JP4807565B2 - 流量予測装置 - Google Patents
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Description
なお、雨量計は広いエリア中の一地点の降雨量を計測しているに過ぎないので、局所的に降雨状況が異なると全体的な降雨状況を表すデータとはいえない。また、メッシュ雨量も範囲が細かすぎる場合がある。そこで、複数地点の雨量や複数区画のメッシュ雨量を平均化して用いることも行われている。
従来技術としては、例えば、特許文献1(特開2001−167078号公報、発明の名称「ダムまたは河川による流量予測方法」)が開示されており、ダムの流入量の予測に上流流域の流域平均雨量を用いる方法が開示されている。
また、特許文献2(特開平5−134715号公報、発明の名称「ニューラルネットワーク応用雨水流入量予測装置」)では、下水処理場やポンプ場における雨水の流入量予測方法に関するものであり、上流流域のメッシュ雨量を用いて流入量を予測する方法が開示されている。
河川の上流流域の雨量から下流の河川水の流量を予測する装置であり、河川の上流流域の複数地点または複数区画における雨量データと、ある雨量データが下流の河川水の流量に対して及ぼす影響度合いを複数の雨量データそれぞれについて表す初期値の加重比と、が登録されている流量予測装置であって、
ある雨量データと当該雨量データに係る加重比との積を複数地点または複数区画について総和してなる流域平均雨量データを、時刻別に複数算出する加重比決定用流域平均雨量算出手段と、
流域平均雨量データと当該流域平均雨量データに係る流量データとを時刻別で複数用いて相関係数を算出する相関係数算出手段と、
相関係数に基づいて評価値を生成し、流域平均雨量データと流量データとの相関が最も高いことを表す評価値である場合に評価が高い加重比であると判定し、当該加重比を最適候補の加重比として記憶する加重比評価手段と、
当該最適候補の加重比を所定規則に基づいて変更して新たに加重比を生成する加重比決定用加重比最適化手段と、
を有し、これら加重比決定用流域平均雨量算出手段、相関係数算出手段、加重比評価手段および加重比決定用加重比最適化手段を繰り返し機能させ、所定期間にわたり評価が高い加重比が判定されなかった場合に、記憶されている最適候補の加重比を流域平均雨量データと流量データとの相関が最も高くなる最適な加重比と決定する加重比決定手段と、
ある雨量データと当該雨量データに係るものであって加重比決定手段で決定された最適な加重比との積を、複数地点または複数区画について総和してなる流域平均雨量データを用いて流量予測モデルを構築する予測モデル構築手段と、
予測モデル構築手段で構築された流量予測モデルに対し、加重比決定手段で決定された最適な加重比による流域平均雨量データを入力して河川水の予測流量に係る予測流量データを生成する予測手段と、
を備えることを特徴とする。
河川の上流流域の雨量から下流の河川水の流量を予測する装置であり、河川の上流流域の複数地点または複数区画における雨量データと、ある雨量データが下流の河川水の流量に対して及ぼす影響度合いを複数の雨量データそれぞれについて表す初期値の加重比と、が登録されている流量予測装置であって、
ある雨量データと当該雨量データに係る加重比との積を複数地点または複数区画について総和してなる流域平均雨量データを、時刻別に複数算出する予測モデル構築用流域平均雨量算出手段と、
流域平均雨量データと当該流域平均雨量データに係る流量データとを時刻別で複数用いて流量予測モデルを学習する予測モデル学習手段と、
過去の実績に係る流域平均雨量データと対応する実績の流量データとを用いて流量予測モデルにより予測して予測流量データを生成し、実績の流量データと予測流量データとの予測誤差に基づいて評価値を生成し、予測誤差が最も少ないことを表す評価値である場合に評価が高い流量予測モデルおよび加重比であると判定し、当該流量予測モデルおよび当該加重比を最適候補の流量予測モデルおよび最適候補の加重比として記憶する予測モデル・加重比評価手段と、
最適候補の加重比を所定規則に基づいて変更して新たに加重比を生成する予測モデル構築用加重比最適化手段と、
を有し、これら予測モデル構築用流域平均雨量算出手段、予測モデル学習手段、予測モデル・加重比評価手段および予測モデル構築用加重比最適化手段を繰り返し機能させ、繰り返しを終了して最後に記憶されている最適候補の流量予測モデルおよび最適候補の加重比を予測誤差が最も少なくなる最適な流量予測モデルおよび最適な加重比と決定する予測モデル構築手段と、
予測モデル構築手段で構築された最適な流量予測モデルに対し、予測モデル構築手段で決定された最適な加重比による流域平均雨量データを入力して河川水の予測流量に係る予測流量データを生成する予測手段と、
を備えることを特徴とする。
河川の上流流域の雨量から下流の河川水の流量を予測する装置であり、河川の上流流域の複数地点または複数区画における雨量データと、ある雨量データが下流の河川水の流量に対して及ぼす影響度合いを複数の雨量データそれぞれについて表す初期値の加重比と、が登録されている流量予測装置であって、
ある雨量データと当該雨量データに係る加重比との積を複数地点または複数区画について総和してなる流域平均雨量データを、時刻別に複数算出する加重比決定用流域平均雨量算出手段と、
流域平均雨量データと当該流域平均雨量データに係る流量データとを時刻別で複数用いて相関係数を算出する相関係数算出手段と、
相関係数に基づいて評価値を生成し、流域平均雨量データと流量データとの相関が最も高いことを表す評価値である場合に評価が高い加重比であると判定し、当該加重比を最適候補の加重比として記憶する加重比評価手段と、
当該最適候補の加重比を所定規則に基づいて変更して新たに加重比を生成する加重比決定用加重比最適化手段と、
を有し、これら加重比決定用流域平均雨量算出手段、相関係数算出手段、加重比評価手段および加重比決定用加重比最適化手段を繰り返し機能させ、所定期間にわたり評価が高い加重比が判定されなかった場合に、記憶されている最適候補の加重比を流域平均雨量データと流量データとの相関が最も高くなる加重比と決定する加重比決定手段と、
ある雨量データと当該雨量データに係るものであって加重比決定手段で決定された加重比との積を、複数地点または複数区画について総和して流域平均雨量データとし、当該流域平均雨量データを時刻別に複数算出する予測モデル構築用流域平均雨量算出手段と、
流域平均雨量データと当該流域平均雨量データに係る流量データとを時刻別で複数用いて流量予測モデルを学習する予測モデル学習手段と、
過去の実績に係る流域平均雨量データと対応する実績の流量データとを用いて流量予測モデルにより予測して予測流量データを生成し、実績の流量データと予測流量データとの予測誤差に基づいて評価値を生成し、予測誤差が最も少ないことを表す評価値である場合に評価が高い流量予測モデルおよび加重比であると判定し、当該流量予測モデルおよび当該加重比を最適候補の流量予測モデルおよび最適候補の加重比として記憶する予測モデル・加重比評価手段と、
最適候補の加重比を所定規則に基づいて変更して新たに加重比を生成する予測モデル構築用加重比最適化手段と、
を有し、これら予測モデル構築用流域平均雨量算出手段、予測モデル学習手段、予測モデル・加重比評価手段および予測モデル構築用加重比最適化手段を繰り返し機能させ、繰り返しを終了して最後に記憶されている最適候補の流量予測モデルおよび最適候補の加重比を予測誤差が最も少なくなる最適な流量予測モデルおよび最適な加重比と決定する予測モデル構築手段と、
予測モデル構築手段で構築された最適な流量予測モデルに対し、予測モデル構築手段で決定された最適な加重比による流域平均雨量データを入力して河川水の予測流量に係る予測流量データを生成する予測手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の流量予測装置において、
前記流量予測モデルはニューラルネットワークであることを特徴とする。
流量予測装置1は、入力手段10、出力手段20、記録媒体読書手段30、データ発信手段40、データ収集手段50、データ蓄積手段60、加重比決定手段70、予測モデル構築手段80、予測手段90を備えている。
出力手段20は、ディスプレイやプリンタなどであり、各種データ表示・印刷も行う。
記憶媒体読書手段30は、FD(Flexible Disc)、MO(Magnet Optical Disc)、USBメモリなどの記憶媒体に対して情報の読み書きを行う装置である。
データ発信手段40は、ネットワーク2と接続するための手段であり、データ蓄積手段60からデータ発信手段40・ネットワーク2を経由して、外部へ情報の出力を行うことができるようになされている。
雨量データ収集手段51は、過去、現在および未来の雨量データを収集する手段である。まず、過去および現在の雨量データについて説明する。ここでいう過去および現在の雨量データとは、例えば、各地域に独自で設置した雨量計などの計測装置・センサから収集整理して入力された雨量データであったり、または、雨量レーダーによる解析結果を用いた所定区画内のメッシュ雨量を表す雨量データである。雨量データにはどこの雨量であるかを表す場所データも付加されており、時刻データ、雨量データおよび場所データが関連付けられて登録される。また、過去および現在の実績についての雨量データは、気象情報サービス会社からネットワーク2を介して配信される雨量データを用いるようにしても良い。この雨量データも時刻データ、雨量データおよび場所データが関連付けられて登録される。
このモデルでは、上流において支流1,2,・・・,i,・・・nが本流に入り込み、下流の予測対象100(例えば貯水施設)へ流量Qの水が流れ込むようなモデルである。これら支流の各流域付近に雨量計1,2,・・・,i,・・・nを配置し、この雨量計から出力される雨量データR(1),R(2)・・・,R(i),・・・R(n)を収集する。必要な雨量データとしては、ある時刻における全ての箇所の雨量データR(1),・・・R(n)を一組とし、さらに時刻別に複数組みのデータを求めるものである。
なお、雨量に加え、例えば天候(晴、雨、曇、雪)、気温、湿度、日照量等も含む気象データを収集してももちろん良い。
続いて加重比を用いる理由について説明する。先に雨量データを収集したが、流域の複数地点や複数区画にわたるため、予測に用いる雨量データも複数扱うこととなり、このままではパラメータ数が多すぎるという問題があった。さらにパラメータ数が多いと複雑な流量予測モデルとなってモデル構築や流量予測に時間や手間を要するという問題もあった。そこで、特に流量に対して影響度の高くない箇所の雨量データの加重を低く、また、流量に対して影響度の高い箇所の雨量データの加重を高くした流域平均雨量データとして表すものである。この流域平均雨量データは、流域平均雨量データの増減と流量の増減とが関連するため、流量に対して影響度が高いパラメータである。さらに流域平均雨量データ自体は複数地点における複数の雨量データを合わせたパラメータであるため、パラメータ数を少なくしており、流域平均雨量データを用いることで流量予測モデルの構築時や流量予測時において時間や手間を少なくすることができる。
つまり評価関数Eに具体的な相関係数rを入力して得られた評価値が前よりも高い評価が得られる評価値であるか否かを判定し、評価が高い場合には流域平均雨量データは下流の流量の増減に影響が大きいパラメータとなるため、この流域平均雨量データの加重比を加重比データベース61に登録する。最初の一回は、初期値として用いた加重比を登録するが、以後は前よりも高い評価が得られるたびに加重比データベース61に加重比が上書き登録される。
このような流域平均雨量データは、各々の流域iの雨量の増減に応じて下流側の流量が同じ傾向で増減するように決定される。
予測モデル構築手段80は、詳しくは図4で示すように、予測モデル構築用流域平均雨量算出手段81、予測モデル学習手段82、予測モデル評価手段83を備える。
そして、データ蓄積手段60が備える加重比データベース61、雨量データベース62、流量データベース63、予測モデルデータベース64の各データが用いられる。
ここで、予測手法の詳細については本発明の要旨ではないので詳細な説明は省略するが、代表的な流量予測モデルとしては、重回帰モデル、ニューラルネットワークモデル、ファジィ推論モデル、自己回帰モデル、カルマンフィルタモデル、事例ベース推論モデルなどがある。本形態では、流量予測モデルとしてニューラルネットワークモデルを採用した場合の予測手法について簡単に説明する。ニューラルネットワークモデルは様々な文献に記載されているため、簡単に説明するに留めるが、一般に入力層、中間層、出力層からなる3階層ニューラルネットワーク構造を有しており、さらに、入力層、中間層、出力層の各層にはシグモイド関数で表現されたニューロンによる素子が設けられ、入力層と中間層との素子間、中間層と出力層との素子間に結合を持つ。
このようなニューラルネットワークの各種予測モデル構築とは、複数の入力層素子(入力因子)に入力された入力値(時系列データ)に対し、出力層素子(出力因子)から所望の出力値が得られるように入力層と中間層、また、中間層と出力層との結合係数を変更することをいう。これにより結合係数が確定するものとする。
予測手段90は、詳しくは図5で示すように、予測用流域平均雨量算出手段91、予測流量算出手段92を備えている。
まず、予測用流域平均雨量算出手段91は、加重比データベース61から、先に加重比決定手段70により決定された最適な加重比を読み出し、また、雨量データベース62から読み出した過去、現在、未来の雨量データを用いてa時間前、現在、a時間未来の流域平均雨量データを生成する。
このようにして得られた予測流量データはデータ蓄積手段60の予測値データベース65に登録される。さらにデータ発信手段40・ネットワーク2を介して、例えば他の端末で表示したり、出力手段20で出力させたり、記録媒体読書手段30で記録したりする。
流量予測装置1’は、図6で示すように、入力手段10、出力手段20、記録媒体読書手段30、データ発信手段40、データ収集手段50、データ蓄積手段60、予測モデル構築手段80’、予測手段90を備えている。本形態では、図7で示すように改良された予測モデル構築手段80’内で加重比が決定されるため、加重比決定手段70をなくした構成としている。本形態では予測モデル構築手段80’以外は先の形態とは同じ構成であり、同じ符号を付すとともに重複する説明を省略する。予測モデル構築手段80’は、図7で示すように、予測モデル構築用流域平均雨量算出手段81、予測モデル学習手段82、予測モデル・加重比評価手段84、予測モデル構築用加重比最適化手段85を備える。図4で示した予測モデル構築手段80と比較すると、特に図7では予測モデル・加重比評価手段84、予測モデル構築用加重比最適化手段85が相違している。相違点に重点を置いて説明する。
予測モデル学習手段82は、予測モデル構築用流域平均雨量算出手段81から流域平均雨量データを読み出し、また、流量データベース63からこの流域平均雨量データと時刻が対応する流量データを読み出し、そして、これら流量データおよび流域平均雨量データを用いて流量予測モデルを構築する。なお、流量予測モデルとしては、本形態ではニューラルネットワークを採用している。
本形態でも先の形態のように流域平均雨量データRtと実績の流量データQをニューラルネットワークの入力因子として、また、対応する時刻の流量データQを出力因子として、それぞれ入力して、ニューラルネットワークの学習を行なう。
まず、流域平均雨量データRtを用いた場合の予測流量データQfと実績の流量データQとの予測誤差eを算出する。ここで添え字iは予測流量データQfと実績の流量データQとの時刻を示すものとする。流量データベース63に蓄積された評価用の過去実績のある時刻iにおける流量データQiと、対応する時刻iの流域平均雨量データRtを流量予測モデルに入力して得た予測流量データQfiと、を多数時刻について算出し、これら多数時刻の流量データQiと予測流量データQfiとを用いて、ある時刻iの予測誤差eiを次式により算出する。
そして評価が前よりも高いか否かを判定し、評価が高くなったならば(評価値が前よりも大きくなったならば)学習結果となる結合係数を予測モデルデータベース64に書き換え登録する。また、評価値が高くなったときの加重比も加重比データベース61に書き換え登録する。
予測モデル構築用加重比最適化手段85では予測モデル・加重比評価手段84により評価値が高いと評価された加重比に対してさらに数理計画法やメタヒューリスティク手法などの所定規則に基づいて増減させることで変更して新たな加重比として加重比データベース61に別途登録する手段である。適用する最適化手法の詳細については本発明の要旨ではないので省略する。加重比データベース61に登録する加重比w(i)について、最初の一回は、初期値として用いた加重比を登録することとなる。
なお、後述するが加重比決定手段70の加重比評価手段73と予測モデル構築手段80’の予測モデル・加重比評価手段84とで共用する評価関数Eを用いて評価する点も先の形態と相違している。
予測モデル構築手段80’は、詳しくは、図7で示すように、予測モデル構築用流域平均雨量算出手段81、予測モデル学習手段82、予測モデル・加重比評価手段84、予測モデル構築用加重比最適化手段85を備える。
まず、加重比決定用流域平均雨量算出手段71は、加重比データベース61から加重比を読み出し、また、雨量データベース62から過去のある時刻の雨量データを複数箇所について読み出して、流域平均雨量データを算出する。加重比の初期値は適当な値(但し総和は1.0である)である。流域平均雨量データは先の数2で示すようになる。これにより複数箇所の雨量を取り込んだ流域平均雨量データを取得する。そして、この流域平均雨量データは時刻を異ならせて複数取得する。
まず第1項について検討する。第1項がaに近い、つまりr2が1に近いときには相関係数が1(正相関)や−1(負相関)に近いことを表すものであって流域平均雨量データと流量データとの相関が高く評価が高くなるように作用する。また、第1項が0に近い、つまりr2が0に近いときには相関係数が0(無相関)に近いことを表すものであって流域平均雨量データと流量データとの相関が低く評価が低くなるように作用する。
続いて第2項について検討する。予測誤差eiが0に近く第2項が大きな値(例えば1000や10000という値)を示すときには予測流量データQfと実績の流量データQとの差が少ないことを表すものであって予測モデルの予測精度が高く評価が高くなるように作用する。また、予測誤差eiが大きく第2項が0に近いときには予測流量データQfと実績の流量データQとの差が多いことを表すものであって予測モデルの予測精度が低く評価が低くなるように作用する。
つまり、評価関数の評価値が大きいほど評価が高く、評価値が小さいほど評価が低くなる。
なお、この加重比決定手段70の加重比評価手段73における評価では第1項のみが影響し、第2項についての影響はない。そして評価が最も高い値か否かを判定し、評価が高い場合に加重比データベース61における今までの加重比を書き換える。なお、最初の一回は、初期値として用いた加重比を登録するが、以後は評価値が最も高い加重比が登録される。
このような加重比による平均雨量は、各々の流域の雨量の増減に応じて下流側の流量の同じ傾向で増減するように決定される。これにより予め評価の高い加重比が決定される。
まず、予測モデル構築用流域平均雨量算出手段81は、加重比データベース61から、先に加重比決定手段70により決定された最適な加重比を読み出し、また、雨量データベース62から雨量データを読み出して、流域平均雨量データを算出する。
予測モデル学習手段82は、予測モデル構築用流域平均雨量算出手段81から流域平均雨量データを読み出し、また、流量データベース63からこの流域平均雨量データと時刻が対応する流量データを読み出し、そして、これら流量データおよび流域平均雨量データを用いて流量予測モデルを構築する。なお、流量予測モデルとしては、本形態ではニューラルネットワークを採用している。
次に、この加重比w(1)とw(2)との最適化を行っていく。最適化の例として、例えば0.1ステップでw(1)とw(2)とを変化させた場合の評価関数Eによる評価値を図9の加重比−評価関数を表す特性図に示す。図9の特性図では、w(1)の0から1.0までの値を横軸に取っている。なお、w(1)+w(2)=1.0であるため、w(1)の値が決定されればw(2)の値についても自動的に決定されることから、w(1)の全ての値を網羅すれば最適な加重比w(1)とw(2)とを選択することができる。この例では、w(1)が0.2、w(2)が0.8の場合で評価関数Eの評価値がE=0.896と最大となり、このときの加重比が最適な加重比として求められる。
以上から、本ケースでは、加重比決定手段70はw(1)を0.2、w(2)を0.8と決定する。
ここに加重比w(1)、w(2)と時刻別の雨量データR(1)とR(2)による流域平均雨量データRtの具体的な値は、例えば、次表のように表される。
また、今後、地上雨量計の設置を計画するような場合、事前に気象事業者から提供されるメッシュ雨量データを用いて流量予測に最適な雨量地点を選定することができる。この選定結果に基づいて雨量計設置地点を決定すれば、無駄な費用をかけずに適切な設備計画を立案することも可能である。
本発明は、どの地点の雨量を用いて予測を行えばよいかを、自動的に決定することが可能である。また、予測システムを構築する前であれば、流量と雨量との相関を最大化するような最適な加重比を算出することで、測定すべき雨量地点を選定することが可能となる。すでに予測システムが構築されている場合、または計算機上で予測計算のシミュレーションが可能な場合であれば、予測誤差を最小化するような最適な加重比を自動的に算出することが可能である。いずれの場合も高精度な流量予測手段を提供することができる。
10:入力手段
20:出力手段
30:記録媒体読書手段
40:データ発信手段
50:データ収集手段
51:雨量データ収集手段
52:流量データ収集手段
60:データ蓄積手段
61:加重比データベース
62:雨量データベース
63:流量データベース
64:予測モデルデータベース
65:予測値データベース
70:加重比決定手段
71:加重比決定用流域平均雨量算出手段
72:相関係数算出手段
73:加重比評価手段
74:加重比決定用加重比最適化手段
80,80’:モデル構築手段
81:予測モデル構築用流域平均雨量算出手段
82:予測モデル学習手段
83:予測モデル評価手段
84:予測モデル・加重比評価手段
85:予測モデル構築用加重比最適化手段
90:予測手段
91:予測用流域平均雨量算出手段
92:予測流量算出手段
2:ネットワーク
100:予測対象
Claims (4)
- 河川の上流流域の雨量から下流の河川水の流量を予測する装置であり、河川の上流流域の複数地点または複数区画における雨量データと、ある雨量データが下流の河川水の流量に対して及ぼす影響度合いを複数の雨量データそれぞれについて表す初期値の加重比と、が登録されている流量予測装置であって、
ある雨量データと当該雨量データに係る加重比との積を複数地点または複数区画について総和してなる流域平均雨量データを、時刻別に複数算出する加重比決定用流域平均雨量算出手段と、
流域平均雨量データと当該流域平均雨量データに係る流量データとを時刻別で複数用いて相関係数を算出する相関係数算出手段と、
相関係数に基づいて評価値を生成し、流域平均雨量データと流量データとの相関が最も高いことを表す評価値である場合に評価が高い加重比であると判定し、当該加重比を最適候補の加重比として記憶する加重比評価手段と、
当該最適候補の加重比を所定規則に基づいて変更して新たに加重比を生成する加重比決定用加重比最適化手段と、
を有し、これら加重比決定用流域平均雨量算出手段、相関係数算出手段、加重比評価手段および加重比決定用加重比最適化手段を繰り返し機能させ、所定期間にわたり評価が高い加重比が判定されなかった場合に、記憶されている最適候補の加重比を流域平均雨量データと流量データとの相関が最も高くなる最適な加重比と決定する加重比決定手段と、
ある雨量データと当該雨量データに係るものであって加重比決定手段で決定された最適な加重比との積を、複数地点または複数区画について総和してなる流域平均雨量データを用いて流量予測モデルを構築する予測モデル構築手段と、
予測モデル構築手段で構築された流量予測モデルに対し、加重比決定手段で決定された最適な加重比による流域平均雨量データを入力して河川水の予測流量に係る予測流量データを生成する予測手段と、
を備えることを特徴とする流量予測装置。 - 河川の上流流域の雨量から下流の河川水の流量を予測する装置であり、河川の上流流域の複数地点または複数区画における雨量データと、ある雨量データが下流の河川水の流量に対して及ぼす影響度合いを複数の雨量データそれぞれについて表す初期値の加重比と、が登録されている流量予測装置であって、
ある雨量データと当該雨量データに係る加重比との積を複数地点または複数区画について総和してなる流域平均雨量データを、時刻別に複数算出する予測モデル構築用流域平均雨量算出手段と、
流域平均雨量データと当該流域平均雨量データに係る流量データとを時刻別で複数用いて流量予測モデルを学習する予測モデル学習手段と、
過去の実績に係る流域平均雨量データと対応する実績の流量データとを用いて流量予測モデルにより予測して予測流量データを生成し、実績の流量データと予測流量データとの予測誤差に基づいて評価値を生成し、予測誤差が最も少ないことを表す評価値である場合に評価が高い流量予測モデルおよび加重比であると判定し、当該流量予測モデルおよび当該加重比を最適候補の流量予測モデルおよび最適候補の加重比として記憶する予測モデル・加重比評価手段と、
最適候補の加重比を所定規則に基づいて変更して新たに加重比を生成する予測モデル構築用加重比最適化手段と、
を有し、これら予測モデル構築用流域平均雨量算出手段、予測モデル学習手段、予測モデル・加重比評価手段および予測モデル構築用加重比最適化手段を繰り返し機能させ、繰り返しを終了して最後に記憶されている最適候補の流量予測モデルおよび最適候補の加重比を予測誤差が最も少なくなる最適な流量予測モデルおよび最適な加重比と決定する予測モデル構築手段と、
予測モデル構築手段で構築された最適な流量予測モデルに対し、予測モデル構築手段で決定された最適な加重比による流域平均雨量データを入力して河川水の予測流量に係る予測流量データを生成する予測手段と、
を備えることを特徴とする流量予測装置。 - 河川の上流流域の雨量から下流の河川水の流量を予測する装置であり、河川の上流流域の複数地点または複数区画における雨量データと、ある雨量データが下流の河川水の流量に対して及ぼす影響度合いを複数の雨量データそれぞれについて表す初期値の加重比と、が登録されている流量予測装置であって、
ある雨量データと当該雨量データに係る加重比との積を複数地点または複数区画について総和してなる流域平均雨量データを、時刻別に複数算出する加重比決定用流域平均雨量算出手段と、
流域平均雨量データと当該流域平均雨量データに係る流量データとを時刻別で複数用いて相関係数を算出する相関係数算出手段と、
相関係数に基づいて評価値を生成し、流域平均雨量データと流量データとの相関が最も高いことを表す評価値である場合に評価が高い加重比であると判定し、当該加重比を最適候補の加重比として記憶する加重比評価手段と、
当該最適候補の加重比を所定規則に基づいて変更して新たに加重比を生成する加重比決定用加重比最適化手段と、
を有し、これら加重比決定用流域平均雨量算出手段、相関係数算出手段、加重比評価手段および加重比決定用加重比最適化手段を繰り返し機能させ、所定期間にわたり評価が高い加重比が判定されなかった場合に、記憶されている最適候補の加重比を流域平均雨量データと流量データとの相関が最も高くなる加重比と決定する加重比決定手段と、
ある雨量データと当該雨量データに係るものであって加重比決定手段で決定された加重比との積を、複数地点または複数区画について総和して流域平均雨量データとし、当該流域平均雨量データを時刻別に複数算出する予測モデル構築用流域平均雨量算出手段と、
流域平均雨量データと当該流域平均雨量データに係る流量データとを時刻別で複数用いて流量予測モデルを学習する予測モデル学習手段と、
過去の実績に係る流域平均雨量データと対応する実績の流量データとを用いて流量予測モデルにより予測して予測流量データを生成し、実績の流量データと予測流量データとの予測誤差に基づいて評価値を生成し、予測誤差が最も少ないことを表す評価値である場合に評価が高い流量予測モデルおよび加重比であると判定し、当該流量予測モデルおよび当該加重比を最適候補の流量予測モデルおよび最適候補の加重比として記憶する予測モデル・加重比評価手段と、
最適候補の加重比を所定規則に基づいて変更して新たに加重比を生成する予測モデル構築用加重比最適化手段と、
を有し、これら予測モデル構築用流域平均雨量算出手段、予測モデル学習手段、予測モデル・加重比評価手段および予測モデル構築用加重比最適化手段を繰り返し機能させ、繰り返しを終了して最後に記憶されている最適候補の流量予測モデルおよび最適候補の加重比を予測誤差が最も少なくなる最適な流量予測モデルおよび最適な加重比と決定する予測モデル構築手段と、
予測モデル構築手段で構築された最適な流量予測モデルに対し、予測モデル構築手段で決定された最適な加重比による流域平均雨量データを入力して河川水の予測流量に係る予測流量データを生成する予測手段と、
を備えることを特徴とする流量予測装置。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の流量予測装置において、
前記流量予測モデルはニューラルネットワークであることを特徴とする流量予測装置。
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