JP3216484B2 - 自動車用操舵装置 - Google Patents
自動車用操舵装置Info
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Description
係り、特に自在継手を用いた自動車用操舵装置に関す
る。
輪に操舵角を与える装置として自動車用操舵装置が知ら
れている。この自動車用操舵装置は、大略すると運転者
が操作するステアリングと、このステアリングに接続さ
れ回転するステアリングシャフトと、このステアリング
シャフトの回転力をラックバーの直線移動に変換するギ
ヤボックスと、ラックバーの移動に伴い車輪を操舵させ
るナックルアーム等により構成されている。
テアリングに上端が接続された入力軸と、ギヤボックス
に下端が接続された出力軸と、この入力軸と出力軸との
間に配設される中間軸と、入力軸の下端と中間軸とを接
続する第1のフック継手と、出力軸の上端と中間軸とを
接続する第2のフック継手等により構成されている。
れた入力軸側ヨークと中間軸に配設された中間軸側ヨー
クとを十字ピンにより接合した構成とされており、第2
のフック継手は出力軸に配設された出力軸側ヨークと中
間軸に配設された中間軸側ヨークとを十字ピンにより接
合した構成とされている。
特開平6−321118号公報に開示されたものがあ
る。同公報に開示された自動車用操舵装置は、ステアリ
ング操舵角がゼロであるとき、入力軸側ヨークを入力軸
と中間軸とを含む平面に対して垂直となるよう配置する
と共に、出力軸側ヨークを中間軸と出力軸とを含む平面
に対して垂直となるよう配置し、かつ入力軸と中間軸と
の交差角が中間軸と出力軸との交差角と相違するよう構
成したものである。この構成とすることにより、ステア
リングトルクをトルク変動の山または谷に容易に設定す
ることができる。
テアリングが周方向に振動する現象としてフラッタが知
られている。このフラッタは、車輪のアンバランス,ノ
ンユニフォーミティーに起因してサスペンション,ステ
アリング系が共振することにより発生する。
生する理由について図25及び図26を用いて説明す
る。尚、各図において1はステアリングであり、ステア
リングシャフト2を構成する入力軸3,中間軸4,出力
軸5を介してギヤボックス6に接続されている。また、
入力軸3と中間軸4とは第1のフック継手7により、中
間軸4と出力軸5とは第2のフック継手8により接続さ
れている。更に、ギヤボックス6は内部にラックバー9
が挿通されたサブフレーム10(ラックハウジング11
を有する)に配設されており、ラックバー9に形成され
たラック12と出力軸5の下端部に配設されたピニオン
13とはギヤボックス6内で噛合した構成とされてい
る。
由は次の2種類が考えられる。その一つはピニオン13
の回転により発生するフラッタであり(図25に示
す)、もう一つはギヤボックス6の並進振動により発生
するフラッタである(図26に示す)。
フラッタについて説明する。上記のように車輪にアンバ
ランスやノンユニフォーミティーが有ると、車両走行
中、これに起因して車輪に強制振動が発生する。この強
制振動はナックルアーム(図示せず)を介してラックバ
ー9に伝達され、よってラックバー9は軸方向(左右方
向)に振動する。
いてラックバー9の軸方向への相対振動(図25に矢印
で示す)が発生し、この相対振動に起因してピニオン1
3に回転振動が発生する。ピニオン13の回転振動は、
ステアリングシャフト2を介してステアリング1に伝達
され、その結果ステアリング1に周方向の振動(フラッ
タ)が発生する。
発生するフラッタについて説明する。上記のように車輪
に強制振動が発生すると、この強制振動によりサブフレ
ーム10は軸方向(図26に矢印Aで示す)へ振動し、
これによりサブフレーム10に設けられているギヤボッ
クス6も車体(図示せず)に対し軸方向に並進振動す
る。また、この強制振動は上記した軸方向以外にも上下
方向及び車両前後方向にも同様に発生し、従ってギヤボ
ックス6の並進振動は上下方向及び車両前後方向にも発
生する。
入力軸3は車体に支持された構成とされているため、ギ
ヤボックス6が上記のように並進振動すると、ギヤボッ
クス6と入力軸3との間に相対振動が発生する。この相
対振動は各フック継手7,8で回転振動に変換され、そ
の結果ステアリング1に周方向の振動(フラッタ)が発
生する。
動車用操舵装置は、図25及び図26を用いて説明した
理由により発生するフラッタを抑制するための対策は何
ら講じられておらず、よってステアリングトルクをトル
ク変動の山または谷に容易に設定できるものの、フラッ
タの発生を有効に防止することができないという問題点
があった。
あり、車輪の強制振動により出力軸に発生する回転振動
を入力軸,中間軸或いは出力軸に配設された低剛性部材
で曲げ変形として吸収することにより、また入力軸,中
間軸,出力軸を同一平面内に配置すると共に入力軸側及
び出力軸側の各ヨークを上記平面に対して垂直となるよ
う配置して車輪の強制振動により発生するギヤボックス
の並進振動が各継手で回転振動に変換されないよう構成
することにより、フラッタの発生を防止した自動車用操
舵装置を提供することを目的とするものである。
に、本発明では下記の手段を講じたことを特徴とするも
のである。請求項1記載の発明では、少なくともステア
リングに連結された入力軸とギヤボックスに接続された
出力軸とを含む2本以上の軸を有すると共に、連結され
る一対の軸が自在継手により連結された構成を有する自
動車用操舵装置において、上記車両直進時、上記一対の
軸を含む平面に対して該自在継手を構成するヨークの一
方が略垂直となるよう配置し、かつ、上記略垂直となる
よう配置されたヨークを持つ軸側にその軸の曲げ方向の
剛性を下げる低剛性部材を配設したことを特徴とするも
のである。
ングに連結された入力軸を第1の自在継手を介して中間
軸に連結すると共に、上記中間軸を第2の自在継手を介
してギヤボックスに連結された出力軸に連結した構成を
有する自動車用操舵装置において、車両直進時、上記第
1の自在継手手と第2の自在継手で連結される上記入力
軸,中間軸,出力軸を夫々同一平面内に配置すると共
に、上記入力軸側及び出力軸側の各ヨークを上記平面に
対して略垂直となるよう配置したことを特徴とするもの
である。
項2記載の自動車用操舵装置において、上記入力軸と出
力軸の少なくとも一方に、その軸の曲げ方向の剛性を下
げる低剛性部材を配設したことを特徴とするものであ
る。
求項1記載の発明によれば、車両直進時、一対の軸を含
む平面に対して自在継手を構成するヨークの一方が略垂
直となるよう配置することにより、この自在継手におい
てトルク伝達が行われる際、上記の平面に対し略垂直な
ヨークを有する軸に曲げモーメントが発生する。
ークを持つ軸、即ち曲げモーメントが発生する軸に低剛
性部材を配設することにより、低剛性部材は曲げモーメ
ントが印加されることにより曲げ変形し等価捩じりバネ
定数が低下する。従って、車輪の強制振動によりピニオ
ンに回転振動が発生した場合、この回転振動は等価捩じ
りバネ定数が低減した低剛性部材で吸収され、上記回転
振動がステアリングに伝達されることを遮断できるため
フラッタの発生を防止することができる。
直進時、第1及び第2の自在継手で連結される上記入力
軸,中間軸,出力軸を夫々同一平面内に配置すると共
に、入力軸側及び出力軸側の各ヨークを上記平面に対し
て垂直となるよう配置することにより、入力軸側及び出
力軸側の各ヨークに枢軸されたピンは平行配置された状
態となる。
さたれ各ヨークは、入力軸側及び出力軸側のヨークに対
して垂直に配設されるため、中間軸の各ヨークに枢軸さ
れたピンは上記平面に対して平行に配置された状態とな
る。即ち、第1の自在継手を構成する入力軸側のヨーク
と中間軸側のヨークとの間に配設される各ピンと、第2
の自在継手を構成する出力軸側のヨークと中間軸側のヨ
ークとの間に配設される各ピンとは互いに3次元で平行
に配置された構成となる。この構成では、上記のように
ギヤボックスに並進振動が発生しても各継手においてこ
の並進振動が回転振動に変換されることはなく、よって
フラッタの発生を防止することができる。
した請求項2記載の自動車用操舵装置の構成において、
請求項1記載の発明と同様に曲げモーメントが発生する
入力軸或いは出力軸の少なくとも一方に低剛性部材を配
設したことにより、上記した請求項1の作用及び請求項
2の作用を共に奏しうる自動車用操舵装置を実現するこ
とができる。
転振動が発生した場合は、この回転振動は曲げモーメン
トが発生する軸に配設されることにより等価捩じりバネ
定数が低減した低剛性部材において吸収されるため、フ
ラッタの発生を防止することができる。また、車輪の強
制振動によりギヤボックスに並進振動が発生した場合
は、各自在継手は並進振動を回転振動に変換しないた
め、この並進振動は遮断され、よってフラッタの発生を
防止することができる。
図面と共に説明する。図1は本発明の第1実施例である
自動車用操舵装置20の全体構成図である。同図におい
て21はステアリングであり、ステアリングシャフト2
2を介してギヤボックス26に接続されている。本実施
例に係るステアリングシャフト22は、入力軸23,中
間軸24,出力軸25の3本の軸により構成されてい
る。入力軸23の上端部にはステアリング21が配設さ
れ、また出力軸25の下端には後述するピニオン35が
配設されている。
入力軸23は車両に軸支された構成とされており、従っ
てギヤボックス26に振動が生じても、入力軸23はこ
の振動により変位しない構成とされている。更に、入力
軸23と中間軸24は第1のフック継手30により連結
され、また中間軸24と出力軸25は第2のフック継手
31により連結された構成とされている。
体的に回転する入力軸側ヨーク27と、中間軸24の上
端部に形成され中間軸24と一体的に回転する中間軸側
ヨーク28と、この両ヨーク27,28に回転自在に連
結された十字ピン29等により構成されている。また、
第2のフック継手31は、中間軸24の下端部に形成さ
れ中間軸24と一体的に回転する中間軸側ヨーク32
と、出力軸25と一体的に回転する出力軸側ヨーク33
と、この両ヨーク32,33に回転自在に連結された十
字ピン34等により構成されている。
バー36が挿通されたサブフレーム37(ラックハウジ
ング39を有する)に配設されており、ラックバー36
に形成されたラック38と出力軸25の下端部に形成さ
れたピニオン35は、このギヤボックス26内で噛合す
る構成とされている。また、ラックバー36の両端部は
ナックルアーム(図示せず)を介して車輪に接続されて
いる。尚、出力軸25には本実施例の要部の一つとなる
低剛性部材であるゴムカップリング40が配設されてい
るが、説明の便宜上、このゴムカップリング40につい
ては後述するものとする。
よれば、運転者がステアリング21を操作すると、この
操作力は入力軸23,第1のフック継手30,中間軸2
4,第2のフック継手31,出力軸25を介してギヤボ
ックス26に伝達される。そして、ギヤボックス26で
は、出力軸25の下端部に配設されたピニオン35とラ
ックバー36に形成されているラック38が噛合してい
ることにより、出力軸25の回転はラック38の直線方
向(図中、矢印A1,A2で示す方向)の移動に変換さ
れ、よってラックバー36の両端部に配設されたナック
ルアームを介して車輪の操舵が行われる。
近傍を図2及び図3に拡大して示し、本実施例における
各ヨーク32,33の配置、及びゴムカップリング40
の機能について説明する。本実施例では、対をなす中間
軸24と出力軸25を含む平面S1を想定した場合、車
両直進時のステアリング21の操舵角がゼロである時に
おいて、この平面S1に対して第2のフック継手31を
構成するヨークの一方が略垂直となるよう配置した構成
とされている。具体的には、本実施例に係る自動車用操
舵装置20では、出力軸25に配設された出力軸側ヨー
ク33が上記平面S1に対して略垂直となるよう構成さ
れている。また、出力軸側ヨーク33を平面S1に対し
て略垂直な構成とすることにより、必然的に中間軸24
に配設された中間軸側ヨーク32は平面S1に対して略
平行な構成となる。
33を有する第2のフック継手31において、トルク伝
達が行われる際の力の釣合いについて考察する。いま、
出力軸25にゴムカップリング40が配設されていない
構成を想定し、また中間軸24と出力軸25との交差角
をφとし、更にトルク伝達時に出力軸25にトルクT 0
が中間軸24にトルクT1 が発生したとする。
ヨーク32は上記平面S1に平行であるため曲げ成分は
発生せず、純トルクT1 のみが発生する。この中間軸2
4に発生するトルクT1 は、中間軸側ヨーク32の長さ
をL,回転力をF1 とするとT1 =F1 ×Lで示され
る。一方、中間軸24の回転力F1 に釣り合うための抗
力としては、出力軸25のトルクT0 が出力軸側ヨーク
33に交差角φに基づく図示する方向に回転力F1 を発
生させることとなる。
力軸25のトルクT0 に基づいて出力軸25を回転させ
るための分力F0 と、出力軸25の曲げモーメントとし
て作用する分力FM とを発生する。この分力F0 は、出
力軸25のトルクT0 に基づくものであり、よって出力
軸25のトルクT0 は出力軸側ヨーク33の長さをLと
するとT0 =F0 ×Lで示される。また、上記のように
出力軸25には分力FM が発生し、この分力FM は出力
軸25に曲げモーメントを発生させ、出力軸25に発生
する曲げモーメントMは、M=FM ×Lで示される。
ック継手31で連結した場合、何れか一方の軸に曲げモ
ーメントMが発生し、また曲げモーメントMが発生する
軸は各軸24,25を含む平面S1に対し垂直なヨーク
を持った軸(図2の例では出力軸25)である。
されている構成を想定すると、上記のように発生する曲
げモーメントMを曲げ剛性の低いゴムカップリング40
に印加し、このゴムカップリング40に曲げ変形を発生
させることにより、ゴムカップリング40の等価捩じり
剛性を低減させることが可能となる。また、ゴムカップ
リング40の等価捩じり剛性が低減されると、前記した
ピニオン35の回転振動はゴムカップリング40で吸収
されるため、フラッタの発生を防止することができる。
うにピニオン35の回転により発生するフラッタは、車
輪に発生した強制振動がラックバー36に伝達されてラ
ックハウジング39とラックバー36が相対振動し、こ
れに起因してピニオン35に回転振動が発生し、このピ
ニオン35の回転振動がステアリングシャフト22を介
してステアリング21に伝達されることにより発生す
る。従って、ピニオン35からステアリング21に至る
途中位置に捩じり剛性の低い部材(低剛性部材)を配設
し、この低剛性部材でピニオン35の回転振動を吸収さ
せることによりフラッタの発生を防止することができ
る。
軸25に発生する曲げモーメントをゴムカップリング4
0に印加し、これによりゴムカップリング40の等価捩
じり剛性を低減させ、車輪が強制振動した際に発生する
ピニオン35の回転振動をゴムカップリング40で吸収
させることによりフラッタの発生を防止するよう構成し
たものである。
ゴムカップリング40及びこの時の各軸24,25の挙
動を示している。尚、図3(A)は自動車用操舵装置2
0の平面図であり、(B)は自動車用操舵装置20の側
面図である。図3(A)に示されるように、ゴムカップ
リング40に曲げモーメントMを印加すると、ゴムカッ
プリング40には曲げ変形が発生する。いま、ゴムカッ
プリング40の折れ曲がり角をΔθM ,ゴムカップリン
グ40の曲げ剛性をKθM とすると、折れ曲がり角をΔ
θM はΔθM =M/KθM として求められる。また、図
3(B)に示されるように、ゴムカップリング40に曲
げモーメントMを印加することにより、中間軸24には
軸回転量ΔNが発生し、この軸回転量ΔNは交差角φを
用いてΔN=ΔθM ・sinφとして求められる。
生する曲げモーメントによりゴムカップリング40は曲
げ変形され、これによりゴムカップリング40の等価捩
じり剛性を低減することが可能となる。ここで、ゴムカ
ップリング40の配設位置とゴムカップリング40の曲
げ変形の有無によるステアリング系の等価捩じり剛性が
どのように変化するかについて考察する。尚、以下の説
明では等価捩じり剛性の変化をステアリング系の等価捩
じりバネ定数の変化として判断している。
配設位置を各種変更した自動車用操舵装置を示してい
る。尚、各図において図1に示した構成と対応する構成
については同一符号を附している。図4に示される自動
車用操舵装置20A及び図5に示される自動車用操舵装
置20Bは、車両直進時のステアリング操舵角がゼロで
あるとき、第1のフック継手30の中間軸側ヨーク28
を入力軸23と中間軸24を含む平面に対して垂直とな
るよう配置すると共に、第2のフック継手31の中間軸
側ヨーク32を中間軸24と出力軸25を含む平面に対
して垂直となるよう配置した構成とされている。
0C及び図7に示される自動車用操舵装置20Dは、ス
テアリング操舵角がゼロであるとき、第1のフック継手
30の入力軸側ヨーク27を入力軸23と中間軸24を
含む平面に対して垂直となるよう配置すると共に、第2
のフック継手31の出力軸側ヨーク33を中間軸24と
出力軸25を含む平面に対して垂直となるよう配置した
構成とされている。
操舵装置20A,20Bでは、図2を用いて説明した理
由により、中間軸24に曲げモーメントが発生する。ま
た同様の理由により、図6及び図7に示される自動車用
操舵装置20C,20Dでは入力軸23及び出力軸25
に曲げモーメントが発生する。よって、ゴムカップリン
グ40の配設位置を曲げモーメントが発生する軸に配設
する構成と、曲げモーメントが発生しない軸に配設する
構成が考えられる。
操舵装置20A,20Cは曲げモーメントが発生しない
軸にゴムカップリング40を配設した構成とされてお
り、また図5及び図7に示される自動車用操舵装置20
B,20Dは曲げモーメントが発生する軸にゴムカップ
リング40を配設した構成とされている。尚、図4に示
す構成ではゴムカップリング40を出力軸25に配設し
た構成を示しているが、ゴムカップリング40を入力軸
23に配設しても等価捩じりバネ定数は等しい値とな
る。同様に、図7においてゴムカップリング40を入力
軸23に配設しても、等価捩じりバネ定数は出力軸25
に配設した構成と等しい値となる。
構成及びゴムカップリング40の配設位置により、自動
車用操舵装置の構成は図4乃至図7に示される4つのケ
ースに分類される。そこで、この各構成の自動車用操舵
装置20A〜20Dの夫々に対して等価捩じりバネ定数
を求める公式を算出し、これに自動車用操舵装置20A
〜20Dの特性(例えば、交差角φ等)及びゴムカップ
リング40の特性(例えば曲げ剛性をKθM 等)の具体
的値を代入してステアリング系の等価捩じりバネ定数を
求めた。そして、ステアリング系の各フック継手が所定
の交差角φを持った時のゴムカップリング40の単体バ
ネ定数を100とした場合の上記各等価捩じりバネ定数
を指数表示した結果を下表に示す。尚、下表の結果は、
交差角φを一定とした時の値である。そのため、交差角
φが変われば下表も変化する。
舵装置20Dが最も等価捩じりバネ定数が低いことが判
る(この構成は、図2に示す自動車用操舵装置20と同
一の構成である)。即ち、車両直進時のステアリング操
舵角がゼロであるとき、第1のフック継手30の入力軸
側ヨーク27を入力軸23と中間軸24を含む平面に対
して垂直となるよう配置すると共に、第2のフック継手
31の出力軸側ヨーク33を中間軸24と出力軸25を
含む平面に対して垂直となるよう配置した構成とし、か
つ曲げモーメントが発生する軸(出力軸25或いは入力
軸23)にゴムカップリング40を配設することによ
り、等価捩じりバネ定数を低くすることができる。
ることができることにより、車輪が強制振動した際に発
生するピニオン35の回転振動をゴムカップリング40
で吸収させることが可能となり、よってゴムカップリン
グ40よりステアリング側においては振動は発生せずフ
ラッタの発生を防止することができる。
用操舵装置20Dが最も等価捩じりバネ定数が低く、よ
って最も有効にフラッタの発生を防止することができる
が、図5に示した自動車用操舵装置20Bにおいても等
価捩じりバネ定数の低減が認められる。即ち、車両直進
時のステアリング操舵角がゼロであるとき、第1のフッ
ク継手30の中間軸側ヨーク28を入力軸23と中間軸
24を含む平面に対して垂直となるよう配置すると共
に、第2のフック継手31の中間軸側ヨーク32を中間
軸24と出力軸25を含む平面に対して垂直となるよう
配置し、かつ曲げモーメントが発生する軸(中間軸2
4)にゴムカップリング40を配設した構成であって
も、自動車用操舵装置20Dに対して若干その特性は悪
いものの、フラッタの発生を防止することができる。
した自動車用操舵装置20A,20Cは等価捩じりバネ
定数が大きいため、ステアリング操舵角がゼロ近傍(即
ち、ニュートラル付近)におけるハンドル操作の剛性を
高めることができる。よって、図4及び図6に示す自動
車用操舵装置20A,20Cは、ニュートラル付近のス
テアリングフィールを重視する車両に適用した場合に効
果が大である。
では、上記のように等価捩じりバネ定数が低く有効にフ
ラッタの発生を防止することができるが、等価捩じりバ
ネ定数の低下はフラッタが発生するステアリング操舵角
がゼロ近傍領域(以下、この領域をフラッタ領域とい
う)ばかりではなく、車両方向を変更するためにステア
リング21を操作した領域(以下、この領域を操舵領域
という)においても影響を及ぼす。このように操舵領域
においても等価捩じりバネ定数が低いと、ステアリング
操作力がゴムカップリング40で吸収され応答性が悪化
し操安性が低下するおそれがある。
ップリングユニット45を用いることにより解決するこ
とができる。このゴムカップリングユニット45は、第
2のフック継手31の一部を構成するフランジ46と出
力軸25に一体的に形成された鍔部47との間にゴムカ
ップリング40を配設した構成とされている。また、フ
ランジ46の中央位置には所定の径寸法を有した小孔4
8が形成されており、この小孔48内に出力軸25の先
端部に軸方向に延出するよう設けられたセンタリングシ
ャフト49が挿入されるよう構成されている。尚、小孔
48の内壁には耐磨耗性に優れたストッパー50が配設
されている。
とすることにより、センタリングシャフト49は小孔4
8の内部において変位可能な構成となる。即ち、センタ
リングシャフト49とストッパー50との間に形成され
る間隙分だけセンタリングシャフト49は小孔48内で
変位することができる。この間隙の大きさは、上記した
フラッタ領域に対応するよう構成されている。
ット45では、センタリングシャフト49がフランジ4
6と当接する前と当接した後とでゴムカップリング40
の等価捩じりバネ定数を変化させることができる。即
ち、センタリングシャフト49がフランジ46と当接す
る前においては、ゴムカップリング40は出力軸25で
発生する曲げモーメントにより折れ曲がり可能な状態と
なっており、よって等価捩じりバネ定数は低い値とな
る。
ジ46と当接した後においては、フランジ46と鍔部4
7との相対変位が規制されることによりゴムカップリン
グ40は折れ曲がりができない状態となる。よって、ゴ
ムカップリング40の等価捩じりバネ定数はゴムカップ
リング本来の(折れ曲がりが生じていない場合の)捩じ
りバネ定数となる。
等価捩じりバネ特性を示している。前記したように、セ
ンタリングシャフト49とストッパー50との間に形成
される間隙の大きさはフラッタ領域と対応するよう構成
されている。従って、ゴムカップリングユニット45の
等価捩じりバネ特性は、フラッタの発生するおそれのあ
るフラッタ領域においては、ゴムカップリング40の等
価捩じりバネ定数は小さく、また車輪の操舵を行う操舵
領域においては大きい非線形の特性を有している。
においてはゴムカップリング40の等価捩じりバネ特性
が小さいことより、車輪の強制振動によりピニオン35
に回転振動が発生しても、この回転振動はゴムカップリ
ング40で吸収できるためフラッタの発生を防止するこ
とができる。また、操舵領域においては、センタリング
シャフト49がフランジ46と当接することによりゴム
カップリング40の等価捩じりバネ特性は本来の値とな
っており、よって応答性の良好な操舵フィーリングを得
ることができる。
ユニット45を設けることにより、フラッタの低減と操
舵フィーリングの向上とを両立した自動車用操舵装置を
実現することができる。また、ゴムカップリングユニッ
トの構成は図8に示される構成に限定されるものではな
く、フラッタ領域と操舵領域においてゴムカップリング
の等価捩じりバネ定数を変更できるものであれば他の構
成としてもよい。図19乃至図24は、その具体例を示
している。尚、各図に示される部位は、図8に示した小
孔48とセンタリングシャフト49に相当する部位であ
る。
筒95内に円筒状の内筒96を挿入すると共に、この外
筒95と内筒96とをピン97により揺動可能に接続し
た構成としたものである。また、図20に示されるよう
に、外筒95の内壁には内筒96と対向するよう緩衝材
98(例えば、ゴム等によりなる)が配設されており、
この緩衝材98と内筒96との間には隙間dが形成され
るよう構成されている。
れるように、外筒95と内筒96とはピン97を回動中
心として1自由度に回転変位することが可能となる。ま
た回転しうる範囲は隙間d及び緩衝材98の変形量の範
囲となる。しかるに、緩衝材98の変形量は微小である
ため、回転しうる範囲は隙間dと近似することができ
る。
端部までの距離をLとすると、外筒95と内筒96との
回転角度θ(以下、微小曲げ角θという)は、 tanθ=
d/Lで示される式で近似することができる。即ち、外
筒95と内筒96との微小曲げ角θは、隙間dとピン9
7の配設位置(距離Lと等価)を適宜選定することによ
り任意に設定することが可能となる。
からなる軸に曲げモーメントが発生した場合、内筒96
はピン97を回転中心として緩衝部材98を介して外筒
95と当接するまでを変位可能範囲として回転変位す
る。また当接した後は、外筒95と内筒96との回転は
規制され、両者95,96は剛体として見做すことがで
きる。
は、内筒96が外筒95と当接するまでの領域がフラッ
タ領域となり、内筒96が外筒95と当接した後は操舵
領域となる。また、上記した微小曲げ角θは内筒96が
外筒95と当接した時の角度であるため、微小曲げ角θ
の大きさはフラッタ領域の範囲を規定することとなる。
更に、前記したように、微小曲げ角θは隙間dと距離L
を適宜選定することにより任意に設定することができ
る。よって、フラッタ領域の範囲は、隙間dと距離Lを
適宜選定することにより任意に設定することができる。
状の外筒99内に、角柱状の内筒100を挿入すると共
に、この外筒99と内筒100とを連結部材101(梨
地で示す)により揺動可能に接合した構成としたもので
ある。また、外筒99の端部近傍の内壁には内筒100
と対向するよう緩衝材102(例えば、ゴム等によりな
る)が配設されており、この緩衝材102と内筒100
との間には隙間が形成されるよう構成されている。
されることにより、後述するように曲げモーメント等の
外力が印加されていない状態においては、外筒99に対
し対向離間した状態となるよう構成されている。尚、図
23は図22におけるA−A矢視図であり、図24は図
22におけるB−B矢視図である。
能する材料により形成されており、そのバネ定数は印加
される負荷の方向により異方性を有する構成とされてい
る。具体的には、図22に矢印Xで示す軸方向に対する
バネ定数KX は小さく設定されており、よって連結部材
101のX方向に対する剛性は小さくなっている。ま
た、図22に矢印Yで示す軸方向に対するバネ定数KY
は大きく設定されており、よって連結部材101のY方
向に対する剛性は大きくなっている。更に、図22に矢
印Mで示す曲げ方向に対するバネ定数KM は小さく設定
されており、よって連結部材101の曲げ方向に対する
剛性は小さくなっている。
0との衝突を防止するために設けられたものであり、連
結部材101と異なりバネ定数は異方性を有してはおら
ず、またそのバネ定数も小さく設定されている。上記構
成において、外筒99と内筒100とからなる軸に曲げ
モーメントが発生した場合、内筒100は連結部材10
1に接続されているため、連結部材101を可撓変形さ
せつつ緩衝部材102を介して外筒99と当接するまで
変位する。また当接した後は、外筒99と内筒100の
変位は規制されるため、剛体として見做すことができ
る。
0が外筒99と当接するまでの領域がフラッタ領域とな
り、内筒100が外筒99と当接した後は操舵領域とな
る。また、図22に示す構成では、前記した図19乃至
図21に示した構成と異なり内筒100と外筒99との
相対変位は1自由度に限定させるものではなく自在に変
位できるため、自動車用操舵装置に対する取り付け性を
向上、及びピン97に過剰な負荷が印加されることを防
止することができる。
領域の範囲を調整するには、連結部材101のY方向に
対するバネ定数KY の大きさ,曲げ方向に対するバネ定
数K M の大きさを調整することにより、また前記した図
19乃至図21に示した構成と同様に隙間dと距離Lを
適宜選定することにより任意に設定することができる。
よって、フラッタ領域の範囲を自由度を持って設定する
ことができる。
矢印Xで示す軸方向に対するバネ定数KX は小さく設定
されており、よって連結部材101のX方向に対する剛
性は小さくなっている。従って、ギヤボックス26等か
ら出力軸25を介して外筒99に伝達してくる振動(図
中X方向に伝達される振動。所謂、縦振動)は、連結部
材101によって吸収される。このため、上記縦振動が
内筒100(中間軸24)に伝達することを防止できる
ため、この縦振動に起因して室内に発生する騒音(例え
ば、シュー音)を防止することができる。
構成をゴムカップリングに代えて用いることによって
も、フラッタ領域においてフラッタの発生を防止するこ
とができ、また操舵領域においては応答性の良好な操舵
フィーリングを得ることができる。また、図19乃至図
24に示す構成は、図8に示したゴムカップリングに比
べて簡単な構成となっているため、自動車用操舵装置の
コスト低減及び組み立て作業の容易化を図ることができ
る。
5,99及び内筒96,100の形状は円筒状及び角柱
状に限定されるものではなく、他の形状(例えば、三角
柱形状)にしてもよい。また、図22乃至図24に示す
例では、内筒100の先端部に連結部材101を配設す
ると共に外筒99の端部に緩衝材102を配設した構成
としたが、連結部材101と緩衝材102の配設位置は
これに限定されるものではなく、例えば連結部材101
と緩衝材102との位置を逆に配置した構成としても同
様の効果を得ることができる。
用操舵装置20(これは、前記したように図7に示した
自動車用操舵装置20Dと同一構成である)に対し、フ
ラッタの低減を実証する実験を行った際の実験結果を示
している。図10は、自動車用操舵装置20においてギ
ヤボックス26を固定し、ラックバー36を加振した場
合における、ステアリング回転角とピニオン回転角との
比を示している。同図において、横軸はラックバー36
に印加した加振周波数を示しており、縦軸はステアリン
グ回転角とピニオン回転角との比を示している。また、
実線で示す特性が自動車用操舵装置20の特性であり、
破線で示すのが従来の自動車用操舵装置の特性である。
動車用操舵装置20では従来構成の自動車用操舵装置に
比べ、略全体にわたりステアリング回転角とピニオン回
転角との比は低くなっており、特にフラッタが発生する
フラッタ周波数においては約6.7dBも低くなってい
ることがわかる。よって、同図より従来構成の自動車用
操舵装置に比べて本実施例に係る自動車用操舵装置20
の方がフラッタの発生が抑制されていることが判る。
に実車した場合の特性を示しており、具体的にはフラッ
タを強制的に発生させるために予めアンバランスとされ
た車輪を自動車用操舵装置20に取り付け、この自動車
用操舵装置20を車両に搭載した場合におけるフラッタ
の発生状態を調べた結果を示している。実験方法として
は、上記の自動車用操舵装置20を搭載した車両をシャ
シーローラ上で走行させ、この際発生するフラッタをス
テアリング周方向加速度として検出した。尚、同図には
比較のために従来構成の自動車用操舵装置の特性も示し
ている(左側に示す)。
も従来構成の自動車用操舵装置に比べて本実施例に係る
自動車用操舵装置20の方がフラッタの発生が低減され
ていることが判る。また、その低減率も44%と非常に
大きな低減率となっている。従って図11に示す実験結
果より、実車状態であっても本実施例に係る自動車用操
舵装置20を適用することにより大幅にフラッタの発生
を抑制できることが実証された。
グへの影響について行った実験結果を示している。尚、
図12は本実施例に係る自動車用操舵装置20の操舵フ
ィーリング特性を示しており、図13は従来の自動車用
操舵装置の操舵フィーリング特性を示している。また、
各図において横軸は操舵角MAであり、縦軸は操舵トル
クMTを示している。
操舵トルクMTの傾きと、ヒステリシス幅とにより判断
することができる。そこで、図12に示す本実施例に係
る自動車用操舵装置20の操舵フィーリング特性と図1
3に示す従来の自動車用操舵装置の操舵フィーリング特
性とを比べると、各特性は類似しており、操舵角MAに
対する操舵トルクMTの傾き及びヒステリシス幅は略等
しい値となっている。従って、ゴムカップリング40を
設けた本実施例に係る自動車用操舵装置20も従来構成
の自動車用操舵装置と略同等の操舵フィーリングを得る
ことができることが判る。
例に係る自動車用操舵装置20によれば、フラッタの発
生を確実に抑制できると共に良好な操舵フィーリング特
性を維持することができることが実証された。尚、上記
してきた実施例では、自動車用操舵装置20として入力
軸23,中間軸24及び出力軸25の3本の軸によりス
テアリングシャフト22を構成した例を示したが、本発
明は2本の軸を一つのフック継手で連結した構成の自動
車用操舵装置(いわゆる2リンク式の操舵装置)に適用
することも可能である。
がゼロである時、上記2本の軸を含む平面に対してフッ
ク継手を構成するヨークの一方が略垂直となるよう配置
し、この垂直となるよう配置されたヨークを持つ軸側に
ゴムカップリング(低剛性部材)を配設することによ
り、曲げモーメントによりゴムカップリングに曲げ変形
を生じさせることができ、よって等価捩じりバネ定数を
低減することができる。これにより、ピニオンの回転振
動をゴムカップリングで吸収することが可能となり、ス
テアリングにフラッタが発生することを防止することが
できる。
する。図14及び図15は本発明の第2実施例である自
動車用操舵装置60を示している。図14は自動車用操
舵装置60の要部を拡大して示しており、また図15は
自動車用操舵装置60の全体構成を示している。尚、図
14及び図15において第1実施例に係る自動車用操舵
装置20と同一構成については同一符号を附してその説
明を省略する。
62は、入力軸63,中間軸64,出力軸65の3本の
軸により構成されており、入力軸23の上端部にはステ
アリング21が配設され、また出力軸25の下端はギヤ
ボックス26に接続されている。また、ステアリング2
1が取り付けられた入力軸63は車両に軸支された構成
とされており、従って後述するようにギヤボックス26
に並進振動が生じても、入力軸63はこの振動により変
位しない構成とされている(但し、中間軸64,出力軸
65はギヤボックス26に並進振動により変位する)。
また、入力軸63と中間軸64は第1のフック継手70
により連結され、また中間軸64と出力軸65は第2の
フック継手71により連結された構成とされている。
体的に回転する入力軸側ヨーク67と、中間軸64の上
端部に形成され中間軸64と一体的に回転する中間軸側
ヨーク68と、この両ヨーク67,68に回転自在に連
結された十字ピン69(ピン69a,69bにより構成
される)等により構成されている。
4の下端部に形成され中間軸64と一体的に回転する中
間軸側ヨーク72と、出力軸65と一体的に回転する出
力軸側ヨーク73と、この両ヨーク72,73に回転自
在に連結された十字ピン74(ピン74a,74bによ
り構成される)等により構成されている。
60において、本実施例では車両直進時のステアリング
の操舵角がゼロである時、上記第1のフック継手71と
第2のフック継手72で連結される入力軸63,中間軸
64,出力軸65を夫々同一平面S2(図14に示す)
内に配置すると共に、入力軸側ヨーク67と出力軸側ヨ
ーク73を共に平面S2に対して垂直となるよう配置し
たことを特徴とするものである。
力軸65,第1及び第2のフック継手71,72を構成
することにより、図14に示されるように第1のフック
継手70を構成する十字ピン69と第2のフック継手7
1を構成する十字ピン74とは、互いに3次元で平行に
対向した状態となる。詳述すれば、十字ピン69の縦方
向に延在するピン69aと十字ピン74の縦方向に延在
するピン74aとは互いに平行となり、十字ピン69の
横方向に延在するピン69bと十字ピン74の横方向に
延在するピン74bも互いに平行となる。従って上記構
成することにより、ピン69aとピン74aは四節平行
リンク形成し、同様にピン69bとピン74bも四節平
行リンク形成する。
クス26が並進振動した場合における自動車用操舵装置
60の動作について説明する。車輪に強制振動が発生し
ギヤボックス26に並進振動が発生すると、この並進振
動は各軸63〜65及び第1及び第2のフック継手7
0,71に作用する。しかるに、前記したように第1の
フック継手70を構成する十字ピン69と第2のフック
継手71を構成する十字ピン74とは互いに3次元で平
行に対向した状態となっている。従って、ギヤボックス
26に並進振動により出力軸65が上下方向,前後方
向,左右方向(図15に夫々矢印で示す)に移動して
も、この並進振動は各フック継手70,71で回転振動
に変換されることはない。
図14に示す状態より各十字ピン69,74を夫々90
°回転させた構成の自動車用操舵装置80を図18に示
す。尚、同図において図14に示した構成と対応する構
成については同一符号を附している。
°回転させた構成の自動車用操舵装置80では、交差角
φに起因して、十字ピン69を構成するピン69bと十
字ピン74を構成するピン74bとが平行にならなくな
る。よって、この構成の自動車用操舵装置80において
ギヤボックス26に左右方向の変位(図中、矢印Hで示
す)が発生すると、この変位は第1及び第2のフック継
手70,71において入力軸63の回転成分に変換され
てしまい、入力軸63には図に矢印Nで示す回転が発生
してしまう。よって、ギヤボックス26の並進振動によ
り入力軸63には回転振動が発生し、ステアリング21
にフラッタが発生する。
71においてギヤボックス26の並進振動を回転成分に
変換させないためには、換言すればステアリング21に
フラッタが発生しないようにするには、第1のフック継
手70を構成する十字ピン69と第2のフック継手71
を構成する十字ピン74とを互いに3次元で平行に対向
させる必要がある。よって、自動車用操舵装置60を前
記した図14に示す構成とすることにより、フラッタの
発生を防止することができる。
軸65を同一平面内にあるよう構成し、前記した図18
に示された状態の十字ピン69,74の角度をゼロと
し、この状態より十字ピン69,74の角度を徐々に変
化させた場合におけるフラッタの回転角感度をシミュレ
ーションにより求めた結果を示している。ここで、フラ
ッタの回転角感度とは、ギヤボックス26を図15に示
す通り、1mm所定方向(上下方向,前後方向,左右方
向)に移動させた場合のステアリング21の回転角度を
示している。従って、この回転角感度が大きい程大きな
フラッタが発生していることになる。 図16から明ら
かなように、十字ピン69,74の角度を徐々に回転変
化させると、十字ピン69,74を90°変化させた状
態において、上下方向,前後方向,左右方向の全ての方
向に対しフラッタの回転角感度がゼロとなる点が発生し
た。この点では、ギヤボックス26が上下方向,前後方
向,左右方向の何れの方向に変位してもステアリング2
1に回転は発生しない。よって、十字ピン69,74の
角度をこの点に一致させることによりフラッタの発生を
防止することができる。
操舵装置80は、図14に示した自動車用操舵装置60
において各十字ピン69,74を90°回転させたもの
である。従って、ギヤボックス26が上下方向,前後方
向,左右方向の何れの方向に変位してもステアリング2
1に回転が発生しない構成は、図14に示した自動車用
操舵装置60そのものである。よって、図16に示した
シミュレーションの結果からも、図14及び図15に示
される構成とした自動車用操舵装置60によればフラッ
タの発生を防止することが実証される。
する。図17は本発明の第3実施例である自動車用操舵
装置90を示している。尚、図17において、第1及び
第2実施例に係る自動車用操舵装置20,60と同一構
成については同一符号を附してその説明を省略する。
置20では、車両直進時のステアリング21の操舵角が
ゼロである時、出力軸25及び中間軸24を含む平面S
1に対して出力軸側ヨーク33が略垂直となるよう配置
すると共に、この出力軸側ヨーク33を持つ出力軸25
にゴムカップリング40を設けることにより、ピニオン
35の回転により発生するフラッタを防止する構成とし
た(図1及び図2参照)。
操舵装置60では、車両直進時のステアリングの操舵角
がゼロである時、入力軸63,中間軸64,出力軸65
を夫々同一平面S2内に配置すると共に、入力軸側ヨー
ク67と出力軸側ヨーク73を共に平面S2に対して垂
直となるよう配置することにより、ギヤボックス26の
並進振動により発生するフラッタを防止する構成とした
(図14及び図15参照)。
第1実施例に係る自動車用操舵装置20と第2実施例に
係る自動車用操舵装置60とを融合させた構成を有して
おり、具体的には入力軸63,中間軸64,出力軸65
を夫々同一平面S3内に配置すると共に入力軸側ヨーク
67と出力軸側ヨーク73を共に平面S3に対して垂直
となるよう配置し、かつ曲げモーメントが発生する出力
軸65にゴムカップリング40を設けた構成とした。
とにより、第1実施例に係る自動車用操舵装置20の効
果と、第2実施例に係る自動車用操舵装置60の効果と
を共に享受することができ、よってピニオン35の回転
により発生するフラッタ及びギヤボックス26の並進振
動により発生するフラッタを共に防止することが可能と
なる。
ンを用いた構成のフック継手に限定されるものではな
く、他の構成の自在継手にも適用できるものである。図
27は本発明を適用できる他の構成の自在継手110を
示している。同図に示す自在継手110は、中間軸11
1に縦軸115を介して第1の連結部材113が接続さ
れており、この第1の連結部材113は縦軸115を中
心に回転可能な構成とされている。
介して第2の連結部材114が接続されており、この第
2の連結部材114は第1の横軸116を中心に回転可
能な構成とされている。更に、第1の連結部材113と
第2の連結部材114は、第2の横軸117により接続
されており、各連結部材113,114は第2の横軸1
17を中心に回転可能な構成とされている。
も、車両直進時において中間軸111及び出力軸112
を含む平面に対して自在継手110を構成する軸11
6,117が略垂直となるよう配置することができ、よ
って上記垂直となるよう配置された軸116,117を
持つ軸に低剛性部材を配設することにより、フラッタの
発生を抑制することができる。
動車用操舵装置20,60,90の構成は、自動車用操
舵装置以外のフック継手を用いてトルク伝達を行う装置
に適用することが可能であり、この場合にはトルク伝達
に伴う振動の抑制を図ることができる。
の効果を実現することができる。請求項1記載の発明に
よれば、車輪の強制振動によりピニオンに回転振動が発
生した場合、この回転振動は曲げモーメントが発生する
軸に配設されることにより等価捩じりバネ定数が低減し
た低剛性部材で吸収される。よって、ピニオンの記回転
振動は低剛性部材で遮断されるため、ステアリングにフ
ラッタが発生することを防止することができる。
ボックスに並進振動が発生しても各フック継手は並進振
動を回転振動に変換しないため、並進振動は各フック継
手で遮断され、よってフラッタの発生を防止することが
できる。更に、請求項3記載の発明によれば、上記した
請求項1記載の発明の効果と請求項2記載の発明の効果
を共に享受することができ、よってピニオンの回転振動
により発生するフラッタ及びギヤボックスの並進振動に
より発生するフラッタを共に防止することができる。
全体構成図である。
要部拡大図である。
態のゴムカップリング及び中間軸,出力軸の挙動を説明
するための図である。
動車用操舵装置を示す構成図である。
動車用操舵装置を示す構成図である。
動車用操舵装置を示す構成図である。
動車用操舵装置を示す構成図である。
な捩じりバネ特性を得られるゴムカップリングユニット
を示す図である。
示す図である。
定し、ラックバーを加振した場合における、ステアリン
グ回転角とピニオン回転角との比の変化を示す図であ
る。
スとされた車輪を自動車用操舵装置に取り付けると共
に、この自動車用操舵装置を車両に実車した場合におけ
るフラッタの発生状態を調べた実験結果を示す図であ
る。
リングへの影響を調べた実験結果を示す図である。
への影響を調べた実験結果を示す図である。
の要部拡大図である。
の全体構成図である。
ッタの回転角感度をシミュレーションした結果を示す図
である。
の全体構成図である。
転させた構成の自動車用操舵装置を示す構成図である。
ト構造を示す図である。
である。
て連結したジョイント構造を示す図である。
明するための図である。
ッタを説明するための図である。
示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくともステアリングに連結された入
力軸とギヤボックスに接続された出力軸とを含む2本以
上の軸を有すると共に、連結される一対の軸が自在継手
により連結された構成を有する自動車用操舵装置におい
て、 車両直進時、上記一対の軸を含む平面に対して該自在継
手を構成するヨークの一方が略垂直となるよう配置し、 かつ、上記略垂直となるよう配置されたヨークを持つ軸
側にその軸の曲げ方向の剛性を下げる低剛性部材を配設
したことを特徴とする自動車用操舵装置。 - 【請求項2】 ステアリングに連結された入力軸を第1
の自在継手を介して中間軸に連結すると共に、該中間軸
を第2の自在継手を介してギヤボックスに連結された出
力軸に連結した構成を有する自動車用操舵装置におい
て、 車両直進時、上記第1の自在継手と第2の自在継手で連
結される上記入力軸,中間軸,出力軸を夫々同一平面内
に配置すると共に、 上記入力軸側及び出力軸側の各ヨークを上記平面に対し
て略垂直となるよう配置したことを特徴とする自動車用
操舵装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の自動車用操舵装置におい
て、 上記入力軸と出力軸の少なくとも一方に、その軸の曲げ
方向の剛性を下げる低剛性部材を配設したことを特徴と
する自動車用操舵装置。
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