JPH1154318A - 超電導マグネットの冷却装置 - Google Patents

超電導マグネットの冷却装置

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JPH1154318A
JPH1154318A JP20662897A JP20662897A JPH1154318A JP H1154318 A JPH1154318 A JP H1154318A JP 20662897 A JP20662897 A JP 20662897A JP 20662897 A JP20662897 A JP 20662897A JP H1154318 A JPH1154318 A JP H1154318A
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cooling system
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱負荷の発生形態に関係なく超電導マグネット
をクエンチさせずに効率よく冷却し、循環装置の熱損失
を抑制する。 【解決手段】超電導マグネットの冷却装置20は、超電
導マグネット10内の1運用時の熱負荷発生条件で設定
したコイル巻線部11、接続部16(コイル間接続部1
4及び電流リード13との接続部15)、コイル容器部
12に向けて低温のヘリウムを流すための互いに独立し
た主冷却系統21及び副冷却系統22を備える。主冷却
系統21は、超臨界圧ヘリウムを供給配管24及び戻り
配管25を介して主にコイル巻線部11に循環させる手
段(循環装置26およぶ超臨界圧ヘリウム熱交換水槽2
3が要部を成す)を備える。副冷却系統22は、熱交換
水槽23内の液体ヘリウムを自然循環により供給配管2
7及び戻り配管28を介して主に接続部に向けて循環さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、核融合装置など
の大型超電導機器に使用される強制冷却導体を用いた超
電導マグネットの冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に高電圧、高磁界、高電流密度が要
求される核融合実験装置(炉)やエネルギー貯蔵装置
(SMES)などの大型超電導機器には、金属管(コン
ジット)内に多数の超電導線を収納した強制冷却導体を
使用し、この導体内に「超臨界圧ヘリウム」と呼ばれる
低温かつ臨界圧以上の単相の高圧ヘリウムを流す、いわ
ゆる強制冷却方式の超電導マグネットが多く採用されて
いる。この超電導機器の一例を図3に示す。
【0003】図3に示す大型超電導機器は例えば核融合
装置に適用されるもので、極低温容器(断熱容器)10
0内に配置され且つその外部の励磁電源(図示しない)
に電流リード103を介して電気的に接続される大型超
電導マグネット101と、このマグネット101の強制
冷却導体(図示しない)を含む冷却系統に超臨界圧ヘリ
ウム等を供給する冷却装置102とを備えている。
【0004】冷却装置102は、マグネット101との
間で超臨界圧ヘリウム循環ライン110(供給配管11
0a及び戻り配管110b)を介して熱的に接続される
熱交換ユニット、即ち循環装置(ポンプ)111及び超
臨界圧ヘリウム熱交換器槽112(図中の符号112a
は熱交換器)を低温容器100内に備えている。
【0005】この低温容器100の外部には、熱交換器
槽112内に液体ヘリウム移送管113を介して液体ヘ
リウムを供給する液体ヘリウム貯槽114や、ヘリウム
ガス供給系統(断熱配管)115を介して熱交換ユニッ
トに低温のヘリウムガスを供給するヘリウム冷凍液化装
置116のほか、戻り配管110等の配管類からヘリウ
ムガス回収系統117を介してガスを受ける回収精製系
(ガスバッグ118a、回収圧縮機118b、精製装置
118cなど)118、ヘリウムガス充填容器119、
及びヘリウム圧縮機120等が設置されている(図中の
符号121…121は各種構成機器及び配管類を仕切る
バルブを示す)。
【0006】このような超電導マグネットの冷却装置で
は、循環装置からの超臨界圧ヘリウムを熱交換器槽内の
液体ヘリウムとの間で熱交換させてマグネット内の冷却
系統に沿って循環させるが、このマグネットで発生する
電磁力支持用の構造体も含めて約1000トンにも達す
