JPH09306722A - 超電導磁石装置 - Google Patents

超電導磁石装置

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Publication number
JPH09306722A
JPH09306722A JP8121822A JP12182296A JPH09306722A JP H09306722 A JPH09306722 A JP H09306722A JP 8121822 A JP8121822 A JP 8121822A JP 12182296 A JP12182296 A JP 12182296A JP H09306722 A JPH09306722 A JP H09306722A
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JP
Japan
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heat
superconducting coil
loop
thin tube
type thin
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Pending
Application number
JP8121822A
Other languages
English (en)
Inventor
Chiyandorateiraka Roohana
ローハナ・チャンドラティラカ
Yasumi Otani
安見 大谷
Masahiko Takahashi
政彦 高橋
Hideki Nakagome
秀樹 中込
Masami Urata
昌身 浦田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D19/00Arrangement or mounting of refrigeration units with respect to devices or objects to be refrigerated, e.g. infrared detectors
    • F25D19/006Thermal coupling structure or interface

Landscapes

  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】極低温冷凍機と超電導コイルとの間の距離が離
れていても両者間に大きな温度差を生じさせることな
く、極低温冷凍機で超電導コイルを良好に冷却でき、シ
ステム効率を向上できるとともに、運転開始時における
予冷時間の短縮化も図れる超電導磁石装置を提供する。 【解決手段】超電導コイル31と、極低温冷凍機32
と、この極低温冷凍機32の冷却ステージ34に放熱部
38を熱的に接続するとともに超電導コイル31に吸熱
部40を熱的に接続して設けられたループ型細管ヒート
パイプ35と、このループ型細管ヒートパイプ35内に
外部から冷媒を強制的に通流させる冷媒強制通流手段
(42,43,44,45,46,47,48,49,
50)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超電導磁石装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、超電導コイルを使用する
には何らかの手段で超電導コイルを構成している超電導
線を臨界温度以下に冷却する必要がある。この冷却手段
としては、一般に超電導コイルを液体ヘリウムや液体窒
素等の極低温液体中に浸漬して冷却する方式が採用され
ている。しかし、このような浸漬冷却方式では扱い難い
液体ヘリウムや液体窒素を直接取扱う必要があるので運
転コストの上昇を免れ得ない。
【0003】そこで最近では、極低温冷凍機の冷却ステ
ージと超電導コイルとを熱的に接続して超電導コイルを
冷却する冷凍機直結冷却方式も考えられている。しか
し、電力用の超電導コイルでは、大電流を流すこと、商
用周波数の交流を使用することなどから、直流用の超電
導コイルに比べて大量の熱が発生する。また、電力用の
超電導コイルでは、大型化や耐電圧の問題などから、極
