JP4800912B2 - 軽合金製品 - Google Patents

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本発明は、疲労強度が大きく、クラックの発生し難い軽合金製品に関する。
近年、地球環境問題の1つである地球温暖化を防止するために、自動車の燃費改善は重要な課題と認識されている。そこで、自動車の燃費を改善するために、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の軽合金を採用した車両用ホイールが広く普及するようになった。軽合金製の車両用ホイールとしては、高い強度を有する鍛造品と、その鍛造品に比べ量産性に優れ材料歩留まりが高いという長所を有する鋳造品とがある。
ところが、特に鋳造品である軽合金製の車両用ホイールでは、使用される鋳造用軽合金材料の組成と、鋳造欠陥の存在等の理由により、鍛造品に比すると、疲労強度が小さく、亀裂(クラック)発生等の問題が生じ易いという改善すべき点がある。又、鍛造品においても、従来より疲労強度を高めたい、という要望がある。尚、軽合金製品の疲労強度の向上という観点より改善を提案している先行文献は存在しないようである。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、軽合金製の車両用ホイールにおいて、疲労強度を向上させ、亀裂の発生を抑制することにある。研究が重ねられた結果、以下に示す軽合金製品を車両用ホイールに適用することで、上記目的が達成されることが見出された。
即ち、本発明によれば、軽合金材料を用いて鋳造法又は鍛造法によって成形して成形品を得た後に、その成形品の表面に閉空間を形成し、その閉空間に比重が2以上で径がφ5mm以上の球状体又は多面体を少なくとも含む加工材を投入し、その加工材を投入した閉空間が表面に形成された成形品を上下方向に揺動をさせて、加工材を成形品の表面に衝突をさせる、という工程を経て製造された、表面からの深さが500μm以上6000μm以下の部分に、圧縮された応力が残留している軽合金製品が提供される。
本発明に係る軽合金製品においては、表面からの深さが1000μmの部分における上記応力(残留している圧縮された応力)が、100MPa以上であることが好ましい。換言すれば、本発明に係る軽合金製品は、表面からの深さが1000μmの部分における上記応力(残留している圧縮された応力)が100MPa以上とすることが出来るものである。
本発明に係る軽合金製品は、表面からの深さが500μm以上6000μm以下の部分に圧縮された応力が残留しているというところに、物の発明としての構造上の特徴がある。圧縮された応力が残留しているとは、圧縮残留応力が存在することを意味する。上記100MPaは、圧縮残留応力としての値である。一般に、残留応力には、引張応力と圧縮応力があり、前者を+(プラス)の値とした場合、後者は−(マイナス)の値として表現されるから、それに従えば、残留応力としては、上記と同じことが、表面からの深さが1000μmの部分における残留応力が、−100MPa以下である、と表現することが出来る。
本発明に係る軽合金製品は、表面からの深さが1μm以上50μm以下の部分に、表面側と内部側とを区切る断層が形成されているものであることが好ましい。
この断層は、本発明に係る軽合金製品が、軽合金材料を用いて鋳造法又は鍛造法によって成形して成形品を得た後に、その成形品の表面に閉空間を形成し、その閉空間に比重が2以上で径がφ5mm以上の球状体又は多面体を少なくとも含む加工材を投入し、その加工材を投入した閉空間が表面に形成された成形品を上下方向に揺動をさせて、加工材を成形品の表面に衝突をさせる、という工程を経て製造されたものであるという特徴に基づき、発現するものと考えられる。即ち、表面では加工材が衝突することで軽合金材料が延びて引張の残留応力が発生するが、内部では圧縮の残留応力が発生するために、引張と圧縮の残留応力の界面に断層が発生するものと考えられる。換言すれば、本発明に係る軽合金製品は、表面からの深さが500μm以上6000μm以下の部分に圧縮された応力が残留しているものであるが、そこより表面から浅いところでも、残留応力の分布の変化が生じており、残留応力が引張から圧縮へ変化する部分で、断層が現われるものと考えられる。尚、多面体の径は、多面体の中心を通り多面体の外面と外面とを結ぶ距離の最大値と最小値の平均とする。又、成形品とは、表面に加工材の衝突がなされ圧縮残留応力が付与される前の、軽合金製品のことである。
本発明に係る軽合金製品は、車両用ホイールである場合に好適に利用される。
本明細書において、軽合金とは、鋳造用又は鍛造用のアルミニウム合金、マグネシウム合金等を指す。アルミニウム合金としては、日本工業規格(JIS)に基づくAC4C、AC4CH、AC4B、AC4D、AC2A、AC2B、AC3A等を例示することが出来る。マグネシウム合金としては、AZ91、AM60等を例示することが出来る。
本発明に係る軽合金製品は、表面からの深さが500μm以上6000μm以下の部分に、圧縮された応力が残留しているので、表面及び表層に、繰り返し外部応力が加わっても、亀裂の発生が起こり難い。即ち、本発明に係る軽合金製品は、疲労強度が大きいものであり、従来の鋳造品の短所を改善したもの、又は従来の鍛造品の長所を更に伸ばしたもの、ということが出来る。疲労のように、製品の表面に繰り返しの引張応力が負荷としてかかった場合に、圧縮応力が存在していれば、引張応力と相殺され、結果的に疲労強度が改善されるのである。尚、本明細書において、表層とは、表面を除き、表面の近傍を示すものとする。
従来知られたショットピーニング処理によっても、処理を行わない場合と比較すれば疲労強度の向上は実現される。しかし、ショットピーニング処理は、製品の概ね表面だけを処理するに止まるので、疲労強度の改善、亀裂発生防止にかかる効果は限定的である。
本発明に係る軽合金製品は、表面からの深さが500μm以上6000μm以下の部分という、表面から深く、厚い表層部分に、圧縮された応力が残留しているところに、従来にない特徴を備えている。そして、その好ましい態様においては、表面からの深さが1000μmの部分における圧縮残留応力が100MPa以上(残留応力が−100MPa以下)という大きなものであるところにも、特徴を有する。圧縮残留応力は、外部応力が繰り返して加わると、徐々に解放されていくが、本発明に係る軽合金製品は、表面から深く、表面から厚い表層部分に、大きな圧縮残留応力が存在するものであるので、高い疲労寿命を保持し、亀裂の発生が起き難くなっている。
以下、本発明について、適宜、図面を参酌しながら、実施形態を説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではない。本発明の要旨を損なわない範囲で、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良、置換を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明の実施形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は、以下に記述される手段である。
本発明に係る軽合金製品は、表面からの深さが500μm以上6000μm以下の部分に、圧縮された応力が残留しているものである。この軽合金製品は、軽合金材料を用いて鋳造法又は鍛造法によって成形して成形品を得た後に、その成形品の表面に閉空間を形成し、その閉空間に比重が2以上で径がφ5mm以上の球状体又は多面体を少なくとも含む加工材を投入し、その加工材を投入した閉空間が表面に形成された成形品を上下方向に揺動をさせて、加工材を成形品の表面に衝突をさせる、という特定の工程を経て製造される。ショットピーニング処理に使用されるショット材より大きな加工材が使用され、これが成形品の表面に衝突をすることによって、ショットピーニング処理の場合より表面及び表層の深くまで、圧縮残留応力が付与されるのである。
衝突をさせるための揺動の方向は、上下方向である。この方向に揺動をさせることで、加工材が、閉空間の中で上下に移動し、成形品の表面に均一に衝突し易くなる。重力の影響を受け難いからである。従って、成形品は、上下方向に揺動するに際しては、加工材が均一に衝突し易くなるように、成形品の表面が概ね水平になるように、配設される。
本発明に係る軽合金製品では、好ましくは、加工材は、径がφ5mm以上φ20mm以下の球状体又は多面体が、加工材全体の70体積%以上を占めるものである。加工材の比重は2〜10であることが好ましく、5〜10であることがより好ましい。そして、加工材としては、例えば金属球又はセラミック球を含むものが好ましく採用される。金属球又はセラミック球を単独で用いてもよく混合して用いてもよい。金属球として鋼球、ステンレス球が例示され、セラミック球としてジルコニア球、アルミナ球が例示される。比重、硬度、コストの観点より、より好ましい金属球は鋼球であり、より好ましいセラミック球はジルコニア球である。
又、加工材には、カットワイヤ、金属粒、研削剤乃至研磨剤、乾燥砂、等を混合し、加工材を2以上の混合物として用いることも出来る。又、加工材に含まれる球状体又は多面体を、径(大きさ)の異なるものとすることも好ましい。大きさの異なるものを加工材に混在させることにより、加工材が、より均一に漏れなく成形品の表面に対し衝突を繰り返すものと考えられるからである。加工材として混合可能なカットワイヤを例示すると、φ0.6〜1.2mm×長さ0.6〜1.2mmのステンレス製カットワイヤを挙げることが出来る。
加工材の投入量は、閉空間の容積に対し、体積比で概ね5%以上30%以下であることが好ましい。加工材が閉空間の中で自由に動き、加工材と成形品の表面との衝突回数が確保されることを担保するためである。5体積%未満では、加工材は閉空間の中で自由に動くもの、加工材が少なすぎる結果、加工材と成形品の表面との衝突回数及び加圧力が確保されずに、成形品の表面及び表層の深くまで、圧縮残留応力を付与出来ないおそれが生じ、好ましくない。30体積%より多いと、加工材が閉空間の中で自由に動く範囲が限定され、加工材と成形品の表面との衝突回数及び加圧力が確保されずに、同じく成形品の表面及び表層の深くまで、圧縮残留応力を付与出来ないおそれが生じ、好ましくない。
加工材を成形品の表面に衝突をさせるための、(上下方向の)揺動にかかる振動数は、好ましくは3Hz以上30Hz以下である。より好ましい振動数は5Hz以上20Hz以下であり、特に好ましい振動数は8Hz以上15Hz以下である。加工材と成形品の表面との単位時間あたりの衝突回数を確保するためである。振動数が3Hz未満では、加工材と成形品の表面との衝突回数が確保されず、成形品の表面及び表層の深くまで、圧縮残留応力を付与出来ないおそれが生じ、好ましくない。又、加工材の数にもよるが、振動数が30Hzより多いと、振動数を上げるために費やすエネルギー対効果は低下し、成形品に対する負荷が増大するため、好ましくない。尚、本明細書において、振動数とは時間あたり繰り返される揺動の回数を指し、単位はヘルツ(Hz)である。
又、加工材を成形品の表面に衝突をさせるために、上下方向に揺動をさせる場合の揺れ幅は、概ね10mm以上120mm以下であることが好ましい。より好ましい揺れ幅は20mm以上100mm以下であり、特に好ましい揺れ幅は30mm以上80mm以下である。閉空間の中での加工材の移動範囲を適切に設定することを通して、加工材と成形品の表面との単位時間あたりの衝突回数を確保するためである。揺れ幅が10mm未満では、加工材と成形品の表面との衝突回数が確保されず、成形品の表面及び表層の深くまで、圧縮残留応力を付与出来ないおそれが生じ、好ましくない。又、揺れ幅が120mmより大きくても、加工材が成形品の表面及び容器の底面に接している時間が長くなるだけで、加工材と成形品の表面との衝突回数は増加せず、成形品の表面及び表層の深くまで圧縮残留応力を付与する効果は大きくはない。又、揺れ幅が120mmより大きいと、悪振動が増加し、揺動を起こす揺動装置への負担が大きくなり、好ましくない。尚、閉空間は、その鉛直方向の長さ(閉空間高さ)が30〜200mmとなるように形成することが望ましい。
更には、加工材を成形品の表面に衝突をさせるために上下方向に揺動をさせる場合の延べ揺動時間は、概ね10秒以上3分以下であることが好ましい。より好ましい揺動時間は20秒以上2分以下である。加工材と成形品の表面との延べ衝突回数を確保するためである。適切な加工材を適量使用することによって、3分以内の揺動時間で、十分に、成形品に圧縮残留応力を付与することが出来る。延べ揺動時間が10秒未満では、加工材と成形品の表面との延べ衝突回数が確保されず、成形品の表面及び表層の深くまで、圧縮残留応力を付与出来ないおそれが生じ、好ましくない。又、延べ揺動時間が3分より多くても、成形品の表面及び表層の深くまで圧縮残留応力を付与する効果は小さく、即ち、成形品に付与し得る圧縮残留応力は高くはならず、時間対効果は向上しないため、好ましくない。
以下、本発明について実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
(実施例1)(1)後述する方法で試験片を作製し、得られた試験片の1つに対し、その表面に、図3〜図5に示される揺動装置を使用して、加工材の衝突をさせた。具体的には、先ず、開口の大きさが50mm×50mmで深さが70mmのカップ状の容器に加工材を入れ、それらを試験片に被せることで、試験片の表面に加工材を投入した閉空間を形成した。次いで、その加工材を投入した閉空間が表面に形成された試験片を、揺動装置に取り付け、上下方向に揺動をさせることによって、試験片の表面に加工材の衝突をさせた。使用した加工材は、径がφ12mmの鋼球である。加工材の投入量は、閉空間の内容積に対し体積比で10%とした。揺動条件は、振動数が10Hz、揺れ幅が60mm、閉空間の高さが35mm、揺動時間は3分である。
(2)(1)の処理を終えた試験片の、加工材の衝突をさせた側の表面及び表層の残留応力を測定した。結果を表1及び図1に示す。表1及び図1より、表面からの深さが500μm以上3000μm以下の部分において、圧縮された応力が残留していることがわかる。そして、表面からの深さが1000μmの部分に100MPa以上の圧縮された応力が残留し、表面からの深さが2000μmの部分に50MPa以上の圧縮された応力が残留していることがわかる。
(3)(1)の処理を終えた試験片の、加工材の衝突をさせた側の表面及び表層の断面を、走査型電子顕微鏡で観察したところ、表面の側から深さ約5μmの部分に断層が形成されていることが確認された。断面の写真を図2に示す。図2において、D=5μmである。
(比較例1)後述する方法で試験片を作製し、何も処理を施さずに、得られた試験片の表面及び表層の残留応力を測定した。結果を表1及び図1に示す。
尚、試験片の表面及び表層の断面を、走査型電子顕微鏡で観察したところ、断層の形成は認められなかった。
(比較例2)(1)後述する方法で試験片を作製し、得られた試験片の1つに対し、その表面に、ショットピーニング装置(不二製作所製)を使用して、径がφ0.6mmのステンレスカットワイヤの衝突をさせた。吐出圧力は600kPa、処理時間(衝突時間)は10秒である。
(2)(1)の処理を終えた試験片の、ステンレスカットワイヤの衝突をさせた側の表面及び表層の残留応力を測定した。結果を表1及び図1に示す。
(3)(1)の処理を終えた試験片の、ステンレスカットワイヤの衝突をさせた側の表面及び表層の断面を、走査型電子顕微鏡で観察したところ、断層の形成は認められなかった。尚、目視検査によれば、表面はステンレスカットワイヤで削られていることが認められた。
[試験片の作製]鋳造材料としてAC4CH(日本工業規格)アルミニウム合金を採用し、低圧鋳造装置を使用して、鋳造法によって車両用ホイールを成形した。そして、車両用ホイールのディスク部分から、縦70mm×横70mmの大きさで3体の試験片を取り出した。試験片の平均の厚さは、約10mmとした。
[残留応力測定法]X線応力測定法を採用して測定した。具体的な測定条件は、Cr(クリプトン)管球を使用し、X線としてKα線を用いた。2θ角は156.7°、揺動角は6°、揺動スピードは12°/分、コリメータ大きさはφ2mm、管電流は20mA、管電圧は40kV、入射角は0,5,10,15,20,25,30,35,40、応力定数は−92.183MPa/deg、マスキング大きさは5mm×5mmである。尚、不要な応力が試験片に(ノイズとして)入力されないように、深さ方向の測定は、電解研磨によって削り取りながら、行った。
[揺動装置]図3は、実施例で使用した揺動装置を示す上面図であり、図4は、図3におけるA矢視図(正面図)である。図5は、図3のB矢視図(右側面図)であり、錘24を除いて、揺動機構を視た図である。
