JP4800403B2 - 突板インサート用フィルム及びその製造方法、突板インサート成形品の製造方法 - Google Patents

突板インサート用フィルム及びその製造方法、突板インサート成形品の製造方法 Download PDF

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本発明は、自動車内装用部品、家電製品装飾用部品、表示パネル、操作パネル、アミューズメント機器用操作部品および筐体、通信機器用操作部品および筐体などの成形品表面への装飾に用いられ、とくにインサート成形時に突板が位置ズレしたり、埋没したりせず、又突板表面に吸引痕が残らない突板インサート用フィルム及びその製造方法、突板インサート成形品の製造方法に関するものである。
従来より、自動車の内装等には、その装飾用として突板(突き板ともいう)を用いてインサート成形した突板インサート成形品が用いられている。このような突板インサート成形品を作製する過程は、例えば、特許文献1に開示されている。まず、図10(a)に示すごとく、約200〜500μmの本木突板92を準備する。次いで、不織布に酢酸ビニル系接着剤93を含浸させ、次いで、これを前記突板92に対して熱プレスする。
次いで、図10(b)に示すごとく、前記突板92の裏面に上記接着剤93を介して、ポリカーボネート又はベニア板からなる補強板94を接着して、化粧シート90を得る。次いで、図10(c)に示すごとく、化粧シート90を射出成形金型内にインサートし、その裏面側に成形樹脂99をインサート成形して、化粧シート90を樹脂基材99の表面に組み込んでなる突板インサート成形品97を得る。
特開平11−000983号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の突板を用いたインサート成形では、以下のような問題があった。
まず、樹脂基材表面の一部にのみに前記突板を組み込んだ突板インサート成形品とする場合(図11参照)、前記化粧シートを前記射出成形金型のキャビティ形成面の所定箇所に前記射出成形金型からの真空吸引にて保持した状態で、キャビティ内に成形樹脂を充填することになる。ところが前記化粧シートをいくら真空吸引で保持していても、前記成形樹脂の流れが前記化粧シートの端面(即ち同寸法で積層した前記突板及び前記補強板の端面)にまともにぶつかると、その衝撃で前記化粧シート全体が移動し位置ズレを生じてしまうことがあった。特に、前記突板の外形パターンが複雑であればあるほど、前記化粧シートの端面にまともにぶつかる機会が増し、位置ズレを生じやすくなる。
また、前記成形樹脂の流れが前記キャビティ形成面と前記突板との間に入り込むことがあり、得られる突板インサート成形品は前記成形樹脂に前記突板が一部埋没し、前記突板の表面が不完全にしか露出して見えないという問題もあった。特に、前記突板の外形パターンが複雑であればあるほど、成形樹脂の流れが複雑になり、前記キャビティ形成面と前記突板との間に入り込みやすくなる。
さらには、前記キャビティ形成面に設けられた真空吸引孔から真空引きすることにより前記化粧シートを保持するため、当該真空吸引孔に密着する前記突板の表面に前記真空吸引孔の痕が残るという問題があった。特に、前記突板の外形パターンが複雑であればあるほど、真空吸引孔の形成場所を選ぶのが難しく、その分だけ保持のための真空吸引力を強くしなければならず、痕が残りやすくなる。
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、上記問題を解決し、インサート成形時に突板が位置ズレしたり、埋没したりせず、又突板表面に吸引痕が残らない突板インサート用フィルム及びその製造方法、突板インサート成形品の製造方法を提供することである。
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の突板インサート用フィルム及びその製造方法、突板インサート成形品の製造方法を提供する。
本発明の第1態様によれば、基材フィルムの片面に所定の外形パターンに切断された突板が感圧接着剤層にて貼着され、前記突板の表面に現れる模様によって構成される木目領域とその他の非木目領域とを有することを特徴とする、突板インサート用フィルムを提供する。
本発明の第2態様によれば、前記基材フィルムが、加飾されたものであることを特徴とする、第1態様の突板インサート用フィルムを提供する。
