JP4808074B2 - 表面粗化セラミックグリーンシートの製造方法 - Google Patents

表面粗化セラミックグリーンシートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面が粗化されたセラミックグリーンシートを製造するための方法、当該方法により製造されたセラミックグリーンシートを焼結したセラミックシートに関するものである。特に、セラミックとしてジルコニアを用いた表面粗化ジルコニアグリーンシートの製造方法、並びに当該方法で製造されたジルコニアグリーンシートを焼結したジルコニアシート、および当該ジルコニアシートを電解質膜とする固体酸化物形燃料電池に関する。
セラミックシート等のセラミック成形体は、タイル、レンガ、壁材などの建材や断熱材、棚板やセッター等の焼成用治具の他、近年では燃料電池の電解質膜やセパレータとしても利用されている。特に、燃料電池はクリーンなエネルギー源として注目されており、その用途は家庭用発電から業務用発電、更には自動車用発電などを主体にして急速に改良研究や実用化研究が進められている。かかる燃料電池の中でも固体酸化物形燃料電池は、効率が高く長期安定性にも優れるものとして、家庭用や業務用の電力源として期待されている。
この固体酸化物形燃料電池においては、電解質膜としてセラミックシートが用いられている。セラミックスは、耐熱性などの機械的性質に加え、電気的特性や磁気的特性に優れることによる。中でもジルコニアを主体とするセラミックシートは、優れた酸素イオン伝導性や、耐熱性、耐食性、靭性などを有することから、固体酸化物形燃料電池の電解質膜としては、主にジルコニアシートが採用されている。
燃料電池の固体電解質膜では、電池反応の有効面積を増大させて発電性能を高めるべく、電極との接触面積を大きくすることが求められる。また、発電中において固体電解質膜と電極層が剥離することによる発電効率の低下を防ぐ必要がある。そこで、固体電解質膜の表面に適度の凸凹を設けて粗化する技術が開発されている。
例えば特許文献1には、固体電解質グリーンシートと電極グリーンシートとの間に電解質粒を存在せしめた上で圧着する工程等を含む固体電解質型燃料電池の製造方法が記載されている。しかし、当該方法によれば確かに固体電解質膜と電極との接触面積は大きくなるかもしれないが、単に電解質粒を付着したのみでは電解質膜と電極との密着性を高めることはできず、発電中に電極が剥離して安定的な発電が継続できなくなるおそれがある。
また、当該特許文献には、固体電解質グリーンシートと電極グリーンシートを重ねたものに、上下にプラスチックフィルムを介して、#100の粗いサンドペーパーをさらに重ねた上で圧着することにより、固体電解質と電極との接合面も凸凹になるとされている。しかし、当該方法により得られる接合面の凸凹形状は全く十分なものではなく、電解質膜と電極との密着性を高めるには至らない。
上記技術に対して、本発明者らは、電極を高い密着度で強力に接合することができ、発電性能に優れる燃料電池セルが得られる固体酸化物形燃料電池用の電解質シートとして、Rz、RaおよびRmaxを規定したものを開発している(特許文献2を参照)。かかる電解質シートは、粒度構成が規定されたスラリーを、塗工面のRzとRaが規定された高分子フィルム上に塗布してグリーンシートとした後、焼成することにより製造される。この方法によれば、高分子フィルムの粗面がグリーンシートに転写されることになる。
特開平7−73890号公報(請求項3〜5、段落[0014]) 国際公開第WO2004/034492号パンフレット
上述した様に、固体酸化物形燃料電池において固体電解質膜の表面を粗化することにより発電効率を高めたり安定的な発電を図る技術は知られており、上記特許文献2の技術に係る電解質シートを用いた固体酸化物形燃料電池は、発電性能に優れることも実証されている。
しかし特許文献2の技術では、グリーンシート表面のうち高分子フィルムに接する側はフィルムの粗面が転写されるものの、反対側表面の粗度は粒子構成により決定されるため、その粗度の調節が難しいという問題があった。
そこで、本発明が解決すべき課題は、表面が粗化されたセラミックグリーンシートを簡便かつ効率的に製造できる方法であって、しかもその表面粗度を容易に調節できる方法を提供することにある。また、本発明は、当該方法で製造されたジルコニアグリーンシートを焼結したジルコニアシート、および当該ジルコニアシートを電解質膜とする固体酸化物形燃料電池を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、原料スラリーや原料混練物を成形して乾燥したセラミックグリーンシートを、表面が粗化された表面粗化用シートに挟んで加圧処理すれば、非常に簡便にセラミックグリーンシート表面を粗化することができ、その粗度の調節も簡便に行える上に、量産化も容易であることを見出して本発明を完成した。
即ち、本発明に係る表面粗化セラミックグリーンシートの製造方法は、生セラミックグリーンシートを、表面が粗化された表面粗化用シートに挟んで加圧処理する工程を含むことを特徴とする。
なお、本発明でいう「生セラミックグリーンシート」とは、テープ成形された加圧処理前のグリーンシートをいい、「表面粗化セラミックグリーンシート」とは、加圧処理により表面が粗化されたグリーンシートをいう。また、「表面粗化用シート」とは、加圧処理時に生セラミックグリーンシートを間に挟むことによって、生セラミックグリーンシートにその表面粗さを転写するために使用するシートのことをいう。
本発明方法で製造すべき表面粗化セラミックグリーンシートのRaとしては、0.5〜3μmが好適である。0.5μm以上であれば、燃料電池の電解質膜として使用する場合には十分に良好な電極層との密着性が発揮されると共に、焼成用セッターとして使用する場合には被焼成物との密着による固相反応が抑制される。また、3μmであれば最終的に得られるセラミックシートの強度も十分に担保できる。
また、加圧処理に用いる上記表面粗化用シートとしては、そのRaが3〜30μmのものや、その厚さが0.1〜10mmのものが好適である。本発明においては、原料スラリーを粗化シート上に塗布するのではなく、乾燥したセラミックグリーンシートを表面粗化用シート間に挟んで加圧処理するため、処理後におけるセラミックグリーンシートの粗度は粗化シートの粗度よりも低くなる。よって、Raが3〜30μmの表面粗化用シートを用いれば、好適な粗度を有するセラミックグリーンシートが得られ易くなる。また、シート厚さが0.1mm以上であれば、加圧処理後においても表面粗化用シートから剥離し易い。一方、厚過ぎてもかえって剥離し難くなるので、10mm以下が適当である。
上記加圧処理におけるプレス圧としては30〜500kgf/cm2が好ましく、合計加圧時間としては5〜600秒間が好ましい。かかる範囲内であれば、得られるセラミックグリーンシートの粗度を十分高めることができ、且つ粗度の頭打ちもなく、それぞれプレス圧または合計加圧時間に応じて得られるセラミックグリーンシートの粗度を調節し易くなる。
上記本発明方法は、生セラミックグリーンシートとしてジルコニアグリーンシートを用い、表面粗化ジルコニアグリーンシートを得るために用いることが好ましい。本発明方法により得られた表面粗化ジルコニアグリーンシートは、表面が適度に粗化されていることから、特に固体酸化物形燃料電池の電解質膜として有用である。
また、本発明のセラミックシートは、上記方法により製造された表面粗化セラミックグリーンシートを焼結して得られるものであって、そのRaが0.5〜3μmである。当該表面粗化セラミックグリーンシートとしては、表面粗化ジルコニアシートが好適であり、本発明の固体酸化物形燃料電池は、当該ジルコニアシートを電解質膜とするものである。
本発明の製造方法によれば、表面が適度に粗化されたセラミックグリーンシートを簡便かつ効率的に製造できる方法であって、しかもその表面粗度を容易に調節できる。よって、このセラミックグリーンシートを焼結したセラミックシートも同様の表面粗度を有している。かかる表面粗化セラミックシートの中でも、表面粗化ジルコニアシートを固体酸化物形燃料電池の電解質膜として利用すれば、電極との接触面積が大きいことから高い発電効率が得られ、また、電極との密着性が高いことから安定的な発電が可能になる。さらに、本発明の表面粗化セラミックシートを焼成用セッターとして利用すれば、被焼成物との接触面積が小さくなることから、高温で熱処理する際にセッターと被焼成物との固相反応の進行が抑制されて、安定した品質の焼成物が得られる。従って、本発明は、固体酸化物形燃料電池など、或いはアルミナ質やムライト質の焼成用セッターなどとして利用できるセラミックシート、およびその前駆体であるセラミックグリーンシートの優れた製造方法として、産業上極めて有用である。
本発明に係る表面粗化セラミックグリーンシートの製造方法は、生セラミックグリーンシートを、表面が粗化された表面粗化用シートに挟んで加圧処理する工程を含むことを特徴とする。以下、実際の実施の順番に従って、本発明方法を説明する。
(1)原料スラリーまたは原料混練物の調製
先ず、セラミック粒子、溶媒、バインダー、可塑剤等を混合し、原料スラリーまたは原料混練物を調製する。
原料とするセラミック粒子は常法により製造してもよいし、或いは市販のものを使用してもよい。また、セラミック粒子としては、粒子径が揃っているものが好適である。
本発明で用いるセラミック粒子の材料は、通常用いられるものであれば特に制限されないが、例えば酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化クロム等の金属酸化物;コージェライト、βスポンジューメン、チタン酸アルミニウム、ムライト、スピネル等の複合酸化物;炭化ケイ素等の金属炭化物;窒化アルミニウム、窒化ホウ素等の金属窒化物;酸化ニッケル、酸化鉄等の遷移金属酸化物;ランタンマンガネート、ランタンコバルタイト、ランタンクロマイト等のペロブスカイト構造酸化物を挙げることができ、これらから1種を選択するか、2種以上を混合して用いることができる。
特に、本発明の表面粗化セラミックグリーンシートを焼成した表面粗化セラミックシートを燃料電池の電解質膜として利用する場合には、セラミック粒子の材料として、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化イッテリビウム等で安定化されたジルコニア;イットリア、サマリア、ガドリア等でドープされたセリア;ランタンガレート、およびランタンガレートのランタンまたはガリウムの一部が、ストロンチウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、コバルト、鉄、ニッケル、銅などで置換されたランタンガレート型ペロブスカイト構造酸化物などを使用することができる。
さらに、本発明に係る表面粗化セラミックシートを燃料電池の電解質膜として利用する場合には、セラミック粒子の材料として、3〜10モル%の酸化イットリウムで安定化されたジルコニア、4〜12モル%の酸化スカンジウムで安定化されたジルコニア、4〜15モル%の酸化イッテルビウムで安定化されたジルコニアを用いることが好ましい。また、これらの安定化ジルコニアへ、アルミナ、シリカ、チタニア、セリアなどを焼結助剤として添加した材料も好適に用いることができる。
また、本発明に係る表面粗化セラミックシートを燃料電池のセパレータとして利用する場合には、導電性のセラミック材料が好適である。例えば、ランタンクロマイトや、ランタンクロマイトのランタンまたはクロムの一部が、ストロンチウム、カルシウム、ニッケル、コバルト、アルミニウム、マグネシウム、チタンなどで置換されたランタンクロマイトペロブスカイト構造酸化物を使用することができる。
原料スラリーまたは原料混練物に用いられるバインダーの種類にも格別の制限はなく、従来から知られた有機質のバインダーを適宜選択して使用することができる。有機質バインダーとしては、例えばエチレン系共重合体、スチレン系共重合体、アクリレート系およびメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、マレイン酸系共重合体、ビニルブチラール系樹脂、ビニルアセタール系樹脂、ビニルホルマール系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ワックス類、エチルセルロース等のセルロース類等が例示される。
これらの中でも、加圧処理時における表面粗化用シートの表面粗さ転写性と、200〜500℃での加熱工程における脱バインダー性に優れるものである必要があり、また、セラミックグリーンシートの成形性や打抜き加工性、強度、脱脂・焼結時の収縮率のバラツキ抑制等の点から、熱可塑性で、且つ数平均分子量が20,000〜250,000、より好ましくは50,000〜200,000の(メタ)アクリレート系共重合体が好ましいものとして推奨される。
セラミック粒子とバインダーの使用比率は、前者100質量部に対して後者5〜30質量部が好ましく、より好ましくは後者10〜20質量部の範囲である。バインダーの使用量が不足する場合は、セラミックグリーンシートの成形性が低下し、また、強度や柔軟性が不十分となる。逆に多過ぎる場合はスラリーの粘度調節が困難になるばかりでなく、脱脂・焼結時のバインダー成分の分解放出が多く且つ激しくなって収縮率のバラツキも大きくなり、寸法バラツキの小さなシートが得られ難くなり、また、バインダーが残留カーボンとして残留し易くなる。
使用される溶媒としては、水;メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類等が挙げられ、これらから適宜選択して使用する。これらの溶媒も単独で使用し得る他、2種以上を適宜混合して使用することができる。これら溶媒の使用量は、セラミックグリーンシート成形時におけるスラリーの粘度を加味して適当に調節するのがよく、好ましくはスラリー粘度が1〜50Pa・s、より好ましくは2〜20Pa・sの範囲となる様に調整するのがよい。
原料スラリーまたは原料混練物の調製に当たっては、セラミック原料粉末の解膠や分散を促進するため、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム等の高分子電解質;クエン酸、酒石酸等の有機酸;イソブチレンまたはスチレンと無水マレイン酸との共重合体およびそのアンモニウム塩あるいはアミン塩;ブタジエンと無水マレイン酸との共重合体およびそのアンモニウム塩等からなる分散剤;セラミックグリーンシートに柔軟性を付与するためのフタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル類;プロピレングリコール等のグリコール類やグリコールエーテル類からなる可塑剤など;さらには界面活性剤や消泡剤などを必要に応じて添加することができる。
原料スラリーまたは原料混練物は、上記成分を適量混合することにより調製する。その際、各粒子を細かくしたり粒子径を均一化するために、ボールミル等により粉砕しつつ混合してもよい。また、各成分の添加の順番は特に制限されず、従来方法に従えばよい。
(2)生セラミックグリーンシートの製造
次に、得られた原料スラリーまたは原料混練物を成形する。成形方法は特に制限されず、ドクターブレード法や押出成形法などの常法を用いて、適切な厚さのシートとする。その後、乾燥することにより生セラミックグリーンシートとする。乾燥条件は特に制限されず、例えば室温〜150℃の一定温度で乾燥してもよいし、50℃、80℃、120℃の様に順次連続的に昇温して加熱乾燥してもよい。
得られた生セラミックグリーンシートは、任意の方法で適当な大きさに打抜き若しくは切断加工してもよい。このグリーンシートの形状としては、円形、楕円形、角形、R(アール)を持った角形など何れでもよく、これらのシート内に同様の円形、楕円形、角形、Rを持った角形などの穴を1つもしくは2つ以上有するものであってもよい。また、シート厚も特に制限されるものではないが、例えば50〜1000μm程度とすることがきる。
なお、生セラミックシートの表面粗さは、使用するセラミック粉末や原料スラリー等の粒度分布に依存するが、ドクラーブレード法によるテープキャスティングの場合、一般的には、Raが0.01〜0.08μm、RZが0.05〜0.7μm、Rmaxが0.08〜0.9μmの範囲であり、押出成形法によるテープ成形では、一般的にRaが0.1〜0.4μm、RZが0.3〜5μm、Rmaxが0.5〜8μmの範囲である。
(3)セラミックグリーンシートの表面粗化
本発明では、上記生セラミックグリーンシートを、表面が粗化された表面粗化用シートに挟んで加圧処理する。この処理によって、セラミックグリーンシートの表面が適度に粗化される。また、セラミックグリーンシートの表面粗度は、当該加圧処理において、使用する表面粗化用シートの粗度、加圧時間、プレス圧などにより容易に調節できる。かかる粗度の調節は、原料スラリーに添加したバインダーに応じて、加圧時の温度を制御することによっても可能である。
本発明の加圧処理に用いる表面粗化用シートは、表面が適度に粗化されており、且つ加圧処理後にセラミックグリーンシートから十分に剥離できる程度の強度と柔軟性を有するものであれば特に制限されない。例えば、適度な粗度を有する紙、布、樹脂フィルムなどから適宜選択して使用できる。
紙としては、平滑度の高い塗工紙ではなく、非塗工紙;エンボス紙やクラフト紙などの特殊紙;濾紙などの和紙;ダンボール原紙、紙器用板紙、紙管原紙等の雑板紙など、約200g/m2以上の板紙;レザーロイド紙などの圧縮紙やラダーダクト;石膏ボードなどの圧縮ボード;などから、適度な表面粗度を有するものを選択して用いることができる。
樹脂フィルムとしては、例えばフッ素繊維紙、アラミド紙、ポリエステル紙、ポリイミドフィルムやそのプリプレグ、PETフィルムなどを、粗粒子コーティング、ブラスト加工、レーゼー加工により表面を粗化したものを使用できる。
布については、同様に適度な粗度、強度および柔軟性を有するものを用いればよいが、不織布では繊維がセラミックグリーンシートに付着するおそれがあるため、好適には長繊維からなる織布を用いる。具体的には、粗布、包袋やガーゼ、ウェス、ナイロンメッシュなどを用いることができる。その他、ガラス繊維紙、セラミック紙、ステンレス紙なども使用できる。
使用する表面粗化用シートの表面粗度の目安としては、Raで3〜30μm程度、Rzで5〜120μm程度、Rmaxで6〜180μm程度が好ましい。Raが3μm程度以上、Rzが5μm程度以上、Rmaxが6μm程度以上であれば、セラミックグリーンシートを適度に粗化し易い。一方、Raが30μm程度以下、Rzが120μm程度以下、Rmaxが180μm程度以下であれば、加圧処理後にセラミックグリーンシートから表面粗化用シートを剥離し易い。また、かかる範囲内の表面粗化用シートであれば、さらに加圧時間やプレス圧などを調節することにより、所望の表面粗度を有するセラミックグリーンシートを容易に得ることができる。なお、Ra、Rz、およびRmaxの好適は範囲は、Raが5〜20μm程度、Rzが8〜60μm程度、Rmaxが12〜80μm程度であり、さらに好ましくは、Raが6〜15μm程度、Rzが10〜40μm程度、Rmaxが15〜50μm程度である。表面粗化用シートの好適な表面粗度では、特にRaを好適な基準とすることができる。
本発明において表面粗度とは、1990年5月に改正されたドイツ規格「DIN−4768」の電気接触式粗さパラメータRa(算術的粗さ中間値)、Rz(平均化された粗さ深度)、Rmax(最大粗さ深度)の測定に準拠して測定した値をいい、測定器としては、シート表面に非接触状態で測定するレーザー光学式非接触三次元形状測定装置を使用するものとする。この装置は、780nmの半導体レーザー光源から可動対物レンズを通して試料面で直径1μmのフォーカスを結び、この時、正反射光は同じ光路を戻りビームスリッターを介して4つのフォトダイオード上に均等に結像されるため、凹凸のある測定試料面では変位して像に不均等が生じ、即座にこれを解消する信号が発せられ対物レンズの焦点が常に測定物表面に合うようにレンズが制御される時の移動量をライトバリア測定機構で検出することで、高精度な測定を行うことができる。その仕様は、スポット径1μm、分解能は測定レンジの0.01%(最高0.01μm)である。ドイツ規格「DIN−4768」では、電気接触式粗さパラメータによるRa、Rz、Rmaxの測定を規定しているが、本発明で定める前記Ra、Rz、Rmaxは、上記測定装置に付帯しているRa、Rz、Rmaxの測定法と、Ra、Rz、Rmax計算解析プログラムから「DIN−4768」に準拠して求めたものである。
なお、布などでは経糸と緯糸との織目の間に隙間があるためにRa等が測定できない場合があるが、その様な場合には、布を構成する繊維や目の粗さを参照して適当なものを選択し、さらに予備実験等により実際に用いるものを決定すればよい。
また、表面粗化用シートの厚さは、0.1〜10mm程度が好ましい。0.1mm以上であれば、加圧後における表面粗化用シートの剥離時に損傷することなく、剥離し易い。一方、表面粗化用シートが過剰に厚い場合もかえって剥離し難いため、10mm程度以下が好適である。より好ましくは、0.12〜5mm程度である。
本発明においては、生セラミックグリーンシートを上記表面粗化用シートの間に挟み、プレス機などにより加圧処理する。この際、表面粗化用シートの粗度の他、加圧時間、プレス圧、加圧時温度などにより調節することができる。即ち、プレス圧が高いほど、また、加圧時間が長いほど、グリーンシートの粗度を高めることができる。例えば、プレス圧を30〜500kgf/cm2、合計加圧時間を5〜600秒間とすることができる。
プレス圧が30kgf/cm2以上、合計加圧時間が5秒間以上であれば、生セラミックグリーンシートを十分に粗化することができる。また、プレス圧が500kgf/cm2以下、合計加圧時間が600秒間以下であればエネルギーや時間の無駄が少なく、加圧処理後に表面粗化用シートが剥離できないという問題が生じ難い。さらに、かかる範囲で加圧処理を行なえば、それぞれプレス圧または合計加圧時間に応じて得られるグリーンシートの粗度を調節し易くなるという利点もある。より好ましくは、プレス圧を50〜300kgf/cm2、合計加圧時間を20〜500秒間とすることができる。
また、加圧時温度が高いほど生セラミックグリーンシートの柔軟性が増し、表面粗化用シートの粗化表面が転写され易くなる。しかし温度制御による粗度の調節は、温度の制御手段が必要となるだけでなく、温度を上げ過ぎると表面粗化用シートがグリーンシートに接着されて、加圧後にグリーンシートを表面粗化用シートから剥離し難くなるなど、制御が難しい場合がある。よって、加圧処理は常温で行なうことが好ましい。
生セラミックグリーンシートを表面粗化用シートで挟んだものを、さらにアクリル板、木板、金属板等で挟み、これを積み重ねることによって、多数の生セラミックグリーンシートを同時に複数加圧処理することもできる。
加圧処理後は、表面粗化用シートからの生セラミックグリーンシートの剥離を、好適には3時間以内、より好ましくは1時間以内、さらに好ましくは10分以内に行なう。必要以上に放置すると、剥離できなくなる場合がある。
上述した様に、加圧処理におけるプレス圧や合計加圧時間等を調節することにより、セラミックグリーンシートの粗度を容易に調節することができる。当該粗度は、Raで0.5〜3μmが好適である。0.5μm以上であれば十分に良好な電極層との密着性が発揮されると共に、3μm以下であれば最終的に得られるセラミックシートの強度も十分に担保できる。また、同様の理由から、Rzは5〜20μm程度、Rmaxは6〜30μm程度が好ましい。
(4)焼結工程
上記加圧処理工程を経て表面が粗化されたセラミックグリーンシートは、焼結することによりセラミックシートとする。具体的な焼結の条件は特に制限されず、常法によればよい。例えば、表面粗化セラミックグリーンシートからバインダーや可塑剤等の有機成分を除去するために150〜600℃、好ましくは250〜500℃で5〜80時間程度処理する。次いで、1000〜1600℃、好ましくは1200〜1500℃で2〜10時間保持焼成することによって、セラミックシートを得る。
焼結によって、セラミックシートの表面粗度は多少下がることが多いが、かえって上がることもあり、おしなべてほぼ変わらないということができる。よって、所望の表面粗度を有するセラミックシートを得るには、同様のセラミックグリーンシートが得られる様に、上記加圧処理工程の条件を調節すればよい。
得られたセラミックシートは、その表面が適度に処理されている。従って、本発明方法により得たジルコニアシートを固体酸化物形燃料電池の電解質膜とした場合、電極との接触面積が大きいことから効率的な発電が可能になり、また、電極との密着性が高いことから長期にわたる安定的な発電が可能になる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例1
6モル%スカンジウム安定化ジルコニア粉末(第一稀元素社製、商品名「6ScSZ」、比表面積:11m2/g、平均粒子径:0.5μm)100質量部、トルエン/イソプロパノール混合溶媒(質量比:3/2)50質量部、および分散剤としてソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤2質量部との混合物を粉砕しつつ混合した。当該混合物へ、バインダーとしてメタアクリレート系共重合体(分子量:100,000、ガラス転位温度:−8℃、固形分濃度:50%)を固形分換算で15質量部と可塑剤としてジブチルフタレート3質量部を添加し、さらにボールミルにより混合してスラリーとした。
得られたスラリーを、碇型の撹拌機を備えた内容積50Lのジャケット付丸底円筒型減圧脱泡容器へ移し、撹拌機を30rpmの速度で回転させながら、ジャケット温度40℃で減圧(約4〜21kPa)下に濃縮・脱泡し、粘度を3Pa・sに調整し、塗工用スラリーとした。この塗工用スラリーを塗工装置のスラリーダムに移し、ドクターブレード法によってPETフィルム上に塗工し、塗工部に続く乾燥機(50℃、80℃、110℃の3ゾーン)を0.2m/分の速度で通過させて乾燥することにより、巾95cm、厚さ140μmのジルコニアグリーンシートを得た。
このグリーンシートを外径約145mmの円形に打ち抜いた。このグリーンシート(以下、「グリーンシートA」という)について、UBM社製のレーザー光学式非接触三次元形状測定装置であるマイクロフォーカスエキスパート「UBC−14システム」を用いて、Rmax、RaおよびRzを測定した。その結果を表1に示す。
さらに上記グリーンシートAに対し、表1に示す表面粗化用シートを用いて加圧処理を行なった。表1の表面粗化用シートIはあすなろ印刷社の商品名「ミューズコットン」、表面粗化用シートIIはあすなろ印刷社の商品名「ボス」、表面粗化用シートIIIはあすなろ印刷社の商品名「OKサンド」、表面粗化用シートIVは東洋濾紙社の商品名「フィルターペーパー5A」、表面粗化用シートVは田中紙管社の商品名「紙管原紙」、表面粗化用シートVIは巴川製紙所社のステンレス紙である商品名「トミーファレイクSS」、表面粗化用シートVIIは巴川製紙所社のフッ素繊維紙である商品名「トミーファレイクF」、表面粗化用シートVIIIは新日本ウェックス社の商品名「白ウェス」を示す。上記グリーンシートAを表1の表面粗化用シートの間に挟み、圧縮成形機(神藤金属工業所製、型式「S−37.5)により、加圧温度25℃、プレス圧160kgf/cm2、加圧時間60秒間の条件で加圧した。
各表面粗化用シートと加圧処理後のグリーンシートについて、生グリーンシート(加圧処理前グリーンシート)と同様に、Rmax、RaおよびRzを測定した。各結果を表2に示す。
さらに、加圧後のグリーンシートを1450℃で焼成することによりセラミックシートを得た。当該セラミックシートのRmax、RaおよびRzを上記と同様に測定した。結果を表2に示す。
実施例2
アルミナ粉末(昭和電工製、AL−45、平均粒子径:3μm)100質量部に対して、バインダーとしてアセタール化度が77%のポリビニルアセタール樹脂(積水化学製、エスレックBL−SH、重合度:350)15質量部、可塑剤としてアジピン酸系ポリエステル(大日本インキ製、ポリサイザーW−320)を8質量部、さらに潤滑剤としてパラフィンワックス4質量部の割合で、120℃に加温したオイルジェケット付のスクリュー式混練機に投入し、120℃に保持したまま1時間混練して、押出成形用混合物を得た。
得られた押出成形用混合物を形状が幅200mm、厚さ0.3mmの金型を取り付けた混練−真空押出成形機(宮崎鉄工製、FM−P100)のホッパーに投入し、喰い込みローラーで0.01MPaに減圧した混練部に押し込んで十分に脱気しながら混練し、これを押出しスクリューにより抵抗管、整流板および金型からなるダイスへ押込んでアルミナグリーンシートを押出成形した。なお、喰い込みローラー部から金型までは90〜105℃で加温し、引き取り装置により連続的に成形し、平均厚さ285μmのシートとした。このグリーンシートを外径約145mmの円形に打ち抜いた。このグリーンシート(以下、「グリーンシートB」という)について、実施例1と同様にRmax、RaおよびRzを測定した。その結果を表1に示す。
上記グリーンシートBに対して、加圧温度を40℃、プレス圧を250kgf/cm2、加圧時間を120秒間とする以外は実施例1と同様にして、加圧処理を行ない、Rmax、RaおよびRzを測定した。また、加圧処理後のグリーンシートBを1580℃で3時間焼成することによって、セラミックシートを得た。同様にRmax、RaおよびRzを測定した。以上の結果を表2に示す。
Figure 0004808074
Figure 0004808074
上記結果の通り、本発明方法によれば、セラミックグリーンシートおよびセラミックシートの表面を適度に粗化できること実証された。
実施例3 加圧時間の検討
実施例1のグリーンシートAを、上記表面粗化用シートVの間に挟み、加圧温度25℃、プレス圧160kgf/cm2の条件下、所定時間加圧処理した。各グリーンシートのRaを上記と同様に測定した。結果を図1に示す。
図1の通り、当所は加圧時間が長くなるに連れ表面粗さも粗くなるが、加圧時間が50秒間程度を超えるとRaの上昇は鈍くなり、120〜600秒間まではRaはほぼ一定となり、さらに700秒間の加圧では表面粗化用シートからグリーンシートを剥離できなくなった。よって、好適な加圧時間は、600秒間以下であり、特に5〜600秒間、より好適には5〜120秒間の範囲で加圧すれば、時間に応じて粗度も高まるため、加圧時間により表面粗度を調節できることが分かった。
実施例4 プレス圧の検討
実施例1のグリーンシートAを、上記表面粗化用シートVの間に挟み、加圧温度25℃、加圧時間60秒間の条件下、所定のプレス圧で加圧処理した。各グリーンシートのRaを上記と同様に測定した。結果を図2に示す。
図2の通り、当所はプレス圧が高くなるに連れ表面粗さも粗くなるが、プレス圧が150kgf/cm2程度を超えるとRaの上昇は鈍くなり、500kgf/cm2程度で頭打ちした。よって、好適なプレス圧は、500kgf/cm2以下であり、特に30〜500kgf/cm2、より好適には30〜150kgf/cm2の範囲で加圧すれば、プレス圧に応じて粗度も高まるため、加圧時間により表面粗度を調節できることが分かった。
実施例5 発電性能試験
実施例1で得られた6モル%のスカンジア安定化ジルコニアからなるジルコニアシートであって、表面粗化用シートIIで表面粗化されたものを電解質膜(6ScSZ電解質膜)とし、固体酸化物形燃料電池を作製した。詳しくは、6ScSZ電解質膜の片面に、酸化ニッケル粒子、セリア粒子およびジルコニア粒子からなる燃料極をスクリーン印刷で形成し、その反対面に20モル%サマリウムドープセリアからなる中間層をスクリーン印刷により形成し、1300℃で焼き付けた。次いで、中間層の上に、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8粒子と10Sc1CeSZからなる空気極をスクリーン印刷で形成し、950℃で焼き付けて4層構造のセルとした。また、比較のために、実施例1で加圧処理なしで表面粗化されていないジルコニアシートを用いて、同様にセルを得た。
これらセルを使用し、図3に示す小型単セル発電装置を用いて800℃で発電試験を行ない、I−Vカーブを測定した。なお、燃料ガスとしては水素、酸化剤としては空気を使用した。また、電流測定装置はアドバンテスト社製の商品名「R8240」を用い、電流電圧発生装置は、同じくアドバンテスト社製の商品名「R6240」を用いた。結果を図4に示す。
図4の通り、本発明方法により表面粗化したジルコニアシートを電解質膜とするシートの発電性能(−●−)は、表面粗化しないジルコニアシートの場合(−▲−)に比して、約1割向上している。従って、本発明方法によりジルコニアシートを表面粗化した上で電解質膜として用いれば、同一の材質の電解質膜を用いた場合よりも、より発電性能に優れた燃料電池が得られることが実証された。
表面粗化用シートを用いて、加圧温度25℃、プレス圧160kgf/cm2の条件でセラミックグリーンシートを加圧処理した場合における加圧時間と表面粗度(Ra)との関係を示す図である。 表面粗化用シートを用いて、加圧温度25℃、加圧時間60秒間の条件でセラミックグリーンシートを加圧処理した場合におけるプレス圧と表面粗度(Ra)との関係を示す図である。 実施例3の小型単セル発電試験装置の模式図である。 本発明方法により表面を粗化したジルコニアシートを電解質膜として用いた燃料電池と、従来のジルコニアシートを用いた燃料電池の発電性能を示す図である。図中「−●−」は本発明に係る表面粗化ジルコニアシートを電解質膜に用いた結果を示し、「−▲−」は表面粗化されていないジルコニアシートを電解質膜に用いた結果を示す。
符号の説明
1:ヒータ、 2:アルミナ製外筒管、 3:アルミナ製内筒管、 4:白金リード線、 5:固体電解質シート、 6:カソード、 7:アノード、 8:シール材

Claims (13)

  1. 表面が粗化された固体酸化物形燃料電池の電解質膜用セラミックグリーンシートを製造する方法であって、
    生セラミックグリーンシートを、表面のR a が3〜30μm、R z が5〜120μm且つR max が6〜180μmの表面粗化用シートに挟んで加圧処理する工程を含むことを特徴とする表面粗化セラミックグリーンシートの製造方法。
  2. aが0.5〜2.9μm、R z が5〜20μm且つR max が6〜30μmの表面粗化セラミックグリーンシートを製造するためのものである請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記生セラミックグリーンシートとして、表面粗さが、R a が0.01〜0.4μm且つR z が0.05〜5μmのものを用いる請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 上記生セラミックグリーンシートの材料として、ジルコニア、セリアおよびランタンガレート型ペロブスカイト構造酸化物よりなる群から選択される少なくとも1種を用いる請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
  5. 上記表面粗化用シートとして、その厚さが0.1〜10mmのものを用いる請求項1〜の何れかに記載の製造方法。
  6. 上記表面粗化用シートとして、紙、布、樹脂フィルムを用いる請求項1〜5の何れかに記載の製造方法。
  7. 上記加圧処理におけるプレス圧を30〜500kgf/cm2とする請求項1〜の何れかに記載の製造方法。
  8. 上記加圧処理における合計加圧時間を5〜600秒間とする請求項1〜の何れかに記載の製造方法。
  9. 請求項1〜の何れかに記載の方法により製造された表面粗化セラミックグリーンシートを焼結して得られるものであり、そのRaが0.5〜3.0μmであるセラミックシート。
  10. 生セラミックグリーンシートとしてジルコニアグリーンシートを用い、表面粗化ジルコニアグリーンシートを得るためのものである請求項1〜の何れかに記載の製造方法。
  11. 上記ジルコニアグリーンシートの材料として、酸化スカンジウムで安定化されたジルコニアを用いる請求項10に記載の製造方法。
  12. 請求項10または11に記載の方法により製造された表面粗化ジルコニアグリーンシートを焼結して得られるものであり、そのRaが0.5〜3.0μmであるジルコニアシート。
  13. 請求項12に記載のジルコニアシートを電解質膜とする固体酸化物形燃料電池。
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