るマグネット冷却重量をカバーし且つ長時間にわたって
安定に運転させる必要があるため、その構成主要機器の
信頼性をより一層高めたり、複数の循環装置や並列回路
等による二重構成化を構築する等の対策が不可欠となっ
ている。
【0007】この対策としては、例えば図4に示すよう
に、上記と同様の超電導マグネット(図示しない)およ
び超臨界圧ヘリウム熱交換ユニット(循環装置111、
熱交換器槽112、熱交換器112a等)が配置される
極低温容器100内の超電導マグネット支持構造物系
(トロイダルコイル支持系122a、ポロイダルコイル
支持系122b、その他の支持構造物系122c)に専
用の冷却系統を割り当てた冷却装置が提案されている。
これは、運転時における熱負荷の発生形態が定常的であ
ったり、パルス的であったりと変化していく事実に基づ
いて構築されたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の超電導マグネットの冷却装置では、通常、マグ
ネット単体の各部(コイル巻線部、コイル間接続部、及
びコイル容器など)の冷却構成を、同一形態のヘリウム
(超臨界圧ヘリウム等)を用いた同一の冷却系統(例え
ば、Fusion Engineering and Design Vol.7 1988)で構
築してあるため、以下のような不都合があった。
【0009】例えば核融合装置の場合には、運転時にお
ける超電導マグネットへの熱負荷の発生形態がプラズマ
燃焼時やプラズマ着火時に発生する中性子核発熱、交流
損失発熱、及びプラズマ非燃焼時の定常侵入熱などによ
り異なるため、超電導導体を冷却する冷媒の温度上昇を
招きやすく、最悪の場合には超電導状態の破壊(以後ク
エンチと記す)を生じる可能性があった。
【0010】この不都合を防止する対策として、例えば
この種の発生熱負荷が異なる装置において高効率で循環
流量を小流量から大流量まで可変とすることのできる低
温循環装置が要求されていた。特に核融合装置の場合に
は発生熱負荷の変動がプラズマ燃焼時とその非燃焼時と
では約十倍以上あるため、ヘリウム循環量も十倍以上変
化させる必要がある。
【0011】しかしながら、従来例ではこのように広範
囲な流量可変の低温循環装置はなく、通常大流量用に設
計された循環装置を用いて低熱負荷時も大流量で循環さ
せており、このような装置構成及び運転方式では熱負荷
の増減に応じてヘリウム循環量を急激に増減させる等の
可変調整が殆どできない。従って、運用によっては不必
要なヘリウム流量を流す等により循環装置でのポンプ熱
損失も増大し、冷凍系のシステム容量が過大となる不都
合があった。
【0012】この発明は、このような従来の問題を考慮
してなされたもので、熱負荷の発生形態に関係なく超電
導マグネットをクエンチさせずに効率よく冷却し、循環
装置の熱損失を抑制することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る超電導マグネットの冷却装置では、
超電導マグネット内の冷却対象に向けて冷媒を流す冷却
系統を備え、この冷却系統に沿って上記冷媒を上記冷却
対象に供給する構成とし、冷却系統を主冷却系統と副冷
却系統とで構成し、この2種の冷却系統の少なくとも一
方を介して冷却対象の内の超電導マグネット運転時の熱
負荷発生条件から選択した複数の冷却対象に個別に冷媒
を供給する冷媒供給手段を備えたことを特徴とする。
【0014】この発明によれば、主冷却系統と副冷却系
統とに分離して超電導マグネット内の熱負荷発生条件に
基づく複数の冷却対象を個別に冷却できることから、例
えば熱負荷に応じた冷媒流量(ヘリウム流量等)を冷却
系統の幾何学的寸法制約や循環装置の制御可能な容量等
に制限されることなく供給できる。
【0015】この結果、この発明に係る冷却装置では、
超電導導体を冷却するヘリウム、水素、窒素などの冷媒
の温度上昇を抑えて超電導マグネットをクエンチさせる
ことなく効率よく冷却できると共に、循環装置の熱損失
が過大となる事態を大幅に改善できる。
【0016】この発明で好ましくは、主冷却系統は複数
の冷却対象の内の超電導マグネットのコイル巻線部に冷
媒を流すための冷却系統であり、副冷却系統は複数の冷
却対象の内の超電導マグネットのコイル間接続部及びコ
イル容器部の少なくとも一方に冷媒を流すための冷却系
統である。
【0017】ここで、主冷却系統の冷却対象を超電導マ
グネットのコイル巻線部とし、副冷却系統の冷却対象を
超電導マグネットのコイル間接続部とした場合を考え
る。
【0018】従来例のコイル巻線部とコイル間接続部と
を同一冷媒及び同一系統で直列に冷却する超電導マグネ
ットの冷却装置では、特に接続部での温度上昇を招きや
すいといった問題があった。これは、コイル間接続部で
は、接続部の持つ電気的な抵抗によるジュール発熱のほ
か、コイル巻線部を冷却した後に引き続きコイル間接続
部が冷却されるコイル巻線部のクエンチ回避のための流
路構造であるために、超臨界圧ヘリウムのような単相流
で冷却する場合には、コイル巻線部での流路抵抗が大き
いためコイル間接続部での流量が十分確保できないため
である。
【0019】そこでこの発明によれば、2種の冷却系統
を用いてコイル巻線部とイル間接続部とで互いに異なる
条件、例えばそれぞれに適した冷媒条件や循環装置など
を個別に設定できるため、従来例と比べ超電導マグネッ
トをクエンチさせることなく、安定にかつ効率よく冷却
できる利点がある。
【0020】次に、副冷却系統の冷却対象をコイル容器
部とした場合を説明する。
【0021】従来例のコイル巻線部とコイル容器部とを
互いに超臨界圧ヘリウムを用いて同一系統で直列に冷却
する超電導マグネットの冷却装置では、コイル巻線部は
温度変化によりクエンチの発生原因となる場合があるの
に対し、コイル容器は非超電導材で構成されているため
にそれ自体は温度が上昇してもクエンチしないが、変動
磁界発生時およびプラズマ燃焼時では発熱しやすいとい
った問題があった。
【0022】そこでこの発明によれば、2種の冷却系統
を用いてコイル巻線部とコイル容器部とで互いに異なる
条件、例えばそれぞれに適した温度、圧力、流量条件、
循環装置等を設定できるため、従来例と比べ超電導マグ
ネットをクエンチさせることなく、安定にかつ効率よく
冷却できる。
【0023】この発明における冷媒供給手段は、好まし
くは冷媒として主冷却系統及び副冷却系統を介して互い
に異なる相形態のヘリウムを複数の冷却対象に供給する
手段である。特に互いに異なる相形態のヘリウムとして
は、超臨界圧ヘリウムと、液体ヘリウムまたは気液二相
ヘリウムとで構成されることが好ましい。
【0024】この理由を説明する。例えば、超臨界圧ヘ
リウムは単相であるため、熱の出入りによって相変化が
生じることがないので安定した冷却が期待できる反面、
ガスに近い状態のため、流量が少ないと大きな温度上昇
が生じるのに対し、液体ヘリウムや気液二相ヘリウムは
液相また混合相であるため、相変化はするものの、蒸発
潜熱を利用できるため、温度上昇を抑制できるといった
性質がある。
【0025】そこでこの発明によれば、超臨界圧ヘリウ
ムや液体ヘリウムのような形態(相)が互いに異なるヘ
リウムを熱負荷の発生形態に基づく複数の冷却対象で個
別に利用できることから、発生する熱負荷に最適な除熱
効果を得ることができ、超電導導体を冷却するヘリウム
の温度上昇を抑え、超電導マグネットをクエンチさせる
ことなくより一層効率よく冷却できる利点がある。
【0026】この利点は、特に主冷却系統の冷媒として
コイル巻線部で発生する過渡的な熱負荷に対して高い熱
伝達を有する超臨界圧ヘリウムを使用し、副冷却系統の
冷媒としてコイル間接続部で発生する定常的なジュール
発熱やコイル容器のように熱負荷の大きい冷却対象に対
して蒸発潜熱を利用できる液体ヘリウムや気液二相ヘリ
ウムを使用する場合に最大限に発揮させることができ
る。
【0027】この発明の別の側面として、冷媒供給手段
は主冷却系統及び副冷却系統で互いに異なる循環装置を
備えている。
【0028】この理由を説明する。例えば、核融合装置
の場合における中性子核発熱や交流損失発熱は、超電導
マグネットを巻線したコイル部よりもその周囲の電磁力
支持構造体であるコイル容器で大半が発生するのに対
し、コイル容器はクエンチすることがないため、多少の
流量変動や圧力変動があっても問題が生じない。またコ
イル容器では、クエンチ時に発生する急激なヘリウムの
圧力上昇も殆ど生じないため、差圧を利用して循環させ
る循環装置を使用しても破損の心配がない。
【0029】一方、コイル巻線部では発熱に合わせて短
時間に流量を変化させ、高い熱伝達で除熱する必要があ
るが、流量変動や圧力変動があると熱伝達が不安定にな
り、冷却特性が低下してクエンチが生じる場合がある。
このようにクエンチが生じるとヘリウムの圧力が急激に
上昇し、この圧力の跳ね返りによる影響で差圧で循環さ
せる循環装置を破損させる可能性があった。
【0030】そこでこの発明によれば、2種の冷却系統
に適したヘリウム循環方式の装置を用いることにより、
従来例と比べて超電導マグネットをクエンチさせること
なく安定に効率よく冷却させることができ、循環装置の
損傷を招くことなく循環装置の熱損失が過大とならない
超電導マグネットの冷却装置を提供できる。
【0031】この発明における循環装置は、低温ポンプ
及びヘリウムガス圧による圧送方式を用いた冷却装置の
内の少なくとも一方が好ましい。
【0032】ヘリウムガス圧による圧送方式は、室温雰
囲気に設置した従来の圧縮機を使用することで十分な差
圧が確保できるため、初期冷却時にコイル容器からコイ
ル巻線部も冷却する場合や、できる限り差圧を大きくと
って流量を確保したい場合に採用することが望ましい。
低温ポンプは、定常冷却時のように差圧を確保する必要
のないコイル巻線部等の冷却系統に使用することが望ま
しい。このように超電導マグネットの初期冷却時や定常
冷却時等の各運転条件に最適な冷却効率で安定に冷却で
きる利点がある。
【0033】この発明の別の側面として、主冷却系統の
循環装置を遠心式低温ポンプとし、副冷却系統の循環装
置を往復動低温ポンプとすることが望ましい。
【0034】遠心式低温ポンプは、泡の問題が殆ど生じ
ない単相流の流体循環用として最適であり、例えば循環
に伴う流動変動や圧力変動が少ないためにコイル巻線部
の冷却に適する。さらにクエンチ時に発生する急激なヘ
リウムの圧力上昇に対しても応答性がよく安全に停止す
ることができる。また、熱負荷の急激な増減に対しても
応答性よく流量を変化させることができる。
【0035】往復動低温ポンプは、混相流の循環が可能
であるために特にコイル間接続部の冷却に最適である。
また循環に伴う流量変動や圧力変動があるが、大流量か
ら小流量までの流量の増減調整範囲が遠心式ポンプより
もはるかに広いため、コイル容器の冷却にも適する。
【0036】このように各系統に適した循環方式の装置
を用いることにより、超電導マグネットをクエンチする
ことなく効率よく冷却でき、循環装置の熱損失が過大と
ならない超電導マグネットの冷却装置を提供できる。
【0037】この発明の別の側面として、冷媒供給手段
は冷却系統の超電導マグネットよりも上流側に再冷却用
の熱交換器を備えている。超電導マグネットを単相流の
ヘリウムで冷却する場合には熱負荷によりヘリウムの温
度は上昇するが、超電導マグネットの冷却系統上流に再
冷却用の熱交換器を設置すれば、再冷却により常に安定
した温度条件のヘリウムを供給でき、超電導マグネット
のクエンチを誘発する恐れを殆ど解消できる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る超電導マグ
ネット冷却装置の具体的な実施形態を図1及び図2に基
づいて説明する。
【0039】(第1実施形態)図1に示す超電導マグネ
ット装置は、例えば核融合装置に適用されるもので、極
低温容器1a内に配置される超電導マグネット10と、
このマグネット10を強制冷却させる、本発明に係る超
電導マグネット冷却装置を成す冷却装置20とを備えて
いる。
【0040】超電導マグネット10は、冷却装置20に
よる低温ヘリウム(超臨界圧ヘリウム)を流路に流して
冷却する強制冷却導体で形成された超電導コイルからな
り、その通電部分である複数のコイル巻線部11…11
を非通電部分であるコイル容器部(電磁力支持構造体を
含む)12内に配設し、図示しない励磁電源に接続され
たマグネット励消磁用の対を成す電流リード13、13
間を各コイル巻線部11…11を介して直列状に接続す
る複数のコイル間接続部14…14及び電流リード接続
部15、15(以下、両者を「接続部」16と総称す
る)をコイル容器部12外に配置したものである。
【0041】冷却装置20は、超電導マグネット10の
容器部12内のコイル巻線部11…11及びその接続部
16を互いに独立して冷却するための主冷却系統21及
び副冷却系統22を備えている。
【0042】主冷却系統21は、主にコイル巻線部11
の冷却に関する構成であり、液体ヘリウムを貯蔵し且つ
その液体ヘリウムとの間で低温ヘリウムガスを熱交換さ
せる熱交換器23aを収納した超臨界圧ヘリウム熱交換
器槽23と、その熱交換器槽23から超電導マグネット
10の各コイル巻線部11…11に連絡する供給配管2
4及びその戻り配管25を介して超臨界圧ヘリウムをコ
イル容器部12及び各コイル巻線部11…11に向けて
循環させる循環装置26とを極低温容器1a内に備え
る。
【0043】副冷却系統22は、主に接続部16の冷却
に関する構成であり、超臨界圧ヘリウム熱交換器槽23
から超電導マグネット10の接続部16に連絡する供給
配管27及びその戻り配管28を要部に備え、熱交換器
槽23内の液体ヘリウムを自然対流により接続部16に
向けて送り込む。
【0044】上記の冷却装置20には、熱交換器槽23
に液体ヘリウム移送管30を介して液体ヘリウムを送液
すると共に、循環装置26にヘリウムガス供給系統(配
管類)31を介して低温のヘリウムガスを供給するヘリ
ウム冷凍液化装置32や、主冷却系統21および副冷却
系統22からのヘリウムガスを回収する系統33(配管
類)等が極低温容器1a外に設置されている(図中の符
号34…34は各種の配管類などを仕切るバルブを示
す)。
【0045】次に、この実施形態の全体の動作を説明す
る。
【0046】まず装置起動に際し、循環装置26から供
給される超臨界圧ヘリウムは、その熱交換器槽23内の
熱交換器23aにて液体ヘリウムとの間で熱交換され、
その飽和温度近傍まで下げられ、主冷却系統21の供給
配管24を介して超電導マグネット10に流れ込む。こ
の超臨界圧ヘリウムは、マグネット10内のコイル巻線
部11及びコイル容器部12を介してその運転時におけ
る熱負荷を冷却しながら、主冷却系統21の戻り配管2
5に送られ、その戻りの温度及びその圧力に応じてバル
ブ34により循環装置26及びヘリウムガス回収系統3
3のいずれか一方に送られる。
【0047】このように主冷却系統21における超臨界
圧ヘリウムは、単相であるために熱の出入りによって相
変化が生じず、特にコイル巻線部11で発生する過渡的
な熱負荷に対しては高い熱伝達を有するため、この部分
を安定して冷却する。
【0048】上記の超臨界圧ヘリウム循環の動作と並行
して、超臨界圧ヘリウム熱交換槽23に溜められた液体
ヘリウムの一部は、副冷却系統22の供給配管27を介
して自然対流により超電導マグネット10内の接続部1
6に供給される。
【0049】そこで、液体ヘリウム及びその気液二相流
ヘリウムの蒸発潜熱により、超電導マグネット運転時の
接続部16における発熱による熱負荷が緩和され、その
温度上昇が効果的に抑制される。この接続部16からの
ヘリウムは、副冷却系統22の戻り配管28を通ってそ
の戻りの温度、圧力に応じてバルブ34により超臨界圧
ヘリウム熱交換器槽23及びヘリウムガス回収系統33
のいずれかに一方に送られる。
【0050】このように副冷却系統22における液体ヘ
リウムは、液相であるために相変化するものの、蒸発潜
熱を利用できるために超臨界圧ヘリウムのような単相流
の場合と比べて接続部16での温度上昇を抑制できる。
【0051】従ってこの実施形態によれば、超電導マグ
ネット内の各部を主冷却系統と副冷却系統とで分離して
冷却する構成としたため、熱負荷に応じたヘリウム流量
を系統の幾何学的寸法の制約や循環装置の制御可能な容
量に依存しないで独立して供給及び循環させることがで
きる。
【0052】その結果、熱負荷の発生形態が互いに異な
る各発熱部所毎に最適な除熱効果を得る超電導マグネッ
トの冷却構成の選択肢の自由度を大幅に増やすことがで
き、これにより、超電導導体を冷却するヘリウムの温度
上昇を大幅に抑え、超電導マグネットをクエンチさせる
ことなく効果的に冷却できる。また、各冷却系統毎に独
立して最適なヘリウム流量を確保でき、過剰流量による
循環装置の熱損失を小さく抑える利点もある。
【0053】(第2実施形態)図2に示す超電導マグネ
ット冷却装置は、主にコイル巻線部11を冷却する主冷
却系統(供給配管24a及び戻り配管25a)21a
と、主にコイル容器部12を冷却する副冷却系統(供給
配管27a及び戻り配管28a)22aとを備えてい
る。その他の構成は、上記と略同様である(図中では省
略した)。
【0054】このようにコイル巻線部11とその容器部
12との冷却系統を分離すれば、それぞれに適した温
度、圧力、流量条件、循環装置等の冷却条件を設定でき
ることから、上記効果に加え、クエンチの原因となるコ
イル巻線部の温度変化や、変動磁界発生時やプラズマ燃
料時等のコイル容器の発熱をより効果的に抑制できる利
点がある。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、熱負荷の発生形態が異なる超電導マグネット内の冷
却対象(各部)に対して系統毎に熱負荷に見合ったヘリ
ウムなどの冷媒、単相または二相などの形態、流量条
件、循環装置を用いて独立して供給できる。従って、熱
負荷発生形態に関係なく超電導マグネットを殆どクエン
チさせずに効率よく冷却でき、循環装置の熱負荷が過大
とならない超電導マグネットの冷却装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る超電導マグネットの冷却装置の
実施形態を示す概略の全体構成図。
【図2】副冷却系統にコイル容器部を設定した場合を説
明する概略の要部構成図。
【図3】従来の超電導マグネットの冷却装置を示す概略
の全体構成図。
【図4】従来の支持構造体専用の冷却系を説明する概略
構成図。
【符号の説明】
1a 極低温容器 10 超電導マグネット 11 コイル巻線部 12 コイル容器部 13 電流リード 14 コイル間接続部 15 電流リード接続部 16 接続部 20 冷却装置 21,21a 主冷却系統 22,22a 副冷却系統 23 超臨界圧ヘリウム熱交換器槽 23a 熱交換器 24,24a 供給配管(主冷却系統) 25,25a 戻り配管(主冷却系統) 26,26a 循環装置 27,27a 供給配管(副冷却系統) 28,28a 戻り配管(副冷却系統) 30 液体ヘリウム移送管 31 ヘリウムガス供給系統 32 ヘリウムガス回収系統

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導マグネット内の冷却対象に向けて
    冷媒を流す冷却系統を備え、この冷却系統に沿って上記
    冷媒を上記冷却対象に供給する超電導マグネットの冷却
    装置において、 上記冷却系統を主冷却系統と副冷却系統とで構成し、こ
    の2種の冷却系統の少なくとも一方を介して上記冷却対
    象の内の上記超電導マグネット運転時の熱負荷発生条件
    から選択した複数の冷却対象に個別に上記冷媒を供給す
    る冷媒供給手段を備えたことを特徴とする超電導マグネ
    ットの冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記主冷却系統は、前記複数の冷却対象
    の内の前記超電導マグネットのコイル巻線部に前記冷媒
    を流すための冷却系統であり、前記副冷却系統は、上記
    複数の冷却対象の内の上記超電導マグネットのコイル間
    接続部及びコイル容器部の少なくとも一方に上記冷媒を
    流すための冷却系統である請求項1記載の超電導マグネ
    ットの冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記冷媒供給手段は、前記冷媒として前
    記主冷却系統及び副冷却系統を介して互いに異なる相形
    態のヘリウムを前記複数の冷却対象に供給する手段であ
    る請求項1記載の超電導マグネットの冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記互いに異なる相形態のヘリウムは、
    超臨界圧ヘリウムと、液体ヘリウムまたは気液二相ヘリ
    ウムとで構成される請求項3記載の超電導マグネットの
    冷却装置。
  5. 【請求項5】 前記冷媒供給手段は、前記主冷却系統及
    び副冷却系統で互いに異なる循環装置を備えた請求項1
    記載の超電導マグネットの冷却装置。
  6. 【請求項6】 前記循環装置は、低温ポンプ及びヘリウ
    ムガス圧による圧送方式を用いた冷却装置の内の少なく
    とも一方である請求項5記載の超電導マグネットの冷却
    装置。
  7. 【請求項7】 前記主冷却系統の循環装置は遠心式低温
    ポンプであり、前記副冷却系統の循環装置は往復動低温
    ポンプである請求項5記載の超電導マグネットの冷却装
    置。
  8. 【請求項8】 前記冷媒供給手段は、前記冷却系統の超
    電導マグネットよりも上流側に再冷却用の熱交換器を備
    えた請求項1記載の超電導マグネットの冷却装置。
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