本発明の第3態様によれば、前記基材フィルム及び前記突板が、当該突板を間に挟むように、透明樹脂フィルムで連続して被覆されていることを特徴とする、第1態様又は第2態様に記載の突板インサート用フィルムを提供する。
本発明の第4態様によれば、台座フィルムの片面に突板を仮固定する工程、
感圧接着剤層の両面にセパレータを設けてなる両面接着フィルムを用い、一方のセパレータを剥離した後、これを前記台座フィルムの前記突板を仮固定した面に前記感圧接着剤層にて貼着する工程、
前記積層体をハーフカット型に位置決めして配置した後、当該ハーフカット型にて前記積層体中の前記突板、前記感圧接着剤層、前記セパレータだけ所定の外形パターンに切断するハーフカット加工を行なう工程、
ハーフカット加工された前記積層体から前記突板、前記感圧接着剤層、前記セパレータの不要部分を除去し、さらに前記感圧接着剤層を覆う前記セパレータを剥離した後、これを基材フィルムの片面に前記感圧接着剤層にて貼着する工程、
前記台座フィルムを、前記基材フィルムに貼着された前記突板から剥離する工程、
を備えたことを特徴とする、突板インサート用フィルムの製造方法を提供する。
本発明の第5態様によれば、さらに、前記台座フィルムを剥離した後に、前記基材フィルム及び前記突板を、当該突板を間に挟むように、透明樹脂フィルムで連続して被覆する工程、を備えたことを特徴とする、第4態様に記載の突板インサート用フィルムの製造方法を提供する。
本発明の第6態様によれば、第1〜第3態様のいずれかの突板インサート用フィルムを用い、これを射出成形金型内に前記基材フィルムとは反対面がキャビティ形成面に沿うように配置する工程、
型閉め後、キャビティ内に成形樹脂を充填することにより前記突板インサート用フィルムと成形樹脂とが一体化した突板インサート成形品を得る工程、
を備えたことを特徴とする、突板インサート成形品の製造方法を提供する。
本発明の第7態様によれば、前記突板インサート用フィルムを前記キャビティ外にて固定する工程、
前記突板インサート成形品を前記射出成形金型内から取り出したのち、前記突板インサート用フィルムの不要部分を除去する工程、
を備えたことを特徴とする、第6態様に記載の突板インサート成形品の製造方法を提供する。
本発明の第1態様によれば、基材フィルムの片面に所定の外形パターンに切断された突板が感圧接着剤層にて貼着され、前記突板の表面に現れる模様によって構成される木目領域とその他の非木目領域とを有する突板インサート用フィルムであるので、これを射出成形金型内に前記基材フィルムとは反対面がキャビティ形成面に沿うように配置すると、キャビティ内に成形樹脂を充填しても前記突板の位置が移動しない。これは前記キャビティ内で前記突板とその周囲を前記基材フィルムで覆っていることによって、前記成形樹脂の流れが当該前記突板の端面にまともにぶつからず、前記基材フィルムに沿って流れるからである。
また、前記キャビティ内で前記突板とその周囲を前記基材フィルムで覆っていることによって、前記成形樹脂の流れが射出成形金型の前記キャビティ形成面と前記突板との間に入り込まず、得られる突板インサート成形品は前記成形樹脂から前記突板の表面が完全に露出して見える(図3参照)。なお、前記基材フィルムとして加飾されたものを用いれば、前記非木目領域においても装飾できる。
また、第1態様において、前記基材フィルム及び前記突板が、当該突板を間に挟むように、透明樹脂フィルムで連続して被覆されているようにしてもよい。この場合、表面保護のほか、インサート成形後の成形収縮で前記突板が前方へ押し出されるのを防ぐことができる。
本発明の第4態様によれば、台座フィルム上で突板及び感圧接着剤層を所定の外形パターンにハーフカット加工しておき、当該外形パターンに切断された突板を直接触れることなく基材フィルムに転写することにより突板インサート用フィルムを得るので、複雑な外形パターンに切断された突板であっても、前記基材フィルムに容易に貼着することができる。前記製造方法によらず突板を前記基材フィルムにそのまま貼着する場合、当該突板の片面に前記感圧接着剤層を形成した後にその接着面に触れないように端面を把持しながら前記基材フィルム上まで移動させることになる。ところが複雑な外形パターンで且つ厚みの薄い突板は把持しづらいため、その端面への力の押圧加減や押圧方向をコントロールできず当該突板を破壊してしまったり、予定の場所からずれて貼着してしまったりする。第4態様の製造方法によればこのような問題は生じない。
また、第4態様において、前記台座フィルムを剥離した後に、前記基材フィルム及び前記突板を、当該突板を間に挟むように、透明樹脂フィルムで連続して被覆してもよい。この場合、前記したように、表面保護のほか、インサート成形後の成形収縮で前記突板が前方へ押し出されるのを防ぐことができる。
本発明の第6態様によれば、前記突板インサート用フィルムを用いてインサート成形を行なうので、前述したように、突板が位置ズレしたり、埋没したりしない前突板インサート成形品を得ることができる。
また、第6態様において、前記突板インサート用フィルムを前記キャビティ外にて固定するようにすれば、キャビティ内の前記突板も容易に固定できるため、前記キャビティ形成面の前記突板と接触する部分に真空吸引孔を設けないでおくこともできる。すなわち、前記木目領域のみならず前記非木目領域にも前記真空吸引孔の痕が残らないようにすることができる。
本発明にかかる突板インサート用フィルムの一実施例を示す断面図である。 本発明にかかる突板インサート成形品の一実施例を示す斜視図である。 本発明にかかる突板インサート成形品を切断した図である。 本発明にかかる突板インサート用フィルムの別の実施例を示す断面図である。 本発明にかかる突板インサート用フィルムの製造工程の一実施例を示す断面図である。 本発明にかかる突板インサート用フィルムの製造工程の別の実施例を示す断面図である。 本発明にかかる突板インサート用フィルムの製造工程の別の実施例を示す断面図である。 本発明にかかる突板インサート用フィルムを用いた突板インサート成形品の製造工程の一実施例を示す断面図である。 本発明にかかる突板インサート用フィルムを用いた突板インサート成形品の製造工程の別の実施例を示す断面図である。 従来技術にかかる突板をインサート成形してなる突板インサート成形品の製造工程を示す断面図である。 従来技術にかかる突板をインサート成形品を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る突板インサート用フィルム及びその製造方法、突板インサート成形品の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明にかかる突板インサート用フィルムの一実施例を示す断面図である。図1の突板インサート用フィルム1は、基材フィルム2の片面に所定の外形パターンに切断された突板4が感圧接着剤層3にて貼着され、前記突板4の表面に現れる模様によって構成される木目領域1aとその他の非木目領域1bとを有している。前記突板4は、木材を薄く削いだ単版のことであり、一般に内装材や家具なので表面化粧材として用いられるものである。本発明において、前記突板4の厚みは150μm〜500μmである。厚みが150μmに満たないと透けてしまうし、厚みが500μmを超えると曲面に沿わせて設けることが難しくなる。
より好ましくは150μm〜300μmである。前記突板4には、色合いや木目の美しいウォールナット、チェリー、メープル、檜、樺、桐、楠、杉、ケヤキ、コクタン、サペリ、シナ、スプルス、カリン、ゼブラ、セン、タモ、チーク、ナラ、ニレ、ホワイトオーク、マホガニーなどの樹木を用いるとよい。前記突板4の表面に現れる模様には、柾目、板目、杢目などがある。
本発明においては、前記突板4は所定の外形パターンに切断されたものであり、前記基材フィルム2の片面に部分的に存在する。当該外形パターンは、例えば図2に示すような複雑な形状のものが可能であり、装飾性に優れた突板インサート成形品を得ることができる。
前記基材フィルム2の材質としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、ビニロン樹脂、アセテート樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の樹脂を使用することができる。特に好ましくはアクリル系樹脂である。前記基材フィルム2の膜厚としては、75μm〜200μmのものを使用することができる。射出成形に使用する樹脂と、基材フィルムが、熱による溶融によって密着する組み合わせであれば、背面への接着インキ塗布の工程が不要となる
また、前記基材フィルム2として加飾されたものを用いれば、前記非木目領域1bにおいても装飾できる。例えば、前記基材フィルム2に単色印刷を全面的に設けたり、前記基材フィルム2に着色材を含有させたりしてもよい。また、前記基材フィルム2の表面に艶消しやヘアラインなどの微細凹凸模様を設けてもよい。さらには、これらを組み合わせてもよい。
前記感圧接着剤層3としては、アクリル系の感圧性接着剤(PSA)などを用いることができる。例えば、3M社製の「高透明接着剤転写テープ:8142」(両面のセパレータはPET)などを用いて形成する。なお、前記感圧接着剤層3は、前記突板4の下に配置するため、透過率は低くても問題はない。
次に、本発明に係る上記突板インサート用フィルムの製造方法について説明する。
すなわち、例えば図5に示す如く、台座フィルム17の片面に突板4を仮固定し、感圧接着剤層3の両面にセパレータ18、19を設けてなる両面接着フィルムを用い、一方のセパレータ18を剥離した後、これを前記台座フィルム17の前記突板4を仮固定した面に前記感圧接着剤層3にて貼着する[図5(A)、(B)、(C)]。次いで、前記積層体をハーフカット型20に位置決めして配置した後、当該ハーフカット型20にて前記積層体中の前記突板4、前記感圧接着剤層3、前記セパレータ19だけ所定の外形パターンに切断するハーフカット加工を行なう[図5(D)]。
ハーフカット加工された前記積層体から前記突板4、前記感圧接着剤層3、前記セパレータ19の不要部分21を除去し、さらに前記感圧接着剤層3を覆う前記セパレータ19を剥離した後、これを基材フィルム2の片面に前記感圧接着剤層3にて貼着し[図5(E)、(F)、(G)]、最後に、前記台座フィルム17を前記基材フィルム2に貼着された前記突板4から剥離して前記突板インサート用フィルム1を得る。
前記台座フィルム17は、半導体・光学部品・電子部品製造におけるダイシング工程においてワークを固定する時などに使用されるダイシングテープ等を用いることができる。例えば、サンエー化研製の「SL216F」(ポリエチレン製で粘着材はアクリル系、フィルム厚0.016mm)や日東電工製の「R410」などがある。また、前記ハーフカット型20としては、トムソン型やピナクル型などを用いることができる。
また、図5に示す製法にて突板インサート用フィルムを得た後、前記基材フィルム2及び前記突板4が、当該突板4を間に挟むように、透明樹脂フィルム5で連続して被覆されているようにしてもよい(図4参照)。前記透明樹脂フィルム5としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、ビニロン樹脂、アセテート樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の樹脂を使用することができる。前記透明樹脂フィルム5の被覆方法としては、ドライラミネート、ホットメルトラミネートなどの接着剤を使用したラミネート法や押出しラミネート法などがある。
また、図6に示すように前記台座フィルム17、前記突板4、前記感圧接着剤層3、前記セパレータ19からなる積層体を貫通する位置決め穴22を開ける工程を備え、当該位置決め穴22を用いて前記ハーフカット型20への位置決めを行なうこともできる。さらに、前記台座フィルム17を剥離する前に前記位置決め穴22に合わせて(図7参照)、あるいは前記台座フィルム17を剥離した後に、前記基材フィルム2に射出成形金型7、8や打抜用金型13、14への位置決めための位置決め穴23を設けてもよい。
最後に、本発明に係る上記突板インサート用フィルムを用いた突板インサート成形品の製造方法について説明する。
すなわち、例えば図8の断面概略工程説明図に示す如く、上記の様にして得た前記突板インサート用フィルム1を適当な温度に加熱し、該突板インサート用フィルム1の基材フィルム2を内側にして予備成形用金型12に押付け、突板インサート成形品11の外形・寸法に応じた形状に予備成形する[図8(A)、(B)]。次いで、成形された前記突板インサート用フィルム1を脱型した後、これを打抜用金型13、14にセットし、これら金型13、14に設けられたカット用の凹凸13a、14aによって不要部分15を切除する[図8(C)、(D)、(E)]。
不要部の切除された前記突板インサート用フィルム1は、次いでキャビティ型7とコア型8からなる割型構造の射出成形用金型内に挿入し、前記キャビティ型7のキャビティ形成面に前記基材フィルム2とは反対面が沿うようにセットし、前記キャビティ形成面に前記基材フィルム2に対向するように設けた真空吸引孔7aにて真空吸引して前記突板インサート用フィルム1を保持し、型閉め後、前記コア型8に設けられたゲート8aから成形樹脂9をキャビティ16に注入することによって射出成形する[図8(F)、(G)]。その後、成形樹脂9が冷却固化してから脱型し、樹脂成形品10の表面に前記突板インサート用フィルム1が接合一体化したインサート成形品11を得る[図8(H)]。
また、例えば図9の断面概略工程説明図に示す如く、前記突板インサート用フィルム1を適当な温度に加熱し、該突板インサート用フィルム1の基材フィルム2を内側にして予備成形用金型12に押付け、突板インサート成形品11の外形・寸法に応じた形状に成形する[図9(A)、(B)]。次いで、冷却固化してから成形された前記突板インサート用フィルム1を脱型した後[図9(C)]、これを前記キャビティ型7のキャビティ形成面に前記基材フィルム2とは反対面が沿うように且つキャビティ16外にて固定するようにセットし、コア型8に設けられたゲート8aから成形樹脂9をキャビティ16に注入することによって射出成形する[図9(D)、(E)]。その後、成形樹脂9が冷却固化してから脱型し、樹脂成形品10の表面に前記突板インサート用フィルム1が接合一体化した突板インサート成形品11を得た[図9(F)]。
次いでこれを打抜用金型13にセットし、金型13に設けられたカット用の刃13aによって不要部分15を切除した[図9(G)、(H)、(I)]。なお、前記真空吸引孔7aをキャビティ16外に設ければ、前記突板インサート用フィルム1の前記基材フィルム2に吸引痕が残っても除去することができる。
前記成形樹脂9としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂や、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加した複合樹脂も使用できる。また、成形樹脂9中は着色されていてもよい。
前記突板インサート用フィルム1のフランジ状の不要部15を切除する方法としては、トムソン型やピナクル型などを用いた打抜き法のほか、金型によるプレス法、サンドブラスト法なども採用できる。とくに前記突板インサート用フィルム1の基材フィルム2がアクリル系樹脂からなる場合、前記不要部15がPETフィルムなどと比較すると脆いため、サンドブラスト法などで容易に切除ができる。
また、図9に示す例では、射出成形用金型7、8の型外であらかじめ前記突板インサート用フィルム1を予備成形しているが、射出成形用金型7、8内で予備成形を行なってもよい。
さらに、前記突板インサート用フィルム1が前記透明樹脂フィルムで覆われることなく前記突板を露出している場合、射出成形金型7、8内に挿入前や別の予備成形用金型12での成形前に、乾燥により前記突板4中の水分を減少させておくと金型汚染がされない。恐らく前記突板4内に含まれて水分が金型汚染を引き起こしていたものと推測される。乾燥方法としては、常温乾燥、加熱乾燥などがある。また、得られた突板インサート成形品11が前記透明樹脂フィルムで覆われることなく前記突板を露出している場合、インサート成形後にインサート成形品11の表面保護のためにコーティングを行なってもよい。
[実施例1]
台座フィルムとして市販のダイシングテープ「商品名 」を用い、その仮固定面に縦300mm、横400mm、厚み0.3mmのウォールナット板目の突板を仮固定した。次いで、「3M社製の高透明接着剤転写テープ:8142」を用い、一方のセパレータ(PET)を剥離した後、これを前記台座フィルムの前記突板を仮固定した面にアクリル系の前記感圧接着剤層にて貼着する。次いで、前記積層体をハーフカット型(ピナクル型)に位置決めして配置した後、当該ハーフカット型にて前記積層体中の前記突板、前記感圧接着剤層、残りのセパレータ(PET)だけ図2に示すような複雑な外形パターンに切断するハーフカット加工を行なった。
ハーフカット加工された前記積層体から前記突板、前記感圧接着剤層、前記セパレータの不要部分を除去し、さらに前記感圧接着剤層を覆う前記セパレータを剥離した後、これを縦350mm、横450mm、厚み0.125mmのPMMAからなる基材フィルムの片面に前記感圧接着剤層にて貼着した。最後に、前記台座フィルムを前記基材フィルムに貼着された前記突板から剥離して前記突板インサート用フィルムを得た。
前記突板インサート用フィルムを適当な温度に加熱し、該突板インサート用フィルムの基材フィルムを内側にして予備成形用金型に押付け、突板インサート成形品の外形・寸法に応じた形状に成形した。次いで、冷却固化してから成形された前記突板インサート用フィルムを脱型した後、これをキャビティ型のキャビティ形成面に前記基材フィルムとは反対面が沿うように且つキャビティ外にて固定するように射出成形金型にセットし、コア型に設けられたゲートから成形樹脂としてPC/ABS樹脂をキャビティに注入することによって射出成形した。その後、成形樹脂が冷却固化してから脱型し、ノートPCの天板形状の樹脂成形品の表面に前記突板インサート用フィルムが接合一体化した突板インサート成形品を得た。射出成形金型から突板インサート成形品を取り出した後、サンドブラスト法にて不要部分を切除した。
