JP4796387B2 - ランフラットタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

ランフラットタイヤ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、パンク時でも比較的長い距離を安全に継続走行しうるランフラットタイヤに関し、詳しくはランフラット耐久性を損ねることなく通常走行時の乗り心地を向上しうるランフラットタイヤ及びその製造方法に関する。
従来、パンク等によってタイヤの空気が抜けた場合でも、比較的高速度で一定の距離を安全に走行(以下、このような走行を「ランフラット走行」と言う。)しうるランフラットタイヤが知られている。この種のランフラットタイヤは、そのサイドウォール部に断面略三日月状なすサイド補強ゴムが配される。そして、タイヤの空気が抜けた場合、このサイド補強ゴムがタイヤの荷重を支え、タイヤの縦撓みが抑制される。
しかしながら、この種のランフラットタイヤは、サイド補強ゴムによって、タイヤの縦バネが高められるため、空気圧が適正に充填された通常走行時において乗り心地が悪いという欠点がある。このような欠点を解消するために、軟らかいゴムでサイド補強ゴムを形成すること及び/又はサイド補強ゴムの厚さを小さくすることが考えられるが、いずれもランフラット耐久性能を低下させるという問題がある。
関連する技術としては、次のものが挙げられる
特開2000−94542号公報 特許第2994989号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、サイド補強ゴムを、ゴムストリップをタイヤ回転軸の周りに巻き重ねたストリップ積層体から形成するとともに、前記ゴムストリップに、複素弾性率が異なりかつタイヤ半径方向に交互に配された第1のゴムストリップ及び第2のゴムストリップを少なくとも含ませることを基本として、ランフラット耐久性能を損ねることなく乗り心地を向上しうるランフラットタイヤ及びその製造方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るトロイド状のカーカスと、前記カーカスの内側に配された断面略三日月状をなすサイド補強ゴムとを具えたランフラットタイヤであって、前記サイド補強ゴムは、ゴムストリップをタイヤ回転軸の周りに巻き重ねたストリップ積層体から形成され、しかも前記ゴムストリップは、複素弾性率が異なりかつタイヤ半径方向に交互に配された第1のゴムストリップ及び第2のゴムストリップを少なくとも含み、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填されしかも無負荷である正規状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記サイド補強ゴムは、前記第1のゴムストリップと第2のゴムストリップとの境界線がほぼタイヤ半径方向に沿ってのびる第1の部分と、前記第1の部分よりもサイド補強ゴムの外端側で前記境界線がタイヤ半径方向外側に向かって実質的にタイヤ軸方向内側に傾いてのびる第2の部分と、前記第1の部分よりもサイド補強ゴムの内端側で前記境界線がタイヤ半径方向外側に向かって実質的にタイヤ軸方向外側に傾いてのびる第3の部分とを含み、しかも前記境界線は、前記第2の部分から前記第3の部分までその傾きが徐々に変化することを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記第2のゴムストリップの複素弾性率E*bは10MPa以下であり、かつ前記第1のゴムストリップの複素弾性率E*aとの比(E*a/E*b)が1.2〜10.0である請求項1記載のランフラットタイヤである。
また請求項記載の発明は、前記第2の部分は、前記境界線の接線がタイヤ半径方向線に対して80度以下で傾くとともに、前記第3の部分は、前記境界線の接線がタイヤ半径方向線に対して30度以下で傾く請求項記載のランフラットタイヤである。
また請求項記載の発明は、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填されしかも無負荷である正規状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、タイヤ外面のプロファイルは、該プロファイルとタイヤ赤道(C)との交点(CP)からタイヤ最大幅(SW)の45%の距離(SP)を隔てるタイヤ外面上の点を(P)とするとき、前記交点(CP)から前記点(P)までの区間においてタイヤ外面の曲率半径(RC)は徐々に減少するとともに、次の関係を満足する請求項1乃至のいずれかに記載のランフラットタイヤである。
0.05< Y60 /H ≦0.1
0.1< Y75 /H ≦0.2
0.2< Y90 /H ≦0.4
0.4< Y100 /H ≦0.7
