JP4808332B2 - 高分子分散液の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアニオン性高分子分散液の製造方法に関するものであり、詳しくは(メタ)アクリル酸および/またその塩を含有する水溶性単量体(混合物)を塩水溶液中で該塩水溶液中に溶解する高分子分散剤を共存させ、重合を開始させた後、該水溶性単量体(混合物)を追加供給する分散重合法において、該追加供給する水溶性単量体(混合物)中にも前記高分子分散剤と塩を含有させることにより、安定で流動性の良いアニオン性高分子分散液を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩水溶液中でイオン性高分子分散剤を共存させ、カチオン性水溶性高分子からなる分散液を製造する方法は、種々の特許が開示されている。例えば、特公平2−38131号公報は、単量体が塩水溶液に可溶で重合した高分子が不溶である分散液を製造するに際し、塩水溶液中に可溶なカチオン性高分子を分散剤として共存させる方法を開示している。又、特公平4−39481号公報は、アニオン性又はカチオン性水溶性高分子からなる分散液を製造する場合、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、グリセリンあるいはポリエチレングリコ−ルのような多価を共存させる方法である。さらに特公平6−72170号公報では、アニオン性又はカチオン性水溶性高分子からなる分散液を製造する場合、共存させるイオン性高分子分散剤が塩水溶液中に可溶なアニオン性あるいはカチオン性高分子からなることを開示している。これら高分子分散液を製造する方法は、使用する塩水溶液を構成する塩は重合開始時、全てし込み単量体とともに溶解し共存させ、単量体も開始時全量仕込まれる。
【0003】
一方塩水溶液の分散重合法は、重合開始時においては均一系であり、重合率が増加するに従い塩水溶液中に飽和した生成高分子が析出してくる機構で重合が進行するため、生成高分子の析出直前は過飽和状態となり重合系の粘性が非常に増大する。また、単量体濃度が高ければそれだけ単位時間あたりの発熱が大きくなり、冷却が困難になる。そのため開始時の単量体濃度は、自ずと限られた範囲となる。特にアクリル酸単独重合やアクリル酸/アクリルアミド共重合系では、単量体の分子量が小さく、同じ重量濃度ならモル濃度が高くなりカチオン性の(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重合濃度に較べると、可能な重合濃度はかなり低下する。
【0004】
このような状況の解決法として、単量体を分割して供給する方法が考えられる。しかしこの方法で考慮しなければならない問題として、重合系におけるイオン性高分子分散剤濃度と塩水溶液濃度である。単量体を重合開始後追加供給していくため、重合開始前に全て前記ニ物質を仕込んだ場合、単量体を追加供給していくと塩とイオン性高分子分散剤が希釈され、場合によっては生成重合体が塩析されず分散系の破壊が起きる。析出粒子の分散を助けるイオン性高分子分散剤の働きも同様に低下してくる。そのため、重合開始時点および重合中の塩とイオン性高分子分散剤の濃度をどのようにコントロ−ルしてゆくかが、単量体追加供給処方の重要な検討課題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記種々問題を検討し、塩水溶液中でイオン性高分子分散剤を共存させ、(メタ)アクリル酸を含有する水溶性単量体(混合物)を分散重合法により(共)重合する場合、20重量%前後が限度であった最終製品濃度をそれ以上の高濃度の最終製品濃度で得ることができ、また安定で流動性の良い高分子分散液を製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、重合中の高分子分散剤と塩濃度を調節することにより上記課題が解決できることがわかり本発明に達した。すなわち請求項1の発明は、(メタ)アクリル酸及び/またはその塩を含有する水溶性単量体(混合物)を塩水溶液中で該塩水溶液中に溶解する高分子分散剤を共存させ、重合を開始させた後、該水溶性単量体(混合物)を追加供給する分散重合法において、該追加供給する水溶性単量体(混合物)中にも前記高分子分散剤と塩を含有させることを特徴とする高分子分散液の製造方法である。
【0007】
請求項2の発明は、(メタ)アクリル酸及び/またはその塩を含有する水溶性単量体(混合物)が、(メタ)アクリル酸5〜100モル%、アクリルアミド0〜95モル%、他の共重合可能な単量体0〜30モル%からなることを特徴とする請求項1に記載の高分子分散液の製造方法である。
【0008】
