JP4800119B2 - 地中埋設物の浮上防止構造 - Google Patents

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Description

この発明は、地中埋設物の浮上防止構造に関し、特にたとえば、地震に伴う液状化現象により地中埋設物が浮上することを防止する、地中埋設物の浮上防止構造に関する。
従来の地中埋設物の浮上防止構造の一例が、特許文献1に開示されている。この特許文献1のマンホールの浮き上がり防止築造構造では、マンホールの管壁に排水孔を設け、排水孔にキャップを嵌めて、このマンホールおよびマンホールに接続される下水管を地中に埋設し、それらの周囲を礫材で埋めている。そして、地震発生時に多量の間隙水が礫材の間隙に流入すると、その水圧によりキャップが外れて、間隙水は排水孔を通りマンホールの中に流入する。これにより、マンホールの周囲の液状化を抑え、マンホールが浮き上がること防止している。
特開8−165667号公報[E02D 29/12]
特許文献1の従来技術では、マンホールの周囲の間隙水を排出できても、マンホールから離れた下水管の周囲の間隙水を排出することができないため、下水管の周囲の液状化現象は抑えられず、下水管が浮上してしまう。
それゆえに、この発明の主たる目的は、液状化現象による地中埋設物の浮き上がりを防止することができる、地中埋設物の浮上防止構造を提供することである。
請求項1の発明は、側溝、地中に埋設される下水管と当該下水管に接続される複数のマンホールとを含む地中埋設物、地中埋設物の周囲を覆う透水層、隣接するマンホールの間に設けられ、かつその周囲が透水層で覆われる有孔管、および透水層と側溝とを連通させる連通手段を備える、地中埋設物の浮上防止構造である。
請求項1の発明では、たとえば道路(20:実施例において相当する部分を例示する参照符号。以下同じ。)のわきに側溝(12)が設けられ、道路(20)の下の地中に地中埋設物(14、28、30)が埋設される。この地中埋設物(14、28、30)の周囲が透水層(16)で覆われ、透水層(16)と側溝(12)とが連通手段(18、60)で連通される。
これにより、多量の間隙水が透水層(16)に流入すると、間隙水は、連通手段(18、60)により透水層(16)から側溝(12)へ流れ、側溝(12)へ排出される。この結果、透水層(16)に作用する間隙水圧が軽減されて、地震による透水層(16)の液状化が抑えられるため、地中埋設物(14、28、30)の浮き上がりが防止される。
また、地中埋設物(14、28、30)の種類などに係らず、連通手段(18、60)を設けることができるため、どのような地中埋設物(14、28、30)の浮上も防止することができる。
さらに、マンホール(30)から有孔管(50)に高圧洗浄ホースを挿入し、この高圧洗浄ホースから高圧水流を噴射すると、高圧水流は有孔管(50)内の滞積物を除去しながら、有孔管(50)の孔(52)を抜けて透水層(16)へ到達する。このため、透水層(16)の内部の空隙(44)にごみなどが詰まっていても、高圧水流によりごみが吹き飛ばされることにより、透水層(16)の目詰まりが除去される。
請求項2の発明は、側溝、側溝に接続される雨水浸透ます、地中に埋設される地中埋設物、地中埋設物の周囲を覆う透水層、および雨水浸透ますの内部空間と透水層とを連通させる連通手段を備える、地中埋設物の浮上防止構造である。
請求項3の発明は、側溝、地中に埋設される下水管を含む地中埋設物、地中埋設物の周囲を覆う透水層、透水層と前記側溝とを連通させる連通手段、および側溝からの雨水を下水管に流す取付管を備える、地中埋設物の浮上防止構造である。
請求項3の発明では、地表に側溝(12)が設けられ、地下に下水管(28)が埋設されて、下水管(28)の周囲は透水層(16)で覆われる。また、側溝(12)からの雨水を下水管(28)に流すように取付管(32)が敷設され、透水層(16)と側溝(12)とが流入管などの連通手段(18、60)で連通される。
これにより、雨水が側溝(12)に流れると、雨水の一部は、流入管(18)を通り透水層(16)へ流入し、透水層(16)から地中へ浸透する。一方、残りの雨水は、取付管(32)を通り下水管(28)へ流入し、下水道施設へ運ばれる。この結果、浸透する雨量の分だけ、下水道管に流入する雨水が少なくなり、処理場施設の負荷の低減が図られる。
請求項4の発明は、地中埋設物が、下水管に接続される複数のマンホールを含み、隣接するマンホールの間に設けられ、かつその周囲が透水層で覆われる有孔管をさらに備える、請求項3記載の地中埋設物の浮上防止構造である。
請求項4の発明では、複数のマンホール(30)に下水管(28)が接続され、また隣接するマンホール(30)の間に有孔管(50)が設けられて、マンホール(30)、下水管(28)および有孔管(50)が地中に埋設され、これらの周囲が透水層(16)で覆われ、透水層(16)と側溝(12)とが流入管(18)で連通される。
これにより、地震などの際に間隙水が透水層(16)に流入しても、間隙水は透水層(16)から流入管(18)を通り側溝(12)へ排出されるため、透水層(16)における間隙水圧が低減され、透水層(16)の液状化、延いては下水管(28)およびマンホール(30)の浮上が防止される。
また、マンホール(30)から有孔管(50)に高圧洗浄ホースを挿入し、この高圧洗浄ホースから高圧水流を噴射すると、高圧水流は有孔管(50)内の滞積物を除去しながら、有孔管(50)の孔(52)を抜けて透水層(16)へ到達する。このため、透水層(16)の内部の空隙(44)にごみなどが詰まっていても、高圧水流によりごみが吹き飛ばされることにより、透水層(16)の目詰まりが除去される。
請求項5の発明は、側溝、地中に埋設される複数のマンホール、隣接するマンホールの間に設けられる有孔管、マンホールおよび有孔管の周囲を覆う透水層、ならびに側溝と有孔管とを連通させる流入管を備える、地中埋設物の浮上防止構造である。
請求項5の発明では、複数のマンホール(30)および有孔管(50)が地中に埋設され、隣接するマンホール(30)の間に有孔管(50)が設けられて、マンホール(30)および有孔管(50)の周囲が透水層(16)で覆われる。また、地表に側溝(12)が設けられ、側溝(12)と有孔管(50)とが流入管(18)で連通される。
これにより、多量の間隙水が透水層(16)に流入すると、間隙水は、有孔管(50)に浸入し、有孔管(50)から流入管(18)を介して側溝(12)へ排出されるとともに、有孔管(50)を通りマンホール(30)へ排出されるため、間隙水圧が消散されて、透水層(16)の液状化および地中埋設物(14、28、30)の浮き上がりが防止される。
また、側溝(12)からの雨水が流入管(18)に流入すると、雨水が有孔管(50)へ流れ、そこから透水層(16)に浸入して周囲の土中に浸透する。そして、側溝(12)からの雨水に含まれる泥および土などは、雨水と共に有孔管(50)へ流れるが、透水層(16)に直接浸入せずに、有孔管(50)の管底に溜まるため、側溝(12)からの泥などによる透水層(16)の目詰まりを低減できる。しかも、有孔管(50)に挿入した高圧洗浄ホースから高圧水流を噴射すると、透水層(16)のごみが吹き飛ばして透水層(16)の目詰まりを除去しながら、有孔管(50)を洗い流せる。
この発明によれば、地中埋設物の周囲の透水層と側溝とを連通手段で連通させることにより、地震発生時の地盤の間隙水圧が上昇する状態になっても、その水圧を消散することで地盤の液状化を抑え、地中埋設物の浮き上がりが防止される。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1に示すこの発明の一実施例である地中埋設物の浮上防止構造10は、地表部に設けられた側溝12、地中に埋設された地中埋設物14、地中埋設物14の周囲を覆う透水層16、および透水層16と側溝12とを連通する流入管18を備え、地震による透水層16の液状化、延いては地中埋設物14の浮上を防止する。
側溝12は、地表面に敷設された道路20などのわきに設けられ、道路20に沿って長く延びる。側溝12は上部が開口した溝であって、その上部開口が蓋22で覆われる。蓋22には複数の排水孔24が開けられており、道路20からの雨水が排水孔24を通り側溝12へ除去される。また、複数の雨水ます26が間隔を隔てて配置され、各雨水ます26が側溝12と接続される。
地中埋設物14は道路20などの下の地中に埋設され、たとえば下水管28およびマンホール30である。下水管28は側溝12に対して平行またはほぼ並行に敷設され、下水処理場(図示せず)などへ繋がる。下水管28は、取付管32により雨水ます26を介して側溝12と接続され、側溝12からの雨水などを下水処理施設などへ運ぶ。また、下水管28は、排水管34により排水ます36と接続され、建物38から排出され排水ます36および排水管34を通って流入した排水を、側溝12からの雨水とともに下水処理施設などへ運ぶ。
地中埋設物14の周囲に透水層16が設けられる。透水層16は、地中を掘削して掘削溝40を作り、掘削溝40の中に地中埋設物14を設置し、地中埋設物14の周囲に多数の充填材42を充填することにより形成される。掘削溝40の内面と地中埋設物14との間隔が、たとえば100mm程度になるように、透水層16の幅は設定される。しかし、地中埋設物14の幅が小さいと、透水層16の幅も狭くなりすぎるため、この場合には透水層16の幅は、掘削溝40の中で作業員が地中埋設物14の敷設作業などをできる程度の広さ、たとえば600−700mmに設定される。また、透水層16の高さも、透水層16の幅と同様に決定される。そして、掘削溝40の中で透水層16の上に、掘削溝40を形成した際にでた発生土41が充填され、その地表面がアスファルトなどで覆われて、道路20などが設けられる。
透水層16はその内部に充填材42どうしの間の空隙44を有し、空隙44は透水層16の中で連続し、また流入管18により側溝12の内部空間と連通する。充填材42は、透水層16の内部に通水可能な空隙44を形成するものであり、充填材42には、砕石、栗石、リサイクル材としてのレンガ若しくは瓦、あるいはこれらを砕いたもの、またはスラグ若しくはプラスチック片などが用いられる。
流入管18は、図1および図2に示すように、塩化ビニルなどの合成樹脂を用いた樹脂管であり、その内径は、たとえば150mmに設定される。流入管18の基端は側溝12に接続され、その位置は側溝12の底面から上方に設けられ、側溝12の底面からの高さHは、たとえば50mmに設定される。また、流入管18の先端は開放されて透水層16内にもたらされる。つまり、流入管18の先端部が透水層16の中に挿入され、この先端開口が充填材42などにより塞がれずに透水層16の空隙44と接続される。これにより、流入管18は、透水層16の空隙44と側溝12の内部空間とを連通させる連通手段として用いられ、側溝12からの雨水を透水層16に流すことができる。
取付管32は、図1および図3に示すように、塩化ビニルなどの合成樹脂を用いた樹脂管であり、その内径は、たとえば250mmに設定される。取付管32は、雨水ます26および下水管28に接続され、側溝12から雨水ます26に集められた雨水を下水管28に流す。取付管32の基端は雨水ます26に接続され、その接続位置の高さは流入管18の接続位置の高さより低く、側溝12の底面近くの高さに設けられる。これにより、流入管18の接続位置より低いところを流れる側溝12の雨水は取付管32を通り下水管28へ流れ、一方、側溝12の水位が流入管18の接続位置の高さに達すると、流入管18を通り透水層16へ流れる。
マンホール30は、図1および図4に示すように、下水管28に接続され、下水管28などの点検および清掃などに用いられる。マンホール30の周囲は透水層16で覆われ、この透水層16は下水管28の周囲を覆う透水層16と連続する。
また、図1および図4に示すように、隣接するマンホール30の間に有孔管50が設けられ、有孔管50は下水管28の周囲で下水管28と間隔、たとえば100mmを隔てて下水管28に平行に敷設され、有孔管50の周囲が透水層16で覆われる。この有孔管50を覆う透水層16は、下水管28を覆う透水層16と共通し、またマンホール30を覆う透水層16と連続する。また、有孔管50は管壁に多数の通水孔52を有し、通水孔52は有孔管50の内部空間と透水層16の空隙44とを接続する。また、有孔管50の端部はマンホール30の管壁を貫通し、有孔管50はマンホール30の内面に開口し、この開口に蓋54が装着される。蓋54はマンホール30の内部から脱着可能に取り付けられ、蓋54が外されると、有孔管50の内部空間とマンホール30の内部空間とは連通する。
このような地中埋設物の浮上防止構造10において地震が発生し、多量の間隙水が透水層16の中に流れてくると、間隙水は透水層16の空隙44に侵入して、透水層16の空隙44を通って透水層16の中に拡がる。そして、間隙水は、透水層16の空隙44から流入管18に流入し、流入管18を通り、側溝12へ排出される。これにより、透水層16に作用する間隙水圧が軽減されて、地震による透水層16の液状化が抑えられるため、下水管28およびマンホール30などの地中埋設物14の浮き上がりが防止される。
また、雨が降ると、道路20などの表面を流れる雨水が排水孔24から側溝12に流入し、側溝12を流れる。この側溝12を流れる水量が少なければ、雨水は雨水ます26に集められて、雨水ます26から取付管32を通り下水管28へ流入し、下水管28を流れて下水処理場などへ運ばれる。
これに対して、側溝12を流れる水量が多い場合、雨水ます26に集められた雨水は取付管32から下水管28へ排出されるが、その水位が流入管18の接続位置の高さに達すると、雨水の一部は流入管18から透水層16へ排出される。そして、流入管18を通って透水層16に流れた雨水は、透水層16の中を拡散し、透水層16の周囲の土中に浸透する。これにより、雨水を地中に浸透させることができ、しかも下水管28を通り下水道施設へ運ばれ、そこで処理される雨水量を地中に浸透する雨水量の分だけ減らせて、処理費用の削減などが図られる。
また、図4に示すマンホール30の中で有孔管50の蓋54を外し、図5に示すように、マンホール30から有孔管50に高圧洗浄ホース56を挿入する。この高圧洗浄ホース56には、その先端に装着されたノズル58からホース部に対して直交する方向に高圧水流が噴射されるものが用いられる。そして、高圧洗浄ホース56から高圧水流を噴射すると、高圧水流は有孔管50内の滞積物を除去しながら、通水孔52を抜けて透水層16へ到達し、透水層16の空隙44を通り抜ける。これにより、透水層16の内部の空隙44にごみなどが詰まっていても、高圧水流によりごみが吹き飛ばされるため、透水層16の目詰まりを容易に除去できる。この結果、透水層16の空隙44による通水性能を維持できて、地中埋設物の浮上防止構造10は透水層16の液状化防止効果および雨水浸透効果を発揮し、かつ持続することができる。
図6に示すこの発明の他の実施例である地中埋設物の浮上防止構造10は、図1に示す地中埋設物の浮上防止構造10とほぼ同じである。しかしながら、図1では流入管18の先端が透水層16に挿入されたのに対し、図6では流入管18の先端が有孔管50に接続される。これ以外の部分に関しては図1実施例の示す地中埋設物の浮上防止構造10と同様であるため、共通する部分についてはその説明を省略する。
流入管18は、側溝12および有孔管50に接続され、透水層16の空隙44と側溝12の内部空間とを有孔管50の通水孔52および内部空間を介して連通する。
これにより、地震発生時に多量の間隙水が透水層16の中に流れてくると、間隙水は透水層16の空隙44に侵入し、次いで通水孔52から有孔管50の内部空間に流入し、そこから流入管18を通り、側溝12へ排出される。また、有孔管50に浸入した間隙水は、有孔管50の中を流れ、その水圧で蓋54が外れてマンホール30に排出される。このため、間隙水圧が消散されて、透水層16の液状化、延いては地中埋設物14の浮き上がりが防止される。
また、側溝12の水位が流入管18の接続位置の高さに達すると、雨水の一部は流入管18を通り有孔管50へ流れて、そこから透水層16へ排出され、透水層16の周囲の土中に浸透する。そして、側溝12からの雨水に含まれた泥および土などは、雨水と共に有孔管50に流入するが、透水層16に直接流入せずに、有孔管50の管底に溜まるため、側溝12からの泥などにより透水層16の空隙44が詰まることを防げる。また、有孔管50に挿入した高圧洗浄ホース56から高圧水流を噴射すれば、有孔管50内の泥などが高圧水流で吹き飛ばされるため、透水層16の目詰まりを除去しながら、有孔管50が洗い流すことができる。
なお、側溝12に接続される複数の流入管18のうちの一部の流入管18の先端を図1のように透水層16に挿入し、残りの流入管18の先端を図6のように有孔管50に接続することもできる。
また、上記全ての実施例において流入管18を側溝12に接続したが、流入管18を雨水ます26に接続することもできる。この場合、側溝12からの雨水は雨水ます26を介して流入管18に流入し、透水層16へ流される。
図7に示すこの発明の他の実施例である地中埋設物の浮上防止構造10は、図1に示す地中埋設物の浮上防止構造10とほぼ同じである。しかしながら、図1では連通手段に流入管18を用い、側溝12に雨水ます26が接続されたが、図7では連通手段に浸透層60を用い、側溝12に雨水浸透ます62が接続される。これ以外の部分に関しては図1実施例の示す地中埋設物の浮上防止構造10と同様であるため、共通する部分についてはその説明を省略する。
雨水浸透ます62は側溝12に接続され、雨水浸透ます62の底面および/または側面に浸透孔64が設けられる。雨水浸透ます62の周囲は多数の充填材42で覆われ、そこに浸透層60が設けられる。浸透層60は、地中を掘削して形成された掘削孔66に雨水浸透ます62を配置し、雨水浸透ます62の周囲に多数の充填材42を充填し、その上に発生土65を重ねて形成される。また、浸透層60は透水層16と連続し、浸透層60の空隙48と透水層16の空隙44とは連通する。これにより、側溝12の内部空間と透水層16の空隙44とが、浸透層60の空隙48を介して連通するため、浸透層60はこれらの連通手段として用いられる。
このような地中埋設物の浮上防止構造10において、地震発生時に多量の間隙水が透水層16の中に流れてくると、間隙水は透水層16の空隙44に侵入して透水層16の中に広がり、次に浸透層60の空隙48へ侵入して、浸透層60を通り側溝12へ排出される。これにより、透水層16に作用する間隙水圧が軽減され、透水層16の液状化、および地中埋設物14の浮き上がりが防止される。
また、雨が降ると、側溝12を流れる雨水は雨水浸透ます62に集められ、浸透孔64を通って浸透層60に達し、浸透層60から地中に浸透したり、浸透層60から透水層16に伝播した後に透水層16から地中に浸透したりする。
なお、上記全ての実施例において取付管32を雨水ます26に接続したが、取付管32を側溝12に接続することもできる。
また、上記全ての実施例において有孔管50の数および配置は限定されないが、たとえば図8に示すように、下水管28の周囲で周方向に間隔を隔てて3本の有孔管50を配置することもできる。3本の有孔管50にそれぞれ高圧洗浄ホース56を挿入して、高圧水流を噴射すると、透水層16の全体をほぼ均一に洗浄することができる。
さらに、上記全ての実施例において透水層16の周囲を通水性フィルタで覆うこともできる。この通水性フィルタは、水の通過を許容するが、土砂などの通過を禁止するものであって、たとえば不織布である。これにより、透水層16への土砂などの浸入が防げるため、土砂などで透水層16の空隙44が詰まることが低減される。
また、上記全ての実施例において、有孔管50の通水孔52を上記と同様の通水性フィルタで覆うこともでき、これにより有孔管50の中への土砂などの浸入を防げる。
また、下水管28およびマンホール30などの地下埋設物を上記と同様の通水性フィルタで覆うこともできるし、また、予め通水性フィルタで覆った下水管28およびマンホール30などの地下埋設物を用いることもできる。
なお、上で挙げた角度や寸法の具体的数値はいずれも単なる一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。
この発明の一実施例の地中埋設物の浮上防止構造を示す斜視図である。 流入管を側溝に接続し、その流入管の先端を開放した状態で透水層に挿入した状態を示す断面図である。 取付管を雨水ますおよび下水管に接続した状態を示す断面図である。 マンホールに接続した有孔管に蓋を嵌めた状態を示す断面図である。 有孔管に通した高圧洗浄ホースから高圧水流を噴射し、その高圧水流を通水孔から透水層へ通した状態を示す断面図である。 この発明の別の実施例の地中埋設物の浮上防止構造であって、流入管の先端を有孔管に接続した状態を示す断面図である。 この発明のさらに別の実施例の地中埋設物の浮上防止構造であって、雨水浸透ますと透水層との間に浸透層を設けた状態を示す断面図である。 この発明のさらに別の実施例の地中埋設物の浮上防止構造であって、下水管の周囲に3本の有孔管を配置した状態を示す断面図である。
符号の説明
10…地中埋設物の浮上防止構造
12…側溝
14…地中埋設物
16…透水層
18…流入管
28…下水管
30…マンホール
32…取付管
50…有孔管
60…浸透層

Claims (5)

  1. 側溝、
    地中に埋設される下水管と当該下水管に接続される複数のマンホールとを含む地中埋設物、
    前記地中埋設物の周囲を覆う透水層、
    隣接するマンホールの間に設けられ、かつその周囲が前記透水層で覆われる有孔管、および
    前記透水層と前記側溝とを連通させる連通手段を備える、地中埋設物の浮上防止構造。
  2. 側溝、
    前記側溝に接続される雨水浸透ます、
    地中に埋設される地中埋設物、
    前記地中埋設物の周囲を覆う透水層、および
    前記雨水浸透ますの内部空間と前記透水層とを連通させる連通手段を備える、地中埋設物の浮上防止構造。
  3. 側溝、
    地中に埋設される下水管を含む地中埋設物、
    前記地中埋設物の周囲を覆う透水層、
    前記透水層と前記側溝とを連通させる連通手段、および
    前記側溝からの雨水を前記下水管に流す取付管を備える、地中埋設物の浮上防止構造。
  4. 前記地中埋設物が、前記下水管に接続される複数のマンホールを含み、
    隣接するマンホールの間に設けられ、かつその周囲が前記透水層で覆われる有孔管をさらに備える、請求項3記載の地中埋設物の浮上防止構造。
  5. 側溝、
    地中に埋設される複数のマンホール、
    隣接するマンホールの間に設けられる有孔管、
    前記マンホールおよび前記有孔管の周囲を覆う透水層、ならびに
    前記側溝と前記有孔管とを連通させる流入管を備える、地中埋設物の浮上防止構造。
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