される該化合物の塩である請求項1に記載の方法
  34. 【請求項34】 該RARアンタゴニストは、式: 【化18】 の化合物である請求項1に記載の方法。
  35. 【請求項35】 該RARアンタゴニストは、式: 【化19】 の化合物、または医薬的に許容される該化合物の塩である請求項1に記載の方法
  36. 【請求項36】 病状に関連してRARγ受容体を拮抗作用させることから成
    る軟骨または骨病状を処置する方法。
  37. 【請求項37】 該症状は、骨関節炎である請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】 レチノイド受容体アンタゴニストの治療上有効な用量を投
    与することから成る軟骨および骨病状に関連している症状を改善させる方法。
  39. 【請求項39】 レチノイド受容体アンタゴニストは、RAR受容体アンタゴ
    ニストである請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 該RAR受容体アンタゴニストは、RARαβγ受容体アンタゴ
    ニストである請求項38に記載の方法。
  41. 【請求項41】 該症状は、骨関節炎である請求項38に記載の方法。
  42. 【請求項42】 レチノイド受容体アンタゴニストと薬理学的に許容できる
    キャリアーまたは賦形剤から成る薬理学的組成の治療上有効な用量を投与するこ
    とから成る軟骨または骨の病状を処置する方法。
  43. 【請求項43】 該症状は、骨関節炎である請求項42に記載の方法。
JP2001544671A 1999-12-15 2000-12-13 軟骨と骨の病状の処置におけるレチノイド受容体アンタゴニストの使用 Expired - Fee Related JP4808887B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/464,344 1999-12-15
US09/464,344 US6313168B1 (en) 1999-12-15 1999-12-15 Use of retinoid receptor antagonists in the treatment of cartilage and bone pathologies
PCT/US2000/033697 WO2001043732A2 (en) 1999-12-15 2000-12-13 Use of retinoid receptor antagonists in the treatment of cartilage and bone pathologies

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003519103A true JP2003519103A (ja) 2003-06-17
JP4808887B2 JP4808887B2 (ja) 2011-11-02

Family

ID=23843560

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001544671A Expired - Fee Related JP4808887B2 (ja) 1999-12-15 2000-12-13 軟骨と骨の病状の処置におけるレチノイド受容体アンタゴニストの使用

Country Status (8)

Country Link
US (1) US6313168B1 (ja)
EP (2) EP1645271A1 (ja)
JP (1) JP4808887B2 (ja)
AT (1) ATE435010T1 (ja)
AU (1) AU784189B2 (ja)
CA (1) CA2394210A1 (ja)
DE (1) DE60042496D1 (ja)
WO (1) WO2001043732A2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007514773A (ja) * 2003-12-17 2007-06-07 アラーガン インコーポレイテッド 選択的シトクロムp450rai−1または選択的シトクロムp450rai−2阻害活性を有する化合物およびそれを得る方法
JP2007517037A (ja) * 2003-12-30 2007-06-28 アラーガン インコーポレイテッド RARγレチノイド受容体の選択的アゴニストとしての二置換カルコンオキシム
JP2007518719A (ja) * 2003-12-26 2007-07-12 アラーガン インコーポレイテッド RARγレチノイド受容体アンタゴニスト活性を有する二置換カルコンオキシム

