JP2004052269A - マンホールおよび下水管路 - Google Patents

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Masakazu Nishimura
西村 昌和
Jun Harada
原田 潤
Keishi Murakami
村上 経司
Teiichi Goto
後藤 禎一
Yosuke Matsushita
松下 要介
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Abstract

【構成】マンホール12は開口20を含み、開口20に連通する上層16の下方には上層16と分離された下層18が形成される。上層16には雨水管路が接続され、下層18には汚水管路が接続される。開口20は道路上の雨水を直接流下させるものであり、この下水管路10は道路側溝下に配置される。降雨時には開口20からの流下雨水は上層16から雨水管路に流される。また、貫通孔48によって、降雨初期雨水は下層18へ流下し、汚水管路へ排出されることとなる。管路の周囲にはシート部材50で囲まれた砕石層54が管路方向にわたって形成される。雨水管路は有孔管で構成されるので、雨水は砕石層54へ流出して貯留される。
【効果】車道下埋設による問題を解消できる。公共水域の汚染を防止できる。雨水の流出抑制の効果を高めることができる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はマンホールおよび下水管路に関し、特にたとえば上下方向に2段に分離された上層と下層とを備えるマンホールおよび下水管路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の公共下水道には、合流式下水道と分流式下水道とがある。すなわち、合流式下水道では、図9にその一例を示すように、車道のほぼ中央下に本管1が設けられ、本管1には、歩道下または民地等に設けられた汚水ます2が取付管3を介して接続されるとともに、民地または道路側溝等に設けられた雨水ます4が取付管5を介して接続される。そして、本管1が必要箇所に設けられる図示しないマンホール等を介して接続されて下水処理場へ延びる下水管路が形成される。このように、合流式では、汚水と雨水とを1つの下水管路で一緒に流して下水処理場へと導くようにしている。
【0003】
一方、分流式下水道では、図10にその一例を示すように、たとえば歩道下に汚水管6が設けられるとともに車道のほぼ中央下に雨水管7が設けられる。汚水管6には歩道下または民地等に設けられた汚水ます2が取付管3を介して接続され、雨水管7には民地または道路側溝等に設けられた雨水ます4が取付管5を介して接続される。そして、汚水管6がマンホール等を介して接続されて下水処理場へ延びる汚水用の下水管路が形成され、また、雨水管7がマンホール等を介して接続されて河川等へ延びる雨水用の下水管路が形成される。このように、分流式では、汚水と雨水とをそれぞれの下水管路で別々に流して、汚水を下水処理場へ導き、雨水を公共水域(河川,海域,湖沼等)に放流したり、あるいは地中浸透させたりしている。
【0004】
また、このような下水の整備やアスファルト舗装等の都市化・都市整備がなされた反面、雨水が下水道や放流域に直接的かつ短時間に流出することによって、地中への雨水の浸透量が減少し、河川下流域等では集中豪雨時等に浸水被害が発生する等の問題が生じている。このため、雨水の流出抑制対策として、たとえば、浸透ます,浸透トレンチおよび浸透マンホール等のような、雨水を一時的に貯留してから地中に浸透させるような浸透施設を、校庭,公園,広場,駐車場などの公共・公益施設または民地(宅地)等の任意の箇所に、下水道施設とは別個に設けるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の公共下水道では、車道下に本管1または雨水管7ないし汚水管6等を埋設していたので、これら下水管の老朽化・漏水等によって車道が陥没してしまうおそれがあった。また、取付管等の増設工事等のたびに交通を遮断して車道を掘り返さなければならず、路面段差が発生し易い等の問題もあった。
【0006】
さらに、合流式では、雨水のすべてを処理場へ流すので、管路や処理場設備が増大し、処理場の負担が過大になるという問題があった。なお、合流式において、この問題を解消するために、雨水吐き室を設けて、一定量以上の下水を雨水越流としてそのまま放流する場合があるが、この場合には、未処理の汚水が公共水域に放流されてしまう合流式下水道越流水問題(CSO:Combined Sewer Overflows)が生じる。
【0007】
一方、分流式では、雨水のすべてをそのまま公共水域に戻すようにしているので、車道等の路面や地表などに付着している汚染物質(工場排出物,排気ガス,自動車のブレーキ粉等の重金属類,タイヤ滓等)が降雨初期の雨水に混入されることによって自然環境(水質環境)が汚染されるという非特定汚染源(ノンポイントソース)の問題があった。
【0008】
また、雨水の流出抑制対策としての従来の浸透施設は、局所的な設置となるので、充分な効果が得られないおそれがあり、また、下水道施設とは別個に設けられるので工事費が嵩んでいた。
【0009】
それゆえに、この発明の主たる目的は、車道下埋設による問題を解決できる、マンホールおよび下水管路を提供することである。
【0010】
また、この発明の他の目的は、下水処理場の負担を抑えつつ、公共水域汚染を防止できる、マンホールおよび下水管路を提供することである。
【0011】
さらに、この発明のその他の目的は、雨水流出抑制の効果を高めることができる、マンホールおよび下水管路を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、道路上の雨水を直接流下させるための開口、開口に連通して雨水を受ける上層、および上層とは仕切によって隔てられかつ上層の下方に一体的に設けられる下層を備える、マンホールである。
【0013】
第2の発明は、上述のようなマンホールを用いて形成された下水管路であって、上層に雨水管が接続され、下層に汚水管が接続された、下水管路である。
【0014】
【作用】
開口は道路上の雨水を直接流下させるためのものであり、たとえば上端部の上面または側面等に設けられる。開口を道路側溝下に配置すると、降雨時に、たとえば車道から道路側溝へ流された雨水が、開口から取り込まれ、上層に流下される。上層には雨水管が接続されるとともに下層には汚水管が接続されるので、上層が受けた雨水は雨水管に流出される。一方、汚水は汚水管および下層を流れることとなる。このように、雨水を取り込む開口20が形成されるので、上下2段になった雨水管路および汚水管路を含む下水管路を道路側溝下に設置することができる。
【0015】
また、上層および下層を隔てる仕切を貫通する貫通孔で上層と下層とを繋げた場合には、降雨初期の雨水を上層から下層に流下させ、汚水管へ流出させることができる。したがって、汚染物質の公共水域への放流が防止される。
【0016】
また、雨水管を有孔管で形成し、その周囲に貯水槽を形成するようにしてもよい。貯水槽は、たとえば周囲をシート部材で囲み、その内部に砕石を充填して砕石層を形成したものである。このような貯水槽は、下水管路の施工の際に、たとえば、掘削溝にシート部材を敷設してからマンホールおよび管路を設置し砕石で埋め戻すことによって形成される。そして、マンホールに流入した雨水は、有孔管から貯水槽に流出し、砕石の空隙に浸入して貯留される。シート部材を雨水が通過可能に形成すれば、雨水を貯水槽に一時的に貯留しつつ、地中に浸透させることができる。このようにして、上下2段になった管路の管路方向にわたって雨水の流出抑制対策が施されることとなる。
【0017】
【発明の効果】
この発明によれば、道路側溝の下に設置することができるので、車道陥没事故や取付管増設工事等のたびに車道を掘り返したりすることがなくなり、車道下埋設による問題を解消できる。
【0018】
また、貫通孔で上下層を繋げた場合には、全雨水が汚水管路に流されることはなく、降雨初期の雨水が下層から汚水管路へ流されるので、公共水域の汚染を防止できる。また、初期以降の雨水は雨水管に流れるため、下水処理場の負担が過大となることはない。
【0019】
さらに、周囲に貯水槽を形成した場合には、上下2段になった管路の周囲に、管路方向にわたって雨水の流出抑制対策を施すこととなるので、従来の局所的な対策よりも流出抑制の効果を高めることができる。また、下水管路の施工の際に、同時に流出抑制対策を施した管路とすることができるので、工事費を低減できる。
【0020】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0021】
【実施例】
図1および図2に示すこの実施例の下水管路10は、雨水および汚水を流すためのものであり、マンホール12を含む。なお、マンホールは、管路内の点検・修理・清掃等の維持管理のために設けられるものであり、たとえば管路の起点や方向,勾配もしくは管径等の変化する箇所,段差の生ずる箇所および管路の会合する箇所等だけでなく、管路の直線部分であっても一定間隔以内で設けられるものである。
【0022】
マンホール12は、たとえばコンクリート,レジンコンクリートまたは塩化ビニル等の合成樹脂等からなり、その内部は板状の仕切部14によって上下方向に2段に分離されて、上層16と下層18とが設けられる。つまり、下層18は、上層16とは仕切部14によって隔てられ、かつ、上層16の下方にこれと一体的に形成されている。マンホール12の上端部の上面には、開口20が形成され、開口20には雨水が通過可能な流入蓋22が着脱可能に取り付けられる。開口20から流入した雨水は、開口20と連通する上層16に受けられる。
【0023】
なお、開口20およびマンホール内部の大きさは、人または清掃用車両等が入って作業を行える大きさに設定される。たとえば開口20はφ500mm程度に設定するのが望ましい。また、図示は省略してあるが、マンホール内部の側壁には昇降用のステップ等が設けられる。
【0024】
流入蓋22には、スリット状,網目状または格子状等に貫通孔24が形成され、したがって、雨水が通過可能である。流入蓋22は、たとえばステンレス鋼,鋳鉄またはFRP等からなり、従来の道路側溝や街きょマス等に取り付けられていたいわゆるグレーチングないし溝蓋,格子蓋等であってよい。
【0025】
このように、このマンホール12は、流入蓋22および開口20から道路上の雨水を直接流下させて取得できるように形成されている。そして、マンホール12は、図2からよく分かるように、この実施例では、車道と歩道の境界のL形道路側溝の下に設置される。これは、雨水の流入をできるだけ回避するように、たとえばL形街きょ(雨水ます)付近を避けて設置したり、蓋の穴をなくすことが望ましいとされた従来の分流式下水道における汚水管路のマンホールとは異なった構成となっている。なお、道路側溝の形態は適宜変更され、U形等であってもよい。
【0026】
仕切部14には、下層18を点検等するための蓋26が着脱可能に取り付けられ、蓋26には取っ手28が設けられる。なお、蓋26と仕切部14との間にはたとえばゴム等の封止部材を介在させて水密性を確保するようにしてもよい。
【0027】
上層16の側壁には、流入口30および流出口32がたとえば対向する位置等に形成される。流入口30には流入管路34を構成する流入管34aが接続され、流出口32には流出管路36を構成する流出管36aが接続される。流入管34aおよび流出管36aは、たとえば塩化ビニル等の合成樹脂等からなるリブなし管であり、流入口30および流出口32に差し込まれるそれぞれの端部表面には砂付加工が施されている。流入管路34および流出管路36の管径は、たとえばφ200〜φ500mm程度に設定され得る。そして、流入口30および流出口32にモルタルまたはコンクリート等が打設され、さらに内面側から接着剤が充填される。流入管路34および流出管路36は所定の勾配を有して設けられている。
【0028】
また、下層18の側壁にも、上層16と同様にして、流入口40および流出口42がたとえば対向する位置等に形成される。流入口40および流出口42は、たとえば上層16の流入口30および流出口32に対応してその真下に位置するように設けられる。そして、流入口40には流入管路44を構成する流入管44aが同様にして接続され、また、流出口42には流出管路46を構成する流出管46aが同様にして接続される。流入管路44および流出管路46の管径は、たとえばφ150〜φ450mm程度に設定され得る。また、流入管路44および流出管路46も所定の勾配を有して設けられている。なお、下層18の底面には必要に応じてインバートを設けてもよい。
【0029】
なお、上層16および下層18の各開口の形態,数および方向等や各管との接続形態等は適宜変更される。たとえば、流出口および流入口には、たとえばくら型マンホール継手やゴム製の可とうマンホール継手等を設けて、この継手に流入管および流出管をそれぞれ接続するようにしてもよい。また、流入管および流出管はリブパイプ等であってもよい。さらに、マンホール12を塩化ビニル等の合成樹脂等で形成する場合には、各開口は受口または差口として形成されてもよい。
【0030】
また、この下水管路10では、上層16に接続される流入管路34および流出管路36は雨水が流される雨水管路を構成しており、下層18に接続される流入管路44および流出管路46は汚水が流される汚水管路を構成している。つまり、たとえば、雨水ます等から延びる取付管が、上段の流入管路34および流入側に設置される他のマンホール12の上層16等に接続されており、汚水ます等から延びる取付管が下段の流入管路44および流入側に設置される他のマンホール12の下層18等に接続されている。なお、このマンホール12の上層16および下層18にも、取付管等が接続されてよいのは言うまでもない。そして、上段の流出管路36は河川等の公共水域へ延び、下段の流出管路46は下水処理場へ延びている。
【0031】
下水管路10を敷設する際には、たとえば、まず、敷設用の溝を掘削し、掘削溝内に基礎を形成して、マンホール12を設置する。次に、下層18の流入口40および流出口42にそれぞれ流入管路44および流出管路46を接合する。そして、上層16の流入口30および流出口32の下方あたりまで土砂で埋め戻す。続いて、上層16の流入口30および流出口32にそれぞれ流入管路34および流出管路36を接合する。その後、掘削溝の残りの部分を土砂で埋め戻す。
【0032】
施工後、雨が降ると、車道から道路側溝に流された雨水は開口20から上層16内に取り込まれる。取り込まれた雨水は、流入管路34を通して流入口30から流入した雨水とともに、流出口32から排出され、流出管路36を通して公共水域に放流される。一方、汚水は流入管路44を通して流入口40から下層16に流入し、流出口42から流出管路46を通して下水処理場へ与えられる。
【0033】
この実施例によれば、雨水を取り込むための開口20を形成するとともに、雨水管路の接続される上層16と汚水管路の接続される下層18とを上下方向に2段に分離して設けるようにしたので、マンホール12ならびに雨水管路および汚水管路を含む下水管路10を道路側溝の下に設置することが可能となる。したがって、車道下に管路がなくなるので、車道陥没事故や取付管増設工事等のたびに車道を掘り返したりすることがなくなり、車道下埋設による問題を解消できる。また、下水管路10の道路側溝下への埋設は、歩道下に埋設されることの多いガス管,水道管やCCボックス,情報ボックス等との競合・重なり合いも発生せず、限られたスペースである道路下空間の効率的利用を実現できる。
【0034】
なお、上述の実施例では、上層16と下層18とを完全に分離するようにしているが、たとえば図3に示すように、仕切部14に貫通孔ないしオリフィス48を形成することによって、上層16と下層18と繋げるようにしてもよい。この場合には、雨水の一部が貫通孔48を通して下層18へ与えられることとなる。すなわち、汚染物質の混入された降雨初期の雨水を下層18へ流下させて、流出管路46すなわち汚水管路に排出することができる。ただし、所定量の雨水(降雨初期雨水)が下層18へ流下するまでは雨水が流出管路36へ流出することのないように貫通孔48の大きさや流入口30および流出口32の形成位置(高さ)等が設定される必要がある。なお、貫通孔48は図3では1つ形成されているが、複数形成されてもよい。
【0035】
初期以降の雨水は、図4に示すように、上層16内に溜まることによって流出管路36へ排出され、公共水域へ放流されるので、下水処理場の負担が過大となることはない。したがって、この実施例によれば、下水処理場の負担を抑えつつ、公共水域の汚染を防止することができる。
【0036】
図5および図6に示す他の実施例の下水管路10は、雨水流出抑制対策が施されたものである。この下水管路10では、マンホール12は図3実施例のマンホールと同様のものが適用されているが、図3実施例の下水管路とは異なって、上層16に接続される雨水管路(流入管路34および流出管路36)を構成する管として有孔管が適用されており、また、下層18に接続される汚水管路(流入管路44および流出管路46)としてリブ付管が適用されている。有孔管およびリブ付管はたとえば塩化ビニル等の合成樹脂等からなる。
【0037】
また、上層16の流入口30および流出口32の内面側には、たとえばステンレス鋼等からなるメッシュ状等のフィルタ38がそれぞれ取り付けられている。このフィルタ38によって流入雨水中に含まれる葉っぱ等のゴミが除去され、流出管路36および流入管路34(上流側への逆流時)へのゴミ等の流出が防止される。したがって、有孔管の孔の目詰まりが防止されるとともに、砕石層54へのゴミ等の侵入が防止される。
【0038】
さらに、雨水管路,汚水管路およびマンホール12の周囲には、シート部材50が掘削溝に沿って略筒状に設けられており、シート部材50で囲まれた内部は砕石52で埋め戻された砕石層54とされる。このような砕石層54が上下2段にされた下水管路10の周囲に、しかも管路方向にわたって形成されている。
【0039】
この実施例では、この砕石層54を一時的な貯水槽とし、雨水を一時的に貯留してからゆっくりと地中に浸透させる流出抑制対策が施されている。したがって、シート部材50としては、水を通すが土砂を通さないようなものが望ましく、透水シートが使用される。シート部材50は種々のものが用いられ限定されるものではないが、たとえば長繊維ポリエステル系不織布等であり、ポリプロピレン,ウレタン,塩化ビニル,高密度ポリエチレン,EPDM等の合成樹脂等が用いられ、また織布であってもよい。
【0040】
この下水管路10を敷設する際には、たとえば、まず、敷設用の溝を掘削し、掘削溝の底面および側面にシート部材50を敷設する。次に、シート部材50内に砕石52で底部を設け、マンホール12を設置する。続いて、汚水管路(流入管路44および流出管路46)を接合し、側部を砕石52で埋め戻す。さらに、雨水管路(流入管路34および流出管路36)を接合して、マンホール12の上層16の上部まで砕石52で埋め戻す。その後、砕石層54の上面をシート部材50で覆い、地表までを土砂で埋め戻す。なお、砕石層54の上面をシート部材50で被覆することによって、砕石層54内に土砂が流入するのを防止でき、したがって、土砂や路面の沈下が防止される。
【0041】
施工後、雨が降ると、車道から道路側溝に流された雨水は開口20から上層16内に取り込まれる。降雨初期の雨水は、貫通孔48を通して下層18へ流下するが、その後の雨水が上層16内に溜まると、流出管路36へ排出される。流出管路36および流入管路34は有孔管であるため、雨水は管壁の孔から砕石層54に排出されつつ雨水管路を流れる。
砕石層54はシート部材50で囲まれているので、有孔管から排出された雨水は、砕石層54の空隙に貯留されることとなる。そして、砕石層54の雨水は、その側面および底面等においてシート部材50を通過することで、徐々に地中へ浸透していく。
【0042】
この実施例によれば、下水管路10の施工をする際に、雨水の流出抑制対策を施した管路とすることができるので、工事費を低減できる。しかも上下2段になった管路の周囲に、その管路方向にわたった線状の対策を施すこととなるので、従来の局所的な対策よりも流出抑制の効果を高めることができる。
【0043】
たとえば、砕石層54が高さ1600mm×幅800mmの矩形断面を管路方向に有しており、φ250の有孔管およびφ250のリブパイプをそれぞれ雨水管路および汚水管路に使用した場合において、砕石層54(有孔管内部を含む。)に貯留される雨水量は、砕石の空隙率を30%として、管路100mあたりに換算すると最大で39.7mにもなる。
【0044】
なお、上述の図5実施例では、シート部材50に透水シートを使用して雨水を地中に浸透させるようにしているが、たとえば図7に示す他の実施例の下水管路10ように、シート部材50として遮水シートを使用することによって、雨水をその場で地中に浸透させないようにしてもよい。遮水シートは、水を通さないものであり、上述の透水シートと同様に種々のものが用いられ限定されるものではないが、たとえばウレタン等の合成樹脂以外にもゴムやステンレス薄板等の金属等も用いられ得る。また、図7実施例では、マンホール12の下端部にオリフィスないし貫通孔60が形成され、この貫通孔60によってマンホール12を挟んだ貯水槽54の上流側と下流側とが繋げられる。なお、この図7実施例のような構成は、計画的に雨水を地中浸透させない場合だけでなく、雨水の浸透不可能な地盤において特に有効である。
【0045】
この実施例では、雨水は、貯水槽としての砕石層54に貯められ、さらに、貯水槽54が管路34,36,44および46と同様に勾配を有して下流側へ延びているため、雨水はこの貯水槽54および貫通孔60を通してゆっくりと下流へ流れていくこととなる。このようにして、雨水の一時貯留を実現でき、また雨水のピークカット機能が発揮され、たとえば洪水時のような雨水量のピーク時であっても大量の雨水を短時間に放流することを回避できる。
【0046】
なお、貯水槽54の上流側と下流側を繋ぐ貫通孔60はたとえば側壁等に形成されてもよく、また複数形成されてもよい。また、マンホール12の側部や底部あるいは上部等においても、シート部材50との間に間隔を設けておいて砕石層54を形成することによって、そこを雨水が流れるようにしてもよい。また、貯水槽54が最下流まで延びて形成されていなくてもピークカット機能が発揮されるのは言うまでもない。また、たとえば浸透可能な地盤に至った場合等には途中から透水シートを使用して地中浸透させるようにしてもよい。
【0047】
なお、上述の各実施例は、流出抑制対策として、雨水を一時的に貯留する対策を施したものであるが、たとえばシート部材50に遮水シートを使用し、かつ、管路方向の両側も遮水シートで区切って遮断すること等によって、局所的な貯水槽等を形成し、たとえば非常用生活用水,防火用水等に雨水を利用するような別の目的のために貯水するようにしてもよい。
【0048】
また、上述の各実施例では、道路側溝の底面に雨水を導入する孔が形成されていたので、マンホール12のたとえば上端部の上面に開口20を設けて、道路側溝下に設置するようにしているが、開口20の形成箇所は、道路側溝における雨水の導入孔の形態によって適宜変更され得る。たとえば、図8に示すように、道路側溝の縁石の側面に導入孔56が形成されているような場合には、マンホール12の上端部の側面(側壁)に開口20を形成し、開口20が導入孔56と連通するようにしてマンホール12を歩道下に設置するようにしてもよい。この場合にも、道路上の雨水が開口20から内部に直接流下される。なお、この場合、マンホール12の上面は、従来のマンホールと同様に、雨水を取得することのない点検用の入口となり、蓋体58が取り付けられる。
【0049】
なお、上述の各実施例では、上層16および下層18の2層に形成しているが、本発明は、実質的に雨水を流すための上層および汚水を流すための下層の少なくとも上下方向に2段に分離された2層を含んで構成されるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す図解図である。
【図2】図1実施例を示す図解図である。
【図3】この発明の他の実施例を示す図解図である。
【図4】図3実施例における雨水の流れを示す図解図である。
【図5】この発明の他の実施例を示す図解図である。
【図6】図5実施例を示す図解図である。
【図7】この発明の他の実施例を示す図解図である。
【図8】この発明の他の実施例を示す図解図である。
【図9】従来の合流式下水道の一例を示す図解図であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるX−X断面図である。
【図10】従来の分流式下水道の一例を示す図解図であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるY−Y断面図、(C)は(A)におけるZ−Z断面図である。
【符号の説明】
10 …下水管路
12 …マンホール
14 …仕切部
16 …上層
18 …下層
20 …開口
48 …貫通孔
50 …シート部材
52 …砕石
54 …砕石層

Claims (4)

  1. 道路上の雨水を直接流下させるための開口、
    前記開口に連通して前記雨水を受ける上層、および
    前記上層とは仕切によって隔てられかつ前記上層の下方に一体的に設けられる下層を備える、マンホール。
  2. 前記上層と前記下層とは貫通孔で繋がる、請求項1記載のマンホール。
  3. 請求項1または2記載のマンホールを用いて形成された下水管路であって、
    前記上層に雨水管が接続され、前記下層に汚水管が接続された、下水管路。
  4. 前記雨水管は有孔管を含み、前記雨水管の周囲に貯水槽を形成した、請求項3記載の下水管路。
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