JP4805182B2 - ステアリングダンパ装置及びダンパ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両のステアリング系に減衰力を発生させるステアリングダンパ装置、及び入力トルクに対して減衰力を与えるダンパ装置に関する。
従来、車両のステアリング系にダンパを設け、該ステアリング系における路面外乱によって起こる回動を減衰するようにしたステアリングダンパ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平07−165148号公報
ところで、上記ステアリングダンパ装置においては、ステアリング系に入力される力がハンドルからの入力か路面からの入力かを問わず、一律にダンパにより減衰している。このため、例えばハンドルからの入力に対して減衰力を与えたくない場合や、路面からの情報をダイレクトにハンドルに伝える一方ハンドル操作の手応えを得たい場合等、運転者の様々な要望に応えることができなかった。
そこでこの発明は、一方からの入力トルクにのみ減衰力を与えて他方へ伝達することが可能なステアリングダンパ装置及びダンパ装置を提供する。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、車体フレーム(例えば実施例の車体フレーム2)と、該車体フレームに懸架される車輪(例えば実施例の前輪3)と、前記車体フレームに回動自在に支持されて一端が前記車輪側に接続されるステアリングシャフト(例えば実施例のステアリングシャフト45)と、該ステアリングシャフトの他端に接続されて該ステアリングシャフトを回動させて前記車輪を操舵するハンドル(例えば実施例のハンドル46)と、前記ステアリングシャフトの回動を減衰可能なダンパ(例えば実施例のダンパ51,151)とを備えるステアリングダンパ装置において、前記ハンドル又は車輪の何れか一方からの入力にのみ、前記ダンパによって前記ステアリングシャフトの回動を減衰することを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、車体フレーム(例えば実施例の車体フレーム2)と、該車体フレームに懸架される車輪(例えば実施例の前輪3)と、該車輪を操舵するハンドル(例えば実施例のハンドル46)と、該ハンドルの回動を減衰可能なダンパ(例えば実施例のダンパ51,151)とを備えるステアリングダンパ装置において、入力軸及び出力軸(例えば実施例の入力軸71,171及び出力軸72,172)を有すると共にこれら各軸を回動自在に支持するハウジング(例えば実施例のハウジング67,167)を有し、前記入力軸からトルクが入力されると該入力軸が前記出力軸を前記ハウジングに対して回動させる一方、前記出力軸からトルクが入力されると該出力軸が前記入力軸及びハウジングを回動させる入力トルク選択機構(例えば実施例の入力トルク選択機構52,152)を備え、前記入力トルク選択機構の入力軸及び出力軸の一方を前記ハンドル側に、他方を前記車輪側にそれぞれ接続すると共に、前記ハウジングは前記ダンパに接続し、前記各軸を回動させて前記車輪を操舵すると共に、前記ハウジングの回動時には該回動を前記ダンパが減衰することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記ダンパと前記入力トルク選択機構のハウジングとをギヤ(例えば実施例の各ギヤ157a,167a)により接続することを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記車体フレームに回動自在に支持されて一端が前記車輪側に接続されると共に他端が前記ハンドル側に接続されるステアリングシャフト(例えば実施例のステアリングシャフト45)を備え、該ステアリングシャフトの少なくとも一部が前記入力トルク選択機構の入力軸及び出力軸で構成されることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記入力トルク選択機構の入力軸を前記ハンドル側に接続することを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記入力トルク選択機構の入力軸を前記車輪側に接続することを特徴とする。
請求項7に記載した発明(ダンパ装置)は、入力軸及び出力軸(例えば実施例の入力軸71,171及び出力軸72,172)を有すると共にこれら各軸を回動自在に支持するハウジング(例えば実施例のハウジング67,167)を有し、前記入力軸からトルクが入力されると該入力軸が前記出力軸を前記ハウジングに対して回動させる一方、前記出力軸からトルクが入力されると該出力軸が前記入力軸及びハウジングを回動させる入力トルク選択機構(例えば実施例の入力トルク選択機構52,152)を備えると共に、前記ハウジングに接続されてその回動を減衰するダンパ(例えば実施例のダンパ51,151)を備えることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、前記車体フレームに回動自在に支持されて一端が前記車輪側に接続されると共に他端が前記ハンドル側に接続されるステアリングシャフト(例えば実施例のステアリングシャフト45)を備え、前記ステアリングシャフトが、前記ハンドル側に接続される上シャフト(例えば実施例の上シャフト45a)と、前記車輪側に接続される下シャフト(例えば実施例の下シャフト45b)とからなり、前記上下シャフトが、それぞれギヤ(例えば実施例の各ギヤ45c,45d,171a,172a、173a,173b,174a,174b)を介して前記入力トルク選択機構の入出力軸の何れかに接続されることを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、前記入力トルク選択機構の入出力軸の一方に突起部(例えば実施例の突起部73b)が設けられると共に、他方には前記突起部を所定の隙間(例えば実施例の隙間S1)を空けて遊嵌させる凹部(例えば実施例の凹部74b)が設けられ、前記入出力軸の相対回転時に前記突起部と凹部とが互いに当接することで、該突起部及び凹部を介して前記ステアリングシャフトの上下シャフト間でトルクが伝達されることを特徴とする。
請求項10に記載した発明は、前記ステアリングシャフトの上下シャフトの回転が、前記ギヤにより加速されて前記入力トルク選択機構の入出力軸に伝達されることを特徴とする。
請求項11に記載した発明は、前記ステアリングシャフトの上下シャフトがこれらよりも捻りバネ定数の小さい弾性部材(例えば実施例のトーションバー175)を介して連結されることを特徴とする。
請求項12に記載した発明は、前記入力トルク選択機構の入出力軸がこれらよりも捻りバネ定数の小さい弾性部材(例えば実施例のトーションバー176)を介して連結されることを特徴とする。
請求項13に記載した発明は、前記ステアリングシャフトの上下シャフトの一方にステアリング側突起部(例えば実施例のステアリング側突起部177)が設けられると共に、他方には前記ステアリング側突起部を所定の隙間(例えば実施例の隙間S3)を空けて遊嵌させるステアリング側凹部(例えば実施例のステアリング側凹部178)が設けられ、前記上下シャフトの相対回転時に前記ステアリング側突起部とステアリング側凹部とが互いに当接することで、該ステアリング側突起部及びステアリング側凹部を介して前記上下シャフト間でトルクが伝達されることを特徴とする。
請求項14に記載した発明は、前記入力トルク選択機構が、前記入出力軸間の回転方向での中立位置を定める位置決め手段(例えば実施例の機構側位置決め機構182,182’)を有することを特徴とする。
請求項15に記載した発明は、前記ステアリングシャフトが、前記上下シャフト間の回転方向での中立位置を定めるステアリング側位置決め手段(例えば実施例のステアリング側位置決め機構181,181’)を有することを特徴とする。
請求項16に記載した発明は、車体フレーム(例えば実施例の車体フレーム2)と、該車体フレームに懸架される車輪(例えば実施例の前輪3)と、該車輪を操舵するハンドル(例えば実施例のハンドル46)と、前記車体フレームに回動自在に支持されて一端が前記車輪側に接続されると共に他端が前記ハンドル側に接続されるステアリングシャフト(例えば実施例のステアリングシャフト45)と、前記ハンドルの回動を減衰可能なダンパ(例えば実施例のダンパ151)とを備えるステアリングダンパ装置において、入力軸及び出力軸(例えば実施例の入力軸171及び出力軸172)を有すると共にこれら各軸を回動自在に支持するハウジング(例えば実施例のハウジング167)を有し、前記入出力軸の一方からトルクが入力された場合のみ該軸がハウジングを回動させる入力トルク選択機構(例えば実施例の入力トルク選択機構152)を備え、前記ステアリングシャフトが、前記ハンドル側に接続される上シャフト(例えば実施例の上シャフト45a)と、前記車輪側に接続される下シャフト(例えば実施例の下シャフト45b)とからなり、前記上下シャフトが、それぞれギヤ(例えば実施例の各ギヤ45c,45d,171a,172a、173a,173b,174a,174b)を介して前記入力トルク選択機構の入出力軸の何れかに接続され、前記ハウジングには前記ダンパが接続され、前記ハウジングの回動時には該回動を前記ダンパが減衰すると共に、前記上下シャフトの一方にはステアリング側突起部(例えば実施例のステアリング側突起部177)が、他方には前記ステアリング側突起部を所定の隙間(例えば実施例の隙間S3)を空けて遊嵌させるステアリング側凹部(例えば実施例のステアリング側凹部178)がそれぞれ設けられ、前記上下シャフトの相対回転時に前記ステアリング側突起部とステアリング側凹部とが互いに当接することで、該ステアリング側突起部及びステアリング側凹部を介して前記上下シャフト間でトルクが伝達されることを特徴とする。
請求項17に記載した発明(ダンパ装置)は、前記入力軸及び出力軸とは別軸のシャフト(例えば実施例のステアリングシャフト45)を備え、該シャフトが上下シャフト(例えば実施例の上下シャフト45a,45b)に二分割され、前記上下シャフトが、それぞれギヤ(例えば実施例の各ギヤ45c,45d,171a,172a、173a,173b,174a,174b)を介して前記入力トルク選択機構の入出力軸の何れかに接続されることを特徴とする。
請求項18に記載した発明(ダンパ装置)は、前記入力トルク選択機構の入出力軸の一方に突起部(例えば実施例の突起部73b)が設けられると共に、他方には前記突起部を所定の隙間(例えば実施例の隙間S1)を空けて遊嵌させる凹部(例えば実施例の凹部74b)が設けられ、前記入出力軸の相対回転時に前記突起部と凹部とが互いに当接することで、該突起部及び凹部を介して前記上下シャフト間でトルクが伝達される一方、前記上下シャフトの一方にシャフト側突起部(例えば実施例のステアリング側突起部177)が設けられると共に、他方には前記シャフト側突起部を所定の隙間(例えば実施例の隙間S3)を空けて遊嵌させるシャフト側凹部(例えば実施例のステアリング側凹部178)が設けられ、前記上下シャフトの相対回転時に前記シャフト側突起部とシャフト側凹部とが互いに当接することで、該シャフト側突起部及びシャフト側凹部をも介して前記上下シャフト間でトルクが伝達されることを特徴とする。
請求項19に記載した発明(ダンパ装置)は、前記入力トルク選択機構が、前記入出力軸間の回転方向での中立位置を定める位置決め手段(例えば実施例の機構側位置決め機構182,182’)を有することを特徴とする。
請求項1,2に記載した発明によれば、ハンドル又は車輪の一方からの入力時にのみダンパの減衰力を発生させることが可能となり、例えばハンドル操作に対して減衰力を与えたくない場合や、路面からの情報をダイレクトにハンドルに伝える一方ハンドル操作の手応えを得たい場合等、運転者の要望する各種のステアリング特性に応えることができる。
請求項3に記載した発明によれば、ダンパを入力トルク選択機構の周囲に比較的自由に配置できると共に、ギヤ比の変更により減衰特性を容易に変更することができる。
請求項4に記載した発明によれば、入力トルク選択機構の入力軸及び出力軸をステアリングシャフトとして有効利用できる。
請求項5に記載した発明によれば、ハンドルからの入力に対しては減衰力を発生させずに該入力を車輪側へ伝達することとなり、ハンドルによる転舵操作を軽快に保つことができる。一方、路面からの入力に対しては減衰力を発生させつつ該入力をハンドル側へ伝達することで、路面外乱によって起こるステアリング系の回動を効果的に抑えることができる。
請求項6に記載した発明によれば、路面からの入力に対しては減衰力を発生させずに該入力をハンドル側へダイレクトに伝達することとなり、路面からの情報を運転者に的確に伝えることができる。一方、ハンドルからの入力に対しては減衰力を発生させつつ該入力を車輪側へ伝達することで、ハンドル操作に良好な手応えを与えることができる。
請求項7に記載した発明によれば、出力軸から入力があった場合にのみ、その回動に減衰力を与えることができる。
請求項8に記載した発明によれば、入力トルク選択機構をステアリングシャフトの周囲に比較的自由に配置できると共に、ステアリングシャフトの上下シャフト間の回転伝達を等速とした上で、ギヤ比の設定により入力トルク選択機構の入出力軸とステアリングシャフトとの間の回転伝達を適宜加減速させることができる。
請求項9,10に記載した発明によれば、入力トルク選択機構の突起部及び凹部を介してステアリングシャフトの上下シャフト間のトルク伝達を行う際、上下シャフト間には突起部と凹部との間の隙間に基づく回転方向の遊びが生じることとなるが、前記ギヤを介してステアリングシャフトの回転が加速(増速)されて入力トルク選択機構に伝達される(すなわち入力トルク選択機構の入出力軸の回転が減速されてステアリングシャフトに伝達される)ことで、前記隙間に基づく上下シャフト間の回転方向の遊びを小さく抑えることができる。
請求項11,12に記載した発明によれば、上下シャフトが相対回転する際に弾性部材の捻り反力が作用することとなり、運転者の操舵フィーリングを良好に保つことができる。
請求項13に記載した発明によれば、入力トルク選択機構の突起部及び凹部に加えてステアリングシャフトのステアリング側突起部及びステアリング側凹部をも介して上下シャフト間のトルクを伝達でき、入力トルク選択機構の特に突起部にかかる負荷を抑え、もって入力トルク選択機構の要求性能を抑えて小型軽量化並びにコストダウンを図ることができる。
請求項14,15に記載した発明によれば、入力トルク選択機構の入出力軸の回転方向での中立位置を定めると共に、ステアリングシャフトの上下シャフトの回転方向での中立位置を定めた状態で、ステアリングダンパユニットを組み立てることで、特にステアリングシャフトと入力トルク選択機構とが別軸に設けられる場合でも、これらの間に回転位相差(中立位置のずれ)が生じることを防止できる。
請求項16に記載した発明によれば、ハンドル又は車輪の一方からの入力時にのみダンパの減衰力を発生させることが可能となり、運転者の要望する各種のステアリング特性に応えることができる。また、ステアリングシャフトのステアリング側突起部及びステアリング側凹部を介して上下シャフト間のトルク伝達を行うことで、入力トルク選択機構の特に伝達トルクに対する強度的な要求性能を抑えることができ、該入力トルク選択機構の小型軽量化並びにコストダウンを図ることができる。
請求項17に記載した発明によれば、入力トルク選択機構をシャフトの周囲に比較的自由に配置できると共に、シャフトの上下シャフト間の回転伝達を等速とした上で、ギヤ比の設定により入力トルク選択機構の入出力軸とシャフトとの間の回転伝達を適宜加減速させることができる。
請求項18に記載した発明によれば、入力トルク選択機構の突起部及び凹部に加えてシャフトのシャフト側突起部及びシャフト側凹部をも介して上下シャフト間のトルクを伝達でき、入力トルク選択機構の特に突起部にかかる負荷を抑え、もって入力トルク選択機構の要求性能を抑えて小型軽量化並びにコストダウンを図ることができる。
請求項19に記載した発明によれば、入力トルク選択機構の入出力軸の回転方向での中立位置を定めた状態でダンパユニットを組み立てることで、シャフトと入力トルク選択機構とが別軸に設けられる場合でも、これらの間に回転位相差(中立位置のずれ)が生じることを防止できる。
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とする。また、図中矢印FRは車両前方を、矢印LHは車両左方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。
図1に示す不整地走行用の鞍乗り型自動四輪車1において、車幅方向(左右方向)中央に位置する車体フレーム2の前部には、左右の前輪3が独立懸架式のフロントサスペンション4を介して懸架され、車体フレーム2の後部には、左右の後輪5が車軸懸架式のリアサスペンション6を介して懸架される。車体フレーム2の前半上部は車体カバー7で覆われる。車体カバー7の左右両側にはフロントフェンダ8が設けられる。車体カバー7の後方にはシート9が配設される。シート9の左右両側にはリアフェンダ10が設けられる。シート9の下方には左右へ突出するステップバー11が設けられる。
車体フレーム2の前部には、左右一対のフロントパイプ13が前後に傾斜して配置される。各フロントパイプ13の下端からは後方へ略水平にフロントロアパイプ14が延出すると共に、該各フロントロアパイプ14の後部からは後方へ連なってロアパイプ15が延出する。各ロアパイプ15の後部は上方へ屈曲して左右センタパイプ16を形成する。各センタパイプ16の上端部間は左右に延びるクロスパイプ17を介して連結される。
前記各フロントパイプ13の上端部と各センタパイプ16の中央部との間には、後下がりに配される左右メインパイプ18が架設される。各フロントパイプ13の中央部と各ロアパイプ15の前部との間には、後下がりに配されるフロントサイドパイプ19が架設される。各メインパイプ18の中央部には、左右シートレールパイプ20の前端が接合される。各シートレールパイプ20は、メインパイプ18からセンタパイプ16の上端(クロスパイプ17の両端)を経てさらに直線的に後方へ延出する。各シートレールパイプ20の後部と各センタパイプ16の下部との間には、左右補強パイプ21が架設される。各フロントサイドパイプ19の上端部と各メインパイプ18の中央部との間には、各シートレールパイプ20と同一直線上となるように左右補強パイプ22が架設される。
図2を併せて参照し、左右フロントパイプ13におけるフロントサイドパイプ19との結合部近傍間には、左右に延びるクロスメンバ23が架設される。クロスメンバ23の左右両端部には、フロントクッション4aの上端部を支持する上端支持部23aが設けられる。各フロントパイプ13の上端部間には、左右に延びるクロスステー24が架設される。各ロアパイプ15間には、フロントサイドパイプ19の下端部よりも前方に左右に延びるクロスプレート25及びクロスメンバ26,27が架設される。各クロスメンバ26,27の左右両端部には、前輪3懸架用のサスペンションアームの基端部を支持するアーム支持部26a,27aがそれぞれ設けられる。各フロントロアパイプ14の先端部には、フロントバンパ28の下端部が支持される。
各センタパイプ16の下部前側には、リアスイングアーム30の前端部を支持する左右ピボットブラケット31が設けられる。リアスイングアーム30の後端部には、左右に延びる車軸を介して各後輪5が軸支される。クロスパイプ17の中央部には、リアクッション6aの上端部を支持するブラケット32が設けられる。リアスイングアーム30の後部中央部には、リアクッション6aの下端部を支持するブラケット33が設けられる。
車体フレーム2内側には、鞍乗り型自動四輪車1の原動機であるエンジン35が搭載される。エンジン35からの出力は、その出力軸と後輪5の車軸とに掛け回される無端状のチェーン37を介して左右後輪5に伝達される。
メインパイプ18の前部上方には燃料タンク38が配設される。燃料タンク38の斜め下後方にはエアクリーナケース39が配設される。エアクリーナケース39の前部にはキャブレタ40の上流側が接続され、該キャブレタ40の下流側はエンジン35の吸気口に接続される。エアクリーナケース39の後方にはバッテリ41が配設される。エンジン35前部のシリンダ部からは排気管42が下方へ延出され、該排気管42がシリンダ部右側へ湾曲して上方へ向かった後、後方へ屈曲して延びて車体後部右側のサイレンサ43に接続される。
そして、車体フレーム2の前部中央には、これを上下に貫通するようにステアリングシャフト45が設けられ、その上部がクロスステー24に、下端部がクロスプレート25中央のステアリングロアホルダ25aにそれぞれ支持される。
ステアリングシャフト45は、車体前部の左右中央部において上下に直線的に延在するもので、上側が後方に位置するようにやや傾斜して配置され、その軸線を中心に回動自在となるように車体フレーム2に支持される。ステアリングシャフト45の上端部には、ホルダを介してバータイプのハンドル46が取り付けられる。一方、ステアリングシャフト45の下端部には、センタアーム47を介して左右のタイロッド48の一端が連結される。左右タイロッド48の他端は左右前輪3を軸支するナックル49(図3参照)に連結されており、ハンドル46の回動操作がステアリングシャフト45及び左右タイロッド48等を介して左右前輪3に伝達されてこれらを操舵する。以下、ステアリングシャフト45の軸線をCとして説明する。
ここで、ステアリングシャフト45の上下中間部には、これを上下に貫通させるようにステアリングダンパユニット50が設けられる。ステアリングダンパユニット50は、後述のダンパ51及び入力トルク選択機構52を一体のアウタケース53内に収容してなり、クロスステー24とクロスプレート25との間に位置し、左右フロントパイプ13から延びるステー13aを介して車体フレーム2に固定される。
図3に示すように、ステアリングダンパユニット50は、アウタケース53内下部にステアリングシャフト45の軸線回りの回動(以下、単に回動又は回転ということがある)を減衰可能な前記ダンパ51を配置し、アウタケース53内上部に前記入力トルク選択機構52を配置してなる。
アウタケース53は、外周壁54の上下を上下壁55,56で閉塞したボックス状のもので、上下壁55,56中央にはステアリングシャフト45を挿通可能な上下挿通孔を有し、該各挿通孔内周においてステアリングシャフト45の外周を回動自在に支持する。このアウタケース53が、前記ステー13aを介して左右フロントパイプ13に支持される。
ダンパ51は、小型軽量なロータリ式のもので、ステアリングシャフト45と同軸配置されたダンパインナ57及びダンパアウタ61を有してなる。
ダンパインナ57は、ステアリングシャフト45を挿通させる円筒状のカラー部58と、該カラー部58下端に形成されたフランジ部59とを有してなり、フランジ部59下面をアウタケース53の下壁56上面に当接させると共に、フランジ部59下面から下方に突出する係合部59aを下壁56上面に凹設された係合孔56aに係合させることで、アウタケース53に対して相対回転不能に係合する。
ダンパアウタ61は、前記カラー部58の外周を囲む環状のもので、外周壁62及びその上下端から内周側に延出する上下壁63,64を有してなり、その周方向(回転方向)と直交する断面において内周側に開放する断面略コ字状をなしている。ダンパアウタ61の上壁63は、入力トルク選択機構52におけるハウジング67の下壁70と一体形成されている。このようなダンパアウタ61が、前記ハウジング67と共にステアリングシャフト45に回動自在に支持されている。
ダンパアウタ61は、その上下壁63,64内周をダンパインナ57のカラー部58外周に油密かつ相対回転可能に当接させることで、ダンパインナ57と共に環状の油室を形成する。油室内には、例えば複数の固定側ディスク65が軸線に沿って複数積層された状態で配置されると共に、例えばシリコンオイル等の粘性流体が充填される。各ディスク65はダンパインナ57のカラー部58外周に相対回転不能に取り付けられており、カラー部58(アウタケース53)に対してダンパアウタ61(ハウジング67)が相対回転する際には、各ディスク65に前記粘性流体との粘性摩擦による抵抗が生じて前記相対回転のエネルギが吸収される。換言すれば、アウタケース53に対するハウジング67の相対回転トルクに対して減衰力が作用する。
入力トルク選択機構52は、そのクラッチ機構の一部を構成するハウジング67の上部から入力軸71を突出させると共に、下部から出力軸72を突出させてなる。
各軸71,72は、ステアリングシャフト45と同軸配置されるもので、ハウジング67内において互いの一端側を対向させるように配置される。ここで、ステアリングシャフト45は、アウタケース53内で上下に分割されており、その上部を構成する上シャフト45aが入力軸71を構成すると共に、下部を構成する下シャフト45bが出力軸72を構成する。なお、各軸71,72が、ステアリングシャフト45を構成する上下シャフト45a,45bと別体の構成であってもよい。
入力軸71の下端及び出力軸72の上端には、これらと同軸の円盤状をなす入力側又は出力側プレート部73,74がそれぞれ一体形成される。
図4を併せて参照し、入力側プレート部73は、円盤状のプレート本体の外周部から出力軸72側に複数のリブ部73aを突出させると共に、プレート本体の径方向中間部から出力軸72側に複数の突起部73bを突出させてなる。各リブ部73a及び突起部73bは、それぞれプレート本体の円周方向で等間隔に配置されている。
一方、出力側プレート部74は、そのプレート本体が入力側プレート部73のプレート本体よりも小径かつ肉厚とされるもので、軸線に沿う矢視(軸線方向視)で多角形状をなし、その外周面に複数の平坦なカム面74aが円周方向で等間隔に形成される。出力側プレート部74は、その径方向中間部に入力側プレート部73の各突起部73bに対応する複数の凹部74bが形成され、各凹部74b内に対応する突起部73bが遊嵌される。ここで、各凹部74b内の中央に突起部73bを挿入した状態(図4(a)参照)において、凹部74b内周と突起部73b外周との間に形成される各軸71,72の回転方向での隙間をS1とする。
ハウジング67は、各軸71,72の前記一端側の外周を囲む環状のもので、外周壁68及びその上下端から内周側に延出する上下壁69,70を有してなり、その周方向と直交する断面において内周側に開放する断面略コ字状をなしている。ハウジング67の下壁70は、前述の如くダンパアウタ61と一体形成されている。このようなハウジング67が、内部に各プレート部73,74を収容した状態で、上下壁69,70の内周において各軸71,72の外周に回動自在に支持されている。
ハウジング67の外周壁68は、軸線方向視で円形をなす円筒状の内周面68aを形成し、該内周面68aの内方に出力側プレート部74の外周面(カム面74a)が所定の間隙をもって対向配置される。前記間隙内には、入力側プレート部73の各リブ部73aが遊びを有する状態で挿入される。
ここで、各プレート部73,74材を対向させて各凹部74b内に突起部73bを収容した状態において、前記各カム面74aは、前記間隙内で互いに隣接するリブ部73a間に位置する。このような各カム面74aと内周面68aとの間であって前記隣接するリブ部73a間(以下、係合空間Kという)には、各軸71,72同士の係合子としての一対のローラ75が収容される。
図4(a)に示すように、各ローラ75は、軸線に沿う円柱状のもので、リブ部73a間の係合空間K内において対をなすもの同士の間には、圧縮コイルバネ76が縮設され、このコイルバネ76のバネ力により、両ローラ75が係合空間Kの周方向両側に向けて付勢される。各係合空間Kは、その周方向中央部における径方向幅に対し、周方向両側に向かうにつれて径方向幅を狭めており、前述の如くローラ75が付勢されることで、該両ローラ75が出力側プレート部74のカム面74aとハウジング67の内周面68aとの間に差し込まれる楔として機能し、出力側プレート部74(出力軸72)とハウジング67とを相対回転不能に係合させる。
ここで、各凹部74b内中央に突起部73bが位置する状態において、各プレート部73,74に楔係合した状態の両ローラ75とその周方向両側に位置するリブ部73aとの間には、両軸の回転方向での隙間S2が形成される。ここで、隙間S2は、前記隙間S1よりも小さいものとされる。
この実施例におけるステアリングダンパ装置は上述の構成を有しており、次に、該ステアリングダンパ装置の作用について説明する。
まず、図4(a)に示すように、ステアリングシャフト45の上下シャフト45a,45b(各軸71,72)の何れにもトルクが入力されない状態(各軸71,72に相対回転トルクが作用しない状態、以下、中立位置という)において、各係合空間K内の一対のローラ75は、圧縮コイルバネ76によって互いに離間する方向に付勢されており、出力側プレート部74のカム面74aとハウジング67の内周面68aとに楔係合する。このとき、各リブ部73aと隣接するローラ75との間には回転方向での隙間S2が形成され、各凹部74b内周と対応する突起部73b外周との間には回転方向での隙間S1が形成される。
次いで、上記中立状態から入力軸71に例えば図における時計回りのトルクが入力され、入力側プレート部73が出力側プレート部74に対して相対回転すると、図4(b)に示すように、各係合空間K内における両ローラ75の回転方向下流側のものには、そのさらに回転方向下流側に隣接するリブ部73aが隙間S2を無くして当接する。このとき、当該ローラ75がコイルバネ76の付勢力に抗して回転方向上流側に押し出され、出力側プレート部74とハウジング67との楔係合を解除する。
一方、上記リブ部73aがローラ75部に当接した時点では、凹部74b内周と突起部73b外周とはまだ当接しておらず、この状態からさらに入力側プレート部73が相対回転すると、凹部74b内周と突起部73b外周とが隙間S1を無くして当接し、各プレート部73,74が相対回転不能に係合する。
なお、各係合空間K内における両ローラ75の回転方向上流側のものは、カム面74aがハウジング67の内周面68aに対して係合空間Kの径方向幅を広げるように移動することで、出力側プレート部74とハウジング67との楔係合を解除する。これにより、入力側プレート部73からのトルクがハウジング67に伝達されずにこれらが相対回転自在となる。
すなわち、入力軸71にトルクが入力された際には、ハウジング67を停止させたままで、該ハウジング67に対して各軸71,72が一体的に相対回転可能となる。このため、入力軸71への入力トルクに対してはダンパ51による減衰力が付与されず、したがってハンドル操作が軽快に保たれる。なお、入力軸71に図における反時計回りのトルクが入力された際にも、上記同様、該入力トルクが減衰されることはない。すなわち、入力軸71の回転方向を問わず、そのトルクが非減衰状態で出力軸72に伝達される。
一方、前記中立状態から出力軸72に例えば前記時計回りのトルクが入力され、出力側プレート部74が入力側プレート部73に対して相対回転すると、図4(c)に示すように、各係合空間K内における両ローラ75の回転方向下流側のものが、出力側プレート部74とハウジング67とを楔係合した状態を維持しつつ、出力側プレート部74が入力側プレート部73に対して相対回転する。このとき、当該ローラ75に対してそのさらに回転方向下流側のリブ部73aは近接しない(離反する)ため、該リブ部73aにより前記楔係合が解除されることはない。これにより、当該ローラ75を介して出力側プレート部74とハウジング67とが相対回転不能となり、出力側プレート部74からのトルクがハウジング67に伝達可能となる。なお、各係合空間K内における回転方向上流側のローラ75にはリブ部73aが当接するが、当該ローラ75は出力側プレート部74の回転時には楔係合するものではない。
上記状態からさらに入力側プレート部73が相対回転すると、凹部74b内周と突起部73b外周とが隙間S1を無くして当接し、各プレート部73,74が相対回転不能に係合する。
すなわち、出力軸72にトルクが入力された際には、各軸71,72及びハウジング67が一体的に回転可能となる。このため、出力軸72への入力トルクに対してはダンパ51による減衰力が付与されることとなり、したがって路面外乱によって起こるステアリング系の回動が抑えられる。なお、出力軸72に図における反時計回りのトルクが入力された際にも、上記同様、該入力トルクに減衰力が付与される。すなわち、出力軸72の回転方向を問わず、そのトルクが減衰されつつ入力軸71に伝達される。
以上説明したように、上記実施例におけるステアリングダンパ装置は、車体フレーム2と、該車体フレーム2に懸架される左右前輪3と、前記車体フレーム2に回動自在に支持されて一端が前輪3側に接続されるステアリングシャフト45と、該ステアリングシャフト45の他端に接続されて該ステアリングシャフト45を回動させて左右前輪3を操舵するハンドル46と、前記ステアリングシャフト45の回動を減衰可能なダンパ51とを備えるものであって、路面からのトルク入力があった場合にのみ、前記ダンパ51によって前記ステアリングシャフト45の回動を減衰するものである。
より具体的には、上記ステアリングダンパ装置は、入力軸71及び出力軸72を有すると共にこれら各軸71,72を回動自在に支持するハウジング67を有し、前記入力軸71からトルクが入力されると該入力軸71が前記出力軸72を前記ハウジング67に対して回動させる一方、前記出力軸72からトルクが入力されると該出力軸72が前記入力軸71及びハウジング67を回動させる入力トルク選択機構52を備え、前記入力軸71をハンドル46側に、前記出力軸72を前輪3側にそれぞれ接続すると共に、前記ハウジング67は前記ダンパ51に接続し、前記各軸71,72を回動させて左右前輪3を操舵すると共に、前記ハウジング67の回動時には該回動を前記ダンパ51が減衰するものである。
この構成によれば、ハンドル46又は左右前輪3の一方を出力軸72側に選択すれば、該出力軸72からの入力があった場合にのみダンパ51の減衰力を発生させることが可能となり、例えばハンドル操作に対して減衰力を与えたくない場合や、路面からの情報をダイレクトにハンドル46に伝える一方ハンドル操作の手応えを得たい場合等、運転者の要望する各種のステアリング特性に応えることができる。
また、上記ステアリングダンパ装置においては、ステアリングシャフト45の一部が入力トルク選択機構52の入力軸71及び出力軸72で構成されることで、入力トルク選択機構52の入力軸71及び出力軸72をステアリングシャフト45として有効利用でき、ステアリング系の部品点数の削減を図ることができる。
さらに、上記ステアリングダンパ装置においては、前記入力トルク選択機構52の入力軸71をハンドル46側に接続することで、ハンドル46からの入力に対しては減衰力を発生させずに該入力を前輪3側へ伝達することとなり、ハンドル46による転舵操作を軽快に保つことができる。一方、路面からの入力に対しては減衰力を発生させつつ該入力をハンドル46側へ伝達することで、路面外乱によって起こるステアリング系の回動を効果的に抑えることができる。
次に、この発明の第二実施例について説明する。
図5に示すように、この実施例におけるステアリングダンパ装置は、前記第一実施例のものに対して、前記ステアリングダンパユニット50が上下逆に設けられ、前記入力トルク選択機構52の入力軸71が前記車輪側に、出力軸72が前記ハンドル46側にそれぞれ接続される点を主に異なるもので、前記実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
この実施例におけるステアリングダンパユニット50は、アウタケース53内上部に前記ダンパ51が位置し、アウタケース53内下部に前記入力トルク選択機構52が位置するように配置される。
入力トルク選択機構52は、そのハウジング67の上部から前記出力軸72を突出させると共に、下部から前記入力軸71を突出させる。出力軸72はステアリングシャフト45の上シャフト45aを構成すると共に、入力軸71はステアリングシャフト45の下シャフト45bを構成する。各軸71,72における互いに対向する一端側には、前記入力側又は出力側プレート部73,74がそれぞれ一体形成される。
ダンパ51は、ステアリングシャフト45と同軸の前記ダンパインナ57及びダンパアウタ61を有してなる。ダンパインナ57は、前記係合部59aをアウタケース53の前記係合孔56aに係合させることで相対回転不能に係合する。このダンパインナ57に対してダンパアウタ61が相対回転する際には、ダンパアウタ61内の粘性抵抗により該相対回転のエネルギが吸収される(ダンパインナ57に対するダンパアウタ61の相対回転トルクに減衰力が作用する)。
この実施例におけるステアリングダンパ装置は上述の構成を有しており、次に、該ステアリングダンパ装置の作用について説明する。
まず、前記中立位置において、各係合空間K内の一対のローラ75は、出力側プレート部74のカム面74aとハウジング67の内周面68aとに楔係合しており(図4(a)参照)、この状態から、入力軸71に軸線回りのトルクが入力されると、各ローラ75の楔係合が解除されると共に、入力側プレート部73からのトルクが出力側プレート部74に伝達可能となる(図4(b)参照)。
すなわち、入力軸71にトルクが入力された際には、ハウジング67を停止させたままで各軸71,72が一体的に回転可能となる。このため、車輪側の入力軸71への入力トルクに対してはダンパ51による減衰力が付与されず、したがって路面からの入力がハンドル46側へダイレクトに伝達される。
一方、前記中立状態から出力軸72に軸線回りのトルクが入力されると、各係合空間K内における両ローラ75の回転方向下流側のものが、出力側プレート部74とハウジング67とを楔係合した状態を維持すると共に、出力側プレート部74からのトルクが入力側プレート部73に伝達可能となる(図4(c)参照)。
すなわち、出力軸72にトルクが入力された際には、各軸71,72及びハウジング67が一体的に回転可能となる。このため、出力軸72への入力トルクに対してはダンパ51による減衰力が付与されることとなり、したがってハンドル操作に良好な手応えが付与される。
以上説明したように、上記実施例におけるステアリングダンパ装置によれば、ハンドル46からの入力時にのみダンパ51の減衰力を発生させることが可能となり、第一実施例のものと同様、運転者の要望する各種のステアリング特性に応えることができる。
また、上記ステアリングダンパ装置においては、入力トルク選択機構152の入力軸71を前輪3側に接続することで、路面からの入力に対しては減衰力を発生させずに該入力をハンドル46側へダイレクトに伝達することとなり、路面からの情報を運転者に的確に伝えることができる。一方、ハンドル46からの入力に対しては減衰力を発生させつつ該入力を前輪3側へ伝達することで、ハンドル操作に良好な手応えを与えることができる。
次に、この発明の第三実施例について説明する。
図6に示すように、この実施例におけるステアリングダンパ装置は、前記第一及び第二実施例のものに対して、ダンパ151及び入力トルク選択機構152が別軸に設けられると共に、ダンパ151と入力トルク選択機構152のハウジング167とがギヤ157a,167aにより接続される点を主に異なるもので、前記各実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
この実施例におけるステアリングダンパユニット150は、アウタケース153内におけるステアリングシャフト45と同軸となる空間に入力トルク選択機構152を配置し、アウタケース153内におけるステアリングシャフト45に対してオフセットした空間にダンパ151を配置してなる。
アウタケース153は、外周壁154の上下を上下壁155,156で閉塞したボックス状のもので、上下壁155,156にはステアリングシャフト45を挿通可能な上下挿通孔を有し、該各挿通孔内周においてステアリングシャフト45の外周を回動自在に支持する。このアウタケース153が、前記ステー13aを介して左右フロントパイプ13に支持される。
入力トルク選択機構152は、そのハウジング167の上部から入力軸171を突出させると共に、下部から出力軸172を突出させてなる。
各軸171,172は、ステアリングシャフト45と同軸配置されるもので、ハウジング167内において互いの一端側を対向させるように配置される。入力軸171はステアリングシャフト45の上シャフト45aを構成すると共に、出力軸172はステアリングシャフト45の下シャフト45bを構成する。なお、各軸171,172が上下シャフト45a,45bと別体の構成であってもよい。
各軸171,172の前記一端側には、これらと同軸の円盤状をなす前記入力側又は出力側プレート部73,74がそれぞれ一体形成される。これら各プレート部73,74を収容するハウジング167は、前記ハウジング67に対してダンパアウタ61を分離させると共に外周壁68の上部外周にドライブギヤ167aを一体形成してなるもので、外周壁68の上下端から内周側に延出する上下壁69,70の内周において各軸171,172の外周に回動自在に支持される。このハウジング167及びその内側の部品で構成されるクラッチ機構は、アウタケース153内における上側に配置されている。
ダンパ151は、ステアリングシャフト45に対してオフセットした支持軸157及びこれと同軸のダンパアウタ161を有してなる。
支持軸157は、アウタケース153の上下壁155,156に渡って設けられてその上下端部が上下壁155,156に回転自在に支持される。支持軸157の上下中間部には、前記ドライブギヤ167aに噛み合うドリブンギヤ157aが一体形成されている。
ダンパアウタ161は、ドリブンギヤ157aの下方において支持軸157の外周を囲む環状のもので、外周壁162及びその上下端から内周側に延出する上下壁163,164を有し、その周方向(回転方向)と直交する断面において内周側に開放する断面略コ字状をなしている。ダンパアウタ161の下壁164下面には下方に突出する係合部164aが設けられ、該係合部164aがアウタケース153の下壁156上面に凹設された係合孔156aに係合することで、ダンパアウタ161がアウタケース153に対して支持軸157回りで相対回転不能に係合した状態で支持される。
ダンパアウタ161は、その上下壁163,164内周を支持軸157外周に油密かつ相対回転可能に当接させることで、支持軸157と共に環状の油室を形成する。油室内には、例えば複数の固定側ディスク165が軸線に沿って複数積層された状態で配置されると共に、例えばシリコンオイル等の粘性流体が充填される。各ディスク165は支持軸157外周に相対回転不能に取り付けられており、該支持軸157がダンパアウタ161に対して相対回転する際には、各ディスク165に前記粘性流体との粘性摩擦による抵抗が生じて前記相対回転のエネルギが吸収される(ダンパアウタ161に対する支持軸157の相対回転トルクに減衰力が作用する)。
ここで、ダンパアウタ161及びその内側の部品で構成されるダンパ機構は、アウタケース153内における下側に配置されており、その一側が入力トルク選択機構152のハウジング167の一側と上下方向で重なる(軸線方向視でラップする)ことで、アウタケース153内の収容スペースが効率良く利用される。また、ダンパ151が入力トルク選択機構152からオフセットして配置されることで、これらが同軸上に重なって配置される場合(第一及び第二実施例参照)と比べて、アウタケース153(ステアリングダンパユニット150)の上下幅が抑えられる。
また、ステアリングダンパユニット150は、入力トルク選択機構152に対してダンパ151がオフセットすることで、該ダンパ151を収容する部位が軸線方向視で突出することとなるが、図7(a)に示すように、この突出部分Tを、ステアリングシャフト45の前方に位置するように配置すれば、ダンパ151に対する走行風による冷却効果が高まる。一方、図7(b)に示すように、前記突出部分Tをステアリングシャフト45の後方に位置するように配置しても、エンジン空冷ファン又はラジエータファンに近接することとなって良好に冷却されると共に、より車体フレーム2内側に位置することとなって飛石等からの保護性が向上する。
この実施例におけるステアリングダンパ装置は上述の構成を有しており、次に、該ステアリングダンパ装置の作用について説明する。
まず、前記中立位置において、各係合空間K内の一対のローラ75は、出力側プレート部74のカム面74aとハウジング167の内周面68aとに楔係合しており(図4(a)参照)、この状態から、入力軸171に軸線回りのトルクが入力されると、各ローラ75の楔係合が解除されると共に、入力側プレート部73からのトルクが出力側プレート部74に伝達可能となる(図4(b)参照)。
すなわち、入力軸171にトルクが入力された際には、ハウジング167を停止させたままで、したがってこれと連係するダンパ151の支持軸157も停止させたままで、各軸171,172が一体的に回転可能となる。このため、入力軸171への入力トルクに対してはダンパ151による減衰力が付与されず、したがってハンドル操作が軽快に保たれる。
一方、前記中立状態から出力軸172に軸線回りのトルクが入力されると、各係合空間K内における両ローラ75の回転方向下流側のものが、出力側プレート部74とハウジング167とを楔係合した状態を維持すると共に、出力側プレート部74からのトルクが入力側プレート部73に伝達可能となる(図4(c)参照)。
すなわち、出力軸172にトルクが入力された際には、各軸171,172及びハウジング167が一体的に回転可能となる。このとき、ハウジング167と支持軸157とが各ギヤ157a,167aを介して連係することで、出力軸172へのトルク入力時には各軸171,172及びハウジング167と共に支持軸157も回転する。このため、出力軸172への入力トルクに対してはダンパ151による減衰力が付与されることとなり、したがって路面外乱によって起こるステアリング系の回動が抑えられる。
以上説明したように、上記実施例におけるステアリングダンパ装置においても、前輪3からの入力時にのみダンパ151の減衰力を発生させることが可能となり、運転者の要望する各種のステアリング特性に応えることができる。また、ハンドル46からの入力に対しては減衰力を発生させずにハンドル操作を軽快に保つ一方、路面からの入力に対しては減衰力を発生させて路面外乱によって起こるステアリング系の回動を抑えることができる。
また、上記実施例におけるステアリングダンパ装置においては、ダンパ151と入力トルク選択機構152のハウジング167とを互いにオフセット配置すると共にこれらをギヤ157a,167aにより接続することで、ダンパ151を入力トルク選択機構152の周囲に比較的自由に配置できると共に、ギヤ比の変更により減衰特性を容易に変更することができる。
次に、この発明の第四実施例について説明する。
図8に示すように、この実施例におけるステアリングダンパ装置は、前記第三実施例のものに対して、前記ステアリングダンパユニット150が上下逆に設けられ、前記入力トルク選択機構152の入力軸171が前記車輪側に、出力軸172が前記ハンドル46側にそれぞれ接続される点を主に異なるもので、前記各実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
この実施例におけるステアリングダンパユニット150は、アウタケース153内におけるステアリングシャフト45と同軸となる空間の下部に入力トルク選択機構152が位置し、アウタケース153内におけるステアリングシャフト45に対してオフセットした空間の上部にダンパ151が位置するように配置される。
入力トルク選択機構152は、そのハウジング167の上部から前記出力軸172を突出させると共に、下部から前記入力軸171を突出させる。出力軸172はステアリングシャフト45の上シャフト45aを構成すると共に、入力軸171はステアリングシャフト45の下シャフト45bを構成する。各軸171,172における互いに対向する一端側には、前記入力側又は出力側プレート部73,74がそれぞれ一体形成される。これら各プレート部73,74を収容するハウジング167の外周壁68の下部外周にはドライブギヤ167aが一体形成される。
ダンパ151は、支持軸157及びこれと同軸のダンパアウタ161を有し、支持軸157の上下中間部にはドライブギヤ167aに噛み合うドリブンギヤ157aが一体形成される。ダンパアウタ161は、前記係合部164aをアウタケース153の前記係合孔156aに係合させることで、支持軸157回りで相対回転不能に係合した状態で支持される。そして、支持軸157がダンパアウタ161に対して相対回転する際には、ダンパアウタ161内の粘性抵抗により該相対回転のエネルギが吸収される(ダンパアウタ161に対する支持軸157の相対回転トルクに減衰力が作用する)。
この実施例におけるステアリングダンパ装置は上述の構成を有しており、次に、該ステアリングダンパ装置の作用について説明する。
まず、前記中立位置において、各係合空間K内の一対のローラ75は、出力側プレート部74のカム面74aとハウジング167の内周面68aとに楔係合しており(図4(a)参照)、この状態から、入力軸171に軸線回りのトルクが入力されると、各ローラ75の楔係合が解除されると共に、入力側プレート部73からのトルクが出力側プレート部74に伝達可能となる(図4(b)参照)。
すなわち、入力軸171にトルクが入力された際には、ハウジング167を停止させたままで、したがってこれと連係するダンパ151の支持軸157も停止させたままで、各軸171,172が一体的に回転可能となる。このため、入力軸171への入力トルクに対してはダンパ151による減衰力が付与されず、したがって路面からの入力がハンドル46側へダイレクトに伝達される。
一方、前記中立状態から出力軸172に軸線回りのトルクが入力されると、各係合空間K内における両ローラ75の回転方向下流側のものが、出力側プレート部74とハウジング167とを楔係合した状態を維持すると共に、出力側プレート部74からのトルクが入力側プレート部73に伝達可能となる(図4(c)参照)。
すなわち、出力軸172にトルクが入力された際には、各軸171,172及びハウジング167が一体的に回転可能となる。このとき、ハウジング167と支持軸157とが各ギヤ157a,167aを介して連係することで、出力軸172へのトルク入力時には各軸171,172及びハウジング167と共に支持軸157も回転する。このため、出力軸172への入力トルクに対してはダンパ151による減衰力が付与されることとなり、したがってハンドル操作に良好な手応えが付与される。
以上説明したように、上記実施例におけるステアリングダンパ装置においても、ハンドル46からの入力時にのみダンパ151の減衰力を発生させることが可能となり、運転者の要望する各種のステアリング特性に応えることができる。また、路面からの入力に対しては減衰力を発生させずに該路面からの情報を運転者に的確に伝える一方、ハンドル46からの入力に対しては減衰力を発生させてハンドル操作に良好な手応えを与えることができる。さらに、ダンパ151を入力トルク選択機構152の周囲に比較的自由に配置できると共に、ギヤ比の変更により減衰特性を容易に変更することができる。
次に、この発明の第五実施例について説明する。
図9に示すように、この実施例におけるステアリングダンパ装置は、前記第三実施例のものに対して、ステアリングシャフト45と入力トルク選択機構152とが別軸に設けられると共に、ステアリングシャフト45の上下シャフト45a,45bと入力トルク選択機構152の入出力軸171,172とがそれぞれ上下中継ギヤ軸173,174を介して接続される点を主に異なるもので、前記各実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
ステアリングダンパユニット250は、アウタケース153内におけるステアリングシャフト45に対してオフセットした空間に上下中継ギヤ軸173,174を配置し、該各中継ギヤ軸173,174に対してオフセットした空間に入力トルク選択機構152を配置し、該入力トルク選択機構152に対してさらにオフセットした空間にダンパ151を配置してなる。アウタケース153は、両端部にボールジョイントを有するジョイントアームJを介して前記ステー13aに支持される。
ステアリングシャフト45を形成する上下シャフト45a,45bは、アウタケース153内において互いに同軸かつ相対回転自在に連結される。
一方、上下中継ギヤ軸173,174は、アウタケース153内においてステアリングシャフト45と平行に配置され、これらの上下端部がアウタケース153に回転自在に支持される。
上下中継ギヤ軸173,174は上下シャフト45a,45bとそれぞれ隣接する。上下シャフト45a,45bの外周には比較的大径の上下駆動ギヤ45c、45dがそれぞれ一体的に設けられると共に、上下中継ギヤ軸173,174の外周には上下駆動ギヤ45c、45dに噛み合う比較的小径の上下ステアリング側ギヤ173a,174aがそれぞれ一体的に設けられる。
また、上下中継ギヤ軸173,174は入力トルク選択機構152上側の入力軸171及び下側の出力軸172ともそれぞれ隣接する。入出力軸171,172の外周には出入力側従動ギヤ171a,172aがそれぞれ一体的に設けられると共に、上下中継ギヤ軸173,174の外周には出入力側従動ギヤ171a,172aに噛み合う上下機構側ギヤ173b,174bがそれぞれ一体的に設けられる。出入力側従動ギヤ171a,172aと上下機構側ギヤ173b,174bとは噛み合うもの同士で略同一径とされる。
そして、上下シャフト45a,45bの回転は、それぞれ各ギヤ45c,45d,171a,172a、173a,173b,174a,174bを介して例えば約三倍に加速(増速)されて入出力軸171,172に伝達される。換言すれば、上下シャフト45a,45bの回転角度は、入出力軸171,172においてそれぞれ約三倍に拡大される。
逆に、入出力軸171,172の回転は、それぞれ前記各ギヤを介して例えば約1/3に減速されて上下シャフト45a,45bに伝達される。換言すれば、入出力軸171,172の回転角度は、上下シャフト45a,45bにおいてそれぞれ約1/3に縮小される。
上下シャフト45a,45b間のトルク伝達は、上下中継ギヤ軸173,174及び入出力軸171,172を介して行われるが、前述の如く上下シャフト45a,45bから入出力軸171,172への回転伝達時のギヤ比(減速比)と入出力軸171,172から上下シャフト45a,45bへの回転伝達時のギヤ比とが互いに相殺し合う結果、上下シャフト45a,45b間のトルク伝達は等速で行われることとなる。
ここで、入出力軸171,172間には、前記突起部73bと凹部74bとの間の隙間S1に基づく回転方向の遊びが生じることとなるが、前述の如く上下シャフト45a,45bと入出力軸171,172との間の回転伝達を適宜加減速させることで、前記遊びに基づく上下シャフト45a,45b間の回転方向の遊びを小さくすることができる。
なお、ステアリングシャフト45と入力トルク選択機構152との間に中継ギヤ軸173,174が介在することで、上下駆動ギヤ45c、45dと出入力側従動ギヤ171a,172aとが直接噛み合う場合と比べて上下シャフト45a,45bと入出力軸171,172との間の減速比の設定幅が広がり、ステアリングシャフト45の回転方向の遊びをより小さく抑えることが可能となる。
以上説明したように、上記実施例におけるステアリングダンパ装置によれば、第三実施例と同様の作用効果を奏すると共に、ステアリングシャフト45の上下シャフト45a,45bが、それぞれギヤ45c,45d,171a,172a、173a,173b,174a,174bを介して入力トルク選択機構152の入出力軸171,172に接続されることで、入力トルク選択機構152をステアリングシャフト45の周囲に比較的自由に配置できると共に、ステアリングシャフト45の上下シャフト45a,45b間の回転伝達を等速とした上で、ギヤ比の設定により入力トルク選択機構152の入出力軸171,172とステアリングシャフト45との間の回転伝達を適宜加減速させることができる。
また、入力トルク選択機構152の突起部73b及び凹部74bを介してステアリングシャフト45の上下シャフト45a,45b間のトルク伝達を行う際、上下シャフト45a,45b間には突起部73bと凹部74bとの間の隙間S1に基づく回転方向の遊びが生じることとなるが、前記各ギヤを介してステアリングシャフト45の回転が加速(増速)されて入力トルク選択機構152に伝達される(すなわち入力トルク選択機構152の入出力軸171,172の回転が減速されてステアリングシャフト45に伝達される)ことで、前記隙間S1に基づく上下シャフト45a,45b間の回転方向の遊びを小さく抑えることができる。
次に、この発明の第六実施例について説明する。
図10に示すように、この実施例におけるステアリングダンパ装置は、前記第五実施例のものに対して、上下中継ギヤ軸173,174を無くすと共に、上下シャフト45a,45bをこれらと同軸のトーションバー175を介して連結する点を主に異なるもので、前記各実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
ステアリングダンパユニット350において、上下駆動ギヤ45c、45dは出入力側従動ギヤ171a,172aに対して大径であり、これら上下駆動ギヤ45c、45dと出入力側従動ギヤ171a,172aとがそれぞれ直接噛み合う。そして、上下シャフト45a,45bの回転は適宜加速(増速)されて入出力軸171,172に伝達されると共に、入出力軸171,172の回転は適宜減速されて上下シャフト45a,45bに伝達される。これにより、前記第五実施例と同様、入力トルク選択機構152の突起部73bと凹部74bとの間の隙間S1に基づく上下シャフト45a,45b間の回転方向の遊びが小さく抑えられる。
トーションバー175は上下シャフト45a,45bよりも捻りバネ定数の小さい材料からなり、その両端部がそれぞれ上下シャフト45a,45bの端部にスプライン嵌合等により相対回転不能に結合される。
上下シャフト45a,45b間には前述の如く少量の遊びが生じるが、この遊びに基づく上下シャフト45a,45bの相対回転時にはこれらにトーションバー175の捻り反力が作用することとなるため、ハンドル操作に良好な手応えが付与されると共に操舵機構のガタが緩衝される。
以上説明したように、上記実施例におけるステアリングダンパ装置によれば、前記第五実施例と同様の作用効果を奏すると共に、ステアリングシャフト45の上下シャフト45a,45bがこれらよりも捻りバネ定数の小さいトーションバー175を介して連結されることで、上下シャフト45a,45bが相対回転する際にトーションバー175の捻り反力が作用することとなり、運転者の操舵フィーリングを良好に保つことができる。
なお、この実施例において前記上下中継ギヤ軸173,174を用いることも可能である。
次に、この発明の第七実施例について説明する。
図11に示すように、この実施例におけるステアリングダンパ装置は、前記六実施例のものに対して、上下シャフト45a,45bを相対回転自在に連結する一方、入出力軸171,172をこれらと同軸のトーションバー176を介して連結する点を主に異なるもので、前記各実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
ステアリングダンパユニット350’において、トーションバー176は入出力軸171,172よりも捻りバネ定数の小さい材料からなり、その両端部がそれぞれ入出力軸171,172の端部にスプライン嵌合等により相対回転不能に結合される。
入出力軸171,172間には前記隙間S1に基づく遊びが生じるが、この遊びに基づく入出力軸171,172の相対回転時にはこれらにトーションバー176の捻り反力が作用する。この捻り反力は前記各ギヤを介して上下シャフト45a,45bに伝達され、もって第六実施例と同様、ハンドル操作に良好な手応えが付与されると共に操舵機構のガタが緩衝され、運転者の操舵フィーリングを良好に保つのである。
なお、この実施例において前記トーションバー175を併せて用いることも可能であり、かつ前記上下中継ギヤ軸173,174を用いることも可能である。
次に、この発明の第八実施例について説明する。
図12,13に示すように、この実施例におけるステアリングダンパ装置は、前記第五実施例のものに対して、上下中継ギヤ軸173,174を無くすと共に、ステアリングシャフト45に上下シャフト45a,45b間のトルク伝達を可能とするステアリング側突起部177及びステアリング側凹部178を設けた点を主に異なるもので、前記各実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
ステアリングダンパ450において、ステアリング側突起部177は、上シャフト45aの外周部から下シャフト45b側へ延びるもので、該ステアリング側突起部177を遊嵌させるステアリング側凹部178が、下シャフト45bの外周部に形成される。ステアリング側突起部177におけるシャフト回転方向両側の外側面とステアリング側凹部178のシャフト回転方向両側の内側面との間には、それぞれ上下シャフト45a,45bの相対回転角度L分の隙間S3が設けられる(図13参照)。
ここで、前記相対回転角度Lとは、入力トルク選択機構152の突起部73bと凹部74bとが隙間S1を有する状態からこれ無くして当接するまで(入出力軸171,172が相対回転不能に係合するまで)入出力軸171,172が相対回転する際の角度(以下、L0という)に相当する。
これにより、突起部73bと凹部74bとが係合しこれら及び入出力軸171,172等を介して上下シャフト45a,45b間のトルク伝達が行われる際、上下シャフト45a,45bに設けたステアリング側突起部177及びステアリング側凹部178をも介して前記トルク伝達が行われるため、入出力軸171,172間の係合部(特に突起部73b)にかかる負荷が上下シャフト45a,45b間の係合部にも分散されることとなる。
なお、前記相対回転角度Lを前記L0よりもやや大きく設定し、上下シャフト45a,45b間の通常のトルク伝達を突起部73bと凹部74bとの係合により行う一方、例えばステアリングシャフト45に過大な回動トルクが入力された際等には、入出力軸171,172間の係合部(特に突起部73b)が塑性変形を起こす前にステアリング側突起部177及びステアリング側凹部178を係合可能とした(換言すれば、ステアリング側突起部177及びステアリング側凹部178を過大入力時のストッパとした)構成としてもよい。
以上説明したように、上記実施例におけるステアリングダンパ装置によれば、前記第五実施例と同様の作用効果を奏すると共に、ステアリングシャフト45に設けたステアリング側突起部177及びステアリング側凹部178をも介して上下シャフト45a,45b間でトルクが伝達されることで、入出力軸171,172間の係合部に加わる負荷を抑え、入力トルク選択機構152の要求性能を抑えて小型軽量化並びにコストダウンを図ることができる。
なお、この実施例において前記上下中継ギヤ軸173,174を用いたり前記トーションバー175,176を用いることも可能である。
次に、この発明の第九実施例について説明する。
図14に示すように、この実施例におけるステアリングダンパ装置は、前記第八実施例のものに対して、入力トルク選択機構152の凹部74b及び突起部73bを無くしたことを主に異なるもので、前記各実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
ステアリングダンパユニット450’において、前記相対角度Lは前記L0とされる。そして、ハンドル46からの回動トルク入力時には、前記各ローラ75の楔係合が解除して各プレート部73,74とハウジング167とが相対回転自在になると共に(図4(b)参照)、ステアリング側突起部177及びステアリング側凹部178が互いに係合し、もってダンパ151からの減衰力が付与されない非減衰状態において上下シャフト45a,45b間のトルク伝達が可能となる。
一方、前輪3からの回動トルク入力時には、各ローラ75の楔係合がなされて出力側プレート74とハウジング167とが相対回転不能に係合すると共に(図4(c)参照)、上記同様にステアリング側突起部177及びステアリング側凹部178が互いに係合し、もってダンパ151からの減衰力が付与される減衰状態において上下シャフト45a,45b間のトルク伝達が可能となる。
すなわち、突起部73b及び凹部74bに代わりステアリング側突起部177及びステアリング側凹部178のみで上下シャフト45a,45b間のトルク伝達がなされるのである。
以上説明したように、上記実施例におけるステアリングダンパ装置によれば、前記第五実施例と同様の作用効果を奏すると共に、ステアリングシャフト45に設けたステアリング側突起部177及びステアリング側凹部178のみを介して上下シャフト45a,45b間のトルク伝達がなされることで、入力トルク選択機構152の突起部73b及び凹部74bを無くすことができ、該入力トルク選択機構152の小型軽量化並びにコストダウンを図ることができる。
なお、この実施例において前記上下中継ギヤ軸173,174を用いたり前記トーションバー175を用いることも可能である。
次に、この発明の第十実施例について説明する。
図15〜17に示すように、この実施例におけるステアリングダンパ装置は、前記第九実施例のものに対して、上下シャフト45a,45b間の回転方向での中立位置を定めるステアリング側位置決め機構181を有すると共に、入出力軸171,172間の回転方向での中立位置を定める機構側位置決め機構182を有する点を主に異なるもので、前記各実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
図16に示すように、ステアリングダンパユニット550において、ステアリング側位置決め機構181はステアリング側突起部177及びステアリング側凹部178の近傍に位置し、上下シャフト45a,45bの回転方向での基準位置を示すべく上シャフト45aに設けられる指針181a及び下シャフト45bに設けられるマーク181bからなる。これら指針181a及びマーク181bを軸方向視で一致させることで、ステアリング側凹部178内のステアリング側突起部177の両側に前記隙間S3が確保され、上下シャフト45a,45bの回転方向での中立位置(上下シャフト45a,45bが相対回転可能な範囲の中間位置にある状態)が定まる。
一方、図17に示すように、機構側位置決め機構182は、ハウジング167の上下に設けられる入力側及び出力側位置決め機構183,184からなる。
入力側位置決め機構183は、入力軸171及びハウジング167の回転方向での基準位置を示す指針183a及びマーク183bからなり、出力側位置決め機構184は、出力軸172及びハウジング167の回転方向での基準位置を示す指針184a及びマーク184bからなる。そして、入力側位置決め機構183の指針183aとマーク183bとを軸方向視で一致させることで、入力軸171のハウジング167に対する相対回転位置が定まり、出力側位置決め機構184の指針184aとマーク184bとを軸方向視で一致させることで、出力軸172のハウジング167に対する相対回転位置が定まる。すなわち、機構側位置決め機構182は、ハウジング167を介して入出力軸171,172の相対回転位置を定めるのである。
このとき、入力トルク選択機構152内では、前記各リブ部73aとその両側に隣接するローラ75との間にそれぞれ回転方向での隙間S2が形成された状態(突起部73bと凹部74bとの間に隙間S1が形成された状態に相当)となり、入出力軸171,172の回転方向での中立位置(入出力軸171,172が相対回転可能な範囲の中間位置にある状態)が定まる。
そして、ステアリングシャフト45と入力トルク選択機構152とを組み付ける際、上下シャフト45a,45bの中立位置及び入出力軸171,172の中立位置を定めることで、これら各中立位置間のずれが防止される。
以上説明したように、上記実施例におけるステアリングダンパ装置によれば、前記第九実施例と同様の作用効果を奏すると共に、入力トルク選択機構152が入出力軸171,172間の回転方向での中立位置を定める機構側位置決め機構182を有すると共に、ステアリングシャフト45が上下シャフト45a,45b間の回転方向での中立位置を定めるステアリング側位置決め機構181を有することで、特にステアリングシャフト45と入力トルク選択機構152とが別軸に設けられる場合でも、これらの間に回転位相差(中立位置のずれ)が生じることを防止できる。
なお、この実施例において前記突起部73b及び凹部74bを用いたり前記上下中継ギヤ軸173,174を用いたり前記トーションバー175,176を用いることも可能である。
次に、この発明の第十一実施例について説明する。
図18に示すように、この実施例におけるステアリングダンパ装置は、前記十実施例のものに対して、ステアリング側位置決め機構181’がステアリング側突起部177及びステアリング側凹部178を軸方向で貫通する貫通孔181c及びこれに挿通されるピン181dで構成されると共に、機構側位置決め機構182’が入出力軸171,172の各プレート部73,74及びハウジング167を軸方向で貫通する貫通孔182c及びこれに挿通されるピン182dで構成される点を主に異なるもので、前記各実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
ステアリングダンパユニット550’において、ステアリング側位置決め機構181’における前記貫通孔181cにピン181dを挿通することで上下シャフト45a,45bの回転方向での中立位置が定まり、機構側位置決め機構182’における前記貫通孔182cにピン182dを挿通することで入出力軸171,172の回転方向での中立位置が定まる。この状態でステアリングシャフト45と入力トルク選択機構152とを組み付けた後、各位置決め機構181’,182’のピン181d,182dを抜き取ることで、前記第十実施例と同様、上下シャフト45a,45b及び入出力軸171,172のそれぞれの中立位置間のずれを防止した状態でこれらの組み付けが完了する。
なお、この実施例において前記突起部73b及び凹部74bを用いたり前記上下中継ギヤ軸173,174を用いたり前記トーションバー175,176を用いることも可能である。
次に、この発明の第十二実施例について説明する。
図19に示すように、この実施例におけるステアリングダンパ装置は、前記第十一実施例のものに対して、例えば上シャフト45aと上駆動ギヤ45cとを別体構成としてこれらをボルト締結等により一体的に結合することで、上シャフト45aと上駆動ギヤ45cとの相対回転角度を調整可能とした点を主に異なるもので、前記各実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
ステアリングダンパユニット550”において、前述の如く上下シャフト45a,45b及び入出力軸171,172の中立位置を定めた状態でステアリングシャフト45と入力トルク選択機構152とを組み付ける際、上下シャフト45a,45b及び入出力軸171,172とを接続する前記各ギヤ45c,45d,171a,172a、173a,173b,174a,174bの少なくとも一つを軸回りに角度調整可能とすることで、各部品の寸法公差が積み重なって大となった場合でもこれを吸収することが可能となる。すなわち、前記第十実施例と同様の作用効果を奏すると共に、各部品の寸法公差を大きくでき、廉価な部品加工方法を選択可能としてコストダウンを図ることができる。
なお、この実施例において前記ステアリング側位置決め機構及び機構側位置決め機構の構成は問わず、かつこれらを用いない構成としてもよい。また、この実施例において前記突起部73b及び凹部74bを用いたり前記上下中継ギヤ軸173,174を用いたり前記トーションバー175,176を用いることも可能である。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば、入力トルク選択機構152が電気式のものであったり、ダンパがベーン式のものであったりしてもよい。また、自動二輪車のステアリングヘッドに設ける等、鞍乗り型自動四輪車以外の車両に適用してもよい。
また、上記第五〜十二実施例において、第一実施例に対する第二実施例(及び第三実施例に対する第四実施例)の如く、ステアリングダンパユニットを上下逆に設けた構成とすることも可能である。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、車両のみならず一般機械にも適用可能であることはもちろん、該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
この発明の実施例における鞍乗り型自動四輪車の側面図である。 図1のA矢視図である。 ステアリングダンパ装置の構成及びダンパユニットの断面を示す説明図である。 図3のB−B断面図であり、(a)は各軸にトルクが入力されない中立状態を、(b)は入力軸からのトルクが入力された状態を、(c)は出力軸からのトルクが入力された状態をそれぞれ示す。 この発明の第二実施例における図3に相当する説明図である。 この発明に第三実施例における図3に相当する説明図である。 第三及び第四実施例におけるダンパユニットの配置例を示す側面図である。 この発明の第四実施例における図3に相当する説明図である。 この発明の第五実施例における図3に相当する説明図である。 この発明の第六実施例における図3に相当する説明図である。 この発明の第七実施例における図3に相当する説明図である。 この発明の第八実施例における図3に相当する説明図である。 図12のA−A断面図である。 この発明の第九実施例における図3に相当する説明図である。 この発明の第十実施例における図3に相当する説明図である。 図15のA−A断面図である。 図15のB−B(B’−B’)断面図である。 この発明の第十一実施例における図3に相当する説明図である。 この発明の第十二実施例における図3に相当する説明図である。
符号の説明
1 鞍乗り型自動四輪車
2 車体フレーム
3 前輪(車輪)
45 ステアリングシャフト
45a 上シャフト
45b 下シャフト
45c 上駆動ギヤ(ギヤ)
45d 下駆動ギヤ(ギヤ)
46 ハンドル
50,150,250,350,350’,450,450’,550,550’、550” ステアリングダンパユニット
51,151 ダンパ
52,152 入力トルク選択機構
71,171 入力軸
72,172 出力軸
73b 突起部
74b 凹部
67,167 ハウジング
167a ドライブギヤ(ギヤ)
157a ドリブンギヤ(ギヤ)
171a 入力側従動ギヤ(ギヤ)
172a 出力側従動ギヤ(ギヤ)
173 上中継ギヤ軸
173a 上ステアリング側ギヤ(ギヤ)
173b 下ステアリング側ギヤ(ギヤ)
174 下中継ギヤ軸
174a 上機構側ギヤ(ギヤ)
174b 下機構側ギヤ(ギヤ)
175,176 トーションバー(弾性部材)
177 ステアリング側突起部(シャフト側突起部)
178 ステアリング側凹部(シャフト側凹部)
181,181’ ステアリング側位置決め機構(ステアリング側位置決め手段)
182,182’ 機構側位置決め機構(位置決め手段)
S1,S3 隙間

Claims (19)

  1. 車体フレームと、該車体フレームに懸架される車輪と、前記車体フレームに回動自在に支持されて一端が前記車輪側に接続されるステアリングシャフトと、該ステアリングシャフトの他端に接続されて該ステアリングシャフトを回動させて前記車輪を操舵するハンドルと、前記ステアリングシャフトの回動を減衰可能なダンパとを備えるステアリングダンパ装置において、
    前記ハンドル又は車輪の何れか一方からの入力にのみ、前記ダンパによって前記ステアリングシャフトの回動を減衰することを特徴とするステアリングダンパ装置。
  2. 車体フレームと、該車体フレームに懸架される車輪と、該車輪を操舵するハンドルと、該ハンドルの回動を減衰可能なダンパとを備えるステアリングダンパ装置において、
    入力軸及び出力軸を有すると共にこれら各軸を回動自在に支持するハウジングを有し、前記入力軸からトルクが入力されると該入力軸が前記出力軸を前記ハウジングに対して回動させる一方、前記出力軸からトルクが入力されると該出力軸が前記入力軸及びハウジングを回動させる入力トルク選択機構を備え、
    前記入力トルク選択機構の入力軸及び出力軸の一方を前記ハンドル側に、他方を前記車輪側にそれぞれ接続すると共に、前記ハウジングは前記ダンパに接続し、前記各軸を回動させて前記車輪を操舵すると共に、前記ハウジングの回動時には該回動を前記ダンパが減衰することを特徴とするステアリングダンパ装置。
  3. 前記ダンパと前記入力トルク選択機構のハウジングとをギヤにより接続することを特徴とする請求項2に記載のステアリングダンパ装置。
  4. 前記車体フレームに回動自在に支持されて一端が前記車輪側に接続されると共に他端が前記ハンドル側に接続されるステアリングシャフトを備え、該ステアリングシャフトの少なくとも一部が前記入力トルク選択機構の入力軸及び出力軸で構成されることを特徴とする請求項2又は3に記載のステアリングダンパ装置。
  5. 前記入力トルク選択機構の入力軸を前記ハンドル側に接続することを特徴とする請求項2から4の何れかに記載のステアリングダンパ装置。
  6. 前記入力トルク選択機構の入力軸を前記車輪側に接続することを特徴とする請求項2から4の何れかに記載のステアリングダンパ装置。
  7. 入力軸及び出力軸を有すると共にこれら各軸を回動自在に支持するハウジングを有し、前記入力軸からトルクが入力されると該入力軸が前記出力軸を前記ハウジングに対して回動させる一方、前記出力軸からトルクが入力されると該出力軸が前記入力軸及びハウジングを回動させる入力トルク選択機構を備えると共に、前記ハウジングに接続されてその回動を減衰するダンパを備えることを特徴とするダンパ装置。
  8. 前記車体フレームに回動自在に支持されて一端が前記車輪側に接続されると共に他端が前記ハンドル側に接続されるステアリングシャフトを備え、前記ステアリングシャフトが、前記ハンドル側に接続される上シャフトと、前記車輪側に接続される下シャフトとからなり、前記上下シャフトが、それぞれギヤを介して前記入力トルク選択機構の入出力軸の何れかに接続されることを特徴とする請求項2又は3に記載のステアリングダンパ装置。
  9. 前記入力トルク選択機構の入出力軸の一方に突起部が設けられると共に、他方には前記突起部を所定の隙間を空けて遊嵌させる凹部が設けられ、前記入出力軸の相対回転時に前記突起部と凹部とが互いに当接することで、該突起部及び凹部を介して前記ステアリングシャフトの上下シャフト間でトルクが伝達されることを特徴とする請求項8に記載のステアリングダンパ装置。
  10. 前記ステアリングシャフトの上下シャフトの回転が、前記ギヤにより加速されて前記入力トルク選択機構の入出力軸に伝達されることを特徴とする請求項9に記載のステアリングダンパ装置。
  11. 前記ステアリングシャフトの上下シャフトがこれらよりも捻りバネ定数の小さい弾性部材を介して連結されることを特徴とする請求項9又は10に記載のステアリングダンパ装置。
  12. 前記入力トルク選択機構の入出力軸がこれらよりも捻りバネ定数の小さい弾性部材を介して連結されることを特徴とする請求項9から11の何れかに記載のステアリングダンパ装置。
  13. 前記ステアリングシャフトの上下シャフトの一方にステアリング側突起部が設けられると共に、他方には前記ステアリング側突起部を所定の隙間を空けて遊嵌させるステアリング側凹部が設けられ、前記上下シャフトの相対回転時に前記ステアリング側突起部とステアリング側凹部とが互いに当接することで、該ステアリング側突起部及びステアリング側凹部を介して前記上下シャフト間でトルクが伝達されることを特徴とする請求項8から12の何れかに記載のステアリングダンパ装置。
  14. 前記入力トルク選択機構が、前記入出力軸間の回転方向での中立位置を定める位置決め手段を有することを特徴とする請求項8から13の何れかに記載のステアリングダンパ装置。
  15. 前記ステアリングシャフトが、前記上下シャフト間の回転方向での中立位置を定めるステアリング側位置決め手段を有することを特徴とする請求項8から14の何れかに記載のステアリングダンパ装置。
  16. 車体フレームと、該車体フレームに懸架される車輪と、該車輪を操舵するハンドルと、前記車体フレームに回動自在に支持されて一端が前記車輪側に接続されると共に他端が前記ハンドル側に接続されるステアリングシャフトと、前記ハンドルの回動を減衰可能なダンパとを備えるステアリングダンパ装置において、
    入力軸及び出力軸を有すると共にこれら各軸を回動自在に支持するハウジングを有し、前記入出力軸の一方からトルクが入力された場合のみ該軸がハウジングを回動させる入力トルク選択機構を備え、
    前記ステアリングシャフトが、前記ハンドル側に接続される上シャフトと、前記車輪側に接続される下シャフトとからなり、これら上下シャフトがそれぞれギヤを介して前記入力トルク選択機構の入出力軸の何れかに接続され、前記ハウジングには前記ダンパが接続され、前記ハウジングの回動時には該回動を前記ダンパが減衰すると共に、
    前記上下シャフトの一方にはステアリング側突起部が、他方には前記ステアリング側突起部を所定の隙間を空けて遊嵌させるステアリング側凹部がそれぞれ設けられ、前記上下シャフトの相対回転時に前記ステアリング側突起部とステアリング側凹部とが互いに当接することで、該ステアリング側突起部及びステアリング側凹部を介して前記上下シャフト間でトルクが伝達されることを特徴とするステアリングダンパ装置。
  17. 前記入力軸及び出力軸とは別軸のシャフトを備え、該シャフトが上下シャフトに二分割され、前記上下シャフトが、それぞれギヤを介して前記入力トルク選択機構の入出力軸の何れかに接続されることを特徴とする請求項7に記載のダンパ装置。
  18. 前記入力トルク選択機構の入出力軸の一方に突起部が設けられると共に、他方には前記突起部を所定の隙間を空けて遊嵌させる凹部が設けられ、前記入出力軸の相対回転時に前記突起部と凹部とが互いに当接することで、該突起部及び凹部を介して前記上下シャフト間でトルクが伝達される一方、
    前記上下シャフトの一方にシャフト側突起部が設けられると共に、他方には前記シャフト側突起部を所定の隙間を空けて遊嵌させるシャフト側凹部が設けられ、前記上下シャフトの相対回転時に前記シャフト側突起部とシャフト側凹部とが互いに当接することで、該シャフト側突起部及びシャフト側凹部をも介して前記上下シャフト間でトルクが伝達されることを特徴とする請求項17に記載のダンパ装置。
  19. 前記入力トルク選択機構が、前記入出力軸間の回転方向での中立位置を定める位置決め手段を有することを特徴とする請求項17又は18に記載のダンパ装置。
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