JP4800198B2 - タイヤトレッド組成物のためのブロックコポリマーの調製方法、及びそれらのコポリマー - Google Patents

タイヤトレッド組成物のためのブロックコポリマーの調製方法、及びそれらのコポリマー Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、架橋状態において減少されたヒステリシスの硫黄架橋性ゴム組成物に用いることのできる官能性、カップリング又はスター(star)化されたブロックコポリマーの調製方法、そのようなブロックコポリマー及びタイヤトレッドに用いることのできるそれを組み込んでいるゴム組成物に関する。本発明はさらに、このトレッド、及びそれを組み込んでいることによって減少した転がり抵抗を有するタイヤに関する。
タイヤ産業界は、混合物のヒステリシスを減少させることにより燃費を制限し、それによって環境を保護しようと絶えず努力している。
このヒステリシスの減少は、その混合物の加工能力を保持又はさらに改善しながら、達成されなければならない。ヒステリシスを減少させるための多くの研究が、すでに行われている。鎖末端の官能性化が、特に有望な方法であるとされている。
提案された方法の多くは、重合の終了後に、例えばスターポリマー又はスズカップリングポリマーに含まれるカーボンブラックと相互作用することのできる隣接した官能基を必要とする。欧州特許第709,235号明細書が、例として挙げられ得る。カーボンブラックと相互作用する他の官能基はさらに、鎖末端、例えばDEABとしても既知の4,4'-ビス(ジエチルアミノベンゾフェノン)、又は他のアミン官能基に付着する。仏国特許第2,526,030号明細書及び米国特許第4,848,511号明細書が、例として挙げられ得る。
数年前から、それにシリカを用いるのが可能となり、この充填剤と相互作用することのできる官能基を見出すための研究が行われた。仏国特許第2,740,778号明細書は、例えばシラノール基を含む官能基を開示しており、特にこれに関連して挙げられ得る。さらに、アルコキシシラン又はアリールオキシシラン官能基を開示している米国特許第5,066,721号明細書、又はそれとは別に米国特許第3,244,664号明細書が挙げられ得る。
これらの解決法の多くは、カーボンブラック又はシリカのいずれでも、ヒステリシスを真に制限し、対応する組成物の強化レベルを増加させる。残念ながら、さらに一般的に、これらの改良が、これらの組成物の加工をより困難にする場合がある。
従って、混合物の加工に影響を及ぼさずにヒステリシスを減少させる他の方法が要求される。
特に、低いヒステリシス潜在能力を有するポリマー、特にポリイソプレンを用いることが、有望な方法であるとされている。しかし、このタイプのポリマーを直接用いることは、動的モジュラス及びヒステリシスの間に、十分な妥協を必ずしも提供しない。
この不都合を克服するために、ポリイソプレンブロックを含むブロックコポリマーを用いる試みが行われた。
ブロックコポリマーは一般的に、分離した相における材料からなる。ジブロックポリイソプレン/ポリスチレンコポリマーは、その合成が文献に包括的に記載されており、例として挙げられ得る。これらのジブロックコポリマーは、有益な衝撃抵抗特性を示すことが知られている。
ポリイソプレン及びポリブタジエンブロック(それぞれIR及びBRに省略)を含むブロックコポリマーがさらに、文献に記載されている。
いくつかの後重合反応は、これらのエラストマーを熱可塑性材料に転化させる。例えば、トリブロックBR/IR/BRコポリマーを水素化すると、ブタジエンフラクションは結晶性ポリエチレンを形成し、イソプレンフラクションは弾性のあるエチレン/ブチレン型材料を生じる。
さらに、これらの材料の塩酸処理は、そこに結晶性特性を与え得る。
ジブロックIR/SBRコポリマー(ポリイソプレン/スチレン及びブタジエンのコポリマー)は、欧州特許第438,967号明細書に記載されており、実質的にカーボンブラックを含む補強充填剤に関する。IRブロックの数平均分子量は、好ましくは70,000〜150,000g/molであり、SBRブロックのそれは、好ましくは220,000〜240,000g/molである。さらに、SBRブロックの数平均分子量に対するIRブロックのその割合は、33%よりも多くなければならず、300%程度でもよい。
本書類に記載されるゴム組成物は、可変構造でもよく、前記割合が33%程度のときは層状であり、前記割合が300%程度のときは球状である。
しかし、前記割合のこれら全ての値が33%〜300%の範囲であるにもかかわらず、比較的高い数平均分子量のIRブロックが、IRブロックにおける1,4-結合の高い含有率によって、常に各IR及びSBRブロックに対応する相を著しく分離することに注目すべきである。
さらに、IR/BRブロックコポリマーは、ポリイソプレン及びポリブタジエンの混合物のための相溶性剤として考えられている。
D. J. Zanzig, F. L. Magnus, W. L. Hsu, A. F. Halasa, M. E. Testaによる論文、Rubber Chemistry and Technology vol. 66, pp. 538-549 (1993)は、80%又は50%のIRを含むIR/BRブロックコポリマーの使用を述べており、これに関連して挙げられ得る。これらの関連する内容において、IRブロックの数平均分子量は常に、200,000g/mol以上であり、結果として、これらのコポリマーのブロックはさらに、分離した相を形成する。
これに関連して、R. E. Cohen, A. R. Ramosによる論文、Macromolecules vol. 12, No. 1, 131-134 (1979)がさらに挙げられ得る。この論文では、用いられるジブロックコポリマーが、104,000g/mol、又は133,000g/molの数平均分子量のIRブロックを含む。比較的高い分子量のIRブロック及びBRブロックはさらに、これら2つのブロックと結合した相を、著しく分離する。
本発明の一つの目的は、硫黄架橋性ゴム組成物、例えばタイヤトレッド組成物において有用であり、且つ架橋状態においてこの組成物のヒステリシスを減少させる官能性、カップリング又はスター化されたブロックコポリマーの調製方法に関し、このコポリマーは、そのブロックの少なくとも一つがポリイソプレンから形成されており、少なくとも一つの他のブロックがポリイソプレン以外のジエンエラストマーからなり、1種以上の共役ジエンから生じる単位のモル比が15%よりも多い。この目的は、出願者が思いがけなく発見した以下のことによって達成される。
(i)炭化水素溶媒、IIIA族の金属の化合物A、アルカリ土類金属の化合物B、及び前記ポリイソプレンブロックを形成するためのモノリチウム化ポリイソプレンから形成されるC-Li結合を含むポリマー開始剤Cを含む触媒系を用いるイソプレン以外の少なくとも1種の共役ジエンを含む、1種以上のモノマーの共重合、及び
(ii)この共重合の生成物に、それぞれ1、2又は少なくとも3つのエポキシ基を含む官能性、カップリング又はスター化剤を加えることにより、ポリイソプレン以外のジエンエラストマーから形成される前記ブロックが、官能性、カップリング又はスター化されることにより、
前記ポリイソプレンブロックが、2,500〜20,000g/molの数平均分子量Mn1を有し、ポリイソプレン以外の前記ブロックが、65,000〜350,000g/molの数平均分子量Mn2、及び70%以上のトランス-1,4結合含有率を有する官能性、カップリング又はスター化ブロックコポリマーを調製することが可能となり、
このコポリマーは、このコポリマーとカーボンブラックとの相互作用を向上させることにより、補強充填剤としてカーボンブラックを含むタイヤトレッドのための硫黄架橋性ゴム組成物に用いることができ、本発明のこのコポリマーは、この組成物に対し、架橋状態においては、ヒステリシスの減少を、及び非架橋状態においては、加工性を有意に最適化することを可能にする。
ポリイソプレンブロックのこの減少した分子量が、得られたブロックコポリマーのモデュラスを著しくは減少させないことに注目すべきである。
好ましくは、前記数平均分子量Mn1/Mn2の割合が、実質的に5〜20%である。
本発明の別の特徴では、前記コポリマーの前記又は各ポリイソプレンブロックは、1〜20%のビニル結合(3,4及び1,2)含有率を有する。
特に、参照として、共役ジエンから生じる単位のモル比が15%よりも多い“対照”ジエンエラストマー、例えば共に修飾されていない(すなわち官能性化も、カップリング化も、スター化もされていない)SBRコポリマー又はIR/SBRブロックコポリマーに関するヒステリシスを挙げると、本発明のブロックコポリマーは、これらの“対照”エラストマーに関するヒステリシスよりもさらに減少されたヒステリシスを有する。
共役ジエンから生じる単位のモル比が15%よりも多く、前記ポリイソプレンブロック以外の前記ブロックを形成することのできるジエンエラストマーは、イソプレン以外の4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られる全てのホモポリマー、又は1種以上の共役ジエン同士若しくは1種以上の共役ジエンと8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られる全てのコポリマーを意味するものと理解される。
好適な共役ジエンは、特に、1,3-ブタジエン、2,3-ジ(C1〜C5アルキル)-1,3-ブタジエン、例えば2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエン、フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン及び2,4-ヘキサジエンである。
好適なビニル芳香族化合物は、特に、スチレン、オルト-、パラ-又はメタ-メチルスチレン、市販の混合物“ビニルトルエン”、パラ-tertブチルスチレン、メトキシスチレン及びビニルメシチレンである。
都合よくは、ブタジエン及びビニル芳香族化合物、例えばスチレンをモノマーとして用いて、リチウム化開始剤Cに存在するポリイソプレンと共重合するのが、IR及びSBRブロックコポリマーを得るのに好ましい。
本発明のブロックコポリマーを調製するのに用いられる前記触媒系に関し、用いることのできる前記化合物Aの代表例として、以下の有機金属化合物、
ハロゲン化されていても又はされていなくてもよい有機アルミニウム化合物、例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド又はメチルアルミニウムセスキクロライド;ジアルキルアルミニウム、例えばジエチルアルミニウムヒドリド及びジイソブチルアルミニウムヒドリドが挙げられ得る。
好ましくは、炭素原子の数が1〜12個であるトリアルキルアルミニウム、好ましくはトリオクチルアルミニウムが、前記化合物Aとして用いられる。
以下のものを化合物Bとして特に用いることができ、すなわち、水素化物H2Ba及びH2Sr、式(R-COO)2Ba又はSr、R1-(COO)2Ba又はSr(式中、R及びR1は有機基、前者は1価であり、後者は2価)のモノ又はポリ官能性有機酸塩、対応するチオ酸、モノ又はポリ官能性アルコラート及び対応するチオラート;モノ又はポリ官能性フェナート及び対応するチオフェナート;Ba又はSrヒドロキシ酸及びフェノール酸塩及び対応するチオ生成物;例えばBa又はSrとアセチルアセトン、ジベンゾイルメタン、テノイルトリフルオロアセトン、ベンゾイルトリフルオロアセトン又はベンゾイルアセトンとの反応生成物であるBa又はSrβ-ジケトナート;例えば1,1-ジフェニルエチレン、1,2-アセナフチレン、テトラフェニルブタン、α-メチルスチレン、又はそれとは別に、例えばジフェニルバリウム又は-ストロンチウム、ビス(シクロペンタジエニル)バリウム又は-ストロンチウム、トリアルキルシリルバリウム又は-ストロンチウム、又はトリフェニルシリルバリウム又は-ストロンチウムである有機Ba又はSr誘導体;例えばフェニルバリウムヨウ化物、メチルストロンチウムヨウ化物、第二級アミンのBa又はSr塩である混合有機誘導体;Ba又はSrベンゾフェノン、Ba又はSrシナモン及び対応するアルキル化生成物などのケチル金属及び硫化同族体;例えばナフタレン、アントラセン、クリセン、ジフェニルなどであるBa及びSrのラジカルイオンである。
さらに、化合物Bとして、カルシウムアルコラートを用いるのが可能である。
好ましくは、バリウムアルコラート、都合よくはバリウムエチルジグリコラート又はバリウムノニルフェノキシドが、前記化合物Bとして用いられる。
非官能性化モノリチウム化ポリイソプレン、すなわち、例えばカルボキシル、アミン、アミド基などのいかなる官能基もなく、好ましくは陰イオン的に得られたものを、C-Li結合を含むポリマー開始剤Cとして用いることができる。
本発明の第一の実施態様は、本発明のこの触媒系が、前記化合物A及び前記化合物Bの前記炭化水素溶媒における反応生成物から生じる共触媒、及び前記ポリマー開始剤C含む。
この第一実施態様の第一の実施例は、本発明の調製方法が、以下の工程を実行することからなる。
・第一工程において、この共触媒を、前記不活性炭化水素溶媒において2種の化合物A及びBを反応させることにより調製する。次に、得られた混合物を、好ましくは20〜120℃の温度まで、さらに好ましくは30〜50℃まで加熱し、2種の化合物A及びBを十分な時間反応させ(一般的に1〜60分、好ましくは20〜40分)、次に
・第二工程において、前記共触媒を、前記ポリマー開始剤Cを除き、共重合され得る前記モノマーを含む重合媒体と接触させ(例えば、溶液で共重合する場合は、重合溶媒の溶液中で行う)、次に
・第三工程において、前記開始剤Cを、得られた重合媒体に加え、前記第二工程で得られた混合物を反応させ、次に
・第四工程において、前記官能、カップリング又はスター化剤を、共重合生成物に加え、及び
その後、官能性、カップリング又はスター化反応を止め、前記官能性、カップリング又はスター化されたブロックコポリマーを得る。
この第一実施態様の第二の実施例は、本発明の調製方法が以下の工程を実行することからなる。
・前記第一実施例に記載と同様の第一工程、次に
・前記ポリマー開始剤Cを、化合物A及びBによって形成される第一工程において得られた前混合物に加え、場合によって、アルキルリチウム化合物を加えた後に加え、触媒系の活性を改善させることからなる第二工程。好ましくは、このアルキルリチウム化合物は、ブチルリチウムであり、次に
・得られた触媒系を、前記モノマーを含む重合媒体に加え、共重合することからなる第三工程(例えば、溶液で共重合する場合は、重合溶媒の溶液中で行う)、次に、
・前記官能性、カップリング又はスター化剤を、共重合生成物に加えることからなる第四工程、及び
その後、官能性、カップリング又はスター化反応を止め、前記官能性、カップリング又はスター化されたブロックコポリマーを得る。
温度条件は前記第一実施例のものと同様である。
本発明の第二の実施態様では、触媒系が、前記炭化水素溶媒における前記化合物A及びCの前混合物と、前記化合物Bとを含む。
この第二実施態様は、例えば以下の手法において行われる。
・第一工程において、前記炭化水素溶媒で前記化合物A及びCの前混合物を製造し、次に
・第二工程において、この前混合物を、前記モノマーを含む重合媒体に加え、重合溶媒における溶液中で共重合し、次に
・第三工程において、前記化合物Bを、前記第二工程で得られた混合物に加え、次に
・第四工程において、前記官能性、カップリング又はスター化剤を、共重合生成物に加え、及び
その後、官能性、カップリング又はスター化反応を止め、前記官能性、カップリング又はスター化されたブロックコポリマーを得る。
本発明の調製方法のこれら2つの実施態様では、試薬A及びBの量は、モル比A/Bが0.5〜5、好ましくは2.5〜4で用いられる。さらに、2種の試薬B及びCの量は、モル比C/Bが0.2〜4、好ましくは1.5〜4で用いられる。
溶液における共重合の場合、重合溶媒は、好ましくは炭化水素溶媒、好ましくはシクロヘキサンであり、重合温度は、20〜150℃、好ましくは60〜110℃である。
さらに、本発明の触媒系のアルカリ土類金属の濃度は、0.01〜0.5mol/L、好ましくは0.03〜0.25mol/Lである。
本発明の共重合は、連続的でも不連続的でもよく、溶媒を用いずに行ってもよいことに注目すべきである。
本発明の修飾されたブロックコポリマーを得るのに用いることのできる具体的な修飾性の官能性、カップリング又はスター化剤に関して、これらの修飾性剤が、それぞれ1、2又は少なくとも3つのグリシジル基を含み、好ましくは、官能性、カップリング又はスター化ブロックコポリマーを得るのが望ましいか否かにより、これらの試薬がより正確には1、2又は少なくとも3つのグリシジルエーテル基を含む。
本発明の別の特徴では、前記又は各グリシジルエーテル基が、アルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル基、好ましくはアリール基と結合している。
本発明の官能性化されたブロックコポリマー(すなわち、単鎖末端であると定義する)を得るには、モノエポキシ基、例えばアルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル基と結合しているモノグリシジルエーテル基を含む官能性剤が用いられ、得られたコポリマーは2つのブロックを有する直鎖(例えばIR/SBR)である。
本発明のカップリングされたブロックコポリマーを得るには、ジエポキシ基、例えばアルキル、シクロアルキル、アリール又はアラルキル基と結合しているビス(グリシジルエーテル)基を含むカップリング剤が用いられ、このコポリマーは3つのブロックを有する直鎖(例えばIR/SBR/IR)であり、2つの末端ブロックはポリイソプレンからなる。
好ましくは、用いられるカップリング剤は、ビス(4-グリシジルオキシフェニル)メタンである。
本発明のスター化されたブロックコポリマーを得るには、n個(nは3以上自然数)のエポキシ官能基を有する基を含むスター化剤を用いることにより、n個の分枝を有する分枝コポリマーが得られ、各分枝は、その末端のブロックがポリイソプレンから形成される2つのブロックを含む(例えばSBR/IRブロックを有する分枝)。
本発明に用いることのできるそのようなスター化剤の例として、テトラエポキシ基を含むことにより4つの分枝を有する分枝コポリマーが得られるスター化剤、例えばビス(4-(ジグリシジルアミノ)-フェニル)メタン、及び窒素原子と結合している4つよりも多いエポキシ基を含むスター化剤が挙げられ得る。
本発明の一つの好ましい特徴では、前記修飾性剤の添加は、エポキシ基を有する修飾性剤/Liのモル比が0.2〜1、さらに好ましくは0.3〜0.8であるように行われる。
実際、本発明において行われる試験では、非修飾ブロックコポリマーと修飾(すなわち、官能性、カップリング又はスター化)ブロックコポリマーとの間の固有粘度における“ジャンプ”又は差異が、コポリマーにおいて達成された修飾の十分な指標を構成し、この比修飾性剤/Liの値が上記の範囲内のあるときに最適となることが示された。
本発明の官能性、カップリング又はスター化されたブロックコポリマーであって、硫黄架橋性ゴム組成物において用いることができ、架橋状態においてヒステリシスが減少され、補強充填剤としてカーボンブラックを含み、前記ブロックの少なくとも一つがポリイソプレンからなり、少なくとも一つの他のブロックがポリイソプレン以外のジエンエラストマーからなり、1種以上の共役ジエンから生じる単位のモル比が15%よりも多いブロックコポリマーは、
・ポリイソプレン以外のジエンエラストマーから形成される前記ブロックが、1、2又は少なくとも3つのエポキシ基をそれぞれ含む官能性、カップリング又はスター化剤によって官能性、カップリング又はスター化され、及び
・前記ポリイソプレンブロックが、2,500〜20,000g/molの数平均分子量Mn1を有し、ポリイソプレン以外のジエンエラストマーから形成される前記ブロックが、65,000〜350,000g/molの数平均分子量Mn2、及び70%以上のトランス-1,4結合含有率を有する、
ようなものである。
本発明の別の特徴では、官能性化されたブロックコポリマーは、前記官能性剤がモノエポキシ基、例えばモノグリシジルエーテル基を含むようなものであり、前記コポリマーは2つのブロックを有する直鎖である。
本発明の別の特徴では、カップリングされたブロックコポリマーは、前記カップリング剤がジエポキシ基、例えばビス(グリシジルエーテル)基を含むようなものであり、前記コポリマーは3つのブロックを有する直鎖であり、各2つの末端ブロックが、ポリイソプレンから形成される。
好ましくは、前記カップリング剤が、ビス(4-グリシジルオキシフェニル)メタンである。
本発明の別の特徴では、スター化されたブロックコポリマーは、前記スター化剤がn個(nは3以上自然数)のエポキシ官能基を有する基を含むようなものであり、前記コポリマーがn個に分枝され、各分枝が、その末端ブロックがポリイソプレンから形成されている2つのブロックを含む
このスター化剤は、例えばテトラエポキシ基を含むことにより、4つの分枝を有する分枝コポリマー、例えばビス(4-(ジグリシジルアミノ)フェニル)メタンが得られるか、又はそれとは別に、窒素原子と結合している4つよりも多いエポキシ基を含むことにより、4つよりも多い分枝が得られる。
好ましくは、本発明のブロックコポリマーは、前記数平均分子量Mn1/Mn2の割合が、5〜20%であるようなものである。
好ましくはまた、本発明のブロックコポリマーは、ポリイソプレン以外の前記又は各ブロックを形成するジエンエラストマーが、ブタジエン及びビニル芳香族化合物、例えばスチレンのコポリマーであるようなものである。
好ましくはまた、本発明のブロックコポリマーは、前記又は各ポリイソプレンブロックが、実質的に1〜20%である3,4及び1,2ビニル結合含有率を有するようなものである。
本発明のゴム組成物は、その全体又は一部がカーボンブラックで形成される補強充填剤を含み、且つ上記に定義した前記官能性、カップリング又はスター化されたブロックコポリマーを含むようなものであり、このコポリマーはこの組成物を、一方で非架橋状態において加工能力を向上させ、且つ架橋状態においてヒステリシスを減少させ、他方で減少した転がり抵抗を有するタイヤトレッドを構成するのに好適とする。
好ましくは、本発明の組成物は、このブロックコポリマーを、50phrよりも多く、場合によって100phr程度の量(phrは、エラストマー100部分当たりの質量部)、さらに好ましくは100phrの量で含む。
好ましくは、前記補強充填剤は、カーボンブラックを大部分の割合で含む(すなわち、50%よりも多い質量フラクション)。
好ましくはまた、補強充填剤は、40phrよりも多い量のカーボンブラックを含む(phrは、エラストマー100部分当たりの質量部)。
カーボンブラックとして、市販されている又は従来からタイヤ、特にトレッドに用いられている全てのブラック、特にHAF、ISAF、SAF型のブラック、好ましくはシリーズ200又は300のブラックが好適である。そのようなブラックの非限定例として、ブラックN234、N339、N347、N375、さらに例えばN115及びN134であるシリーズ100のブラックが挙げられ得る。
もちろん、“カーボンブラック”はさらに、前記補強充填剤の全て又は一部を形成するのに用いることのできる異なるカーボンブラックの混合物を意味すると理解される。
補強充填剤はさらに、補強無機充填剤を、好ましくは少数の割合(すなわち、50%よりも少ない質量フラクション)で含んでいてもよい。
本出願において、“補強無機充填剤”は、既知の手法において、その色及びその起源(天然又は合成)に関わらず、さらにカーボンブラックと対照的に“白い”充填剤又は時に“透明な”充填剤として呼ばれる無機又は鉱物充填剤を意味すると理解され、この無機充填剤は、それ自体で、中間カップリング剤以外のいかなる他の方法も用いずに、タイヤのためのゴム組成物を補強することができ、言い換えれば、その補強機能によって、従来のタイヤ等級のカーボンブラックに取って代わることができる。
好ましくは、補強無機充填剤の全て又は極めて少なくとも大部分の割合が、シリカ(SiO2)である。用いられるシリカは、当業者にとって既知である任意の補強シリカ、特にBET表面積及びCTAB比表面積の両方が450m2/gよりも少ない任意の沈降又はヒュームドシリカでよいが、高分散性沈降シリカが好まれる。
本明細書において、BET比表面積は、“The Journal of the American Chemical Society”、vol. 60, 309頁, 1938年2月、及び対応するStandard AFNOR-NFT-45007(1987年11月)に記載のBrunauer、Emmett及びTellerの方法に基づく既知の手法において決定する。CTAB比表面積は、同じ1987年11月のStandard AFNOR-NFT-45007に基づいて決定される外表面積である。
“高分散性シリカ”は、エラストマーマトリックスにおいて非凝集及び分散する非常に実質的な能力を有する任意のシリカを意味すると理解され、これは薄い部分における電子又は光学顕微鏡検査による既知の手法で観察することができる。そのような好ましい高分散性シリカの非限定例として、AkzoのシリカPerkasil KS 430、DegussaのシリカBV3380、RhodiaのシリカZeosil 1165 MP及び1115 MP、PPGのシリカHi-Sil 2000、HuberのシリカZeopol 8741又は8745、及び沈降処理シリカ、例えば欧州特許第735,088号明細書に記載のアルミニウム“ドープ”シリカが挙げられ得る。
補強無機充填剤が存在する物理形態は、無形であり、粉末、微小ビーズ、顆粒又はそれとは別に球の形状のいずれかである。もちろん、“補強無機充填剤”はさらに、異なる補強無機充填剤、特に例えば上記の高分散性シリカの混合物を意味するとも理解される。
例えば、シリカで部分的又は全体的に被覆されたブラック/シリカ混合物又はブラックが、補強無機充填剤を形成するのに好適である。
さらに、好適な補強無機充填剤は、シリカで修飾されたカーボンブラック、例えば特許明細書WO-A-96/37574に記載の、名称“CRX2000”でCABOTから販売されている充填剤、アルミナ(式Al2O3)、例えば欧州特許第810,258号明細書に記載の高分散性アルミナ、又はそれとは別に水酸化アルミニウム、例えば国際特許明細書WO-A-99/28376に記載のものである。
本発明のゴム組成物は、従来の手法において、補強無機充填剤/エラストマーマトリックス結合剤(“カップリング剤”とも呼ばれる)をさらに含んでいてもよく、その機能は、可能な補強無機充填剤とマトリックスとの間の十分な化学的及び/又は物理的結合(又はカップリング)を確実にし、前記マトリックス内におけるこの無機充填剤の分散を容易にする。
既知の手法では、補強無機充填剤の存在下で、その機能が、無機充填剤(その粒子の表面)とエラストマーとの間に十分な化学的及び/又は物理的結合を与えるカップリング剤の使用を必要とする。
そのようなカップリング剤は、結果的に少なくとも二官能性であり、例えば、簡単な一般式“Y-T-X”(式中、
・Yは、無機充填剤と物理的及び/又は化学的に結合することのできる官能基(“Y”官能基)を表し、そのような結合は、例えばカップリング剤のケイ素原子と無機充填剤の表面ヒドロキシル基との間に確立することができ(例えば、シリカの場合は表面シラノール)、
・Xは、ジエンエラストマーと物理的及び/又は化学的に結合(すなわち、硫黄原子を介して)することのできる官能基(“X”官能基)を表し、
・Tは、YとXとをつなぐことのできる二価の基を表す。)を有する。
タイヤトレッドの製造に用いることのできるジエンゴム組成物において、補強無機充填剤、例えばシリカと、ジエンエラストマー、特に官能基X及びYを生じる有機シラン又はポリ官能性ポリ有機シロキサンとの間の効果的な結合を確実にし得るいかなるカップリング剤も用いてよい。
特に、それらの特定の構造に依存して“対称”又は“非対称”と呼ばれるポリ硫化シラン、例えば仏国特許第2,149,339号明細書、仏国特許第2,206,330号明細書、米国特許第3,842,111号明細書、米国特許第3,873,489号明細書、米国特許第3,978,103号明細書、米国特許第3,997,581号明細書、米国特許第4,002594号明細書、米国特許第4,072,701号明細書、米国特許第4,129,585号明細書、米国特許第5,580,919号明細書、米国特許第5,583,245号明細書、米国特許第5,650,457号明細書、米国特許第5,663,358号明細書、米国特許第5,663,395号明細書、米国特許第5,663,396号明細書、米国特許第5,674,932号明細書、米国特許第5,675,014号明細書、米国特許第5,684,171号明細書、米国特許第5,684,172号明細書、米国特許第5,696,197号明細書、米国特許第5,708,053号明細書、米国特許第5,892,085号明細書、欧州特許第1,043,357号明細書、WO 02/083782に記載のものが用いられる。
本発明を満たすために特に好適なのは、以下の定義に限定することなく、以下の一般式(I)を満たす“対称性”ポリ硫化シランと呼ばれるものである。
(I)Z-A-Sn-A-Z
(式中、
・nは、2〜8(好ましくは2〜5)の整数であり、
・Aは、二価の炭化水素基(好ましくはC1-C18アルキレン基又はC6-C12アリーレン基、特にC1-C10アルキレン、とりわけC1-C4アルキレン、特にプロピレン)であり、
・Zは、以下の式の一つと一致する。
Figure 0004800198
式中、
・基R1は、置換され得てもされ得なくてもよく、同一でも異なっていてもよく、C1-C18アルキル基、C5-C18シクロアルキル基又はC6-C18アリール基(好ましくはC1-C6アルキル基、シクロヘキシル又はフェニル、特にC1-C4アルキル基、さらにメチル及び/又はエチル)を表し、
・基R2は、置換され得てもされ得なくてもよく、同一でも異なっていてもよく、C1-C18アルコキシル基又はC5-C18シクロアルコキシル基(好ましくはC1-C8アルコキシル及びC5-C8シクロアルコキシルから選択される基、さらに好ましくはC1-C4アルコキシル、特にメトキシル及び/又はエトキシルから選択される基)を表す。)
上記式(I)に基づくポリ硫化アルコキシシランの混合物、特に従来から市販されている混合物の場合、“n”の平均値は、好ましくは2〜5、さらに好ましくは4に近い分数である。しかし、本発明はさらに、好ましくは例えば二硫化アルコキシシラン(n=2)で行われてもよい。
ポリ硫化シランの例として、ビス-((C1-C4)アルコキシル-(C1-C4)アルキルシリル-(C1-C4)アルキル)のポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィド又はテトラスルフィド)、例えばビス(3-トリメトキシシリルプロピル)又はビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドが特に挙げられる。これらの化合物の中で、特に、式[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2のビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、略してTESPT、又は式[(C2H5O)3Si(CH2)3S]2のビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、略してTESPDが用いられる。
TESPDは、例えばDegussaにより名称Si75(ジスルフィド(75質量%)及びポリスルフィドの混合物の形態)で、又はそれとは別にWitcoにより名称Silquest A 1589で販売されている。TESPTは、例えばDegussaにより名称Si69(又はカーボンブラックで50質量%まで支持されるときは、X50S)、又はそれとは別にOsi Specialtiesにより名称Silquest A 1289(両方の場合、4に近いnの平均値を有するポリスルフィドの市販混合物)で販売されている。
有利なカップリング剤の例として、ビス-(モノ(C1-C4)アルコキシル-ジ(C1-C4)アルキルシリルプロピル)のポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィド又はテトラスルフィド)、さらに上記の出願WO 02/083782に記載のビス-モノエトキシジメチルシリルプロピルテトラスルフィドが挙げられる。
上記のポリ硫化アルコキシシラン以外のカップリング剤の例として、例えば上記の出願WO 99/02602又はWO 01/96442に記載の二官能性ポリ有機シロキサン、又はそれとは別に例えば上記の出願WO 02/30939及びWO 02/31041に記載などのヒドロキシシランポリスルフィドが特に挙げられる。
本発明の組成物は、エラストマーマトリックスに加え、前記補強充填剤及び場合によって補強無機充填剤/エラストマー結合剤、ゴム混合物に通常用いられる他の添加剤の全て又は一部、例えば可塑剤、顔料、抗酸化剤、抗オゾンワックス、硫黄及び/又は過酸化物及び/又はビスマレイミドのいずれかに基づく架橋系、架橋促進剤、エキステンダーオイル、場合によって補強無機充填剤のための1種以上の被覆剤、例えばアルコキシシラン、ポリオール、アミンなどを含む。
本発明のタイヤトレッドは、例えば上記に定義した架橋性又は架橋ゴム組成物を含むようなものである。
本発明のタイヤは、このトレッドを含むようなものである。
本発明の上記の特徴は、他と同様に、本発明のいくつかの実施例である以下の記載を読むことでより理解され、これらの例は実例として与えられ、且つ制限されない。
以下の例において、100℃におけるムーニー粘度ML(1+4)は、1999年のStandard ASTM D 1646基準に従って測定される(MLに省略)。
SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)を用いて、得られたコポリマーの数平均分子量Mnを決定した。この技術では、高分子は、膨張したときの各サイズによって、多孔性固定相で充填されたカラムにおいて物理的に分離される。
モデル“150C”の名称“WATERS”で販売されているクロマトグラフを、上記の分離に用いる。2つの“WATERS”カラムセットを用い、型は“STYRAGEL HT6E”である。
さらに、炭素13核磁気共鳴(13C-NMR)を用いて、得られたエラストマーの微細構造特性を決定した。このキャラクタリゼーションの詳細は、以下に説明する。
13C-NMR分析は、“Bruker AM250”分光計を用いて行う。炭素13の公称周波数は、62.9MHzである。定量的結果を確実にするために、スペクトルは、“核オーバーハウザー効果”(NOE)を用いずに記録する。スペクトル幅は、240ppmである。用いる角パルスは、90°パルスであり、その持続時間は5μ秒である。広幅プロトンバンドを有する低電力デカップリングを用いて、13C取得中に、スカラー1H-13Cカップリングを除去する。連続反復時間は、4秒である。信号/ノイズ比を増加するために積算する過渡電流数は、8192である。スペクトルは、77ppmにおけるCDCl3バンドに対して較正する。
さらに、“近赤外”(NIR)として既知の検査技術であり、その微細構造を13C-NMR技術によって測定した“対照”エラストマーを用いる間接法を用いた。エラストマーにおけるモノマーの分布と、エラストマーのNIRスペクトルの形状との間にある定量的関係(Beer-Lambert法)を利用する。この技術は2段階で行われる。
a)キャリブレーション
・“対照”エラストマーの各スペクトルを取得する。
・PLS(不完全最小二乗法)回帰法を用いる所定のスペクトルに対する微細構造を伴う数理的モデルを組み立て、これはスペクトルデータの要因分析に基づく。以下の2つの書類は、データ分析のこの“多変形”方法の理論及び実践の十分な記載を提供する。
(1)P.GELADI及びB.R.KOWALSKI
“Partial Least Squares regression: a tutorial”、
Analytica Chimica Acta, vol. 185, 1-17(1986)
(2)M. TENENHAUS
“La regression PLS - Theorie et pratique”
Paris, Editions Technip(1998)
b)測定
・サンプルのスペクトルを記録する。
・微細構造を計算する。
例:3つのブロックIR/SBR/IRを有する本発明のカップリングされたコポリマーA及びA'と、カップリングされていない“対照”コポリマーB及びCとの比較
1)3つのブロックIR/SBR/IRを有する本発明のカップリングされたコポリマーAの調製
本発明の触媒系に含まれる共触媒の調製
15mLのシクロヘキサン、3.8×10-3molのバリウムエチルジグリコレート(成分Bのシクロヘキサン溶液)及び13.3×10-3molのトリオクチルアルミニウム(成分Aのシクロヘキサン溶液)を、窒素下で保持された0.25Lの瓶に入れる。この混合物を40℃で20分間攪拌し、前記共触媒を形成する。
リチウム化ポリイソプレンから形成されるポリマー開始剤Cの調製
154mLのシクロヘキサン及び44mL(30g)のイソプレンを、窒素下で保持された0.25Lの瓶に入れる。3×10-3molのs-BuLiを加え、重合を50℃で45分間行った。このように得られたMn=10,000g/molのリチウム化ポリイソプレンを、窒素下、-20℃の冷凍室に保持した。
本発明の触媒系を用いる共重合
シクロヘキサン(154mL)、ブタジエン及びスチレンを、窒素下で保持された0.25Lの“対照”瓶、及び本発明を満たすための別の同一な瓶に、各質量比1/0.108/0.100で入れる。0.75mLの前記共触媒(又は75μmolのバリウム当量)、次に176μmolの前記リチウム化ポリイソプレンを加える。重合を、80℃で各2つの瓶で行い、転化されるモノマーの量は、35分後で78%である。この量は、200mmHgの減圧下、110℃で乾燥した抽出物の重さを計ることによって決定する。
重合生成物を含む“対照”瓶では、後者は、リチウムに対して過剰なメタノールによって止まる。測定された固有粘度(“最初の”粘度)は1.25dL/gである。
本発明のカップリング剤を用いるカップリング
ビス(4-グリシジルオキシフェニル)メタン(105μmol)の溶液を、これと同様の重合生成物を含む他の瓶に注入する。
従って、ビス(4-グリシジルオキシフェニル)メタン/Li比は0.60である。80℃における15分の反応後、カップリング反応は、リチウムに対して過剰なメタノールによって止まる。測定された“最終の”固有粘度は、1.82dL/gである。
前記“最初の”粘度に対する、前記“最終の”割合として定義される粘度ジャンプは、ここでは1.45である。このようにカップリングされたポリマーの粘度MLは、47である。
このように得られた3つのブロックIR/SBR/IRを有するコポリマーAを、4,4'-メチレン-ビス-2,6-tert-ブチルフェノールのエラストマー(phr)の100部分当たり0.5部及びN-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミンのエラストマー(phr)の100部分当たり0.3部を加えることによる抗酸化剤処理に付す。このコポリマーは、窒素流のもと、50℃のオーブンにおいて乾燥することで再生する。
SEC技術によって決定されるこのコポリマーAの分子量Mnは、101,000g/molである。SECによって見積もられる残余遊離ポリイソプレンの量は、2%よりも少ない。
このコポリマーAの微細構造は、13C NMRで決定する。
BRトランス-1,4の質量含有率は、79%であり、BRシス-1,4のそれは、16%であり、及びBR1,2のそれは、5%である(これらの各3つの量は、ブタジエン単位に関連する)。
スチレンの質量含有率は、29%である。
IR3,4単位の質量含有率は、8%であり、IRトランス-1,4単位のそれは、24%であり、及びIRシス-1,4単位のそれは、68%である(これら3つの量は、ポリイソプレンブロックに関連する)。
最終的に、このコポリマーAにおけるこのIRブロックの質量フラクションは、9.7%である。
2)3つのブロックIR/SBR/IRを有する本発明のカップリングされたコポリマーA'の調製
本発明の触媒系に含まれる共触媒の調製
15mLのシクロヘキサン、3.8×10-3molのバリウムエチルジグリコレート(成分Bのシクロヘキサン溶液)及び13.3×10-3molのトリオクチルアルミニウム(成分Aのシクロヘキサン溶液)を、窒素下で保持された0.25Lの瓶に入れる。この混合物を40℃で20分間攪拌し、前記共触媒を形成する。
リチウム化ポリイソプレンから形成されるポリマー開始剤Cの調製
154mLのシクロヘキサン及び44mL(30g)のイソプレンを、窒素下で保持された0.25Lの瓶に入れる。3×10-3molのs-BuLiを加え、重合を50℃で45分間行った。このように得られたMn=10,000g/molのリチウム化ポリイソプレンを、窒素下、-20℃の冷凍室に保持した。
本発明の触媒系を用いる共重合
シクロヘキサン(154mL)、ブタジエン及びスチレンを、窒素下で保持された0.25Lの“対照”瓶、及び本発明を満たすための別の同一な瓶に、各質量比1/0.125/0.083で入れる。0.87mLの前記共触媒(又は87.5μmolのバリウム当量)、次に206μmolの前記リチウム化ポリイソプレンを加える。重合を、80℃で各2つの瓶で行い、転化されるモノマーの量は、35分後で78%である。この量は、200mmHgの減圧下、110℃で乾燥した抽出物の重さを計ることによって決定する。
重合生成物を含む“対照”瓶では、後者は、リチウムに対して過剰なメタノールによって止まる。測定された固有粘度(“最初の”粘度)は1.26dL/gである。
本発明の別のカップリング剤を用いるカップリング
1,3-ブタジエンジエポキシド(123μmol)の溶液を、これと同様の重合生成物を含む他の瓶に注入する。
従って、1,3-ブタジエンジエポキシド/Li比は0.60である。80℃における15分の反応後、カップリング反応は、リチウムに対して過剰なメタノールによって止まる。測定された“最終の”固有粘度は、1.75dL/gである。
前記“最初の”粘度に対する、前記“最終の”割合として定義される粘度ジャンプは、ここでは1.39である。このようにカップリングされたポリマーの粘度MLは、50である。
このように得られた3つのブロックIR/SBR/IRを有するコポリマーA'を、4,4'-メチレン-ビス-2,6-tert-ブチルフェノールのエラストマー(phr)の100部分当たり0.5部及びN-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミンのエラストマー(phr)の100部分当たり0.3部を加えることによる抗酸化剤処理に付す。このコポリマーは、窒素流のもと、50℃のオーブンにおいて乾燥することで再生する。
SEC技術によって決定されるこのコポリマーAの分子量Mnは、94,000g/molである。SECによって見積もられる残余遊離ポリイソプレンの量は、2%よりも少ない。
このコポリマーA'の微細構造は、13C NMRで決定する。
BRトランス-1,4の質量含有率は、79%であり、BRシス-1,4のそれは、16%であり、及びBR1,2のそれは、5%である(これらの各3つの量は、ブタジエン単位に関連する)。
スチレンの質量含有率は、23%である。
IR3,4単位の質量含有率は、8%であり、IRトランス-1,4単位のそれは、24%であり、及びIRシス-1,4単位のそれは、68%である(これら3つの量は、ポリイソプレンブロックに関連する)。
最終的に、このコポリマーAにおけるこのIRブロックの質量フラクションは、10%である。
3)ブロックIR/SBRを有するカップリングされていない“対照”コポリマーBの調製
本発明の触媒系に含まれる共触媒の調製
15mLのシクロヘキサン、3.8×10-3molのバリウムエチルジグリコレート(成分Bのシクロヘキサン溶液)及び13.3×10-3molのトリオクチルアルミニウム(成分Aのシクロヘキサン溶液)を、窒素下で保持された0.25Lの瓶に入れる。この混合物を40℃で20分間攪拌し、前記共触媒を形成する。
リチウム化ポリイソプレンから形成されるポリマー開始剤Cの調製
154mLのシクロヘキサン及び44mL(30g)のイソプレンを、窒素下で保持された0.25Lの瓶に入れる。3×10-3molのs-BuLiを加え、重合を50℃で45分間行った。このように得られたMn=10,000g/molのリチウム化ポリイソプレンを、窒素下、-20℃の冷凍室に保持した。
本発明の触媒系を用いる共重合
シクロヘキサン(154mL)、ブタジエン及びスチレンを、窒素下で保持された0.25Lの瓶に、各質量比1/0.108/0.100で入れる。0.49mLの前記共触媒(又は50μmolのバリウム当量)、次に118μmolの前記リチウム化ポリイソプレンを加える。重合を80℃で行い、転化されるモノマーの量は、40分後で68%である。この量は、200mmHgの減圧下、110℃で乾燥した抽出物の重さを計ることによって決定する。測定された固有粘度は1.53dL/gである。得られた2つのブロックを有するコポリマーBの粘度MLは、53である。
ブロックIR/SBRを有するこのコポリマーBを、4,4'-メチレン-ビス-2,6-tert-ブチルフェノールのエラストマー(phr)の100部分当たり0.35部及びN-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミンのエラストマー(phr)の100部分当たり0.10部を加えることによる抗酸化剤処理に付す。このコポリマーは、窒素流のもと、60℃のオーブンにおいて乾燥することで再生する。
SEC技術によって決定されるこのコポリマーBの分子量Mnは、100,000g/molである。SECによって見積もられる残余遊離ポリイソプレンの量は、2%よりも少ない。
このコポリマーA'の微細構造は、13C NMRで決定する。
BRトランス-1,4の質量含有率は、79%であり、BRシス-1,4のそれは、16%であり、及びBR1,2のそれは、5%である(これらの各3つの量は、ブタジエン単位に関連する)。
スチレンの質量含有率は、32%である。
IR3,4単位の質量含有率は、8%であり、IRトランス-1,4単位のそれは、24%であり、及びIRシス-1,4単位のそれは、68%である(これら3つの量は、ポリイソプレンブロックに関連する)。
最終的に、このコポリマーAにおけるこのIRブロックの質量フラクションは、5.5%である。
4)カップリングされていない“対照”SBRコポリマーCの調製
この“対照”SBR Bは、共重合が、上記のリチウム化ポリイソプレンの代わりに(用いられる共触媒は上述と同じ)、リチウム化開始剤としてn-ブチルリチウムによって開始されることを除いて、上記§3)に基いて行われるスチレン及びブタジエンの共重合によって調製される。
シクロヘキサン(154mL)、ブタジエン及びスチレンを、窒素下で保持された0.25Lの瓶に、各質量比1/0.108/0.100で入れる。0.85mLの前記共触媒(又は85μmolのバリウム当量)、次に234μmolのn-ブチルリチウムを加える。重合を80℃で行い、転化されるモノマーの量は、22分後に50%である。この量は、200mmHgの減圧下、110℃で乾燥した抽出物の重さを計ることによって決定する。重合は、リチウムに対して過剰なメタノールによって止まる。測定された固有粘度は、1.59dL/gである。コポリマーSBR Cの粘度MLは、49である。
得られたSBR Cを、上記の抗酸化処理、及び同様の乾燥作業に付す。
SEC技術によって決定される、このSBR Cの分子量Mnは、110,000g/molである。
この“対照”SBR Cの微細構造は、近赤外分光法(NIR)によって決定する。
BRトランス-1,4の質量含有率は、84%であり、BRシス-1,4のそれは、13%であり、及びBR1,2のそれは、3%である(これら各3つの量は、ブタジエン単位に関連する)。
スチレンの質量含有率は、27%である。

Claims (5)

  1. 官能性、カップリング又はスター化されたブロックコポリマーの調製方法であって、
    前記ブロックの少なくとも1つがポリイソプレンからなり、且つ
    少なくとも1つの他のブロックがポリイソプレン以外のジエンエラストマーからなり、 前記ポリイソプレン以外のジエンエラストマーにおいて、1種以上の共役ジエンから生じる単位のモル比が前記ポリイソプレン以外のジエンエラストマー全体の15%よりも多く、
    前記ポリイソプレン以外のジエンエラストマーからなるブロックは、イソプレン以外の4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られるホモポリマー、又は1種以上の共役ジエン同士の共重合若しくは1種以上の共役ジエンと8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られるコポリマーであり、
    前記共役ジエンは、1,3-ブタジエン、2,3-ジ(C1〜C5アルキル)-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエン、フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン及び2,4-ヘキサジエンからなる群から選択され、
    前記ビニル芳香族化合物は、スチレン、オルト-、パラ-又はメタ-メチルスチレン、市販の混合物“ビニルトルエン”、パラ-tertブチルスチレン、メトキシスチレン及びビニルメシチレンからなる群から選択されるものであって、
    以下の工程(i)〜(ii)を有することを特徴とする、調製方法:
    (i)イソプレン以外の少なくとも1種の共役ジエンを含む1種以上のモノマーの共重合を、炭化水素溶媒、IIIA族の金属化合物A、アルカリ土類金属化合物B、及び前記又は各ポリイソプレンブロックを形成するためのモノリチウム化非官能性化ポリイソプレンから形成されるC-Li結合を含むポリマー開始剤Cを含む触媒系を用いて行い、前記ポリイソプレンブロックが、2,500〜20,000g/molの数平均分子量Mn1を有することにより、ポリイソプレン以外のジエンエラストマーから形成される前記ブロックが、70%以上のトランス-1,4結合含有率、及び65,000〜350,000g/molの数平均分子量Mn2を有し、及び
    (ii)前記共重合の生成物に、それぞれ1、2又は少なくとも3つのエポキシ基を含む官能性、カップリング又はスター化剤を加えることにより、ポリイソプレン以外のジエンエラストマーから形成される前記ブロックが、官能性、カップリング又はスター化される。
  2. 官能性、カップリング又はスター化されたブロックコポリマーであって、
    前記ブロックの少なくとも1つがポリイソプレンからなり、且つ
    少なくとも1つの他のブロックがポリイソプレン以外のジエンエラストマーからなり、 前記ポリイソプレン以外のジエンエラストマーにおいて、1種以上の共役ジエンから生じる単位のモル比が前記ポリイソプレン以外のジエンエラストマー全体の15%よりも多く、
    前記ポリイソプレン以外のジエンエラストマーからなるブロックは、イソプレン以外の4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られるホモポリマー、又は1種以上の共役ジエン同士の共重合若しくは1種以上の共役ジエンと8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られるコポリマーであり、
    前記共役ジエンは、1,3-ブタジエン、2,3-ジ(C1〜C5アルキル)-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエン、フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン及び2,4-ヘキサジエンからなる群から選択され、
    前記ビニル芳香族化合物は、スチレン、オルト-、パラ-又はメタ-メチルスチレン、市販の混合物“ビニルトルエン”、パラ-tertブチルスチレン、メトキシスチレン及びビニルメシチレンからなる群から選択されるものであって、
    ・ポリイソプレン以外のジエンエラストマーから形成される前記ブロックが、それぞれ1、2又は少なくとも3つのエポキシ基を含む官能性、カップリング又はスター化剤によって官能性、カップリング又はスター化されており、
    ・前記ポリイソプレンブロックが、2,500〜20,000g/molの数平均分子量Mn1を有し、ポリイソプレン以外のジエンエラストマーから形成される前記ブロックが、65,000〜350,000g/molの数平均分子量Mn2及び70%以上のトランス-1,4結合含有率を有する、
    ブロックコポリマー。
  3. タイヤトレッドを形成するのに用いることができる架橋性又は架橋ゴム組成物であって、全体又は一部がカーボンブラックから形成される補強充填剤を含み、請求項2記載の官能性、カップリング又はスター化ブロックコポリマーを含むことを特徴とする、ゴム組成物。
  4. 請求項3記載のゴム組成物を含む、タイヤトレッド。
  5. 請求項4記載のトレッドを含む、タイヤ。
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