JP4796597B2 - タッチパネル - Google Patents

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Description

この発明は、ディスプレイの前面に配置され、ディスプレイ一体型の入力スイッチとして使用されるタッチパネルに関し、特にガラス・ガラスタイプのタッチパネルに関する。
図7は、抵抗膜方式とされたこの種のガラス・ガラスタイプのタッチパネルの構成を上ガラス側と下ガラス側とに分けて示したものである。上ガラス基板11は下ガラス基板12に対して厚さが小とされている。これら上ガラス基板11と下ガラス基板12の互いに対向する一面には透明導電膜13,14がそれぞれ形成されている。
透明導電膜13,14は抵抗膜をなすもので、ITO膜等によって構成される。これら透明導電膜13,14の両端にはそれぞれ電極15,16及び電極17,18が印刷塗布により設けられている。
透明導電膜14に設けられた電極17,18は、この例では透明導電膜14のX方向の両端に配置される。一方、透明導電膜13に設けられた電極15,16は、透明導電膜13のY方向の両端に配置されている。電極15,16には図に示したようにX方向に延長されて接続部15a,16aが設けられている。接続部15a,16aは、電極15,16に対して幅狭とされて突起状をなすものとされている。
下ガラス基板12の透明導電膜14形成面には電圧印加・検出用の引き出しパターン21−24が印刷塗布により形成されており、引き出しパターン21,22はそれぞれ電極17,18から引き出されている。一方、引き出しパターン23,24の内端には接続部23a,24aがそれぞれ形成されている。接続部23a,24aは、その先端がU字状に切り欠かれた形状とされている。
引き出しパターン21−24は、図に示したように引き回されて、下ガラス基板12の一辺にその他端(外端)が整列されて位置される。この他端の部分に回路接続用のFPCケーブル等(図示せず)が接続される。なお、下ガラス基板12の透明導電膜14上にはドットスペーサ25が多数配列形成されている。
上記のような構成とされた上ガラス基板11と下ガラス基板12とは、周囲がスペーサを含んだシール26によって接合されて一体化される。これにより、透明導電膜13,14が互いに対向する。
シール26は、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂にスペーサが混合されてなるもので、下ガラス基板12上に図に示したように塗布・配置される。上ガラス基板11を下ガラス基板12に重ねて加圧・焼成することによって、上ガラス基板11と下ガラス基板12とが所要の間隙を保って接合される。
なお、枠状をなすシール26の一部に設けられている切り欠き部26aは、上ガラス基板11と下ガラス基板12とを接合後、上ガラス基板11の中央部をふくらませる(間隙を大とする)ために空気を注入する注入口として使用され、空気注入後は樹脂によって封止処理が施される。
上記のような構成において、接続部23a,24aと15a,16aとは、上ガラス基板11と下ガラス基板12とが接合された状態で、後述するように、接続部23a,24aのU字状切り欠き部に、幅狭とされた接続部15a,16aが入り込むものとなっており、つまり接続部23a,24aと15a,16aとは微小間隙を隔てて互いに組み合う形状とされている。
図8は、この様子を接続部23aと15aとの接続部分について示したものである。微小間隙を隔てて組み合う平面形状とされた接続部23aと15aとは、導電ペースト31を介して互いに接続されている。具体的には、導電ペースト31は、接続部23aのうち先端を除く部分、及び、接続部15aのうち先端を除く部分に印刷塗布されていれる。
これは、電極15及び引き出しパターン23の接続部の先端は、安定した印刷塗布が行われていない可能性があるため、接続部23aと導電ペースト31、及び、接続部15aと導電ペースト31を電気的に安定して接続させることを目的としたものである。
上記のようにして構成されたタッチパネルにおいては、任意の点を押下操作すると、その点において透明導電膜13と14とが接触する。透明導電膜14の両端に電圧を印加し、透明導電膜13を通してその電位を検出することにより、その点のX座標を知ることができる。また、透明導電膜13の両端に電圧を印加し、透明導電膜14を通してその電位を検出することにより、その点のY座標を知ることができる。このようにして押下された点のXY座標を検知することができる。
特許第3824220号公報
上記のような構成を有するタッチパネルにおいては、電極及び引き出しパターンは、銀ペースト等の導電ペーストを印刷塗布し、焼成することによって形成される。ここで、電極及び引き出しパターンを安定して印刷塗布するときの最小幅(以下、印刷最小幅と言う。)は現状では、0.5mm程度とされており、その印刷最小幅より狭い幅では安定して印刷塗布することができない可能性があることが知られている。印刷最小幅より狭い幅で印刷塗布しようとすると、かすれが生じ得る。
このため、電極及び引き出しパターンを安定して印刷塗布するために、図8Aに示す、引き出しパターン23の接続部23aの幅方向の両端部の幅d1,幅d3と、電極15の接続部15aの幅d2とをそれぞれ印刷最小幅以上としていた。このため、引き出しパターン23と電極15の接続部23a,15aの幅は少なくとも印刷最小幅の三倍となっていた。
この発明は、このような状況に鑑み、引き出しパターンと電極の接続部の幅を従来より小さくすることができるタッチパネルを提供することを目的とする。
この発明の一態様によるタッチパネルは、一対のガラス基板の各一面に形成され、互いに対向する透明導電膜と、一方のガラス基板の透明導電膜形成面に形成され、接続部を有する引き出しパターンと、この引き出しパターンの接続部の延伸方向において同一領域内に位置しない接続部を有し、他方のガラス基板の透明導電膜に設けられた電極と、引き出しパターンの接続部の先端と電極の接続部の先端とを接続する導電ペーストと、を備える。引き出しパターンの接続部と電極の接続部の少なくとも一方の先端にその延伸方向に突出して形成された凸部が、導電ペーストと接触している。
引き出しパターンの接続部と電極の接続部を、これらの延伸方向において同一領域内に位置させないことにより、引き出しパターンと電極の接続部の幅をより小さくすることができる。
以下、この発明の実施形態の例を図面を参照して説明する。図7,8と対応する部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
[第一実施形態]
図1,2に、この発明の第一実施形態の例を示す。電極51,52が、特許文献1に記載されたタッチパネルの電極15,16と同様に、上ガラス基板11の透明導電膜13に設けられる。また、引き出しパターン61,62が、特許文献1に記載されたタッチパネルの引き出しパターン23,24と同様に、下ガラス基板12に形成される。
この例では、電極51,52の接続部51a,52aの延伸方向の端面が、その延伸方向に対して垂直になっている。また、引き出しパターン61,62の接続部61a,62aの延伸方向の端面が、その延伸方向に対して垂直になっている。ここで、電極51,52と、引き出しパターン61,62の幅は例えば印刷最小幅とされる。すなわち、接続部51a,52a及び引き出しパターンの接続部61a,62aの幅も例えば印刷最小幅とされる。
また、接続部51a,52aと61a,62aとは、図2に示すように、上ガラス基板11と下ガラス基板12とが接合された状態で、これら接続部51a,52aと61a,62aの延伸方向において同一領域内に位置しないように構成される。図2Aは接続部51aと接続部61aの接続部分の平面図、Bは側面図、Cは図2AのDD断面図である。接続部52aと接続部62aの接続部分についても同様に構成される。
ここで、2つの接続部が延伸方向において同一領域内に位置しないとは、2つの接続部が互いに入り込んでいないことを意味する。換言すれば、これらの接続部をこれらの幅方向にそれぞれ射影したときの像が重ならないことを意味する。例えば、特許文献1に記載されたタッチパネルにおいては、図8Aに示すように、接続部15aと接続部23aをそれぞれ幅方向に射影したときの像が領域aの部分で重なる。一方、この発明においては、接続部51a,52aと、接続部61a,62aとを幅方向に射影したときの像は重ならない。
そして、導電ペースト32が、接続部51a,52aの先端と、接続部61a,62aの先端とに接触するようにスクリーン印刷等により印刷塗布されることにより、電極51,52と引き出しパターン61,62とを電気的に接続する。
電気的に安定して接続するためには、図8に例示するように、接続部15a,23aの先端ではなく、接続部15a,16aの先端以外の部分を導電ペースト31と接触させる必要があると従来考えられていた。電極及び引き出しパターンの接続部の先端は、安定した印刷塗布が行われていない可能性があるためである。
しかし、必ずしも特許文献1に記載されたタッチパネルのように、接続部15aを、接続部23aに形成されたU字状の切り欠きに入り込ませた上で、接続部15a,23aの先端以外の部分を導電ペースト31に接続させる必要はなく、延伸方向において同一領域内に位置しない接続部51a,52a,61a,62aの先端が単に導電ペースト32に接触していれば、タッチパネルを構成するために必要な導電性は十分に得られることを発明者は見いだした。
この例によるタッチパネルのように、接続部51a,52aと接続部61a,62aとをこれらの延伸方向において同一領域内に位置させないことにより、電極51,52と引き出しパターン61,62の接続部分の大きさをより小さくすることができる。具体的には、接続部51a,52a,61,62aの幅を例えば印刷最小幅とすることができる。また、接続部の幅を小さくすることにより、従来に比べ、ニュートンリングが発生したり、あるいはガラスが割れる可能性を小さくすることができ、さらには操作荷重のバラツキを解消することができる。
接続部51a,52a,61a,62aと、導電ペースト32とが接触している部分の延伸方向における長さL(図2参照)は、その導体粒子(銀粒子)の粒径(6μm)の2倍の12μmあればよい。印刷ずれ、張りずれを考慮した場合には、長さLが0.2mm以上になるように構成すればよい。これは、後述する他の実施形態においても同様である。
[第二実施形態]
図3に、第二実施形態による接続部51aと接続部61aの接続部分の例を示す。接続部52aと接続部62aの接続部分についても同様に構成される。この例では、電極51の接続部51aの先端に、略半円状の凸部51bが形成されている。同様に、引き出しパターン61の接続部61aの先端にも、略半円状の凸部51bが形成されている。
そして、導電ペースト32は、電極51の凸部51bと引き出しパターン61の凸部61bとに接触するように印刷塗布されることにより、電極51と引き出しパターン61とを電気的に接続する。
接続部51a,52a,61a,62aと、導電ペースト32が重なる部分(つまり接続部分)の面積が大きい場合には、上ガラス基板11と下ガラス基板12の接合時に、導電ペースト32が十分に潰れないため、上ガラス基板11が歪み、ニュートンリングが発生する可能性がある。しかし、このように、接続部51a,52a,61a,62aの先端に形成した凸部51b,52b,61b,62bを導電ペースト32に接触させて、接続部51a,52a,61a,62aと導電ペースト32が重なる部分(つまり接続部分)の面積を小さくすることにより、上ガラス基板11と下ガラス基板12の接合時に生じ得る、上ガラス基板11の歪みを小さくすることができる。ここで、接続部51a,52a,61a,62aと導電ペースト32が重なる部分とは、図2A,図3A,図4A,図5Aの紙面に対して垂直な方向から見たときの接続部51a,52a,61a,62aと導電ペースト32が重なる部分(つまり接続部分)を意味する。
したがって、第二実施形態においては、ニュートンリングが発生したり、あるいはガラスが割れる可能性をより小さくすることができ、さらには操作荷重のバラツキをより解消することができる。
このように、接続部51a,52a,61a,62aの幅のすべてを導電ペースト32に接触させる必要はない。
電極51及び引き出しパターン61の接続部の先端51a,52a,61a,62aは、安定した印刷塗布が行われていない可能性がある。また、接続部51a,52a,61a,62aの幅を印刷最小幅にした場合には、凸部51b,52b,61b,62bの幅は印刷最小幅以下になり、安定した印刷塗布が行われない結果、かすれる可能性がある。しかし、導電ペースト32を、電極51の凸部51bと引き出しパターン61の凸部61bとに接触させれば、タッチパネルを構成するために必要な導電性は十分に得られる。
もちろん、接続部51a,52a,61a,62aの幅を印刷最小幅以上の幅にして、凸部51b,52b,61b,62bの幅も印刷最小幅以上の幅にしてもよい。
[変形例]
接続部51a,52a,61a,62aの先端に形成した凸部51b,52b,61b,62bは、接続部51a,52a,61a,62aの延伸方向に突出した形状であれば、上記第二実施形態と同様の効果を得ることができる。