(ここで、Y60、Y75、Y90及びY100 は、タイヤ赤道(C)からタイヤ軸方向にタイヤ最大幅の半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%のタイヤ軸方向距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の各点P60、P75、P90及びP100 と、前記交点(CP)とのタイヤ半径方向の各距離、Hはタイヤ断面高さである。)
また請求項記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るトロイド状のカーカスと、前記カーカスの内側に配された断面略三日月状をなすサイド補強ゴムとを具えたランフラットタイヤを製造するランフラットタイヤの製造方法であって、円筒状の被巻付体に、複素弾性率が異なる第1のゴムストリップ及び第2のゴムストリップの少なくとも一部を重ねて螺旋状に巻き付けることにより前記サイド補強ゴムを形成する工程を含むとともに、前記複合ストリップは、実質的に同一の幅を有する前記第1及び第2のゴムストリップの幅中心線をずらせて重ねられていることを特徴とするランフラットタイヤの製造方法である。
また請求項記載の発明は、前記巻き付けに先立ち、前記第1のゴムストリップと前記第2のゴムストリップとを予め一つに重ねて複合ストリップを形成する工程をさらに含む請求項記載のランフラットタイヤの製造方法である。
また請求項記載の発明は、第1及び第2のゴムストリップを、前記被巻付体の軸方向の一方側に向かって巻き付けるとともに、任意の位置で折返し前記被巻付体の軸方向の他方側に向かって巻き付ける段階を含む請求項5又は6に記載のランフラットタイヤの製造方法である。
本明細書において、前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"とする。
また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
本発明のランフラットタイヤは、サイド補強ゴムが、複素弾性率が異なりかつタイヤ半径方向に交互に配された第1のゴムストリップ及び第2のゴムストリップを少なくとも含むストリップ積層体から形成される。複素弾性率が相対的に小さいゴムストリップは乗り心地を向上させるとともに、複素弾性率が相対的に大きいゴムストリップはランフラット耐久性能を向上させる。従って、本発明のランフラットタイヤは、ランフラット耐久性能を損ねることなく乗り心地を向上しうる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態のランフラットタイヤ1の正規状態における断面図、図2はその要部拡大図、図3は内圧を零かつ正規荷重を負荷したランフラット状態の断面図がそれぞれ示される。なお特に言及が無い場合、タイヤ各部の寸法などは、前記正規状態でのものとする。
本明細書において、前記「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"とする。
ランフラットタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配置されたベルト層7と、前記ビードコア5のタイヤ半径方向の外面からタイヤ半径方向外側にテーパ状でのびるビードエーペックス8と、前記カーカス6の内側かつサイドウォール部3の領域の少なくとも一部に配された断面略三日月状をなすサイド補強ゴム層9と、サイド補強ゴム層9のタイヤ軸方向内側に配されたガスバリア性を有するゴムからなるインナーライナーゴム10とを含む。
前記カーカス6は、タイヤ赤道Cに対して例えば70〜90°の角度で配列されたカーカスコードをトッピングゴムで被覆した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aで形成される。前記カーカスコードとしては、ナイロン、ポリエステル、レーヨン又は芳香族ポリアミドのような有機繊維コードが好ましい。
前記カーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨ってのびるトロイド状の本体部6aと、その両側に設けられかつ前記ビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された一対の折返し部6bと含む。
前記カーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとの間には、前記ビードエーペックスゴム8が配される。該ビードエーペックスゴム8は、例えばゴム硬度が65〜95度以上、より好ましくは70〜90度の比較的硬質のゴムからなることにより、ビード部4の曲げ剛性を高め、操縦安定性を向上させる。
ビードベースラインBLからビードエーペックスゴム8の外端8tまでのタイヤ半径方向の高さhaは、特に限定はされないが、小さすぎるとランフラット状態での操縦安定性が低下しやすく、逆に大きすぎると乗り心地の悪化を招くおそれがある。このような観点より、前記高さhaは、好ましくはタイヤ断面高さHの20%以上、より好ましくは25%以上が望ましく、また上限に関しては、好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下が望ましい。