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020111695A1 (en) * 1995-11-06 2002-08-15 Mount Sinai Hospital Corporation Reconstituted mineralized cartilage tissue
CA2402413A1 (en) * 2000-03-14 2001-09-20 The University Of Western Ontario Compositions and methods for affecting osteogenesis
US6503914B1 (en) * 2000-10-23 2003-01-07 Board Of Regents, The University Of Texas System Thienopyrimidine-based inhibitors of the Src family
EP1427399A2 (en) * 2001-09-17 2004-06-16 The University Of Western Ontario Retinoid receptor pan-antagonists for stimulating chondrogenesis
US20040097587A1 (en) * 2002-03-27 2004-05-20 Arbiser Jack L Compositions and methods of treatment of ulcerating diseases, burns, and related conditions
WO2004045595A1 (en) * 2002-11-15 2004-06-03 Galderma Research & Development, S.N.C. USE OF AN RAR RECEPTOR ANTAGONIST FOR POTENTIATING THE ACTION OF TGFβ
FR2847167A1 (fr) * 2002-11-15 2004-05-21 Galderma Res & Dev UTILISATION D'UN ANTAGONISTE DES RECEPTEURS RARs POUR POTENTIALISER L'ACTION DU TGFb
EP1937244B1 (en) 2005-09-30 2018-07-25 Io Therapeutics, LLC Treatment of cancer with specific rxr agonists
DK2026778T3 (en) * 2006-05-16 2019-01-07 Io Therapeutics Llc RAR ANTAGONIST OR INVERSE AGONIST FOR USE IN THE TREATMENT OF CHEMOTHERAPY AND / OR RADIATION THERAPY SIDE EFFECTS
CN103200937B (zh) 2010-09-01 2020-07-03 托马斯杰弗逊大学 用于肌肉修复和再生的组合物和方法
AU2012352149B2 (en) 2011-12-13 2017-06-01 Io Therapeutics, Inc. Autoimmune disorder treatment using RXR agonists
CA2890424C (en) 2012-11-08 2020-11-17 Yamaguchi University Therapeutic agent for keratoconjunctive disorders
ES2694831T3 (es) 2013-05-22 2018-12-27 Yamaguchi University Inhibidor para trastornos retinocoroideos
NZ741393A (en) 2015-10-31 2018-11-30 Io Therapeutics Inc Treatment of nervous system disorders using combinations of rxr agonists and thyroid hormones
WO2017155578A1 (en) 2016-03-10 2017-09-14 Io Therapeutics, Inc. Treatment of muscular disorders with combinations of rxr agonists and thyroid hormones
EP3426302B1 (en) 2016-03-10 2022-12-14 IO Therapeutics, Inc. Treatment of autoimmune diseases with combinations of rxr agonists and thyroid hormones
MX2018015108A (es) 2016-06-08 2019-08-29 Clementia Pharmaceuticals Inc Metodos para tratar la osificacion heterotopica.
AU2017359673B2 (en) 2016-11-16 2021-10-21 Clementia Pharmaceuticals Inc. Methods for treating multiple osteochondroma (MO)
MA49566A (fr) 2017-07-11 2020-05-20 Vertex Pharma Carboxamides utilisés en tant qu'inhibiteurs des canaux sodiques
CA3076373A1 (en) 2017-09-20 2019-03-28 Io Therapeutics, Inc. Treatment of disease with esters of selective rxr agonists
US10966950B2 (en) 2019-06-11 2021-04-06 Io Therapeutics, Inc. Use of an RXR agonist in treating HER2+ cancers
KR20240119103A (ko) 2021-12-07 2024-08-06 아이오 테라퓨틱스, 인크. Her2+ 암 치료에서의 rxr 작용제 및 탁산의 용도
KR20240115316A (ko) 2021-12-07 2024-07-25 아이오 테라퓨틱스, 인크. 약물 내성 her2+ 암 치료에서의 rxr 작용제의 용도

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5776699A (en) * 1995-09-01 1998-07-07 Allergan, Inc. Method of identifying negative hormone and/or antagonist activities
JP2002530331A (ja) * 1998-11-19 2002-09-17 ザ ユニバーシティ オブ ウエスタン オンタリオ 軟骨形成を促進するためのrarアンタゴニストの組成物および使用

