JP2020035959A - 超伝導マグネット装置 - Google Patents

超伝導マグネット装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020035959A
JP2020035959A JP2018163236A JP2018163236A JP2020035959A JP 2020035959 A JP2020035959 A JP 2020035959A JP 2018163236 A JP2018163236 A JP 2018163236A JP 2018163236 A JP2018163236 A JP 2018163236A JP 2020035959 A JP2020035959 A JP 2020035959A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
support
superconducting
superconducting coil
plate portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018163236A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7039423B2 (ja
Inventor
稔崇 永岡
Toshitaka Nagaoka
稔崇 永岡
斉 宮田
Hitoshi Miyata
斉 宮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Superconductor Technology Inc
Original Assignee
Japan Superconductor Technology Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Superconductor Technology Inc filed Critical Japan Superconductor Technology Inc
Priority to JP2018163236A priority Critical patent/JP7039423B2/ja
Publication of JP2020035959A publication Critical patent/JP2020035959A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7039423B2 publication Critical patent/JP7039423B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)

Abstract

【課題】高い機械的強度の下で超伝導コイルを支持するとともに短い伝熱経路を用いて冷凍機へ超伝導コイルの熱を伝える超伝導マグネット装置を提供する。【解決手段】超伝導コイルを支持する支持体161、162は、超伝導コイル155が取り付けられた取付板部171と、取付板部171から超伝導コイル155が取り付けられた側に突出した突出板部174とを有する。突出板部174には貫通孔177が形成されている。伝熱部153は、超伝導コイル155の端面に熱的に接続されるように超伝導コイル155の端面と取付板部171との間に配置された第1熱接続部と、第1熱接続部から取付板部171に沿って延設された伝熱経路を形成している延設部と、貫通孔177を通じて延設部に連なっているとともに、突出板部174の外面に重なるように突出板部174の突出方向に延設部から折り曲げられ、冷凍機と熱的に接続された第2熱接続部182とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、超伝導コイルに大電流を流すことにより強磁場を発生させる超伝導マグネット装置に関する。
超伝導コイルに電力を供給することにより非常に大きな電磁力を発生させる超伝導マグネット装置が開発されている。超伝導コイルを備えた従来の超伝導マグネット装置として特許文献1に記載されたものが知られている。
この超伝導マグネット装置は一対の超伝導コイルと、これらの超伝導コイルをそれぞれ冷却する一対の冷凍機とを有する。一対の超伝導コイルはこれらの超伝導コイルの軸方向に離間した位置で対向するように配置されている。一対の超伝導コイルが一対の冷凍機によってそれぞれ冷却される結果超伝導状態になり、大電流がこれらの超伝導コイルに流れることが可能になる。大電流がこれらの超伝導コイルに流れると、一対の超伝導コイルが互いに引き寄せ合うように作用する強力な電磁力がこれらの超伝導コイルの間で生ずる。
特開昭60−36391号公報
上述の電磁力に抗して一対の超伝導コイルの間隔を保つためにはこれらの超伝導コイルを支持する支持体が必要とされる。この支持体は高い剛性を有する必要がある。一方、一対の超伝導コイルを効率的に冷却するためにこれらの超伝導コイルから一対の冷凍機への短い伝熱経路が求められる。
本発明は高い機械的強度の下で超伝導コイルを支持するとともに短い伝熱経路を用いて冷凍機へ超伝導コイルの熱を伝える超伝導マグネット装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る超伝導マグネット装置は軸方向に離間した位置において対向するように配置されているとともに互いに引き寄せ合う方向に作用する電磁力をそれぞれ発生させる第1超伝導コイル及び第2超伝導コイルと、前記第1超伝導コイル及び前記第2超伝導コイルを支持するように形成されたフレーム構造体と、前記第1超伝導コイルの熱を伝えるように形成された伝熱部と、前記伝熱部に熱的に接続された冷凍機と、を備える。前記フレーム構造体は板厚方向が前記軸方向に一致するように前記第1超伝導コイルの端面と前記軸方向に並び前記伝熱部を介して前記第1超伝導コイルが取り付けられた取付板部と、前記取付板部から前記第1超伝導コイルが取り付けられた側に前記軸方向に突出した突出板部と、を有する第1支持体を含む。前記突出板部は前記第1超伝導コイルの外周面に対向する方向に向いた内面と、前記内面とは反対側の外面とを含む。前記突出板部には貫通孔が形成されている。前記伝熱部は前記第1超伝導コイルの前記端面に熱的に接続されるように前記第1超伝導コイルの前記端面と前記取付板部との間に配置された第1熱接続部と、前記第1熱接続部から前記取付板部に沿って延設された伝熱経路を形成している延設部と、前記突出板部の前記貫通孔を通じて前記延設部に連なっているとともに前記突出板部の前記外面に重なるように前記突出板部の突出方向に前記延設部から折り曲げられ、前記冷凍機と熱的に接続された第2熱接続部と、を含む。
上記の構成によれば板厚方向が軸方向に一致するように第1超伝導コイルの端面と軸方向に並んだ取付板部から突出した突出板部は電磁力に応じた取付板部の変形を抑制することができる。取付板部に沿って形成された伝熱経路は貫通孔を通じて第2熱接続部に直接的に繋がるので、突出板部の端縁(すなわち取付板部に接続された側とは反対側の縁部)を通るように突出板部を迂回した経路と較べて短くなる。したがって、短い伝熱経路及び高い機械的強度を有する超伝導マグネット装置が形成される。
上記の構成に関して超伝導マグネット装置は前記フレーム構造体を補強するように形成された補強部を更に備え、前記フレーム構造体は前記第2超伝導コイルを支持するように形成されているとともに前記第1支持体から前記軸方向に離間した位置に配置された第2支持体と、前記第1支持体と前記第2支持体とに連結され前記第1支持体と角隅部を形成している連結構造体と、を含み、前記補強部は前記角隅部の角度を減少させるように作用する前記電磁力に抗し前記角隅部の角度の変化を抑制するように前記第1支持体と前記連結構造体との間に配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、補強部は角隅部の角度を減少させるように作用する電磁力に抗し角隅部の角度の変化を抑制するように第1支持体と連結構造体との間に配置されているのでフレーム構造体の変形は抑制される。
上記の構成に関して前記補強部は前記角隅部に配置され、前記貫通孔は前記軸方向において前記補強部と並ぶように形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば貫通孔は角隅部に配置された補強部と軸方向において補強部と並ぶように形成されているので、貫通孔及び補強部は近い位置に配置されている。貫通孔は第1支持体の強度を下げるけれども貫通孔の近くに配置された補強部が貫通孔の形成に起因する強度低下を補う。したがって、貫通孔の形成に拘わらず角隅部の近くでの第1支持体の変形が抑制される。
上記の構成に関して前記補強部は前記突出板部と前記取付板部との間の境界に隣接する位置で前記取付板部に接続されていることが好ましい。
上記の構成によれば補強部は突出板部と取付板部との境界に隣接する位置で取付板部に接続されているので、取付板部に形成された貫通孔は補強部の近くに位置している。したがって、補強部は貫通孔の形成に起因して低下した機械的な強度を効果的に補うことができる。
上記の構成に関して超伝導マグネット装置は前記第1超伝導コイルが巻回された外周面を有するボビンを更に備え、前記ボビンは前記軸方向における前記超伝導コイルの位置ズレを規制するように前記外周面から突出し前記第1超伝導コイルの前記端面と重なった規制リング部を含み、前記規制リング部は前記第1熱接続部に対向する平坦な環状面を含み、前記第1熱接続部は前記環状面全体に密着するように形成された平坦な面を有することが好ましい。
上記の構成によれば規制リング部及び第1熱接続部はともに平坦な面を有しているので、規制リング部と第1熱接続部との間の良好な熱伝達を達成する密着構造がこれらの平坦な面間で得られる。規制リング部の環状面全体が第1熱接続部に密着しているので、第1超伝導コイルから第1熱接続部へ流れる熱量は第1超伝導コイルの周方向において過度に変動しない。この結果、周方向における第1超伝導コイルの温度ムラの発生が抑制される。
上記の構成に関して前記第1熱接続部は前記取付板部と前記環状面との間に配置されたベース板と、前記環状面全体に密着するように前記ベース板と前記環状面との間に配置されたアルミシートと、を含み、前記アルミシートの肉厚及び剛性は前記ベース板よりも小さいことが好ましい。
上記の構成によればアルミシートの肉厚及び剛性はベース板よりも小さいので、アルミシートはベース板及びボビンの環状面の表面形状に合わせて微小変形しこれらに密着することができる。したがって、環状面全体と直接的に接触したベース板と較べてアルミシートは環状面全体により密着することができる。この結果、第1超伝導コイルの熱はボビン部を通じてアルミシートへ略均一に伝達され周方向における第1超伝導コイルの温度ムラの発生が抑制される。
上記の構成に関して前記アルミシートは前記電磁力の存在下で前記ボビンと前記ベース板とによって圧縮されることが好ましい。
上記の構成によればアルミシートは電磁力の存在下でボビンとベース板とによって圧縮されるので、ボビンの環状面及びベース板に良好に密着することができる。この結果、第1超伝導コイルの熱はボビン部及びアルミシートを介してベース板に略均一に伝わり周方向における第1超伝導コイルの温度ムラの発生が抑制される。
上記の構成に関して前記貫通孔は前記突出板部と前記取付板部との間の境界に沿って延設された長孔であり、前記ベース板は前記延設部及び前記第2熱接続部を形成していることが好ましい。
上記の構成によれば貫通孔として突出板部と取付板部との間の境界に沿って延設された長孔が形成されている一方で、延設部は取付板部に沿って延びる伝熱経路を形成している。したがって、延設部を形成しているベース板及び長孔は取付板部に沿う共通の仮想的な平面上に位置している。これらが共通の仮想的な平面上に位置しているので、ベース板が長孔で屈曲されるだけで延設部から第2熱接続部に連なる伝熱経路が形成される。延設部及び第2熱接続部を形成しているベース板は比較的厚いのでアルミシートを通じてベース板に伝達された熱は第2熱接続部に効率的に伝わる。
上記の構成に関して前記長孔の幅は前記ベース板の厚さと相補的であることが好ましい。
上記の構成によれば長孔の幅はベース板の厚さと相補的であるので、長孔はベース板の断面によって略埋められ長孔の形成に起因する突出板部の機械的な強度の低下はベース板によって補われる。
上述の超伝導マグネット装置は、高い機械的強度の下で超伝導コイルを支持するとともに超伝導コイルの熱を短い伝熱経路を用いて冷凍機へ伝えることができる。
例示的な超伝導マグネット装置の内部構造体の概略的な斜視図である。 超伝導マグネット装置の概略的な外観斜視図である。 超伝導マグネット装置の内部構造体の一部の概略的な斜視図である。 超伝導マグネット装置のコイル部の概略的な断面図である。 コイル部に熱的に接続された第1熱接続部の概略的な展開斜視図である。
図1は、例示的な超伝導マグネット装置100の内部構造体の概略的な斜視図である。図2は超伝導マグネット装置100の概略的な外観斜視図である。超伝導マグネット装置100が図1及び図2を参照して説明される。以下の説明において、「右」、「左」、「前」、「後」、「上」及び「下」といった用語が用いられる。これらの方向を表す用語は説明の明瞭化のみを目的とし限定的に解釈されるべきではない。
「右」、「左」、「前」及び「後」といった方向指標が図1に示されている。加えて図1は水平軸HAXと、水平軸HAXと直交するように水平方向に延設された直交軸PAXと、水平軸HAX及び直交軸PAXと直交する鉛直軸VAXを示している。水平軸HAXは左右方向に延設されている。直交軸PAXは前後方向に延設されている。鉛直軸VAXは鉛直方向に延設されている。
鉛直軸VAXに直交する直交軸PAX及び水平軸HAXを包含する仮想的な水平面は以下の説明において「基準水平面」と称される。基準水平面より下側の部位は以下の説明において「下部」と称される。基準水平面より上側の部位は以下の説明において「上部」と称される。基準水平面と水平軸HAX上で直交する仮想的な鉛直面(すなわち、水平軸HAXと鉛直軸VAXとを包含する鉛直面)は以下の説明において「基準鉛直面」と称される。基準鉛直面より後方の部位は以下の説明において「後部」と称される。基準鉛直面、基準水平面、水平軸HAX、直交軸PAX、鉛直軸VAXを基準に超伝導マグネット装置100が以下に説明される。
超伝導マグネット装置100の内部構造体は電磁力を発生させる一対のコイル部151,152と、コイル部151,152を支持するように形成されたフレーム構造体と、コイル部151,152の熱を伝えるように形成された伝熱部153,154とを備える。コイル部151,152は水平軸HAX上に中心軸が一致するように離間した位置に配置されている。コイル部151,152から発生した電磁力はコイル部151,152が互いに引き寄せられる方向に作用する。これらのコイル部151,152の離間した位置関係が電磁力に抗して維持されるようにフレーム構造体が形成されている。フレーム構造体は平面視において前方に開口したC形を形成している。フレーム構造体はコイル部151及び伝熱部153が取り付けられた第1支持体161と、コイル部152及び伝熱部154が取り付けられた第2支持体162と、第1支持体161と第2支持体162とに連結された連結構造体を含む。連結構造体は、第1支持体161及び第2支持体162の後端に両端部が連結された第1連結部材191及び第2連結部材192を含む。
超伝導マグネット装置100の内部構造体はコイル部151,152の電気抵抗を低減するために低温環境下(たとえば4K)に置かれる。低温環境を作り出すために超伝導マグネット装置100は一対の冷凍機141,142を備える(図2を参照)。加えて、超伝導マグネット装置100は低温環境を維持するために内部構造体の周囲の真空状態を維持するように形成された真空容器110を備える(図2を参照)。真空容器110及び冷凍機141,142が、超伝導マグネット装置100の内部構造体の詳細な説明の前に説明される。
真空容器110は図1に示される内部構造体を取り囲むように形成されている。真空容器110によって形成された内部空間は、真空装置(図示せず)によって真空状態に保たれている。
真空容器110は平面視において略U字型の天板111と、天板111から下方に離間した位置に配置された底板112と、底板112から天板111へ略鉛直に立設された周壁部113と、を含む。加えて真空容器110は、底板112の下面に取り付けられた4つの脚部114(図2は2つの脚部114を示している)を含む。
真空容器110の天板111は平面視において前方に開口したU字形状を形成している内縁121と、内縁121から右方に離間した位置で前後方向に延設された右縁122と、内縁121から左方に離間した位置で前後方向に延設された左縁123と、を含む。加えて、天板111は右縁122及び左縁123の後端を結ぶように左右方向に延設された後縁124を含む。更に天板111は、内縁121及び右縁122の前端を結ぶように左右方向に延設された前縁125と、内縁121及び左縁123の前端を結ぶように左右方向に延設された前縁126と、を含む。天板111の内縁121、右縁122、左縁123、後縁124及び前縁125,126は略等しい高さ位置に配置されている。したがって、天板111は略水平な姿勢である。
天板111と略平行に底板112が配置されている。底板112は形状及び大きさにおいて天板111と略等しい。天板111の縁部に対して付けられた名称は底板112に援用される。
底板112の下面に取り付けられた4つの脚部114のうち1つは底板112の前縁、右縁及び内縁によって囲まれた前端領域に配置されている。他のもう1つの脚部114は底板112の前縁、左縁及び内縁によって囲まれた前端領域に配置されている。他のもう1つの脚部114は、底板112の後縁と右縁とによって形成された角隅部に配置されている。残りの1つの脚部114は、底板112の後縁と左縁とによって形成された角隅部に配置されている。これらの脚部114は底板112の下面を超伝導マグネット装置100が設置された床面から離間させる。
底板112と天板111との間で略鉛直な面を形成している周壁部113は、複数の板部材から形成されている。複数の板部材のうち1つは、天板111の内縁121と底板112の内縁とを繋ぐU字状の面を形成しているU字板131である。複数の板部材のうち他のもう1つは、天板111の右縁122と底板112の右縁とを繋ぐ矩形状の面を形成している右板132である。複数の板部材のうち他のもう1つは、天板111の左縁123と底板112の左縁とを繋ぐ矩形状の面を形成している左板133である。複数の板部材のうち他のもう1つは、天板111の後縁124と底板112の後縁とを繋ぐ矩形状の面を形成している後板134である。複数の板部材のうち他のもう1つは、天板111の前縁125と天板111の前縁125の下方で左右方向に延設された底板112の前縁とを繋ぐ矩形状の面を形成している前板135である。複数の板部材のうち残りの1つは、天板111の前縁126と天板111の前縁126の下方で左右方向に延設された底板112の前縁とを繋ぐ矩形状の面を形成している前板136である。
前板136,135、後板134、左板133、右板132、U字板131、底板112及び天板111の縁部は線状に溶接され、密閉された内部空間が形成されている。したがって、これらの板状部材によって囲まれた内部空間の真空状態が維持される。これらの板状部材によって囲まれた内部空間には図1に示される内部構造体に加えて、内部構造体を取り囲むように形成されたシールド容器(図示せず)が超伝導マグネット装置100の一部として配置されている。シールド容器は真空容器110の外の外部環境からシールド容器内に配置された内部構造体への伝熱を防ぐために用いられている。
真空容器110の天板111から上方に突出した冷凍機141,142の一部が図2に示されている。冷凍機141,142の鉛直中心軸が天板111の内縁121の最後端よりも後方に位置するように冷凍機141,142が配置されている。冷凍機141は天板111の右縁122及び後縁124によって形成された角隅部の近くに配置されている一方で、冷凍機142は天板111の左縁123及び後縁124によって形成された角隅部の近くに配置されている。
冷凍機141,142は2段式の冷却機構をそれぞれ有している。冷凍機141,142それぞれの第1ステージは上述のシールド容器に熱的に接続されている。冷凍機141,142それぞれの第2ステージは伝熱部153,154に熱的に接続されている。「熱的に接続される」との文言は2つの部材の直接的な接続を意味するだけでなく、2つの部材間に介在する介在部材の存在下で2つの部材間で熱伝達が生ずるようにこれらの部材が接続されていることをも意味している。
冷凍機141,142によって真空容器110内で冷却される内部構造体が図1乃至図3を参照して以下に説明される。図3は内部構造体の一部の概略的な斜視図である。
内部構造体のフレーム構造体は真空容器110の右板132とU字板131との間の空間に配置された第1支持体161を含む。第1支持体161は、右方に開口した略矩形状の箱体である。第1支持体161は真空容器110の右板132と略平行な略矩形状の取付板部171と、取付板部171の外縁から右方に屈曲した姿勢で取付板部171の外縁に連なる周壁部172とを含む。取付板部171の板厚方向は水平軸HAXの円説方向に一致している。取付板部171には略円形の貫通孔173が形成されている。取付板部171の貫通孔173の中心を通過するように水平軸HAXが図1において描かれている。取付板部171の上縁及び下縁は略水平に前後方向に延設されている。取付板部171の前縁及び後縁は略鉛直に延設されている。
取付板部171は、伝熱部153の一部及びコイル部151の左端面の左隣で略鉛直に立設されている。取付板部171は伝熱部153の厚さの分だけコイル部151の左端面から水平軸HAXの延設方向において離間した位置に配置されている。取付板部171は、伝熱部153及びコイル部151の取付に利用されている。取付板部171及び周壁部172は伝熱部153の一部及びコイル部151を部分的に取り囲み、伝熱部153の一部及びコイル部151が収容された収容空間を形成している。
周壁部172は3つの突出板部174,175,176を含む。突出板部174,175,176は、取付板部171の上縁、下縁及び前縁の右方(すなわち、伝熱部153及びコイル部151が取り付けられた側)にそれぞれ位置するように取付板部171から突出している。前側の突出板部176は真空容器110の前板135に略平行である。上側及び下側の突出板部174,175は、真空容器110の天板111及び底板112に略平行である。
上側の突出板部174の後部には貫通孔177が形成されている(図1を参照)。貫通孔177は、取付板部171と突出板部174との間の境界(すなわち、取付板部171と突出板部174とによって形成された稜線)に沿って前後方向に延設された長孔である。貫通孔177は取付板部171及び突出板部174の境界と冷凍機141との間に形成されている。
上側の突出板部174の下面は、取付板部171と周壁部172とによって形成された収容空間内で固定されたコイル部151の外周面に対向する方向に向いている。突出板部174の下面は以下の説明において「内面178」と称される。内面178と反対側の面(すなわち、突出板部174の上面)は以下の説明において「外面179」と称される。
突出板部174,175,176及び取付板部171によって形成された収容空間内に配置されたコイル部151が取付板部171の右面に固定されている(図3を参照)。コイル部151の概略的な断面図が図4に示されている。図1、図3及び図4を参照してコイル部151が説明される。
コイル部151は一対のボビン156,158と、これらのボビン156,158の外周面に巻き付けられた一対の超伝導コイル155,157と含む。ボビン156,158は水平軸HAXに略一致した中心軸を有している。すなわち、ボビン156はボビン158と略同心に配置されている。ボビン156の内径はボビン158の外径よりも大きい。ボビン158はボビン156内に配置されている。ボビン156,158は外周方向に開口した略C形の断面を有している。
ボビン156は水平軸HAXに沿って延設された円筒部211と、超伝導コイル155の左端面及び右端面に重なるように円筒部211の外周面の左端及び右端から突出した規制リング部212,213とを含む。円筒部211の外周面に超伝導コイル155が巻回されている。規制リング部212,213は水平軸HAXの延設方向における超伝導コイル155の位置ズレを規制するように形成されている。左側の規制リング部212は平坦な環状面を有する。規制リング部212の環状面はボビン156の左端面の一部を形成し、伝熱部153に密着されている。
ボビン156内のボビン158は水平軸HAXに沿って延設された円筒部214と、円筒部214の外周面の左端及び右端から外方に突出した規制リング部215,216とを含む。ボビン158の円筒部211の外周面に超伝導コイル157が巻回されている。ボビン158の円筒部214の軸長はボビン156の円筒部211の軸長と略等しい一方で、ボビン158の円筒部214はボビン156の円筒部211よりも細い。ボビン158の規制リング部215,216は水平軸HAXの延設方向における超伝導コイル157の位置ズレを規制するように形成されている。ボビン158の規制リング部215,216は外径及び内径においてボビン156の規制リング部212,213よりも小さい。左側の規制リング部215は平坦な環状面を有する。規制リング部215の環状面はボビン158の左端面の一部を形成し、伝熱部153に密着されている。
ボビン156,158の円筒部211,214の外周面に巻回された超伝導線材から超伝導コイル155,157がそれぞれ形成されている。ボビン156,158と同様に、超伝導コイル155,157は水平軸HAXと略一致する中心軸を有している。ボビン156に巻回された超伝導コイル155内にボビン158に巻回された超伝導コイル157が配置されている。
超伝導コイル155,157から冷凍機141への伝熱経路が得られるように伝熱部153が形成されている。伝熱部153は超伝導コイル155,157及びボビン156,158に熱的に接続された環状の第1熱接続部183と、冷凍機141の第2ステージに熱的に接続された略矩形状の第2熱接続部182とを備える。加えて、伝熱部153は第1熱接続部183から取付板部171に沿って延設された伝熱経路を形成している略三角形状の延設部184を含む。延設部184は第1熱接続部183に連なっているだけでなく上側の突出板部174の貫通孔177を介して第2熱接続部182にも連なっている。第1熱接続部183は複数の熱伝導材料から形成されている一方で、延設部184及び第2熱接続部182は単一の熱伝導材料から形成されている。第1熱接続部183は取付板部171の右面とボビン156,158の左端面との間に配置されている。第2熱接続部182は延設部184から突出板部174の突出方向に屈曲され、突出板部174の外面179に重なる。第2熱接続部182は冷凍機141の第2ステージと上側の突出板部174の外面179との間に配置されている。第2熱接続部182は冷凍機141の第2ステージとともに突出板部174の外面179に固定されている。第2熱接続部182は超伝導コイル155,157からの伝熱経路の下流端に位置している。一方、伝熱経路の上流端は第1熱接続部183によって形成されている。
第1熱接続部183の概略的な展開斜視図が図5に示されている。第1熱接続部183の概略的な断面図(基準水平面上の断面図)が図5に示されている。図1、図3乃至図5を参照して伝熱部153が説明される。
伝熱部153は所定の熱伝導率を有するベース板186と、ベース板186よりも薄く且つ低い剛性を有するアルミシート187(図5を参照)とを含む。ベース板186は貫通孔177として形成された長孔の幅と相補的な厚さを有している。たとえば、ベース板186は約10mmの厚さを有する銅板であってもよい。ベース板186は電気銅から形成されていてもよいし、無酸素銅から形成されていてもよい。ベース板186は第1熱接続部183及び延設部184を形成している上流板部188と、上流板部188から貫通孔177で屈曲され上側の突出板部174の外面179に重ねられた下流板部189とを含む。下流板部189は第2熱接続部182を形成している。
下流板部189の右縁は突出板部174の右縁と略面一である。下流板部189は突出板部174の右縁から左方に延びている。突出板部174の前後方向の寸法は突出板部174に形成された貫通孔177の前後方向の寸法より僅かに小さい。突出板部174の左縁は貫通孔177上に位置している。貫通孔177上でベース板186は下方に屈曲されている。貫通孔177の下側の部位が上流板部188である。
貫通孔177は取付板部171の左面の近くで形成されている。貫通孔177の下方に位置している上流板部188は取付板部171に沿う鉛直姿勢をとり取付板部171に重なっている。上流板部188はボルトや他の固定具を用いて取付板部171に固定されている。
上流板部188は貫通孔177の下方に位置から前方に拡がり延設部184を形成している。延設部184の更に前方で上流板部188は第1熱接続部183を形成している。第1熱接続部183を形成している上流板部188の部位にアルミシート187が重ねられている。上流板部188はアルミシート187と取付板部171の間に位置している。上流板部188の一部(すなわち、延設部184の前方に位置している部位)及びアルミシート187は第1熱接続部183を形成している。
アルミシート187は上流板部188の右方に配置され、上流板部188とコイル部151(すなわち、ボビン156,158の左端面)とによって挟まれている。アルミシート187の左面及び上流板部188の右面はともに平坦であり、これらの面は密着している。アルミシート187の右面も平坦であり、ボビン156,158の規制リング部212,215の平坦な環状面に密着している。アルミシート187は、99.999%の高純度のアルミニウムから形成されている。アルミシート187はベース板186より遙かに薄く、約0.25mmの厚さを有している。
アルミシート187は環状であり、アルミシート187の中心が水平軸HAXに略一致するように配置されている。アルミシート187の内径はボビン158の内径に略一致している。アルミシート187の外径はボビン156の外径に略一致している。したがって、アルミシート187の右面はコイル部151の左端面全体に密着している。アルミシート187の左面全体は上流板部188の右面に密着している。
コイル部151、伝熱部153及び第1支持体161からなる組立体は、基準鉛直面についてコイル部152、伝熱部154及び第2支持体162からなる組立体と鏡像関係にある。したがって、コイル部151、伝熱部153及び第1支持体161に関する説明は鏡像関係を考慮して、コイル部152、伝熱部154及び第2支持体162からなる組立体に援用される。コイル部152、伝熱部154及び第2支持体162からなる組立体は真空容器110のU字板131と左板133との間の空間に配置され、コイル部151、伝熱部153及び第1支持体161からなる組立体から水平軸HAXの延設方向において離間している。
コイル部151,152に電力が供給されると、水平軸HAXに略平行に作用する電磁力が作用し上述の一対の組立体は互いに引きつけられる。これらの組立体の鏡像的な位置関係を電磁力の発生下において維持するために、第1連結部材191及び第2連結部材192はこれらの組立体を連結する連結構造体を形成している。第1連結部材191及び第2連結部材192は水平軸HAXから後方(すなわち、直交軸PAXの延設方向)に離間した位置に配置されている。第1連結部材191及び第2連結部材192は水平軸HAXに略平行に延設されている。
第1連結部材191は第1支持体161及び第2支持体162の下面と略面一となる下面を有する一方で、第2連結部材192は第1支持体161及び第2支持体162の上面と略面一となる上面を有する。第1連結部材191の下面と第2支持体162の上面との間の高さ方向における中間位置は基準水平面と略一致している。第1連結部材191は第1支持体161及び第2支持体162の下部の後端に連結されるように略水平に左右方向に延設されている。第1連結部材191から上方に離間した位置で第2連結部材192は第1支持体161及び第2支持体162の上部の後端に連結されるように略水平に左右方向に延設されている。第1連結部材191及び第2連結部材192として一般的な角パイプが利用可能である。
第1連結部材191及び第2連結部材192によって第1支持体161と第2支持体162との間の鏡像的な位置関係はある程度維持される。第1連結部材191及び第2連結部材192だけでは上述の位置関係を維持するための十分な構造的な強度を得られないような、第1支持体161及び第2支持体162に取り付けられたコイル部151,152間で作用する電磁力が非常に強い場合には、超伝導マグネット装置100は第1連結部材191、第2連結部材192、第1支持体161及び第2支持体162によって形成されたフレーム構造体を補強する補強構造体を有していることが好ましい。
補強構造体として4つの補強部201が用いられている。4つの補強部201のうち1つは、第1連結部材191と第1支持体161の取付板部171の左面とによって形成された角隅部に配置されこれらに溶接されている(図3を参照)。この補強部201と取付板部171とに間の溶接線は取付板部171及び上側の突出板部174の境界の近傍で境界と略平行に延び、境界は溶接線と貫通孔177との間に位置している。したがって補強部201は貫通孔の水平軸HAXの延設方向において並んでいる。4つの補強部201のうち他のもう1つは、第2連結部材192と第1支持体161の取付板部171の左面とによって形成された角隅部に配置されこれらに溶接されている(図1を参照)。4つの補強部201のうち他のもう1つは、第2連結部材192と第2支持体162の取付板部の右面とによって形成された角隅部に配置されこれらに溶接されている(図1を参照)。4つの補強部201のうち残りの1つは、第1連結部材191と第2支持体162の取付板部の右面とによって形成された角隅部に配置されこれらに溶接されている(図1を参照)。
第1連結部材191と第2支持体162の取付板部の右面とに溶接された補強部201の構造が以下に説明される。第1連結部材191と第2支持体162の取付板部の右面とに溶接された補強部201は、第2連結部材192と第2支持体162の取付板部の右面とに溶接された補強部201と形状及び大きさにおいて共通している。したがって、第1連結部材191と第2支持体162の取付板部の右面とに溶接された補強部201に関する以下の説明は、第2連結部材192と第2支持体162の取付板部の右面とに溶接された補強部201に援用される。他の2つの補強部201は基準鉛直面について、第2支持体162に溶接された2つの補強部201と鏡像関係にある。したがって、第1連結部材191と第2支持体162の取付板部の右面とに溶接された補強部201に関する以下の説明は鏡像関係を考慮して、第1支持体161に溶接された2つの補強部201に援用される。
第1連結部材191と第2支持体162の取付板部の右面とに溶接された補強部201は、水平姿勢をとる2つの水平板202,203と鉛直姿勢をとる鉛直板204とを含む。水平板202,203は形状及び大きさにおいて等しく、略直角三角形状の平板である。水平板202,203それぞれによって形成される略直角三角形の斜辺は真空容器110のU字板131の湾曲に沿うように湾曲している。水平板202,203それぞれによって形成された略直角三角形の他の辺のうち一方は第1連結部材191の延設方向に延び第1連結部材191の外周面に溶接されている。水平板202,203それぞれによって形成された略直角三角形の残りの辺は前方に延び第2支持体162の取付板部の右面に溶接されている。
水平板202は水平板203から上方に離間している。水平板202,203の間に鉛直板204が配置されている。鉛直板204は略矩形状の平板である。鉛直板204の上縁は水平板202の下面に溶接されている。鉛直板204の下縁は水平板203の上面に溶接されている。鉛直板204の後縁は第1連結部材191の外周面に溶接されている。
鉛直板204及び水平板202,203によって形成された補強部201は第1連結部材191、第2連結部材192、第1支持体161及び第2支持体162によって形成されたフレーム構造体の変形を効果的に防止する。第1支持体161及び第2支持体162を引き寄せるようにコイル部151,152への電力供給の下で発生する強い電磁力が作用する。このとき第1支持体161及び第1連結部材191(及び第2連結部材192)の連結部位には、第1支持体161の取付板部171の左面と第1連結部材191(及び第2連結部材192)との間で平面視において形成された挟角(すなわち、角隅部の角度)を狭めようとするモーメントが作用する。同様に、第2支持体162及び第1連結部材191(及び第2連結部材192)の連結部位には、第2支持体162の取付板部の右面と第1連結部材191(及び第2連結部材192)との間で平面視において形成された挟角を狭めようとするモーメントが作用する。これらの挟角が変化すると、コイル部151,152の軸は水平軸HAXからずれる。しかしながら、これらの挟角の形成部位に配置された4つの補強部201は上述のモーメントに抗する。
水平板202,203の間に配置された鉛直板204は水平板202,203の上方又は下方への湾曲変形を防止するので、補強部201はモーメントに十分に抗することができる。補強部201によって、強い電磁力の存在下でもフレーム構造体の形状は維持される。
4つの補強部201のうち1つは第1連結部材191及び第1支持体161の取付板部171によって形成された角隅部に配置されている。この補強部201の近くにおいて貫通孔177が形成されている。すなわち、補強部201及び貫通孔177は略等しい高さ位置及び略等しい後方位置に配置されている。言い換えると、貫通孔177は鉛直軸VAXの延設方向において基準水平面(水平軸HAXと直交軸PAXとを包含する仮想的な水平面)よりも補強部201の近くに形成されている。加えて、貫通孔177は直交軸PAXの延設方向において基準鉛直面(水平軸HAXと鉛直軸VAXとを包含する仮想的な鉛直面)よりも補強部201の近くに形成されている。貫通孔177はフレーム構造体の強度をフレーム構造体の角隅部の周囲で若干低下させるけれども補強部201はフレーム構造体の角隅部の周囲においてフレーム構造体の強度を向上させる。したがって、貫通孔177の形成はフレーム構造体の強度の面において特に問題にならない。
補強部201によってフレーム構造体は補強されているので、コイル部151,152から大きな電磁力が発生してもコイル部151,152の軸が水平軸HAXからずれるリスクは低減される。コイル部151,152から大きな電磁力を生じさせるために、冷凍機141,142が作動しコイル部151,152から熱を奪う。コイル部151から冷凍機141への熱の流れが以下に説明される。コイル部151から冷凍機141への熱の流れに関する説明は、コイル部152から冷凍機142への熱の流れに援用される。
コイル部151の左端面はアルミシート187の右面に接触している。アルミシート187の左面は上流板部188の右面に接触している。アルミシート187は非常に薄く低い剛性を有しているのでアルミシート187の表面は接触部位の表面形状に合わせて微小変形し、コイル部151の左端面及び上流板部188の右面に密着することができる。アルミシート187は電磁力の存在下においてコイル部151と上流板部188とによって圧縮されるので、コイル部151及び上流板部188に対するアルミシート187の密着度は非常に高くなる。したがって、コイル部151の熱はアルミシート187を通じて上流板部188に効率的に伝達される。上流板部188及び下流板部189は比較的厚いので、コイル部151の熱は上流板部188から下流板部189に効率的に伝わる。
コイル部151,152の熱は伝熱部153,154を通じて冷凍機141,142によって奪われる。この結果、コイル部151,152は非常に低温(たとえば、4K)になりコイル部151,152に供給される電力に対する抵抗は非常に低くなる。コイル部151,152に大きな電流が流れる結果、大きな電磁力がコイル部151,152間で発生する。コイル部151,152が取り付けられた第1支持体161及び第2支持体162の間の空間では例えば、半導体ウェハに加工される溶融材料が収容された坩堝が鉛直方向に移動される。この結果、溶融材料内の不純物はコイル部151,152から生じた高い電磁力によって坩堝の内壁面に集められる一方で、坩堝の中心には純度の高い半導体材料が集まる。不純物の除去以外の用途に超伝導マグネット装置100が用いられてもよい。したがって、超伝導マグネット装置100の用途は限定的に解釈されるべきではない。
超伝導マグネット装置100の第1支持体161へのベース板186の取付は簡便である。ベース板186として所定の形状に加工された銅平板が用意されてもよい。銅平板の一部が貫通孔177を通じて上方に突出する一方で銅平板の残りの部分が取付板部171の右面に沿うように銅平板が配置される。取付板部171の右面に重なる部位がボルトや他の固定具に固定された後、貫通孔177を通じて上方に突出した部位が右方に折り曲げられる。この結果、取付板部171の右面に重なる上流板部188及び下流板部189が形成される。
上流板部188と下流板部189との間の屈曲構造はベース板186が第1支持体161に固定される前に形成されていてもよい。上流板部188が略水平になるように保持されると下流板部189は上方に突出する。その後、上方に突出した下流板部189が貫通孔177の下方に位置するようにベース板186が配置される。ベース板186が上方に移動されると、上方に突出した下流板部189が貫通孔177に挿通される。その後下流板部189及び上流板部188の境界周りに約90°だけベース板186が回転されると、上流板部188は取付板部171の右面に沿う一方で下流板部189は突出板部174の外面179に沿う。その後、上流板部188は取付板部171に固定される一方で下流板部189は冷凍機141とともに突出板部174に固定される。
突出板部174に形成された貫通孔177はベース板186の厚さと相補的な幅を有する長孔である。したがって貫通孔177はベース板186の断面によってほとんど埋められる。貫通孔177の形成の結果、突出板部174の機械的な強度は若干低下するけれども貫通孔177を埋めるベース板によって強度低下は略相殺される。
上流板部188の一部(すなわち、延設部184を形成している部位)が取付板部171に固定された後、アルミシート187が上流板部188に重ねられ第1熱接続部183が形成される。その後、第1熱接続部183にコイル部151が取り付けられる。コイル部151はアルミシート187及び上流板部188とともに取付板部171に固定される。この結果、アルミシート187がコイル部151と上流板部188との間に介在する構造が形成される。しかしながらコイル部151の左端面及び上流板部188の右面の平滑度が高く、これらの間の高い密着度が得られるならばアルミシート187は必要とされない。
コイル部151及び上流板部188が取り付けられた取付板部171に対して突出板部174,175,176は屈曲した姿勢で連なっている。取付板部171及び突出板部174,175,176の屈曲構造の結果、第1支持体161は高い機械的強度を有する。取付板部171及び突出板部174,175,176の屈曲構造は曲げ加工によって形成されてもよいし、溶接によって形成されてもよい。
取付板部171及び突出板部174,175,176の屈曲構造が貫通孔177の形成の下でも十分に高い強度を有しているならば、補強部201は用いられなくてもよい。
上述の実施形態の技術は、強い電磁力が必要とされる様々な技術分野に好適に利用される。
100・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・超伝導マグネット装置
141・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・冷凍機
151・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・コイル部
153・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・伝熱部
155,157・・・・・・・・・・・・・・・・超伝導コイル(第1超伝導コイル)
156,158・・・・・・・・・・・・・・・・ボビン
161・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1支持体
162・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2支持体
171・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・取付板部
174・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・突出板部
177・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・貫通孔
178・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内面
179・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外面
182・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2熱接続部
183・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1熱接続部
184・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・延設部
186・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ベース板
187・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アルミシート
188・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上流板部
189・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下流板部
201・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・補強部
212,215・・・・・・・・・・・・・・・・規制リング部

Claims (9)

  1. 軸方向に離間した位置において対向するように配置されているとともに互いに引き寄せ合う方向に作用する電磁力をそれぞれ発生させる第1超伝導コイル及び第2超伝導コイルと、
    前記第1超伝導コイル及び前記第2超伝導コイルを支持するように形成されたフレーム構造体と、
    前記第1超伝導コイルの熱を伝えるように形成された伝熱部と、
    前記伝熱部に熱的に接続された冷凍機と、を備え、
    前記フレーム構造体は板厚方向が前記軸方向に一致するように前記第1超伝導コイルの端面と前記軸方向に並び前記伝熱部を介して前記第1超伝導コイルが取り付けられた取付板部と、前記取付板部から前記第1超伝導コイルが取り付けられた側に前記軸方向に突出した突出板部と、を有する第1支持体を含み、
    前記突出板部は前記第1超伝導コイルの外周面に対向する方向に向いた内面と、前記内面とは反対側の外面と、を含み、
    前記突出板部には貫通孔が形成され、
    前記伝熱部は前記第1超伝導コイルの前記端面に熱的に接続されるように前記第1超伝導コイルの前記端面と前記取付板部との間に配置された第1熱接続部と、前記第1熱接続部から前記取付板部に沿って延設された伝熱経路を形成している延設部と、前記突出板部の前記貫通孔を通じて前記延設部に連なっているとともに前記突出板部の前記外面に重なるように前記突出板部の突出方向に前記延設部から折り曲げられ、前記冷凍機と熱的に接続された第2熱接続部と、を含む
    超伝導マグネット装置。
  2. 前記フレーム構造体を補強するように形成された補強部を更に備え、
    前記フレーム構造体は前記第2超伝導コイルを支持するように形成されているとともに前記第1支持体から前記軸方向に離間した位置に配置された第2支持体と、前記第1支持体と前記第2支持体とに連結され前記第1支持体と角隅部を形成している連結構造体と、を含み、
    前記補強部は前記角隅部の角度を減少させるように作用する前記電磁力に抗し前記角隅部の角度の変化を抑制するように前記第1支持体と前記連結構造体との間に配置されている
    請求項1に記載の超伝導マグネット装置。
  3. 前記補強部は前記角隅部に配置され、
    前記貫通孔は前記軸方向において前記補強部と並ぶように形成されている
    請求項2に記載の超伝導マグネット装置。
  4. 前記補強部は前記突出板部と前記取付板部との間の境界に隣接する位置で前記取付板部に接続されている
    請求項3に記載の超伝導マグネット装置。
  5. 前記第1超伝導コイルが巻回された外周面を有するボビンを更に備え、
    前記ボビンは前記軸方向における前記超伝導コイルの位置ズレを規制するように前記外周面から突出し前記第1超伝導コイルの前記端面と重なった規制リング部を含み、
    前記規制リング部は前記第1熱接続部に対向する平坦な環状面を含み、
    前記第1熱接続部は前記環状面全体に密着するように形成された平坦な面を有する
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超伝導マグネット装置。
  6. 前記第1熱接続部は前記取付板部と前記環状面との間に配置されたベース板と、前記環状面全体に密着するように前記ベース板と前記環状面との間に配置されたアルミシートと、を含み、
    前記アルミシートの肉厚及び剛性は前記ベース板よりも小さい
    請求項5に記載の超伝導マグネット装置。
  7. 前記アルミシートは前記電磁力の存在下で前記ボビンと前記ベース板とによって圧縮される
    請求項6に記載の超伝導マグネット装置。
  8. 前記貫通孔は前記突出板部と前記取付板部との間の境界に沿って延設された長孔であり、
    前記ベース板は前記延設部及び前記第2熱接続部を形成している
    請求項6又は7に記載の超伝導マグネット装置。
  9. 前記長孔の幅は前記ベース板の厚さと相補的である
    請求項8に記載の超伝導マグネット装置。
JP2018163236A 2018-08-31 2018-08-31 超伝導マグネット装置 Active JP7039423B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018163236A JP7039423B2 (ja) 2018-08-31 2018-08-31 超伝導マグネット装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018163236A JP7039423B2 (ja) 2018-08-31 2018-08-31 超伝導マグネット装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020035959A true JP2020035959A (ja) 2020-03-05
JP7039423B2 JP7039423B2 (ja) 2022-03-22

Family

ID=69668706

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018163236A Active JP7039423B2 (ja) 2018-08-31 2018-08-31 超伝導マグネット装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7039423B2 (ja)

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09153338A (ja) * 1995-11-30 1997-06-10 Jeol Ltd 試料冷却装置
WO1999052427A1 (en) * 1998-04-14 1999-10-21 Sumitomo Special Metals Co., Ltd. Magnetic field generating device for mri
JP2001060509A (ja) * 1999-08-24 2001-03-06 Mitsubishi Electric Corp 超電導磁石装置
JP2001167923A (ja) * 1999-12-06 2001-06-22 Sumitomo Heavy Ind Ltd 冷凍機冷却型超電導磁石装置
WO2001074243A1 (fr) * 2000-04-03 2001-10-11 Hitachi Medical Corporation Aimant supraconducteur et appareil d'imagerie par resonance magnetique qui comprend ledit aimant
JP2011023702A (ja) * 2009-06-15 2011-02-03 Toshiba Corp 超電導磁石装置
US20110304416A1 (en) * 2010-06-14 2011-12-15 Agilent Technologies, U.K. Limited Superconducting magnet arrangement and method of mounting thereof
JP2013543248A (ja) * 2010-11-22 2013-11-28 マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー 小型低温弱収束超伝導サイクロトロン
JP2017195328A (ja) * 2016-04-22 2017-10-26 住友重機械工業株式会社 超伝導電磁石
JP2018524764A (ja) * 2015-05-26 2018-08-30 アンタヤ サイエンス アンド テクノロジーAntaya Science & Technology 超伝導フラッタコイル及び非磁性補強を有する等時性サイクロトロン
JP2020035958A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 ジャパンスーパーコンダクタテクノロジー株式会社 超伝導マグネット装置

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09153338A (ja) * 1995-11-30 1997-06-10 Jeol Ltd 試料冷却装置
WO1999052427A1 (en) * 1998-04-14 1999-10-21 Sumitomo Special Metals Co., Ltd. Magnetic field generating device for mri
JP2001060509A (ja) * 1999-08-24 2001-03-06 Mitsubishi Electric Corp 超電導磁石装置
JP2001167923A (ja) * 1999-12-06 2001-06-22 Sumitomo Heavy Ind Ltd 冷凍機冷却型超電導磁石装置
WO2001074243A1 (fr) * 2000-04-03 2001-10-11 Hitachi Medical Corporation Aimant supraconducteur et appareil d'imagerie par resonance magnetique qui comprend ledit aimant
JP2011023702A (ja) * 2009-06-15 2011-02-03 Toshiba Corp 超電導磁石装置
US20110304416A1 (en) * 2010-06-14 2011-12-15 Agilent Technologies, U.K. Limited Superconducting magnet arrangement and method of mounting thereof
JP2013543248A (ja) * 2010-11-22 2013-11-28 マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー 小型低温弱収束超伝導サイクロトロン
JP2018524764A (ja) * 2015-05-26 2018-08-30 アンタヤ サイエンス アンド テクノロジーAntaya Science & Technology 超伝導フラッタコイル及び非磁性補強を有する等時性サイクロトロン
JP2017195328A (ja) * 2016-04-22 2017-10-26 住友重機械工業株式会社 超伝導電磁石
JP2020035958A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 ジャパンスーパーコンダクタテクノロジー株式会社 超伝導マグネット装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7039423B2 (ja) 2022-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1739446B1 (en) A MRI superconductive magnet
US7622832B2 (en) Linear motor and linear moving stage device
NL2013815C2 (en) Multi-electrode stack arrangement.
US20120062866A1 (en) Microchannel-cooled coils of electromagnetic actuators exhibiting reduced eddy-current drag
JP2014128177A (ja) 搬送装置
JP2014102017A (ja) 連結構造及び冷却器一体型インバータ
JP2004283580A (ja) 磁気共鳴超伝導マグネット向けのパルス管クライオクーラ・システム
EP4007149B1 (en) Inverter
JP5419384B2 (ja) 真空処理装置
US20110234343A1 (en) Cylindrical Magnetic Levitation Stage
JP2020035959A (ja) 超伝導マグネット装置
KR20170003663U (ko) 변압기
JP2001327152A (ja) リニアモータ
JP7022035B2 (ja) 超伝導マグネット装置
JP6784197B2 (ja) 電力変換装置
JP5701335B2 (ja) 電力変換装置
JP7276085B2 (ja) 電力変換装置
JP2012237491A (ja) 平板型冷却装置、その製造方法及びその使用方法
JP2015126640A (ja) 電力変換装置
JP2015002251A (ja) 駆動ステージ及び駆動ステージを用いた部品実装装置
JP6922514B2 (ja) リアクトル
JP6409496B2 (ja) 超電導機器
JPH01270763A (ja) 可動磁石型多相リニアモータ
CN208273460U (zh) 散热装置
JP2019079912A (ja) リアクトルを収容している筐体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220309

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7039423

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150