低温冷凍機と超電導コイルとの間の距離を十分に離す必
要が生じている。このため、大量の熱を長距離に亙って
運ぶ必要性が生じ、これは極低温冷凍機と超電導コイル
との間に大きな温度差がつくことになり、システムの効
率を著しく低下させる。
【0004】そこで、従来の電力用超電導磁石装置で
は、図9に示すように、超電導コイル1と極低温冷凍機
2の冷却ステージとを金属製の熱伝導部材3を介して熱
的に接続する方式を採用している。なお、図9中、4は
低温部分を外気から断熱するための真空容器を示してい
る。
【0005】しかしながら、このように構成された超電
導磁石装置にあっては、熱伝導部材3の材質、形状によ
って超電導コイル1から極低温冷凍機2への熱輸送量が
決まる。このため、発熱量の大きい超電導コイルを冷却
する場合には、熱伝導部材3をより熱伝導性の良い材質
に変えるか、あるいは熱伝導断面積のより大きい熱伝導
部材に変える必要がある。
【0006】しかし、熱伝導性の良い部材は、一般的に
渦電流が発生しやすく、その結果、熱損失の増大につな
がる。また、熱伝導断面積を大きくすると、必然的に装
置の大型化を招くことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、電力用超
電導磁石装置では、超電導コイルと該コイルを冷却する
ための極低温冷凍機との間の距離を十分にとる必要があ
り、このことが原因して極低温冷凍機と超電導コイルと
の間に大きな温度差が生じ、システム効率が低いという
問題があった。
【0008】そこで本発明は、極低温冷凍機と超電導コ
イルとの間の距離が離れていても両者間に大きな温度差
を生じさせることなく、極低温冷凍機で超電導コイルを
良好に冷却でき、システム効率を向上できるとともに、
運転開始時における予冷時間の短縮化も図れる超電導磁
石装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る超電導磁石装置は、超電導コイルと、
極低温冷凍機と、この極低温冷凍機の冷却ステージに放
熱部を熱的に接続するとともに前記超電導コイルに吸熱
部を熱的に接続して設けられたループ型細管ヒートパイ
プと、このループ型細管ヒートパイプ内に外部から冷媒
を強制的に通流させる冷媒強制通流手段とを備えてい
る。
【0010】なお、前記ループ型細管ヒートパイプは、
前記超電導コイルを構成する超電導線とともにコイルの
内部または外部あるいは両方に巻かれていることがより
好ましい。
【0011】また、前記ループ型細管ヒートパイプは、
前記超電導コイルに接続されるパワーリードにも熱的に
接続されていることが好ましい。また、前記ループ型細
管ヒートパイプは、前記超電導コイルに接続されるパワ
ーリードを兼ねていることが一層好ましい。
【0012】本発明装置で用いているループ型細管ヒー
トパイプは、たとえば細い銅管などで形成されたループ
型細管の中に作動流体を収容したものとなっている。実
際にヒートパイプとして用いるときには、ループ型細管
の一部を吸熱部として被冷却物に熱的に接続し、またル
ープ型細管の他の一部を放熱部として冷却源に熱的に接
続する。
【0013】吸熱部から侵入した熱によって、吸熱領域
に存在している作動流体が加熱されると、この作動流体
内で気泡が発生する。このとき、この気泡が周辺の液体
を押し退ける。この押し退ける力は吸熱部を境にしてル
ープの両側方向に働くが、構成の微妙なアンバランス等
によって、一方向への力が強くなる。この結果、液体の
一方向への流れ成分が増してループ内を作動流体が循環
移動する。この循環する作動流体が吸熱部と放熱部との
間の熱交換に寄与して熱輸送が行われる。特に、吸熱部
で蒸発したガスが放熱部で凝縮することによる蒸発潜熱
を利用できるので、超電導コイルと極低温冷凍機との間
の距離が離れていても多量の熱を運ぶことができる。こ
のため、同じ断面積の銅材を熱伝導素子として用いた場
合の10〜100 倍以上の熱を伝えることができる。また、
ループ型細管ヒートパイプは、格別な流体駆動源を必要
としないので簡便性に富んでいること、全体を柔軟構造
にすることができるので設置自由度に富んでいることな
どの優れた面を備えている。
【0014】このように、ループ型細管ヒートパイプは
優れた特性を持っているが、反面、動作温度域が極めて
狭いという問題を有している。このため、運転開始時の
ように超電導コイルを臨界温度まで下げなければならな
いとき、つまり予冷時には極低温冷凍機を運転開始して
も、細いループ型細管および封入されているガスの伝導
による冷却効果しか得られず、超電導コイルの予冷に長
時間を要する問題がある。
【0015】しかし、本発明装置のようにループ型細管
ヒートパイプ内に外部から冷媒を強制的に通流させる冷
媒強制通流手段を設けていると、この手段によって供給
された低温の冷媒で超電導コイルを冷却することができ
るので、電力用超電導磁石装置のように熱容量の大きき
超電導コイルを用いる場合でも予冷時間を大幅に短縮す
ることができる。
【0016】なお、超電導コイルを構成する超電導線と
ともにコイルの内部または外部あるいは両方にループ型
細管ヒートパイプを巻き込むことによって、超電導コイ
ル内部の温度差を小さくできる。
【0017】また、超電導コイルに接続されるパワーリ
ードにもループ型細管ヒートパイプを熱的に接続するこ
とによって、パワーリードから侵入する熱を吸収するこ
とができる。
【0018】さらに、ループ型細管ヒートパイプに、超
電導コイルに接続されるパワーリードを兼ねさせること
によって、パワーリードの冷却を十分に行わせることが
できる。電力用のように大電流を流す超電導磁石装置で
は、パワーリードでの発熱が大きな問題となるが、上記
のようにループ型細管ヒートパイプでパワーリードを兼
用させることによって、設計の容易化を図ることができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
実施形態を説明する。図1には本発明の一実施形態に係
る超電導磁石装置が示されている。図中、30は断熱容
器としての真空容器を示している。この真空容器30内
には臨界温度が20K 程度の超電導線で形成された超電導
コイル31が配置されている。真空容器30内には極低
温冷凍機32の冷却ステージも位置している。
【0020】極低温冷凍機32は蓄冷器を備えた、たと
えばギフォード・マクマホン冷凍機によって構成されて
いる。この極低温冷凍機32は、50K 程度に冷却される
第1段冷却ステージ33と、この第1段冷却ステージ3
3より低い、たとえば4 K 程度に冷却される第2段冷却
ステージ34とを備えている。
【0021】第2段冷却ステージ34と超電導コイル3
1とはループ型細管ヒートパイプ35によって熱的に接
続されている。ループ型細管ヒートパイプ35は、細い
銅チューブを多数回巻回して形成された無端のループ型
細管36を備えており、このループ型細管36内に作動
流体としてのヘリウムを収容したものとなっている。そ
して、ループ型細管36に設定された放熱部38は銅ブ
ロックなどで形成された熱伝導部材39を介して第2段
冷却ステージ34に熱的に接続されており、またループ
型細管36に設定された吸熱部40は銅ブロックなどで
形成された熱伝導部材41を介して超電導コイル31に
熱的に接続されている。
【0022】一方、ループ型細管ヒートパイプ35には
予冷機構(冷媒強制通流機構)37が接続されている。
この予冷機構37は次のように構成されている。すなわ
ち、ループ型細管36の図中A部に冷媒案内管42の一
端部を連通させ、この冷媒案内管42の他端側を熱交換
器43,44,45,46を介して真空容器30の外に
導き、この導かれた端部をバルブ47を介してコンプレ
ッサ48の吐出口に接続している。また、ループ型細管
36の上述した冷媒案内管42が連通しているA部から
ループ型細管36に沿って両側にほぼ等しい距離だけ離
れた図中B部に冷媒案内管49の一端部を連通させ、こ
の冷媒案内管49の他端側を熱交換器44,46を介し
て真空容器30の外に導き、この導かれた端部をバルブ
50を介してコンプレッサ48の吸込口に接続してい
る。ここで、熱交換器44,46は対向流型に形成され
ている。そして、予冷機構37のループ内には冷媒とし
てのヘリウムガスが封入されている。
【0023】次に、上記のように構成された超電導磁石
装置の冷却運転例を説明する。まず、極低温冷凍機32
を運転開始させる。次に、バルブ47,50を開放し、
コンプレッサ48を運転開始させる。コンプレッサ48
から吐出した高圧のヘリウムガスは、熱交換器46を通
った後に熱交換器45を通る間に第2 1段冷却ステー
ジ33によって冷却され、続いて熱交換器44を通った
後に熱交換器43を通る間に第1段冷却ステージ34に
よって十分低温に冷却される。このようにして冷やし込
まれたヘリウムガスは、A部においてループ型細管36
内に流れ込む。ループ型細管36内に流れ込んだヘリウ
ムガスは、A部を境にして2つの流路に別れてループ型
細管36内を流れ、この間にループ型細管36および超
電導コイル31から吸熱する。そして、B部に至り、こ
のB部から冷媒案内管49へと流れ、この冷媒案内管4
9を介してコンプレッサ48の吸込口へと流れる。この
ように流れる途中において、熱交換器44,46を通る
間に残っている寒冷を冷媒案内管42内を流れているヘ
リウムガスに与える。
【0024】このように予冷機構37から冷し込まれた
ヘリウムガスをループ型細管36に強制的に通流する
と、超電導コイル31およびループ型細管36は急速に
冷却される。そして、ついにはループ型細管36内のヘ
リウムガスが第2段冷却ステージ34の温度レベルまで
冷却される。超電導コイル31がある定められた温度ま
で冷却された時点で、バルブ47,50を閉じ、コンプ
レッサ48の運転を停止する。この時点では、ループ型
細管36内のヘリウムガスは十分に低温に冷却されてい
るので、以後、ループ型細管36内に収容されているヘ
リウムガスによる熱輸送作用によって超電導コイル31
が4 K レベルまで冷却される。すなわち、以後はループ
型細管ヒートパイプ35の特徴を最大限に発揮させて超
電導コイル31を効率良く冷却することができる。
【0025】このように、ループ型細管36の2箇所に
冷媒案内管42,49を連通させて設け、これらの冷媒
案内管42,49を通してループ型細管36内に冷媒を
強制的に通流させる予冷機構37を設けているので、熱
容量の大きい超電導コイルであっても短時間に予冷を完
了することができる。すなわち、ループ型細管ヒートパ
イプ35が有している予冷に長時間を要するという欠点
を予冷機構37を設けることによって解消することがで
きる。
【0026】なお、この例では、冷媒案内管42がルー
プ型細管36に連通するA部からループ型細管36に沿
って両側にほぼ等しい距離だけ離れたB部に冷媒案内管
49を連通させているので、A部からB部に至る2つの
流路の長さをほぼ等しくでき、2つの流路にバランスよ
く冷媒を流すことができる。この結果、ループ型細管3
6内を一様に冷却することができ、予冷に必要な時間を
一層短縮できる。
【0027】また、この例ではループ型細管36に出し
入れする冷媒の供給方式として、コンプレッサ48の吐
出口と吸込口とを冷媒案内管42,49に接続して閉ル
ープを構成し、この閉ループ内で冷媒を循環させるとと
もに、コンプレッサ48の吐出口からループ型細管36
に至る経路の途中に極低温冷凍機32の第1段冷却ステ
ージ33および第2段冷却ステージ34と冷媒とで熱交
換させる熱交換器45,43を設けて冷媒を冷やし込む
構成を採用し、さらに冷媒案内管42,49の途中に供
給冷媒と戻り冷媒とを熱交換させる対向流型の熱交換器
44,46を設けているので、余剰の寒冷を熱交換器4
4,46で回収することができる。この結果、極低温冷
凍機32を予冷冷却源として用いたときに問題となるシ
ステム全体の効率低下を抑制できる。
【0028】なお、この例ではコンプレッサ48を用い
て予冷用冷媒に循環力を与えているが、図中破線で示す
ように、バルブ47をたとえば高圧のヘリウムガスボン
ベ51に接続し、バルブ50を大気解放口に接続するこ
とによって、コンプレッサを使用せずに上記と同様の予
冷動作を行わせるように構成してもよい。また、この例
では、2段の極低温冷凍機を使用しているが、超電導コ
イルを形成している超電導線の臨界温度によっては、1
段の冷凍機あるいは3段以上の冷凍機を使用してもよ
い。また、予冷用の冷媒ガスをループ型細管36に出し
入れする冷媒案内管を3本以上設けてもよい。
【0029】図2(a) には本発明の別の実施形態に係る
超電導磁石装置における要部だけが示されている。被冷
却物である超電導コイル31の周辺以外の部分は予冷機
構を含めて図1に示した構成とほぼ同じであるため、こ
こでは省略されている。
【0030】この例では、被冷却物としての超電導コイ
ル31にループ型細管ヒートパイプ35aを構成してい
るループ型細管36a,36bの吸熱部40a,40b
が熱的に接続されている。
【0031】ループ型細管36a,36bは、電気絶縁
性を備えかつ熱伝導性の良好な材料で形成されており、
図2(b) に示すように、それぞれの吸熱部40a,40
bが超電導コイル31を形成している超電導線55の巻
層間に位置するように巻かれ、吸熱部40a,40bが
超電導線55に直接接触している。
【0032】このように構成することによって、超電導
線55の発熱をループ型細管36a,36bで直接的に
吸収することができる。すなわち、超電導線55とルー
プ型細管36a,36bとの間の熱抵抗を小さくできる
ので、超電導コイル31を良好に冷却できる。
【0033】なお、吸熱部40a,40bの巻込み形態
は、図2(b) に示す形態に限らず、図2(c) に示すよう
に、超電導線55とたとえば吸熱部40aとが軸方向に
交互に位置するように巻き込んでもよい。また、吸熱部
40a,40bを超電導コイルの外周に巻付けてもよ
い。
【0034】図3には本発明のさらに別の実施形態に係
る超電導磁石装置が示されている。この図では図1と同
一機能部分が同一符号で示されている。したがって、重
複する部分の詳しい説明は省略する。
【0035】この例では、超電導コイル31と極低温冷
凍機32とがそれぞれ別の真空容器30a,30b内に
置かれている。超電導コイル31にはパワーリード56
a,56bの一端側が接続されており、これらパワーリ
ード56a,56bの他端側は真空容器30aの上壁に
取付けられたブッシング57a,57bを介して外部に
導き出されている。
【0036】真空容器30aの側壁と真空容器30bの
側壁とには、それぞれ連絡口58,59が形成されてお
り、これら連絡口58,59は真空容器30b側から真
空容器30a側に極低温冷凍機32の振動が伝わるのを
抑制するフレキシブルな接続管、たとえばベローズ構成
の接続管60を介して気密に接続されている。
【0037】そして、この接続管60内を通して極低温
冷凍機32の第2段冷却ステージ34とパワーリード5
6a,56bおよび超電導コイル31とがループ型細管
ヒートパイプ35を介して熱的に接続されている。
【0038】すなわち、ループ型細管ヒートパイプ35
のループ型細管36に設定された放熱部38は銅ブロッ
クなどで形成された熱伝導部材61,62を介して第2
段冷却ステージ34に熱的に接続されており、ループ型
細管36に設定された吸熱部40は窒化アルミニウムな
どで形成された電気絶縁性を有する熱伝導部材63,6
4を介してパワーリード56a,56bおよび超電導コ
イル31に接続されている。なお、この例においても図
示しない予冷機構がループ型細管ヒートパイプ35に接
続されている。
【0039】このような構成であると、熱輸送特性を低
下させることなく、極低温冷凍機32と超電導コイル3
1との間の距離を大きくとることが可能となり、極低温
冷凍機32が発生する振動や電磁気的ノイズを超電導コ
イル31ヘ伝え難くすることができる。また、電気絶縁
性を悪化させることなくパワーリード56a,56bを
冷却できる。
【0040】図4(a) には本発明のさらに別の実施形態
に係る超電導磁石装置が示されている。この図では図3
と同一機能部分が同一符号で示してある。したがって、
重複する部分の詳しい説明は省略する。
【0041】この例では、ループ型細管ヒートパイプを
パワーリードの一部に兼用させている。すなわち、図4
(b) に示すように2組のループ型細管ヒートパイプ65
a,65bを用いている。
【0042】ループ型細管ヒートパイプ65aのループ
型細管36に設定された放熱部38は銅ブロックなどで
形成された熱伝導部材67に熱的に接続されており、こ
の熱伝導部材67は窒化アルミニウムなどで形成された
電気絶縁性を有する熱伝導部材68に熱的に接続されて
いる。同様に、ループ型細管ヒートパイプ65bのルー
プ型細管36に設定された放熱部38は銅ブロックなど
で形成された熱伝導部材69に熱的に接続されており、
この熱伝導部材69は熱伝導部材68に熱的に接続され
ている。そして、熱伝導部材68が極低温冷凍機32の
第2段冷却ステージ34に熱的に接続されている。
【0043】一方、ループ型細管ヒートパイプ65aの
ループ型細管36に設定された吸熱部40は銅ブロック
などで形成された熱伝導部材70に熱的に接続されてお
り、この熱伝導部材70は窒化アルミニウムなどで形成
された電気絶縁性を有する熱伝導部材71に熱的に接続
されている。同様に、ループ型細管ヒートパイプ65b
のループ型細管36に設定された吸熱部40は銅ブロッ
クなどで形成された熱伝導部材72に熱的に接続されて
おり、この熱伝導部材72は熱伝導部材71に熱的に接
続されている。そして、熱伝導部材71が超電導コイル
31に熱的に接続されている。
【0044】熱伝導部材67,69は端子を兼ねてお
り、真空容器30bの上壁に取付けられたブッシン57
a,57bを介して外部から導かれたパワーリード56
a,56bに電気的に接続されている。
【0045】同様に、熱伝導部材70,72も端子を兼
ねており、超電導コイル31から延びたパワーリード要
素73a,73bに電気的に接続されている。なお、こ
の例においても図示しない予冷機構がループ型細管ヒー
トパイプ65a,65bに接続されている。また、各ル
ープ型細管ヒートパイプ65a,65bは、実際には図
4(c) に示すように作動流体の往路と復路とが熱絶縁さ
れる関係に可撓性のチューブ74に納められている。
【0046】このような構成であると、パワーリード5
6a,56bの外部への引き出しに必要なブッシング5
7a,57bを極低温冷凍機32の側に配置することが
可能となり、コイル側をコンパクトにすることができ
る。また、パワーリード56a,56bを介して侵入す
る熱を確実に吸収することができる。
【0047】ここで、ループ型細管36(36a,36
b)に良好な熱輸送能力を発揮させる条件について説明
する。すなわち、封入された作動流体の表面張力をσ、
作動流体の液状態下における密度をρl 、作動流体のガ
ス状態下における密度をρv、重力加速度をg、ラプラ
ス定数LをL=[σ/{(ρl −ρv )g}]0.5 とし
たとき、ループ型細管36の内径dが、 L<d<3L …(1) の条件を満たしていることが必要である。
【0048】このような条件を満たすことによって良好
な熱輸送能力を発揮させることができる。以下に、この
ことを詳しく説明する。
【0049】ラプラス定数Lは、液体の中で、熱負荷に
よって伝熱面から離脱する気泡の直径であり、各種のガ
スにおいて上述の式によりほぼ定式化されている。ルー
プ型細管の内径がL以下であると、気泡と内壁との間に
液体が存在せず、気泡が管内を移動するときに内壁との
間に表面張力による抵抗が発生し、細管内の流体を駆動
する力が減り、この結果として熱輸送量が急減する。
【0050】逆に、ループ型細管の内径dが3L以上で
あると、全体の液量に対して気泡の移動により押し退け
られる液体の量の割合が小さくなり、同様に細管内の流
体を駆動する力が減る。
【0051】したがって、ループ型細管の内径dをL<
d<3Lにすることによってループ型細管内の液体を駆
動するループ駆動力が最適化され、熱輸送量を大幅に増
加させることができる。
【0052】図5には作動流体として窒素(N2 )を用
いた場合のループ型細管の内径dと熱輸送量との関係を
調べた実験結果が示されている。この図から判るよう
に、内径dがラプラス定数Lから3Lの間において熱輸
送が確認され、特に2Lにあたる内径2(mm)のときに最
大の熱輸送量が得られている。
【0053】(1) 式の関係は、作動流体として窒素を用
いた場合に限らず、作動流体として水、アルゴン、酸
素、ネオン、水素、へリウムやこれらの混合物を用いた
場合にも適用できる。
【0054】これらの作動流体のうち、特に超電導材料
を対象とする低温工学において重要な意味を持つヘリウ
ム、水素、ネオン、窒素の温度とラプラス定数との関係
を図6に示す。また、図7には横軸に温度を、縦軸に作
動流体の液状態下における密度ρl と作動流体のガス状
態下における密度ρv との比を示す。
【0055】なお、上述した各例に組込まれるループ型
細管36(36a,36b)では、吸熱部40および放
熱部38の伝熱面積をこのループ型細管ヒートパイプが
作動する最小面積よりも大きくすることが必要である。
【0056】図8には伝熱面での熱流束に対するコンダ
クタンスの変化を調べた結果が示されている。所定の熱
量を運ぶ場合、伝熱面積を減らすと、単位伝熱面積当り
の熱流束が増大する。図8から判るように熱流束が約9
(kW/m2 ) 以上になると、伝熱面での作動流体の沸騰状
況が核沸騰から膜沸騰に転移し、コンダクタンスが急減
し、熱輸送が困難となる。このことから、伝熱面積には
ループ型細管ヒートパイプが作動するための最小面積が
存在することが判る。したがって、吸熱部40および放
熱部38の伝熱面積をループ型細管ヒートパイプが作動
し得る最小面積よりも大きくすることが必要である。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱容量の大きい超電導コイルを組込んだ場合でも予冷時
間を大幅に短縮でき、しかもシステム効率を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る超電導磁石装置の模
式的構成図
【図2】(a) は本発明の別の実施形態に係る超電導磁石
装置における要部の概略構成図で、(b) は(a) における
破線部分を取出し拡大した断面図で、(c) は変形例を説
明するための図
【図3】本発明のさらに別の実施形態に係る超電導磁石
装置の模式的構成図
【図4】(a) は本発明のさらに異なる実施形態に係る超
電導磁石装置の模式的構成図で、(b) は組込まれたルー
プ型細管ヒートパイプを取出して示す図で、(c) は同ル
ープ型細管ヒートパイプの断面形状を示す図
【図5】作動流体として窒素を用いたときのループ型細
管の内径と熱輸送量との関係を示す図
【図6】各種作動流体の温度とラプラス定数との関係を
示す図
【図7】各種作動流体の温度と密度比(液状態下の密度
/ガス状態下の密度)との関係を示す図
【図8】伝熱面での熱流速とコンダクタンスとの関係を
示す図
【図9】熱輸送素子を組込んだ従来の超電導磁石装置の
模式的構成図
【符号の説明】
30,30a,30b…真空容器 31…超電導コイル 32…極低温冷凍機 34…第2段冷却ステージ 35,35a,65a,65b…ループ型細管ヒートパ
イプ 36,36a,36b…ループ型細管 37…予冷機構 38…放熱部 40、40a,40b…吸熱部 42,49…冷媒案内管 43,45…熱交換器 44,46…対向流型の熱交換器 47,50…バルブ 48…コンプレッサ 55…超電導線 56a,56b…パワーリード 57,57b…ブッシング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中込 秀樹 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 浦田 昌身 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超電導コイルと、 極低温冷凍機と、 この極低温冷凍機の冷却ステージに放熱部を熱的に接続
    するとともに前記超電導コイルに吸熱部を熱的に接続し
    て設けられたループ型細管ヒートパイプと、 このループ型細管ヒートパイプ内に外部から冷媒を強制
    的に通流させる冷媒強制通流手段とを具備してなること
    を特徴とする超電導磁石装置。
  2. 【請求項2】前記ループ型細管ヒートパイプは、前記超
    電導コイルを構成する超電導線とともにコイルの内部ま
    たは外部あるいは両方に巻かれていることを特徴とする
    請求項1に記載の超電導磁石装置。
  3. 【請求項3】前記ループ型細管ヒートパイプは、前記超
    電導コイルに接続されるパワーリードにも熱的に接続さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の超電導磁石
    装置。
  4. 【請求項4】前記ループ型細管ヒートパイプは、前記超
    電導コイルに接続されるパワーリードを兼ねていること
    を特徴とする請求項1に記載の超電導磁石装置。
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