JP4806846B2 - 電子レンジ用液体性食品包装体及びそれに用いる容器 - Google Patents

電子レンジ用液体性食品包装体及びそれに用いる容器 Download PDF

Info

Publication number
JP4806846B2
JP4806846B2 JP2000390889A JP2000390889A JP4806846B2 JP 4806846 B2 JP4806846 B2 JP 4806846B2 JP 2000390889 A JP2000390889 A JP 2000390889A JP 2000390889 A JP2000390889 A JP 2000390889A JP 4806846 B2 JP4806846 B2 JP 4806846B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microwave
liquid food
container
microwave oven
filled
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000390889A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002193350A (ja
Inventor
弘 山住
佳也 水上
一郎 松野
正則 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Megmilk Snow Brand Co Ltd
Original Assignee
Megmilk Snow Brand Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Megmilk Snow Brand Co Ltd filed Critical Megmilk Snow Brand Co Ltd
Priority to JP2000390889A priority Critical patent/JP4806846B2/ja
Publication of JP2002193350A publication Critical patent/JP2002193350A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4806846B2 publication Critical patent/JP4806846B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Package Specialized In Special Use (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、部分的にマイクロ波不透過性材料(本発明においては、マイクロ波の反射材料や、吸収材料、不透過材料、半透過材料など、マイクロ波を有為に遮蔽するものを、単にマイクロ波不透過性材料と呼ぶ。)で被覆された容器に、液体性食品(本発明においては、特記しない限り、液体食品や、凍結された液体食品、凍結された半流動性食品など、加熱によって液状食品として供されるものを、まとめて液体性食品と呼ぶ。)が充填されている液体性食品包装体、並びに、それに用いるのに適した容器に関するものであって、その液体性食品包装体は、電子レンジで加熱すると加熱ムラが抑制され均一加熱を可能にし、特に内容物の噴きこぼれを防止するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子レンジは、牛乳、スープ類、日本酒といった液体食品や調理加工食品、あるいはこれらを凍結した冷凍食品類を、短時間に簡単に加熱できるといった利便性があって、普及率の高い調理器具の一つである。しかし、電子レンジによる加熱は、加熱ムラを伴う短所を有している。
特に液体性食品を電子レンジで加熱すると、液面側と胴周面(容器の側壁)側の加熱が促進されやすく、部分的に必要な温度に達しているにもかかわらず、容器底側や中心部の液体性食品の温度上昇が遅く、加熱ムラが生じることが避けられない。
このため、容器底側や中心部の液体性食品を必要な温度に達するまで加熱すると、液面側が速く沸点に達して沸騰状態になり、噴きこぼれるといった問題がある。この噴きこぼれを防止するためには、一定時間加熱した後一旦中断し、攪拌することによって均一な温度にしてから再度全体が必要な温度に達するまで加熱することが行われている。
【0003】
また冷凍食品では、含有する水分が凍結状態にあることから、これを一旦融解させて必要な温度になるまで加熱するが、液体性食品の加熱と比較すると、更に加熱ムラが大きくなることが避けられない。これは水と氷のマイクロ波に対する誘電率の差によるものである。すなわち、氷のマイクロ波に対する誘電率は、水に比べてはるかに低いので、融解させて水の状態になるまでに大量のエネルギーを要する。しかし、一旦融解して水の状態になると、マイクロ波の誘電率は急激に上昇して氷の状態より約400倍加熱されやすくなるといわれている。このため、冷凍食品を電子レンジで加熱した場合、マイクロ波が照射されやすい部位の氷の一部が先に融解されて水の状態になると、その部分だけが選択的に加熱が促進され、その結果、熱い部分と冷たいままの部分が混在して加熱ムラが大きくなるのである。
【0004】
このような事情から電子レンジで液体性食品を加熱するための容器、特に冷凍食品を充填する容器について種々の改良が提案されている。例えば特公昭59-6789号公報には、容器の側壁周囲及び隅周辺の壁部をマイクロ波反射材料または不透過材料で被覆し、側壁と隅部周辺の温度上昇を抑制し、できるだけ均一に加熱できるようにした容器について記載されている。
また、特開平11-35078号公報には、容器の側壁周囲全面及び底板の中心と外周の間の中間部を、マイクロ波反射材料または不透過材料で被覆することによって、側壁と底板の特定部位の温度上昇が抑制され、均一加熱を可能にすることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、液体性食品を電子レンジで加熱する際、一旦一定の温度に昇温後、攪拌して均一化し、再度加熱する方法は、昇温の状態が簡単に把握できず攪拌のタイミングの判断が難しいうえ、手間を要するといった問題がある。
また、特公昭59-6789号公報や特開平11-35078号公報に記載されている容器の胴体側面や隅周辺の壁部、あるいは底板をマイクロ波不透過性材料で被覆した容器は、冷凍した調理加工食品を充填するためのものであるため、比較的水分含有量が低いので、昇温の速い個所のみの極端な温度上昇を抑制すれば、液体性食品のように噴き出すことがなく、比較的簡単に均一加熱が可能になる。
【0006】
このように液体性食品を電子レンジで加熱すると、加熱ムラがあって、全体を必要な温度(例えば70℃)に昇温させる前に噴きこぼれるといった現象が生じ、加熱途中で攪拌して均一化することが不可欠である。このような事情から、本発明は、液体性食品を電子レンジで加熱する際に、一度の操作で、噴きこぼれを生じさせることなく均一加熱が可能な液体性食品包装体、並びに、それに用いるのに適した容器を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような電子レンジ用液体性食品包装体、並びに、それに用いるのに適した容器を提供する。すなわち、胴体及び底板がマイクロ波透過材料で成形された容器に液体性食品が充填されていて、開口部が蓋材によって封止される構成において、胴体の周面を、充填された液体性食品の充填高さの約25〜95%の高さ位置から、液体性食品の充填時の充填高さまで、マイクロ波不透過性材料によって覆うことを特徴とする電子レンジ用液体性食品包装体である。ここで、容器の開口部を封止する蓋材の一部あるいは全部に、マイクロ波不透過性材料を用いることもできる。
【0008】
また、このような電子レンジ用液体性食品包装体に用いる容器は、胴体及び底板がマイクロ波透過材料で成形され、液体性食品が充填され、開口部が蓋材によって封止されることで電子レンジ用液体性食品包装体を形成する電子レンジ用容器において、胴体の周面を、その約15〜95%の高さ位置から、液体性食品の充填時の充填高さまで、マイクロ波不透過性材料によって覆われたものである。容器の胴体の周面をマイクロ波不透過性材料で覆う程度を指標する数値が、電子レンジ用液体性食品包装体の場合と、それに用いる容器の場合とで異なるのは、容器に充填された液体性食品の液面と蓋材との間の空隙を勘案した結果であって、マイクロ波不透過性材料による効果は実質的には同一である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、電子レンジによって加熱する液体性食品が容器に充填された食品包装体、並びに、それに適した容器に関するもので、充填される液体性食品には、加熱されると対流や伝熱などの熱移動が生じるものであればどのようなものでも適用できる。その例としては、スープ類(味噌汁、甘酒等を含む。)、牛乳、日本酒等が挙げられる。これらの中にあっても、特に粘性の高いスープ類が好適であり、スープ類には具材のような固形物が含有されていてもよい。更に、これらの液体性食品においては、容器に充填した後において、冷凍処理を施した凍結液体食品であってもよい。
液体性食品が充填される容器としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等からなる合成樹脂製や、板紙に前記の合成樹脂がコーテンィグされたりフイルムシートが貼着された合成紙製、陶器製、ガラス製等のマイクロ波透過材料からなるものが用いられるが、経済性を考慮すると、特に合成樹脂製のものが好ましい。
【0010】
本発明では、上記のマイクロ波透過材料によってカップ型等任意の形状に成形された容器の胴体の周面(側壁)に対して、開口部上端側からマイクロ波不透過性材料を垂下して被覆する。どの位置まで垂下して被覆するのが好適かは、後述の実験例等をもとにして得られた成果であり、それは、充填された液体性食品の液面から計って、充填高さの5〜75%までの位置である。すなわち、マイクロ波不透過性材料を被覆する領域は、充填された液体性食品の充填高さの約25〜95%の高さ位置から、上端近傍までである。
【0011】
液体性食品は、容器の上端近傍まで充填されていても、または、それ以下の位置に液面があって、容器を封止する蓋材との間の空隙が大きくてもよい。
容器に充填される液体性食品の液面と蓋材との間の空隙を、予め勘案しておくと、液体性食品が充填され蓋材で封止された電子レンジ用液体性食品包装体としてではなく、容器単体として提供することができる。
その場合、マイクロ波不透過性材料を被覆する容器胴体の高さ領域は、その約15〜95%の高さ位置から、上端近傍までである。容器単体の場合におけるこの数値と、前記食品包装体の場合における数値との差異は、容器に充填される液体性食品の液面と蓋材との間の空隙を、容器胴体の高さの約0.5〜40%と勘案した結果であり、マイクロ波不透過性材料による効果は実質的に同一である。このように勘案すると、マイクロ波不透過性材料を最も多く被覆する場合の容器胴体の被覆開始位置は、0.25×(1−0.40)≒0.15から、容器胴体の約15%の高さ位置となり、マイクロ波不透過性材料を最も少なく被覆する場合の容器胴体の被覆開始位置は、0.95×(1−0.005)≒0.95から、容器胴体の約95%の高さ位置となる。
なお、容器に充填される液体性食品の液面と蓋材との間の空隙が大きい場合は、マイクロ波不透過性材料を、厳密に容器胴体の上端まで配設しなくてもよい。それは、容器胴体の上端近傍がマイクロ波透過性であっても、そこを透過して液体性食品に達するマイクロ波の量が僅かなためである。この意味で、本発明では、上述のように、マイクロ波不透過性材料を被覆する容器胴体の上限を、胴体の上端ではなく、上端近傍と記している。
【0012】
マイクロ波不透過性材料の被覆方法は、アルミニウム箔やアルミニウム蒸着フイルムの場合には貼着し、またアルミニウム蒸着やアルミニウムペースト状物質を用いる印刷方法の場合には、容器の胴体に直接行う。更に、容器が合成樹脂製であれば、容器成形時にマイクロ波不透過性材料をインモールド成形することもできる。上記のアルミニウム箔やアルミニウム蒸着フイルムを貼着する場合には、アルミニウム箔の縁や隅角部で起こるマイクロ波によるスパークを防止するために、紙や合成紙を積層し、それを表面側にするのが好ましい。
容器の胴体周面へのマイクロ波不透過性材料の被覆は、外側周面でも内側周面でもよいが、充填物が食品であることを考慮すると、直接接触しない外側周面を選択することが好ましい。
また、容器を2重にし、合成紙等からなる外側胴体の内側周面にマイクロ波不透過性材料を貼着し、合成樹脂等からなる内側胴体を被覆してもよい。
【0013】
上記のように、胴体周面にマイクロ波不透過性材料を被覆した容器に対して、液体性食品を充填後、蓋材で開口部を封止する。この蓋材は、合成樹脂製や合成紙のようなマイクロ波透過材料であっても、また、一部あるいは全部がマイクロ波不透過性材料であっても、また、マイクロ波透過材料にマイクロ波不透過性材料を添付したものであっても構わない。このマイクロ波透過材料と不透過性材料の使い分けは、充填されている液体性食品の加熱特性や充填量等に応じて使い分けることが好ましい。
更には、使用する電子レンジの出力や導波管の取り付け位置に応じて、蓋材のマイクロ波透過材料または不透過性材料を使い分けてもよい。
蓋材としてマイクロ波不透過性材料を使用して全面封止した場合には、液面側からほとんど加熱されないために、より均一な加熱を可能にする。
【0014】
このように容器の胴体周面に対して、その充填された液体性食品の液面側からの高さの5〜75%をマイクロ波不透過性材料で被覆し、更に開口部を充填された液体性食品の特性や充填量、あるいは電子レンジの導波管の取り付け位置によってマイクロ波透過材料からなる蓋材で封止したり、一部または全部をマイクロ波不透過性材料からなる蓋材で封止すると、電子レンジで加熱した際、充填されている液体性食品が、容器の下側から加熱され、下側の温度が上昇する。この温度上昇に伴って容器内で徐々に対流や伝熱が起こり、全体がほぼ均一に加熱される。また、凍結された液体性食品の場合には、下側から融解されて途中から対流や伝熱が始まり、全体が融解した時点で対流や伝熱が促進されて均一に温度が上昇する。
従って、全体を必要な温度(例えば70℃)まで上昇させたとしても、液面側のみの極端な温度上昇がないために噴きこぼれるといった現象が生じない。
なお、胴体周面のマイクロ波不透過性材料による被覆において、液体性食品の充填高さの5%未満で被覆した場合には、効果が小さく、液面側の温度上昇が速くなって均一加熱が困難になって噴きこぼれが発生することがあり、一方、75%を超えると、マイクロ波の照射面積が相対的に狭隘化するため加熱時間が長くなり経済的でない。
【0015】
以下に本発明の実施例及び試験例を示し具体的に説明する。
【実施例】
本発明による液体性食品包装体(1)は、図1の斜視図に示す容器(20)に液体性食品(10)が充填され、蓋材(30)で封止され包装されたものであって、図2にその正面断面が示される。
容器(20)は、合成樹脂のポリプロピレン等のマイクロ波透過材料で成形されたもので、底板(21)と胴体(22)及びフランジ(23)からなり、胴体(22)には、マイクロ波不透過性材料のアルミニウム箔(40)が貼着されている。この胴体(22)に貼着されるアルミニウム箔(40)は、容器(20)の上端のフランジ(23)の下側から垂下して、液体性食品(10)の液面(11)から計って充填高さの5〜75%まで被覆している。すなわち、マイクロ波不透過性材料は、液体性食品(10)の充填高さの約25〜95%の高さ位置から上端近傍まで設けられている。
【0016】
アルミニウム箔で被覆する形状は、図3ないし5のような形状であってもよい。
図3は、貼着されたアルミニウム箔の下端の一部が、凹状(41)に切除されたものである。図4は、アルミニウム箔の下端が扇状(42)に形成されているものである。図5は、アルミニウム箔の一部が、格子状(43)に中抜きされたものである。このように、マイクロ波不透過性材料によって被覆する下端の形状に凹凸を設けたり、マイクロ波不透過性材料の分布に偏りをもたせたりして、噴きこぼれ防止や均一加熱、または製造の利便などに寄与させてもよい。
ここで、図1に示した容器の胴体(22)は、図6に示す枚葉(22A)によって形成され、図4に示した容器の胴体(22)は、図7に示す枚葉(22B)によって形成される。このような枚葉(22A)(22B)は、シート状のマイクロ波透過材料にアルミニウム箔(40)を貼着した後に、1枚ずつ型抜きされるものである。アルミニウム箔(40)を貼着する技術は、枚葉(22A)より枚葉(22B)の方が容易であるので、図1に示した容器(20)よりは、図4に示した容器(20)の方が生産性が高い。
上記の各容器(20)の容量は、220mlで、これらの容器に、粘度が300cpのパンプキンスープを180ml充填し、板紙にポリプロピレン製フイルムシートが両面から貼り合わされた蓋材(30)で開口部を封止して、スープが充填された食品包装体とした。
【0017】
【実験例】
本発明の液体食品包装体を、電子レンジで加熱した際の効果を確認するため、以下の方法により実験を行った。
【実験例1】
(イ)充填する液体性食品:粘度300cpのパンプキンスープ 180ml。
(ロ)容器:220ml容ポリプロピレン製シート成形容器の胴体周面に、アルミニウム箔(アルミニウム箔とポリプロピレン製フイルムシートの積層物)を、その41%の高さ位置から上端まで貼着したもの。この容器の41%の高さ位置から上端までとは、180×0.50÷220≒0.41によって算出され、フランジ下側から上記(イ)のスープを充填した時の充填高さの50%までに相当する。
(ハ)蓋材: a.板紙にポリプロピレン製フイルムシートが貼着されたマイクロ波透過材料。
b.アルミニウム箔にポリプロピレン製フイルムシートが貼着されたマイクロ波不透過性材料。
(ニ)使用した電子レンジ:RE−901(sharp社製)出力500W。
【0018】
上記(ロ)の容器に、(イ)のスープを充填し、(ハ)の蓋材(aまたはb)で容器の開口部を封止して、下記の各試料を作成した。
試料−1:(ハ)のaの蓋材で開口部を封止し、冷蔵品(10℃)と冷凍品(−25℃)の2試料を作成。
試料−2:(ハ)のbの蓋材で開口部を封止し、冷蔵品(10℃)と冷凍品(−25℃)の2試料を作成。
対照試料:220ml容ポリプロピレン製シート成形容器(胴体にアルミニウム箔なし)に(イ)のスープを充填し、(ハ)のaの蓋材で容器開口部を封止し、冷蔵品(10℃)と冷凍品(−25℃)の2試料を作成。
【0019】
上記で作成した各試料を(ニ)に示す電子レンジで、冷蔵した試料は2分30秒間、冷凍した試料は5分30秒間加熱し、その加熱時間に達した時の温度を測定した。その結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
Figure 0004806846
【0021】
表中の上部温度は、液面(11)から15mm下側で胴体(22)の内面から10mmの位置(12)を測定し、下部温度は、底板(21)から15mm上側で胴体(22)の内面から10mmの位置(13)を測定した。全体温度は、加熱時間に達した時にスープを攪拌した後の温度を測定した。なお、破裂防止のために、蓋材(30)の中央に、空気抜き用の通気孔(31)を開けておいた。
冷蔵品の対照試料は、加熱予定時間の2分30秒に達する前に、噴きこぼれが発生し、上部温度及び全体温度が測定不能であった。冷凍品の対照試料は、加熱予定時間の5分30秒に達する前に、噴きこぼれが発生し加熱を中止したが、凍結部分が多く残留し各地点の温度が測定不能であった。
一方、容器の胴体(22)をマイクロ波不透過性材料で被覆した場合は、試料−1及び2のいずれも、噴きこぼれることなく均一に加熱することが可能になった。また、試料−1と試料−2を比較すると、蓋材(30)もマイクロ波不透過性材料で覆った試料−2の方が、より均一な温度上昇が達成できることが判った。
【0022】
【実験例2】
次に、容器の胴体(22)をマイクロ波不透過性材料で被覆する面積を変化させて実験を行った。
(イ)充填する液体性食品:粘度300cpのパンプキンスープ 180ml。
(ロ)容器:220ml容ポリプロピレン製シート成形容器の胴体周面に、アルミニウム箔(アルミニウム箔とポリプロピレン製フイルムシートの積層物)をフランジ下側から、上記(イ)のスープを充填した時の液面側から充填高さの0,5,15,50,75,100%の位置まで垂下させて貼着した。
(ハ)蓋材: a.板紙にポリプロピレン製フイルムシートが貼着されたマイクロ波透過材料。
b.アルミニウム箔にポリプロピレン製フイルムシートが貼着されたマイクロ波不透過性材料。
(ニ)使用した電子レンジ:RE−901(sharp社製)出力500W。
【0023】
上記(ロ)の6種類の容器に、(イ)のスープを充填し、(ハ)の蓋材(aまたはb)で容器の開口部を封止して、下記の試料を作成した。
試料−1:(ハ)のaの蓋材で開口部を封止し、冷蔵品(10℃)の6試料を作成。
試料−2:(ハ)のbの蓋材で開口部を封止し、冷蔵品(10℃)の6試料を作成。
【0024】
上記で作成した各試料を(ニ)に示す電子レンジで2分30秒間加熱し、その加熱時間に達した時の温度を測定した。その結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
Figure 0004806846
【0026】
表中の温度の測定条件は、実験例1と同様に行った。
その結果、試料1では、被覆率が5%、すなわち、マイクロ波不透過性材料を、フランジ下部から、スープを充填した時の液面側から充填高さの5%の位置まで垂下させて貼着した場合に、2分間の加熱時間で、噴きこぼれを発生させることなく全体を70℃以上に加熱できた。被覆率を50%とし、蓋材にもマイクロ波不透過性材料を被覆した場合に、上部温度と下部温度の温度差が最も少なく、全体を均一に加熱できた。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成を備えることによって次の効果を奏する。
請求項1に記載の電子レンジ用液体性食品包装体によると、容器胴体の周面のうち、充填された液体性食品の所定充填高さより上の部分が、マイクロ波不透過性材料で覆われるので、一度の操作で、噴きこぼれを生じさせることなく均一な加熱が行える。
【0028】
請求項2に記載の電子レンジ用液体性食品包装体によると、蓋材の一部あるいは全部が、マイクロ波不透過性材料で覆われるので、一層均一な加熱が行える。
【0029】
請求項3に記載の電子レンジ用液体性食品包装体に用いる容器によると、充填される液体性食品の分量を勘案して、容器胴体の周面のうち、所定高さより上の部分が、マイクロ波不透過性材料で覆われるので、請求項1に記載の電子レンジ用液体性食品包装体と同様に、一度の操作で、噴きこぼれを生じさせることなく均一な加熱が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による容器の斜視図
【図2】本発明による食品包装体の正面断面図
【図3】本発明による容器の別実施例の斜視図
【図4】本発明による容器の別実施例の斜視図
【図5】本発明による容器の別実施例の斜視図
【図6】図1に示す容器の胴体の展開図
【図7】図4に示す容器の胴体の展開図
【符号の説明】
1 食品包装体
10 液体性食品
11 液体性食品の液面
12 液体性食品の上部温度測定点
13 液体性食品の下部温度測定点
20 容器
21 容器の底板
22 容器の胴体
22A,B 容器胴体をなす枚葉
23 容器のフランジ
30 蓋材
31 蓋材の通気孔
40 マイクロ波不透過性材料
41 マイクロ波不透過性材料の凹状部分
42 マイクロ波不透過性材料の扇状部分
43 マイクロ波不透過性材料の格子状部分

Claims (3)

  1. 胴体及び底板がマイクロ波透過材料で成形された容器に液体性食品が充填されていて、開口部が蓋材によって封止される構成において、
    前記容器はその底板の周縁から下方に延設され、マイクロ波透過材料で構成された脚部を有するものであり、
    胴体の周面が、充填された液体性食品の充填高さの約25〜95%の高さ位置から、液体性食品の充填時の充填高さまで、マイクロ波不透過性材料によって覆われていることを特徴とする電子レンジ用液体性食品包装体。
  2. 開口部を封止する蓋材の一部あるいは全部に、紙材と合成樹脂とからなる、アルミニウム箔と紙材とからなる、またはアルミニウム箔と合成樹脂とからなるマイクロ波不透過性材料を用いる請求項1記載の電子レンジ用液体性食品包装体。
  3. 液体性食品を充填するための容器であって、胴体及び底板がマイクロ波透過材料で成形され、液体性食品が充填され、開口部が蓋材によって封止されることで電子レンジ用液体性食品包装体を形成する電子レンジ用容器において、
    前記容器はその底板の周縁から下方に延設され、マイクロ波透過材料で構成された脚部を有し、
    胴体の周面が、その約15〜95%の高さ位置から、液体性食品の充填時の充填高さまで、紙材と合成樹脂とからなる、アルミニウム箔と紙材とからなる、またはアルミニウム箔と合成樹脂とからなるマイクロ波不透過性材料によって覆われていることを特徴とする電子レンジ用液体性食品包装体に用いる容器。
JP2000390889A 2000-12-22 2000-12-22 電子レンジ用液体性食品包装体及びそれに用いる容器 Expired - Fee Related JP4806846B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000390889A JP4806846B2 (ja) 2000-12-22 2000-12-22 電子レンジ用液体性食品包装体及びそれに用いる容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000390889A JP4806846B2 (ja) 2000-12-22 2000-12-22 電子レンジ用液体性食品包装体及びそれに用いる容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002193350A JP2002193350A (ja) 2002-07-10
JP4806846B2 true JP4806846B2 (ja) 2011-11-02

Family

ID=18857160

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000390889A Expired - Fee Related JP4806846B2 (ja) 2000-12-22 2000-12-22 電子レンジ用液体性食品包装体及びそれに用いる容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4806846B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4757578B2 (ja) * 2004-09-14 2011-08-24 ライオン株式会社 マイクロ波加熱用袋体
JP4753425B2 (ja) * 2005-12-26 2011-08-24 大和製罐株式会社 電子レンジ加熱用容器
GB0606676D0 (en) * 2006-04-03 2006-05-10 Heinz Co H J Packaging For Food Products
JP2008105749A (ja) * 2006-09-29 2008-05-08 Dainippon Printing Co Ltd 電子レンジ用樹脂成形容器及び電子レンジ加熱液体食品入り成形容器
JP2012192986A (ja) * 2006-09-29 2012-10-11 Dainippon Printing Co Ltd 電子レンジ用容器
JP4954661B2 (ja) * 2006-10-16 2012-06-20 ハウス食品株式会社 電子レンジ調理用容器
JP4973121B2 (ja) * 2006-10-27 2012-07-11 大日本印刷株式会社 断熱容器
CA2717510A1 (en) * 2008-03-04 2009-09-11 Graphic Packaging International, Inc. Constructs and methods for heating a liquid in a microwave oven
ES2554455T3 (es) 2011-04-25 2015-12-21 Graphic Packaging International, Inc. Bolsas interactivas con la energía de las microondas
JP2019137416A (ja) * 2018-02-07 2019-08-22 大日本印刷株式会社 電子レンジ用包装容器および内容物入り電子レンジ用包装容器
CN110567159A (zh) * 2019-09-06 2019-12-13 电子科技大学 用于盛装液态物质的容器及液态物质加热装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02114680U (ja) * 1989-03-01 1990-09-13

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002193350A (ja) 2002-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2721885C (en) Multi-component food packaging for microwave oven
US4794008A (en) Method of preparing a packaged frozen confection
US5008024A (en) Microwave corn popping package
US4916280A (en) Food package adapted particularly for microwave heating
US6509047B2 (en) Microwavable package containing a snack food and topping
JP4806846B2 (ja) 電子レンジ用液体性食品包装体及びそれに用いる容器
US20040058038A1 (en) Lunch box capable of blastfrozen preservation
JPH1135078A (ja) 電子レンジ用食品容器
JP2001512405A (ja) 食品包装及び食品の料理方法
JPS622782B2 (ja)
GB2295371A (en) Packages containing food to be cooked therein
JP4678701B2 (ja) 電子レンジ用食品容器およびそれを用いた食品包装体
CA2025130A1 (en) Microwave food package
WO1990008710A1 (en) Frozen ice cream cup with invertible lid for hot sundae topping
CN103025624B (zh) 具有补充食物容器的食物包装
EP0534977B1 (en) Microwave corn popping package
JP2001521866A (ja) 即席食品包装体、及び、それを製造し、使用の準備をする方法
EP0361893A2 (en) Method of preparing food and pack for use in the method
US20090246329A1 (en) Food container with heatable insert
CA2677129A1 (en) Energy-differential microwaveable food package
JPS61173028A (ja) 電子レンジ用加熱容器
CA2033643A1 (en) Ovenable container
EP2644531B1 (en) Container with a double cover
KR100222263B1 (ko) 마이크로파 튀김 포장체
JPH072280A (ja) インスタント食品の調理用容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110419

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110712

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20110714

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110801

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140826

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4806846

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees