JP5701335B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラグインハイブリッド車、電気自動車等に搭載される、充電装置、DC/DCコンバータ装置、インバータ装置等の電力変換装置に関わるものであり、特に冷却性能に特長のある電力変換装置に関するものである。
従来から、特許文献1に示すように、電力変換装置は、台座部内を一直線上に貫通する主水路を一つと、それと交差する一対の副流路とを備え、主水路の両端の開口部に蓋が取り付けられている。一対の副流路は、冷媒の導入口と導出口となっており、外部ホースと連結する。台座部の主要面(主要面とは、発熱体を取り付けるための平面度等が管理された冷却面を意味する)は、例えばスイッチング素子などの電気電子部品を冷却し、前記主要面を除く冷却領域は、例えば磁性体部品などの電気電子部品を冷却している。
特許第4983959号公報
従来の発明では、台座に一つ貫通孔を形成することで、冷却に寄与している水路である主水路(これに対して副水路とはニップル(導入口)と接続するための水路である)を構成している。電力変換装置においては、その製品展開(市場の変化)に伴って高出力化が進展し、例えば車載用充電器では、出力電力が数kW程度から20数kWまで高くなる。そして、この高出力化が進むにつれて、磁性体部品、アルミ電解コンデンサなどの大型の電気電子部品の発熱量が増える傾向にある。
その結果、従来のままの製品では冷却性能が不足し、このため熱干渉(1つの電子部品の発熱と、その隣にある部品の発熱が干渉する)が生じることとなる。そこで、従来は、この熱干渉を防止するために製品に内蔵されている電子部品を互いに離間させる必要性があり、このため、装置が大型化する結果となっていた。これに対する対策として、有効冷却面積を増す対応が考えられる。例えば、大型電子部品の場合、部品サイズW50×L50×H60mm、部品発熱量100W、水路壁面熱伝達率1000W/m2/K、ヒートシンク熱伝導率96W/m/K、ヒートシンク厚み10mm、冷媒LLC(ロングライフクーラント)、水温60℃、部品許容温度120℃の条件では、離間距離のオーダーは数ミリメートル〜数センチとなり、これによる装置大型化の問題が生じていた。大型化の程度は装置の部品点数によっても変化するが、数センチメールから数十センチメールまで大型化すると想定される。
その発熱量の増大(温度変化に直して考えた場合は、冷却器性能と放熱構造体の熱伝導率によっても変化するが、温度変化に直して考えると、水冷の場合では10Wの発熱量増加に対して0.1K(ケルビン)〜10K程度のオーダーで温度が上昇する)に対して、筐体温度を上げずに、その発熱を外に逃がす対策として、大型電子部品の載置面のみならず、その側面も冷却面として有効冷却面積を拡大し、ひいては全体として有効冷却面積を大きくしてゆくことが有効である。この目的のために貫通孔方向と垂直な台座部断面を拡大する必要がある。
しかし、従来の発明では、その台座部断面に対する貫通孔断面の面積割合が小さい場合は、台座部厚み方向の熱抵抗が増大し、さらに台座部の重量が増大する問題があった。例えば、貫通孔断面の面積割合を小さくすることで、主要面から水路までの距離(筐体厚み)が2倍になれば、理論上、熱抵抗は2倍になる。この理由は、台座部の大きさが一定で貫通孔断面の面積が小さくなると、台座部の素子取り付け面から水路までの距離が増えるためである。従って、このような場合には、熱輸送距離が増大して熱抵抗が増し、重量も増えることになる。
一方で、台座部厚み方向の熱抵抗低減、台座部の軽量化のため、貫通孔の断面を台座部断面の拡大に応じて大きくすると、同一流量では貫通孔を通過する冷媒流速は減少し、その結果として水冷による冷却性能が低減する。すわわち、従来の発明では有効冷却面積の拡大と水冷冷却性能の向上を両立することができないという問題があった。
本発明は、磁性体部品、アルミ電解コンデンサなどの大型の電気電子部品に対して、有効冷却面積(ここで有効とは、電気電子部品内の発熱箇所が冷却されるという意味で用いている。発熱体と冷却面との熱交換が活発であるほど有効である。)の最大化と水冷冷却能力の増大を両立させることで、従来よりも小型で高冷却効率を有する電力変換装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電力変換装置は、
電力変換に関わる複数の電子部品を収納する筐体と、
前記筐体の内部に配置され、前記電子部品を冷却する冷媒を流すための複数の貫通孔を有する台座部と、
前記複数の貫通孔の端部に形成された開口部を、前記筐体の上下方向に互いに連結して、前記冷媒を流すための流路を構成する水路蓋と、
前記台座部の上部に形成された主要面に載置されている第一の電子部品と、
前記台座部の外形面であって前記主要面に垂直な側壁面に隣接して載置されている第二の電子部品と、
を備え
前記流路は、上側に位置する貫通孔から下側に位置する貫通孔に向かう前記冷媒の流れ方向にその幅が拡大し縮小する形状、または上側に位置する貫通孔から下側に位置する貫通孔まで前記筐体の側壁面内で曲率半径を大きくして曲折させる形状を有するものである。
本発明によれば、電子部品を収納する筐体を構成する台座部に2以上の貫通孔を形成し電子部品を冷却するとともに、上側に位置する貫通孔から下側に位置する貫通孔に向かう冷媒の流れ方向にその幅が拡大し縮小する形状、または上側に位置する貫通孔から下側に位置する貫通孔まで前記筐体の側壁面内で曲率半径を大きくして曲折させる形状を有する流路を設けたことにより、流路方向に垂直な貫通孔断面積が小さくなり冷媒流速が大きくでき、かつ、冷媒流れの剥離を回避し安定して気泡を押し流す事ができ、電力変換装置に使用される電子部品を冷却する能力を増大させることが可能となる。また、台座部の異なる面に第一と第二の電子部品を載置したことにより、電子部品に対する有効冷却面積を増大させることが可能となる。すなわち、水冷冷却性能の向上と電子部品の有効冷却面積の拡大とを両立できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る電力変換装置の構成の一例を示す断面図である。 図1のA2−A2断面を示す図である。 図2のA2−A2断面を示す図である。 本発明の実施の形態1の効果を説明するための図である。 本発明の実施の形態2に係る電力変換装置の構成の一例を示す断面図である。 本発明の実施の形態3に係る電力変換装置の構成の一例を示す断面図である。 図6のB1−B1断面を示す図である。 図6のB2−B2断面を示す図である。 図6のB3−B3断面を示す図である。 図6のB4−B4断面を示す図である。 本発明に係る電力変換装置の構成要素である台座部と筐体の境界を説明するための図である。 図2を左側面から見た場合の説明をするための図である。 従来の電力変換装置の構成の一例を示すための説明図である。 本発明の実施の形態4に係る電力変換装置の構成の一例を示す断面図である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1を、以下、図1〜2を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る電力変換装置(車載用を含む)の構成の一例を示す断面図であり、図2は、図1のA2−A2断面を示す図である。なお、図1は図2のA1−A1断面を示す図でもある。
図1に示すとおり、電力変換装置1は、例えば、熱伝導率が100W/m/Kより大きく一般的には熱伝導性が良い筐体2内に電力変換回路を構成する電子部品として、第一の電子部品であるスイッチング素子4と、第二の電子部品である、それより大型の磁性体部品5を収納し、その上部を筐体蓋7で覆っている。スイッチング素子4と磁性体部品5は、同一の基板13に実装している。磁性体部品5としては、例えばコンデンサ、リアクトル、トランスが挙げられる。スイッチング素子4は、矩形の点線で囲った部分である台座部6の上部に配置された主要面3に載置され、台座部6内を貫通孔14、15が紙面に垂直方向に貫通している。
図2に示すように、これら貫通孔14、15は第一の水路蓋10により筐体2の側壁面11aの所で連結し、貫通孔内を流れる冷媒の導入口であるパイプ17、導出口であるパイプ18を備える。パイプ17、18にはホース等の配管が取付けられる。ホース等の配管の先には、この電力変換装置1に冷媒を供給するウォータポンプ等の冷媒供給手段が接続される。この冷媒供給手段の故障を防止するために、冷媒供給手段は間欠駆動する仕様となっている場合が多い。駆動時間を短くできるためである。上記ウォータポンプにより供給された冷媒は、パイプ17から流入し、貫通孔14、15、第一の水路蓋10及び第一の水路蓋10により覆われる筐体2の側壁面11aによって形成される冷媒の連結流路19を流れ、パイプ18より流出する。
なお、パイプ17内の丸の中心に点を付けた記号は、冷媒の流れの主方向が紙面と垂直方向であって、その方向が裏から表であることを示し、パイプ18内の丸に×を付けた記号は冷媒の流れの主方向が紙面と垂直方向であって、その方向が表から裏であることを示す(以下の図5〜図10でも同様である)。
流路を形成しない貫通孔14、15の開口部12a、12bは、水路蓋16a、16bにて蓋をする。開口部12a、12bからパイプ17もしくはパイプ18までのデットスペースがあるため、製品が大型化する。従ってこのデットスペースを埋めるため、水路蓋16(16a及び16b)の形状は凸(製品内側方向に膨らむ凸形状)が望ましい。
また、貫通孔方向と垂直な貫通孔の断面形状は、正方形のみならず、円形、長方形であっても良い。さらに、冷媒への熱伝達率を向上させるため、貫通孔に熱伝達率促進用のフィンを設けても良い。貫通孔14、15を流れる冷媒により、台座部6の主要面3に載置されたスイッチング素子4は冷却されることとなる。磁性体部品5は、台座部6の側壁面側に形成され、台座部の主要面3に対して凹んでいる凹部29に載置されている。
図4に示すように、スイッチング素子4と、磁性体部品、アルミ電解コンデンサなどの大型の磁性体部品5を台座部6の主要面3で冷却する場合、それぞれの高さが大きく異なるため、基板13を分割しなくてはならず(図4ではこの基板13は、13a、13bの2つに分割して表示されている)、ムダ代が多くなる分、基板の費用が高くなり、コストが高くなる。また、スイッチング素子4の上には破線で示したデットスペース23が生まれ、電力変換装置1が大型化する問題がある。
そこで本実施の形態では、磁性体部品5を、凹部29(台座部の主要面3を基準にして凹んでいる)に載置するように、貫通孔を内部に備える台座部6の主要面3より下方に設けられた載置面8に載置することで、図4のような構成とした場合に比較して、装置の小型化を図っている。凹部29には、一般的な樹脂材料と比較して熱伝導性の良い、樹脂盛りのための樹脂材料であるポッティング剤25を、凹部29の内壁面と磁性体部品5との間隙を埋めるように充填し、磁性体部品5の発熱は台座部6(図1、図6参照)に伝熱する。この場合、磁性体部品に対する有効冷却面積を増やすために、台座部6の高さは磁性体部品の高さ以上である事が望ましい(この場合の台座部の高さは、単に物理的な高さではなく、「有効冷却面積」に対応する「有効高さ」を意味する。以下同様)。
この筐体2と台座部6(筐体2と台座部6の境界については図11参照)は、鋳造により、互いに一体成型している。鋳造では複数の鋳型を組合せ、鋳型の中に溶融したアルミ等の金属を流し込み、金属が冷却して固化すると金型から一体成型品を引き抜いて完成する。貫通孔14、15は鋳造の際に、鋳型の貫通孔を形作る柱状部により台座部6内を貫通するように成型している。
一般的に、気泡が水路に溜まると熱伝導率が悪化して冷却性能が低下するため、気泡を押し流す構造とする必要がある。気泡は、ポンプによるキャビテーションなどが原因で発生し、冷媒に混じって導入口であるパイプ17から侵入する。本発明に係る装置では、特に気泡が溜まる箇所として注意するべき箇所は、図2に示すように、冷媒が上側に位置する貫通孔14から下側に位置する貫通孔15に流れる連結流路19である。連結流路19は、冷媒が重力方向と逆方向に進む箇所になっており、浮力が原因で天井に気泡がトラップするためである。冷媒流れの剥離が起こると、その剥離箇所で流れが澱み、気泡がトラップされ溜まるため冷却性能を低下させる。
図2他に示すように、第一の水路蓋10は、筐体側壁の外側方向に向かって、お椀形状であり、その角部26(図8参照)はR形状や斜面等の滑らかな形状であり、同様に、第一の水路蓋10に覆われる側壁面11の角部27(図8参照)もR形状や斜面等の滑らか形状とする。
また、貫通孔14の開口部20aから貫通孔15の開口部20bまでの連結流路19は、図3(a)に示すように冷媒流れ方向に向かってその幅(図中の左右方向の流路のサイズをここでは幅と呼ぶ。以下同様)が拡大し縮小する形状となっている(図12参照。なお、図12は図2を左側面から見た場合を説明するための図であり、図3の参考となる図である)。すなわち、連結流路19を拡大させることによって、貫通孔14から連結流路19への切り替わり箇所で冷媒は拡がるように流れ、拡大しない場合と比べて隅部の流体抵抗が低減し、冷媒が積極的に隅部に流れこむため、水路蓋10の隅部21(図2参照)における冷媒流れの剥離を回避する。その後は、貫通孔15に向かって連結流路19は縮小する。他に、図3(b)のように、連結流路19を筐体の側壁面11a内で曲率半径を大きくして曲折させる形状が気泡を溜めない対策として有効である(図3(b)参照。例えば、この図のようにPからQに変更する)。これにより冷媒流れの剥離を回避し、さらに気泡を押し流すように流速を大きく設定しているため、安定して気泡を押し流す事が可能である。
また、連結流路19に冷媒流れのガイドとなる突起物24を設置することで、冷媒流れが整流化され冷媒流れの剥離が回避されるので、空気が流れやすくなる。
図2に示すように、貫通孔14と貫通孔15をつなぐ副流路22は、連結流路19とは別に筐体の側壁面11bに設置する。単位時間当たりに流入する気泡が貫通孔15のパイプ18の隅部28(この隅部28での冷媒の流れの状況は隅部21での状況とは異なる)に大量に流れてくると、それらの気泡がまとまることで大きな気泡に発達し、それが溜まった状態で定常に達してしまう場合がある。ウォータポンプが停止すると、気泡は浮力により副流路22を通じて導入口であるパイプ17付近に戻り、再度、ウォータポンプを起動すると、冷媒流れによって気泡は小さい気泡に砕かれ、上記隅部28で溜まることなく導出口であるパイプ18から流れ出る。
実施の形態1の効果は下記の通りである。
(1)台座部6内に貫通孔を1つ備える従来発明と比べて、台座部6内に貫通孔を2つ備えるとともに、これら貫通孔に流れる冷媒の流速が大きいため、冷却性能が向上する。
(2)磁性体部品が大きくなる場合、台座部高さは磁性体部品の高さ以上とすることが望ましい。しかし、従来発明では、台座部高さは、台座部厚み方向、つまり、水路から部品冷却面に至る方向の熱抵抗、台座部の軽量化のため、貫通孔の大きさに制限されてしまう(なお、台座部厚みとは、図1のLt1、あるいはLt2を意味する)。これに対して本発明では、磁性体部品5の高さ以上の台座部6を有する電力変換装置を備えているため、有効冷却面積(ここで有効とは、電気電子部品内の発熱箇所が冷却されるという意味で用いている。発熱体と冷却面との熱交換が活発であるほど有効である。)が大きくなる。
(3)磁性体部品5の高さ以上の台座部6の主要面3にスイッチング素子4を備えることで、同一の基板に実装することが可能となり、従来発明と比べてコスト安となる。
実施の形態2.
実施の形態2については、図5を用いて説明する。実施の形態1と異なる箇所を下記に記載する。それ以外は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
図5で、パイプ18を導入口、パイプ17を導出口とすることで、電子部品の冷却用の冷媒は、パイプ18から流入し、貫通孔15、連結流路19、貫通孔14を流れ、パイプ17より流出する(この一連の流路を主水路と呼ぶ)。パイプ18から流入した気泡は、主水路を通らず、浮力によって副流路22を通じてパイプ17から流出する。
本実施の形態の効果は、気泡がスイッチング素子4と磁性体部品5の冷却に関係する主水路を通らず、冷却と無関係である主流路とは別の流路である副流路22を通じて導出口であるパイプ17から流出する点である。
実施の形態2の効果は下記の通りである。
気泡の熱伝導率は冷媒(具体的には水、ロングライフクーラントなど)と比べて桁が異なるほど低いため、気泡の侵入は冷却器の冷却性能を極端に悪化させる。本実施の形態では、気泡が主水路を通らないため、高い冷却効率を実現できる。
実施の形態3.
実施の形態3について、図6〜10を用いて説明する。実施の形態1と異なる箇所を下記に記載する。それ以外は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
図6に示すとおり、筐体2には、第一の台座部6aと第二の台座部6bを対面させ互いに並べて配置することにより、凹部29が形成されている。この凹部29には第一の台座部6aと第二の台座部6bに挟まれるように磁性体部品5が載置される。また、両台座部6a、6bの主要面3には、スイッチング素子4が載置されている。第一の台座部6a内
には第一の貫通孔15a、貫通孔14aが形成され、第二の台座部6b内には第二の貫通孔14b、貫通孔15bが形成される。また、伝熱性能のよいポッティング剤25が凹部29内(図6参照)において、凹部29の内壁面と磁性体部品5との間隙を埋めるように充填され、磁性体部品5により発熱した熱を台座部6a、6bに伝熱している。
図9に示すとおり、貫通孔15aと貫通孔14aは水路蓋10と筐体の側壁面11aから構成される流路で連結され、図8に示すとおり、貫通孔14aと貫通孔14bは水路蓋10と筐体の側壁面11bから構成される流路で連結され、図10に示すとおり、貫通孔14bと貫通孔15bは水路蓋10と筐体の側壁面11aから構成される流路で連結される。冷媒は、導入口であるパイプ17、貫通孔15a、貫通孔14a、貫通孔14b、貫通孔15bを通って、導出口であるパイプ18(図9、図10参照)から流出する。
実施の形態3の効果は下記の通りである。
(1)従来発明では、貫通孔の長さLを貫通孔直径Rより大きくすることでスイッチング素子を冷却する主要面を増大させることは可能(図13参照)である。しかし、貫通孔の長さが貫通孔の直径より大きくなるにつれて、その孔の形成が難しくコスト高となることに対して、本実施の形態では、筐体の一辺の長さと等しい貫通孔を、水路蓋10を用いて連結させて流路を構成させるので、コスト安で有効冷却面積を増大させることができる。図13において、筐体102の内部には、スイッチング素子104、台座106、この台座106に載置された電子部品105が収納され、貫通孔114が筐体102に挿着されている。この図で貫通孔114の直径はR、長さはLである。
(2)本形態では2つの台座部で挟まれるように磁性体部品を収納する凹部が形成されるので、磁性体部品における一側壁面の一部分だけを冷却していた従来発明(例えば特許第4983959号公報参照)と比べて、磁性体部品における側壁面の全周囲(側壁面全体)を冷却できる本実施の形態は冷却性能が高い。
実施の形態4.
本実施の形態4について図14を用いて説明する。本実施の形態では、実施の形態3に比較して、電力変換装置を複数備えている点で異なる。例えば、図中、第一の電力変換装置1aは充電器、第二の電力変換装置1bは降圧DC/DCであるような場合である。本実施の形態においては、主要面3a、3bが台座部6c、6dの上下2箇所にそれぞれ配設されており、これらの主要面3a、3bにそれぞれ対応して、スイッチング素子4a、4bが載置されている。以上のように、一つの筐体に二つの電力変換装置を収納できるので、複数の電力変換装置を内蔵する筐体の共有化を図ることができるため、装置のコストダウン、省スペース化が可能となる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1、1a、1b 電力変換装置、2 筐体、3、3a、3b 主要面、4、4a、4b スイッチング素子、5、5a、5b 磁性体部品、6、6a、6b、6c、6d 台座部、7 筐体蓋、8 載置面、10、16、16a、16b 水路蓋、11、11a、11b 側壁面、12a、12b、20a、20b 貫通孔の開口部、13 基板、14、14a、14b、14c、14d、15、15a、15b、15c、15d 貫通孔、17、18 パイプ、19 連結流路、21 水路蓋の隅部、22 副流路、23 デットスペース、24 突起物、25 ポッティング剤、26、27 角部、28 パイプの隅部、29 凹部。

Claims (11)

  1. 電力変換に関わる複数の電子部品を収納する筐体と、
    前記筐体の内部に配置され、前記電子部品を冷却する冷媒を流すための複数の貫通孔を有する台座部と、
    前記複数の貫通孔の端部に形成された開口部を、前記筐体の上下方向に互いに連結して、前記冷媒を流すための流路を構成する水路蓋と、
    前記台座部の上部に形成された主要面に載置されている第一の電子部品と、
    前記台座部の外形面であって前記主要面に垂直な側壁面に隣接して載置されている第二の電子部品と、
    を備え
    前記流路は、上側に位置する貫通孔から下側に位置する貫通孔に向かう前記冷媒の流れ方向にその幅が拡大し縮小する形状、または上側に位置する貫通孔から下側に位置する貫通孔まで前記筐体の側壁面内で曲率半径を大きくして曲折させる形状を有することを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記流路は、上側に位置する貫通孔から下側に位置する貫通孔に前記筐体の側壁面内で円弧状に連結する形状を有することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記台座部の有効高さは、前記第二の電子部品の高さよりも大きくなるように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 記貫をつなぐ主流路とは別の流路を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 前記第二の電子部品の大きさは、前記第一の電子部品より大きいことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記第一の電子部品と前記第二の電子部品は、同一基板上に実装されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記流路は、冷媒の流れ方向に対する垂直方向の断面積が一定であることを特徴とする
    求項1から6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 前記流路の幅が一定であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  9. 前記流路内には突起物が設置されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  10. 前記電力変換装置は第一の電力変換装置と第二の電力変換装置を有し、
    前記台座部の上壁面は前記第一の電力変換装置を構成する電子部品を、
    前記台座部の下壁面は前記第二の電力変換装置を構成する電子部品を、
    それぞれ冷却することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  11. 2つの台座部で挟まれるように前記第二の電子部品を収納する凹部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
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