請求項3の発明は、(メタ)アクリル酸及び/またはその塩を含有する水溶性単量体(混合物)を重合開始後も追加供給して製造するする場合、該水溶性単量体(混合物)の追加部分を連続的に重合系に供給することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の高分子分散液の製造方法である。
【0009】
請求項4の発明は、(メタ)アクリル酸及び/またはその塩を含有する水溶性単量体(混合物)を重合開始後も追加供給して製造するする場合、該水溶性単量体(混合物)の追加部分を2回以上に分割して重合系に供給することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の高分子分散液の製造方法である。
【0010】
請求項5の発明は、前記高分子分散剤がアニオン性であることを特徴とする請求項1に記載の高分子分散液の製造方法である。
【0011】
請求項6の発明は、前記高分子分散剤がカチオン性であることを特徴とする請求項1に記載の高分子分散液の製造方法である。
【0012】
請求項7の発明は、前記高分子分散剤のイオン当量が1.5〜15meq/gであることを特徴とする請求項1、5あるいは6のいずれかに記載の高分子分散液の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の高分子分散液は、(メタ)アクリル酸及び/またはその塩を含有する水溶性単量体を、塩水溶液中で該塩水溶液中に溶解する高分子からなる分散剤共存下で分散重合法により製造することができる。以下、具体的に重合法について述べる。まず(メタ)アクリル酸及び/またはその塩を含有する水溶性単量体を全使用量の1/3〜4/5を反応器内にし込んでおく。この場合、塩水溶液を構成する無機塩、分散剤も同時にし込んでおく。この時、単量体の仕込み濃度としては、約15〜25重量%であるが、温度上昇など重合反応が制御しやすい濃度とする。また、溶媒として使用する塩水溶液の濃度は全し込み量に対して20〜30重量%であり、高分子からなる分散剤の濃度としては、対単量体1.5〜5重量%である。その後、窒素置換をし、開始剤を添加し重合を開始する。重合開始後、一定時間経過してから追加の単量体(混合物)を添加する。
【0014】
この場合、追加の単量体(混合物)を連続的に供給する方法と単量体(混合物)を二回以上に分割して供給する方法がある。まず分割して供給する場合について述べる。この供給の間隔として基本的には、開始時し込んだ単量体がほぼ重合して重合による発熱がなくなった時点であるが、実際には生産性などを考慮して適切なタイミングで供給する。また、分割回数も重合反応が制御可能ならば二回で実施し、それが不可能なら生産性、操作性など考慮して三回から数回に分割して供給する。この時、追加供給する単量体中にも分散剤を添加する。塩濃度や分散剤濃度は、種々の場合が考えられるが基本的には、分散重合が良好に進行するよう行う。即ち、分散剤については、重合中、分散剤濃度を開始時点から終了まで一定にするか、開始時点から終了に向かって徐々に濃度上昇させるか、濃度低下させても問題がなければ、低下するように追加供給する単量体中に配合する。塩濃度については、重合中、塩濃度を開始時点から終了まで一定にするか、開始時点から終了に向かって徐々に濃度上昇させるなどの場合がある。これらの場合に合わせて単量体中に塩を配合し追加供給する。
【0015】
また、連続的に供給する場合も考え方は、基本的に分割的に添加する場合と同様である。どのくらいの速度で連続的に供給すれば重合反応が制御可能なのかを実際に実験してみて決定する。この時、分散重合が良好に進行するよう追加供給する単量体中に分散剤や塩を配合する。
【0016】
重合濃度としては、約20重量%〜50重量%の範囲であり、好ましくは20〜35重量%である。但し、ここでいう重合濃度は、全単量体の供給が完了したときの濃度である。重合濃度は高いほうが生産性や輸送性は良いが、重合濃度が高過ぎると安定な分散状態のものが得られなくなり上記の範囲となる。開始時の単量体濃度は15〜25%であり、これに単量体を追加供給して濃度を上げ、最終的に20〜50重量%にする。
【0017】
本発明の高分子分散液は、(メタ)アクリル酸を含有する水溶性単量体を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子からなる分散剤共存下で分散重合法により製造することができる。使用する酸の単量体としては、メタクリル酸とアクリル酸である。さらにこの高分子微粒子からなる分散液は、他の非イオン性の単量体との共重合体でも良い。例えば(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどがあげられ、これら一種または二種以上との共重合が可能である。最も好ましい組み合わせとしては、アクリル酸とアクリルアミドである。
