JP4807825B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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本方法は、心臓撮影に適用の多い方法である。まず心電図のR波が検出され、R波から第1の時間後にナビゲートシーケンスが実行されてナビゲート信号が取得される。次いでR波から第2の時間(>第1の時間)後に撮影シーケンスが実行され、画像再構成用のエコー信号が取得される。撮影シーケンスで取得されたエコー信号は、直前に取得されたナビゲート信号を用いて画像再構成への使用・破棄が判定される。すなわち、ナビゲート信号により検出される横隔膜の位置が、予め定めたゲートウィンドウ内に含まれる場合のみ、撮影シーケンスで取得されたエコー信号が画像再構成に使用される。ナビゲートシーケンスと撮影シーケンスは、心電図のR波と同期して1心拍内に連続して実行され、画像再構成に必要となるエコー信号の取得が完了するまで繰り返される。本方法は、例えば(特許文献1)に開示されている。
本方法は、まずナビゲートシーケンスが実行されて横隔膜の位置がモニターされ、横隔膜の位置がゲートウィンドウ内に含まれたと判定された場合に、撮影開始が指示されて撮影シーケンスが実行される。撮影シーケンスが所定期間実行された後に、所定の休止期間を設けて何れのシーケンスも実行されない。以降、ナビゲートシーケンス−撮影シーケンス−休止期間を、画像再構成に必要となるエコー信号の取得が完了するまで繰り返される。本方法は、例えば(非特許文献1)に開示されている。
本方法は、まずナビゲートシーケンスが実行されて横隔膜の位置がモニターされる。横隔膜が所定の位置に到達した時、被検体に「HOLD」のメッセージが報知されて息止めが指示される。この息止め期間中に撮影シーケンスが実行される。撮影シーケンスが所定期間実行された後は、画像再構成に必要なエコー信号のセットが計測されるまで上記手順が繰り返される。本方法は、例えば(非特許文献2)に開示されている。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、体動位置が所定の範囲内に有ることを確実にして撮影を行うことを目的とする。
静磁場を発生する手段と、傾斜磁場を発生する手段と、高周波磁場を発生する手段と、被検体から発生する核磁気共鳴信号を検出する手段と、前記核磁気共鳴信号を用いて前記被検体の画像を再構成する手段と、前記被検体に所定の情報を伝達する手段と、所定のパルスシーケンスに基づいて前記傾斜磁場発生手段と前記高周波磁場発生手段と前記信号検出手段とを制御するとともに、前記伝達手段を制御する手段と、を備え、前記パルスシーケンスは、前記被検体の体動位置を検出するための体動検出シーケンスと、前記被検体の画像を取得するための撮影シーケンスとを有し、前記制御手段は、前記体動検出シーケンスと、該体動検出シーケンスによって検出された体動情報に基づいて前記伝達手段を介した前記被検体への息止め指示と、前記撮影シーケンスと、前記伝達手段を介した前記被検体への呼吸再開の指示と、を繰り返し実行すると共に、前記息止め指示の後にも前記体動検出シーケンスを継続して体動位置を検出し、該体動位置が所定範囲内の場合に前記撮影シーケンスを実行する。
また、好ましくは、前記体動検出シーケンスによって前記体動位置を検出するための部位が横隔膜を含む。
次に、本発明のMRI装置の第1の実施形態を説明する。本実施形態は、ナビゲートシーケンスを用いて横隔膜位置をモニターして、被検体を息止め状態に誘導して撮影する場合において、その横隔膜位置が所定範囲に含まれるか否かを判定する形態である。
本実施形態の一実施例を図2〜図6に基づいて説明する。図2は、本実施例における、操作手順とデータ処理手順を示すフローチャートである。操作者は、被検体をMRI装置内に誘導し、位置決め撮影を実行し撮影部位を決定した後、以下の処理ステップにより撮影(以下、本撮影)を実行する。
ステップS201で、本撮影では、まず自由呼吸下においてナビゲートシーケンスが実行される。
ゲートウィンドウが設定された後、MRI装置の計算機118は以下に説明する内部処理を行う。これらの内部処理は、例えば記憶媒体117に記憶された対応するプログラムを計算機118が読み出して実行することにより行われる。
ステップS204で、導出された平均プロファイルと設定されたゲートウィンドウ位置より、平均プロファイルとゲートウィンドウ位置との交点が導出され、次いで前記交点の時点より所定時間Tsだけ以前の時点における横隔膜の位置Psが導出される。
ステップS206で、上記内部処理と並行してナビゲートシーケンスは継続実行されているので、ナビゲートシーケンスにより検出される最新プロファイルにおいて前記横隔膜の位置Psが検出された時、つまり、横隔膜位置が前記Psと略一致した時に、被検体に対して息止めが指示される。
ステップS209で、撮影シーケンス終了後に、被検体に対して呼吸再開の指示が行われる。
ステップS210で、画像再構成に必要なエコー信号が全て取得されたか否かが確認される。取得が完了したなら、呼吸再開を指示して本撮影が終了され、完了していなければステップS211に移行する。
ステップS212で、被検体に対して呼吸再開を指示する処理が制御内容から削除され、呼吸再開の指示の提示が終了される。そして、ステップS205に戻る。なお、ステップS205に戻る前に、被検体に一定回数又は一定時間の呼吸をさせる休止期間を設けても良い。
最初に、ステップS203において実行される、平均呼吸周期、横隔膜の平均変位量、及び平均プロファイル導出処理について、図4を用いて詳細に説明する。図4は横隔膜位置のプロファイルであり、約5周期のプロファイルが計測されている。本プロファイルより最大値と最小値が導出され、両値より平均値Mが計算される。次に、前記プロファイルと平均値Mとの交点、及び平均値Mとゲートウィンドウとの距離dが導出される。なお、導出された距離dはステップS204において使用される。ナビシーケンスの開始を基準時間とし、各交点に対してt1、t2、t3の様に番号を付与する。ここで、奇数番の交点の時間差、例えばt3-t1、t5-t3を呼吸周期とする。図4において、第1の呼吸周期はt3-t1であり、第2の呼吸周期はt5-t3である。以下、第n番目の呼吸周期をTnと表現する。次いで、第n番目の呼吸周期における最大値と最小値が導出され、この差分を変位量Anとする。図4においては、第1呼吸周期の最大値と最小値を黒丸とし、変位量A1を示している。次に、平均呼吸周期Tmと平均変位量Amは、それぞれ以下の(1)式を用いて導出される。
Tm=(T1+T2+T3+…+Tn)/n Am=(A1+A2+A3+…+An)/n (1)
次に、本発明のMRI装置の第2の実施形態を説明する。本実施形態は、前述の第1の実施形態に加えて、更に、撮影シーケンス終了毎に被検体の呼吸動作の安定性を確認して、呼吸動作が安定してから撮影シーケンスを再開する形態である。呼吸動作が不安定な状態で息止め撮影を実行すると、撮影シーケンス実行中に不意に呼吸が開始されたりして、そのような場合には計測されたエコー信号を破棄せざるを得ず、結果的にエコー信号の取得効率が低下することになってしまう。このようなことを防止するのが本実施形態の目的の一つでもある。
ステップS213で、呼吸再開後のナビゲートシーケンスにより検出される最新プロファイルにより最新の呼吸周期が導出され、前記最新の呼吸周期とステップS203で導出された平均呼吸周期とが比較される。それらの周期の差の絶対値が予め定めた閾値より大きい場合は、ナビゲートシーケンスによる最新プロファイルの検出及び呼吸周期の導出が継続される。閾値以内の場合は、ステップS205に戻り、画像再構成に必要なエコー信号を全て取得するまで前述のステップS205〜S213が繰り返えされる。
次に、前述の第1の実施形態又は第2の実施形態の少なくとも一方に併用可能な、撮影シーケンスの実行効率の向上と、体動アーチファクト低減による画質向上とを、さらに増大させる追加処理または操作手順を以下に説明する。
(1)一回の息止め撮影シーケンスで取得されるエコー信号数の変更
(2)トータルの撮影時間の更新
等である。ステップS20Bが実施されることにより、一回当たりの息止め期間を短くすることができる。これにより、被検体の疲労により息止め可能な期間が短くなった場合にも、適切な条件下で撮影を継続することが可能になる。
本追加処理によれば、横隔膜の位置がゲートウィンドウ外の時に取得されたエコー信号が破棄され、また、被検体の疲労度に対応して取得するエコー信号数が調整されるので、体動アーチファクトをさらに低減して画質をより向上させることができる。
本追加処理によれば、横隔膜の位置ずれ量に対応して息止め撮影シーケンスで取得されるエコー信号の取捨選択が判定されるので、撮影シーケンスの実行効率を更に向上させることができる。
本追加処理によれば、横隔膜位置のドリフトに対応して、ゲートウィンドウの位置が変更されるので、撮影シーケンスの実行効率をさらに高めることができる。
Magnetic Resonance in Medicine,37,148-152(1977)
ステップS20Dで、第2回目の息止め下の撮影シーケンス直前に取得された横隔膜位置P2が導出される。
ステップS20Eで、Prとの差分値P2-Prに対して(非特許文献3)のアルゴリズムが適用されて、第2回目の撮影シーケンスにおけるスライス選択周波数が変更される。なお、スライス選択周波数以外にエコー信号の受信位相が変更される場合もある。
ステップS20Fで、第2回目の息止め下の撮影シーケンスが実行される。
本追加処理によれば、横隔膜位置の変動に対応して、スライス位置が変更されるので、体動アーチファクトをさらに低減して画質をより向上させることができる。
次に、本発明のMRI装置の第3の実施形態を説明する。本実施形態は、被検体の呼吸動を検出する外部センサーを備えて呼吸動をモニターし、息止め状態と判定された期間に撮影を行う形態である。
本実施形態の第1実施例を図14に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS1401で、被検体の撮影に先立ち、被検体の呼吸動を検出する外部センサー122を被検体に取り付ける。
ステップS1403では、撮影開始命令を受け取ったシーケンサ116は、被検体の呼吸動のモニターを開始する命令を生体信号検出部121に送り、呼吸動検出センサー122にて被検体の呼吸動モニターを開始する。モニターした呼吸動波形は、例えば表示部119に表示される。
被検体が自由に呼吸を行っている期間は、1504に示すように振動的に呼吸動波形が変化する。このような呼吸動状態において、1502のタイミングで息止め指示が出されると、被検体はその指示から数秒後に息止めを行う。被検体が息止めを行うと、胸壁あるいは腹壁はほとんど動かなくなるため、呼吸動波形は図15の1503に示すようにほぼ平らになる。
ステップS1407で、シーケンサ116は、所定の撮影シーケンスを開始する。撮影が終了したら通常の画像処理を行い、表示部119に画像を表示する。
Claims (7)
- 静磁場を発生する手段と、傾斜磁場を発生する手段と、高周波磁場を発生する手段と、被検体から発生する核磁気共鳴信号を検出する手段と、前記核磁気共鳴信号を用いて前記被検体の画像を再構成する手段と、前記被検体に所定の情報を伝達する手段と、所定のパルスシーケンスに基づいて前記傾斜磁場発生手段と前記高周波磁場発生手段と前記信号検出手段とを制御するとともに、前記伝達手段を制御する手段と、を備え、
前記パルスシーケンスは、前記被検体の体動位置を検出するための体動検出シーケンスと、前記被検体の画像を取得するための撮影シーケンスとを有し、
前記制御手段は、前記体動検出シーケンスと、該体動検出シーケンスによって検出された体動情報に基づいて前記伝達手段を介した前記被検体への息止め指示と、前記撮影シーケンスと、前記伝達手段を介した前記被検体への呼吸再開の指示と、を繰り返し実行する磁気共鳴イメージング装置において、
前記制御手段は、前記息止め指示の後にも前記体動検出シーケンスを継続して体動位置を検出し、該体動位置が第1の所定範囲内の場合に前記撮影シーケンスを実行することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記制御手段は、前記体動位置が前記第1の所定範囲外となった場合は、直前の前記撮影シーケンスで取得された前記核磁気共鳴信号を破棄することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記制御手段は、前記第1の所定範囲を、前記被検体の自由呼吸下で実行した前記体動検出シーケンスによって検出された前記体動位置の変動に基づいて定めることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記制御手段は、前記体動検出シーケンスによって検出された前記体動位置の変動に対応して、前記第1の所定範囲を変更することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記制御手段は、前記撮影シーケンスの後にも前記体動検出シーケンスを実行して前記体動位置を検出し、該体動位置の変動から導かれる値が第2の所定範囲内となった後に、前記息止め指示の伝達を実行することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記制御手段は、前記体動検出シーケンスによって検出された前記体動位置の変動に基づいて、前記撮影シーケンスのパラメーターを制御することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項6に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記パラメーターは、前記撮影シーケンスの実行期間、又は、スライス選択周波数とすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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