JP4799770B2 - 超電導磁石 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、強磁界を利用する成分分析用やエネルギー貯蔵用等に用いる超電導磁石、特に冷凍機を用いて超電導コイルを冷却する超電導磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の超電導磁石は、超電導コイルを液体ヘリウムにより冷却する方式が主流であって、液体ヘリウム(約4K)レベルの極低温に超電導コイルを維持するランニングコストが極めて高く、実用上大きな問題となっていたが、近年では、超電導線材の臨界温度の向上や冷凍機の冷凍能力向上に伴って、超電導コイルに冷凍機を付設して熱伝導によって超電導コイルを冷却する方式の超電導磁石の開発が盛んに進められ、特許提案も行われている(例えば、特開昭63−186403号公報,特開昭64−76706号公報,特開平11−135318号公報参照)。
【0003】
図7は、前記特開平11−135318号公報に記載された従来の冷凍機冷却方式の超電導磁石の基本構成を模式的に示す断面図で、中央部に常温の高磁界空間を備えた超電導磁石について中心軸を通る断面を示したものである。
【0004】
図7において、1は超電導線をソレノイド状に巻回して構成された超電導コイル、2は超電導コイル1の周囲に配され、外部からの熱輻射を遮断して断熱する輻射シールド、3はこれらを取り囲み内部を真空に保持して断熱する真空容器である。また、7は超電導コイル1を冷却する冷凍機、8は冷凍機7に圧縮ヘリウムガスを供給し冷凍サイクルの運転制御系を備えた圧縮機、9は超電導コイル1に図示しない電源より電流を供給して励磁する電流リードである。
【0005】
図7に示すように、冷凍機7は、冷却ボビン5に層状に巻回された超電導コイル1を上下から支持する一方の冷却フランジ4と輻射シールド2に接続されており、超電導コイル1を所定の極低温(約20〜80K)に、また輻射シールド2を所定の極低温(約80〜100K)に冷却する。
【0006】
冷凍機7により図中下側の冷却フランジ4の一端を冷却することにより、これに連結された冷却ボビン5、冷却外筒板6、上側の冷却フランジ4が熱伝導により冷却され、さらにこれらに取り囲まれた超電導コイル1が、熱伝導により超電導の臨界温度以下の温度に冷却され、超電導状態に保持される。超電導状態において、電流リード9を用いて超電導コイル1に電流を供給すると、強磁界が生じ、同時にインダクタンスに比例した磁気エネルギーが超電導コイル1に蓄積されることとなる。
【0007】
超電導コイル1が交流損失を発生するような運転をした場合には、交流損失による発熱によってコイル内部温度が上昇する。この発熱が除去できない場合には、超電導コイル1は、臨界温度を超えて超電導状態から常電導状態に転位し、安定した通電ができず、またコイルが常電導転移(クエンチ)により損傷する恐れがある。
【0008】
前述のような常電導転位の危険性を抑制するための超電導コイルの構成について、その一例が、前述の特開平11−135318号公報に記載されている。前記公報に記載された構成に於いては、冷却ボビン5に層状に巻回された超電導線の層間に、銅あるいは銅合金等の良熱伝導材料よりなる伝導冷却板が組み込まれており、伝導冷却板の両端は、前記図7における上下の冷却フランジ4に設けた溝中に挿入されている。この構成によれば、超電導コイルの内部が、前記伝導冷却板を介しての伝熱により、臨界電流以下の所定温度へと冷却されるので、常電導転位を生じることなく運転できる。
【0009】
次に、前記特開昭63−186403号公報や特開昭64−76706号公報に記載された超電導磁石の概要について以下に述べる。
【0010】
特開昭63−186403号公報の第1図には、前記図7と同様に、真空容器内に挿入設置した2段冷凍機の一つの低温端を超電導コイル冷却用配管に接続し、温度レベルの高い他の低温端を輻射シールド冷却用配管に接続した構成が開示されている。前記超電導コイル冷却用配管は、円筒状超電導コイルの外周に巻回され、配管内部に極低温の冷媒ガスが通流されて超電導コイルを冷却する構造となっている。
【0011】