【0018】
使用する高分子分散剤としては、イオン性あるいは非イオン性とも使用可能であるが、好ましくはイオン性である。まずカチオン性高分子としては、カチオン性単量体である(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物などであるが、これらカチオン性単量体と非イオン性単量体との共重合体も使用可能である。非イオン性単量体の例としては、アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−トのなどであるが、アクリルアミドとの共重合体が好ましい。
【0019】
一方アニオン性分散としては、アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸(塩)やスチレンスルホン酸(塩)などのアニオン性単量体の(共)重合体も使用可能である。これらアニオン性単量体とカルボキシル基含有単量体、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などとの共重合体も使用可能である。さらに非イオン性の単量体であるアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−トのなどとの共重合体も使用可能である。さらに無水マレイン酸/ブテン共重合物の部分アミド化物なども使用可能である。
【0020】
また、非イオン性高分子としては、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/ポリビニルカプロラクタム共重合体、アクリルアミド/スチレン共重合体、無水マレイン酸/ブテン共重合物の完全アミド化物などアミド基と若干の疎水性基を有する水溶性高分子が有効である。
【0021】
これらカチオン性あるいはアニオン性高分子分散剤の分子量としては、5、000から300万、好ましくは5万から200万である。また、非イオン性高分子分散剤の分子量としては、1,000〜10万であり、好ましくは1,000〜5万である。これら非イオン性あるいはイオン性高分子分散剤の単量体に対する添加量は、単量体に対して1/100〜1/10であり、好ましくは2/100〜8/100である。
【0022】
塩水溶液を構成する無機塩としては、ハロゲン化アルカリ金属のような一価アニオン塩よりも硫酸塩や燐酸塩のような多価アニオン塩が好ましい。使用する塩として、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、燐酸一水素ナトリウム、燐酸ニ水素ナトリウムなどが上げられる。また、前記ハロゲン化アルカリ金属のような一価アニオン塩は、多価アニオン塩と組み合わせて使用すると効果を発揮する。これら無機塩類の重合系における濃度は、5重量%から飽和濃度の範囲である。
【0023】
重合条件は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜決めていき、温度としては0〜100℃の範囲で行う。重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちらでも良く、アゾ系,過酸化物系、レドックス系いずれでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)、4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチル)バレロニトリルなどがあげられ、水混溶性溶剤に溶解し添加する。
【0024】
水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられる。またレドックス系の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどとの組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、過酸化水素,ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t-ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエ−トなどをあげることができる。これら開始剤の中で最も好ましいのは、レドックス系開始剤であり、ペルオクソ二硫酸アンモニウムやペルオクソ二硫酸カリウムと亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素ナトリウムとの組合せである。
【0025】
