JP2013543248A - 小型低温弱収束超伝導サイクロトロン - Google Patents

小型低温弱収束超伝導サイクロトロン Download PDF

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Abstract

小型低温弱収束超伝導サイクロトロンは、中央加速プレーンの両側に少なくとも2つの超伝導コイルを含むことができる。磁気ヨークは、コイルを取り囲むと共に加速チャンバーを収容する。磁気ヨークは、超伝導コイルと熱接触状態にあり、且つ、中央加速プレーンは、加速チャンバーを通じて延在している。極低温冷凍機は、超伝導コイルと磁気ヨークの両方と熱結合されている。
【選択図】図1

Description

電極のペア及び磁石構造体からの磁界インパルスを使用して外向きの螺旋状にイオン(帯電粒子)を加速させるサイクロトロンが米国特許第1,948,384号明細書(発明者:Ernest O. Lawrence、特許交付年:1934年)に開示されている。Lawrenceの加速器設計は、いまでは、一般に、「古典的」サイクロトロンと呼ばれており、この場合には、電極が固定加速周波数を供給すると共に磁界が半径の増大に伴って減少し、これにより、軌道運動するイオンの垂直方向の位相安定性を維持するための「弱収束」を提供している。
最近のサイクロトロンは、主には、「等時性」サイクロトロンと呼ばれる種類であり、この場合には、電極によって供給される加速周波数は、同様に、固定されているが、相対性を補償するために、磁界が半径の増大に伴って増大しており、且つ、イオンの加速の際に、セクター周期性を有する成形された鉄製磁極片から導出された方位角が変化する磁界成分により、軸方向の回復力が印加されている。大部分の等時性サイクロトロンは、抵抗磁石技術を使用しており、且つ、1〜3テスラの磁界レベルにおいて動作する。いくつかの等時性サイクロトロンは、超伝導磁石技術を使用しており、この場合には、超伝導コイルが、加速に必要とされるガイド及び収束磁界を提供する常温の鉄製磁極を磁化している。これらの超伝導等時性サイクロトロンは、3〜5Tの磁界レベルにおいて動作する。本発明者は、1980年代初頭に、Michigan State Universityにおいて最初の超伝導サイクロトロンプロジェクトに従事している。
別の種類のサイクロトロンは、シンクロサイクロトロンと呼ばれている。古典的サイクロトロン又は等時性サイクロトロンとは異なり、シンクロサイクロトロン内の加速周波数は、イオンが外向き螺旋運動をするのに伴って減少する。又、等時性サイクロトロンとは異なり、古典的サイクロトロンと同様に、シンクロサイクロトロン内の磁界は、半径の増大に伴って減少している。本発明者は、最近、陽子線による放射線治療及びその他の臨床的用途のための高磁界シンクロサイクロトロンを発明している(米国特許第7,541,905B2号及び第7,696,847B2号明細書に記述されている)。このシンクロサイクロトロンの実施形態は、既存の超伝導等時性サイクロトロンと同様に、常温の鉄製磁極と、低温の超伝導コイルと、を有するが、相対的に強力な磁界にまで及ぶスケーラビリティを有する異なる方式により、加速の際にビームの収束を維持しており、且つ、従って、例えば、約9テスラの磁界によって動作することができる。
本明細書は、小型低温弱収束超伝導サイクロトロンについて記述している。その構造及び使用のための装置及び方法の様々な実施形態は、後述する要素、特徴、及びステップのいくつか又はすべてを含んでもよい。
小型低温弱収束超伝導サイクロトロンは、中央加速プレーンの両側に少なくとも2つの超伝導コイルを含むことができる。磁気ヨークがコイルを取り囲み、且つ、加速チャンバーを収容している。磁気ヨークは、極低温冷凍機からの熱リンク及び超伝導コイルとの熱接触状態にあり、且つ、中央加速プレーンは、加速チャンバーを通じて延在している。
サイクロトロンの動作の際には、イオンを内径において中央加速プレーンに導入する。イオンを中央加速プレーンに跨る膨張軌道において加速するために、磁気ヨーク内に取り付けられた電極のペアに対して高周波電圧源から高周波電圧を印加する。極低温冷凍機により、超伝導コイル及び磁気ヨークを超伝導コイルの超伝導遷移温度を上回らない温度まで冷却する。冷却された超伝導コイルに対して電圧を供給することにより、磁界を超伝導コイル及びヨークから中央加速プレーン内に生成する超伝導電流を超導電コイル内に生成し、且つ、加速されたイオンが外径に到達した際に、加速されたイオンを加速チャンバーから抽出する。
このサイクロトロンは、E.O. Lawrenceのオリジナルの弱収束サイクロトロンに基づいて構築することにより、(等時性サイクロトロンと同様の)固定周波数と、(シンクロサイクロトロンと同様の)単純な磁気回路と、を有する古典的設計を有することができる。強力な磁界にまで及ぶスケーラビリティを古典的サイクロトロンに付与するために、常温の加速コンポーネントが磁気ヨーク内に位置するための空間及びクリアランスを維持しつつ、磁石全体(ヨーク及びコイル)を動作の際に極低温の温度に冷却することができる。この低温鉄製弱収束サイクロトロンは、小さなサイズでこのような強力な磁界にまで及ぶスケーラビリティを有することが可能であり、携帯型サイクロトロン装置として使用することができる。このようなサイクロトロンは、陽子の場合には、25MeV未満のエネルギーに制限されることになるが、適用のために構築されている大部分のサイクロトロンは、このエネルギー範囲に含まれており、従って、このようなサイクロトロンの存在によって実際の使用が可能となる多数の産業又は防衛用途が存在している。
小型低温弱収束超伝導サイクロトロンは、サイクロトロンの中間セクションを通じたスロットを有する常温の貫通部を有する単純な円筒型クリオスタットを含むことができる。サイクロトロン内部の低温コンポーネントは、例えば、直接的に、機械的な極低温冷凍によるか、機械的な冷却器を利用した熱対流回路によるか、液体寒剤の連続的な供給によるか、或いは、プール沸騰寒剤(pool boiling cryogen)の静的充填によるなどのように、任意の数の方式によって冷却してもよい。サイクロトロンの動作温度は、4K〜80Kであってもよく、且つ、コイル用に選択される超伝導体によって決定されることになろう。
コイル、磁極、リターンパス鉄ヨーク、トリムコイル、永久磁石、成形された強磁性磁極表面、及びフリンジ磁界キャンセルコイル又は材料を含む磁石の全体をクリオスタット内に設置されると共に超伝導コイルの動作温度に保持された単一の単純な熱支持部上に取り付けることができる。サイクロトロンの加速器構造体(例えば、イオン源及び電極)は、その全体が、クリオスタットの外部常温中央スロット内に存在することが可能であり、且つ、従って、熱的に、且つ、機械的にも、低温の超伝導磁石から隔離することができる。この設計は、任意のタイプのサイクロトロンの基本的に新しい電気機械的構造を表していると考えられる。この場合に、磁石は、25MeV以下におけるすべての正のイオン種の弱収束固定周波数サイクロトロン加速のために、必要とされる加速及び収束磁界を常温のスロット内に供給するように設計されている。
ヨークとコイルの間に隙間が存在していないため、既存の超伝導サイクロトロン内の強力な磁界において遭遇する大きな偏心力を和らげるためのコイル用の別個の機械的支持構造体に対する必要性が存在しておらず、且つ、偏心力は、固有の方式によって除去することができる。磁気ヨークの低温磁石材料を使用して磁界を成形すると同時に超伝導コイルを構造的に支持し、これにより、更にサイクロトロンの複雑性を低減すると共に固有の安全性を増大させることができる。更には、磁石のすべてがクリオスタットの内部に収容されている場合には、加速磁界に悪影響を及ぼすことなしに、キャンセル超伝導コイルにより、或いは、クリオスタット内の中間温度遮蔽体に付加されたキャンセル超伝導表面により、外部フリンジ磁界をキャンセルしてもよい。
本明細書に記述されているサイクロトロン設計は、従来の均等物と比べて既に小型且つ廉価である既存の超伝導等時性サイクロトロン及び既存の超伝導シンクロサイクロトロンのいずれと比べても、いくつかの更なる利点を提供することができる。例えば、磁気回路の構成要素間の力のバランスを維持するための別個の支持構造に対する必要性が存在しないため、磁石構造を単純化することが可能であり、この結果、全体的な費用を低減し、全体的な安全性を改善し、且つ、外部磁界を管理するための空間及び能動的な保護システムに対する必要性を低減することができる。更には、これらのサイクロトロンは、その古典的な設計が固定加速周波数において動作することができるため、複雑な可変周波数加速システムに対する必要性を伴うことなしに、高磁界(例えば、約8テスラ)を生成することができる。従って、本開示のサイクロトロンは、モバイル環境において、且つ、相対的に小さな容積内において、使用することができる。
予備的研究は、これらのサイクロトロンが、これらのエネルギーレベルにおける従来のサイクロトロンと比べて、100分の1以下へのサイズの低減を提供することが可能であり、且つ、従って、これらのサイクロトロンは、空中及び海底の調査のために、且つ、爆発物及び核の脅威の検出のために、僻地や港及び空港におけるものを含む広く分散された方式によって携帯利用することができることを示唆している。
図1は、小型低温弱収束超伝導サイクロトロンの一実施形態の断面図であり、磁極の内側表面上の特別設計のプロファイルを示してはいない。 図2は、図1のサイクロトロンの斜視図である。 図3は、一連のクリオスタット及び極低温冷凍機を有する小型低温弱収束超伝導サイクロトロンの一実施形態の側面断面図である。 図4は、磁極の間の加速チャンバーの内側クリオスタット内のビームチャンバーの一実施形態の部分断面図である。 図5は、磁気ヨーク内の磁気コイル及び包囲構造の一実施形態の断面図である。 図6は、特別設計の内側磁極プロファイルを有するヨーク及びコイルの一実施形態の断面図である。 図7は、磁石構造体の断面図であり、ヨークの磁極が、図6の磁極プロファイルと、真空フィードスルーポートにおける磁界補償を提供するための磁気タブと、を有する。 図8は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされた磁気タブの第1実施形態の図を提供する。 図9は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされた磁気タブの第1実施形態の図を提供する。 図10は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされた磁気タブの第1実施形態の図を提供する。 図11は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされ、且つ、磁極ウィングの内側表面の周りに巻き付いている磁気タブの第2実施形態の図を提供する。 図12は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされ、且つ、磁極ウィングの内側表面の周りに巻き付いている磁気タブの第2実施形態の図を提供する。 図13は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされ、且つ、磁極ウィングの内側表面の周りに巻き付いている磁気タブの第2実施形態の図を提供する。 図14は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされ、且つ、磁極ウィングの内側表面の周りに巻き付いている磁気タブの第2実施形態の図を提供する。 図15は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされ、且つ、磁極ウィングの内側表面の周りに巻き付いている磁気タブの第2実施形態の図を提供する。 図16は、小型低温弱収束超伝導サイクロトロンの一実施形態の平面断面図である。
添付図面においては、様々な図面の全体を通じて、同一の参照符号によって同一又は類似の部分を示している。図面は、必ずしも縮尺が正確ではなく、その代わりに、後述する特定の原理を例示することに重点が置かれている。
(1つ又は複数の)発明の様々な態様の上述の及びその他の特徴及び利点については、(1つ又は複数の)発明の広範な境界に含まれる様々な概念及び特定の実施形態に関する以下の更に具体的な説明から明らかとなろう。以上において紹介され、且つ、以下において詳述される主題の様々な態様は、主題が任意の特定の方式の実装形態に限定されないことから、多数の方法のうちのいずれかによって実装してもよい。特定の実装形態及び用途の例は、主に、例示を目的として提供されるものである。
本明細書においてそれ以外の方式によって規定、使用、又は特徴付けされていない限り、本明細書において使用される用語(技術的及び化学的な用語を含む)は、関連技術の文脈において一般に認められているその意味と一貫性を有する意味を有するものと解釈することを要し、且つ、本明細書において明示的に規定されていない限り、理想化された又は過度に形式的な意味において解釈してはならない。例えば、特定の組成が参照されている場合には、実際的且つ不完全な現実が適用される場合があることから、組成は、実質的に、完全に純粋なものでなくてもよく、例えば、少なくとも微量の(例えば、重さ又は容積において1又は2%未満の)不純物の潜在的な存在は、説明の範囲に含まれるものとして理解することが可能であり、同様に、特定の形状が参照されている場合には、その形状は、例えば、機械加工公差に起因した理想的な形状からの不完全な変形をも含むものと解釈されたい。
本明細書においては、図面に示されている要素間の関係を表すための説明を容易にするために、「上方(above)」、「上部(upper)」、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下部(lower)」、及びこれらに類似したものなどの空間的な関係を意味する用語が使用される場合がある。これらの空間的な関係を意味する用語は、図面に示されている向きに加えて、使用又は動作の際の装置の様々な向きを含むことを意図していることを理解されたい。例えば、図中の装置が裏返された場合には、その他の要素又は特徴の「下部」又は「下方」として記述されていた要素は、その他の要素又は特徴の「上方」において方向付けされることになろう。従って、例示用の用語である「上方」は、上方及び下方の向きの両方を含んでもよい。装置は、それ以外の方式によって方向付けされてもよく(例えば、90度だけ又はその他の向きにおいて回転されてもよく)、且つ、本明細書において使用されている空間的な関係を意味する記述子も、相応して、解釈されたい。
更には、本開示において、要素が、別の要素の「上部に存在する」ものとして、或いは、別の要素に対して「接続」又は「結合」されているものとして、参照されている際には、その要素は、特記されていない限り、その別の要素上に存在してもよく、その別の要素に対して接続又は結合されていてもよく、或いは、介在する要素が存在してもよい。
本明細書において使用されている用語は、特定の実施形態を記述することを目的としたものであり、且つ、例示用の実施形態を限定するものとなることを意図したものではない。本明細書において使用されている「1つ(a)、(an)」、及び「その(the)」という単数形は、そうではないことが文脈によって明瞭に示されていない限り、複数形をも含むものと解釈されたい。更には、「含む(includes)、(including)」、「有する(comprises)、(comprising)」という用語は、記述されている要素又はステップの存在を規定しているが、1つ又は複数のその他の要素又はステップの存在又は追加を排除するものではない。
大まかに表現すれば、サイクロトロンは、円形タイプの粒子加速器に含まれる。円形粒子加速器のビーム理論は、平衡軌道と平衡軌道の周りのベータトロン振動の概念に基づいて発展したものである。平衡軌道(Equilibrium Orbits:EOs)の原理は、以下のように表すことができる。
・磁界によってキャプチャされた所与の運動量を有する帯電イオンは、軌道を描くことになる。
・閉じた軌道は、イオンの所与の電荷、運動量、及びエネルギーの平衡条件を表している。
・滑らかな平衡軌道の組を有する能力について磁界を分析することができる。
・加速は、1つの平衡軌道から別の平衡軌道への遷移として見ることができる。
一方、摂動論の弱収束原理は、以下のように表現することができる。
・粒子は、平均軌跡(中心線とも呼称する)を中心として振動する。
・振動周波数(v、v)は、それぞれ、半径方向(r)及び軸方向(z)における運動の特徴を示す。
・磁界は、座標磁界成分と磁界指数(n)に分解され、且つ、
である一方で、
である。
・粒子振動と磁界成分、特に、磁界誤差項の間の共振が加速安定性及び損失を決定する。
上述の弱収束磁界指数パラメータnは、以下のように規定され、
ここで、rは、図1の小型サイクロトロンの断面図に示されているように、中心軸16からのイオンの半径であり、且つ、Bは、その半径における軸方向の磁界の大きさである。弱収束磁界指数パラメータnは、コイルによって生成される磁界が磁界指数を決定するサイクロトロン内におけるイオンのフルエネルギーへの正常な加速を可能にするために、イオンが加速される加速チャンバー46内の中央加速プレーン(図3に示されている)の断面全体に跨って0〜1の範囲にある(イオンが導入されると共に半径が略ゼロである中心軸16に近接したチャンバーの中央領域という例外が存在する可能性がある)。具体的には、イオンが平均軌跡を中心として安定性を有して振動することを維持するために、加速の際に、回復力を供給する。この軸方向の回復力は、n>0である際に、存在することを示すことが可能であり、且つ、この条件は、B>0及びr>0であるために、dB/dr<0であることを必要としている。サイクロトロンは、加速に必要とされる磁界指数に整合するように、半径に伴って減少する磁界を有する。
図1及び図2に示されているように、磁石構造体10は、イオンの加速のための中央加速プレーン18を有する加速チャンバー46を規定する磁極のペア38及び40及びリターンヨーク36を有する磁気ヨーク20を含む。図3に示されているように、磁石構造体10は、エポキシガラス複合体などの絶縁組成物から形成された構造的スペーサ−82によって支持されると共に離隔しており、且つ、外側クリオスタット66(例えば、ステンレス鋼又は低炭素鋼から形成されると共に閉じ込め容積内において負圧障壁を提供しているもの)及び熱遮蔽体80(例えば、銅又はアルミニウムから形成されたもの)内に収容されている。圧縮スプリング88が80Kの熱遮蔽体80及び磁石構造体10を圧縮状態において保持している。
ヨーク20が磁気コイル12及び14の支持を提供すると共にこれらとの熱接触状態になるように、磁気コイルのペア12及び14(即ち、磁界を生成することができるコイル)がヨーク20内に収容されると共に(クリオスタット又は自由空間によって完全に分離されることなしに)これとの接触状態にある。この結果、磁気コイル12及び14は、偏心力の影響を受けることがなく、従って、センタリングされた状態に磁気コイル12及び14を維持するための引っ張りリンクも不要である。
図5に示されているように、それぞれのコイル12/14は、エポキシガラス複合体90からなる接地巻付け追加外側層と、例えば、銅又はアルミニウムから形成されたテープ−フォイルシートの熱オーバーラップ92と、によってカバーされている。熱オーバーラップ92は、極低温冷却のための低温伝導性リンク58と磁極38/40及びリターンヨーク36の両方との熱接触状態にあるが、熱オーバーラップ92と磁極38/40及びリターンヨーク36の間との接触は、オーバーラップ92の表面全体にわたるものであってもよく、或いは、そうでなくてもよい(例えば、隣接する表面上の限られた数の接触エリアにおける直接的又は間接的な接触のみであってもよい)。低温伝導性リンク58及びヨーク20が「熱接触」状態にあるという特徴は、伝導性リンク58とヨークの間に直接的な接触が存在することを意味するか、或いは、磁石構造体の冷却及び加熱に伴うこれらのコンポーネント間の熱膨張の差に対応するために熱オーバーラップ92と低温伝導性リンク58の間において且つこれらと同一平面上において取り付けることができる適切な示差熱収縮(differential thermal contraction)を有する熱伝導性充填材料などの1つ又は複数の熱伝導性介在材料(例えば、少なくとも1W/(m・k)の熱伝導性を有するもの)を通じた物理的接触が存在することを意味している
そして、低温伝導性リンク58は、クリオクーラー熱リンク37(図1及び図2に示されているもの)と熱結合され、このクリオクーラー熱リンク37は、クリオクーラー26(図3に示されているもの)と熱結合されている。従って、熱オーバーラップ92は、クリオクーラー26、ヨーク20、及びコイル12及び14の間に熱接触を提供している。
最後に、磁石構造体の冷却及び加熱に伴うこれらのコンポーネント間の熱膨張の差に対応するために、熱オーバーラップ92と低温伝導性リンク58の間に且つこれらと同一の平面上に適切な示差熱収縮を有する充填材料を取り付けることができる。
磁気コイル12及び14は、中央加速プレーン18(図3を参照されたい)の両側において、ビームチャンバー64を収容する加速チャンバー46(図1に示されているもの)を取り囲んでおり、且つ、極めて強力な磁界を中央加速プレーン18内に直接的に生成するように機能する。印加された電圧を介して起動された際に、磁気コイル12及び14は、磁気コイル12及び14によって直接的に生成される磁界とは別個であると見なすことができる磁界をヨーク20が生成するように、ヨーク20を更に磁化する。
磁気コイル12及び14は、イオンが加速される加速プレーン18の上方及び下方の等距離のところに、中心軸16を中心として対称的に配置されている。磁気コイル12及び14は、その間において少なくとも1つのRF加速電極48及び包囲超絶縁層30が加速チャンバー46内を延在することができるように、十分な距離だけ、分離されている。それぞれのコイル12/14は、一般に、4〜30Kの範囲内である設計動作温度において超伝導性を有する導電体材料の連続した経路を含むが、2K未満において動作してもよく、その場合には、更なる超伝導性能及びマージンを入手可能である。サイクロトロンを相対的に高い温度において動作させることを要する場合には、BSCCO(bismuth strontium calcium copper oxide)、YBCO(yttrium barium copper oxide)、又はMgBなどの超伝導体を使用することができる。
それぞれのコイルの外径は、イオンが抽出される前にイオンが到達する外径の約1.2倍である。6Tを上回る磁界の場合には、10MeVに加速されたイオンは、約7cmの半径において抽出され、25MeVに加速されたイオンは、約11cmの半径において抽出される。従って、10MeVのビームを生成するように設計された本開示の小型低温サイクロトロンは、約8.4cmのコイル外径を有することが可能であり、25MeVのビームを生成するように設計された本開示の小型低温サイクロトロンは、約13.2cmのコイル外径を有することができる。
磁気コイル12及び14は、0.6mmの直径を有すると共に、例えば、合計で200万〜300万アンペア−ターンの電流搬送容量を提供するように巻回された個別のケーブルストランドを有する超伝導体ケーブル又はケーブルインチャネル導体を有する。一実施形態においては、それぞれのストランドが2000アンペアの超伝導電流搬送容量を有する場合には、コイル内に300万アンペア−ターンの容量を提供するために、1500巻回のストランドをコイル内に提供している。一般に、コイルは、超伝導ストランドの臨界電流搬送容量を超過することなしに、望ましい磁界レベルに必要とされる数のアンペア−ターンを生成するために必要な数の巻回を有するように設計することができる。超伝導材料は、ニオビウムチタニウム(NbTi)、ニオビウムすず(NbSn)、又はニオビウムアルミニウム(NbAl)などの低温超伝導体であってよく、特定の実施形態においては、超伝導材料は、タイプII超伝導体、具体的には、タイプA15結晶構造を有するNbSnである。BaSrCaCu、BaSrCaCu10、MgB、又はYBaCu7−Xなどの高温超伝導体を使用することもできる。
コイルは、超伝導体又はケーブルインチャネル導体のケーブルから直接的に形成することができる。ニオビウムすずの場合には、反応前のニオビウムとすずのストランド(3:1の分子比を有するもの)をケーブル内に巻き付けてもよい。次いで、これらのケーブルを約650℃の温度に加熱してニオビウムすずを反応させることにより、NbSnを形成する。次いで、NbSnケーブルをU字形の銅チャネル内にはんだ付けして複合導体を形成する。銅チャネルは、機械的な支持、クエンチの際の熱安定性、及び、超伝導材料が通常状態にある(即ち、超伝導性を有していない)際の電流用の伝導性経路を提供する。次いで、複合導体をグラスファイバによって覆い、且つ、次いで、外向きのオーバーレイ内において巻き付ける。例えば、ステンレス鋼から形成されたストリップヒーターを複合導体の巻き付けられた層の間に挿入することにより、磁石がクエンチされた際に、迅速な加熱を提供すると共に、クエンチが発生した後に、コイルの半径方向断面に跨って温度を均衡させることにより、コイルを損傷しうる熱的及び機械的応力を極小化することもできる。巻き付けの後に、負圧を適用し、且つ、巻き付けられた複合導体構造にエポキシを含浸させることにより、最終的なコイル構造においてファイバ/エポキシ複合フィラーを形成する。巻き付けられた複合導体がその内部に埋め込まれた結果得られたエポキシ−ガラス複合体は、電気的絶縁及び機械的剛性を提供する。これらの磁気コイル及びその構造の特徴については、米国特許第7,696,847B2号明細書及び米国特許出願公開第2010/0148895A1号明細書に更に記述及び例示されている。
磁界が強力であることから、磁石構造体を例外的に小さくすることができる。一実施形態においては、磁気ヨーク20の外径は、中心軸16から磁気コイル12及び14の内側エッジまでの半径rの約2倍であり、磁気ヨーク20の高さ(中心軸16に対して平行に計測されたもの)は、半径rの約3倍である。
磁気コイル12及び14及びヨーク20は、協働し、例えば、約8テスラの合成磁界を中央加速プレーン18内に生成する。電圧を印加して磁気コイル12及び14を通じた連続的な電流の流れを開始及び維持した際に、磁気コイル12及び14は、例えば、少なくとも約3テスラ以上である中央加速プレーン内の磁界の大部分を生成する。ヨーク20は、磁気コイル12及び14によって生成された磁界によって磁化され、且つ、イオンの加速のためにチャンバー内に生成される磁界に対して最大で更に約2.5テスラだけ寄与することができる。
磁界成分の両方(即ち、コイル12及び14から直接的に生成される磁界成分と磁化されたヨーク20によって生成される磁界成分の両方)は、中央加速プレーン18に対して略直交する状態において中央加速プレーン18を通過する。但し、完全に磁化されたヨーク20によってチャンバー内の中央加速プレーン18に生成される磁界は、磁気コイル12及び14によって直接的に生成される磁界よりも、中央加速プレーン18において格段に小さい。磁石構造体10は、中心軸16からイオンが加速チャンバー46内において抽出される半径までの半径の増大に伴って磁界が減少して古典的サイクロトロンのイオン加速を可能にするように、(磁極38及び40の内側表面42を成形することにより、又は更なる磁気コイルを設けて対向する磁界を加速チャンバー46内に生成することにより、或いは、これらの組合せにより)中央加速プレーン18に沿って磁界を成形するべく構成されている。中央加速プレーン内において磁界を成形するための4つの段階(A、B、C、及びD)を有するテーパー化された内側磁極表面42の一実施形態が図6に示されており、以下、これについて更に説明する。
磁石構造体10は、加速チャンバー46内における帯電粒子(イオン)の加速の際に弱収束及び位相安定性を提供するように設計されてもいる。弱収束は、帯電粒子が磁界を通じて外向き螺旋状に加速している間に帯電粒子を空間内において維持する。位相安定性は、帯電粒子が望ましい加速をチャンバー内において維持するための十分なエネルギーを取得することを保証する。具体的には、イオンの加速を維持するために必要とされる電圧を上回る電圧が、導電性コンジット68を介して常に加速チャンバー46のビームチャンバー64内の高電圧電極48に供給され、且つ、ヨーク20は、ビームチャンバー64及び電極48のために加速チャンバー46内の十分な空間を提供するように構成されている。1つの電極48を使用する場合には、接地(「ダミーディー」と呼称してもよい)は、電極48との関係において180°において位置決めする。代替実施形態においては、2つの電極(中心軸16を中心として180°だけ離隔しており、接地は、これらの電極から90℃だけ離隔している)を使用することができる。2つの電極の使用は、軌道運動するイオンの相対的に大きな利得(1ターンにつき)と、相対的に良好なイオン軌道のセンタリングと、を提供し、これにより、振動を低減すると共に相対的に良好なビーム品質を生成することができる。
動作の際には、超伝導磁気コイル12及び14は、「乾燥」状態において維持することが可能であり(即ち、液体冷媒中に浸漬されない)、むしろ、磁気コイル12及び14は、1つ又は複数の極低温冷凍機26(クリオクーラー)により、超伝導体の臨界温度未満の温度(例えば、臨界温度を最大で5K未満のみ下回る温度、或いは、場合によっては、臨界温度を1K未満のみ下回る温度)に冷却することができる。磁気コイル12及び14を極低温の温度(例えば、組成に応じて、4K〜30Kの範囲)に冷却した際には、ヨーク20も、クリオクーラー26、磁気コイル12及び14、並びに、ヨーク20の間における熱接触に起因して、同様に、略同一の温度に冷却される。
クリオクーラー26は、圧縮されたヘリウムをGifford−McMahon冷凍サイクルにおいて利用することも可能であり、或いは、相対的に高い温度の第1ステージ84と相対的に低い温度の第2ステージ86を有するパルスチューブクリオクーラー設計を有することもできる。クリオクーラー26の相対的に低い温度の第2ステージ86は、約4.5Kにおいて動作させることが可能であり、且つ、熱リンク37及び58を介して、低温超伝導体(例えば、NbTi)電流リード線59(図16に示されているもの)と熱結合され、この電流リード線59は、コイル12及び14を通じて電流を駆動するために超伝導磁気コイル12及び14内の複合伝導体の両端部及び電圧源と接続するワイヤを含む。クリオクーラー26は、それぞれの低温導電性リンク58及びコイル12/14をそれぞれのコイル内の導体が超伝導性を有する温度(例えば、約4.5K)に冷却することができる。或いは、この代わりに、相対的に高温の超伝導体を使用する場合には、クリオクーラー26の第2ステージ86は、例えば、4〜30Kにおいて動作させることができる。従って、それぞれのコイル12/14は、動作の際に、乾燥状態において(即ち、液体ヘリウム又はその他の液体冷媒中に浸漬されない状態において)維持することができる。
クリオクーラー26の相対的に高温の第1ステージ84は、例えば、40〜80Kの温度において動作させることが可能であり、且つ、磁石構造体10と室温(例えば、約300Kにおける)であってよいクリオスタット66の間に中間温度障壁を提供するために、相応して、例えば、約40〜80Kに冷却される熱遮蔽体80と熱結合させることができる。クリオスタット66によって規定される容積を真空ポンプ(図示されてはいない)によって排出して高真空をその内部に提供することが可能であり、且つ、これにより、クリオスタット66、中間熱遮蔽体80、及び磁石構造体10の間における対流熱伝達を制限することができる。クリオスタット66、熱遮蔽体80、及び磁石構造体10は、それぞれ、伝導性熱伝達を極小化させる量だけ、互いに離隔しており、且つ、絶縁スペーサ−82(例えば、エポキシ−ガラス複合体から形成されたもの)によって構造的に支持されている。
乾式クリオクーラー26の使用は、隔離された治療室内や運動するプラットフォーム上などのように、極低温冷却流体の供給源から離れた状態におけるサイクロトロンの動作を許容する。クリオクーラー26のペアが提供されている場合には、サイクロトロンは、クリオクーラーのうちの1つに障害が発生した場合にも、動作を継続することができる。
磁気ヨーク20は、超伝導コイル12及び14によって生成される磁束を加速チャンバー46に搬送する磁気回路を提供する強磁性構造体を有する。又、磁気ヨーク20を通じた磁気回路は、加速チャンバー46内におけるイオンの弱収束のための磁界成形をも提供している。又、磁気回路は、磁束の大部分を磁気回路の外側部分内に閉じ込めることにより、加速チャンバー46内の磁界レベルを向上させる。磁気ヨーク20は、低炭素鋼から形成することが可能であり、且つ、磁気ヨーク20は、コイル12及び14及びビームチャンバー64を取り囲む内側超絶縁層30(図4に示されており、且つ、例えば、アルミニウムが蒸着されたマイラー及び紙から形成されている)を取り囲んでいる。純粋な鉄は、脆弱過ぎる場合があり、且つ、小さ過ぎる弾性係数を有する場合があり、従って、鉄は、十分な量の炭素及びその他の元素をドーピングすることにより、十分な強度を提供したり、或いは、望ましい磁気レベルを維持しつつ、剛性を低減したりすることもできる。磁気ヨーク20は、コイル12及び14及び超絶縁層30によって囲まれた中心軸16の同一のセグメントを囲んでいる。
磁気ヨーク20は、中央加速プレーン18に跨って略鏡面対称性を有する磁極のペア38及び40を更に含む。磁極38及び40は、リターンヨーク36により、磁気ヨーク20の境界線において結合されている。磁気ヨーク20は、フィードスルーポート100における磁極分離ギャップを狭めると共に、これにより、空洞がフィードスルーポート100によって生成されているヨーク20内の乏しい鉄をバランスさせるために、本明細書の別の部分に記述及び例示されているように個別のポート(ビーム抽出通路60及び真空フィードスルーポート100など)及びその他の個別の形状を特定の場所において許容していることを除いて、且つ、更なる磁気タブ96(図7〜図15に示されており、且つ、例えば、鉄から形成されたもの)を有するサドル様の形状を真空フィードスルーポート100(図16に示されているもの)に設けていることを除いて、中心軸16を中心として略合理的な対称性を有する。代替実施形態においては、磁気タブ96は、ヨーク20の境界線の周りに巻き付いた連続的なベルトに内蔵されている。
タブ96の第1実施形態は、図8〜図10に示されているように、湾曲したストリップの形態を有しており、図8及び図9は、それぞれ、(図7の向きとの関係において)平面及び側面からの図を提供し、図10は、タブ96の斜視図を提供している。タブ96の第2実施形態は、この場合には、第1実施形態と同様に、湾曲したストリップの形態を有しいているが、中央加速プレーン18に向かって内側に対向する磁極ウィング98の表面にわたって延在するテーパー化されたカバーセクション97をも含む。この実施形態においては、テーパー化されたカバーセクション97の高さは、中心軸16までの距離が減少するのに伴って、磁極ウィング98の表面にわたって徐々に狭くなっている。下部磁極38の向きとの関係において、テーパー化されたカバーセクション97を有するタブ96は、図11においては、側面から、図12においては、中心軸16から、図14及び図15においては、それぞれ、上部及び底部から、示されており、タブ96のこの実施形態の斜視図は、図13に提供されている。
磁極38及び40は、図6に示されているテーパー化された内側表面42を有しており、この内側表面42は、協働し、磁極38及び40の間の、且つ、加速チャンバー46に跨る、磁極ギャップを規定している。テーパー化された内側表面42のプロファイルは、コイル12及び14の位置の関数であると共に、中心軸16からの距離の関数にもなっており、この結果、対向する表面42の間のステージBにおいて、中央加速プレーン18からの距離が最大(例えば、3.5cm)になるようになっており、この磁極ギャップの拡大により、加速されたイオンの十分な弱収束及び位相安定性が提供される。
中央加速プレーン18からの内側磁極表面42の距離は、ステージAにおいて中心軸に直接隣接した状態とステージCにおいてステージBを超えた状態の両方において、例えば、2.5cmという中央値を有する。この距離は、抽出のためにフルエネルギービームを磁極エッジの近傍において正確に位置決めしつつ、強力な超伝導コイルの有害な効果に対して弱収束を提供するために、ステージD内の磁極ウィング94において、例えば、0.8cmに狭まっている。この実施形態においては、ステージEにおけるコイル12及び14の近接した表面は、中央加速プレーン18の上方/下方において3.5cmだけ離隔している。代替実施形態においては、ステージA〜Dは、別個のものではなく、且つ、その代わりに、1つのステージから次のステージへの連続した滑らかなスロープ遷移を提供するために、テーパー化されている。別の代替設計においては、4つを上回る又は下回る数のステージを内側磁極表面42に跨って設けている。
ステージA、B、C、及びDは、実質的に等しい距離にわたって中心軸16から中央加速プレーン18に沿って半径方向に延在しており、A、B、C、及びDのそれぞれは、中心軸16からコイル12/14の内側表面までの距離の約4分の1にわたって(或いは、イオン源の挿入のために中心軸に沿った通路を収容するべく、4分の1をわずかに下回るだけ)延在している。例えば、中心軸16からコイル12/14の内径までの半径が10cmである場合には、それぞれのステージは、約2.5cmの距離にわたって中央加速プレーンに平行に半径方向に延在する。この実施形態においては、ステージは、別個のものになっている、代替実施形態においては、ステージをスロープ化及びテーパー化し、これにより、磁極表面上においてステージ間の滑らかな遷移を提供することもできる。
この磁極形状は、例えば、3.5MeV〜25MeVの任意のレベルを有する加速粒子のエネルギーレベルを伴う広い範囲の加速動作に使用することができる。このような磁極プロファイルは、いくつかの加速機能を有し、即ち、装置の中心における低エネルギーによるイオンのガイド、安定した加速経路内へのキャプチャ、加速、軸方向及び半径方向の収束、ビーム品質、ビーム損失の極小化、最終的な望ましいエネルギー及び強度の実現、及び抽出のための最終的なビームの場所の位置決めを有する。特に、弱収束及び加速位相安定性の同時達成が実現される。
又、磁気ヨーク20は、真空フィードスルーポート100(図16に示されているもの)などの少なくとも1つの半径方向の通路と、伝導性金属から形成された高周波(RF)加速器電極48を含む共振器構造体の加速チャンバー46内への挿入のための十分なクリアランスと、をも提供している。加速器電極48は、(米国特許第4,641,057号及び第7,696,847号明細書に記述されているように)加速チャンバー46内の加速プレーン18に対して平行に且つその上方及び下方において方向付けられた平らな半円形の平行なプレートのペアを含む。イオンは、中心軸16の近傍に配置された内部イオン源50によって生成することが可能であり、或いは、イオン注入構造を介して外部イオン源から供給することもできる。内部イオン源50の一例は、例えば、電圧源に結合されると共に水素ガスの供給減に近接した加熱されたカソードであってよい。
加速器電極48は、導電性経路を介して高周波電圧源と結合されており、この高周波電圧源は、イオン源50から放射されたイオンを加速チャンバー46内の膨張する螺旋軌道において加速させるための固定周波数振動電界を生成する。サイクロトロンがシンクロサイクロトロンモードにおいて動作している特定の実施形態においては、高周波電圧源は、イオンが中央加速プレーン内において外向きに螺旋運動するのに伴って電界の周波数が減少するように、可変周波数を供給するべく、高周波回転型コンデンサによって設定することができる。
加速チャンバー46内において、ビームチャンバー64及びディー電極(dee electrode)48は、図4に示されているように、熱を放射する電極48と極低温に冷却される磁気ヨーク20の間の断熱を提供する内側超絶縁構造体30内に存在している。従って、電極48は、磁気ヨーク20及び超伝導コイル12及び14の温度よりも少なくとも40Kだけ高い温度において動作することができる。図4の図は、分割されており、ディー電極48を示す内部セクションが中心軸16の左側に提供され、且つ、内側面77及び外側電気接地プレート79(例えば、銅ライナーの形態を有するもの)を含む接地(ダミーディー)76の外部の図が中心軸16の右側に提供されている。
加速システムビームチャンバー64及びディー電極48は、例えば、20kV未満の加速電圧Vにおいて20MeVの陽子線(電荷=1、質量=1)を生成するべく、サイズ設定されている。ビームチャンバー64は、例えば、3cmの高さと16cmの直径を有する円筒型の容積を規定することができる。強磁性の鉄製磁極及びリターンヨークは、組立及び保守を円滑に実行するために分割構造として設計され、且つ、これは、中心軸16からコイル12/14までの磁極の半径rの約2倍の外径(例えば、rが10cmである場合には、約20cmである)と、約3rの合計高さ(例えば、rが10cmである場合には、約30cmである)と、2トンの合計質量(約2000kg)と、を有する。
磁気コイル12、14及び磁気ヨーク20によって生成される磁界内において加速された際に、イオンは、中心軸16から半径rに沿って膨張する螺旋軌道74の形態を有する平均軌跡を有する。又、イオンは、この平均軌跡を中心として小さな直交振動をも経験する。平均半径を中心としたこれらの小さな振動は、ベータトロン振動と呼ばれており、且つ、これらは、イオンを加速させる特定の特性を規定する。
上部及ぶ下部磁極ウィング98は、磁極エッジの近傍の最終的に入手可能なエネルギーを設定する特性軌道振動を移動させることにより、抽出のために磁界エッジを鋭利にしている。更には、上部及び下部磁極ウィング98は、強力な分割コイルペア12及び14からの内部加速磁界を遮蔽するようにも機能する。上部及び下部磁極ウィング98の面の周りにおいて周方向に配置される強磁性の上部及び下部鉄製先端部の更なる局所片を設けて十分な局所的非軸対称エッジ磁界を確立することにより、再生イオン抽出又は自己抽出に対応することができる。
動作の際には、電圧(例えば、上述のコイル内に1500巻回を有する実施形態において2000Aの電流を生成するのに十分なもの)を伝導性リンク58内の電流リード線を介してそれぞれのコイル12/14に印加することにより、コイルが4.5Kである際に、例えば、少なくとも8テスラの磁界を加速チャンバー46内に生成することができる。その他の実施形態においては、更に多数のコイルの巻回を提供することが可能であり、且つ、電流を低減することができる。磁界は、完全に磁化された鉄製磁極38及び40からの最大で約2.5テスラの寄与を含み、磁界の残りの部分は、コイル12及び14によって生成される。
この磁石構造体10は、イオンの加速のための十分な磁界を生成するように機能する。イオンのパルスは、例えば、電圧パルスを加熱されたカソードに印加してカソードから水素ガス中に電子を放出させることによるなどのように、イオン源によって生成することが可能であり、この場合には、電子が水素分子と衝突した際に、陽子が放出される。加速チャンバー46は、例えば、10−3気圧未満の負圧となるように排出されるが、十分な数の陽子を生成するための十分な数の分子を依然として供給しつつ低圧の維持を可能とする量だけ、水素が導入及び調節される。陽子の代わりに、重陽子又はアルファ粒子からウラニウムなどの格段に重いイオンにまで及ぶものなどのように、更に大きな質量を有するその他のイオンをこれらの装置及び方法によって加速させることも可能であり、動作の際には、更に重い元素の場合には、電界の周波数を低減させることができる。動作の際には、電極48及び内側クリオスタット内のその他のコンポーネントは、相対的に高い温度(例えば、約300Kであるか、又は磁気ヨーク20及び超伝導コイル12及び14の温度よりも少なくとも40Kだけ高い温度)を有することができる。
この実施形態においては、電圧源(例えば、高周波発振回路)は、RF加速器電極48のプレートに跨って、例えば、20000ボルトの交流又は発振電位差を維持している。RF加速器電極48によって生成される電界は、加速対象の陽子イオンのサイクロトロン軌道周波数のものに整合した固定周波数(例えば、140MHz)を有する。電極48によって生成される電界は、イオンが、略、プレートの内部の領域の中央部分において運動することを維持する収束動作を生成し、且つ、電極48によってイオンに供給される電界インパルスは、放射されると共に軌道運動するイオンの速度を累積的に増大させる。これにより、イオンがその軌道内において加速されるのに伴って、イオンは、電界における振動と共振した状態において又はこれと同期した状態において、中心軸16から外向きに螺旋運動して連続的に回転する。
具体的には、電極48は、イオンが電極48から離れている際には、軌道運動するイオンの電荷とは反対の電荷を有しており、反対電荷の吸着により、イオンをそのアーチ形の経路内において電極48に向かって引っ張る。イオンがそのプレートの間を通過する際には、電極48には、イオンの電荷と同一符号の電荷が提供され、同一電荷の反発により、イオンは、離れるようにその軌道内において跳ね返され、且つ、このサイクルが反復される。その経路に対して直角である強力な磁界の影響下において、イオンは、電極48及び接地76により、螺旋状の経路に沿って誘導される。イオンが徐々に外向きに螺旋運動するのに伴って、イオンの速度は、イオンが最終的に外径70に到達する時点まで、その軌道半径の増大に比例して増大し、この外径70において、イオンは、磁気偏向器システム(例えば、加速チャンバー46の境界線を中心として位置決めされた鉄製先端部の形態における)によって収集器チャネル内に磁気的に偏向され、これにより、イオンを磁界から外向きに逸脱させ、且つ、加速チャンバー46からリターンヨーク36を通じて、例えば、外部ターゲットに向かって延在する線形ビーム抽出通路60内にサイクロトロンから(パルスビームの形態において)引き出すことができる。
本発明の実施形態の説明においては、明瞭性を目的として、特定の用語を使用している。説明を目的として、特定の用語は、類似の結果を実現するために類似の方式において動作する技術的且つ機能的な均等物を少なくとも含むものと解釈されたい。更には、本発明の特定の実施形態が複数のシステム要素又は方法ステップを含んでいるいくつかの状況においては、それらの要素又はステップは、単一の要素又はステップによって置換してもよく、同様に、単一の要素又はステップを同一の目的のための機能する複数の要素又はステップによって置換してもよい。更には、本発明の実施形態のために様々な特性のパラメータが本明細書に規定されている場合には、それらのパラメータは、特記されていない限り、例えば、上方及び下方に、100分の1、50分の1、20分の1、10分の1、5分の1、3分の1、2分の1、4分の3だけ(或いは、2、5、10などの倍率だけ、上方に)調節することも可能であり、或いは、その丸め近似によって調節することも可能である。更には、その特定の実施形態を参照して本発明について図示及び説明したが、当業者は、本発明の範囲を逸脱することなしに、形態及び詳細における様々な置換及び変更を実施してもよいことを理解するであろう。更には、その他の態様、機能、及び利点も、本発明の範囲に含まれており、且つ、本発明のすべての実施形態は、必ずしも、上述の特性の利点のすべてを実現する必要はなく、且つ、特性のすべてを有する必要もない。更には、一実施形態との関連において本明細書に記述されているステップ、要素、及び特徴は、同様に、その他の実施形態との関連において使用してもよい。本明細書の本文の全体を通じて引用されている参照テキスト、雑誌論文、特許、特許出願などを含む参考文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書に包含され、且つ、これらの参考文献の適切なコンポーネント、ステップ、及び特徴は、任意選択により、本発明の実施形態に含まれてもよく、或いは、含まれなくてもよい。更には、「背景技術」の節において識別されているコンポーネント及びステップは、本開示と一体をなしており、且つ、本発明の範囲に含まれる本開示の別の場所に記述されているコンポーネント及びステップとの関連において使用することが可能であり、且つ、これらを置換することもできる。方法請求項において、段階が特定の順序において記述されている―参照を容易にするために順序付けされた先頭文字が付加されているか又は付加されていない―場合には、用語又はフレーズによって規定さるか又は意味されていない限り、それらの段階が、それらの段階が記述されている順序に対して時間的に限定されるものと解釈してはならない。
電極のペア及び磁石構造体からの磁界インパルスを使用して外向きの螺旋状にイオン(帯電粒子)を加速させるサイクロトロンが米国特許第1,948,384号明細書(発明者:Ernest O. Lawrence、特許交付年:1934年)に開示されている。Lawrenceの加速器設計は、いまでは、一般に、「古典的」サイクロトロンと呼ばれており、この場合には、電極が固定加速周波数を供給すると共に磁界が半径の増大に伴って減少し、これにより、軌道運動するイオンの垂直方向の位相安定性を維持するための「弱収束」を提供している。
最近のサイクロトロンは、主には、「等時性」サイクロトロンと呼ばれる種類であり、この場合には、電極によって供給される加速周波数は、同様に、固定されているが、相対性を補償するために、磁界が半径の増大に伴って増大しており、且つ、イオンの加速の際に、セクター周期性を有する成形された鉄製磁極片から導出された方位角が変化する磁界成分により、軸方向の回復力が印加されている。大部分の等時性サイクロトロンは、抵抗磁石技術を使用しており、且つ、1〜3テスラの磁界レベルにおいて動作する。いくつかの等時性サイクロトロンは、超伝導磁石技術を使用しており、この場合には、超伝導コイルが、加速に必要とされるガイド及び収束磁界を提供する常温の鉄製磁極を磁化している。これらの超伝導等時性サイクロトロンは、3〜5Tの磁界レベルにおいて動作する。本発明者は、1980年代初頭に、Michigan State Universityにおいて最初の超伝導サイクロトロンプロジェクトに従事している。
別の種類のサイクロトロンは、シンクロサイクロトロンと呼ばれている。古典的サイクロトロン又は等時性サイクロトロンとは異なり、シンクロサイクロトロン内の加速周波数は、イオンが外向き螺旋運動をするのに伴って減少する。又、等時性サイクロトロンとは異なり、古典的サイクロトロンと同様に、シンクロサイクロトロン内の磁界は、半径の増大に伴って減少している。本発明者は、最近、陽子線による放射線治療及びその他の臨床的用途のための高磁界シンクロサイクロトロンを発明している(米国特許第7,541,905B2号及び第7,696,847B2号明細書に記述されている)。このシンクロサイクロトロンの実施形態は、既存の超伝導等時性サイクロトロンと同様に、常温の鉄製磁極と、低温の超伝導コイルと、を有するが、相対的に強力な磁界にまで及ぶスケーラビリティを有する異なる方式により、加速の際にビームの収束を維持しており、且つ、従って、例えば、約9テスラの磁界によって動作することができる。
本明細書は、小型低温弱収束超伝導サイクロトロンについて記述している。その構造及び使用のための装置及び方法の様々な実施形態は、後述する要素、特徴、及びステップのいくつか又はすべてを含んでもよい。
小型低温弱収束超伝導サイクロトロンは、中央加速プレーンの両側に少なくとも2つの超伝導コイルを含むことができる。磁気ヨークがコイルを取り囲み、且つ、加速チャンバーを収容している。磁気ヨークは、極低温冷凍機からの熱リンク及び超伝導コイルとの熱接触状態にあり、且つ、中央加速プレーンは、加速チャンバーを通じて延在している。
サイクロトロンの動作の際には、イオンを内径において中央加速プレーンに導入する。イオンを中央加速プレーンに跨る膨張軌道において加速するために、磁気ヨーク内に取り付けられた電極のペアに対して高周波電圧源から高周波電圧を印加する。極低温冷凍機により、超伝導コイル及び磁気ヨークを超伝導コイルの超伝導遷移温度を上回らない温度まで冷却する。冷却された超伝導コイルに対して電圧を供給することにより、磁界を超伝導コイル及びヨークから中央加速プレーン内に生成する超伝導電流を超導電コイル内に生成し、且つ、加速されたイオンが外径に到達した際に、加速されたイオンを加速チャンバーから抽出する。
このサイクロトロンは、E.O. Lawrenceのオリジナルの弱収束サイクロトロンに基づいて構築することにより、(等時性サイクロトロンと同様の)固定周波数と、(シンクロサイクロトロンと同様の)単純な磁気回路と、を有する古典的設計を有することができる。強力な磁界にまで及ぶスケーラビリティを古典的サイクロトロンに付与するために、常温の加速コンポーネントが磁気ヨーク内に位置するための空間及びクリアランスを維持しつつ、磁石全体(ヨーク及びコイル)を動作の際に極低温の温度に冷却することができる。この低温鉄製弱収束サイクロトロンは、小さなサイズでこのような強力な磁界にまで及ぶスケーラビリティを有することが可能であり、携帯型サイクロトロン装置として使用することができる。このようなサイクロトロンは、陽子の場合には、25MeV未満のエネルギーに制限されることになるが、適用のために構築されている大部分のサイクロトロンは、このエネルギー範囲に含まれており、従って、このようなサイクロトロンの存在によって実際の使用が可能となる多数の産業又は防衛用途が存在している。
小型低温弱収束超伝導サイクロトロンは、サイクロトロンの中間セクションを通じたスロットを有する常温の貫通部を有する単純な円筒型クリオスタットを含むことができる。サイクロトロン内部の低温コンポーネントは、例えば、直接的に、機械的な極低温冷凍によるか、機械的な冷却器を利用した熱対流回路によるか、液体寒剤の連続的な供給によるか、或いは、プール沸騰寒剤(pool boiling cryogen)の静的充填によるなどのように、任意の数の方式によって冷却してもよい。サイクロトロンの動作温度は、4K〜80Kであってもよく、且つ、コイル用に選択される超伝導体によって決定されることになろう。
コイル、磁極、リターンパス鉄ヨーク、トリムコイル、永久磁石、成形された強磁性磁極表面、及びフリンジ磁界キャンセルコイル又は材料を含む磁石の全体をクリオスタット内に設置されると共に超伝導コイルの動作温度に保持された単一の単純な熱支持部上に取り付けることができる。サイクロトロンの加速器構造体(例えば、イオン源及び電極)は、その全体が、クリオスタットの外部常温中央スロット内に存在することが可能であり、且つ、従って、熱的に、且つ、機械的にも、低温の超伝導磁石から隔離することができる。この設計は、任意のタイプのサイクロトロンの基本的に新しい電気機械的構造を表していると考えられる。この場合に、磁石は、25MeV以下におけるすべての正のイオン種の弱収束固定周波数サイクロトロン加速のために、必要とされる加速及び収束磁界を常温のスロット内に供給するように設計されている。
ヨークとコイルの間に隙間が存在していないため、既存の超伝導サイクロトロン内の強力な磁界において遭遇する大きな偏心力を和らげるためのコイル用の別個の機械的支持構造体に対する必要性が存在しておらず、且つ、偏心力は、固有の方式によって除去することができる。磁気ヨークの低温磁石材料を使用して磁界を成形すると同時に超伝導コイルを構造的に支持し、これにより、更にサイクロトロンの複雑性を低減すると共に固有の安全性を増大させることができる。更には、磁石のすべてがクリオスタットの内部に収容されている場合には、加速磁界に悪影響を及ぼすことなしに、キャンセル超伝導コイルにより、或いは、クリオスタット内の中間温度遮蔽体に付加されたキャンセル超伝導表面により、外部フリンジ磁界をキャンセルしてもよい。
本明細書に記述されているサイクロトロン設計は、従来の均等物と比べて既に小型且つ廉価である既存の超伝導等時性サイクロトロン及び既存の超伝導シンクロサイクロトロンのいずれと比べても、いくつかの更なる利点を提供することができる。例えば、磁気回路の構成要素間の力のバランスを維持するための別個の支持構造に対する必要性が存在しないため、磁石構造を単純化することが可能であり、この結果、全体的な費用を低減し、全体的な安全性を改善し、且つ、外部磁界を管理するための空間及び能動的な保護システムに対する必要性を低減することができる。更には、これらのサイクロトロンは、その古典的な設計が固定加速周波数において動作することができるため、複雑な可変周波数加速システムに対する必要性を伴うことなしに、高磁界(例えば、約8テスラ)を生成することができる。従って、本開示のサイクロトロンは、モバイル環境において、且つ、相対的に小さな容積内において、使用することができる。
予備的研究は、これらのサイクロトロンが、これらのエネルギーレベルにおける従来のサイクロトロンと比べて、100分の1以下へのサイズの低減を提供することが可能であり、且つ、従って、これらのサイクロトロンは、空中及び海底の調査のために、且つ、爆発物及び核の脅威の検出のために、僻地や港及び空港におけるものを含む広く分散された方式によって携帯利用することができることを示唆している。
図1は、小型低温弱収束超伝導サイクロトロンの一実施形態の断面図であり、磁極の内側表面上の特別設計のプロファイルを示してはいない。 図2は、図1のサイクロトロンの斜視図である。 図3は、一連のクリオスタット及び極低温冷凍機を有する小型低温弱収束超伝導サイクロトロンの一実施形態の側面断面図である。 図4は、磁極の間の加速チャンバーの内側クリオスタット内のビームチャンバーの一実施形態の部分断面図である。 図5は、磁気ヨーク内の磁気コイル及び包囲構造の一実施形態の断面図である。 図6は、特別設計の内側磁極プロファイルを有するヨーク及びコイルの一実施形態の断面図である。 図7は、磁石構造体の断面図であり、ヨークの磁極が、図6の磁極プロファイルと、真空フィードスルーポートにおける磁界補償を提供するための磁気タブと、を有する。 図8は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされた磁気タブの第1実施形態の図を提供する。 図9は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされた磁気タブの第1実施形態の図を提供する。 図10は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされた磁気タブの第1実施形態の図を提供する。 図11は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされ、且つ、磁極ウィングの内側表面の周りに巻き付いている磁気タブの第2実施形態の図を提供する。 図12は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされ、且つ、磁極ウィングの内側表面の周りに巻き付いている磁気タブの第2実施形態の図を提供する。 図13は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされ、且つ、磁極ウィングの内側表面の周りに巻き付いている磁気タブの第2実施形態の図を提供する。 図14は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされ、且つ、磁極ウィングの内側表面の周りに巻き付いている磁気タブの第2実施形態の図を提供する。 図15は、磁極ウィングの外側に沿って位置決めされ、且つ、磁極ウィングの内側表面の周りに巻き付いている磁気タブの第2実施形態の図を提供する。 図16は、小型低温弱収束超伝導サイクロトロンの一実施形態の平面断面図である。
添付図面においては、様々な図面の全体を通じて、同一の参照符号によって同一又は類似の部分を示している。図面は、必ずしも縮尺が正確ではなく、その代わりに、後述する特定の原理を例示することに重点が置かれている。
(1つ又は複数の)発明の様々な態様の上述の及びその他の特徴及び利点については、(1つ又は複数の)発明の広範な境界に含まれる様々な概念及び特定の実施形態に関する以下の更に具体的な説明から明らかとなろう。以上において紹介され、且つ、以下において詳述される主題の様々な態様は、主題が任意の特定の方式の実装形態に限定されないことから、多数の方法のうちのいずれかによって実装してもよい。特定の実装形態及び用途の例は、主に、例示を目的として提供されるものである。
本明細書においてそれ以外の方式によって規定、使用、又は特徴付けされていない限り、本明細書において使用される用語(技術的及び化学的な用語を含む)は、関連技術の文脈において一般に認められているその意味と一貫性を有する意味を有するものと解釈することを要し、且つ、本明細書において明示的に規定されていない限り、理想化された又は過度に形式的な意味において解釈してはならない。例えば、特定の組成が参照されている場合には、実際的且つ不完全な現実が適用される場合があることから、組成は、実質的に、完全に純粋なものでなくてもよく、例えば、少なくとも微量の(例えば、重さ又は容積において1又は2%未満の)不純物の潜在的な存在は、説明の範囲に含まれるものとして理解することが可能であり、同様に、特定の形状が参照されている場合には、その形状は、例えば、機械加工公差に起因した理想的な形状からの不完全な変形をも含むものと解釈されたい。
本明細書においては、図面に示されている要素間の関係を表すための説明を容易にするために、「上方(above)」、「上部(upper)」、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下部(lower)」、及びこれらに類似したものなどの空間的な関係を意味する用語が使用される場合がある。これらの空間的な関係を意味する用語は、図面に示されている向きに加えて、使用又は動作の際の装置の様々な向きを含むことを意図していることを理解されたい。例えば、図中の装置が裏返された場合には、その他の要素又は特徴の「下部」又は「下方」として記述されていた要素は、その他の要素又は特徴の「上方」において方向付けされることになろう。従って、例示用の用語である「上方」は、上方及び下方の向きの両方を含んでもよい。装置は、それ以外の方式によって方向付けされてもよく(例えば、90度だけ又はその他の向きにおいて回転されてもよく)、且つ、本明細書において使用されている空間的な関係を意味する記述子も、相応して、解釈されたい。
更には、本開示において、要素が、別の要素の「上部に存在する」ものとして、或いは、別の要素に対して「接続」又は「結合」されているものとして、参照されている際には、その要素は、特記されていない限り、その別の要素上に存在してもよく、その別の要素に対して接続又は結合されていてもよく、或いは、介在する要素が存在してもよい。
本明細書において使用されている用語は、特定の実施形態を記述することを目的としたものであり、且つ、例示用の実施形態を限定するものとなることを意図したものではない。本明細書において使用されている「1つ(a)、(an)」、及び「その(the)」という単数形は、そうではないことが文脈によって明瞭に示されていない限り、複数形をも含むものと解釈されたい。更には、「含む(includes)、(including)」、「有する(comprises)、(comprising)」という用語は、記述されている要素又はステップの存在を規定しているが、1つ又は複数のその他の要素又はステップの存在又は追加を排除するものではない。
大まかに表現すれば、サイクロトロンは、円形タイプの粒子加速器に含まれる。円形粒子加速器のビーム理論は、平衡軌道と平衡軌道の周りのベータトロン振動の概念に基づいて発展したものである。平衡軌道(Equilibrium Orbits:EOs)の原理は、以下のように表すことができる。
・磁界によってキャプチャされた所与の運動量を有する帯電イオンは、軌道を描くことになる。
・閉じた軌道は、イオンの所与の電荷、運動量、及びエネルギーの平衡条件を表している。
・滑らかな平衡軌道の組を有する能力について磁界を分析することができる。
・加速は、1つの平衡軌道から別の平衡軌道への遷移として見ることができる。
一方、摂動論の弱収束原理は、以下のように表現することができる。
・粒子は、平均軌跡(中心線とも呼称する)を中心として振動する。
・振動周波数(v、v)は、それぞれ、半径方向(r)及び軸方向(z)における運動の特徴を示す。
・磁界は、座標磁界成分と磁界指数(n)に分解され、且つ、
である一方で、
である。
・粒子振動と磁界成分、特に、磁界誤差項の間の共振が加速安定性及び損失を決定する。
上述の弱収束磁界指数パラメータnは、以下のように規定され、
ここで、rは、図1の小型サイクロトロンの断面図に示されているように、中心軸16からのイオンの半径であり、且つ、Bは、その半径における軸方向の磁界の大きさである。弱収束磁界指数パラメータnは、コイルによって生成される磁界が磁界指数を決定するサイクロトロン内におけるイオンのフルエネルギーへの正常な加速を可能にするために、イオンが加速される加速チャンバー46内の中央加速プレーン(図3に示されている)の断面全体に跨って0〜1の範囲にある(イオンが導入されると共に半径が略ゼロである中心軸16に近接したチャンバーの中央領域という例外が存在する可能性がある)。具体的には、イオンが平均軌跡を中心として安定性を有して振動することを維持するために、加速の際に、回復力を供給する。この軸方向の回復力は、n>0である際に、存在することを示すことが可能であり、且つ、この条件は、B>0及びr>0であるために、dB/dr<0であることを必要としている。サイクロトロンは、加速に必要とされる磁界指数に整合するように、半径に伴って減少する磁界を有する。
図1及び図2に示されているように、磁石構造体10は、イオンの加速のための中央加速プレーン18を有する加速チャンバー46を規定する磁極のペア38及び40及びリターンヨーク36を有する磁気ヨーク20を含む。図3に示されているように、磁石構造体10は、エポキシガラス複合体などの絶縁組成物から形成された構造的スペーサ−82によって支持されると共に離隔しており、且つ、外側クリオスタット66(例えば、ステンレス鋼又は低炭素鋼から形成されると共に閉じ込め容積内において負圧障壁を提供しているもの)及び熱遮蔽体80(例えば、銅又はアルミニウムから形成されたもの)内に収容されている。圧縮スプリング88が80Kの熱遮蔽体80及び磁石構造体10を圧縮状態において保持している。
ヨーク20が磁気コイル12及び14の支持を提供すると共にこれらとの熱接触状態になるように、磁気コイルのペア12及び14(即ち、磁界を生成することができるコイル)がヨーク20内に収容されると共に(クリオスタット又は自由空間によって完全に分離されることなしに)これとの接触状態にある。この結果、磁気コイル12及び14は、偏心力の影響を受けることがなく、従って、センタリングされた状態に磁気コイル12及び14を維持するための引っ張りリンクも不要である。
図5に示されているように、それぞれのコイル12/14は、エポキシガラス複合体90からなる接地巻付け追加外側層と、例えば、銅又はアルミニウムから形成されたテープ−フォイルシートの熱オーバーラップ92と、によってカバーされている。熱オーバーラップ92は、極低温冷却のための低温伝導性リンク58と磁極38/40及びリターンヨーク36の両方との熱接触状態にあるが、熱オーバーラップ92と磁極38/40及びリターンヨーク36の間との接触は、オーバーラップ92の表面全体にわたるものであってもよく、或いは、そうでなくてもよい(例えば、隣接する表面上の限られた数の接触エリアにおける直接的又は間接的な接触のみであってもよい)。低温伝導性リンク58及びヨーク20が「熱接触」状態にあるという特徴は、伝導性リンク58とヨークの間に直接的な接触が存在することを意味するか、或いは、磁石構造体の冷却及び加熱に伴うこれらのコンポーネント間の熱膨張の差に対応するために熱オーバーラップ92と低温伝導性リンク58の間において且つこれらと同一平面上において取り付けることができる適切な示差熱収縮(differential thermal contraction)を有する熱伝導性充填材料などの1つ又は複数の熱伝導性介在材料(例えば、少なくとも1W/(m・k)の熱伝導性を有するもの)を通じた物理的接触が存在することを意味している
そして、低温伝導性リンク58は、クリオクーラー熱リンク37(図1及び図2に示されているもの)と熱結合され、このクリオクーラー熱リンク37は、クリオクーラー26(図3に示されているもの)と熱結合されている。従って、熱オーバーラップ92は、クリオクーラー26、ヨーク20、及びコイル12及び14の間に熱接触を提供している。
最後に、磁石構造体の冷却及び加熱に伴うこれらのコンポーネント間の熱膨張の差に対応するために、熱オーバーラップ92と低温伝導性リンク58の間に且つこれらと同一の平面上に適切な示差熱収縮を有する充填材料を取り付けることができる。
磁気コイル12及び14は、中央加速プレーン18(図3を参照されたい)の両側において、ビームチャンバー64を収容する加速チャンバー46(図1に示されているもの)を取り囲んでおり、且つ、極めて強力な磁界を中央加速プレーン18内に直接的に生成するように機能する。印加された電圧を介して起動された際に、磁気コイル12及び14は、磁気コイル12及び14によって直接的に生成される磁界とは別個であると見なすことができる磁界をヨーク20が生成するように、ヨーク20を更に磁化する。
磁気コイル12及び14は、イオンが加速される加速プレーン18の上方及び下方の等距離のところに、中心軸16を中心として対称的に配置されている。磁気コイル12及び14は、その間において少なくとも1つのRF加速電極48及び包囲超絶縁層30が加速チャンバー46内を延在することができるように、十分な距離だけ、分離されている。それぞれのコイル12/14は、一般に、4〜30Kの範囲内である設計動作温度において超伝導性を有する導電体材料の連続した経路を含むが、2K未満において動作してもよく、その場合には、更なる超伝導性能及びマージンを入手可能である。サイクロトロンを相対的に高い温度において動作させることを要する場合には、BSCCO(bismuth strontium calcium copper oxide)、YBCO(yttrium barium copper oxide)、又はMgBなどの超伝導体を使用することができる。
それぞれのコイルの外径は、イオンが抽出される前にイオンが到達する外径の約1.2倍である。6Tを上回る磁界の場合には、10MeVに加速されたイオンは、約7cmの半径において抽出され、25MeVに加速されたイオンは、約11cmの半径において抽出される。従って、10MeVのビームを生成するように設計された本開示の小型低温サイクロトロンは、約8.4cmのコイル外径を有することが可能であり、25MeVのビームを生成するように設計された本開示の小型低温サイクロトロンは、約13.2cmのコイル外径を有することができる。
磁気コイル12及び14は、0.6mmの直径を有すると共に、例えば、合計で200万〜300万アンペア−ターンの電流搬送容量を提供するように巻回された個別のケーブルストランドを有する超伝導体ケーブル又はケーブルインチャネル導体を有する。一実施形態においては、それぞれのストランドが2000アンペアの超伝導電流搬送容量を有する場合には、コイル内に300万アンペア−ターンの容量を提供するために、1500巻回のストランドをコイル内に提供している。一般に、コイルは、超伝導ストランドの臨界電流搬送容量を超過することなしに、望ましい磁界レベルに必要とされる数のアンペア−ターンを生成するために必要な数の巻回を有するように設計することができる。超伝導材料は、ニオビウムチタニウム(NbTi)、ニオビウムすず(NbSn)、又はニオビウムアルミニウム(NbAl)などの低温超伝導体であってよく、特定の実施形態においては、超伝導材料は、タイプII超伝導体、具体的には、タイプA15結晶構造を有するNbSnである。BaSrCaCu、BaSrCaCu10、MgB、又はYBaCu7−Xなどの高温超伝導体を使用することもできる。
コイルは、超伝導体又はケーブルインチャネル導体のケーブルから直接的に形成することができる。ニオビウムすずの場合には、反応前のニオビウムとすずのストランド(3:1の分子比を有するもの)をケーブル内に巻き付けてもよい。次いで、これらのケーブルを約650℃の温度に加熱してニオビウムすずを反応させることにより、NbSnを形成する。次いで、NbSnケーブルをU字形の銅チャネル内にはんだ付けして複合導体を形成する。銅チャネルは、機械的な支持、クエンチの際の熱安定性、及び、超伝導材料が通常状態にある(即ち、超伝導性を有していない)際の電流用の伝導性経路を提供する。次いで、複合導体をグラスファイバによって覆い、且つ、次いで、外向きのオーバーレイ内において巻き付ける。例えば、ステンレス鋼から形成されたストリップヒーターを複合導体の巻き付けられた層の間に挿入することにより、磁石がクエンチされた際に、迅速な加熱を提供すると共に、クエンチが発生した後に、コイルの半径方向断面に跨って温度を均衡させることにより、コイルを損傷しうる熱的及び機械的応力を極小化することもできる。巻き付けの後に、負圧を適用し、且つ、巻き付けられた複合導体構造にエポキシを含浸させることにより、最終的なコイル構造においてファイバ/エポキシ複合フィラーを形成する。巻き付けられた複合導体がその内部に埋め込まれた結果得られたエポキシ−ガラス複合体は、電気的絶縁及び機械的剛性を提供する。これらの磁気コイル及びその構造の特徴については、米国特許第7,696,847B2号明細書及び米国特許出願公開第2010/0148895A1号明細書に更に記述及び例示されている。
磁界が強力であることから、磁石構造体を例外的に小さくすることができる。一実施形態においては、磁気ヨーク20の外径は、中心軸16から磁気コイル12及び14の内側エッジまでの半径rの約2倍であり、磁気ヨーク20の高さ(中心軸16に対して平行に計測されたもの)は、半径rの約3倍である。
磁気コイル12及び14及びヨーク20は、協働し、例えば、約8テスラの合成磁界を中央加速プレーン18内に生成する。電圧を印加して磁気コイル12及び14を通じた連続的な電流の流れを開始及び維持した際に、磁気コイル12及び14は、例えば、少なくとも約3テスラ以上である中央加速プレーン内の磁界の大部分を生成する。ヨーク20は、磁気コイル12及び14によって生成された磁界によって磁化され、且つ、イオンの加速のためにチャンバー内に生成される磁界に対して最大で更に約2.5テスラだけ寄与することができる。
磁界成分の両方(即ち、コイル12及び14から直接的に生成される磁界成分と磁化されたヨーク20によって生成される磁界成分の両方)は、中央加速プレーン18に対して略直交する状態において中央加速プレーン18を通過する。但し、完全に磁化されたヨーク20によってチャンバー内の中央加速プレーン18に生成される磁界は、磁気コイル12及び14によって直接的に生成される磁界よりも、中央加速プレーン18において格段に小さい。磁石構造体10は、中心軸16からイオンが加速チャンバー46内において抽出される半径までの半径の増大に伴って磁界が減少して古典的サイクロトロンのイオン加速を可能にするように、(磁極38及び40の内側表面42を成形することにより、又は更なる磁気コイルを設けて対向する磁界を加速チャンバー46内に生成することにより、或いは、これらの組合せにより)中央加速プレーン18に沿って磁界を成形するべく構成されている。中央加速プレーン内において磁界を成形するための4つの段階(A、B、C、及びD)を有するテーパー化された内側磁極表面42の一実施形態が図6に示されており、以下、これについて更に説明する。
磁石構造体10は、加速チャンバー46内における帯電粒子(イオン)の加速の際に弱収束及び位相安定性を提供するように設計されてもいる。弱収束は、帯電粒子が磁界を通じて外向き螺旋状に加速している間に帯電粒子を空間内において維持する。位相安定性は、帯電粒子が望ましい加速をチャンバー内において維持するための十分なエネルギーを取得することを保証する。具体的には、イオンの加速を維持するために必要とされる電圧を上回る電圧が、導電性コンジット68を介して常に加速チャンバー46のビームチャンバー64内の高電圧電極48に供給され、且つ、ヨーク20は、ビームチャンバー64及び電極48のために加速チャンバー46内の十分な空間を提供するように構成されている。1つの電極48を使用する場合には、接地(「ダミーディー」と呼称してもよい)は、電極48との関係において180°において位置決めする。代替実施形態においては、2つの電極(中心軸16を中心として180°だけ離隔しており、接地は、これらの電極から90℃だけ離隔している)を使用することができる。2つの電極の使用は、軌道運動するイオンの相対的に大きな利得(1ターンにつき)と、相対的に良好なイオン軌道のセンタリングと、を提供し、これにより、振動を低減すると共に相対的に良好なビーム品質を生成することができる。
動作の際には、超伝導磁気コイル12及び14は、「乾燥」状態において維持することが可能であり(即ち、液体冷媒中に浸漬されない)、むしろ、磁気コイル12及び14は、1つ又は複数の極低温冷凍機26(クリオクーラー)により、超伝導体の臨界温度未満の温度(例えば、臨界温度を最大で5K未満のみ下回る温度、或いは、場合によっては、臨界温度を1K未満のみ下回る温度)に冷却することができる。磁気コイル12及び14を極低温の温度(例えば、組成に応じて、4K〜30Kの範囲)に冷却した際には、ヨーク20も、クリオクーラー26、磁気コイル12及び14、並びに、ヨーク20の間における熱接触に起因して、同様に、略同一の温度に冷却される。
クリオクーラー26は、圧縮されたヘリウムをGifford−McMahon冷凍サイクルにおいて利用することも可能であり、或いは、相対的に高い温度の第1ステージ84と相対的に低い温度の第2ステージ86を有するパルスチューブクリオクーラー設計を有することもできる。クリオクーラー26の相対的に低い温度の第2ステージ86は、約4.5Kにおいて動作させることが可能であり、且つ、熱リンク37及び58を介して、低温超伝導体(例えば、NbTi)電流リード線59(図16に示されているもの)と熱結合され、この電流リード線59は、コイル12及び14を通じて電流を駆動するために超伝導磁気コイル12及び14内の複合伝導体の両端部及び電圧源と接続するワイヤを含む。クリオクーラー26は、それぞれの低温導電性リンク58及びコイル12/14をそれぞれのコイル内の導体が超伝導性を有する温度(例えば、約4.5K)に冷却することができる。或いは、この代わりに、相対的に高温の超伝導体を使用する場合には、クリオクーラー26の第2ステージ86は、例えば、4〜30Kにおいて動作させることができる。従って、それぞれのコイル12/14は、動作の際に、乾燥状態において(即ち、液体ヘリウム又はその他の液体冷媒中に浸漬されない状態において)維持することができる。
クリオクーラー26の相対的に高温の第1ステージ84は、例えば、40〜80Kの温度において動作させることが可能であり、且つ、磁石構造体10と室温(例えば、約300Kにおける)であってよいクリオスタット66の間に中間温度障壁を提供するために、相応して、例えば、約40〜80Kに冷却される熱遮蔽体80と熱結合させることができる。クリオスタット66によって規定される容積を真空ポンプ(図示されてはいない)によって排出して高真空をその内部に提供することが可能であり、且つ、これにより、クリオスタット66、中間熱遮蔽体80、及び磁石構造体10の間における対流熱伝達を制限することができる。クリオスタット66、熱遮蔽体80、及び磁石構造体10は、それぞれ、伝導性熱伝達を極小化させる量だけ、互いに離隔しており、且つ、絶縁スペーサ−82(例えば、エポキシ−ガラス複合体から形成されたもの)によって構造的に支持されている。
乾式クリオクーラー26の使用は、隔離された治療室内や運動するプラットフォーム上などのように、極低温冷却流体の供給源から離れた状態におけるサイクロトロンの動作を許容する。クリオクーラー26のペアが提供されている場合には、サイクロトロンは、クリオクーラーのうちの1つに障害が発生した場合にも、動作を継続することができる。
磁気ヨーク20は、超伝導コイル12及び14によって生成される磁束を加速チャンバー46に搬送する磁気回路を提供する強磁性構造体を有する。又、磁気ヨーク20を通じた磁気回路は、加速チャンバー46内におけるイオンの弱収束のための磁界成形をも提供している。又、磁気回路は、磁束の大部分を磁気回路の外側部分内に閉じ込めることにより、加速チャンバー46内の磁界レベルを向上させる。磁気ヨーク20は、低炭素鋼から形成することが可能であり、且つ、磁気ヨーク20は、コイル12及び14及びビームチャンバー64を取り囲む内側超絶縁層30(図4に示されており、且つ、例えば、アルミニウムが蒸着されたマイラー及び紙から形成されている)を取り囲んでいる。純粋な鉄は、脆弱過ぎる場合があり、且つ、小さ過ぎる弾性係数を有する場合があり、従って、鉄は、十分な量の炭素及びその他の元素をドーピングすることにより、十分な強度を提供したり、或いは、望ましい磁気レベルを維持しつつ、剛性を低減したりすることもできる。磁気ヨーク20は、コイル12及び14及び超絶縁層30によって囲まれた中心軸16の同一のセグメントを囲んでいる。
磁気ヨーク20は、中央加速プレーン18に跨って略鏡面対称性を有する磁極のペア38及び40を更に含む。磁極38及び40は、リターンヨーク36により、磁気ヨーク20の境界線において結合されている。磁気ヨーク20は、フィードスルーポート100における磁極分離ギャップを狭めると共に、これにより、空洞がフィードスルーポート100によって生成されているヨーク20内の乏しい鉄をバランスさせるために、本明細書の別の部分に記述及び例示されているように個別のポート(ビーム抽出通路60及び真空フィードスルーポート100など)及びその他の個別の形状を特定の場所において許容していることを除いて、且つ、更なる磁気タブ96(図7〜図15に示されており、且つ、例えば、鉄から形成されたもの)を有するサドル様の形状を真空フィードスルーポート100(図16に示されているもの)に設けていることを除いて、中心軸16を中心として略合理的な対称性を有する。代替実施形態においては、磁気タブ96は、ヨーク20の境界線の周りに巻き付いた連続的なベルトに内蔵されている。
タブ96の第1実施形態は、図8〜図10に示されているように、湾曲したストリップの形態を有しており、図8及び図9は、それぞれ、(図7の向きとの関係において)平面及び側面からの図を提供し、図10は、タブ96の斜視図を提供している。タブ96の第2実施形態は、この場合には、第1実施形態と同様に、湾曲したストリップの形態を有しいているが、中央加速プレーン18に向かって内側に対向する磁極ウィング98の表面にわたって延在するテーパー化されたカバーセクション97をも含む。この実施形態においては、テーパー化されたカバーセクション97の高さは、中心軸16までの距離が減少するのに伴って、磁極ウィング98の表面にわたって徐々に狭くなっている。下部磁極38の向きとの関係において、テーパー化されたカバーセクション97を有するタブ96は、図11においては、側面から、図12においては、中心軸16から、図14及び図15においては、それぞれ、上部及び底部から、示されており、タブ96のこの実施形態の斜視図は、図13に提供されている。
磁極38及び40は、図6に示されているテーパー化された内側表面42を有しており、この内側表面42は、協働し、磁極38及び40の間の、且つ、加速チャンバー46に跨る、磁極ギャップを規定している。テーパー化された内側表面42のプロファイルは、コイル12及び14の位置の関数であると共に、中心軸16からの距離の関数にもなっており、この結果、対向する表面42の間のステージBにおいて、中央加速プレーン18からの距離が最大(例えば、3.5cm)になるようになっており、この磁極ギャップの拡大により、加速されたイオンの十分な弱収束及び位相安定性が提供される。
中央加速プレーン18からの内側磁極表面42の距離は、ステージAにおいて中心軸に直接隣接した状態とステージCにおいてステージBを超えた状態の両方において、例えば、2.5cmという中央値を有する。この距離は、抽出のためにフルエネルギービームを磁極エッジの近傍において正確に位置決めしつつ、強力な超伝導コイルの有害な効果に対して弱収束を提供するために、ステージD内の磁極ウィング94において、例えば、0.8cmに狭まっている。この実施形態においては、ステージEにおけるコイル12及び14の近接した表面は、中央加速プレーン18の上方/下方において3.5cmだけ離隔している。代替実施形態においては、ステージA〜Dは、別個のものではなく、且つ、その代わりに、1つのステージから次のステージへの連続した滑らかなスロープ遷移を提供するために、テーパー化されている。別の代替設計においては、4つを上回る又は下回る数のステージを内側磁極表面42に跨って設けている。
ステージA、B、C、及びDは、実質的に等しい距離にわたって中心軸16から中央加速プレーン18に沿って半径方向に延在しており、A、B、C、及びDのそれぞれは、中心軸16からコイル12/14の内側表面までの距離の約4分の1にわたって(或いは、イオン源の挿入のために中心軸に沿った通路を収容するべく、4分の1をわずかに下回るだけ)延在している。例えば、中心軸16からコイル12/14の内径までの半径が10cmである場合には、それぞれのステージは、約2.5cmの距離にわたって中央加速プレーンに平行に半径方向に延在する。この実施形態においては、ステージは、別個のものになっている、代替実施形態においては、ステージをスロープ化及びテーパー化し、これにより、磁極表面上においてステージ間の滑らかな遷移を提供することもできる。
この磁極形状は、例えば、3.5MeV〜25MeVの任意のレベルを有する加速粒子のエネルギーレベルを伴う広い範囲の加速動作に使用することができる。このような磁極プロファイルは、いくつかの加速機能を有し、即ち、装置の中心における低エネルギーによるイオンのガイド、安定した加速経路内へのキャプチャ、加速、軸方向及び半径方向の収束、ビーム品質、ビーム損失の極小化、最終的な望ましいエネルギー及び強度の実現、及び抽出のための最終的なビームの場所の位置決めを有する。特に、弱収束及び加速位相安定性の同時達成が実現される。
又、磁気ヨーク20は、真空フィードスルーポート100(図16に示されているもの)などの少なくとも1つの半径方向の通路と、伝導性金属から形成された高周波(RF)加速器電極48を含む共振器構造体の加速チャンバー46内への挿入のための十分なクリアランスと、をも提供している。加速器電極48は、(米国特許第4,641,057号及び第7,696,847号明細書に記述されているように)加速チャンバー46内の加速プレーン18に対して平行に且つその上方及び下方において方向付けられた平らな半円形の平行なプレートのペアを含む。イオンは、中心軸16の近傍に配置された内部イオン源50によって生成することが可能であり、或いは、イオン注入構造を介して外部イオン源から供給することもできる。内部イオン源50の一例は、例えば、電圧源に結合されると共に水素ガスの供給減に近接した加熱されたカソードであってよい。
加速器電極48は、導電性経路を介して高周波電圧源と結合されており、この高周波電圧源は、イオン源50から放射されたイオンを加速チャンバー46内の膨張する螺旋軌道において加速させるための固定周波数振動電界を生成する。サイクロトロンがシンクロサイクロトロンモードにおいて動作している特定の実施形態においては、高周波電圧源は、イオンが中央加速プレーン内において外向きに螺旋運動するのに伴って電界の周波数が減少するように、可変周波数を供給するべく、高周波回転型コンデンサによって設定することができる。
加速チャンバー46内において、ビームチャンバー64及びディー電極(dee electrode)48は、図4に示されているように、熱を放射する電極48と極低温に冷却される磁気ヨーク20の間の断熱を提供する内側超絶縁構造体30内に存在している。従って、電極48は、磁気ヨーク20及び超伝導コイル12及び14の温度よりも少なくとも40Kだけ高い温度において動作することができる。図4の図は、分割されており、ディー電極48を示す内部セクションが中心軸16の左側に提供され、且つ、内側面77及び外側電気接地プレート79(例えば、銅ライナーの形態を有するもの)を含む接地(ダミーディー)76の外部の図が中心軸16の右側に提供されている。
加速システムビームチャンバー64及びディー電極48は、例えば、20kV未満の加速電圧Vにおいて20MeVの陽子線(電荷=1、質量=1)を生成するべく、サイズ設定されている。ビームチャンバー64は、例えば、3cmの高さと16cmの直径を有する円筒型の容積を規定することができる。強磁性の鉄製磁極及びリターンヨークは、組立及び保守を円滑に実行するために分割構造として設計され、且つ、これは、中心軸16からコイル12/14までの磁極の半径rの約2倍の外径(例えば、rが10cmである場合には、約20cmである)と、約3rの合計高さ(例えば、rが10cmである場合には、約30cmである)と、2トンの合計質量(約2000kg)と、を有する。
磁気コイル12、14及び磁気ヨーク20によって生成される磁界内において加速された際に、イオンは、中心軸16から半径rに沿って膨張する螺旋軌道74の形態を有する平均軌跡を有する。又、イオンは、この平均軌跡を中心として小さな直交振動をも経験する。平均半径を中心としたこれらの小さな振動は、ベータトロン振動と呼ばれており、且つ、これらは、イオンを加速させる特定の特性を規定する。
上部及ぶ下部磁極ウィング98は、磁極エッジの近傍の最終的に入手可能なエネルギーを設定する特性軌道振動を移動させることにより、抽出のために磁界エッジを鋭利にしている。更には、上部及び下部磁極ウィング98は、強力な分割コイルペア12及び14からの内部加速磁界を遮蔽するようにも機能する。上部及び下部磁極ウィング98の面の周りにおいて周方向に配置される強磁性の上部及び下部鉄製先端部の更なる局所片を設けて十分な局所的非軸対称エッジ磁界を確立することにより、再生イオン抽出又は自己抽出に対応することができる。
動作の際には、電圧(例えば、上述のコイル内に1500巻回を有する実施形態において2000Aの電流を生成するのに十分なもの)を伝導性リンク58内の電流リード線を介してそれぞれのコイル12/14に印加することにより、コイルが4.5Kである際に、例えば、少なくとも8テスラの磁界を加速チャンバー46内に生成することができる。その他の実施形態においては、更に多数のコイルの巻回を提供することが可能であり、且つ、電流を低減することができる。磁界は、完全に磁化された鉄製磁極38及び40からの最大で約2.5テスラの寄与を含み、磁界の残りの部分は、コイル12及び14によって生成される。
この磁石構造体10は、イオンの加速のための十分な磁界を生成するように機能する。イオンのパルスは、例えば、電圧パルスを加熱されたカソードに印加してカソードから水素ガス中に電子を放出させることによるなどのように、イオン源によって生成することが可能であり、この場合には、電子が水素分子と衝突した際に、陽子が放出される。加速チャンバー46は、例えば、10−3気圧未満の負圧となるように排出されるが、十分な数の陽子を生成するための十分な数の分子を依然として供給しつつ低圧の維持を可能とする量だけ、水素が導入及び調節される。陽子の代わりに、重陽子又はアルファ粒子からウラニウムなどの格段に重いイオンにまで及ぶものなどのように、更に大きな質量を有するその他のイオンをこれらの装置及び方法によって加速させることも可能であり、動作の際には、更に重い元素の場合には、電界の周波数を低減させることができる。動作の際には、電極48及び内側クリオスタット内のその他のコンポーネントは、相対的に高い温度(例えば、約300Kであるか、又は磁気ヨーク20及び超伝導コイル12及び14の温度よりも少なくとも40Kだけ高い温度)を有することができる。
この実施形態においては、電圧源(例えば、高周波発振回路)は、RF加速器電極48のプレートに跨って、例えば、20000ボルトの交流又は発振電位差を維持している。RF加速器電極48によって生成される電界は、加速対象の陽子イオンのサイクロトロン軌道周波数のものに整合した固定周波数(例えば、140MHz)を有する。電極48によって生成される電界は、イオンが、略、プレートの内部の領域の中央部分において運動することを維持する収束動作を生成し、且つ、電極48によってイオンに供給される電界インパルスは、放射されると共に軌道運動するイオンの速度を累積的に増大させる。これにより、イオンがその軌道内において加速されるのに伴って、イオンは、電界における振動と共振した状態において又はこれと同期した状態において、中心軸16から外向きに螺旋運動して連続的に回転する。
具体的には、電極48は、イオンが電極48から離れている際には、軌道運動するイオンの電荷とは反対の電荷を有しており、反対電荷の吸着により、イオンをそのアーチ形の経路内において電極48に向かって引っ張る。イオンがそのプレートの間を通過する際には、電極48には、イオンの電荷と同一符号の電荷が提供され、同一電荷の反発により、イオンは、離れるようにその軌道内において跳ね返され、且つ、このサイクルが反復される。その経路に対して直角である強力な磁界の影響下において、イオンは、電極48及び接地76により、螺旋状の経路に沿って誘導される。イオンが徐々に外向きに螺旋運動するのに伴って、イオンの速度は、イオンが最終的に外径70に到達する時点まで、その軌道半径の増大に比例して増大し、この外径70において、イオンは、磁気偏向器システム(例えば、加速チャンバー46の境界線を中心として位置決めされた鉄製先端部の形態における)によって収集器チャネル内に磁気的に偏向され、これにより、イオンを磁界から外向きに逸脱させ、且つ、加速チャンバー46からリターンヨーク36を通じて、例えば、外部ターゲットに向かって延在する線形ビーム抽出通路60内にサイクロトロンから(パルスビームの形態において)引き出すことができる。
本発明の実施形態の説明においては、明瞭性を目的として、特定の用語を使用している。説明を目的として、特定の用語は、類似の結果を実現するために類似の方式において動作する技術的且つ機能的な均等物を少なくとも含むものと解釈されたい。更には、本発明の特定の実施形態が複数のシステム要素又は方法ステップを含んでいるいくつかの状況においては、それらの要素又はステップは、単一の要素又はステップによって置換してもよく、同様に、単一の要素又はステップを同一の目的のための機能する複数の要素又はステップによって置換してもよい。更には、本発明の実施形態のために様々な特性のパラメータが本明細書に規定されている場合には、それらのパラメータは、特記されていない限り、例えば、上方及び下方に、100分の1、50分の1、20分の1、10分の1、5分の1、3分の1、2分の1、4分の3だけ(或いは、2、5、10などの倍率だけ、上方に)調節することも可能であり、或いは、その丸め近似によって調節することも可能である。更には、その特定の実施形態を参照して本発明について図示及び説明したが、当業者は、本発明の範囲を逸脱することなしに、形態及び詳細における様々な置換及び変更を実施してもよいことを理解するであろう。更には、その他の態様、機能、及び利点も、本発明の範囲に含まれており、且つ、本発明のすべての実施形態は、必ずしも、上述の特性の利点のすべてを実現する必要はなく、且つ、特性のすべてを有する必要もない。更には、一実施形態との関連において本明細書に記述されているステップ、要素、及び特徴は、同様に、その他の実施形態との関連において使用してもよい。本明細書の本文の全体を通じて引用されている参照テキスト、雑誌論文、特許、特許出願などを含む参考文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書に包含され、且つ、これらの参考文献の適切なコンポーネント、ステップ、及び特徴は、任意選択により、本発明の実施形態に含まれてもよく、或いは、含まれなくてもよい。更には、「背景技術」の節において識別されているコンポーネント及びステップは、本開示と一体をなしており、且つ、本発明の範囲に含まれる本開示の別の場所に記述されているコンポーネント及びステップとの関連において使用することが可能であり、且つ、これらを置換することもできる。方法請求項において、段階が特定の順序において記述されている―参照を容易にするために順序付けされた先頭文字が付加されているか又は付加されていない―場合には、用語又はフレーズによって規定さるか又は意味されていない限り、それらの段階が、それらの段階が記述されている順序に対して時間的に限定されるものと解釈してはならない。

Claims (26)

  1. 小型低温弱収束超伝導サイクロトロンにおいて、
    少なくとも2つの超伝導コイルであって、中央加速プレートの両側に位置するコイルと、
    前記コイルを取り囲むと共に加速チャンバーを収容する磁気ヨークであって、前記磁気ヨークは、前記超伝導コイルとの熱接触状態にあり、且つ、前記中央加速プレーンは、前記加速チャンバーを通じて延在している、磁気ヨークと、
    前記超伝導コイル及び前記磁気ヨークと熱結合された極低温冷凍機と、
    を有することを特徴とするサイクロトロン。
  2. 請求項1に記載のサイクロトロンにおいて、前記超伝導コイルは、前記磁気ヨークによって物理的に支持されることを特徴とするサイクロトロン。
  3. 請求項1に記載のサイクロトロンにおいて、前記超伝導コイルは、前記磁気ヨークと物理的接触状態にあることを特徴とするサイクロトロン。
  4. 請求項1に記載のサイクロトロンにおいて、前記加速チャンバー内において軌道運動するイオンを加速させるために高周波電圧源と結合されると共に前記加速チャンバー内に取り付けられた電極のペアを更に有することを特徴とするサイクロトロン。
  5. 請求項4に記載のサイクロトロンにおいて、前記電極を前記磁気ヨーク及び前記超伝導コイルから分離する断熱構造体を更に有することを特徴とするサイクロトロン。
  6. 請求項1に記載のサイクロトロンにおいて、前記磁気ヨークは、前記中央加速プレーンの両側に磁極のペアを含み、それぞれの磁極は、イオン導入のための内径からイオン抽出のための外径まで前記中央加速プレーンに跨って半径方向に減少する磁界を生成するように構成されていることを特徴とするサイクロトロン。
  7. 請求項6に記載のサイクロトロンにおいて、前記磁気ヨークは、前記加速チャンバーに対する前記磁気ヨークを通じたアクセスを提供する半径方向に延在する真空フィードスルーポートを含み、且つ、前記磁極の間の分離ギャップは、前記真空フィードスルーポートにわたって減少していることを特徴とするサイクロトロン。
  8. 請求項6に記載のサイクロトロンにおいて、前記磁極は、中心軸から前記超伝導コイルまで約10cmにわたって半径方向に延在することを特徴とするサイクロトロン。
  9. 請求項8に記載のサイクロトロンにおいて、それぞれの磁極は、A、B、C、及びDと表記可能な段階を含むプロファイルを有し、段階A、B、C、及びDは、アルファベット順に中心軸から半径方向を外向きに延在し、且つ、前記磁極は、段階Bにおいて、約7cmだけ、離隔していることを特徴とするサイクロトロン。
  10. 請求項9に記載のサイクロトロンにおいて、前記磁極は、段階Dにおいて、約1.6cmだけ、離隔していることを特徴とするサイクロトロン。
  11. 請求項10に記載のサイクロトロンにおいて、前記磁極は、段階A及びCのそれぞれにおいて、約5cmだけ、離隔していることを特徴とするサイクロトロン。
  12. 請求項11に記載のサイクロトロンにおいて、前記超伝導コイルは、約7cmだけ、離隔していることを特徴とするサイクロトロン。
  13. 請求項12に記載のサイクロトロンにおいて、段階A、B、C、及びDのそれぞれは、前記その他の段階が延在している前記半径方向の距離と実質的に同一である前記中心軸からの半径方向の距離にわたって延在していることを特徴とするサイクロトロン。
  14. 請求項6に記載のサイクロトロンにおいて、前記磁気ヨークは、前記磁気ヨークが完全に磁化された際に、2.5テスラを上回らない量だけ、前記中央加速プレーンに寄与するように構成されていることを特徴とするサイクロトロン。
  15. 請求項14に記載のサイクロトロンにおいて、前記超伝導コイルは、少なくとも3テスラだけ、前記中央加速プレーンに寄与するように構成されていることを特徴とするサイクロトロン。
  16. 請求項1に記載のサイクロトロンにおいて、前記超伝導コイルは、少なくとも4Kの温度において超伝導性を有する材料を有することを特徴とするサイクロトロン。
  17. 請求項1に記載のサイクロトロンにおいて、前記磁気ヨークは鉄を有することを特徴とするサイクロトロン。
  18. イオンを加速させる方法において、
    サイクロトロンを利用するステップであって、前記サイクロトロンは、
    a)少なくとも2つの超伝導コイルであって、中央加速プレーンの両側に位置するコイルと、
    b)前記コイルを取り囲むと共に加速チャンバーを収容する磁気ヨークであって、前記磁気ヨークは、前記超伝導コイルとの熱接触状態にあり、且つ、前記中央加速プレーンは、前記加速チャンバーを通じて延在している、磁気ヨークと、
    c)前記超伝導コイル及び前記磁気ヨークと熱結合された極低温冷凍機と、
    d)高周波電圧源と結合されると共に前記加速チャンバー内に取り付けられた電極と、
    を有する、ステップと、
    イオンを前記中央加速プレーンに内径において導入するステップと、
    前記高周波電圧源から前記電極に高周波電圧を供給し、前記中央加速プレーンに跨って膨張する軌道において前記イオンを加速させるステップと、
    前記超伝導コイル及び前記磁気ヨークを前記極低温冷凍機によって冷却するステップであって、前記超伝導コイルは、その超伝導遷移温度を上回らない温度に冷却される、ステップと、
    前記冷却された超伝導コイルに電圧を供給し、前記中央加速プレーン内に前記超伝導コイル及び前記ヨークから磁界を生成する超伝導電流を前記超伝導コイル内に生成するステップと、
    前記加速されたイオンを加速チャンバーから外径において抽出するステップと、
    を有することを特徴とする方法。
  19. 請求項18に記載の方法において、前記磁気ヨークは、100Kを上回らない温度に冷却されることを特徴とする方法。
  20. 請求項18に記載の方法において、前記電極は、前記磁気ヨーク及び前記超伝導コイルよりも少なくとも40Kだけ高い温度において維持されることを特徴とする方法。
  21. 請求項18に記載の方法において、前記中央加速プレーン内に生成される前記磁界は、イオン導入のための前記内径からイオン抽出のための前記外径まで半径に伴って減少することを特徴とする方法。
  22. 請求項18に記載の方法において、前記中央加速プレーン内に生成される前記磁界は、少なくとも8テスラに到達することを特徴とする方法。
  23. 請求項22に記載の方法において、少なくとも8テスラの前記磁界のうちの少なくとも5テスラは、前記超伝導コイルによって生成されることを特徴とする方法。
  24. 請求項18に記載の方法において、前記超伝導コイルは、中心軸を中心としてセンタリングされ、且つ、前記生成される磁界は、イオン導入のための前記内径からイオン抽出のための前記外径まで前記中心軸を中心として実質的に軸対称であることを特徴とする方法。
  25. 請求項18に記載の方法において、前記イオンは、イオン導入のための前記内径からイオン抽出のための前記外径まで固定周波数において加速されることを特徴とする方法。
  26. 中心軸を中心として位置決めされたサイクロトロンにおいて、
    加速チャンバー内の中央加速プレーン内において前記サイクロトロンによって加速される対象のイオンを前記加速チャンバーに導入するための前記中心軸からの内径に位置したイオン源と、
    前記イオンを前記加速チャンバーから抽出するための前記中心軸からの外径に位置したイオン抽出装置と、
    前記内径から前記外径まで前記イオンを軌道に沿って加速させるための、前記中央加速プレーンのそれぞれの側に1つずつである、プレートのペアを含む電極と、
    前記中心軸を中心としてセンタリングされると共に前記加速チャンバー内に磁界を生成するように構成された導電性コイルのペアと、
    前記電極及び前記導電性コイルを取り囲み、且つ、境界線において結合されると共に磁極ギャップに跨って前記電極の両側において分離された磁極のペアを含む磁気ヨークであって、前記磁気ヨークは、前記電極に対するアクセスを提供する真空フィードスルーポートを規定し、且つ、前記磁極ギャップは、前記真空フィードスルーポートと交差する前記中心軸からの角度において狭まっており、且つ、前記真空フィードスルーポートから離れる前記中心軸からの角度において膨張している、磁気ヨークと、
    前記真空フィードスルーポートを通じて延在すると共に前記電極と結合された導電性コンジットと、
    を有することを特徴とするサイクロトロン。
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