図3〜図5に示される揺動装置は、原動機36、回転軸40、コンロッド41、揺動板42、リニア軸受43a,43b,43c,43d(直線運動案内器)、及びカウンターウエイト32を有する揺動機構を具備し、その揺動機構は、台板33を介して基台53の上に載置されている。即ち、揺動機構は、台板33の上にまとめて載置され、更に、その台板33が、基台53の上に載置されている。そして、基台53の下には、防振のために4つの空気ばね31が備わり、基台53の上には、空気ばね31の真上に2つの錘24が備わっている。1つの錘24は、2つの空気ばね31と対応して設けられる。回転軸40には、2つのクランク38,39が180°反対方向を向いて備わり、クランク38はコンロッド41を介して揺動板42と接続され、クランク39にはカウンターウエイト32が取り付けられる。台板33には2つの軸受45が取り付けられ、回転軸40は、この2つの軸受45により、台板33と平行に、回転自在に取り付けられる。そして、回転軸40は、ベルト35を介して原動機36(の回転軸)と接続される。リニア軸受は直線運動案内器の1つであり、往復運動を行う揺動板の案内に、例えば玉やころを用いた軸受である。
図3〜図5に示される揺動装置では、揺動にかかる動力は、原動機36により与えられる。原動機36で生じた回転運動は、伝導部材であるベルト35により回転軸40に伝わり、これを回転させ、その回転軸40の回転運動は、それに備わるクランク38によって往復運動に変換される。より具体的には、原動機36(の回転軸)に設けられたプーリー37と、回転軸40に設けられたプーリー34と、がベルト35で接続され、原動機36で生じた回転運動は、回転軸40へ伝達される。インバータによる原動機36の回転制御と併せて、これらプーリー34,37の径等を変更することによって、回転軸40の回転数を制御することが可能であり、この回転数の制御によって、揺動板42の上下の往復運動にかかる揺動数(振動数)を制御することが可能である。そして、クランク38とコンロッド41を介し接続される揺動板42は、直線運動案内器として設けられた4つのリニア軸受43a,43b,43c,43dに沿って、上下方向に(図4における矢印の方向に)、直線状の往復運動を行う。クランク39にはカウンターウエイト32が取り付けられているから、揺動板42の往復運動にともなって発生する悪振動は、打ち消され、抑制される。
図3〜図5に示される揺動装置を使用し、加工材を投入した閉空間が表面に形成された試験片を、試験片の表面が(図4において)水平になるように、揺動板42に取り付けておけば、加工材を投入した閉空間が表面に形成された試験片を上下方向に揺動をさせることが可能である。そして、それによって閉空間の中で加工材が上下方向に移動し、加工材を試験片の表面に衝突させることが出来る。
本発明に係る軽合金製品は、車両用部品として利用することが出来る。特に、鍛造品に劣らない機械的性質を有する車両用ホイールとして好適に利用される。
実施例における残留応力測定結果を示すグラフであり、表面からの深さと残留応力値との関係を表したものである。 実施例における試験片の断面を表した図面代替写真である。 実施例で使用した揺動装置を示す上面図である。 図3に示される揺動装置のA矢視図(正面図)である。 図3に示される揺動装置のB矢視図(右側面図)である(錘は除かれている)。
符号の説明
2 揺動装置、24 錘、31 空気ばね、32 カウンターウエイト、33 台板、34,37 プーリー、35 ベルト、36 原動機、38,39 クランク、40 回転軸、41 コンロッド、42 揺動板、43a,43b,43c,43d リニア軸受、45 軸受、53 基台。

Claims (4)

  1. 軽合金材料を用いて鋳造法又は鍛造法によって成形して成形品を得た後に、その成形品の表面に閉空間を形成し、その閉空間に比重が2以上で径がφ5mm以上の球状体又は多面体を少なくとも含む加工材を投入し、その加工材を投入した前記閉空間が表面に形成された前記成形品を上下方向に揺動をさせて、前記加工材を前記成形品の表面に衝突をさせる、という工程を経て製造された、
    表面からの深さが500μm以上6000μm以下の部分に、圧縮された応力が残留している軽合金製品。
  2. 表面からの深さが1000μmの部分における前記応力が、100MPa以上である請求項1に記載の軽合金製品。
  3. 表面からの深さが1μm以上50μm以下の部分に、表面側と内部側とを区切る断層が形成されている請求項1又は2に記載の軽合金製品。
  4. 車両用ホイールである請求項1〜3の何れか一項に記載の軽合金製品。
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