本発明の高分子分散液を構成する重合体は、適宜カチオン性の単量体を共重合して改質し、種々の目的に合った重合体を合成することもできる。例えば、三級アミノ基や四級アンモニウム基含有単量体とも共重合可能である。三級アミノ含有単量体の例として、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが上げられる。また、四級アンモニウム基含有単量体の例としては、前記三級アミノ含有単量体の塩化メチルや塩化ベンジルによる四級化物である(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物などがあげられる。更にジメチルジアリルアンモニウム塩化物も共重合可能である。基本的には分散液を構成する重合体はアニオン性であるので、これら単量体の共重合比率としては、1モル%より多く、50モル%以下であり、好ましくは5〜30モル%である。
【0026】
また、N,N−メチレンビスアクリルアミドやエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−トなどの多官能性単量体、あるいはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドやN,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなど熱架橋性単量体を共重合して架橋や分岐した重合体を合成し、改質することも可能である。
【0027】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0028】
【実施例1】
(追加単量体の分割供給による重合)温度計、攪拌機、窒素導入管、ペリスタポンプ(SMP−21型、東京理化器械製)に接続した単量体供給管およびコンデンサ−を備えた500mLの4ツ口フラスコ内に分散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合体(以下p−DMQと略記)の20%水溶液(20%水溶液粘度9300mPa・s)22.5g(対単量体3%)、アクリルアミド水溶液%、104.4g(商品名:アクリルアマイド、日東化学製、50%品)、アクリル酸水溶液28.4g(大阪有機性、80%水溶液)、イオン交換水40.0g、硫酸アンモニウム125.3gをそれぞれしこみ各原料を完全に溶解させた。反応器内の温度を31±1℃に保ち、30分間窒素置換をした後、開始剤としてペルオクソニ硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウムの0.1%水溶液をそれぞれ2.25g(対単量体0.03%)を添加し重合を開始させた。反応器内の温度を33±1℃に保って反応を継続させた。別に前記アクリルアミド104.4g、アクリル酸28.4g、イオン交換水23.5g、硫酸アンモニウム5.5g、分散剤22.5gを混合した溶液174.0gを調製した。開始後、2.5時間この溶液43.5gを添加した。その後、40分間隔で同量の単量体溶液を添加した。最初の重合開始から4.5時間後、前記開始剤をそれぞれ2.6g(対単量体0.035%)追加し、さらに反応を10時間継続させ、重合を終了させた。前単量体添加後のアクリルアミドとアクリル酸のモル比は70:30であり、重合終了後の分散液中の重合体濃度は30重量%である)。重合後、分散液の粘度と静的光散乱法による分子量測定装置(大塚電子製、DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。この重合物を試験品−1とし、結果を表1に示す。
【0029】
【実施例2】
(追加単量体の分割供給による重合)温度計、攪拌機、窒素導入管、ペリスタポンプ(SMP−21型、東京理化器械製)に接続した単量体供給管およびコンデンサ−を備えた500mLの4ツ口フラスコ内に分散剤として2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸単独重合体の20%水溶液(20%水溶液粘度5、500mPa・s)9.4g(対単量体2.5%)、アクリルアミド水溶液%、74.6g(商品名:アクリルアマイド、日東化学製、50%品)、アクリル酸水溶液47.3g(大阪有機性、80%水溶液)、イオン交換水82.2g、硫酸アンモニウム105gをそれぞれしこみ各原料を完全に溶解させた(しこみ時の単量体濃度は23%である)。反応器内の温度を31±1℃に保ち、30分間窒素置換をした後、開始剤としてペルオクソニ硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウムの0.1%水溶液をそれぞれ2.25g(対単量体0.03%)を添加し重合を開始させた。反応器内の温度を33±1℃に保って反応を継続させた。別に前記アクリルアミド74.6g、アクリル酸47.3g、イオン交換水30.8g、硫酸アンモニウム7.0g、分散剤9.4gを混合した溶液174.0gを調製した。開始後、2.5時間この溶液43.5gを添加した。その後、40分間隔で同量の単量体溶液を添加した。最初の重合開始から4.5時間後、前記開始剤をそれぞれ2.6g(対単量体0.035%)追加し、さらに反応を10時間継続させ、重合を終了させた。前単量体添加後のアクリルアミドとアクリル酸のモル比は50:50であり、重合終了後の分散液中重合体濃度は30重量%である。重合後、分散液の粘度と静的光散乱法による分子量測定装置(大塚電子製、DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。この重合物を試験品−2とし、結果を表1に示す。
【0030】
【実施例3】
(追加単量体の分割供給による重合)温度計、攪拌機、窒素導入管、ペリスタポンプ(SMP−21型、東京理化器械製)に接続した単量体供給管およびコンデンサ−を備えた500mLの4ツ口フラスコ内に分散剤としてp−DMQの20%水溶液(20%水溶液粘度9300mPa・s)24.8g(対単量体3.3%)、アクリルアミド水溶液%、134.8g(商品名:アクリルアマイド、日東化学製、50%品)、アクリル酸水溶液9.4g(大阪有機性、80%水溶液)、イオン交換水61.0g、硫酸アンモニウム130gをそれぞれしこみ各原料を完全に溶解させた(しこみ時単量体濃度は、20.0重量%)。反応器内の温度を31±1℃に保ち、30分間窒素置換をした後、開始剤としてペルオクソニ硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウムの0.1%水溶液をそれぞれ2.6g(対単量体0.035%)を添加し重合を開始させた。反応器内の温度を33±1℃に保って反応を継続させた。別に前記アクリルアミド134.8g、アクリル酸9.4g、硫酸アンモニウム7.0g、分散剤24.8gを混合した溶液179.5gを調製した。開始後、2.5時間この溶液44.9gを添加した。その後、40分間隔で同量の単量体溶液を添加した。最初の重合開始から4.5時間後、前記開始剤をそれぞれ2.6g(対単量体0.035%)追加し、さらに反応を10時間継続させ、重合を終了させた。前単量体添加後のアクリルアミドとアクリル酸のモル比は90:10であり、重合終了後の分散液中重合体濃度は26.8重量%である。重合後、分散液の粘度と静的光散乱法による分子量測定装置(大塚電子製、DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。この重合物を試験品−3とし、結果を表1に示す。
【0031】
【実施例4】
(追加単量体の連続供給による重合)温度計、攪拌機、窒素導入管、ペリスタポンプ(SMP−21型、東京理化器械製)に接続した単量体供給管およびコンデンサ−を備えた500mLの4ツ口フラスコ内に分散剤としてp−DMQの20%水溶液(20%水溶液粘度9300mPa・s)22.5g(対単量体3%)、アクリルアミド水溶液%、104.4g(商品名:アクリルアマイド、日東化学製、50%品)、アクリル酸水溶液28.4g(大阪有機性、80%水溶液)、イオン交換水40.0g、硫酸アンモニウム125.3gをそれぞれしこみ各原料を完全に溶解させた。反応器内の温度を31±1℃に保ち、30分間窒素置換をした後、開始剤としてペルオクソニ硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウムの0.1%水溶液をそれぞれ3.0g(対単量体0.04%)を添加し重合を開始させた。反応器内の温度を33±1℃に保って反応を継続させた。別に前記アクリルアミド104.4g、アクリル酸28.4g、イオン交換水23.5g、硫酸アンモニウム5.5g、分散剤22.5gを混合した溶液174.0gを調製した。開始後、2.5時間この溶液を1分間に1.2gで2.5時間かけ添加した。最初の重合開始から4.5時間後、前記開始剤をそれぞれ2.6g(対単量体0.035%)追加し、さらに反応を10時間継続させ、重合を終了させた。前単量体添加後のアクリルアミドとアクリル酸のモル比は70:30であり、重合終了後の分散液中の重合体濃度は30重量%である。重合後、分散液の粘度と静的光散乱法による分子量測定装置(大塚電子製、DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。この重合物を試験品−4とし、結果を表1に示す。
【0032】
【実施例5】
