JPH11219814A - 超電導マグネットおよびその予冷方法 - Google Patents

超電導マグネットおよびその予冷方法

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JPH11219814A
JPH11219814A JP10017481A JP1748198A JPH11219814A JP H11219814 A JPH11219814 A JP H11219814A JP 10017481 A JP10017481 A JP 10017481A JP 1748198 A JP1748198 A JP 1748198A JP H11219814 A JPH11219814 A JP H11219814A
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JP
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superconducting
coil
cooling
superconducting magnet
superconducting coil
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JP10017481A
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English (en)
Inventor
Tsukasa Wada
司 和田
Koji Ito
孝治 伊藤
Masanori Shin
政憲 新
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】超電導マグネットに関し、初期冷却に要する時
間の短縮を図ること、冷媒を補給し続けなくとも十分な
冷却が行えるようにすること、コイルと冷却部とが非接
触でも大きい冷却効果が得られること、および熱負荷の
余裕が大きく高熱等を受けても超電導状態の破壊を防止
できるようにすること等を目的とする。 【解決手段】環状に形成された超電導コイル22と、超
電導コイル22を包囲する熱シールド23と、熱シール
ド23を包囲する真空容器25と、真空容器25に取着
され、超電導コイル22および熱シールド23を冷却す
る冷凍機24とを備えた超電導マグネット21におい
て、超電導コイル22に初期冷却用として、冷凍機24
よりも冷凍能力が高い予冷装置28を直接または間接に
付設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍機冷却型の超
電導マグネット、およびこの超電導マグネットの予冷方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の超電導マグネットとし
て、例えば図9に示すように、超電導コイルを冷凍機で
直接的に冷却する冷凍機直接冷却型の超電導マグネット
が知られている(特開平6−132567号等)。この
図9に示した超電導マグネットは、真空容器(クライオ
スタット)1と、この真空容器1の内部に収納された熱
シールド板2と、このシールド板2で包囲された超電導
コイル3と、この超電導コイル3に励磁電流を供給する
ための正負極一対の高温超電導電流リード4と、コイル
冷却用の第1段冷却ステージ5Aおよび第2段冷却ステ
ージ5Bを有する冷凍機5とから成る構成とされてい
る。
【0003】超電導コイル3は、コイル巻枠6に超電導
線材7を巻付けたもので、その外周に冷却促進部材とし
て外周冷却用銅ブロック8を締め付けてある。この外周
冷却用銅ブロック8およびコイル巻枠6を蓄冷式冷凍機
5の第2段冷却ステージ5Bに接触固定することによ
り、超電導線材7を極低温まで冷却するようになってい
る。
【0004】但し、この技術では、熱容量の大きい超電
導コイル3を冷凍機5だけで冷却する構成であるため、
初めに室温から極低温まで冷却する(初期冷却)ときに
は、非常に長い時間を要するものであった。
【0005】また、これに関連して、超低温冷却を行う
技術として、例えば図10に示す冷却材分配方式のもの
も知られている(特開平6−209059号等)。この
技術は、液体冷媒を用いた冷却方法および装置について
のものであり、被冷却物9の被冷却面10を繊維マット
11等の液相冷却材分散手段に接触させ、この繊維マツ
11等に冷却材分配系11aから液相冷却材を供給し、
その冷却材を繊維マット11等の多孔性を利用して分散
させることで被冷却物9を効率よく冷却するようにして
いる。
【0006】しかし、この技術では、液体冷媒が繊維マ
ット11等に十分に接触・保持されている間は十分に冷
却できるが、一旦、液体冷媒が気化してしまうと液体冷
媒の補給が困難であり、液体冷媒を補給し続けなければ
ならないものであった。
【0007】さらに、図11に示すように、気体冷媒を
用いた冷却技術も知られている(特開平5−29222
号等)。この技術では、載置台12とこの載置台12上
に保持された被処理物13との間隙に、ガス導入管14
を介して伝熱媒体としての気体冷媒を導入するようにし
ている。
【0008】ところが、この技術は載置台12と被処理
物13との間隙が小さい場合には有効であるが、間隙が
大きい場合には効果が小さいものであった。
【0009】さらにまた、図示しないが、特開平7−9
0249号等では、高熱伝導性充填剤として、充填剤基
材となるグラファイト粉中に吸着している空気を、ヘリ
ウムあるいは水素などの高熱伝導性のガスに置換する技
術が開示されている。
【0010】しかし、この技術による高熱伝導性充填剤
を使用しても大きな熱侵入や急激な発熱に対しては必ず
しも十分な効果が得られず、局部的に温度上昇して、超
電導状態が壊れる場合がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の技術においては、種々の課題がある。即ち、図9に示
した技術では熱容量の大きい超電導コイル3を冷凍機5
だけで冷却するため、初めに室温から極低温まで冷却す
る(初期冷却)ときに非常に長い時間を要した。超電導
コイル3が冷却されて超電導となっている状態では、冷
凍機5の第2段冷却ステージ5Bへの熱侵入量(熱負
荷)は、一般的に1W以下と小さく十分に冷凍機で冷却
できる状態である。しかし、1W程度の冷却能力で超電
導コイル3を冷却すると、初期予冷に数日から数週間を
要する。そこで、初期冷却に要する時間を短くする手段
が望まれている。
【0012】また、図10に示した技術では、液体冷媒
が繊維マット11等に十分に接触・保持されている間は
十分に冷却できるが、一旦、液体冷媒が気化してしまう
と液体冷媒の補給が困難であり、また、液体冷媒を補給
し続けなければならないという課題があった。そこで、
液体冷媒を補給し続けなくとも冷却が可能な手段が望ま
れている。
【0013】さらに、図11に示した技術では、載置台
12と被処理物13との間隙が小さい場合には有効で
も、間隙が大きい場合には効果が小さいという課題があ
った。そこで、間隙の大きい場合でも冷却の効果が大き
くなる手段が望まれている。
【0014】さらにまた、特開平7−90249号等で
開示された技術では、高熱伝導性充填剤を使用しても大
きな熱侵入や急激な発熱には効果が小さく、局部的に温
度上昇してしまい、超電導状態が壊れてしまうという課
題があった。そこで、大きな熱侵入や急激な発熱でも超
電導状態が壊れないような手段が望まれている。
【0015】本発明はこのような事情のもとになされた
ものであり、超電導マグネットに関し、初期冷却に要す
る時間の短縮を図ること、冷媒を補給し続けなくとも十
分な冷却が行えるようにすること、コイルと冷却部とが
非接触でも大きい冷却効果が得られること、および熱負
荷の余裕が大きく高熱等を受けても超電導状態の破壊を
防止できるようにすること等を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、環状に形成された超電導コ
イルと、この超電導コイルを包囲する輻射シールドと、
この輻射シールドを包囲する真空容器と、この真空容器
に取着され、前記超電導コイルおよび輻射シールドを冷
却する定常運転用の冷凍機とを備えた超電導マグネット
において、前記超電導コイルを直接または間接に初期冷
却する手段として、前記冷凍機よりも冷凍能力が高い予
冷装置を設けたことを特徴とする超電導マグネットを提
供する。
【0017】請求項2の発明では、請求項1記載の超電
導マグネットにおいて、予冷装置は、着脱可能な冷凍機
または超電導コイルの周方向側に沿って設けたコイル状
の予冷管であり、この予冷管の内部には予冷用冷媒とし
て液体窒素または液体ヘリウムが供給されるものである
ことを特徴とする超電導マグネットを提供する。
【0018】以上の発明によれば、超電導コイルに予冷
装置を設けたことにより、予冷装置の冷却能力を冷凍機
による冷却能力よりも十分高いものにすることで、初期
冷却に要する時間の短縮が図れる。
【0019】請求項3の発明では、環状に形成された超
電導コイルと、この超電導コイルを包囲する輻射シール
ドと、この輻射シールドを包囲する真空容器と、この真
空容器に取着され、前記超電導コイルおよび輻射シール
ドを冷却する冷凍機とを備えた超電導マグネットにおい
て、前記超電導コイルをコイル容器内に収納し、このコ
イル容器内にヘリウムガスを充填したことを特徴とする
超電導マグネットを提供する。
【0020】請求項4の発明では、請求項3記載の超電
導マグネットにおいて、ヘリウムガスは超臨界ヘリウム
であることを特徴とする超電導マグネットを提供する。
【0021】以上の発明によれば、コイル容器内にヘリ
ウムガスまたは超臨界ヘリウムガスを充填することによ
り、固体伝導のみによるものに比して、熱伝導率を大き
くすることができる。
【0022】請求項5の発明では、請求項3または4記
載の超電導マグネットにおいて、コイル容器の重力方向
上部に、このコイル容器を冷却する冷却部を設けたこと
を特徴とする超電導マグネットを提供する。
【0023】請求項6の発明では、請求項5記載の超電
導マグネットにおいて、コイル容器の冷却部をコイル容
器上部の一部分に設けたことを特徴とする超電導マグネ
ットを提供する。
【0024】請求項7の発明では、請求項3から6まで
のいずれかに記載の超電導マグネットにおいて、超電導
コイルは、このコイルを巻付ける巻枠とともに、または
その巻枠を巻線後に外した状態で、コイル容器に収納し
たことを特徴とする超電導マグネットを提供する。
【0025】請求項8の発明では、請求項7記載の超電
導マグネットであって、超電導コイルを巻枠とともにコ
イル容器に収納したものにおいて、前記巻枠の周壁に孔
またはスリットを穿設したことを特徴とする超電導マグ
ネットを提供する。
【0026】請求項9の発明では、請求項8記載の超電
導マグネットにおいて、巻枠に穿設した孔の径またはス
リットの長手方向寸法が、前記巻枠の板厚よりも大きい
ことを特徴とする超電導マグネットを提供する。
【0027】以上の構成によれば、冷却媒体となるヘリ
ウムガスが流れ易くなり、しかも、超電導コイルとの接
触面積が増えるので、超電導コイルとコイル容器間の熱
伝達率が向上し、冷凍機の冷却で十分に冷却されるよう
になるためコイル容器に液体ヘリウムを注入する必要が
なくなる。
【0028】請求項10の発明では、請求項3から9ま
でのいずれかに記載の超電導マグネットであって、超電
導コイルを巻枠とともにコイル容器に収納したものにお
いて、前記巻枠に冷媒整流用の整流リブを設けたことを
特徴とする超電導マグネットを提供する。
【0029】請求項11の発明では、請求項10記載の
超電導マグネットにおいて、整流リブは巻枠に螺旋状に
設けられていることを特徴とする超電導マグネットを提
供する。
【0030】請求項12の発明では、請求項3から11
までのいずれかに記載の超電導マグネットであって、超
電導コイルを巻枠とともにコイル容器に収納したものに
おいて、前記巻枠と前記コイル容器との隙間寸法が、前
記巻枠の板厚寸法よりも大きいことを特徴とする超電導
マグネットを提供する。
【0031】請求項13の発明では、請求項3から12
までのいずれかに記載の超電導マグネットであって、超
電導コイルを巻枠とともにコイル容器に収納したものに
おいて、前記巻枠と前記コイル容器との隙間またはリブ
間に、乱流促進機構を設けたことを特徴とする超電導マ
グネットを提供する。
【0032】請求項14の発明では、請求項3から13
までのいずれかに記載の超電導マグネットにおいて、超
電導コイルを軸方向に沿って複数に分割した構造とした
ことを特徴とする超電導マグネットを提供する。
【0033】以上の構成によれば冷凍機の冷却部とヘリ
ウムガス、あるいは、ヘリウムガスと超電導コイルとの
間の熱伝達率をさらに向上することができる。
【0034】請求項15の発明では、環状に形成された
超電導コイルと、この超電導コイルを包囲する輻射シー
ルドと、この輻射シールドを包囲する真空容器と、この
真空容器に取着され、前記超電導コイルおよび輻射シー
ルドを冷却する冷凍機とを備えた超電導マグネットにお
いて、前記超電導コイルに蓄冷材からなる熱容量増加手
段を付設したことを特徴とする超電導マグネットを提供
する。
【0035】このような構成によれば、超電導コイルが
急激に温度上昇することがなくなり、大きな熱侵入や急
激な発熱に対しても超電導状態の破壊を防止することが
できる。
【0036】請求項16の発明では、請求項15記載の
超電導マグネットにおいて、熱容量増加手段は、超電導
コイルに取着した蓄冷材パックであることを特徴とする
超電導マグネットを提供する。
【0037】請求項17の発明では、請求項16記載の
超電導マグネットにおいて、蓄冷材パックは、超電導コ
イルの外周面または内周面に同軸的に取着した環状のも
の、または前記外周面または内周面に周方向に沿って間
隔的に接合した短冊状のものであることを特徴とする超
電導マグネットを提供する。
【0038】請求項18の発明では、請求項15記載の
超電導マグネットにおいて、熱容量増加手段は、超電導
コイルに取着した蓄冷材テープであることを特徴とする
超電導マグネットを提供する。
【0039】請求項19の発明では、請求項15記載の
超電導マグネットにおいて、熱容量増加手段は、超電導
コイルの巻線を構成する超電導線の間に介在させたシー
ト状または紐状の蓄冷材であることを特徴とする超電導
マグネットを提供する。
【0040】請求項20の発明では、請求項19記載の
超電導マグネットにおいて、蓄冷材はEr3 Ni、Er
2 、Er0.4 Dy2 、ErNi、Er0.2 Dy0.8
2、DyNi2 、PbまたはGd0.5 Er0.5 Rhで
あることを特徴とする超電導マグネットを提供する。
【0041】請求項21の発明では、請求項15記載の
超電導マグネットにおいて、熱容量増加手段は、超電導
コイルをコイル容器内に収納し、これらコイル容器と超
電導コイルとの空隙に蓄冷材を充填した構成であること
を特徴とする超電導マグネットを提供する。
【0042】以上の構成によれば、蓄冷材の種類や形状
に合わせて、超電導コイルに蓄冷材を容易に取着できる
ようになる。
【0043】請求項22の発明では、請求項2記載の超
電導マグネットの冷却に際し、定常運転用の冷凍機によ
る冷却運転の途中で、予冷用の冷凍機を装着し、または
予冷管に液体窒素もしくは液体ヘリウムを供給して超電
導コイルを冷却することを特徴とする超電導マグネット
の予冷方法を提供する。
【0044】請求項23の発明では、環状に形成された
超電導コイルと、この超電導コイルを包囲する輻射シー
ルドと、この輻射シールドを包囲する真空容器と、この
真空容器に取着され、前記超電導コイルおよび輻射シー
ルドを冷却する冷凍機とを備え、前記超電導コイルをコ
イル容器に収納した超電導マグネットの予冷方法であっ
て、前記冷凍機での冷却途中に、前記コイル容器に液体
窒素または液体ヘリウムを供給して超電導コイルを冷却
することを特徴とする超電導マグネットの予冷方法を提
供する。
【0045】請求項24の発明では、請求項22または
23記載の超電導マグネットの予冷方法において、液体
窒素または液体ヘリウムの供給は、超電導マグネットと
着脱自在な供給装置から循環供給することを特徴とする
超電導マグネットの予冷方法を提供する。
【0046】以上の方法によれば、初期冷却に要する時
間が短くなるばかりでなく、必要に応じて、冷却能力を
増加させたり、また、逆に、あまり冷却能力を必要とし
ない場合には余分な機器・装置を外すことができる。
【0047】請求項25の発明では、環状に形成された
超電導コイルと、この超電導コイルを包囲する輻射シー
ルドと、この輻射シールドを包囲する真空容器と、この
真空容器に取着され、前記超電導コイルおよび輻射シー
ルドを冷却する冷凍機とを備えた超電導マグネットにお
いて、前記超電導コイルの巻線を構成する超電導線の間
に高熱伝導率材製の冷却促進用シートを介在させたこと
を特徴とする超電導マグネットを提供する。
【0048】請求項26の発明では、請求項25記載の
超電導マグネットにおいて、冷却促進用シートは、アル
ミニウム、インジウム、鉛またはこれらの合金によって
構成したことを特徴とする超電導マグネットを提供す
る。
【0049】請求項27の発明では、請求項25または
26記載の超電導マグネットにおいて、冷却促進用シー
トの形状を短冊形としたことを特徴とする超電導マグネ
ットを提供する。
【0050】以上の構成によれば、コイル内部の熱伝導
が良くなり、初期冷却に要する時間が短くなる。また、
熱侵入に対してコイル内部の温度差が小さくなり、コイ
ルの一部が局部的に温度上昇し、超電導状態が壊れるこ
とが少なくなる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図1〜図8を参照して説明する。
【0052】図1は、各種物性試験用として適用される
超電導マグネットの要部を概略的に示す斜視図である。
【0053】この図1に示す超電導マグネット21は、
環状の超電導コイル22と、この超電導コイル22を包
囲する輻射シールドとしての熱シールド23と、これら
の超電導コイル22と熱シールド23とを冷却するため
の定常運転用の冷凍機24と、これらを断熱保持する真
空容器(クライオスタット)25とを備えた構成として
いる。
【0054】冷凍機24は第1段ステージ24aおよび
第2段ステージ24bを有し、第1段ステージ24aで
は約40Kまでの冷却が行われ、第2段ステージ24b
では4K以下の冷却が行われる。第1段スーテジ24a
は熱伝導体26を介して熱シールド23に接続され、ま
た第2段ステージ24bは伝熱導体27を介して超電導
コイル22に接続されている。これにより、超電導コイ
ル22は約4Kまで伝導冷却され、熱シールド23は約
40Kにまで冷却される。
【0055】超電導コイル22の外周部には、冷凍機2
4と別に、冷媒としての液体ヘリウムまたは液体窒素を
流すことができる予冷装置としての予冷管28がコイル
状に巻かれて熱的に強固に接合されている。この予冷管
28の真空容器25からの引出し端部28aが、図示し
ない着脱可能な冷媒供給源に接続されている。
【0056】超電導マグネット21の使用時には、超電
導コイル22に図示しない電源から励磁用電流を供給す
る一方、冷凍機24の駆動により超電導コイル22の冷
却を行う。この場合、冷凍機24の運転途中で予冷管2
8に液体窒素および液体ヘリウムを冷却状態に応じて順
に供給することで予冷を行う。
【0057】即ち、この場合には、まず予冷管28に液
体窒素を流すことにより超電導コイル14を室温から約
100Kまで冷却し、次に予冷管28に液体ヘリウムを
流す。
【0058】このように、予冷管28を使用して超電導
コイル22を予冷した場合には、冷凍機24のみで超電
導コイル22を室温から4Kまで冷却するのに10日間
要したものが、15時間程度で4Kまで冷却できるよう
になり、初期冷却に要する時間の短縮が図れる。
【0059】図2は、超電導コイル22を拡大して示す
部分断面図である。
【0060】この図2に示すように、本実施形態では超
電導コイル22を構成する超電導線29を密閉環状のコ
イル容器30内に収納している。そして、超電導線29
の周囲とコイル容器30との間には、間隙31,32,
33,34を開け、かつコイル容器30内にヘリウムガ
ス35を充填している。このヘリウムガス35として
は、超臨界ヘリウムを適用することが望ましい。
【0061】また、コイル容器30の重力方向上部の一
部、例えば図2に斜線部30aで示した内周側部分を、
図示しない冷凍機によって冷却される冷却部としてい
る。
【0062】このように、超電導線29とコイル容器3
0との間に充分な隙間31,32,33,34を開けた
状態でコイル容器30内にヘリウムガス35を充填し、
そのコイル容器30の冷却部である上部内周側部分30
aを強制的に冷却することにより、コイル容器30の上
部内周側部分30aで冷却されたヘリウムガス35は、
超電導線29の内周側の隙間31を下り、超電導線29
の下方の隙間32、同外周側の隙間33および上側の隙
間34を通り、再び冷却部へ戻るという対流が起こり、
これによって超電導線29が冷却される。即ち、ヘリウ
ムガス35の対流により、超電導線29とヘリウムガス
35との熱伝導率が大きくなり、高性能の冷却機能が得
られる。
【0063】この場合、隙間形成手段としては、超電導
線29をコイル状に巻付けるための巻枠を、巻線後に取
外した状態で、コイル容器30に収納すること等の手段
が適用できる。これにより、超電導線29の内周側に隙
間31を容易に形成することができる。
【0064】これに対し、上記の巻枠を取外すことな
く、超電導線29とともにコイル容器30に収納する場
合には、ヘリウムガス35と超電導線29との接触を促
進するための工夫を要する。
【0065】図3は、このような工夫を施した巻枠の構
成例を示す斜視図である。
【0066】この図3に示すように、巻枠36は軸方向
両端にフランジを有する円筒状のものであり、この巻枠
36は外周側に超電導線29を巻装した状態で、前記の
コイル容器30に収納される。本実施形態では、この巻
枠36の周壁に多数の孔37を穿設している。これらの
孔37は、図示の如く円形孔とし、または図示しないが
巻枠36の軸方向に長い長孔またはスリットとしてもよ
い。この図3の構成では、例えば巻枠36をできるだけ
薄くすることにより、円形の孔37の径dを巻枠36の
板厚tよりも十分大きくすることが実現できる。
【0067】このような構成によれば、巻枠36を取外
すことなく超電導線29とともにコイル容器30に収納
しても、巻枠36の内周側とコイル容器30との間に隙
間を形成しておくことにより、孔37を介してヘリウム
ガス35が超電導線29に接触し、前記同様の冷却効果
を奏することができる。
【0068】なお、円形の孔37の径d、または図示し
ない長孔またはスリットの長さが巻枠36の厚さtより
も小さいと、巻枠36の表面に沿って流れるヘリウムガ
スが十分に超電導線29の表面に接触せず、孔37等の
効果が十分に生きないので、前記の如く、dをtよりも
大きくするものである。
【0069】また、図3の例では、巻枠36の内周面に
ヘリウムガス35の流れを整流するための整流リブ38
を設けている。この整流リブ38は、例えば螺旋状をな
している。このような整流リブ38を設けることによ
り、各リブ間の流量がバランスして冷却効果の均一化が
図られる。なお、流量アンバランスが生じた場合には、
流量の多い部分は乱流となり易いために、流れの抵抗が
増し、自然にアンバランスが解消されるよう作用する。
また、乱流は熱伝達率を大きくする方向に作用するた
め、超電導コイル22全体としての冷却能力が損われる
ことはない。
【0070】なお、図3の例では、整流リブ38の螺旋
角度が十分に得られないように見えるが、一つのリブ構
成で巻枠36を最低一周以上巻回する角度で付設すれ
ば、リブ間の流量アンバランスが生じたままであって
も、そのリブ間で流動するヘリウムガスによる冷却だけ
で、超電導コイル22の全長に亘って十分な冷却効果が
得られる。
【0071】なお、超電導コイル22は、その構造上、
円周方向には超電導線29による巻線の熱伝導で十分に
冷却されるが、軸方向では熱伝達が非常に悪い構造とな
っているので、超電導コイル22の全長に亘ってヘリウ
ムガスが十分に流れるようにして、冷却効果を向上させ
ることが望ましい。
【0072】また、本実施形態では、巻枠36とコイル
容器30との隙間を、その巻枠36の板厚よりも大きく
して、ヘリウムガス35の流量が十分にとれるようにす
ることが望ましい。そして、この状態で、巻枠36とコ
イル容器30との隙間やリブ間に、乱流促進機構を設け
れば、巻枠36や超電導線29とヘリウムガス35との
熱伝達ひいては超電導コイル22の冷却性が良くなり、
信頼性の向上が図れる。
【0073】このように、ヘリウムガスで超電導線29
を冷却する構成によれば、非含浸コイルのようなコイル
巻線間での熱伝導が小さく、コイルの一部を冷却しても
全体が冷えにくい構造の超電導コイルであっても、良好
な冷却効果が得られるようになる。特に、初期冷却の際
にその効果が大きく、短時間での冷却が可能となる。
【0074】また、このようにして、超電導線29とコ
イル容器30との間の熱伝達率を向上する構成によれ
ば、冷凍機24によって十分にコイル冷却が行われるの
で、液体ヘリウムをコイル容器30に注入する等の必要
もなくなる。
【0075】なお、図示しないが、コイル状に巻かれた
超電導線29を複数のエレメントとして軸方向に分割し
た構成とすれば、ヘリウムガス35と超電導線29との
接触面積が増加し、冷却効果はさらに大きくなる。
【0076】また、ヘリウムガス35は、4K程度では
比熱が大きいため、蓄冷材としての機能も発揮する。即
ち、冷却時間のうち、殆どが室温から100K付近まで
の冷却に要する時間であり、この温度範囲ではヘリウム
ガスの熱容量が桁違いに小さく、一方、ヘリウムガスは
4K付近では逆に桁違いに大きな比熱を有するため、初
期冷却時には冷却の負荷とならずに熱伝導率を向上させ
る効果を発揮し、しかも低温では蓄冷材としての効果を
示すものである。
【0077】次に、超電導線29による巻線の内部にお
ける蓄冷機能を向上させる熱容量増加手段について説明
する。
【0078】即ち、超電導コイル22への通電電流を増
加または減少させるときにはACロスが生じ、超電導コ
イルが発熱する。このため、ある程度以上に速い速度で
通電電流を増減させると、超電導コイル22の超電導状
態が壊れる可能性がある。そこで、超電導状態を破壊す
ることなく、超電導コイル22の通電電流を速い速度で
増減できるようにすることが望ましく、これが達成でき
れば、超電導コイル22の使用範囲が拡がり、運転費用
も低減できるようになる。
【0079】図4(A)は、超電導コイル22の一部を
示す図であり、図4(B)は同図(A)で示したコイル
中の超電導線29部分を抽出して示す図である。
【0080】この図4(A),(B)に示すように、本
実施形態では、超電導線29をコイル状に巻く工程の途
中で、コイル層間に例えばEr3 Ni(エルビニウムニ
ッケル)によって構成されたシート状の蓄冷材39を巻
込み、これにより、コイル層間の熱容量を増加させたも
のである。
【0081】層間に何らの蓄冷材をも介在させない超電
導コイルの場合、通電速度の限度が10A/sであるの
に対し、ほぼ同一構成のコイル層間に蓄冷材39を介在
させた本実施形態のものでは、約3倍程度速く通電電流
を増減することができることが認められた。
【0082】したがって、本実施形態によれば、同一通
電電流の増減速度で使用した場合、超電導線29の超電
導状態が壊れる虞がほぼ皆無と言えるまでに減少するた
め、超電導マグネットとしての信頼性を大幅に向上する
ことができる。
【0083】なお、図4(A)の例では、蓄冷材39を
シート状としたが、同図(C)に示すように、紐状とし
てもよく、また図示しないが、テープ状としてもよい。
さらに、層間ではなく、超電導線29の周囲に巻付けた
構成としてもよい。
【0084】さらにまた、蓄冷材39の材質としては、
前記Er3 Niのほか、ErNi2,Er0.4 Dy0.6
Ni2 ,ErNi,Er0.2 Dy0.8 Ni2 ,DyNi
2 ,Pb,Gd0.5 Er0.5 Rh等を適用してもよく、
これらによっても前記同様の効果が得られる。
【0085】また、超電導コイル22に付設する熱容量
増加手段は、そのコイル外周側に配置することも可能で
ある。
【0086】即ち、図5および図6に示すように、熱容
量増加手段は、超電導コイル22の外周部に取着した蓄
冷材パック40とすることも可能である。この蓄冷材パ
ック40は、図5に示した構成では、超電導コイル22
の外周面に同軸的に被着した環状のものとしている。ま
た図6に示した構成では超電導コイル22の外周面に周
方向に沿って間隔的に接合した短冊状のものとしてい
る。
【0087】このような構成によっても、熱容量の増加
によって前記同様の効果が奏される。これら図5および
図6の例では、さらに施工が容易である等の利点が得ら
れる。
【0088】なお、図5および図6の例では蓄冷材パッ
ク40を超電導コイル22の外周側に貼り付けた構成と
したが、内周側に貼り付けることも可能である。
【0089】なお、図5に示した蓄冷材パック40は、
超電導線29と同一方向に貼り付けるため、その蓄冷材
パック40間に隙間がある場合には、その隙間に位置す
る超電導線29に対する蓄冷効果は低いが、図6に示し
た短冊形の蓄冷材パック40の場合には、超電導線29
の軸方向に沿って貼り付けることができるため、蓄冷材
パック40間に隙間があったも大きい蓄冷効果を維持す
ることができる。
【0090】なお、蓄冷材パック40の材質について
も、前記同様に、Er3 Ni、ErN2 、Er0.4 Dy
2 、ErNi、Er0.2 Dy0.8 Ni2 、DyNi2
PbまたはGd0.5 Er0.5 Rh等を適用することがで
きる。
【0091】図7は本発明の他の実施形態を示す要部斜
視図である。
【0092】この図7に示した実施形態の超電導マグネ
ット21も、環状に形成された超電導コイル22と、こ
の超電導コイル22を包囲する熱シールド23と、この
熱シールド23を包囲する真空容器25と、この真空容
器25に取着され、超電導コイル22および熱シールド
23を冷却する定常運転用の冷凍機24とを備えた構成
とされている点では前記一実施形態と同様である。
【0093】但し、この実施形態の超電導マグネット2
1においては、超電導コイル22を予冷するための予冷
装置として別の冷凍機41を設けている。
【0094】この予冷用冷凍機41は、定常運転用の冷
凍機24よりも大容量のもので、真空容器25に着脱可
能に付設されている。この予冷用冷凍機41の第2段ス
テージ41aに直接、銅製の熱伝導板42が取付けら
れ、この熱伝導板42が、超電導コイル22に取付けた
熱伝導板43と接触する構造になっている。
【0095】そして、この予冷用冷凍機41は、超電導
コイル22の初期冷却の時にのみ装着されて稼動し、4
0〜50K程度まで冷却したところで取外し、または熱
的に切断できるようになっている。
【0096】このような図7に示した実施形態によれ
ば、予冷用冷凍機41を着脱して予冷できるようにした
ことにより、設置場所が狭い場所での利用に好適であ
る。また、使用目的や都合により、予冷後に連続で冷却
したまま維持する超電導マグネットの場合には、容量の
小さい冷凍機が1台あればよいので、この実施形態を適
用することにより、占有面積を縮小できるとともに、取
扱も容易になり、電気料金などの維持費も安価で済むも
のとすることができる。逆に、頻繁に冷却・昇温を繰返
す使用方法や、初期冷却の時間を短縮する使用方法を採
用する場合には、予冷用の大容量の冷凍機41を付設す
ることで、各運転時における、より迅速な冷却を実現す
ることができる。
【0097】図8(A),(B)は本発明のさらに他の
実施形態を示すもので、(A)は超電導コイルの部分断
面図であり、同図(B)はその要部拡大図である。
【0098】この実施形態では、超電導コイル22の巻
線を構成する超電導線29の間に高熱伝導率材製の冷却
促進用シート44を介在させてある。この冷却促進用シ
ートは、例えばアルミニウム、インジウム、鉛またはこ
れらの合金によって構成されている。そして、冷却促進
用シート44は、超電導線29をコイル状に巻く工程の
途中で層間に巻込むことにより構成される。
【0099】このような構成によれば、アルミニウム等
は熱伝導率が大きいので、これらで構成される冷却促進
用シート44により冷凍機への伝熱量を多くすることが
でき、超電導コイルの外乱による熱の除去が図れるとと
もに、冷却速度性能の向上が図れる。
【0100】なお、冷却促進用シートの形状は、短冊形
であってもよい。
【0101】また、図2に示したコイル容器30内に
は、液体窒素または運転初期に液体ヘリウムを供給し
て、予冷用として機能させることができる。
【0102】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明によれ
ば、予冷管、あるいは大容量の冷凍機の付設等の手段に
より、超電導コイルを予熱することで、初期冷却に要す
る時間を短縮することができるとともに、超電導コイル
の熱伝導性能を向上させることにより、または熱容量の
大きな蓄冷材を付設すること等により、熱負荷の余裕を
多くすることができ、これにより大きな熱侵入や急激な
発熱に対しても超電導状態を破壊することなく維持でき
る等の優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、予冷管を付
設した直冷式超電導マグネットの概略構成を示す斜視
図。
【図2】前記実施形態において、ヘリウムガス封入式の
超電導コイルを示す断面図。
【図3】前記実施形態において、超電導コイルの巻枠を
示す拡大図。
【図4】(A)は前記実施形態における超電導コイルの
一部を示す説明図、(B)は(A)の拡大図、(C)は
(B)の変形例を示す拡大図。
【図5】前記実施形態において、蓄冷材パックを示す斜
視図。
【図6】図5の変形例を示す斜視図。
【図7】本発明の他の実施形態を示す斜視図。
【図8】(A)は本発明のさらに他の実施形態による超
電導コイルの一部を示す説明図、(B)は(A)の拡大
図。
【図9】従来例を示す図。
【図10】他の従来例を示す図。
【図11】さらに他の従来例を示す図。
【符号の説明】
21 超電導マグネット 22 超電導コイル 23 熱シールド 24 冷凍機 24a 第1段ステージ 24b 第2段ステージ 25 真空容器(クライオスタット) 26 熱伝導体 27 伝熱導体 28 予冷管 29 超電導線 30 コイル容器 30a 斜線部(上部内周側部分) 31,32,33,34 間隙 35 ヘリウムガス 36 巻枠 37 孔 38 整流リブ 39 蓄冷材 40 蓄冷材パック 41 冷凍機 41a 第2段ステージ 42,43 熱伝導板 44 冷却促進用シート

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状に形成された超電導コイルと、この
    超電導コイルを包囲する輻射シールドと、この輻射シー
    ルドを包囲する真空容器と、この真空容器に取着され、
    前記超電導コイルおよび輻射シールドを冷却する定常運
    転用の冷凍機とを備えた超電導マグネットにおいて、前
    記超電導コイルを直接または間接に初期冷却する手段と
    して、前記冷凍機よりも冷凍能力が高い予冷装置を設け
    たことを特徴とする超電導マグネット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の超電導マグネットにおい
    て、予冷装置は、着脱可能な冷凍機または超電導コイル
    の周方向側に沿って設けたコイル状の予冷管であり、こ
    の予冷管の内部には予冷用冷媒として液体窒素または液
    体ヘリウムが供給されるものであることを特徴とする超
    電導マグネット。
  3. 【請求項3】 環状に形成された超電導コイルと、この
    超電導コイルを包囲する輻射シールドと、この輻射シー
    ルドを包囲する真空容器と、この真空容器に取着され、
    前記超電導コイルおよび輻射シールドを冷却する冷凍機
    とを備えた超電導マグネットにおいて、前記超電導コイ
    ルをコイル容器内に収納し、このコイル容器内にヘリウ
    ムガスを充填したことを特徴とする超電導マグネット。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の超電導マグネットにおい
    て、ヘリウムガスは超臨界ヘリウムであることを特徴と
    する超電導マグネット。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の超電導マグネッ
    トにおいて、コイル容器の重力方向上部に、このコイル
    容器を冷却する冷却部を設けたことを特徴とする超電導
    マグネット。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の超電導マグネットにおい
    て、コイル容器の冷却部をコイル容器上部の一部分に設
    けたことを特徴とする超電導マグネット。
  7. 【請求項7】 請求項3から6までのいずれかに記載の
    超電導マグネットにおいて、超電導コイルは、このコイ
    ルを巻付ける巻枠とともに、またはその巻枠を巻線後に
    外した状態で、コイル容器に収納したことを特徴とする
    超電導マグネット。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の超電導マグネットであっ
    て、超電導コイルを巻枠とともにコイル容器に収納した
    ものにおいて、前記巻枠の周壁に孔またはスリットを穿
    設したことを特徴とする超電導マグネット。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の超電導マグネットにおい
    て、巻枠に穿設した孔の径またはスリットの長手方向寸
    法が、前記巻枠の板厚よりも大きいことを特徴とする超
    電導マグネット。
  10. 【請求項10】 請求項3から9までのいずれかに記載
    の超電導マグネットであって、超電導コイルを巻枠とと
    もにコイル容器に収納したものにおいて、前記巻枠に冷
    媒整流用の整流リブを設けたことを特徴とする超電導マ
    グネット。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の超電導マグネットに
    おいて、整流リブは巻枠に螺旋状に設けられていること
    を特徴とする超電導マグネット。
  12. 【請求項12】 請求項3から11までのいずれかに記
    載の超電導マグネットであって、超電導コイルを巻枠と
    ともにコイル容器に収納したものにおいて、前記巻枠と
    前記コイル容器との隙間寸法が、前記巻枠の板厚寸法よ
    りも大きいことを特徴とする超電導マグネット。
  13. 【請求項13】 請求項3から12までのいずれかに記
    載の超電導マグネットであって、超電導コイルを巻枠と
    ともにコイル容器に収納したものにおいて、前記巻枠と
    前記コイル容器との隙間またはリブ間に、乱流促進機構
    を設けたことを特徴とする超電導マグネット。
  14. 【請求項14】 請求項3から13までのいずれかに記
    載の超電導マグネットにおいて、超電導コイルを軸方向
    に沿って複数に分割した構造としたことを特徴とする超
    電導マグネット。
  15. 【請求項15】 環状に形成された超電導コイルと、こ
    の超電導コイルを包囲する輻射シールドと、この輻射シ
    ールドを包囲する真空容器と、この真空容器に取着さ
    れ、前記超電導コイルおよび輻射シールドを冷却する冷
    凍機とを備えた超電導マグネットにおいて、前記超電導
    コイルに蓄冷材からなる熱容量増加手段を付設したこと
    を特徴とする超電導マグネット。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の超電導マグネットに
    おいて、熱容量増加手段は、超電導コイルに取着した蓄
    冷材パックであることを特徴とする超電導マグネット。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の超電導マグネットに
    おいて、蓄冷材パックは、超電導コイルの外周面または
    内周面に同軸的に取着した環状のもの、または前記外周
    面または内周面に周方向に沿って間隔的に接合した短冊
    状のものであることを特徴とする超電導マグネット。
  18. 【請求項18】 請求項15記載の超電導マグネットに
    おいて、熱容量増加手段は、超電導コイルに取着した蓄
    冷材テープであることを特徴とする超電導マグネット。
  19. 【請求項19】 請求項15記載の超電導マグネットに
    おいて、熱容量増加手段は、超電導コイルの巻線を構成
    する超電導線の間に介在させたシート状または紐状の蓄
    冷材であることを特徴とする超電導マグネット。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の超電導マグネットに
    おいて、蓄冷材はEr3 Ni、ErN2 、Er0.4 Dy
    2 、ErNi、Er0.2 Dy0.8 Ni2 、DyNi2
    PbまたはGd0.5 Er0.5 Rhであることを特徴とす
    る超電導マグネット。
  21. 【請求項21】 請求項15記載の超電導マグネットに
    おいて、熱容量増加手段は、超電導コイルをコイル容器
    内に収納し、これらコイル容器と超電導コイルとの空隙
    に蓄冷材を充填した構成であることを特徴とする超電導
    マグネット。
  22. 【請求項22】 請求項2記載の超電導マグネットの冷
    却に際し、定常運転用の冷凍機による冷却運転の途中
    で、予冷用の冷凍機を装着し、または予冷管に液体窒素
    もしくは液体ヘリウムを供給して超電導コイルを冷却す
    ることを特徴とする超電導マグネットの予冷方法。
  23. 【請求項23】 環状に形成された超電導コイルと、こ
    の超電導コイルを包囲する輻射シールドと、この輻射シ
    ールドを包囲する真空容器と、この真空容器に取着さ
    れ、前記超電導コイルおよび輻射シールドを冷却する冷
    凍機とを備え、前記超電導コイルをコイル容器に収納し
    た超電導マグネットの予冷方法であって、前記冷凍機で
    の冷却途中に、前記コイル容器に液体窒素または液体ヘ
    リウムを供給して超電導コイルを冷却することを特徴と
    する超電導マグネットの予冷方法。
  24. 【請求項24】 請求項22または23記載の超電導マ
    グネットの予冷方法において、液体窒素または液体ヘリ
    ウムの供給は、超電導マグネットと着脱自在な供給装置
    から循環供給することを特徴とする超電導マグネットの
    予冷方法。
  25. 【請求項25】 環状に形成された超電導コイルと、こ
    の超電導コイルを包囲する輻射シールドと、この輻射シ
    ールドを包囲する真空容器と、この真空容器に取着さ
    れ、前記超電導コイルおよび輻射シールドを冷却する冷
    凍機とを備えた超電導マグネットにおいて、前記超電導
    コイルの巻線を構成する超電導線の間に高熱伝導率材製
    の冷却促進用シートを介在させたことを特徴とする超電
    導マグネット。
  26. 【請求項26】 請求項25記載の超電導マグネットに
    おいて、冷却促進用シートは、アルミニウム、インジウ
    ム、鉛またはこれらの合金によって構成したことを特徴
    とする超電導マグネット。
  27. 【請求項27】 請求項25または26記載の超電導マ
    グネットにおいて、冷却促進用シートの形状を短冊形と
    したことを特徴とする超電導マグネット。
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