JP4802328B2 - 磁性体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えば医療用磁石等に用いる磁性体の製造方法に関する。
例えば歯科アタッチメント用の磁石とか、血管内を泳動させるなど医療用泳動マイクロマシン等の生体内で用いられる医療用磁石においては、微細で強力な磁石、すなわち高保磁力を有するハード磁性体の必要性が高まっている。
このように、生体内で用いられる磁石等の磁性体にあっては、高保磁力を有すると同時に生体安全性、高い耐食性が必要となる。
また、高密度磁気記録媒体の磁性層に用いられる磁性体についても、より高密度化の要求から、より高い保磁力を有する磁性層の必要性が高まっている。
生体安全性、高い耐食性を有する磁性体としては、白金系の磁性体例えばFePt、 CoPtが注目されている。
この白金系の磁性体例えばFePtは、fcc(面心立方)とfct(面心直方)の2つの構造を有し、fccはFeとPtとの配列が、不規則性を有し殆ど保磁力を有することがなく、fctは、FeとPtとが規則的に配列されることから、きわめて高い保磁力示すことが知られている。
ところで、通常このFePtは、fccつまり不規則相として合成される。したがって、このままでは、保磁力は殆どなく、これを規則配列化する規則化処理がなされてfct構造とすることが必要となる。
このFePtの合成は、基体上に、スパッタリング法あるいはメッキ法によってfccの不規則相によるFePt層を成膜し、これを熱処理することによって規則化してfctの規則相による高保磁力を有するFePtのハード膜による磁性体の形成がなされる(例えば特許文献1参照)。
ところが、この場合、その規則化開始温度が高くなり、そのための熱処理は500℃以上の例えば600℃、メッキによる成膜においては700℃という高い基体加熱温度を必要とすることから、例えば耐熱性の低い基体に対する磁性層の形成ができない。したがって、基体の選定の自由度がせまく、例えば廉価であるとか、柔軟性に富む高分子樹脂のフィルムベース、ワイヤに対する硬磁性層の形成に適用しにくいという問題がある。
これに対し、基体を低温化した状態で、あるいは冷却装置によって冷却するなど基体温度を制御した状態で規則化の熱処理を行なって基体が熱的に損傷されることがないようにする方法の提案がなされている(例えば文献1参照)。
しかしながら、このように基体温度を、規則化温度や、各部の構成による熱伝導を考慮して制御することは、各種使用態様、目的に適用するには制約が生じる。
特開2004−47924号公報
本発明は、すぐれた耐食性を有し、すぐれた硬磁気特性を有する白金系磁性体を低温加熱によって製造することができるようにした磁性体の製造方法を提供するものである。
また、本発明による磁性体の製造方法は、磁性層を構成するターゲットにパルスレーザ光を照射してレーザアブレーション成膜を行うPLD(Pulsed Laser Deposition)法に
よって基体上に磁性層を成膜する成膜工程を有し、該成膜工程にあってPLD法のプルームを利用した300℃〜500℃未満による加熱成膜を行って上記基体上に規則相の強磁性層を成膜することを特徴とする。
この発明においては、磁性層の成膜を、PLD法によるものであるが、この発明においては、本発明者らが、PLD法による成膜においてプルームをいわば積極的に発生させることによって、成膜された磁性層が規則相として成膜されることを見出したことに基づいた磁性体の製造方法である。
また、本発明による磁性体の製造方法は、上記磁性体の製造方法にあって、磁性層が白金系磁性層であることを特徴とする。
また、本発明による磁性体の製造方法は、上記磁性体の製造方法にあって、上記磁性層がFePtもしくはCoPtであることを特徴とする。
上述したように、PLD法による成膜と、このPLDにおけるプルームをいわば積極的に発生させ、このプルームを利用した加熱成膜によって規則化された磁性層を形成する本発明方法においては、成膜と同時に規則化がなされることから、その製造工程の簡略化と、プルームの熱エネルギーを利用することによって、あらためて熱処理を行う場合等における外部加熱装置の省略による省力化、製造工程数の低減化、これに伴うより高い生産性等が図られる。
本発明による磁性体の製造方法の実施の形態例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、第1の実施の形態として、本発明による磁性体の製造方法のPLD法によって基体上に不規則相の磁性層を成膜する成膜工程と、その後、熱処理を行って上記不規則相の磁性層を規則化して強磁性層とする熱処理工程とを行って目的とする強磁性層を形成する方法による場合について説明する。