(追加単量体の連続供給による重合)温度計、攪拌機、窒素導入管、ペリスタポンプ(SMP−21型、東京理化器械製)に接続した単量体供給管およびコンデンサ−を備えた500mLの4ツ口フラスコ内に分散剤としてp−DMQの20%水溶液(20%水溶液粘度9300mPa・s)24.8g(対単量体3.3%)、アクリルアミド水溶液%、134.8g(商品名:アクリルアマイド、日東化学製、50%品)、アクリル酸水溶液9.4g(大阪有機性、80%水溶液)、イオン交換水61.0g、硫酸アンモニウム130gをそれぞれしこみ各原料を完全に溶解させた(しこみ時単量体濃度は、20.0重量%)。反応器内の温度を31±1℃に保ち、30分間窒素置換をした後、開始剤としてペルオクソニ硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウムの0.1%水溶液をそれぞれ2.6g(対単量体0.035%)を添加し重合を開始させた。反応器内の温度を33±1℃に保って反応を継続させた。別に前記アクリルアミド134.8g、アクリル酸9.4g、硫酸アンモニウム7.0g、分散剤24.8gを混合した溶液179.5gを調製した。開始後、2.5時間この溶液を1分間に1.0gで3時間かけ添加した。最初の重合開始から5時間後、前記開始剤をそれぞれ2.6g(対単量体0.035%)追加し、さらに反応を10時間継続させ、重合を終了させた。前単量体添加後のアクリルアミドとアクリル酸のモル比は90:10であり、重合終了後の分散液中重合体濃度は26.8重量%である。重合後、分散液の粘度と静的光散乱法による分子量測定装置(大塚電子製、DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。この重合物を試験品−5とし、結果を表1に示す。
【0033】
【実施例6】
(追加単量体の分割供給による重合)温度計、攪拌機、窒素導入管、ペリスタポンプ(SMP−21型、東京理化器械製)に接続した単量体供給管およびコンデンサ−を備えた500mLの4ツ口フラスコ内に分散剤としてポリビニルピロリドン(分子量10,000)の25重量%水溶液22.5g(対単量体7.5%)、アクリルアミド水溶液%、104.4g(商品名:アクリルアマイド、日東化学製、50%品)、アクリル酸水溶液28.4g(大阪有機性、80%水溶液)、イオン交換水40.0g、硫酸アンモニウム125.3gをそれぞれしこみ各原料を完全に溶解させた。反応器内の温度を31±1℃に保ち、30分間窒素置換をした後、開始剤としてペルオクソニ硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウムの0.1%水溶液をそれぞれ2.25g(対単量体0.03%)を添加し重合を開始させた。反応器内の温度を33±1℃に保って反応を継続させた。別に前記アクリルアミド104.4g、アクリル酸28.4g、イオン交換水23.5g、硫酸アンモニウム5.5g、分散剤22.5gを混合した溶液174.0gを調製した。開始後、2.5時間この溶液43.5gを添加した。その後、40分間隔で同量の単量体溶液を添加した。最初の重合開始から4.5時間後、前記開始剤をそれぞれ2.6g(対単量体0.035%)追加し、さらに反応を10時間継続させ、重合を終了させた。前単量体添加後のアクリルアミドとアクリル酸のモル比は70:30であり、重合終了後の分散液中の重合体濃度は30重量%である)。重合後、分散液の粘度と静的光散乱法による分子量測定装置(大塚電子製、DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。この重合物を試験品−6とし、結果を表1に示す。
【0034】
【比較例1】
(追加単量体に分散剤及び塩を添加しない分割供給による重合)温度計、攪拌機、窒素導入管、ペリスタポンプ(SMP−21型、東京理化器械製)に接続した単量体供給管およびコンデンサ−を備えた500mLの4ツ口フラスコ内に分散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合体(以下p−DMQと略記)の20%水溶液(20%水溶液粘度9300mPa・s)22.5g(対単量体3%)、アクリルアミド水溶液%、104.4g(商品名:アクリルアマイド、日東化学製、50%品)、アクリル酸水溶液28.4g(大阪有機性、80%水溶液)、イオン交換水40.0g、硫酸アンモニウム125.3gをそれぞれしこみ各原料を完全に溶解させた。反応器内の温度を31±1℃に保ち、30分間窒素置換をした後、開始剤としてペルオクソニ硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウムの0.1%水溶液をそれぞれ2.25g(対単量体0.03%)を添加し重合を開始させた。反応器内の温度を33±1℃に保って反応を継続させた。別に前記アクリルアミド104.4g、アクリル酸28.4g、イオン交換水23.5gを混合した溶液156.3gを調製した。開始後、2.5時間この溶液43.5gを添加した。さらに40分の後、同量の単量体溶液を添加した。2回目の追加から20分後、反応液は大きな粘度上昇を示し、全体が固化した状態になった。