また、特開昭64−76706号公報には、真空容器内部に冷凍機の主要コンポーネントである熱交換器や断熱膨張弁がビルトインされ、極低温の冷媒ガスを超電導コイルの巻枠部に通流して超電導コイルを冷却する構成が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、冷凍機を付設して熱伝導によって超電導コイルを冷却する上記従来の超電導磁石においては、下記のような問題があった。
【0013】
冷凍機もしくは冷凍機の主要コンポーネントを真空容器内部にビルトインした場合、冷凍機と超電導コイルとの接続構成および組立て作業が煩雑となる。また、冷凍機の定期的なメンテナンスや故障時に真空容器内の真空を破って常圧とする必要があり、メンテナンス性が悪い問題もある。さらに、交流損失が発生する超電導コイルの場合、ビルトインする冷凍機の能力不足に関わり、下記のような問題がある。
【0014】
小型冷凍機の冷凍能力は一般的に20Kにおいて20W程度であり、交流損失の大きい超電導コイルの場合、冷凍能力が不足して、超電導コイルを所定の温度に保持できない。冷凍機の台数を増やして対応する方法もあるが、設置スペースの制限から多数の冷凍機を真空容器内にビルトインして配置することには難がある。特に、冷凍機は低磁界下に設置する必要があり、超電導コイルの近傍に置くことは望ましくなく、冷凍機から超電導コイルまでの距離が長くなる場合には、効果的な冷却が期待できない。従って、多数の冷凍機の設置は、より一層困難となる。
【0015】
冷凍機の能力が不足する場合には、超電導コイルの運転が制限され、所定の性能を発揮できないばかりでなく、常電導に転移して安定通電できない可能性がある。
【0016】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、本発明の課題は、冷凍機と超電導コイルとの接続構成および組立て作業がシンプルで、かつ冷凍機のメンテナンス性が良く、さらに、交流損失に伴う発熱が効果的に除去され、常電導転移を生じることなく安定して運転できる超電導磁石を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、この発明は、超電導線を巻枠に層状に巻回し冷却フランジで支持してなる超電導コイルと、超電導コイルを断熱して収納する真空容器とを備え、付設した冷凍機を用いて超電導コイルを冷却し、極低温に保持してなる超電導磁石において、前記冷凍機は前記真空容器の外部に設置し、前記超電導コイルの冷却フランジと熱良導的に配設した冷却板を、前記冷凍機で発生する極低温の冷媒ガスにより所定温度に冷却することにより、超電導コイルを冷却するように構成するとともに、前記冷却板は非磁性の良熱伝導性材料からなり、かつ、その内部に前記極低温の冷媒ガスの流通路を形成してなり、さらに、前記冷凍機に連結されるとともに前記極低温の冷媒ガスを通流させる冷媒ガス配管が、前記冷却板の前記流通路に接続されてなるように構成する(請求項1の発明)。
【0018】
請求項1の発明によれば、冷凍機が真空容器の外部に設置され、冷凍機の冷媒ガス配管と、超電導コイルの前記冷却板とを接続すればよいので、冷凍機と超電導コイルとの接続構成がシンプルとなり、また冷凍機のメンテナンス性が良くなる。さらに、超電導コイルの交流損失が増大した場合には、冷媒ガス温度や流量を適切に選定することにより、超電導コイル内部の温度を所定温度以下に保つことができる。
【0019】
また、上記請求項1の発明において、前記冷却板は、上記のように、良熱伝導性材料を用いることにより、冷媒ガスと接触する熱伝達周囲面と、超電導コイルとの熱伝導部との温度差を抑制し、超電導コイルを効果的に冷却できる。また前記冷却板において、請求項2の発明のように、冷媒ガスがジグザグに通流するように冷媒ガスの流通路を構成することにより、熱伝達長さを確保しつつ冷却板自身を小型化でき、かつ、冷却板自身の温度分布を均一化できる。従って、簡単な構造で効果的に超電導コイルが冷却できる。また、請求項3の発明のように、前記超電導線の層間に伝導冷却板を組み込み、この伝導冷却板の両端を前記超電導コイルの上下両側の冷却フランジに設けた溝中に挿入した構成とすることにより、一層効果的に超電導コイルが冷却できる。さらに、冷却板の材質を非磁性材料とすることにより、超電導コイル近傍に配置できるので、熱伝導に要する長さを極力短くでき、効果的に冷却できる。
【0020】
なお、超電導コイルの冷却性能向上の観点から、前記冷媒ガスの流通路を前記冷却フランジに直接設け、前記請求項1の発明における冷却板を省略することもできる。また、さらに冷却性能を向上する観点からは、下記請求項4の発明のように構成することが好ましい。即ち、前記請求項1ないし3のいずれかに記載の超電導磁石において、前記冷却板は、前記超電導コイルの上下両側の冷却フランジに設けてなるものとする。この場合にも、冷媒ガスの流通路を冷却フランジに直接設けることにより、さらに冷却性能を向上することができる。
【0021】
さらに、前記請求項1ないし4のいずれかに記載の超電導磁石において、前記冷却板を冷却した冷媒ガスを、超電導コイルに電流を供給する電流リードに通流して電流リードを冷却した後、前記冷凍機に還流するように構成する(請求項5の発明)。
【0022】
これにより、超電導コイルのみならず、電流リードも冷媒ガスによって冷却されるので、電流リードを介しての侵入熱量が大幅に低下し、超電導コイルでの熱損失に比べて無視できるレベルとなる。従って、電流リードを介しての侵入熱量に影響されることなく、超電導コイル内部の温度を容易に所定温度以下に保つことができる。
【0023】
さらにまた、上記請求項1ないし5のいずれかに記載の超電導磁石において、前記超電導コイルへの外部からの熱輻射を遮断するために前記真空容器内に輻射シールドを配設してなり、この輻射シールドを前記冷凍機とは別に設けた小型単段式冷凍機により冷却するように構成する(請求項6の発明)。
【0024】
これにより、輻射シールドが専用の小型単段式冷凍機により80〜100Kに効果的に冷却でき、超電導コイルの冷却効率が向上する。メンテナンス性向上の観点からは、前記輻射シールド専用の冷凍機も、真空容器の外部に設けることが望ましいが、超電導コイルへの冷凍機の接続に比べて作業性が容易で、かつ温度的にも高いレベルにあって熱的結合レベルが比較的簡略でよいので、真空容器内に設けることもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図面に基づき、本発明の実施の形態について以下に述べる。
【0026】
図1は、本発明による超電導磁石の実施例の超電導コイル部を拡大して示す断面図で、図7の従来例に比べて一部簡略化して図示したものである。また、図1において、図7における構成部材と同一機能を有する部材には、同一番号を付しその説明を一部省略する。
【0027】
本実施例においては、冷却ボビン5に超電導線を巻回して、超電導コイル1が形成され、上下の冷却フランジ4A,4B及び冷却外筒板6がその周囲に配設される。冷却フランジ4Aは冷却板12に熱良導的に連結されている。冷却板12は冷却用配管20と熱的に連結され、この両者で熱交換器を構成する。これらは真空容器3内に配設される。
【0028】
冷却用配管20は、真空容器3の外部において、極低温の冷媒ガスが供給可能な図示しない冷凍機と連結されており、冷却用配管20を介して極低温の冷媒ガスを通流することにより、超電導コイル1は、冷却板12および冷却フランジ4Aを介して熱伝導で冷却され、極低温に保持される。
【0029】
超電導コイルが交流損失を伴う運転をした場合には、超電導コイル1が発熱するが、この熱は、上記の熱伝導経路により冷却用配管20に通流する冷媒ガスによって除去される。従って、交流損失を伴う場合であっても、超電導コイルの発熱が除去されるので、超電導コイルの温度の上昇は低く抑えられる。熱交換できる伝熱量は、冷媒流量および冷媒温度により設定することができる。超電導コイルの発熱に相当する伝熱量に設定することにより、超電導コイルを所定の温度に保持でき、安定通電が可能となる。
【0030】
なお、上述の図1の実施例の構成において(以下の実施例の構成でも同様であるが)、特に超電導コイル1が交流損失を発生するような運転を行う場合には、前述の特開平11−135318号公報に記載されたように、超電導コイル1内部の伝導冷却を強化する手段として、例えば、冷却ボビン5に層状に巻回された超電導線の層間に、図示しない伝導冷却板を組み込み、その両端を上下の冷却フランジ4A,4Bに設けた、図示しない溝中に挿入した構成とすることにより、巻線内部を軸方向端部から効果的に冷却できるようにすることが望ましい。
【0031】
図2は、図1の冷却用配管20の一部を冷却板12と一体化した実施例の平面図を示す。冷却板12内部には、冷媒ガス流路24が設けられ、冷媒ガス流路24は冷却用配管20と接続されている。冷媒ガス流路24は、冷却板12においてジグザグに構成され、冷媒ガスが冷却板と十分熱伝達できる長さを有している。これにより、冷媒ガスと冷却板12との間で効果的に熱交換でき、結果として超電導コイルが良好に冷却できる。また、冷却板12の材料としては、非磁性の良熱伝導性材料が適しており、銅や窒化アルミなどが好ましい。
【0032】
次に、図3および図4は、図1とは異なる実施例に関わる超電導磁石の超電導コイル部の模式的拡大断面図を示す。図3によれば、冷却用配管20は、冷却板12Aと熱的に接触し、その後冷却板12Bと熱的に接触する。極低温の冷媒ガスは、初めに冷却板12A、冷却フランジ4Aを介して超電導コイル1を冷却する。ここで冷媒ガスは若干の温度が上昇するが、さらに冷却する能力を持っているので、冷却板12A、冷却フランジ4Bを介して超電導コイル1を冷却することができる。結果として超電導コイルの両端から内部を冷却できる。
【0033】
図4は、冷媒ガスの流通路を冷却フランジに直接設ける実施例を示す。図4に示す実施例においては、冷却用配管20は、冷却フランジ4Aと熱的に接触し、その後冷却フランジ4Bと熱的に接触する。冷却用配管20が直接冷却フランジに接触するので、接触熱抵抗が低減でき、冷媒と超電導コイルとの温度差を縮小することができる。
【0034】
次に、図5は、冷却板12を通流した冷媒ガスを、電流リードの冷却に用いる構成を示したものである。冷却用配管20は、冷却板12に接続された後、バイパス配管25と接続配管26とに分岐する。パイバス配管25は、電流リード9への冷媒ガス供給量を調整するために設けられる。接続配管26は、図示しない絶縁配管によって電流リードとの間を電気絶縁する構造とし、電流リード9に接続される。
【0035】
本構成によれば、冷媒ガスを用いて電流リードを冷却するので、電流リードの熱侵入量は一本あたり、例えば1.2W/kA程度となり、伝導冷却方式(冷媒ガスで冷却しない方式)に比べ大幅に低減できる。電流リード9の下端は、超電導コイル1とほぼ同一の温度に冷却されるので、電流リード9と超電導コイル1とは高温超電導導体13を用いて電気的に接続する。高温超電導導体13は、電気抵抗がほぼゼロでありジュール発熱がなく、熱伝導率は金属に比べて1/100程度であり、超電導コイルヘの熱侵入量は無視できる程度に抑制可能となる。従って、冷媒ガスのもつ冷却能力の大半を超電導コイルに使用でき、大型コイルの発熱除去に好適となる。
【0036】
また、冷却用配管20、バイパス配管25及び大気側配管27は、冷媒ガス循環機能をもった外部設置の図示しない冷凍機に接続される。大気側配管27を流れる冷媒の温度はほぼ室温であり、冷凍機によって所定の温度に冷却した後、冷却用配管20に供給することにより、超電導コイルを冷却する。
【0037】
図6は、輔射シールドに専用の単段式冷凍機の低温端を接続した実施例を示す。輔射シールド2は小型単段式冷凍機7aに接続されて冷却される。本構成により、超電導コイル冷却用の冷媒ガス供給とは無関係に、専用の冷凍機によって輔射シールドが冷却される。一般に、超電導コイル1が運転休止の場合、冷媒ガスの供給も停止するが、このとき超電導コイルの温度は上昇する。図6に示す構成によれば、冷凍機7aを連続運転することにより、幅射シールド2は連続的に冷却できるので、図示しない超電導コイル支持材を介して超電導コイルが冷却できる。このとき運転時の温度までは冷却できないが、超電導コイル冷却用の冷媒ガスの供給を再開してから運転開始までの冷却時間を短縮できる。この場合には、速やかに運転再開できるので、効率的に超電導コイルを運用できる。
【0038】
【発明の効果】
この発明によれば、前述のように、超電導線を巻枠に層状に巻回し冷却フランジで支持してなる超電導コイルと、超電導コイルを断熱して収納する真空容器とを備え、付設した冷凍機を用いて超電導コイルを冷却し、極低温に保持してなる超電導磁石において、前記冷凍機は前記真空容器の外部に設置し、前記超電導コイルの冷却フランジと熱良導的に配設した冷却板を、前記冷凍機で発生する極低温の冷媒ガスにより所定温度に冷却することにより、超電導コイルを冷却するように構成するとともに、前記冷却板は非磁性の良熱伝導性材料からなり、かつ、その内部に前記極低温の冷媒ガスの流通路を形成してなり、さらに、前記冷凍機に連結されるとともに前記極低温の冷媒ガスを通流させる冷媒ガス配管が、前記冷却板の前記流通路に接続されてなるように構成したので、
冷凍機と超電導コイルとの接続構成および組立て作業がシンプルとなり、また冷凍機のメンテナンス性が向上する。さらに、超電導コイルにおける交流損失に伴う発熱が効果的に除去されるので、超電導コイルは常電導転移を生じることなく安定して運転できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に関わる超電導磁石の超電導コイル部の模式的拡大断面図
【図2】 本発明に係る冷却板の実施例の平面図
【図3】 図1とは異なる実施例の超電導磁石の超電導コイル部の模式的拡大断面図
【図4】 図3とは異なる実施例の超電導磁石の超電導コイル部の模式的拡大断面図
【図5】 本発明の異なる実施例の超電導磁石の模式的断面図
【図6】 本発明のさらに異なる実施例の超電導磁石の模式的断面図
【図7】 従来の冷凍機冷却方式の超電導磁石の基本構成を模式的に示す断面図
【符号の説明】
1:超電導コイル、2:輻射シールド、3:真空容器、4A,4B:冷却フランジ、5:冷却ボビン、6:冷却外筒板、7a:冷凍機、9:電流リード、12,12A,12B:冷却板、20:冷却用配管。
Claims (6)
- 超電導線を巻枠に層状に巻回し冷却フランジで支持してなる超電導コイルと、超電導コイルを断熱して収納する真空容器とを備え、付設した冷凍機を用いて超電導コイルを冷却し、極低温に保持してなる超電導磁石において、前記冷凍機は前記真空容器の外部に設置し、前記超電導コイルの冷却フランジと熱良導的に配設した冷却板を、前記冷凍機で発生する極低温の冷媒ガスにより所定温度に冷却することにより、超電導コイルを冷却するように構成するとともに、前記冷却板は非磁性の良熱伝導性材料からなり、かつ、その内部に前記極低温の冷媒ガスの流通路を形成してなり、さらに、前記冷凍機に連結されるとともに前記極低温の冷媒ガスを通流させる冷媒ガス配管が、前記冷却板の前記流通路に接続されてなることを特徴とする超電導磁石。
- 請求項1記載の超電導磁石において、前記冷却板の内部に形成する前記流通路は、前記極低温の冷媒ガスがジグザグに通流するように構成することを特徴とする超電導磁石。
- 請求項1または2に記載の超電導磁石において、前記超電導線の層間に伝導冷却板を組み込み、この伝導冷却板の両端を前記超電導コイルの上下両側の冷却フランジに設けた溝中に挿入した構成とすることを特徴とする超電導磁石。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の超電導磁石において、前記冷却板は、前記超電導コイルの上下両側の冷却フランジに設けてなることを特徴とする超電導磁石。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の超電導磁石において、前記冷却板を冷却した冷媒ガスを、超電導コイルに電流を供給する電流リードに通流して電流リードを冷却した後、前記冷凍機に還流するように構成することを特徴とする超電導磁石。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の超電導磁石において、前記超電導コイルへの外部からの熱輻射を遮断するために前記真空容器内に輻射シールドを配設してなり、この輻射シールドを前記冷凍機とは別に設けた小型単段式冷凍機により冷却するように構成することを特徴とする超電導磁石。
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