[第1の実施の形態]
この実施の形態においては、白金系磁性体として代表されるFePt合金磁性体の高保磁力を有するハード磁性体を製造する場合を例示するものである。
この場合、Fe50原子%、Pt50原子%、ないしはこのように、FeとPtがそれぞれ50%原子比の組成と実質的に殆ど同様の磁気的、機械的性状を示す例えばFe48原子%、Pt52原子%の組成とした場合である。
先ず、基板、フィルム、ワイヤ等の磁性体を形成する目的とする基体(すなわちサブストレイト:Substrate)上に、磁性層を成膜する。この成膜は不規則相として形成される。
本発明においては、この成膜を、特にレーザアブレーションによるPLD法によって形成する。
図1は、PLD法を実施する装置の一例の概略構成図である。この場合、真空室(図示せず)内に、上述した組成のFePt合金のターゲット1が、磁性層を形成する基体(サブストレイト:Substrate)2と所要の距離dを保持して正対するように対向配置される。
そして、このターゲット1に、レーザ光源(図示せず)例えば波長355nmのYAGレーザ、あるいはエキシマレーザ等によるパルスレーザ光3を照射する。
この場合のターゲット1と基体1との距離(以下T−S間距離という)は、例えば50mm以下好ましくは10mm以下とする。
また、このPLDにおける真空度、すなわち真空室内の真空度は、2〜6×10−7Torrとする。
このようにレーザ光3のターゲット1に対する照射を行うことによってターゲット1にレーザアブレーションが生じ、FeとPtの原子が飛び出し、基体2の表面にターゲット組成の磁性層4が成膜される。この実施形態例にあっては、ターゲット面と、基体面とが平行とされ、ターゲットからのFeおよびPtの原子の飛び出しの軸心と、基体面とが直交する方向に選定されている。
PLD法による不規則相の磁性層の成膜速度は、数μm/hour〜数十μm/hourとすることができる。
基体2と、ターゲット1からの飛翔原子の照射位置との関係は、必要に応じて、例えば基体2の被成膜面に沿って直交する2方向に相対的に移動することができるように、例えば基体2を図1において直交する2方向x及びy方向に移動する構成として、例えば基体2の全域に渡って一様にターゲット材の被着がなされるようにすることができる。
このようにして基体(サブストレイト:Substrate)2に、不規則相fcc構造の磁性層4、すなわち殆ど保磁力を示すことがない磁性層4が形成される。
このように、基体2に成膜した不規則相fcc構造の磁性層4を、熱処理によって規則化して規則相fct構造の目的とする磁性体を形成する。
不規則相による磁性層4の成膜は、例えば次のように選定した。
基体(サブストレイト):Ta基板
ターゲット:Fe(50原子%)−Pt(50原子%)合金ターゲット
成膜時間:60〜120[min]
真空度:2.0×10−5[Torr](すなわち2.67×10−3[Pa])
T−S間距離:5〜30[mm]
レーザ:YAGレーザ
また、磁気特性の測定は、VSM(Vibrating Sample Magnetometer)によって行い、結晶構造は、X線回折装置によって行った。組成分析はEDX(Energy Dispersive X-ray Spectrometer)によって行った。
図2は、それぞれfcc構造の磁性層が成膜された多数の試料を用意し、熱処理温度(Temperature[℃])を変えたときの得られた保磁力(Coercivity)Hc[kA/m])の測定結果を示したグラフである。
これによれば、400℃程度で、500 [kA/m]程度の高い保磁力Hcが得られており、規則化開始温度は300℃ないしはそれ以下となる。
図3は、上述した不規則相の磁性層に対して400℃で熱処理を行った場合の面内方向の磁気特性を示す磁化曲線である。この場合、PLDにおけるT−S間距離dを10mmとした場合である。このとき、残留磁化Mrは0.88[T]、Hcが595[kA/m]、最大エネルギー積BHmaxが104[kJ/m]であった。
図4は、PLD法によって成膜したfcc構造の磁性層4に対する400℃/hourの昇温速度をもって連続昇温させたときの不規則相fccから規則相fctへの変態を検証する熱磁気特性を示す図である。この場合、fccからfctへの変態の開始、すなわち規則化開始温度が300℃程度となっている。
