JP2002043117A - 伝導冷却式超伝導磁石装置 - Google Patents

伝導冷却式超伝導磁石装置

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JP2002043117A
JP2002043117A JP2000225541A JP2000225541A JP2002043117A JP 2002043117 A JP2002043117 A JP 2002043117A JP 2000225541 A JP2000225541 A JP 2000225541A JP 2000225541 A JP2000225541 A JP 2000225541A JP 2002043117 A JP2002043117 A JP 2002043117A
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cooling
refrigerator
superconducting coil
superconducting
superconducting magnet
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Yuji Matsubara
雄二 松原
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型GM冷凍機の設置台数を大幅に増やすこ
となく大型の超伝導磁石装置でも冷却性を向上させるこ
とができるようにする。 【解決手段】 超伝導コイル12の冷却手段として1台
以上のGM冷凍機20を用い、該GM冷凍機のコールド
ヘッド22を超伝導コイルに接触させて冷却を行う伝導
冷却式超伝導磁石装置において、該伝導冷却式超伝導磁
石装置から離間した位置に置かれ、JT弁付きGM冷凍
機30を補助冷却手段として1台以上備える。JT弁付
きGM冷凍機からの冷媒を冷媒配管31を通して超伝導
コイルの近傍に配置した冷却チャンネルに導いて超伝導
コイルの冷却を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は伝導冷却式超伝導磁
石装置に関し、特に直径が1m以上の大きさを持つ大型
の伝導冷却式超伝導磁石装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7を参照して、超伝導磁石装置の使用
例としてサイクロトロンについて簡単に説明する。図7
において、このサイクロトロンは、主な構成要素として
ディー電極60、ビーム引出し系としてのデフレクタ6
1及び磁気チャンネル62、ビーム出口63の先に配置
されたビーム輸送系64を備えている。65はビーム電
流センサとして使用されるプローブである。
【0003】このサイクロトロンでは、サイクロトロン
中心のイオン源(図示せず)から発生されて図中破線で
示す経路で加速された最外周に近いビーム66は、デフ
レクタ61や磁気チャンネル62を通過する間に、静電
場強度や磁場強度に応じた力を受けてビーム引出し軌道
が決定される。ビーム調整時には、デフレクタ61の電
圧値や磁気チャンネル62の電流値をオペレータが微調
整してビーム引出し軌道をビーム出口63に向ける。
【0004】ところで、大型の超伝導磁石装置の冷却シ
ステムの場合には、これまで超伝導コイルの熱負荷に応
じた大型のHe(ヘリウム)液化機や冷凍機が使用され
ている。このような冷却システムでは大半が高圧ガス
(1MPa以上)保安法の適用を受けるため、製作前に
製造許可を受けたり、製造後も設置施設内で保安のため
の管理組織を構成して保安検査を常時実施しなければな
らないことが義務づけられている。
【0005】一方、小型GM冷凍機による伝導冷却方式
の冷却システムでは上記のような煩わしさは無い。その
ため、現在、伝導冷却方式の超伝導磁石装置の製作・開
発が多く見られる。
【0006】従来の伝導冷却方式では、図8に部分的に
示すように、筒状の巻枠70に超伝導コイル71を巻回
して成る超伝導磁石装置に対し、巻枠70の上側あるい
は下側を介して小型GM冷凍機からの伝熱冷却作用によ
り超伝導コイル71を冷却するようにしている。
【0007】特に、超伝導コイルの断面積が大きくなる
と、何らかの要因で超伝導コイル芯部あるいは内部の温
度が転移温度まで上昇した場合には伝熱による冷却が間
に合わず、超伝導現象の消失、いわゆるクエンチが発生
する。また、リターンヨークを持つ大型の超伝導磁石装
置の場合には小型GM冷凍機を使用する場合、小型GM
冷凍機のコールドヘッドと超伝導コイルとの間の距離を
長くせざるを得ず、冷却効率の低下することが避けられ
ない。これは、小型GM冷凍機の機械的駆動部分が強磁
場に弱いためである。
【0008】以下に、伝導冷却式超伝導磁石装置に適用
される冷却システムの要点を列挙する。
【0009】A.伝導冷却式超伝導磁石装置は、これま
で小型・中型のものに用いられている。
【0010】B.伝導冷却式超伝導磁石装置は、小型G
M冷凍機のコールドヘッドが熱伝導体(たいていは銅)
を介して超伝導コイル表面に接することで冷却される。
【0011】C.小型GM冷凍機のモータ部が強磁場に
弱いため、小型GM冷凍機を強磁場を発生する超伝導磁
石装置そのものに近づけて設置することができない。
【0012】D.伝導冷却に用いられている小型GM冷
凍機は、高圧ガス保安法の申請範囲内(許可対象外)に
て規格・最適化されている。
【0013】E.大型の超伝導磁石装置に小型GM冷凍
機を用いる場合、小型GM冷凍機のコールドヘッドと超
伝導コイルとの間の距離が長くなるため、冷却効率が低
下する。
【0014】F.伝導冷却式超伝導磁石装置は、励/消
磁時に伴う交流損失(電流の掃引速度に依存)による発
熱と小型GM冷凍機の冷却能力との兼ね合いから高速励
/消磁が困難である。
【0015】G.大型の超伝導磁石装置、特にサイクロ
トロンのような加速器に用いられる超伝導磁石装置に
は、リターンヨーク(以下、ヨークと呼ぶ)として鉄を
使うのが普通である。このヨークに、コールドヘッドを
通すために穴を開けると磁束の漏れが発生し、その数が
多くなると必要な場所で必要な磁場が得られない。従っ
て、大型の伝導冷却式超伝導磁石装置に多くの小型GM
冷凍機を設置することは好ましくない。
【0016】H.超伝導磁石装置の大型化に伴い超伝導
コイルの断面積が大きくなる。超伝導コイルの芯部まで
伝導冷却により冷却するのは、設置できる小型GM冷凍
機の数の制約から困難である。
【0017】I.従来の液体Heを用いた浸漬冷却方式
の超伝導磁石装置は、線材の周りに液体Heが接するた
めの冷却パイプ(隙間)が設けられている。従って、超
伝導コイルの冷却性が良い。一方、伝導冷却式では、文
字通り伝熱による冷却を目的としているので、線材間の
隙間をエポキシ材等で埋めて線材同士の熱接触を向上さ
せる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】以上のような点を考慮
して、本発明の主たる課題は、小型GM冷凍機の設置台
数を大幅に増やすことなく大型の超伝導磁石装置でも冷
却性を向上させることができるようにすることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、超伝導コイル
の冷却手段として1台以上のGM冷凍機を用い、該GM
冷凍機のコールドヘッドにより前記超伝導コイルの冷却
を行う伝導冷却式超伝導磁石装置において、該伝導冷却
式超伝導磁石装置から離間した位置に置かれ、JT弁付
きGM冷凍機を補助冷却手段としてn(nは1以上の整
数)台備え、該JT弁付きGM冷凍機からの冷媒を冷媒
配管を通して前記超伝導コイルの近傍に配置した冷却チ
ャンネルに導いて前記超伝導コイルの冷却を行うように
したことを特徴とする。
【0020】なお、前記冷却チャンネルは、前記JT弁
付きGM冷凍機からの冷媒が流入する流入口と冷媒を前
記JT弁付きGM冷凍機に戻すために冷媒が流出する流
出口とを持つ冷却パイプと、該冷却パイプと前記超伝導
コイルとの間を熱的に結ぶ板とを含む。
【0021】特に、前記超伝導コイルがその中心軸方向
に関してギャップを介して複層に分けられている場合、
前記冷却チャンネルは前記冷却パイプと前記板とを複数
組有して、前記複層のそれぞれの層間のスペースに前記
板の一部が挿入され、複数の前記冷却パイプの流入口は
共通の冷媒分配管に接続され、複数の前記冷却パイプの
流出口は共通の冷媒集合管に接続される。
【0022】前記超伝導コイルは筒状の巻枠に巻回され
ており、該巻枠はコイル巻回部側を外側に向けて設けら
れており、前記巻枠の下側あるいは上側を前記GM冷凍
機のコールドヘッドで伝熱材を介して冷却するようにさ
れ、前記冷却チャンネルは前記コイルの外側にあって、
前記冷却パイプ及び前記板の形状がそれぞれ、前記JT
弁付きGM冷凍機の設置台数nに応じて前記超伝導コイ
ルの外周領域をn分割した環状あるいは円弧形状を持つ
ことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を図7で説明した
サイクロトロンと同じ動作原理のサイクロトロンに適用
した実施の形態を示している。以下では、サイクロトロ
ンに関する説明は省略し、本発明の要旨である伝導冷却
式超伝導磁石装置(以下、超伝導磁石装置と呼ぶ)につ
いて説明する。
【0024】この超伝導磁石装置は、筒状の巻枠11に
超伝導コイル12が巻回されており、巻枠11はそのコ
イル巻回部側を外側に向けて設けられている。ここで
は、超伝導コイル12は直径2000mm程度のサイズ
を有し、巻枠11に上下一対巻回されている。巻枠11
の内側には上ポール(上磁極)13と下ポール(下磁
極)14とを間隔をおいて配置してそれらの間にビーム
軌道用の空間を形成している。超伝導コイル12の外側
は鉄系の材料によるリターンヨーク15で包囲されてい
る。
【0025】この超伝導磁石装置は、上から見た場合の
形状が略円形である。そして、ここでは、超伝導コイル
12を冷却する冷却手段として、図2に示されるよう
に、上下に4台ずつ、合計8台の小型GM冷凍機20を
用いる。小型GM冷凍機20のコールドヘッド22を伝
熱材21を介して超伝導コイル12の巻枠11に間接的
に接触させて冷却を行うようにしている。このために、
リターンヨーク15には穴15−1が設けられている。
なお、小型GM冷凍機20はHe(ヘリウム)により冷
却を行うものであり、Heガスの圧縮機ユニットは別に
離れた位置に設置される。小型GM冷凍機20は、その
冷凍能力が第1段ステージで40W、50K、第2段ス
テージで1W、4K程度の能力を持つ4KGM冷凍機と
呼ばれるもので良い。
【0026】この種の超伝導磁石装置においてはまた、
巻枠11、超伝導コイル12を含む構造物の重量を支持
するためにリターンヨーク15に設けられた穴15−2
を通して4つの縦荷重支持16(図2b参照)が設けら
れる。このため、超伝導磁石装置の下側においては、そ
の中心軸に関して45度の角度間隔をおいて4つの縦荷
重支持16と4台の小型GM冷凍機20とを交互に配置
するようにしている。従って、図1においては、超伝導
磁石装置内部の右側に配置されている小型GM冷凍機2
0の位置には、縦荷重支持16が配置されることになる
が、ここでは便宜上、小型GM冷凍機20を図示してい
る。
【0027】超伝導磁石装置には更に、巻枠11、超伝
導コイル12を含む構造物を横方向に関して支持するた
めにリターンヨーク15に設けられた穴15−3を通し
て4つの横荷重支持17が90度の角度間隔をおいて設
けられる。従って、図1においては、超伝導磁石装置内
部の右側にも横荷重支持17が配置されることになる
が、ここでは便宜上、後述するJT弁付き小型GM冷凍
機30を図示している。
【0028】なお、巻枠11、超伝導コイル12を含む
構造物を収容している空間は真空状態が維持され、更に
構造物の周囲には熱シールド板が設置される。
【0029】以上のような伝導冷却式の超伝導磁石装置
の原理は周知であり、本発明では、このような超伝導磁
石装置に補助冷却手段としてJT弁付き小型GM冷凍機
30にて新しい観点の冷却チャンネルを冷却することを
特徴とする。JT弁付きGM冷凍機30は、超伝導磁石
装置から離間した位置に置かれ、ここでは180度の角
度間隔をおいて2台備えられる。そして、JT弁付きG
M冷凍機30からの冷媒を冷媒配管31を通して超伝導
コイル12の近傍に配置した冷却チャンネル(図示せ
ず)に導いて超伝導コイル12の冷却を行うようにして
いる。
【0030】なお、縦荷重支持16、横荷重支持17、
小型GM冷凍機20、T弁付きGM冷凍機30の冷媒配
管31等の本超伝導磁石装置への導入部には、上記の巻
枠11、超伝導コイル12を含む構造物を収容している
空間の真空状態を維持するために気密シールが施されて
いることは言うまでも無い。
【0031】ここで、図3を参照して、JT弁付きGM
冷凍機30について説明する。JT弁付きGM冷凍機3
0は、圧縮機ユニット40と共に極低温冷却装置を構成
するものである。JT弁付きGM冷凍機30と圧縮機ユ
ニット40はフレキシブルホース41、42、43で接
続されている。また、JT弁付きGM冷凍機30と後述
する冷却チャンネルは冷媒配管31で接続されている。
冷媒配管31は、高圧側供給配管31−1を包囲するよ
うに低圧側戻り配管31−2を組合わせ、これを更に配
管31−3内に収容した3重管である。
【0032】圧縮機ユニット40は第1段圧縮機本体4
4と第2段圧縮機本体45、油分離器46と吸着器47
で構成されている。
【0033】JT弁付きGM冷凍機30は予冷用GM冷
凍機32、第1段熱交換器33と第2段熱交換器34、
輻射シールド板35、真空容器36、及びJT弁37で
構成されている。予冷用GM冷凍機32の第1段負荷フ
ランジ32−1と第2段負荷フランジ32−2、第1段
熱交換器33と第2段熱交換器34、及び輻射シールド
板35は真空容器36内に収容されている。更に、輻射
シールド板35は第1段負荷フランジ32−1と接続さ
れており、内部に第2段熱交換器34と第2段負荷フラ
ンジ32−2を配置している。
【0034】この極低温冷却装置の作用について説明す
る。圧縮機ユニット40内の第1段圧縮機本体44と第
2段圧縮機本体45とで圧縮されたヘリウムガス(GH
e)は約20kg/cm2 となり、油分離器46、吸着
器47を通ってクリーンなガスとなり、フレキシブルホ
ース41を経て、JT弁付きGM冷凍機30の予冷用G
M冷凍機32と第1段熱交換器33へと流れる。予冷用
GM冷凍機32へ流入したGHeは低温を発生させ、第
1段負荷フランジ32−1と第2段負荷フランジ32−
2を冷却して、フレキシブルホース42を経て圧縮機ユ
ニット40内に吸入される。
【0035】一方、第1段熱交換器33へ流入したGH
eは第1段熱交換器33を通って、第1段負荷フランジ
32−1で冷却され、第2段熱交換器34を通り、更に
第2段負荷フランジ32−2で冷却され、JT弁37を
出た後膨脹して冷媒配管31内の高圧側供給配管31−
1を経て冷却チャンネルに至る。冷却チャンネルからの
低圧のGHeは、低圧側戻り配管31−2、第2段熱交
換器34、第1段熱交換器33を通って高圧のGHeと
熱交換し、フレキシブルホース43を経て圧縮機ユニッ
ト40内の第1段圧縮機本体44に吸入される。ここで
使用されるJT弁付き小型GM冷凍機30の冷凍能力
も、前に述べた小型GM冷凍機20と同じで良い。
【0036】以上の説明で明らかなように、このJT弁
付き小型GM冷凍機30は、そこから離間した箇所の冷
却を行うことができる点に特徴がある。この種の小型G
M冷凍機の原理は、例えば特開平11−63697に開
示されている。
【0037】次に、図4、図5をも参照して、JT弁付
き小型GM冷凍機30に接続される冷却チャンネルにつ
いて説明する。冷却チャンネル50は、JT弁付きGM
冷凍機30からの極低温のGHeが流入する流入口と、
低圧のGHeをJT弁付きGM冷凍機30に戻すために
GHeが流出する流出口とを持つ冷却パイプ51と、冷
却パイプ51と超伝導コイル12との間を熱的に結ぶ板
52とを含む。冷却パイプ51は銅管等で作製すること
ができる。
【0038】一方、超伝導コイル12は、通常、その中
心軸方向(上下方向)に関してギャップを介して複層に
分けられている。これを利用して、冷却チャンネル50
を複数(ここでは4つ)の冷却パイプ51と板52とで
構成し、前記複層のそれぞれの層間のスペースに板52
の一部を挿入するようにしている。このために、複数の
冷却パイプ51の流入口は共通の冷媒分配管53に接続
し、複数の冷却パイプ51の流出口は共通の冷媒集合管
54に接続している。冷媒分配管53は高圧側供給配管
31−1に接続され、冷媒集合管54は低圧側戻り配管
31−2に接続される。
【0039】前に述べたように、巻枠11の下側あるい
は上側には小型GM冷凍機20のコールドヘッド22が
伝熱材21を介して間接的に接しており、冷却チャンネ
ル50は超伝導コイル12の外側に設けられる。そし
て、冷却パイプ51及び板52の形状は、例えば図示の
如くそれぞれ、JT弁付きGM冷凍機30の設置台数n
に応じて超伝導コイル12の外周領域をn分割した円弧
形状を持つようにされる。
【0040】本形態では、JT弁付きGM冷凍機30が
2台設けられるので、図4に示されるように、冷却チャ
ンネル50も超伝導コイル12の直径方向に関して対向
する位置に2つ設けられる。この場合、厳密に言えば、
冷却パイプ51の形状は、流入したGHeが円周方向に
90度進んでから180度戻り、更に流入口側に90度
進むという略半円弧状を形成している。一方、板52
は、1/4円弧状板52−1、52−2の2枚で略半円
弧状を形成している。
【0041】なお、JT弁付きGM冷凍機30が1台の
場合には、冷却パイプ51、板52は共に環状に形成す
ることで実現でき、3台の場合であれば、例えば冷却パ
イプ51、板52は共に1/3円弧状に形成することで
実現できる。勿論、図4、図5に示した冷却パイプ5
1、板52の形状、構造および上述の形状はあくまでも
一例であり、様々な形態が考えられる。いずれにして
も、冷却チャンネル50は、図1に示されるような上下
の超伝導コイル12のそれぞれに設けられる。
【0042】図6は、超伝導コイル12と冷却パイプ5
1及び板52との関係を概略的に示した図であり、冷却
パイプ51から板52を介した伝熱作用により超伝導コ
イル12がその芯部まで冷却されることを示している。
【0043】一般に、超伝導磁石装置の冷却は超伝導コ
イルそのもの(例えば、4K程度まで冷却)と、超伝導
コイルの周囲にある熱シールド板(20K,40K,ま
たは80K程度までの冷却)の冷却が対象になる。
【0044】本冷却方式では、超伝導コイル12の冷却
に、複数の独立した小型GM冷凍機20と補助冷却用と
してJT弁付き小型GM冷凍機30を用いたハイブリッ
ド冷却としている点に特徴を有する。JT弁付き小型G
M冷凍機を用いることには以下の利点がある。
【0045】冷却されたガスを用いるため、超伝導コ
イルから離れた位置(磁場の弱い場所)にJT弁付き小
型GM冷凍機30を設置できる。
【0046】冷却チャンネル50内を実際に流れるガ
スは気・液混合の二相流なので冷却効率が小型GM冷凍
機20単独の伝導冷却よりはるかに高い。
【0047】超伝導コイル12の外周からだけでな
く、超伝導コイル12の内部に設けられた板52を介し
て超伝導コイル12の内部をも強制冷却するので、超伝
導コイルの外周部より超伝導コイルを冷却する図8の冷
却方式に比べて、超伝導コイル芯部の冷却が速い。
【0048】コイルの励消磁に伴う交流損失によるコ
イルの発熱を除去できる。
【0049】従って、ある程度の高速励磁(通電電流
の増減速度)が可能である。
【0050】なお、本発明は、図示したようなサイクロ
トロンに限らず、伝導冷却式超伝導磁石装置全般におよ
び、例えばMRI用の伝導冷却式超伝導磁石装置として
も利用できる。また、小型GM冷凍機20、JT弁付き
GM冷凍機30の設置台数も超伝導磁石装置の大きさに
応じて任意に設定される。
【0051】
【発明の効果】本発明による伝導冷却式超伝導磁石装置
は、高圧ガス保安法の対象外である小型GM冷凍機を使
用するので、高圧ガス保安法に対処する煩わしさから解
放されるだけでなく、大型の超伝導磁石装置であっても
小型GM冷凍機の台数をそれほど増やすこと無く冷却性
能を向上させることができ、操作性も改善される。従っ
て、本発明は、直径が1m以上の大きさを持つような大
型の伝導冷却式超伝導磁石装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による伝導冷却式超伝導磁石装置の実施
の形態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示される小型GM冷凍機と縦荷重支持の
位置関係を示した図で、図2(a)は上側から見た場合
の配置関係を示し、図2(b)は下側から見た場合の配
置関係を示している。
【図3】本発明に使用されるJT弁付き小型GM冷凍機
の概略を説明するための構成図である。
【図4】本発明に使用される冷却チャンネルの平面図で
ある。
【図5】本発明に使用される冷却チャンネルの側面図で
ある。
【図6】本発明における冷却チャンネルと超伝導コイル
との関係を説明するための概略図である。
【図7】本発明による伝導冷却式超伝導磁石装置の適用
が考えられるサイクロトロンの概略を説明するための図
である。
【図8】従来の超伝導コイルの伝導冷却を説明するため
の部分図である。
【符号の説明】
11 巻枠 12 超伝導コイル 13 上ポール 14 下ポール 15 リターンヨーク 16 縦荷重支持 17 横荷重支持 20 小型GM冷凍機 22 コールドヘッド 30 JT弁付き小型GM冷凍機 40 圧縮機ユニット 50 冷却チャンネル 51 冷却パイプ 52 板 53 冷媒分配管 54 冷媒集合管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超伝導コイルの冷却手段として1台以上
    のGM冷凍機を用い、該GM冷凍機のコールドヘッドに
    より前記超伝導コイルの冷却を行う伝導冷却式超伝導磁
    石装置において、 該伝導冷却式超伝導磁石装置から離間した位置に置か
    れ、JT弁付きGM冷凍機を補助冷却手段としてn(n
    は1以上の整数)台備え、 該JT弁付きGM冷凍機からの冷媒を冷媒配管を通して
    前記超伝導コイルの近傍に配置した冷却チャンネルに導
    いて前記超伝導コイルの冷却を行うようにしたことを特
    徴とする伝導冷却式超伝導磁石装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の伝導冷却式超伝導磁石装
    置において、前記冷却チャンネルは、前記JT弁付きG
    M冷凍機からの冷媒が流入する流入口と冷媒を前記JT
    弁付きGM冷凍機に戻すために冷媒が流出する流出口と
    を持つ冷却パイプと、該冷却パイプと前記超伝導コイル
    との間を熱的に結ぶ板とを含むことを特徴とする伝導冷
    却式超伝導磁石装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の伝導冷却式超伝導磁石装
    置において、前記超伝導コイルはその中心軸方向に関し
    てギャップを介して複層に分けられており、前記冷却チ
    ャンネルは前記冷却パイプと前記板とを複数組有して、
    前記複層のそれぞれの層間のスペースに前記板の一部が
    挿入されており、複数の前記冷却パイプの流入口は共通
    の冷媒分配管に接続され、複数の前記冷却パイプの流出
    口は共通の冷媒集合管に接続されていることを特徴とす
    る伝導冷却式超伝導磁石装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の伝導冷却式超伝導磁石装
    置において、前記超伝導コイルは筒状の巻枠に巻回され
    ており、該巻枠はコイル巻回部側を外側に向けて設けら
    れており、前記巻枠の下側あるいは上側を前記GM冷凍
    機のコールドヘッドで伝熱材を介して冷却するようにさ
    れ、前記冷却チャンネルは前記コイルの外側にあって、
    前記冷却パイプ及び前記板の形状がそれぞれ、前記JT
    弁付きGM冷凍機の設置台数nに応じて前記超伝導コイ
    ルの外周領域をn分割した環状あるいは円弧形状を持つ
    ことを特徴とする伝導冷却式超伝導磁石装置。
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