【0035】
【比較例2】
(追加単量体に分散剤及び塩を添加しない分割供給による重合)温度計、攪拌機、窒素導入管、ペリスタポンプ(SMP−21型、東京理化器械製)に接続した単量体供給管およびコンデンサ−を備えた500mLの4ツ口フラスコ内に分散剤としてp−DMQの20%水溶液(20%水溶液粘度9300mPa・s)24.8g(対単量体3.3%)、アクリルアミド水溶液%、134.8g(商品名:アクリルアマイド、日東化学製、50%品)、アクリル酸水溶液9.4g(大阪有機性、80%水溶液)、イオン交換水61.0g、硫酸アンモニウム130gをそれぞれしこみ各原料を完全に溶解させた(しこみ時単量体濃度は、20.0重量%)。反応器内の温度を31±1℃に保ち、30分間窒素置換をした後、開始剤としてペルオクソニ硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウムの0.1%水溶液をそれぞれ2.6g(対単量体0.035%)を添加し重合を開始させた。反応器内の温度を33±1℃に保って反応を継続させた。別に前記アクリルアミド134.8g、アクリル酸9.4gを混合した溶液144.2gを調製した。開始後、2.5時間この溶液44.9gを添加した。一回目の追加供給から35分g後、反応溶液は大きな粘度の上昇を示し、攪拌シャフトに液が巻きつたので実験を中止した。
【0036】
【比較例3】
(追加単量体に分散剤及び塩を添加しない連続供給による重合)温度計、攪拌機、窒素導入管、ペリスタポンプ(SMP−21型、東京理化器械製)に接続した単量体供給管およびコンデンサ−を備えた500mLの4ツ口フラスコ内に分散剤としてp−DMQの20%水溶液(20%水溶液粘度9300mPa・s)22.5g(対単量体3%)、アクリルアミド水溶液%、104.4g(商品名:アクリルアマイド、日東化学製、50%品)、アクリル酸水溶液28.4g(大阪有機性、80%水溶液)、イオン交換水40.0g、硫酸アンモニウム125.3gをそれぞれしこみ各原料を完全に溶解させた。反応器内の温度を31±1℃に保ち、30分間窒素置換をした後、開始剤としてペルオクソニ硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウムの0.1%水溶液をそれぞれ2.6g(対単量体0.035%)を添加し重合を開始させた。反応器内の温度を33±1℃に保って反応を継続させた。別に前記アクリルアミド104.4g、アクリル酸28.4g、イオン交換水23.5gを混合した溶液156.3gを調製した。開始後、3時間この溶液を1分間に1.2gで添加した。追加開始から1時間45分後、反応溶液は大きな粘度上昇を示し、そのまま固化した。
【0037】
【表1】
AC:アクリル酸、AAM:アクリルアミド、分散液粘度:mPa・s、分子量:万

Claims (7)

  1. (メタ)アクリル酸及び/またはその塩を含有する水溶性単量体(混合物)を塩水溶液中で該塩水溶液中に溶解する高分子分散剤を共存させ、重合を開始させた後、該水溶性単量体(混合物)を追加供給する分散重合法において、該追加供給する水溶性単量体(混合物)中にも前記高分子分散剤と塩を含有させることを特徴とする高分子分散液の製造方法。
  2. (メタ)アクリル酸及び/またはその塩を含有する水溶性単量体(混合物)が、(メタ)アクリル酸5〜100モル%、アクリルアミド0〜95モル%、他の共重合可能な単量体0〜30モル%からなることを特徴とする請求項1に記載の高分子分散液の製造方法。
  3. (メタ)アクリル酸及び/またはその塩を含有する水溶性単量体(混合物)を重合開始後も追加供給して製造する場合、該水溶性単量体(混合物)の追加部分を連続的に重合系に供給することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の高分子分散液の製造方法。
  4. (メタ)アクリル酸及び/またはその塩を含有する水溶性単量体(混合物)を重合開始後も追加供給して製造する場合、該水溶性単量体(混合物)の追加部分を2回以上に分割して重合系に供給することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の高分子分散液の製造方法。
  5. 前記高分子分散剤がアニオン性であることを特徴とする請求項1に記載の高分子分散液の製造方法。
  6. 前記高分子分散剤がカチオン性であることを特徴とする請求項1に記載の高分子分散液の製造方法。
  7. 前記高分子分散剤のイオン当量が1.5〜15meq/gであることを特徴とする請求項1、5あるいは6のいずれかに記載の高分子分散液の製造方法。
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