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE163544T1 (de) 1991-12-18 1998-03-15 Salk Inst For Biological Studi Mitteln zur modulierung von verfahren durch retinoid rezeptoren und dafür nützliche verbindungen
US5977125A (en) * 1994-10-31 1999-11-02 Eisai Co., Ltd. Mono-or polyenic carboxylic acid derivatives
US5648514A (en) 1994-12-29 1997-07-15 Allergan Substituted acetylenes having retinoid-like biological activity
US5514825A (en) 1994-12-29 1996-05-07 Allergan, Inc. Acetylenes disubstituted with a 5 substituted tetrahydronaphthyl group and with an aryl or heteroaryl group having retinoid-like biological activity
DE19501032A1 (de) * 1995-01-14 1996-07-18 Max Delbrueck Centrum Mittel zur Behandlung von rheumatischen Erkrankungen
US5877207A (en) 1996-03-11 1999-03-02 Allergan Sales, Inc. Synthesis and use of retinoid compounds having negative hormone and/or antagonist activities
US5763635A (en) 1996-06-21 1998-06-09 Allergan Tetrahydronaphthalene derivatives substituted in the 8 position with alkyhidene groups having retinoid and/or retinoid antagonist-like biological activity
US5773594A (en) 1996-06-21 1998-06-30 Allergan Alkyl or aryl substituted dihydronaphthalene derivatives having retinoid and/or retinoid antagonist-like biological activity
US5808124A (en) 1996-06-21 1998-09-15 Allergan O- or S-substituted dihydronaphthalene derivatives having retinoid and/or retinoid antagonist-like biological activity
US5739338A (en) 1996-11-05 1998-04-14 Allergan N-aryl substituted tetrahydroquinolines having retinoid agonist, retinoid antagonist or retinoid inverse agonist type biological activity
US5728846A (en) 1996-12-12 1998-03-17 Allergan Benzo 1,2-g!-chrom-3-ene and benzo 1,2-g!-thiochrom-3-ene derivatives
US5760276A (en) 1997-03-06 1998-06-02 Allergan Aryl-and heteroarylcyclohexenyl substituted alkenes having retinoid agonist, antagonist or inverse agonist type biological activity
DE19910246A1 (de) * 1999-03-08 2000-09-28 Bayer Ag Trennfreundliche Polyurethan-Formschaum-Systeme
ATE266616T1 (de) * 1999-03-08 2004-05-15 Basilea Pharmaceutica Ag Retinoid antagonisten und ihre verwendung

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5776699A (en) * 1995-09-01 1998-07-07 Allergan, Inc. Method of identifying negative hormone and/or antagonist activities
JP2002530331A (ja) * 1998-11-19 2002-09-17 ザ ユニバーシティ オブ ウエスタン オンタリオ 軟骨形成を促進するためのrarアンタゴニストの組成物および使用

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6010058909, Developmental Biology, 19990415, Vol.208, p.375−391 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007514773A (ja) * 2003-12-17 2007-06-07 アラーガン インコーポレイテッド 選択的シトクロムp450rai−1または選択的シトクロムp450rai−2阻害活性を有する化合物およびそれを得る方法
JP2007518719A (ja) * 2003-12-26 2007-07-12 アラーガン インコーポレイテッド RARγレチノイド受容体アンタゴニスト活性を有する二置換カルコンオキシム
JP2007517037A (ja) * 2003-12-30 2007-06-28 アラーガン インコーポレイテッド RARγレチノイド受容体の選択的アゴニストとしての二置換カルコンオキシム

Also Published As

Publication number Publication date
AU784189B2 (en) 2006-02-16
CA2394210A1 (en) 2001-06-21
US6313168B1 (en) 2001-11-06
AU2259301A (en) 2001-06-25
ATE435010T1 (de) 2009-07-15
WO2001043732A3 (en) 2002-03-21
EP1248602B1 (en) 2009-07-01
EP1645271A1 (en) 2006-04-12
EP1248602A2 (en) 2002-10-16
JP4808887B2 (ja) 2011-11-02
WO2001043732A2 (en) 2001-06-21
DE60042496D1 (de) 2009-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4808887B2 (ja) 軟骨と骨の病状の処置におけるレチノイド受容体アンタゴニストの使用
AU2006233216A1 (en) Use of retinoid receptor antagonists or agonists in the treatment of cartilage and bone pathologies
JP4808895B2 (ja) 細胞増殖の小型有機分子レギュレーター
JP4563028B2 (ja) 有機的小分子である細胞増殖の調整剤
Price et al. Exploring the mechanisms regulating regeneration of deer antlers
JP4478226B2 (ja) 中枢カンナビノイドレセプターcb1の既知の作用薬の利用
US7608281B2 (en) Composition and use of RAR antagonists for promoting chondrogenesis
JP2001506635A (ja) 骨の成長を刺激する組成物および方法
Underhill et al. Retinoids and their receptors in skeletal development
AU2001255488A1 (en) Use of retinoid receptor antagonists or agonists in the treatment of cartilage and bone pathologies
CN114763347B (zh) 一类用于诱导间充质干细胞向软骨分化的化合物及其应用
JP2001503446A (ja) 骨欠乏状態を治療するためのピペラジン誘導体
US20110021560A1 (en) Compositions And Methods For Regulating Chondrocyte Proliferation In Bone Disorders
LAUDER JULIAN RD MOISEIWITSCH, H. WAYNE LAMBERT and JEAN M. LAUDER

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101026

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110126

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110202

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110228

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110307

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110328

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110719

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110818

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140826

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees