JP4807825B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4807825B2
JP4807825B2 JP2005214164A JP2005214164A JP4807825B2 JP 4807825 B2 JP4807825 B2 JP 4807825B2 JP 2005214164 A JP2005214164 A JP 2005214164A JP 2005214164 A JP2005214164 A JP 2005214164A JP 4807825 B2 JP4807825 B2 JP 4807825B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sequence
magnetic resonance
body movement
subject
imaging apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005214164A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007029250A (ja
Inventor
博幸 板垣
由美子 谷井
智宏 後藤
将宏 瀧澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Medical Corp filed Critical Hitachi Medical Corp
Priority to JP2005214164A priority Critical patent/JP4807825B2/ja
Publication of JP2007029250A publication Critical patent/JP2007029250A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4807825B2 publication Critical patent/JP4807825B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を画像化する核磁気共鳴イメージング(以下、「MRI」という)装置に関し、特に、呼吸周期をモニターするパルスシーケンス(以下、ナビゲートシーケンス)の後に画像作成を目的としたパルスシーケンス(以下、撮影シーケンス)を実施する場合の、撮影シーケンスを起動するタイミングを制御する技術に関するものである。
MRI装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生するNMR信号(エコー信号)を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を2次元的に或いは3次元的に画像化する装置である。撮影においては、エコー信号には、傾斜磁場によって異なる位相エンコードが付与されるとともに周波数エンコードされて、時系列データとして計測される。計測されたエコー信号は、2次元又は3次元フーリエ変換されることにより画像に再構成される。
このMRI装置を用いた胸部や腹部の撮影において、呼吸に起因する体動は、画像にアーチファクト(以下、「体動アーチファクト」という)を発生させて、著しい画質劣化の原因となる。そのため、体動アーチファクトを防止するための様々な方法が以下の様に提案されている。
方法1は、息を止めた状態で撮影を実施する方法である。この方法1の場合、前記ナビゲートシーケンスは実施されない。息止めするために呼吸起因の体動アーチファクは発生しないが、有限の息止め時間で撮影が完了される必要があるため、空間分解能やSN比に制約が生じる場合がある。
方法2は、ナビゲートシーケンスを用いる方法である。典型的なナビゲートシーケンスでは、横隔膜を含む領域からのエコー信号がナビゲート信号として取得され、横隔膜の位置変動が追跡されて呼吸周期が検出される。体動アーチファクトを低減するために、前記呼吸周期の検出結果に基づいて撮影シーケンスが制御され、呼吸周期内の特定期間に取得されたエコー信号のみを用いて画像が再構成される。前記制御によるナビゲートシーケンスと撮影シーケンスの実行手順は、以下に説明する方法2-1、方法2-2、及び方法2-3に大別される。
(1)方法2-1について
本方法は、心臓撮影に適用の多い方法である。まず心電図のR波が検出され、R波から第1の時間後にナビゲートシーケンスが実行されてナビゲート信号が取得される。次いでR波から第2の時間(>第1の時間)後に撮影シーケンスが実行され、画像再構成用のエコー信号が取得される。撮影シーケンスで取得されたエコー信号は、直前に取得されたナビゲート信号を用いて画像再構成への使用・破棄が判定される。すなわち、ナビゲート信号により検出される横隔膜の位置が、予め定めたゲートウィンドウ内に含まれる場合のみ、撮影シーケンスで取得されたエコー信号が画像再構成に使用される。ナビゲートシーケンスと撮影シーケンスは、心電図のR波と同期して1心拍内に連続して実行され、画像再構成に必要となるエコー信号の取得が完了するまで繰り返される。本方法は、例えば(特許文献1)に開示されている。
(2)方法2-2について
本方法は、まずナビゲートシーケンスが実行されて横隔膜の位置がモニターされ、横隔膜の位置がゲートウィンドウ内に含まれたと判定された場合に、撮影開始が指示されて撮影シーケンスが実行される。撮影シーケンスが所定期間実行された後に、所定の休止期間を設けて何れのシーケンスも実行されない。以降、ナビゲートシーケンス−撮影シーケンス−休止期間を、画像再構成に必要となるエコー信号の取得が完了するまで繰り返される。本方法は、例えば(非特許文献1)に開示されている。
(3)方法2-3について
本方法は、まずナビゲートシーケンスが実行されて横隔膜の位置がモニターされる。横隔膜が所定の位置に到達した時、被検体に「HOLD」のメッセージが報知されて息止めが指示される。この息止め期間中に撮影シーケンスが実行される。撮影シーケンスが所定期間実行された後は、画像再構成に必要なエコー信号のセットが計測されるまで上記手順が繰り返される。本方法は、例えば(非特許文献2)に開示されている。
方法2-2及び方法2-3は、ナビゲートシーケンスで横隔膜が所定範囲に含まれていることが検出された後に、撮影シーケンスが開始される点、及び、撮影シーケンスで取得されたエコー信号に対して、使用・破棄の判定が不要となる点で、方法2-1と異なる。また、方法2-3は、撮影シーケンスが息止め下で行われる点で、方法2-1と方法2-2の何れとも異なる。
特開2004-57226号公報 Journal of Magnetic Resonance Imaging,21,576-582(2005) Magnetic Resonance in Medicine,34,11-16(1995)
特に、方法2-3は、横隔膜位置を所定のゲートウィンドウ内に誘導する過程が被検体に依存しているため、所定のゲートウィンドウ内へ横隔膜位置を誘導することが不確実となってしまう課題を有する。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、体動位置が所定の範囲内に有ることを確実にして撮影を行うことを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のMRI装置は以下の様に構成される。即ち、
静磁場を発生する手段と、傾斜磁場を発生する手段と、高周波磁場を発生する手段と、被検体から発生する核磁気共鳴信号を検出する手段と、前記核磁気共鳴信号を用いて前記被検体の画像を再構成する手段と、前記被検体に所定の情報を伝達する手段と、所定のパルスシーケンスに基づいて前記傾斜磁場発生手段と前記高周波磁場発生手段と前記信号検出手段とを制御するとともに、前記伝達手段を制御する手段と、を備え、前記パルスシーケンスは、前記被検体の体動位置を検出するための体動検出シーケンスと、前記被検体の画像を取得するための撮影シーケンスとを有し、前記制御手段は、前記体動検出シーケンスと、該体動検出シーケンスによって検出された体動情報に基づいて前記伝達手段を介した前記被検体への息止め指示と、前記撮影シーケンスと、前記伝達手段を介した前記被検体への呼吸再開の指示と、を繰り返し実行すると共に、前記息止め指示の後にも前記体動検出シーケンスを継続して体動位置を検出し、該体動位置が所定範囲内の場合に前記撮影シーケンスを実行する。
好ましくは、前記制御手段は、前記撮影シーケンスの後にも前記体動検出シーケンスを実行して体動位置を検出し、該体動位置の変動から導かれる値が所定範囲内となった後に、前記息止め指示の伝達を実行する。さらに、該体動位置の変動から導かれる値が所定範囲外となった場合は、直前の前記撮影シーケンスで取得された前記核磁気共鳴信号を破棄しても良い。或いは、撮影シーケンスの実行期間を短くしてもよい。
また、好ましくは、前記所定範囲は、前記被検体の自由呼吸下で実行された前記体動検出シーケンスによって検出された前記体動位置の変動に基づいて定められる。
また、好ましくは、前記体動検出シーケンスによって前記体動位置を検出するための部位が横隔膜を含む。
また、好ましくは、前記制御手段は、前記体動検出シーケンスによって検出された前記体動位置の変動に基づいて、前記撮影シーケンスのパラメーターを制御する。好ましくは、このパラメーターを、撮影シーケンスの実行期間、又は、スライス選択周波数とする。
また、好ましくは、前記制御手段は、前記撮影シーケンスにおいて一定の時間間隔でゼロ・エンコードデータを取得し、得られた複数のゼロ・エンコードデータを用いて前記体動位置を検出し、前記位置の所定範囲内である期間に取得された前記核磁気共鳴信号を画像再構成に用いる。
また、好ましくは、静磁場を発生する手段と、傾斜磁場を発生する手段と、高周波磁場を発生する手段と、被検体から発生する核磁気共鳴信号を検出する手段と、前記核磁気共鳴信号を用いて前記被検体の画像を再構成する手段と、前記被検体に所定の情報を伝達する手段と、所定のパルスシーケンスに基づいて前記傾斜磁場発生手段と前記高周波磁場発生手段と前記信号検出手段とを制御するとともに、前記伝達手段を制御する手段と、前記被検体の体動位置を検出する手段と、を備え、前記制御手段は、前記体動位置が所定範囲となった時に、前記情報伝達手段を介して前記被検体に息止め指示を伝達し、その後に前記核磁気共鳴信号の計測を開始する。動きを検出した場合にアラームを発生させる手段を備えても良い。
本発明のMRI装置によれば、体動位置が所定の範囲内に有ることを確実にして撮影を行うことが可能になる。この結果、体動アーチファクトが低減する。また、撮影シーケンスにおける画像再構成用のエコー信号の取得効率が向上するので撮影時間が短縮する。
以下、添付図面に従って本発明のMRI装置の好ましい実施形態について詳説する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
最初に、本発明が適用されるMRI装置の一例の全体概要を図1に基づいて説明する。101は静磁場を発生する磁石、102は患者などの被検体、103は被検体102を載せるベッド、104は高周波磁場を被検体102に印加してエコー信号を検出する高周波磁場コイル、105、106、107はそれぞれX方向、Y方向、Z方向の傾斜磁場を発生させるための傾斜磁場発生コイルである。108は高周波磁場コイル104に電源を供給するための高周波磁場電源、109、110、111はそれぞれ上記各傾斜磁場発生コイル105、106、107に電流を供給するための傾斜磁場電源である。116はシーケンサであり、傾斜磁場電源109、110、111、高周波磁場電源108、シンセサイザ112、変調装置113、増幅器114、受信器115などの周辺装置に命令を送信しMRI装置の動作制御を行なう。117は撮影条件などのデータを格納する記憶媒体である。118は計算機であり、受信器115から入力されたエコー信号と記憶媒体117内のデータを参照して画像再構成を行なう。119は計算機118で行った画像再構成結果を表示するディスプレイである。計算機118にはマウスやキーボード等の入力手段が備えられており、操作者からの指示が入力される。計算機118は、この指示に基づいてMRI装置全体を制御する。
また、必要に応じて、被検体102にはその心拍動や呼吸動を検出するための外部センサー122が取り付けられて、生体信号検出部121を介して被検体102の心拍動情報や呼吸動情報がシーケンサ116に入力される。シーケンサ116は、これらの生体情報に基づいて被検体102の撮影のタイミング制御等を行う。
(第1の実施形態)
次に、本発明のMRI装置の第1の実施形態を説明する。本実施形態は、ナビゲートシーケンスを用いて横隔膜位置をモニターして、被検体を息止め状態に誘導して撮影する場合において、その横隔膜位置が所定範囲に含まれるか否かを判定する形態である。
本実施形態の一実施例を図2〜図6に基づいて説明する。図2は、本実施例における、操作手順とデータ処理手順を示すフローチャートである。操作者は、被検体をMRI装置内に誘導し、位置決め撮影を実行し撮影部位を決定した後、以下の処理ステップにより撮影(以下、本撮影)を実行する。
最初に本撮影における処理手順の全体概要を説明し、次に主要な処理ステップの詳細を説明する。本撮影における処理手順の全体概要は以下の通りである。即ち、
ステップS201で、本撮影では、まず自由呼吸下においてナビゲートシーケンスが実行される。
ステップS202で、操作者は、ナビゲート信号から検出される横隔膜位置のプロファイルに基づいて、ゲートウィンドウ(GW)を設定する。例えば、このプロファイルがディスプレイ119に表示され、操作者が、この表示を参照して、入力手段を介してプロファイル上にゲートウィンドウを設定する。なお、前記プロファイルとは、例えば図3に示した、縦軸を横隔膜位置、横軸を時間とするグラフを意味する。
ゲートウィンドウが設定された後、MRI装置の計算機118は以下に説明する内部処理を行う。これらの内部処理は、例えば記憶媒体117に記憶された対応するプログラムを計算機118が読み出して実行することにより行われる。
ステップS203で、ゲートウィンドウ設定以前に取得されたナビゲート信号を用いて、計算機118において、平均呼吸周期、横隔膜の平均変位量、及び平均プロファイルが導出される。これらの計算結果は、MRI装置内記憶媒体117上に保存される。
ステップS204で、導出された平均プロファイルと設定されたゲートウィンドウ位置より、平均プロファイルとゲートウィンドウ位置との交点が導出され、次いで前記交点の時点より所定時間Tsだけ以前の時点における横隔膜の位置Psが導出される。
ステップS205で、ナビゲートシーケンスにより逐次検出される横隔膜位置が前記Psと略一致した時に被検体に息止めを指示する処理が、シーケンサ116に登録される。
ステップS206で、上記内部処理と並行してナビゲートシーケンスは継続実行されているので、ナビゲートシーケンスにより検出される最新プロファイルにおいて前記横隔膜の位置Psが検出された時、つまり、横隔膜位置が前記Psと略一致した時に、被検体に対して息止めが指示される。
ステップS207で、息止め指示後のナビゲートシーケンスにより検出される最新プロファイルがゲートウィンドウ内にある場合、つまり、息止め指示後に取得されたナビゲート信号から検出される横隔膜位置がゲートウィンドウ内に含まれる場合、撮影シーケンスが実行される。撮影シーケンスは、撮影条件により予め指定された期間、実行される。
ステップS208で、被検体に対して息止めを指示する処理がシーケンサ116から削除され、被検体に対して呼吸再開を指示する処理がシーケンサ116に登録される。
ステップS209で、撮影シーケンス終了後に、被検体に対して呼吸再開の指示が行われる。
ステップS210で、画像再構成に必要なエコー信号が全て取得されたか否かが確認される。取得が完了したなら、呼吸再開を指示して本撮影が終了され、完了していなければステップS211に移行する。
ステップS211で、ナビゲートシーケンスが再開される。
ステップS212で、被検体に対して呼吸再開を指示する処理が制御内容から削除され、呼吸再開の指示の提示が終了される。そして、ステップS205に戻る。なお、ステップS205に戻る前に、被検体に一定回数又は一定時間の呼吸をさせる休止期間を設けても良い。
以上のステップS205〜212における、ナビゲートシーケンスによる横隔膜位置・呼吸周期の検出、撮影シーケンスによるエコー信号の取得が、画像再構成に必要なエコー信号を全て取得するまで繰り返される。
次に、上記各処理ステップの内、以下の主要な処理ステップの詳細を説明する。
最初に、ステップS203において実行される、平均呼吸周期、横隔膜の平均変位量、及び平均プロファイル導出処理について、図4を用いて詳細に説明する。図4は横隔膜位置のプロファイルであり、約5周期のプロファイルが計測されている。本プロファイルより最大値と最小値が導出され、両値より平均値Mが計算される。次に、前記プロファイルと平均値Mとの交点、及び平均値Mとゲートウィンドウとの距離dが導出される。なお、導出された距離dはステップS204において使用される。ナビシーケンスの開始を基準時間とし、各交点に対してt1、t2、t3の様に番号を付与する。ここで、奇数番の交点の時間差、例えばt3-t1、t5-t3を呼吸周期とする。図4において、第1の呼吸周期はt3-t1であり、第2の呼吸周期はt5-t3である。以下、第n番目の呼吸周期をTnと表現する。次いで、第n番目の呼吸周期における最大値と最小値が導出され、この差分を変位量Anとする。図4においては、第1呼吸周期の最大値と最小値を黒丸とし、変位量A1を示している。次に、平均呼吸周期Tmと平均変位量Amは、それぞれ以下の(1)式を用いて導出される。
Tm=(T1+T2+T3+…+Tn)/n Am=(A1+A2+A3+…+An)/n (1)
その後、平均プロファイルが導出される。この手順の一例を図5に示す。まず、第1〜第n番目の呼吸周期がそれぞれ異なる(図5左)ため、T1〜Tnはそれぞれ規格化されて平均呼吸周期Tmに一致される(図5中央)。各プロファイルに対しては線形補間処理などが施される。その後、新たに作成された第1〜第n番目の呼吸プロファイルが加算平均され、これが平均プロファイルとされる(図5右)。なお、上述した平均呼吸周期、平均変位量、平均プロファイルの導出法は、ステップS203における典型的な方法を説明するものであり、適用すべき導出法を限定するものではない。
次に、ステップS204において実行される、横隔膜位置Psの導出について詳細に説明する。ステップS203において、平均プロファイルと、平均値Mと位置の差dが導出されているので、まず平均値Mと位置の差dとからゲートウィンドウの位置が計算される。次いで、平均プロファイルとゲートウィンドウとの交点が求められる。その交点より、所定時間Tsだけ以前の横隔膜位置が、導出対象の横隔膜位置Psである。なお、所定時間Tsは、MRI装置内で息止め指示の制御が開始されてから被検体の息止めが完了するまでの遅れ時間に相当し、システム応答時間と被検体の応答時間とで構成される。ここで、システム応答時間とは、シーケンサ116が息止め指示のコマンドを発行してから、例えばオートボイスなどの機器により指示が被検体に提示されるまでの時間であり、被検体の応答時間とは、被検体が指示を認識してから息止めを実行するまでの時間である。
次に、ステップS206,207における、ナビゲートシーケンスと撮影シーケンスのタイミングチャートを図6に示す。本実施例では、ステップS206で息止めが指示された後も継続してナビゲートシーケンスが実行され、ステップS207で横隔膜位置がゲートウィンドウ内にあることが確認された後に撮影シーケンスが実施される。
以上の様に、撮影シーケンス実行の可否を判定する手順として、息止め状態で横隔膜がゲートウィンドウ内に含まれるかを判定するステップS207の処理を行うことが、方法2-3と異なる点である。
次に、息止め・呼吸再開指示に関わるハードウェアについて説明する。息止め及び呼吸再開の指示には音声や画像を用いることができる。音声による指示は、例えば、指示内容や順番を事前に登録可能なオートボイス機能を使用することができる。画像、或いは視覚情報を用いた指示は、例えば、透視パネルやスクリーンが被検体への圧迫感を低減するために併設されているMRI装置において、前記パネル上に指示内容を表示することにより行うことができる。被検体の胸部をエアバンドで圧迫し呼吸動を小さくする場合は、これまでに説明した息止め・呼吸再開の指示の替わりに、エアバンドへの空気の注入・排気を実施しても良い。或いは、息止め・呼吸再開の指示と、エアバンドへの空気の制御とを並行して実施しても良い。
以上説明した様に本実施形態によれば、横隔膜位置が所定のゲートウィンドウ内に存在する様に被検体に対して息止めが指示されると共に、横隔膜位置が所定のゲートウィンドウ内に存在することが確認されて撮影シーケンスが実施されることになる。その結果、撮影シーケンスによる画像再構成用のエコー信号の取得効率を向上することができる。その結果、撮影時間を短縮することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明のMRI装置の第2の実施形態を説明する。本実施形態は、前述の第1の実施形態に加えて、更に、撮影シーケンス終了毎に被検体の呼吸動作の安定性を確認して、呼吸動作が安定してから撮影シーケンスを再開する形態である。呼吸動作が不安定な状態で息止め撮影を実行すると、撮影シーケンス実行中に不意に呼吸が開始されたりして、そのような場合には計測されたエコー信号を破棄せざるを得ず、結果的にエコー信号の取得効率が低下することになってしまう。このようなことを防止するのが本実施形態の目的の一つでもある。
本実施形態の一実施例を図7に基づいて説明する。図7は本実施例のフローチャートであり、図2に示した第1の実施形態の一実施例の操作手順とデータ処理手順を示すフローチャートに、新たに処理ステップS213を追加したものである。以下、図2のフローチャートと異なる処理ステップS213についてのみ詳細に説明し、他の図2と同じ処理ステップの説明は省略する。
ステップS212の後に、ステップS205に戻らずに、ステップS213に移行する。
ステップS213で、呼吸再開後のナビゲートシーケンスにより検出される最新プロファイルにより最新の呼吸周期が導出され、前記最新の呼吸周期とステップS203で導出された平均呼吸周期とが比較される。それらの周期の差の絶対値が予め定めた閾値より大きい場合は、ナビゲートシーケンスによる最新プロファイルの検出及び呼吸周期の導出が継続される。閾値以内の場合は、ステップS205に戻り、画像再構成に必要なエコー信号を全て取得するまで前述のステップS205〜S213が繰り返えされる。
つまり、ステップS213では、撮影シーケンス終了後に、呼吸再開後の最新呼吸周期とステップS203で導出された平均呼吸周期とが比較されて、次の息止め指示の可否判定が実施される。例えば、図4において、撮影シーケンス終了後の第1及び第2呼吸は呼吸周期が短く、ステップS213の条件を満足しないため、ステップS205に戻らない。呼吸周期の条件を満足する第3呼吸の時にステップS205に戻って、息止め下での撮影シーケンスが後続される。なお、この処理ステップも、他の処理ステップと同様に、例えば記憶媒体117に記憶された対応するプログラムを計算機118が読み出して実行することにより行われる。
以上の様に、撮影シーケンス実行の可否を判定する手順として、第1の実施形態の一実施例で説明した、息止め状態で横隔膜がゲートウィンドウ内に含まれるか否かを判定するステップS207に加えて、被検体の呼吸・心拍などの生理的要因が安定した状態で撮影が許可されるステップS213が実施例されることが、方法2-3と異なる点である。
次に、このステップS213における最新の呼吸周期と平均呼吸周期との比較について説明する。本処理の目的は、息止めを終えた直後は呼吸が乱れているので、早急な撮影シーケンスの実行を防止することにある。呼吸の安定性を判定するため、最新の呼吸周期と平均呼吸周期とが比較される。例えば、呼吸安定性の判定基準を、最新呼吸周期が平均呼吸周期の±10%以内であるとすることができる。更には、前記判定基準を連続する4心拍が満足するなど、複数の条件を設定しても良い。
以上、呼吸周期を判定基準とする例を説明したが、心拍数を判定基準にすることも可能である。例えば、本撮影開始直後のナビゲートシーケンス実行中の心拍数が計測されて、その平均心拍数が記憶媒体117上に保存され、息止め撮影シーケンス終了直後の最新心拍数と前記平均心拍数とが比較されることによって、心拍の安定性が判定されることも可能である。呼吸周期の安定性の判定と心拍の安定性の判定とを組み合わせて撮影を実施することも、当然可能である。以上の様にステップS213を実施することにより、息止め計測を安定的に実施することが可能になる。
以上説明したように本実施形態によれば、被検体の呼吸周期が安定した状態で息止めによる撮影シーケンスが実行されるので、横隔膜位置が所定のゲートウィンドウ内に有ることをより確実にして撮影シーケンスを行うことが可能になる。その結果、被検体の負担を低減できると共に、息止め撮影を安定的に実施することが可能になる。その結果、画像再構成用のエコー信号の取得効率を更に向上することができると共に、撮影時間を更に短縮することができる。
(追加可能な処理)
次に、前述の第1の実施形態又は第2の実施形態の少なくとも一方に併用可能な、撮影シーケンスの実行効率の向上と、体動アーチファクト低減による画質向上とを、さらに増大させる追加処理または操作手順を以下に説明する。
第1の追加処理は、図4記載の撮影シーケンスの実行時に行われる息止めに関して、少なくとも第1回目の息止め期間中にナビゲートシーケンスを実施する。すなわち、前述の様に、本撮影開始直後に自由呼吸下でナビゲートシーケンスが実行され、その後に、本追加処理として、少なくとも第1回目の息止め指示の後から息止め期間中にもナビゲートシーケンスが継続される。本追加処理が実施された場合のシーケンスの一例を図8に示す。
息止め指示の後もナビゲートシーケンスを継続して横隔膜の位置をモニターすることにより、息止め指示から横隔膜の位置変動が小さくなるまでの所要時間と、上記横隔膜の位置変動が小さい期間の継続時間とを取得することができる。息止め指示から横隔膜の位置変動が小さくなるまでの所要時間は、例えば、ステップS204における所定時間Tsとすることが可能であり、横隔膜の位置変動が小さい期間の継続時間は、例えば、撮影シーケンスの実行期間とすることが可能であり、或いは息止め期間中に取得するエコー信号数を最適化する際にこの値を用いることが可能である。
本追加処理によれば、撮影シーケンスの開始タイミング、及び継続期間をより精密に制御することが可能になるので、撮影シーケンスの実行効率を更に向上させることができる。
第2の追加処理は、撮影シーケンス終了に続いて実行されるナビゲートシーケンスにおいて、最初に検出される横隔膜の位置がゲートウィンドウ内に含まれていない場合、直前の息止め期間中に取得されたエコー信号を破棄する手順である。本追加処理の一例を図9のフローチャートに示す。(a)は図2に示す第1の実施形態の一実施例に追加した例であり、(b)は図7に示す第2の実施形態の一実施例に追加した例である。(a)において、ステップS211までの手順は、図2と同じである。ステップS212の後にステップS205に戻らずに、新たに追加するステップS20Aに移行する。
このステップS20Aでは、撮影シーケンス直後のナビゲートシーケンスから得られる横隔膜位置により、S207の撮影シーケンスで取得されたエコー信号の採用・破棄が判定される。ステップS20Aの後はステップS205に戻る。同様に、(b)において、ステップS212までの手順は、図7と同じである。ステップS212の後に新たに追加するステップS20Aに移行する。ステップS20Aの後はステップS213に移行する。
更なる追加処理としては、図10に示す様に、ステップS20Aによりエコー信号が破棄された後に、一回の息止め撮影シーケンスで取得されるエコー信号数を少なくするステップS20Bを行う。(a)は図9(a)にステップS20Bを追加した例であり、(b)は図9(b)にステップS20Bを追加した例である。
ステップS20Bのより具体的な内容は、
(1)一回の息止め撮影シーケンスで取得されるエコー信号数の変更
(2)トータルの撮影時間の更新
等である。ステップS20Bが実施されることにより、一回当たりの息止め期間を短くすることができる。これにより、被検体の疲労により息止め可能な期間が短くなった場合にも、適切な条件下で撮影を継続することが可能になる。
本追加処理によれば、横隔膜の位置がゲートウィンドウ外の時に取得されたエコー信号が破棄され、また、被検体の疲労度に対応して取得するエコー信号数が調整されるので、体動アーチファクトをさらに低減して画質をより向上させることができる。
第3の追加処理は、撮影シーケンス実行時に、簡易的な体動モニターを実施する処理である。具体的には、息止め下に実行される撮影シーケンスにおいて、定期的に位相エンコード方向の傾斜磁場強度をゼロにしてゼロ・エンコード信号の取得が行われる。前記ゼロ・エンコード信号をフーリエ変換して得られるプロジェクションデータから、リードアウト方向の位置ずれを検出することが可能である。プロジェクションデータから位置ずれ量を検出するためのアルゴリズムは、例えば(特許文献2)に記載されている。
特許第2932175号公報
第3の追加処理は、第2の追加処理における撮影シーケンスの実行効率の低下を最小することが可能である。すなわち、第2の追加処理においては、直前の息止め期間中に取得された全エコー信号が破棄されるのに対し、第3の追加処理においては、プロジェクションデータによりリードアウト方向の位置ずれが小さいと判定されたエコー信号が画像再構成に使用され、位置ずれが大きいと判定されたエコー信号のみ破棄される。
本追加処理の一例を図11に示す。図4に示した様に、横隔膜位置がゲートウィンドウ内に含まれる場合に撮影シーケンスが実行される。撮影シーケンスは、プロジェクションデータの取得と画像再構成用エコー信号取得に大別される。プロジェクションデータの取得は、例えば、撮影シーケンスの開始直後に行われる。その後、画像再構成エコー信号が取得される。プロジェクションデータと画像再構成エコー信号を取得するシーケンスの一例をそれぞれ図11下段左側及び右側に示す。これらのシーケンスは、繰り返し時間(TR)内で、傾斜磁場の印加量が全ての軸に関してゼロにされるSSFP型シーケンスである。特に、左側のプロジェクションデータを取得するシーケンスは、右側の画像再構成エコー信号を取得するシーケンスにおいて、位相エンコード傾斜磁場がゼロにされた場合である。
息止め下による撮影シーケンス実行直後に、ゼロ・エンコードデータが取得され、そのデータからプロジェクションデータが作成される。撮影シーケンス開始直後に取得された本プロジェクションデータは、リファレンスデータとして保持される。ゼロ・エンコードデータ取得以後は、予め定められた位相エンコード順序に従ってエコー信号が取得される。所定時間(図11ではTproと表示)経過後、再びゼロ・エンコードデータが取得される。このプロジェクションデータと、前記リファレンスデータとが比較されてリードアウト方向の位置ずれ量が計算される。位置ずれ量が小さい場合に、ゼロ・エンコードデータの取得より前に取得されたエコー信号が、画像再構成に使用される。
なお、(特許文献2)に記載の位置ずれ量導出のアルゴリズムは、主に静止部位を撮影対象としたプロジェクションデータへ適用される場合が多い。一方、本撮影シーケンスの撮影対象は、特に心臓を含む胸部領域である。そこで、静止部位と動きを伴う部位とが混在する様な場合には、プロジェクションデータにおいて、心臓及びその近傍領域をマスキングし、或いは胸部体表のデータに重み付けをして、(特許文献2)記載のアルゴリズムを適用すれば良い。
本追加処理によれば、横隔膜の位置ずれ量に対応して息止め撮影シーケンスで取得されるエコー信号の取捨選択が判定されるので、撮影シーケンスの実行効率を更に向上させることができる。
第4の追加処理は、横隔膜位置ドリフトへの対応に伴う、息止め指示などの条件変更を行う処理である。横隔膜の位置は、呼吸周期による変動以外に、長い周期で位置の変動が発生する例が報告されており、この様な長周期変動は一般にドリフトと言われている。本追加処理では、ドリフトが発生した場合には、ゲートウィンドウの位置が変更される。そして、この位置変更に伴い、息止め指示の条件を満足する横隔膜位置Psも変更される。図12において、左側は撮影開始直後の横隔膜位置プロファイル、右側はドリフト後の同プロファイルを示す図である。本図に示す様に、ゲートウィンドウの位置が変更された場合、ゲートウィンドウの移動距離だけ横隔膜位置の座標Psが移動されて、新たな横隔膜位置の座標Ps'に設定される。この位置Ps'が、息止め指示の判定に使用する新たな横隔膜位置となる。
本追加処理によれば、横隔膜位置のドリフトに対応して、ゲートウィンドウの位置が変更されるので、撮影シーケンスの実行効率をさらに高めることができる。
第5の追加処理は、撮影シーケンス開始直前の横隔膜位置に基づき、各息止め期間中の撮影シーケンスのスライス位置を変更する処理である。本追加処理の例としては、例えば(非特許文献3)が知られている。
Magnetic Resonance in Medicine,37,148-152(1977)
本追加処理の一例のフローチャートを図13に示す。なお、下記各処理ステップの内、ステップS20Cは図2における最初の1回目に実施されるステップS207の一部として、ステップS20D〜S20Fは図2におけるステップS205〜S212の繰り返し内で2回目以降に実施されるS207の一部として、追加される。
ステップS20Cで、第1回目の息止め下の撮影シーケンス直前に取得された横隔膜位置P1が導出されて、リファレンス位置Prとして保存される。
ステップS20Dで、第2回目の息止め下の撮影シーケンス直前に取得された横隔膜位置P2が導出される。
ステップS20Eで、Prとの差分値P2-Prに対して(非特許文献3)のアルゴリズムが適用されて、第2回目の撮影シーケンスにおけるスライス選択周波数が変更される。なお、スライス選択周波数以外にエコー信号の受信位相が変更される場合もある。
ステップS20Fで、第2回目の息止め下の撮影シーケンスが実行される。
以上の様な撮影条件の変更が、全息止め下の撮影シーケンスに適用されて、エコー信号の計測が行われる。
本追加処理によれば、横隔膜位置の変動に対応して、スライス位置が変更されるので、体動アーチファクトをさらに低減して画質をより向上させることができる。
以上、前述の第1の実施形態又は第2の実施形態の少なくとも一方に併用可能な追加処理について説明した。これらの追加処理は、それぞれを単独で併用すること、及び少なくとも2つを組み合わせて併用することも、何れも可能である。上記追加処理の併用により、更なる撮影シーケンスの実行効率の向上と、体動アーチファクト低減による画質向上とを実現することが可能になる。
(第3の実施形態)
次に、本発明のMRI装置の第3の実施形態を説明する。本実施形態は、被検体の呼吸動を検出する外部センサーを備えて呼吸動をモニターし、息止め状態と判定された期間に撮影を行う形態である。
本実施形態の第1実施例を図14に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS1401で、被検体の撮影に先立ち、被検体の呼吸動を検出する外部センサー122を被検体に取り付ける。
ステップS1402 で、操作者が計算機118に備えられた図示してない撮影開始ボタンを押下すると、計算機118から撮影開始命令がシーケンサ116に送られる。
ステップS1403では、撮影開始命令を受け取ったシーケンサ116は、被検体の呼吸動のモニターを開始する命令を生体信号検出部121に送り、呼吸動検出センサー122にて被検体の呼吸動モニターを開始する。モニターした呼吸動波形は、例えば表示部119に表示される。
ステップS1404で、呼吸動のモニターが開始されてから所定時間後に、操作者は被検体に対して息止めの指示を出す。息止めの指示は、音あるいは光などの媒体を用いて、MRI装置が呼吸動モニター開始から所定時間後に自動的に行ってもよい。ヒトの呼吸周期は1秒から3秒程度であるので、呼吸停止の指示を自動的に行う場合は、呼吸動モニター開始から5秒から10秒後程度が望ましい。
図15に、モニターした被検体の呼吸動波形の一例を示す。図15の例は、被検体に呼吸動検出センサー122を取り付け、胸壁あるいは腹壁の動きをモニターしている場合である。曲線1501が呼吸による胸壁あるいは腹壁の動きを表す波形(以下、呼吸動波形)である。
被検体が自由に呼吸を行っている期間は、1504に示すように振動的に呼吸動波形が変化する。このような呼吸動状態において、1502のタイミングで息止め指示が出されると、被検体はその指示から数秒後に息止めを行う。被検体が息止めを行うと、胸壁あるいは腹壁はほとんど動かなくなるため、呼吸動波形は図15の1503に示すようにほぼ平らになる。
ステップS1405で、呼吸動モニターを継続して、呼吸動波形がほとんど変化しなくなる時点を検出する。呼吸動波形がほとんど変化しなくなったとする判定基準は、例えば、胸壁あるいは腹壁の動きをモニターしている場合では、波形の変動振幅が3mm未満となる時間が0.5秒以上持続した場合とすることができる。
ステップS1406で、呼吸動波形がほとんど変化しなくなったか否かを判定する。ほとんど変化していないと判定されたらステップS1407に移行し、まだ変化していると判定すればステップS1405に移行する。
ステップS1407で、シーケンサ116は、所定の撮影シーケンスを開始する。撮影が終了したら通常の画像処理を行い、表示部119に画像を表示する。
次に、本実施形態の第2実施例を説明する。本実施例では、呼吸動のモニターを外部センサーによって行っている場合は、撮影を行っている間も撮影と並行して呼吸動のモニターを続けることが可能であることを利用する。
シーケンサ116が、撮影を行っている間に呼吸動波形が乱れたことを検知した場合、呼吸が乱れたことを示すアラームを表示部119に表示する。アラームが表示されることにより、操作者は、撮影中に被検体の呼吸が乱れたことを知ることができる。そして、取得された画像にアーチファクトが生じた場合、そのアーチファクトが呼吸の乱れによるものであるか否かを判定することができる。
また、図15に示すように、呼吸動波形1501’の乱れが一時的に生じた場合は、シーケンサ116は、呼吸動波形が乱れた期間に取得したエコー信号を破棄し、呼吸動波形が安定してから改めてエコー信号の取得を行うことができる。これにより、呼吸の乱れによるアーチファクトを抑制することができる。
呼吸動波形1501’の乱れの検出は、例えば、息止め時の呼吸動波形に対して幅1601を設け、呼吸動波形が1601の範囲外となれば呼吸が乱れたと判定することができる。幅1601は、例えば、胸壁あるいは腹壁の動きをモニターしている場合では、3mm程度とすることができる。また、呼吸動波形1501’の一次微分の大小により判定してもよい。
以上説明したように本実施形態によれば、被検体の呼吸動を検出する外部センサーを備えて呼吸動をモニターすることによって、体動位置が所定の位置に停止したことが確認されて撮影シーケンスが実施される。また、ナビゲートシーケンスを併用する必要がなくなるので、撮影時間の延長を抑制することができる。また、リアルタイムに呼吸動を検出することができるので、撮影シーケンスの開始を最適にすることができる。また、撮影シーケンスと平行して、呼吸動の様子とその乱れをモニターできるので、呼吸動の乱れに基づく再計測を最小にして再計測による撮影時間の延長を最小に抑えることができる。
以上の本発明は、呼吸性体動による画質劣化が予想される部位を撮影する場合、特に有効である。例えば、肝臓等の胸部・腹部内臓器を対象部位に拡散強調画像の撮影を実施する場合は、加算平均によりSN比を向上する必要がある。必然的に撮影時間が長くなり呼吸性体動によるアーチファクトが不可避になる。また、従来技術に示したナビゲートシーケンスは、ナビゲートシーケンスの励起領域が上記拡散強調画像上でバンド状のアーチファクトとなるため適用が困難である。本発明は上記問題を解決し、撮影時間の短縮と画質向上を同時に実現することが可能である。また、呼吸に伴い心臓の位置も変動することから、心臓撮影全般に対しても本発明は有効である。
MRI装置図。 本発明の第1の実施形態の一例の処理手順を示すフローチャート。 横隔膜位置のプロファイルの一例を示す図。 本発明の横隔膜ナビシーケンスと撮影シーケンスのタイミングチャート。 平均呼吸周期、横隔膜平均変位量導出処理を示す図。 平均プロファイル導出処理を示す図。 本発明の第2の実施形態の一例の処理手順を示すフローチャート。 本発明のシーケンスの一例であり、息止め下にナビゲートシーケンスを実施する場合のシーケンス図。 撮影シーケンス後、最初に行われるナビゲートシーケンスにおいて、横隔膜位置がゲートウィンドウ外の場合のデータ処理手順例。 撮影シーケンス後、最初に行われるナビゲートシーケンスにおいて、横隔膜位置がゲートウィンドウ外の場合の、別のデータ処理手順例。 撮影シーケンス時に、簡易的な体動モニターを実施する場合のシーケンスの一例を示す図。 ゲートウィンドウ位置を変更した例を示す図。 撮影シーケンスにおけるスライス位置変更の追加手順を示すフローチャート。 本発明の第3の実施形態の一例の処理手順を示すフローチャート。 呼吸動波形モニターの一例。 計測中の呼吸動波形モニターの一例。
符号の説明
101 静磁場発生磁石、102 撮影対象、103 ベッド、104 高周波磁場コイル、105 X方向傾斜磁場コイル、106 Y方向傾斜磁場コイル、107 Z方向傾斜磁場コイル、108 高周波磁場電源、109 X方向傾斜磁場コイル、110 Y方向傾斜磁場コイル、111 Z方向傾斜磁場コイル、112 シンセサイザ、113 変調装置、114 増幅器、115 受信器、116 シーケンサ、117 記憶媒体、118 計算機、119 ディスプレイ

Claims (7)

  1. 静磁場を発生する手段と、傾斜磁場を発生する手段と、高周波磁場を発生する手段と、被検体から発生する核磁気共鳴信号を検出する手段と、前記核磁気共鳴信号を用いて前記被検体の画像を再構成する手段と、前記被検体に所定の情報を伝達する手段と、所定のパルスシーケンスに基づいて前記傾斜磁場発生手段と前記高周波磁場発生手段と前記信号検出手段とを制御するとともに、前記伝達手段を制御する手段と、を備え、
    前記パルスシーケンスは、前記被検体の体動位置を検出するための体動検出シーケンスと、前記被検体の画像を取得するための撮影シーケンスとを有し、
    前記制御手段は、前記体動検出シーケンスと、該体動検出シーケンスによって検出された体動情報に基づいて前記伝達手段を介した前記被検体への息止め指示と、前記撮影シーケンスと、前記伝達手段を介した前記被検体への呼吸再開の指示と、を繰り返し実行する磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、前記息止め指示の後にも前記体動検出シーケンスを継続して体動位置を検出し、該体動位置が第1の所定範囲内の場合に前記撮影シーケンスを実行することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、前記体動位置が前記第1の所定範囲外となった場合は、直前の前記撮影シーケンスで取得された前記核磁気共鳴信号を破棄することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、前記第1の所定範囲を、前記被検体の自由呼吸下で実行した前記体動検出シーケンスによって検出された前記体動位置の変動に基づいて定めることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、前記体動検出シーケンスによって検出された前記体動位置の変動に対応して、前記第1の所定範囲を変更することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、前記撮影シーケンスの後にも前記体動検出シーケンスを実行して前記体動位置を検出し、該体動位置の変動から導かれる値が第2の所定範囲内となった後に、前記息止め指示の伝達を実行することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、前記体動検出シーケンスによって検出された前記体動位置の変動に基づいて、前記撮影シーケンスのパラメーターを制御することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 請求項6に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記パラメーターは、前記撮影シーケンスの実行期間、又は、スライス選択周波数とすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
JP2005214164A 2005-07-25 2005-07-25 磁気共鳴イメージング装置 Expired - Fee Related JP4807825B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005214164A JP4807825B2 (ja) 2005-07-25 2005-07-25 磁気共鳴イメージング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005214164A JP4807825B2 (ja) 2005-07-25 2005-07-25 磁気共鳴イメージング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007029250A JP2007029250A (ja) 2007-02-08
JP4807825B2 true JP4807825B2 (ja) 2011-11-02

Family

ID=37789217

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005214164A Expired - Fee Related JP4807825B2 (ja) 2005-07-25 2005-07-25 磁気共鳴イメージング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4807825B2 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007075387A (ja) 2005-09-15 2007-03-29 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc 息止めmr撮影方法、mri装置、息止め断層像撮影方法および断層像撮影装置
JP4789244B2 (ja) * 2006-01-12 2011-10-12 株式会社日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置
JP5144106B2 (ja) * 2007-04-11 2013-02-13 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー イメージング装置
JP5337385B2 (ja) * 2008-01-29 2013-11-06 株式会社東芝 磁気共鳴映像装置
US8971992B2 (en) 2007-05-07 2015-03-03 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic resonance imaging apparatus and control method thereof
JP5497994B2 (ja) * 2007-05-07 2014-05-21 株式会社東芝 磁気共鳴映像装置
EP2335572A4 (en) 2008-10-03 2012-04-25 Hitachi Medical Corp MAGNETIC RESONANCE IMAGING APPARATUS, AND IMAGING METHOD WITH BLOCKED BREATHING
JP5454846B2 (ja) * 2008-10-15 2014-03-26 株式会社東芝 磁気共鳴映像装置
US8818487B2 (en) 2008-10-15 2014-08-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance imaging method
JP5498060B2 (ja) * 2009-06-04 2014-05-21 株式会社東芝 磁気共鳴映像装置
WO2010058732A1 (ja) * 2008-11-18 2010-05-27 株式会社 日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング方法
JP5371620B2 (ja) * 2009-08-07 2013-12-18 株式会社日立メディコ 核磁気共鳴イメージング装置
JP5591545B2 (ja) 2010-01-20 2014-09-17 株式会社東芝 磁気共鳴映像装置
JP2012075509A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc 磁気共鳴イメージング装置およびプログラム
WO2012137563A1 (ja) * 2011-04-01 2012-10-11 株式会社日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング方法
JP6076677B2 (ja) * 2011-11-25 2017-02-08 東芝メディカルシステムズ株式会社 磁気共鳴イメージング装置
JP5851283B2 (ja) * 2012-03-01 2016-02-03 株式会社東芝 磁気共鳴イメージング装置
JP6183885B2 (ja) * 2013-03-29 2017-08-23 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー 呼吸ガイド装置および医用装置
JP2013198795A (ja) * 2013-07-08 2013-10-03 Toshiba Corp 磁気共鳴映像装置
JP5889841B2 (ja) * 2013-07-08 2016-03-22 株式会社東芝 磁気共鳴映像装置
JP6440980B2 (ja) * 2013-07-10 2018-12-19 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 磁気共鳴イメージング装置
EP3084462B1 (en) * 2013-12-20 2019-05-01 Koninklijke Philips N.V. Breath-hold detection for magnetic resonance imaging
JP7156789B2 (ja) * 2017-11-17 2022-10-19 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 磁気共鳴イメージング装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1043160A (ja) * 1996-07-31 1998-02-17 Shimadzu Corp 医用画像診断装置
JP4342086B2 (ja) * 2000-06-09 2009-10-14 株式会社東芝 医用画像診断装置
JP2002028148A (ja) * 2000-07-19 2002-01-29 Ge Yokogawa Medical Systems Ltd 非接触呼吸検知装置およびmri装置
WO2002023211A1 (en) * 2000-09-12 2002-03-21 Koninklijke Philips Electronics N.V. Magnetic resonance method
JP4349647B2 (ja) * 2003-04-08 2009-10-21 株式会社日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置
JP2005021488A (ja) * 2003-07-04 2005-01-27 Hitachi Medical Corp 磁気共鳴イメージング装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007029250A (ja) 2007-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4807825B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
US7570050B2 (en) Magnetic resonance imaging apparatus and method
JP5236356B2 (ja) 核磁気共鳴イメージング装置
JP5591545B2 (ja) 磁気共鳴映像装置
WO2006046639A1 (ja) 核磁気共鳴撮像装置
JP2006198407A (ja) 磁気共鳴(mr)イメージングにおける動き補償方法および動き補償システム
JP6008839B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング方法
JP2006320527A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
US20150157277A1 (en) Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance imaging method
WO2004080301A1 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP4342086B2 (ja) 医用画像診断装置
JP2005278919A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
WO2015093296A1 (ja) 磁気共鳴イメージング装置およびその制御方法
JP2004209084A (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
JP2007061545A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP2006026076A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP2005040416A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP5389103B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP5454846B2 (ja) 磁気共鳴映像装置
JP5337385B2 (ja) 磁気共鳴映像装置
JP6827813B2 (ja) 医用画像診断装置
KR102232606B1 (ko) 자기 공명 영상 장치 및 자기 공명 영상 생성 방법
JP2008148918A (ja) Mri装置およびその制御方法
JP5889841B2 (ja) 磁気共鳴映像装置
JP2023043001A (ja) 磁気共鳴イメージング装置、その制御方法、および、制御プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080716

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110322

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110810

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110812

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140826

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees