JP4798742B2 - 非水二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水二次電池に関し、さらに詳しくは、過充電時の安全性が高く、かつサイクル特性が優れた非水二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン二次電池に代表される非水二次電池は、電池使用機器の小型化などに伴ってますます高容量のものが要求されるようになってきた。そのような高容量化への要求に応えていくには、負極の活物質として高容量なものを用いることが手っ取り早く、そのため、高容量の天然黒鉛や人造黒鉛を負極活物質として用いることが提案されている。
【0003】
しかしながら、このような高容量黒鉛材料の多くは、黒鉛の層状構造が高度に発達していて、黒鉛化度が高く鱗片状の形状をとることが知られている。そして、そのような鱗片状の黒鉛の場合、Liイオンが黒鉛の層間に入り得る挿入部位が少ないため、高電流放電時の特性、すなわち、高率放電特性が悪くなるという問題があり、実用化が難しい場合が多い。そこで、層状構造をとらない球状の黒鉛として、メソフェーズカーボンを原料とし、これを焼成して黒鉛化した人造黒鉛が用いられているが、鱗片状の黒鉛に比べて容量が低く、高容量化には適さないという問題があった。
【0004】
そのような中で、BET比表面積が3m2 /g以上で、X線回折法によって測定される(002)面の面間隔d002 が0.3375nm以下で、c軸方向の結晶子サイズLcが40nm以上で、かつメソフェーズカーボン以外の原料を焼成して黒鉛化した人造黒鉛が検討され始め、容量と高率放電特性とのバランスがとれた電池を実現できることが明らかになってきた(例えば、特開2001−185149号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような人造黒鉛を負極活物質として用いた場合、高容量でかつ高率放電特性が優れた非水二次電池が得られるものの、電池のエネルギー密度が高くなるため、過充電時の安全性やサイクル特性が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような人造黒鉛を負極活物質として用い、その高容量で高率放電特性が優れているという優れた特性を維持しつつ、過充電時の安全性が高く、かつサイクル特性が優れた非水二次電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、Liイオンを吸蔵・放出できる金属酸化物を正極活物質とし、BET比表面積が3m/g以上で、X線回折法で測定される(002)面の面間隔d002が0.3375nm以下で、c軸方向の結晶子サイズLcが40nm以上で、かつメソフェーズカーボン以外の原料を焼成して黒鉛化した人造黒鉛を負極活物質とし、非水電解液を用いた非水二次電池において、ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物とスルフィド化合物とを含有させており、かつベンゼン環にアルキル基が結合した化合物の含有量が1〜10質量%であり、スルフィド化合物の含有量が0.01〜1質量%の非水電解液を使用することによって、高容量で高率放電特性が優れているという優れた特性を維持しつつ、過充電時の安全性が高く、かつサイクル特性が優れた非水二次電池を提供し、前記課題を解決したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、正極活物質としてはLiイオンを吸蔵・放出できる金属酸化物が用いられる。このような金属酸化物としては、一般に非水二次電池の正極活物質として用いられているLiイオンを吸蔵・放出できる金属酸化物であればいずれも用いることができるが、具体的には、例えば、LiCoO2 、LiMn2 4 、LiNiO2 、Lix Niy Mnz a などが挙げられる。
【0009】
正極は、例えば、上記正極活物質に、必要に応じて、例えば鱗片状黒鉛、カーボンブラックなどの導電助剤や例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブタジエンラバーなどのバインダーや例えばカルボキシメチルセルロースなどの増粘剤などを加え、混合して正極合剤を調製し、それに水または溶剤などを加えて正極合剤含有ぺーストを調製し(この場合、バインダーや増粘剤はあらかじめ溶剤や水などに溶解または分散させておいてから正極活物質などと混合してもよい)、得られた正極合剤含有ぺーストを基体としての作用を兼ねる正極集電体の少なくとも一部に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、必要に応じて加圧成形する工程を経て作製される。ただし、正極の作製方法は、上記例示の方法に限られることなく、他の方法によってもよい。
【0010】
本発明において、負極活物質として用いる人造黒鉛は、BET比表面積が3m2 /g以上で、X線回折法によって測定される(002)面の面間隔d002 が0.3375nm以下で、c軸方向の結晶子サイズLcが40nm以上で、かつメソフェーズカーボン以外の原料、例えばコークス類などを焼成して黒鉛化したものである。具体的には、特開2001−185149号公報に記載のように、黒鉛化のための基本材料と、黒鉛化可能で前記基本材料同士をつなぐバインダー材料と、必要に応じて、黒鉛化のための触媒材料とを混合し、焼成して黒鉛化させた人造黒鉛が好ましく用いられる。黒鉛化のための基本材料としては、ニードルコークスに代表されるコークス類が好ましく、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛系材料であってもよい。黒鉛化可能で上記基本材料同士をつなぐバインダー材料としては、タールやピッチ類、樹脂などが好ましく用いられる。さらに、黒鉛化のための触媒作用として、鉄、ニッケル、ホウ素、ケイ素などの元素およびそれらの元素の酸化物、炭化物、窒化物などを用いることができる。上記基本材料、バインダー材料および触媒材料は、前記バインダー材料が軟化溶融する50〜350℃程度の温度で混合され、およそ500〜2000℃で焼成され、さらに必要に応じて粉砕して粒径を調整してから、およそ2500〜3200℃の温度範囲で黒鉛化される。
【0011】
また、本発明において負極活物質として用いる人造黒鉛は、水銀圧入法により測定される全細孔容積が7×10-4〜1.2×10-33 /kgであるものが好ましい。これは、このような全細孔容積を持つ人造黒鉛が、粒子内に細孔が高度に発達しているので、Liイオンが粒子内部で容易に拡散することができ、優れた高率放電特性を有するようになるからである。
【0012】
本発明において、負極活物質として用いる人造黒鉛は、前記のように、BET比表面積が3m2 /g以上であることを要するが、これはBET比表面積が3m2 /gより小さい場合、高率放電特性が悪くなり、BET比表面積が3m2 /g以上になることによって、高率放電特性が優れたものになるからである。
【0013】
ただし、この負極活物質として用いる人造黒鉛は、比表面積が大きくなりすぎると、粒子内部の空隙量が多くなりすぎ、非水二次電池の製造が困難になる傾向があるため、BET比表面積が5m2 /g程度のものまでが好ましい。
【0014】
また、本発明において、負極活物質として用いる人造黒鉛は、X線回折法によって測定される(002)面の面間隔d002 が0.3375nm以下で、c軸方向の結晶子サイズLcが40nm以上のものであることを要するが、これは(002)面の面間隔d002 が0.3375nmより大きい場合は、結晶化度が低下して、必要とされる容量が得られず、また、c軸方向の結晶子サイズLcが40nmより小さい場合も、結晶化度が低下して、必要とされる容量が得られなくなるからである。そして、上記人造黒鉛の(002)面の面間隔(d002 )が小さくなるほど、結晶性が高くなり、より高容量化するので、本発明においては、その理論上の限界である0.3354nmのものまで用いることができる。また、c軸方向の結晶子サイズLcに関しては、上限は特に制限されない。
【0015】
負極は、例えば、上記負極活物質に、必要に応じて、前記正極の場合と同様の導電助剤、バインダー、増粘剤などを加えて混合して負極合剤を調製し、それに水または溶剤などを加えて負極合剤含有ぺーストを調製し(この場合、バインダーや増粘剤はあらかじめ溶剤や水などに溶解または分散させておいてから負極活物質などと混合してもよい)、得られた負極合剤含有ぺーストを基体としての作用を兼ねる負極集電体の少なくとも一部に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、必要に応じて加圧成形する工程を経て作製される。ただし、負極の作製方法は、上記例示の方法に限られることなく、他の方法によってもよい。
【0016】
本発明において用いる非水電解液(以下、簡略化して「電解液」という)中には、添加剤としてベンゼン環にアルキル基が結合した化合物とスルフィド化合物とを含有させておく必要がある。
【0017】
上記ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物は、後述するように、過充電時の安全性の向上に寄与するものであるが、このベンゼン環にアルキル基が結合した化合物としては、例えば、シクロヘキシルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、オクチルベンゼン、トルエン、キシレンなどが具体例として挙げられるが、特に前記アルキル基において、ベンゼン環と直接結合している炭素原子が少なくとも1個の水素原子と結合していることが、過充電時の安全性向上には好ましい。また、前記アルキル基は、炭素数が4以上とある程度長いことが好ましく、分岐構造などで立体的にかさばる構造のものであることが好ましい。このような理由から、ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物としては、特にシクロヘキシルベンゼンが好ましい。
【0018】
上記ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物は、非水二次電池が過充電状態になると正極側で酸化を受けて重合し二量体以上のオリゴマーもしくはポリマーを正極上に形成する。このオリゴマーもしくはポリマーは正極上に皮膜として形成され、過充電に対する安全性を向上させると考えられる。このベンゼン環にアルキル基が結合した化合物の電解液中の含有量は、多いほど効果が高くなるが、多すぎると電解液のイオン伝導性を低下させる傾向があるため、質量基準で、電解液中に1〜10%含有させることが好ましく、1〜7%含有させることがより好ましい。
【0019】
一方、スルフィド化合物は、非水二次電池を充電する際に負極活物質上で還元反応を受け、その還元生成物が正極に作用して、正極をサイクル劣化から保護し、サイクル特性を向上させる効果がある。このスルフィド化合物の電解液中の含有量も、多いほど効果が高くなるが、多すぎると正極と過剰に反応して、容量低下を招くなどの電池特性を低下させる傾向があるため、質量基準で、電解液中に0.01〜1%含有させることが好ましく、0.01〜0.4%含有させることがより好ましい。
【0020】
本発明のおいて用いるスルフィド化合物は、一般式X1 −S−S−X2 で示される炭化水素系ジスルフィド化合物が好ましく、そのようなジスルフィド化合物としては、例えば、X1 およびX2 がベンジル基、トリル基、ピリジル基、アルキル基、シクロアルキル基、ベンジル基誘導体などが挙げられる。それらの中でも、ジフェニルジスルフィドのような芳香族ジスルフィド、ジ−p−トリルジスルフィド、ジ−n−ブチルジスルフィドなどが好適に用いられる。ただし、スルフィド化合物は上記のように充電の際に消費されるため元の化合物の形では残存していないことがあるが、そのような場合でも、本発明の目的は充分に達成される。したがって、本発明において、ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物やスルフィド化合物の含有量は、電池組立後の充放電前に前記範囲内にあればよく、充放電後においても、前記範囲内の含有量であることは要求されない。
【0021】
本発明において、電解液の溶媒としては、特に限定されることではないが、鎖状エステルを主溶媒として用いることが特に適している。そのような鎖状エステといしては、例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、酢酸エチル、プロピオン酸メチルなどの鎖状のCOO−結合を有する有機溶媒が挙げられる。
【0022】
また、上記鎖状エステル以外の溶媒としては、誘電率の高いエステルを用いることが好ましく、そのような誘電率の高いエステルとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールサルファイトなどが挙げられ、特にエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状構造のものが好ましい。
【0023】
さらに、上記誘電率の高いエステル以外に併用可能な溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。そのほか、アミン系またイミド系有機溶媒や、含イオウ系または含フッ素系有機溶媒なども用いることができる。
【0024】
電解液は、上記有機溶媒などからなる非水溶媒にリチウム塩などの電解質塩を溶解させることによって調製されるが、そのような電解質塩としては、例えば、LiPF6 、LiClO4 、LiBF4 、LiCF3 SO3 などのLiCn 2n+1SO3 (n≧1)、LiCF3 CO2 、LiN(CF3 SO2 2 、LiC(CF3 SO2 3 、LiCm 2m+1SO3 (m≧1)、LiAsF6 、LiSbF6 、LiB10Cl10、低級脂肪酸カルボン酸リチウム、LiAlCl4 、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウムなどの少なくとも1種が用いられる。電解液中における電解質塩の濃度は、特に限定されるものではないが、0.2〜3mol/lが好ましい。
【0025】
また、上記電解液には、ベンゼン環にアルキル基を結合した化合物とスルフィド化合物以外にも、ビニレンカーボネートなどのサイクル特性の向上に寄与する添加剤を含有させてもよい。このビニレンカーボネートなどの添加量は、質量基準で、電解液溶媒中において0.1〜5%とすることが好ましく、特に0.1〜2%が好ましい。
【0026】
上記電解液は、電池の作製にあたって液状で用いる以外に、ポリマーでゲル化してゲル状で用いてもよい。そのような電解液のゲル化にあたっては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルニトリルなどの直鎖状ポリマーまたはそれらのコポリマー、紫外線や電子線などの活性光線の照射によりポリマー化する多官能モノマー(例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの四官能以上のアクリレートおよび上記アクリレートと同様の四官能以上のメタクリレート)をポリマー化したポリマーなどが用いられる。
【0027】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0028】
実施例1
正極活物質としてはLiCoO2 (コバルト酸リチウム)を用い、このLiCoO2 を92質量部と、導電助剤として人造黒鉛とカーボンブラックとの質量比で9:1混合物を5質量部と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを3質量部と、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンとを混合することによって、正極合剤含有ぺーストを調製し、得られた正極合剤含有ぺーストを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、乾燥して溶剤を除去することにより正極合剤層を形成した後、カレンダーロールで加圧成形することによって正極を作製した。
【0029】
負極活物質としては、以下の方法により合成された人造黒鉛を用いた。コークス粉末100質量部、タールピッチ40質量部、炭化ケイ素14質量部およびコールタール20質量部を、200℃で混合した後粉砕し、窒素雰囲気中で1000℃で熱処理し、さらに3000℃で黒鉛化させて人造黒鉛とした。得られた人造黒鉛のBET比表面積は4.0m2 /gで、X線回折法によって測定される(002)面の面間隔d002 は0.3361nm、c軸方向の結晶子サイズLcは48nm、全細孔容積は1×10-33 /kgであった。この人造黒鉛を用い、バインダーとしてスチレンブタジエンラバーを用い、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを用い、それらを質量比98:1:1で混合し、適量の水を加えて、負極合剤含有ぺーストを調製し、得られた負極合剤含有ぺーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成した後、カレンダーロールで加圧成形することによって負極を作製した。
【0030】
電解液としては、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの体積比1:2の混合溶媒にLiPF6 を1.2mol/l溶解させ、かつシクロヘキシルベンゼンを2%、ジフェニルジスルフィドを0.17%含有させて調製したものを用いた。
【0031】
そして、前記のようにして得られた正極と負極を厚さ20μmの微孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介して重ね、渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状巻回構造の積層電極体としたのち、外寸が4mm×30mm×48mmの角形でアルミニウム合金製の電池ケース〔厚み(奥行き)4mm、幅30mm、高さ48mmの角形の電池ケース〕内に挿入し、リード体の溶接と封口用蓋板の電池ケースの開口端部へのレーザー溶接を行い、封口用蓋板に設けた電解液注入口から前記の電解液を電池ケース内に注入し、電解液がセパレータなどに充分に浸透した後、電解液注入口を封止して密閉状態にした後、予備充電、エイジングを行い、図1に示すような構造で図2に示すような外観を有する角形の非水二次電池を作製した。この電池のエネルギー密度は450Wh/lであり、後に比較例4として記載する鱗片状天然黒鉛を負極活物質として用いた電池と同等の高いエネルギー密度を有していた。
【0032】
ここで図1〜2に示す電池について説明すると、正極1と負極2は前記のようにセパレータ3を介して渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状巻回構造の電極積層体6として、角形の電池ケース4に上記電解液とともに収容されている。ただし、図1では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体としての金属箔や電解液などは図示していない。
【0033】
電池ケース4はアルミニウム合金製で電池の外装材となるものであり、この電池ケース4は正極端子を兼ねている。そして、電池ケース4の底部にはポリテトラフルオロエチレンシートからなる絶縁体5が配置され、前記正極1、負極2およびセパレータ3からなる扁平状巻回構造の電極積層体6からは正極1および負極2のそれぞれ一端に接続された正極リード体7と負極リード体8が引き出されている。また、電池ケース4の開口部を封口するアルミニウム合金製の蓋板9にはポリプロピレン製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11に絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板13が取り付けられている。
【0034】
そして、この蓋板9は上記電池ケース4の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、電池ケース4の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。
【0035】
この実施例1の電池では、正極リード体7を蓋板9に直接溶接することによって電池ケース4と蓋板9とが正極端子として機能し、負極リード体8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード体8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、電池ケース4の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
【0036】
図2は上記図1に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図2は上記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図2では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。また、図1においても、電極積層体の内周側の部分は断面にしていない。
【0037】
実施例2
電解液中のシクロヘキシルベンゼンの含有量を2%から4%に変更した以外は、実施例1と同様に角形の非水二次電池を作製した。
【0038】
実施例3
電解液中のシクロヘキシルベンゼンの含有量を2%から6%に変更した以外は、実施例1と同様に角形の非水二次電池を作製した。
【0039】
実施例4
電解液中のジフェニルジスルフィドの含有量を0.17%から0.3%に変更した以外は、実施例1と同様に角形の非水二次電池を作製した。
【0040】
実施例5
電解液中のシクロヘキシルベンゼンの含有量を2%から6%に変更し、かつジフェニルジスルフィドの含有量を0.17%から0.3%に変更した以外は、実施例1と同様に角形の非水二次電池を作製した。
【0041】
比較例1
電解液中にシクロヘキシルベンゼンを含有させなかった以外は、実施例1と同様に角形の非水二次電池を作製した。
【0042】
比較例2
電解液中にジフェニルジスルフィドを含有させなかった以外は、実施例1と同様に角形の非水二次電池を作製した。
【0043】
比較例3
電解液中のシクロヘキシルベンゼンの含有量を2%から6%に変更し、ジフェニルジスルフィドを含有させなかった以外は、実施例1と同様に角形の非水二次電池を作製した。
【0044】
上記実施例1〜5および比較例1〜3の電池について、過充電試験を行って過充電時の安全性を調べ、またサイクル試験を行ってサイクル特性を調べた。その結果を表1に示す。なお、過充電試験およびサイクル試験の方法は次の通りである。
【0045】
過充電試験は、1CmAで4.2Vになるまで充電し、さらに4.2Vの定電流で合計2.5時間充電してから、6Vを上限電流とし、0.5CmA、1CmAの電流値で過充電して、電池が発火に至るまでの電流値を調べた。その電流値を過充電安全電流値として表1に示す。
【0046】
また、サイクル試験は、1CmAで4.2Vになるまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で2.5時間充電してから、1CmAで3Vまで放電するサイクルを繰り返し、400サイクル後の放電容量を測定し、その400サイクル後の放電容量の初期放電容量に対する維持率を求めた。その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004798742
【0048】
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜5の電池は、過充電時の安全電流値が0.5CmA以上であって過充電時の安全性が高く、また、400サイクル後の容量維持率が77%以上であってサイクル特性が優れていた。すなわち、シクロヘキシルベンゼンを含有させなかった比較例1の電池は、過充電時に0.5CmAでも安全性を維持できなかったが、シクロヘキシルベンゼンを2%含有させた実施例1や実施例4の電池では、0.5CmAまで安全性を維持することができ、またシクロヘキシルベンゼンを4%以上含有させた実施例2〜3や実施例5の電池では、1CmAまで安全性を維持することができた。また、ジフェニルジスルフィドを含有させなかった比較例2〜3の電池は、400サイクル後の容量維持率が72〜74%であったが、ジフェニルジスルフィドを含有させた実施例1〜5の電池は、400サイクル後の容量維持率が77〜80%に向上していた。
【0049】
比較例4
鱗片状天然黒鉛を負極活物質として用いた以外は、実施例1と同様に角形の非水二次電池を作製した。この電池のエネルギー密度は455Wh/lであった。
【0050】
上記実施例1および比較例4の電池について高率放電特性を調べた。すなわち、それらの電池を1CmAで4.2Vまで充電し、さらに4.2Vの定電圧で2.5時間充電を行った後、0.2CmAで3.0Vまで放電して標準の放電容量を測定した。ついで、上記と同様の条件で充電し、2CmAで3.0Vまで放電して高率放電での放電容量を測定した。標準の放電容量に対する高率放電での放電容量の比率〔(高率放電での放電容量÷標準の放電容量)×100〕を求め、高率放電特性を評価した。その結果を表2に高率放電特性として示す。
【0051】
【表2】
Figure 0004798742
【0052】
表2に示すように、実施例1の電池は、高率放電特性が優れたものとして評価されている比較例4の電池より、高率放電特性を示す評価値が高く、高率放電特性が優れていた。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、高容量で高率放電特性が優れているという優れた特性を維持しつつ、過充電時の安全性が高く、かつサイクル特性が優れた非水二次電池を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水二次電池の一例を模式的に示す図で、(a)はその平面図、(b)はその部分縦断面図である。
【図2】図1に示す非水二次電池の斜視図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電池ケース
5 絶縁体
6 電極積層体
7 正極リード体
8 負極リード体
9 蓋板
10 絶縁パッキング
11 端子
12 絶縁体
13 リード板

Claims (3)

  1. Liイオンを吸蔵・放出できる金属酸化物を正極活物質とし、BET比表面積が3m/g以上で、X線回折法で測定される(002)面の面間隔d002が0.3375nm以下で、c軸方向の結晶子サイズLcが40nm以上で、かつメソフェーズカーボン以外の原料を焼成して黒鉛化した人造黒鉛を負極活物質とし、非水電解液を用いた非水二次電池であって、
    ベンゼン環にアルキル基が結合した化合物とスルフィド化合物とを含有させており、かつベンゼン環にアルキル基が結合した化合物の含有量が1〜10質量%であり、スルフィド化合物の含有量が0.01〜1質量%の非水電解液を使用したことを特徴とする非水二次電池。
  2. スルフィド化合物が芳香族ジスルフィドであることを特徴とする請求項1記載の非水二次電池。
  3. 人造黒鉛の水銀圧入法により測定される全細孔容積が7×10−4〜1.2×10−3/kgであることを特徴とする請求項1または2記載の非水二次電池。
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