例えば、図4に示すように、接続部51a,61aの先端にU字状の切り欠きを設けて、接続部51a,61aの接続部の幅方向の両端のそれぞれから、延伸方向に突出する2つの凸部51c,61cを形成してもよい。また、図5に示すように、接続部51a,61aの接続部の幅方向の中央から、延伸方向に突出する凸部51d,61dを形成してもよい。接続部52a,62aの形状もこれらと同様の形状にする。図4,図5に例示するような形状にすることにより、接続部51a,52a,61a,62aと導電ペースト32が重なる部分をより小さくすることができる。
上記のタッチパネルでは、接続部51a,52a,61a,62aが導電ペースト32に接触する部分は4箇所あるが、少なくとも1つの接続部が、上記のような形状とされて、導電ペースト32と接触していてもよい。また、電極51の接続部51a,52aと、引き出しパターン61の接続部61a,62aの形状が異なっていてもよい。
なお、透明導電膜13,14の形成時に、これら接続部51a,52a,61a,62aの位置する部分に透明導電膜13,14を残し、つまり透明導電膜13,14によってランドを形成する。そして、それらランド上に接続部51a,52a,61a,62aがそれぞれ位置するようにすれば、より良好かつ安定に接続部51a,52aと61a,62aとを接続することができる。
図6は、このように透明導電膜13,14よりなるランドが形成された状態を、接続部23aと15aとの接続部分について示したものであり、図中、32,33はそれぞれランドを示す。
第一実施形態の概略を表す分解斜視図。 第一実施形態による接続部分の要部拡大図、Aは平面図(透視)、Bは側面図、CはDD断面図。 第二実施形態による接続部分の要部拡大図、Aは平面図(透視)、Bは側面図、CはDD断面図。 接続部分の変形例の要部拡大図、Aは平面図(透視)、Bは側面図、CはDD断面図。 接続部分の変形例の要部拡大図、Aは平面図(透視)、Bは側面図、CはDD断面図。 他の実施例の要部拡大図、Aは平面図(透視)、Bは側面図、CはDD断面図。 従来のタッチパネルの概略を表す分解斜視図。 従来のタッチパネルの要部拡大図、Aは平面図(透視)、Bは側面図、CはDD断面図。
符号の説明
11 上ガラス基板
12 下ガラス基板
13 透明導電膜
14 透明導電膜
32 導電ペースト
51,52 電極
51a,52a 接続部
51b,51c,51d 凸部
61,62 引き出しパターン
61a,62a 接続部
61b,61c,61d 凸部

Claims (5)

  1. 一対のガラス基板の各一面に形成され、互いに対向する透明導電膜と、
    一方のガラス基板の透明導電膜形成面に形成され、接続部を有する引き出しパターンと、
    上記引き出しパターンの接続部と、この引き出しパターンの接続部の延伸方向において同一領域内に位置しない接続部を有し、他方のガラス基板の透明導電膜に設けられた電極と、
    上記引き出しパターンの接続部の先端と上記電極の接続部の先端とを接続する導電ペーストと、
    を備え
    上記引き出しパターンの接続部と上記電極の接続部の少なくとも一方の先端にその延伸方向に突出して形成された凸部が、上記導電ペーストと接触している、
    ことを特徴とするタッチパネル。
  2. 請求項に記載のタッチパネルにおいて、
    上記凸部は、略半円状である、
    ことを特徴とするタッチパネル。
  3. 請求項に記載のタッチパネルにおいて、
    上記凸部は、上記引き出しパターンの接続部又は上記電極の接続部の幅方向の両端のそれぞれから突出する2つの凸部である、
    ことを特徴とするタッチパネル。
  4. 請求項に記載のタッチパネルにおいて、
    上記凸部は、上記引き出しパターンの接続部又は上記電極の接続部の幅方向の中央から突出している、
    ことを特徴とするタッチパネル。
  5. 請求項1からの何れかに記載のタッチパネルにおいて、
    上記各一面にそれぞれ形成された透明導電膜より成るランドを更に備え、
    上記ランド上に上記引き出しパターンの接続部及び上記電極の接続部がそれぞれ配置されている、
    ことを特徴とするタッチパネル。
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