図15は、従来一般のスパッタリング法によって成膜した磁性層に対して、同様に、磁性層に対する400℃/hourの昇温速度をもって連続昇温させたときの不規則相から規則相への変態を検証する熱磁気特性を示す図である。この場合、fccからfctへの変態の開始、すなわち規則化開始温度が420℃程度という高温となっている。
したがって、これに伴う規則化の実際の熱処理温度は、規則化開始温度より高い例えば600℃となる。本発明製造方法に比し、かなり高い熱処理を必要とする。
図5A,BおよびCは、上述したFe(50原子%)−Pt(50原子%)合金ターゲットを用いて本発明製造方法による、すなわちPLD法によって成膜したfcc構造の磁性膜に対して、成膜直後、300℃の熱処理後および400℃の熱処理後のそれぞれのM(磁化)−H(磁界)ループである。これによれば、300℃の熱処理で保磁力が増加し始めている。すなわちfccからfctの変態、つまり、規則化開始温度は、300℃以下となる。そして、実際には磁性膜の成膜に当たってのT−S距離dの選定や、ターゲット1に対するレーザアブレーションを行うレーザ光3の照射強度の選定による最適化によって、300℃で、充分高い保磁力を呈する規則化による磁気特性を得ることができる。
図16AおよびBは、同様に、Fe(50原子%)−Pt(50原子%)合金ターゲットを用いて、従来一般のスパッタリング法によって成膜した磁性層に対しての300℃および400℃熱処理後のそれぞれのM―Hループの測定結果を示す図である。これら図12のAおよびBをみて明らかなように、スパッタリングによる成膜によるときは、400℃でも保磁力の向上がみられない。
また、図6は、2θX線回折による結晶構造の測定結果を示す図で、図6中曲線61は成膜直後の状態、曲線62は300℃の熱処理後、曲線63は400℃の熱処理後における測定結果である。これによれば、熱処理温度300℃、400℃でfct構造の(001)面、(002)面、(021)面が観察され、これによって規則化が進行していることが確認できる。
また、図7と、図17は、本発明製造方法のPLD法によって成膜した磁性層と、従来のスパッタリングによって成膜した磁性層のX線回折法によって測定されたfccの(111)面と、fccの(200)面のスペクトル図である。これらを比較して明らかなように、PLDによるときは、fcc(200)のピークが強く現れ、またfcc(111)ピーク、fcc(200)ピークの半値幅が大きく、PLD法によるときはスパッタリング法による場合に比して、成膜中に大きな歪みが存在することがわかる。これによって規則化への変態が生じやすくなり、規則化開始温度の低減化が図られると考えられる。
また、この規則化開始温度は、前述したようにT−S間距離dにも依存するものであり、図8は、この規則化開始温度のT−S間距離dに対する依存性の測定結果であり、これによってT−S間距離dが小さくなるほど規則化開始温度の低減化が図られることがわかる。
なお、上述したPLD法による成膜においては、図1に示すように、基体2の面と、レーザ光照射によるレーザアブレーションによるターゲット1とが正対対向配置するようにした場合、すなわちターゲット1からのFeおよびPtの原子の飛び出しの軸心が基体2の面に直交する方向に選定した場合であるが、図9は、ターゲットからの原子の飛び出し方向の軸心方向を、基板面にほぼ平行方向とするいわゆるオフ・アクシスとした場合のfcc構造の磁性層に対するその不規則相から規則相への変態を示す熱磁気特性図である。これによれば、オフ・アクシスとした場合、規則化開始温度が、327℃となり、オン・アクシスに比して、10℃ほど高くなっている。この場合、T−S間距離は、10〜15mmとした。このように、オフ・アクシスとするときは磁性層の表面性が高まるが、この表面性によって規則化開始温度の低減化は殆ど生じない。
次に、第2の実施の形態として、本発明による磁性層を構成するターゲットにパルスレーザ光を照射しレーザアブレーションによるPLD法によって基体上に磁性層を成膜し、この成膜工程にあってPLD法のプルームを利用した加熱成膜を行って基体上に規則相の目的とする強磁性層を形成する方法による場合について説明する。
[第2の実施の形態]
この実施の形態においても、白金系磁性体として代表されるFePt合金磁性体の高保磁力を有するハード磁性体を製造する場合を例示するものである。
この場合、Fe50原子%、Pt50原子%、ないしはこのように、FeとPtがそれぞれ50%原子比の組成と実質的に殆ど同様の磁気的、機械的性状を示す例えばFe48原子%、Pt52原子%の組成とした場合である。