[実施例2]
前記突板インサート用フィルムについて前記基材フィルム及び前記突板が、当該突板を間に挟むように、厚み0.075mmのPMMAからなる透明樹脂フィルムでドライラミネート法にて連続して被覆されていること以外は、実施例1と同様にした。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本発明は、自動車内装用部品、家電製品装飾用部品、表示パネル、操作パネル、アミューズメント機器用操作部品および筐体、通信機器用操作部品および筐体などの成形品表面への装飾用途に用いることができ、産業上有用なものである。
1 突板インサート用フィルム
1a 木目領域
1b 非木目領域
2 基材フィルム
3 感圧接着剤層
4 突板
5 透明樹脂フィルム
7 キャビティ型
7a 真空吸引孔
8 コア型
8a ゲート部
9 成形樹脂
10 樹脂成形品
11 突板インサート成形品
12 予備成形用金型
13 打抜用金型
14 打抜用金型
15 不要部分
16 キャビティ
17 台座フィルム
18 セパレータ
19 セパレータ
20 ハーフカット型
21 不要部分
22 位置決め穴
23 位置決め穴
90 化粧シート
92 突板
93 酢酸ビニル系接着剤
94 補強板
97 突板インサート成形品
99 成形樹脂

Claims (7)

  1. 基材フィルムの片面に所定の外形パターンに切断された突板が感圧接着剤層にて貼着され、前記突板の表面に現れる模様によって構成される木目領域とその他の非木目領域とを有することを特徴とする、突板インサート用フィルム。
  2. 前記基材フィルムが、加飾されたものであることを特徴とする、請求項1記載の突板インサート用フィルム。
  3. 前記基材フィルム及び前記突板が、当該突板を間に挟むように、透明樹脂フィルムで連続して被覆されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の突板インサート用フィルム。
  4. 台座フィルムの片面に突板を仮固定する工程、
    感圧接着剤層の両面にセパレータを設けてなる両面接着フィルムを用い、一方のセパレータを剥離した後、これを前記台座フィルムの前記突板を仮固定した面に前記感圧接着剤層にて貼着する工程、
    前記積層体をハーフカット型に位置決めして配置した後、当該ハーフカット型にて前記積層体中の前記突板、前記感圧接着剤層、前記セパレータだけ所定の外形パターンに切断するハーフカット加工を行なう工程、
    ハーフカット加工された前記積層体から前記突板、前記感圧接着剤層、前記セパレータの不要部分を除去し、さらに前記感圧接着剤層を覆う前記セパレータを剥離した後、これを基材フィルムの片面に前記感圧接着剤層にて貼着する工程、
    前記台座フィルムを、前記基材フィルムに貼着された前記突板から剥離する工程、
    を備えたことを特徴とする、突板インサート用フィルムの製造方法。
  5. さらに、前記台座フィルムを剥離した後に、前記基材フィルム及び前記突板を、当該突板を間に挟むように、透明樹脂フィルムで連続して被覆する工程、を備えたことを特徴とする、請求項4に記載の突板インサート用フィルムの製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかの突板インサート用フィルムを用い、これを射出成形金型内に前記基材フィルムとは反対面がキャビティ形成面に沿うように配置する工程、
    型閉め後、キャビティ内に成形樹脂を充填することにより前記突板インサート用フィルムと成形樹脂とが一体化した突板インサート成形品を得る工程、
    を備えたことを特徴とする、突板インサート成形品の製造方法。
  7. 前記突板インサート用フィルムを前記キャビティ外にて固定する工程、
    前記突板インサート成形品を前記射出成形金型内から取り出したのち、前記突板インサート用フィルムの不要部分を除去する工程、
    を備えたことを特徴とする、請求項6に記載の突板インサート成形品の製造方法。
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