JP4803867B2 - リチウム電池正極用マンガン酸リチウムの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン二次電池(以下、単にリチウム二次電池という)の正極用のマンガン酸リチウムの製造方法、詳しくは、マンガン酸化物からリチウムマンガン複合酸化物を製造し、これをリチウム二次電池の正極として使用された場合に、初期放電容量、放電容量維持率およびサイクル特性などが優れたリチウム二次電池の正極用マンガン酸リチウムおよびこれを使用したリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム二次電池は、放電容量が大きく、高電圧、高エネルギー密度が得られることから、既に携帯用電気機器への実用化がされており、さらに電気自動車や電力保存用電源などへの利用が進められている。
【0003】
現状のリチウム二次電池の正極活物質は主にコバルト酸リチウムなどが実用化されているが、コバルト酸リチウムの製造には資源的に希少なコバルトを用いる必要があり、安価に製造することが難しい。そこで資源的に豊富であり、安価であるマンガンを用いた4V級の高電圧を有するLiMn2O4および3V級の電圧を有するLiMnO2(以下総称してマンガン酸リチウムという)の開発も進められている。
【0004】
これらのマンガン酸リチウムの製造にあたっては、その原料としてなるべく高純度のものが好ましいが、コストを考慮すると従来から一次電池に使用されている安価な電解二酸化マンガン(以後、EMDという)、化学合成二酸化マンガン(以後、CMDという)および炭酸マンガンを用いることが望まれている。これらのマンガン化合物は一般に硫酸マンガンから合成される場合が多く、そのため通常1質量%程度の硫酸根(SO4)を不純物として含有している。
【0005】
一方、特開平5−21063号公報に記載されているように、硫酸根を不純物として多量に含有しているマンガン化合物を使用してマンガン酸リチウムを製造した場合、これらの不純物はほとんど低減することなく製造されたマンガン酸リチウム中に残存し、またこのようなマンガン酸リチウムを正極材料として使用した場合、サイクル特性、特に、従来では達成が困難であった、60〜80℃の高温におけるサイクル特性および保存特性が低下する。
【0006】
こうした問題に対して、特開平5−299076号公報や特開平9−115513号公報にて二酸化マンガンを洗浄し硫酸根を低減する方法が提案されているが、この場合硫酸根以外の不純物の増加や特殊な装置が必要であるなどの問題がある。また、特開平8−31406号公報や特開平10−188979号公報、特開平10−340726号公報、特開平11−238510号公報にてマンガン酸リチウムの洗浄が提案されているが、リチウム二次電池の正極材料に用いる場合、その水分管理や洗浄後の組成変化などの問題があり工程管理上好ましい方法ではない。そのため、簡便であり、かつ工程管理が容易なマンガン酸化物の製造方法の開発が期待されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特殊なマンガン酸化物や装置を用いることなくマンガン酸化物中の硫酸根を低減させ、優れた放電容量およびサイクル特性、特に60〜80℃の高温におけるサイクル特性、保存特性に優れたリチウム二次電池の正極用マンガン酸リチウム、およびリチウム二次電池を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく種々の製造方法について数多くの実験研究を重ねた結果、マンガン酸化物粉末を、その平均粒径が30μm以下という、極めて微粒にせしめた状態で、硫酸以外の酸である、揮発性や熱分解性の大きい特定の酸を含む酸性水溶液と接触処理することにより、マンガン酸化物粒子に含有されている硫酸根は、この酸性水溶液中に円滑に移行し、乾燥後のマンガン酸化物中における硫酸根は、0.4質量%以下、場合により0.3質量%以下にまで著しく低減せしめられることが見出された。
【0009】
このようにして、硫酸根を低減したマンガン酸化物粉末を、リチウム化合物と混合し、焼成することにより得られるマンガン酸リチウムからなるリチウム二次電池の正極とは、放電容量に優れ、またサイクル特性、特に60〜80℃の高温におけるサイクル特性、保存特性に優れたことを見出し、本発明に到達したものである。
【0010】
かくして、本発明は、平均粒径が30μm以下のマンガン酸化物粉末を、pHが2〜6である塩酸、硝酸、または酢酸を含む酸性水溶液と30〜120℃の温度で接触処理し、次いで、洗浄処理することにより、硫酸根の含有量を0.4質量%以下に低減させたマンガン酸化物を得て、該マンガン酸化物と、リチウム塩とを混合し、600〜1000℃にて焼成することを特徴とするリチウム二次電池正極用マンガン酸リチウムの製造方法にある。
【0011】
また、本発明は、上記で得られたマンガン酸リチウムからなる正極を使用するリチウム二次電池を提供する。
【0012】
以下に、本発明について更に詳しく説明をする。
【0013】
【発明の実施形態】
本発明におけるマンガン酸化物としてはCMDまたはEMDを使用することができる。またこれらを焼成して得られる三酸化二マンガン(Mn2O3)、四酸化三マンガン(Mn3O4)、またはこれらの二種以上の混合物を使用することもできる。さらに、遷移金属やアルカリ土類金属を1〜10質量%含有するマンガン複合酸化物を用いることができる。
【0014】
本発明で、マンガン酸化物は、硫酸以外の酸を含む酸性水溶液との接触処理に当たりその平均径径(粒子直径)は30μm以下であることが必要である。平均粒径がこれより大きい場合には、接触処理による洗浄効果が著しく減少し、本発明の目的は達成できない。なかでも、平均粒径は、20μm以下が好ましく、0.1μm以上が好ましい。
【0015】
本明細書において、平均粒径とは、 質量基準で粒度分布を求め。全質量を100%として累積カーブを描いたとき、その累積カーブの面積が50%となる点の粒径である。(たとえば、化学工学便覧、改定5版(化学工業会編)、220〜221頁)。測定法は、日機装株式会社製マイクロトラックHRAX−100などによるレーザー回折/散乱法が好ましく挙げられる。
【0016】
上記の酸性水溶液としては、硫酸以外の酸が使用され、揮発性や熱分解性の大きい酸である、塩酸、硝酸、または、酢酸が使用される。酸の濃度は、pHが2〜6の水溶液として用いることが好ましい。pHが2より低い場合はマンガン酸化物の溶解が始まり、pHが6より低い場合は接触の効果が十分に発揮されない。特にpHは2.5〜5が好ましい。
【0017】
マンガン酸化物粉末に対する酸性水溶液の量は、特に規定されるものではないが、好ましくはマンガン酸化物に対して、容量基準で、5倍〜20倍量が好ましい。5倍量より少ない場合は接触の効果が十分に発揮されず、また20倍量以上では生産性が悪化する。特には、5〜10倍が好ましい。
【0018】
マンガン酸化物粉末と酸性水溶液との接触処理は、具体的には、酸性水溶液中にマンガン酸化物粉末を添加する浸漬処理、マンガン酸化物の充填物に酸性水溶液を通過させる処理などの、両者間に十分な接触が行われる手段が好ましい。浸漬処理が使用される場合には、液を振盪または攪拌させることにより処理効果を高めることができる。接触温度は30〜120℃以上が好ましく、さらに好ましくは60〜100℃以上が適切である。また、耐圧容器中で100℃以上の処理することもできる。接触時間は接触温度によって通常変動するが、好ましくは30分〜24時間、特に好ましくは1〜6時間である。
【0019】
マンガン酸化物粉末の酸性水溶液による接触後は、マンガン酸化物に付着した酸性水溶液を除去するため洗浄処理を行なう。かかる洗浄処理は、酸性水溶液との接触後に、好ましくは、濾過を行ない、洗浄液として、好ましくは、メタノールやエタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類のような有機溶媒を単独または混合して用いることにより行われる、有機溶媒を用いる場合には、水溶液として用いるのが好ましい。
【0020】
洗浄後のマンガン酸化物粉末は、もはやそこに含まれる硫酸根の含有量が0.4質量%以下、特には0.3%以下よりも小さい値を有し、そのままでも、リチウム化合物と混合しマンガン酸リチウムの製造に使用できる。しかし、保存、輸送、取り扱い上の便利さのために、必要に応じて、水分を除去するための乾燥、焼成することができる。乾燥は、好ましくは60〜150℃で行われ、また、焼成は、200〜800℃にて行われる。乾燥、焼成後は、必要に応じて解砕処理を行なっても良い。
【0021】
硫酸根の含有量が低減されたマンガン酸化物粉末は、リチウム化合物と混合され、マンガン酸リチウムが製造される。この場合のリチウム化合物としては、炭酸リチウム 、水酸化リチウム、硝酸リチウム 、酢酸リチウムなどを用いることができる。なかでも、炭酸リチウムおよび水酸化リチウムが好ましい。またその平均粒径は30μm以下、特には、1〜10μmが望ましい。
【0022】
マンガン酸化物とリチウム化合物との混合比は、目的とするマンガン酸リチウムによって異なり、特に規定されるものではないが、LiMn2O4の場合はLi/Mn比で0.50〜0.75が好ましく、0.53〜0.6が特に好ましい。またLiMnO2の場合はLi/Mn比で0.98〜1.10が好ましく、1.00〜1.02が特に好ましい。マンガン酸化物とリチウム化合物の混合方法は乾式混合および湿式混合などが挙げられる。
【0023】
マンガン酸化物とリチウム化合物との混合物は、次いで焼成されるが、その焼成温度は600〜1000℃が好ましい。また焼成雰囲気は目的とするマンガン酸リチウムによって異なり、特に規定されるものではないが、好ましくはLiMn2O4の場合は酸素濃度15〜50容量%が好ましく、また、LiMnO2の場合は酸素濃度1000ppm以下が好ましい。
【0024】
LiMnO2を製造する場合、リチウム化合物とマンガン酸化物の混合物に、含炭素化合物、好ましくはカーボンブラックやアセチレンブラックなどの炭素粉末、クエン酸などの有機物を添加することにより、効率的に焼成雰囲気の酸素濃度を下げることができる。その添加量はリチウム化合物とマンガン酸化物の混合物に対して0.05〜10質量%が好ましく、特に好ましくは0.1〜2質量%である。添加量が少ない場合はその効果が低く、また添加量が多い場合は副生成物が生成しやすく、また添加した含炭素化合物の残存により目的物の純度が低下するためである。
【0025】
かくして、本発明によれば、マンガン酸リチウムが得られ、かかるマンガン酸リチウムを含む正極は、リチウム二次電池の正極として、優れた特性を有する。一方、リチウム二次電池において、かかる正極と組み合わせて用いられる負極としては、通常の材料がいずれも使用可能で、例えば金属リチウム、リチウム合金、SnSiO3などの金属酸化物、LiCoN2などの金属窒化物、炭素材料などを用いることができる。炭素材料としてはコークス、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化炭素などを用いることができる。
【0026】
本発明のマンガン酸リチウムから製造された正極を使用するリチウム二次電池において使用される電解質溶液を構成する電解液としては、リチウム塩を電解質とし、非水溶媒に溶解したもの使用できる。好ましい電解質としては、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2Nなどが挙げられる。電解質の溶媒としては、特に限定されないが、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類などが挙げられ、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、γ−ブチロラクトンなどの有機溶媒を単独もしくは2種類以上を混合して用いることができる。これらの溶媒に溶解される電解質の濃度は0.5〜2.0モル/リットルで用いることができる。
【0027】
リチウム二次電池の電解質としては、上記の電解質を高分子マトリックスに均一に分散させた固体または粘稠体、あるいはこれらに非水溶媒を含浸させたものも用いることができる。高分子マトリックスとしては、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンなどを用いることができる。
【0028】
また、リチウム二次電池においては、正極と負極との短絡防止のためのセパレータを設けることができる。セパレータの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロースなどの材料の多孔性シート、不織布などが用いられる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明を詳細に説明する。
【0030】
[実施例1]
pHを3に調整した硝酸水溶液5.0LにEMD 500gを加え、攪拌を行いながら90℃まで昇温した。同温度に保持しながら6時間、攪拌を行なった後、室温まで冷却し、次いで減圧濾過にて濾過を行った。さらにpHを3に調整した硝酸水溶液で洗浄後、イオン交換水で洗浄を行った。その後に、120℃にて24時間、乾燥を行なうことにより、二酸化マンガンを製造した。
【0031】
[実施例2]
実施例1において、EMDの代わりに、EMDより合成した三酸化二マンガンを使用した以外は、実施例1と同様にして二酸化マンガンを製造した。
【0032】
[実施例3]
実施例1において、EMDの代わりに、EMDより合成した四酸化三マンガンを使用した以外は、実施例1と同様にして二酸化マンガンを製造した。
【0033】
[実施例4]
実施例1において、硝酸水溶液の代わりに、pHを3に調整した塩酸水溶液以外は、実施例1と同様に実施して二酸化マンガンを製造した。
【0034】
[実施例5]
実施例1において、硝酸水溶液の代わりに、pHを4に調整した酢酸水溶液した以外は、実施例1と同様に実施して二酸化マンガンを製造した。
【0035】
[比較例1]
実施例1において、硝酸水溶液の代わりに、イオン交換水を使用した以外は、実施例1と同様に実施して二酸化マンガンを製造した。
【0036】
[比較例2]
実施例1において、硝酸水溶液の代わりに、pHを10に調整したアンモニア水溶液を使用した以外は、実施例1と同様に実施して二酸化マンガンを製造した。
以上のように接触処理を行ったマンガン酸化物を蛍光X線を用いて硫酸根の定量を行なった。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
[実施例6]
実施例1で接触処理を行ったマンガン酸化物と水酸化リチウム一水和物をLi/Mn比が0.55となるように計り取り、乳鉢上で十分に混合した後、この混合物を電気炉中で750℃にて20時間焼成し、マンガン酸リチウム(Li1.10Mn2O4)を合成した。
【0039】
得られたマンガン酸リチウムと導電材としてのアセチレンブラック及び結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末とを重量比で80:16:4の割合で混合した。この混合物を2t/cm2の加圧で直径12mmの円板状に成形し、得られた成形物を150℃で16時間加熱処理して正極とした。次に直径12mmの円板状リチウム金属とステンレス製の網状負極集電板とを圧着し負極体とした。
【0040】
電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比で1:1とした混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解した溶液を用いた。セパレータとしてはポリプロピレンフィルムを用いた。
【0041】
正極の集電体としてはSUS薄板を用い、正極体及び負極体はそれぞれリードを取り出したうえで間にセパレータを介して対向させて素子となし、この素子をばねで押さえながら2枚のPTFE板で挟んだ。さらに素子の側面もポリテトラフルオロエチレン板で覆って密閉させ、密閉型リチウム二次電池セルを製造した。またセルの作成はアルゴン雰囲気下で行った。
【0042】
[実施例7]
実施例6において、実施例1で得られたマンガン酸化物の代わりに、実施例2で得られたマンガン酸化物を用いた以外は実施例6と同様にして実施し、密閉型リチウム二次電池セルを製造した。
【0043】
[実施例8]
実施例6において、実施例1で得られたマンガン酸化物の代わりに、実施例3で得られたマンガン酸化物を用いた以外は実施例6と同様にして実施し、密閉型リチウム二次電池セルを製造した。
【0044】
[実施例9]
実施例6において、実施例1で得られたマンガン酸化物の代わりに、実施例4で得られたマンガン酸化物を用いた以外は実施例6と同様にして実施し、密閉型リチウム二次電池セルを製造した。
【0045】
[比較例3]
実施例6において、実施例1で得られたマンガン酸化物の代わりに、比較例1で得られたマンガン酸化物を用いた以外は実施例6と同様にして実施し、密閉型リチウム二次電池セルを製造した。
【0046】
[実施例10]
実施例1で得られたマンガン酸化物と水酸化リチウム一水和物とをLi/Mn比が1.00となるように計り取り、乳鉢上で十分に混合した後、この混合物を窒素雰囲気とした電気炉中で800℃にて20時間焼成を行い、マンガン酸リチウム(LiMnO2)を合成した。それ以外は実施例6と同様に実施し、密閉型リチウム二次電池セルを製造した。
【0047】
[実施例11]
実施例10において、実施例1で得られたマンガン酸化物の代わりに、実施例2で得られたマンガン酸化物を用いた以外は実施例10と同様に実施し、密閉型リチウム二次電池セルを製造した。
【0048】
[比較例4]
実施例10において、実施例1で得られたマンガン酸化物の代わりに、比較例1で得られたマンガン酸化物を用いた以外は実施例10と同様に実施し、密閉型リチウム二次電池セルを製造した。
【0049】
実施例6〜11および比較例3〜4で作成した密閉型リチウム二次電池セルを用い、60℃の雰囲気温度において、実施例6〜9および比較例3においては電圧4.3V〜3.0Vまで、実施例10,11および比較例4においては電圧4.3V〜2.0Vまでをそれぞれ0.5mA/cm2の定電流で充放電を繰り返し行い、充放電サイクル試験を行なった。結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、特殊なマンガン酸化物や装置を用いることなくマンガン酸化物中の硫酸根を低減させ、優れた放電容量およびサイクル特性、特に60〜80℃の高温におけるサイクル特性、保存特性に優れたリチウム二次電池の正極用のマンガン酸リチウム、およびリチウム二次電池が提供される。
Claims (7)
- 平均粒径が30μm以下のマンガン酸化物粉末を、pHが2〜6である塩酸、硝酸、または酢酸を含む酸性水溶液と30〜120℃の温度で接触処理し、次いで、洗浄処理することにより、硫酸根の含有量を0.4質量%以下に低減させたマンガン酸化物を得て、このマンガン酸化物と、リチウム塩とを混合し、600〜1000℃にて焼成することを特徴とするリチウム二次電池正極用マンガン酸リチウムの製造方法。
- 前記マンガン酸化物粉末の平均粒径が20μm以下であり、かつ前記酸性水溶液のpHが2.5〜5.0である請求項1に記載の製造方法。
- 前記洗浄処理後に、乾燥、焼成処理する請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記マンガン酸化物がMnO2、Mn2O3またはMn3O4である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記マンガン酸化物が、電解法または化学合成法により製造された二酸化マンガンを焼成して得られたものである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法で得られたマンガン酸リチウムを含むリチウム二次電池用正極。
- 請求項6に記載の正極を使用したリチウム二次電池。
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