図10は、この実施の形態を実施する装置の一例の概略構成図である。この場合においても、PLD法を実施する装置であり、真空室(図示せず)内に、上述した組成のFePt合金のターゲット1が、磁性層を形成する基体(サブストレイト)2と所要の距離dを保持して対向配置される。
そして、このターゲット1に、レーザ光源(図示せず)例えば波長355nmのYAGレーザ、あるいはエキシマレーザ等によるパルスレーザ光3を照射する。
この場合のターゲット1と基体1との距離すなわちT−S間距離dは、例えば10mm〜20mmとする。真空度は、2〜6×10−7Torrする。レーザ光源としては、6W〜9Wとする。成膜時間は60分とする。
この実施の形態においても、例えば基板、フィルム、ワイや等の磁性体を形成する目的とする基体(すなわちサブストレイト:Substrate)例えばTa基板による基体2上に、PLD法によって磁性層4の成膜を行うものであるが、この実施の形態においては、PLD法による成膜を、プルームを利用した加熱下で行い、基体2上に成膜時においてすでに規則相(fct)とされた磁性層4が成膜されるようにする。すなわち、この実施の形態においては、PLD法におけるターゲット前方にプルーム5が効果的に発生するように、成膜条件を選定、例えばパルスレーザエネルギー、T−S間距離等の選定がなされる。
例えば、上述した第1の実施形態においてT−S間距離dを10mmとし、2〜4WのYAGレーザを用いる場合において、同一PLD装置にあってこの第2の実施の形態においてT−S間距離を10mm〜20mmにおいて、6〜9WのYAGレーザの高いエネルギー照射とする。
図11は、T−S間距離を10mm,15mm,20mmとし、レーザエネルギーを3.3〜8.8Wの範囲で変化させて、それぞれプルームを利用した加熱によるPLD法によって、50%Fe−Pt磁性層を成膜したときの、成膜直後の試料についてそれぞれの保磁力の測定結果を示した図である。図11中白丸印、黒丸印、二重丸印は、それぞれT−S間距離を10mm、15mmおよび20mmとした場合である。これによれば、T−S間距離が10mm〜15mmで、保磁力が高いすなわちfct規則相の成膜による磁性層4が形成される。
また、図12は、図11の符号aを付して示したプロット点に関する試料についての磁化曲線であり、これによれば高い保磁力を有することがわかる。
図13は、そのPLD法におけるレーザエネルギーを8.0Wとしたときの、プルームを利用した加熱がなされたPLD法による成膜についての2θX線回折による結晶構造の測定結果を示す図である。図13中曲線10、15及び20は、T−S間距離をそれぞれ10mm,15mm,20mmとした場合である。これによって明らかなように、T−S間距離をそれぞれ10mm,15mmとするとき規則相の成膜がなされるが、T−S間距離20mmとしたとき、規則相と不規則相とが混在してくることがわかる。しかしながら、T−S間距離が20mmにおいても規則相と不規則相とが混在することがわかったことから、成膜の諸条件の最適化、例えばレーザエネルギーの更なる向上などによってT−S間距離が20mmにおいても規則相の成膜も可能であることが理解される。
上述したように、PLD法による成膜の後に熱処理を行う本発明製造方法,PLD法による成膜において、プルーム熱を利用するいずれの方法においても、高い保磁力を有する白金系のハード磁性層による磁性体を得ることができる。高い硬磁性膜化するための熱処理温度の低減化が図られるものである。
そして、本発明は、低温熱処理で、ハード磁性体の形成ができることから、種々の用途に対する磁性体として用いることができる。
例えば各種磁気特性を利用したメモリや、高密度磁気記録媒体への適用ができる。
そして、例えば磁気記録媒体において非磁性フィルムベースを耐熱性の低い樹脂フィルムを用いて、高保磁力、したがって、高記録密度の磁気記録媒体を構成することができる。
また、本発明製造方法によれば、成膜速度が速いこと、低温化によって、生産性の向上がはかられるものである。
また、高い保磁力を有し、白金系であるために耐熱性、安定性を有することから、医療用の磁石、例えば歯科用のアタッチメントの製造に適用して好適である。
また、液体中、例えば血管の血液中に外部磁場によって泳動させる例えば医療用の泳動マイクロマシンを構成することができる。
図14AおよびBは、この医療用の泳動マイクロマシンの一例の斜視図および断面図であり、この場合、例えば直径20μmのコイル状の芯材5の表面に、本発明製造方法によって被覆磁性体層6を被着した場合である。
この芯材5は、タングステングW線によることもできるが、例えば使用態様によっては、より柔軟性を有する樹脂のコイルの表面に本発明製造方法によるハード磁性膜6の被服磁性体層6を被着形成し、これを所要パターンに着磁することによって、泳動マイクロマシンを構成することができる。
この構成によれば、泳動マイクロマシンを所要の粘性を有するオイル、水等の液体、ある血液中において、外部から所要磁界強度および回転速度をもって回転する回転磁場を印加することによって、コイルを回転させて、このコイルの回転によって、スクリュウの作用によってその軸方向に推進泳動させることができる。
そして、本発明製造方法によれば、レーザアブレーションによるPLDの適用によって細線状の基体に対しても強固に磁性体層の被着ができる。また高い保磁力を有することから、微細な磁石を構成することができ、従来構造のように、磁石上に、これは別体のスクリュウを形成するワイヤ等を巻きつける構成によらず、磁石とスクリュウとを兼ねたコイル状の微細泳動マイクロマシンを構成することができるものである。
したがって、本発明の適用によって医療用として求められているより微小なすぐれた泳動マイクロマシンを構成することができるものである。
なお、上述した例では主としてFePt適用する場合について説明したものであり、このFe50Pt50においては、7[MJ/m]を示す。
しかしながら、本発明はfct規則構造となる他の磁性体、例えばCoPt等に適用することもできるなど、上述した例に限られるものではない。
本発明製造方法の磁性層成膜に適用するPLD法を実施する装置の一例の概略構成図である。 fcc構造の磁性層に対する熱処理温度(Temperature[℃])を変えたときの得られた保磁力(Coercivity)Hc[kA/m])の測定結果を示したグラフである。 不規則相の磁性層に対して400℃で熱処理を行った場合の面内方向の磁気特性を示す磁化曲線である。 PLD法によって成膜したfcc構造の磁性層に対する不規則相から規則相への変態を検証する熱磁気特性を示す図である。 A,BおよびCは、上述したFe(50原子%)−Pt(50原子%)合金ターゲットを用いてPLD法によって成膜したfcc構造の磁性膜の、成膜直後、300℃の熱処理後および400℃の熱処理後のそれぞれのM(磁化)−H(磁界)ループである。 2θX線回折による結晶構造の測定結果を示す図である。 本発明製造方法のPLD法によって成膜した磁性層のX線回折のスペクトル図である。 規則化開始温度の、PLD法におけるT−S間距離dに対する依存性の測定結果を示す図である。 ターゲットと基体との配置が、オフ・アクシスとした場合のfcc構造の磁性層に対するその不規則相から規則相への変態を示す熱磁気特性図である。 本発明製造方法を実施する装置の一例の概略構成図である。 本発明製造方法の実施例の成膜直後の試料についての保磁力の測定結果を示した図である。 本発明製造方法によって得た試料についての磁化曲線である。 プルームを利用した加熱がなされたPLD法による成膜についての2θX線回折による結晶構造の測定結果を示す図である。 AおよびBは本発明を医療用泳動マイクロマシンに適用した場合の一例の側面図および断面図である。 従来一般のスパッタリング法によって成膜したfcc構造の磁性層に対する不規則相から規則相への変態を検証する熱磁気特性を示す図である。 AおよびBは、従来一般のスパッタリング法によって成膜した磁性層に対しての300℃および400℃熱処理後のそれぞれのM―Hループである。 従来のスパッタリング法によって成膜した磁性層のX線回折のスペクトル図である。
符号の説明
1……ターゲット、2……基体(サブストレイト)、3……パルスレーザ光、4……磁性層、5……芯材、6……被覆磁性体層

Claims (3)

  1. 磁性層を構成するターゲットにパルスレーザ光を照射してレーザアブレーション成膜を行うPLD(Pulsed Laser Deposition)法によって基体上に磁性層を成膜する成膜工程を有し、
    該成膜工程にあってPLD法のプルームを利用した300℃〜500℃未満による加熱成膜を行って上記基体上に規則相の強磁性層を成膜することを特徴とする磁性体の製造方法。
  2. 上記磁性層が白金系磁性層であることを特徴とする請求項1に記載の磁性体の製造方法。
  3. 上記磁性層がFePtもしくはCoPtであることを特徴とする請求項1に記載の磁性体の製造方法。
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