本実施形態において、前記折返し部6bは、ビードエーペックスゴム8の外端8tをタイヤ半径方向外側に超えてのびており、その外端部6beは、本体部6aとベルト層7との間に挟まれて終端する。これにより、1枚のカーカスプライ6Aにより、サイドウォール部3が効果的に補強される。
前記ベルト層7は、タイヤ赤道Cに対して例えば10〜35゜の角度で配列されたベルトコードをトッピングゴムで被覆したタイヤ半径方向内、外の計2枚のクロスベルトプライ7A、7Bで構成される。前記ベルト層7の幅(この例では幅の広い内のベルトプライ7Aの幅)BWは、タイヤ最大幅SWの0.70〜0.95倍が好ましい。これにより、トレッド部2のほぼ全域に亘ってタガ効果を付与し、後述のタイヤ外面のプロファイルを保持する。
なお、タイヤ最大幅SWは、正規状態において、タイヤ最大幅位置M、M間のタイヤ軸方向距離である。また、タイヤ最大幅位置Mは、正規状態において、サイドウォール部3に設けられた文字、模様及びリムプロテクタなどを除外したタイヤ断面輪郭形状から定められ、具体的にはカーカス6の最大幅の位置mと同じ高さにある。
前記インナーライナーゴム10は、タイヤ内腔の空気を保持するために、前記サイド補強ゴム層9の内側を含み、ほぼビード部4、4間を跨るようにトロイド状に配されている。該インナーライナーゴムは、ガスバリア性を有するブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム及び/又は臭素化ブチルゴムなどを含むものが望ましい。
前記サイド補強ゴム9は、その中央部分からタイヤ半径方向の内端9i及び外端9oに向かってそれぞれ厚さが徐々に減じられた断面略三日月状で形成される。
サイド補強ゴム9の内端9iは、ビードエーペックス8の外端8tよりもタイヤ半径方向内側かつビードコア5よりもタイヤ半径方向外側に位置するのが望ましい。これにより、サイド補強ゴム9とビードエーペックスゴム8との間で剛性の低い箇所を無くすことができ、サイドウォール部3からビード部4にかけての曲げ剛性をバランス良く向上させ得る。とりわけ、サイド補強ゴム9とビードエーペックスゴム8との重なり部のタイヤ半径方向の長さWiは、好ましくは5〜50mmが望ましい。
サイド補強ゴム9の外端9oは、トレッド部2の内側に至ってのび、ベルト層7の外端7eよりもタイヤ軸方向内側の位置で終端するのが望ましい。これにより、バットレス部等において剛性が著しく低い箇所を無くすことができる。サイド補強ゴム9とベルト層7との重なり部のタイヤ軸方向の長さWoは、好ましくは0よりも大かつ50mm以下が望ましい。
サイド補強ゴム層9の内端9i及び外端9o間のタイヤ半径方向の長さLは、特に限定はされないが、小さすぎるとサイドウォール部3の補強効果が低下しやすく、逆に大きすぎると、通常走行時での乗り心地やリム組み性を悪化させる傾向がある。このような観点より、サイド補強ゴム層9の前記長さLは、好ましくはタイヤ断面高さHの35〜70%、より好ましくは40〜65%程度に設定されるのが望ましい。
サイド補強ゴム層9の最大厚さtは、負荷される荷重やタイヤサイズに応じて適宜定めることができるが、小さすぎると、サイドウォール部3を補強する効果が得られ難く、逆に大きすぎると、タイヤ重量の増加及び過度の発熱を招くおそれがある。このような観点より、前記最大厚さtは、好ましくは5mm以上、より好ましくは8mm以上が望ましく、上限については、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下が望ましい。
サイド補強ゴム9は、ゴムストリップをタイヤ回転軸の周りに巻き重ねたストリップ積層体9mから形成されるとともに、前記ゴムストリップは、複素弾性率が異なりかつタイヤ半径方向に交互に配された第1のゴムストリップ11及び第2のゴムストリップ12を少なくとも含む。
本実施形態のサイド補強ゴム9は、2種類のゴムストリップ、即ち第1のゴムストリップ11及び第2のゴムストリップ12で作られている。第1のゴムストリップ11の複素弾性率E*aは、第2のゴムストリップ12の複素弾性率E*bよりも大きく設定されている。
前記ストリップ積層体9mから作られたサイド補強ゴム9は、ゴムストリップの巻付けピッチなどを変えることにより、自由にその断面形状を変更できるので生産性に優れる。また、サイド補強ゴム9において、複素弾性率E*aの大きい第1のゴムストリップ11によって作られた部分は、高い曲げ剛性を有するため、ランフラット走行時のタイヤの縦撓みを抑制し、ランフラット耐久性能を向上させ得る。さらに、複素弾性率E*bの小さい第2のゴムストリップ12で作られた部分は、第1のゴムストリップ11、11の層間の大きな変形を可能とし、タイヤの縦バネを減じて乗り心地を向上させる。さらに、サイド補強ゴムの損傷過程では、通常、クラックの起点発生し、それが徐々に成長してサイド補強ゴム9の破壊につながる。しかし、上述のように、複素弾性率が異なる2種類のゴムストリップ11、12を交互に積層した構造では、従来の単一のゴムを押し出して形成されたサイド補強ゴムに比べてクラックが成長し難い。これらにより、本実施形態のランフラットタイヤ1は、ランフラット耐久性能を損ねることなく乗り心地を向上しうる。
ランフラットタイヤの乗り心地をより一層向上させるために、前記第2のゴムストリップ12の複素弾性率E*bは、好ましくは10MPa以下、より好ましくは8MPa以下、さらに好ましくは6MPa以下が望ましい。該複素弾性率E*bが10MPaを超えると、乗り心地の向上が十分に期待できなくなる。他方、第2のゴムストリップ12の複素弾性率E*bが小さすぎると、ランフラット耐久性能を低下させるおそれがあるので、好ましくは1MPa以上、より好ましくは2MPa以上が好適である。
前記第1のゴムストリップ11の複素弾性率E*aは、第2のゴムストリップの複素弾性率E*bとの比(E*a/E*b)が1.2〜10.0であるのが望ましい。前記比(E*a/E*b)が1.2未満の場合、サイド補強ゴム9の剛性が不足し、ランフラット走行時の縦撓みを十分に抑制できないおそれがある。逆に、前記比(E*a/E*b)が10.0を超えると、両ゴムの剛性差が過度に大きくなってそれらの界面に応力集中による損傷が発生しやすくなる。このような観点より、前記比(E*a/E*b)は、好ましくは2.0以上、より好ましくは3.0以上が望ましく、また上限に関しては、好ましくは8.0以下、より好ましくは7.0以下が望ましい。
なお、本明細書において、ゴムの複素弾性率は、4mm幅×30mm長さ×1.5mm厚さの短冊状試料と岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターとを用い、温度70℃、周波数10Hz及び動歪±2%の条件で測定された値である。
図1及び図2から明らかなように、前記正規状態において、サイド補強ゴム9は、第1のゴムストリップ11と第2のゴムストリップ12との境界線Eがほぼタイヤ半径方向に沿ってのびる第1の部分14を含む。本実施形態において、前記第1の部分14は、サイド補強ゴム9のタイヤ半径方向外側寄りに位置し、タイヤ全体ではトレッド接地端GEのほぼタイヤ半径方向内方に設けられている。ここで、境界線Eがほぼタイヤ半径方向に沿ってのびる態様には、例えば境界線Eが、タイヤ半径方向に対して少なくとも±5度の角度範囲で傾く場合が含まれる。また、境界線Eが、直線ではなく曲線である場合には、該境界線の中点Ecに接する接線で前記角度が評価される。また、境界線の中点Ecとは、図2に示されるように、サイド補強ゴム9の厚さの中心線9Cと境界線Eとの交点とする。
本明細書において、前記「トレッド接地端」は、正規状態に正規荷重を負荷してタイヤを平面に押し当てたときのタイヤ軸方向の最も外側で接地する位置とする。
図4(A)には第1の部分14が模式的に示される。第1の部分14は、実質的にタイヤ半径方向に沿ってのびる第2のゴムストリップ12を含む。このような第2のゴムストリップ12には、縦荷重が作用した場合、境界線Eに沿った大きなせん断変形δ1が生じ得るため、第1のゴムストリップ11、11の層間に大きな変形を確保できる。これは、特に、通常走行時のタイヤの縦バネを減じ、かつ、特に周波数の高い振動成分を効果的に吸収しうる。従って、優れた乗り心地を与えるのに役立つ。
また、本実施形態のサイド補強ゴム9は、第1の部分14よりもサイド補強ゴム9の外端9o側に、前記境界線Eがタイヤ半径方向外側に向かってタイヤ軸方向内側に傾いてのびる第2の部分15を含むとともに、第1の部分14よりもサイド補強ゴムの内端9i側に、境界線Eがタイヤ半径方向外側に向かってタイヤ軸方向外側に傾いてのびる第3の部分16を含んでいる。
図3に示したように、ランフラット走行時、サイド補強ゴム9は大きな屈曲変形をなすが、このとき、前記第2の部分15及び第3の部分16は、それらの各境界線Eがよりタイヤ軸方向に近づく向きに変形する。さらに、前記第1の部分14も、その境界線Eがタイヤ半径方向に対して傾斜する向きに変形する。
図4(B)には、このようなサイド補強ゴム9の変形を模式的に示す。ランフラット走行状態においては、サイド補強ゴム9は、第1のゴムストリップ11と第2のゴムストリップ12との各境界線Eがタイヤ軸方向に近づく向きに変形する。このため、複素弾性率E*bが小さい第2のゴムストリップ12で形成された部分は、図4(A)のようなタイヤ半径方向の大きなせん断変形δ1をなし得ず、小さな圧縮変形δ2に止まる。従って、本実施形態のサイド補強ゴム9は、通常走行時において縦バネを減じつつ、ランフラット状態では、縦バネを高め、タイヤの縦撓み量を減じてランフラット耐久性能の低下を抑制し又は向上させ得る。
図5には、前記正規状態におけるサイド補強ゴム9の前記境界線Eの前記中点Ecに引いた接線TGとタイヤ半径方向線Nとのなす角度θi (i=1、2…n)が示されている。サイド補強ゴム9の前記境界線Eは、第2の部分15から第1の部分14を経て第3の部分16まで(つまり、サイド補強ゴム9のタイヤ半径方向の外端9oからタイヤ半径方向の内端9iまで)、前記角度θiが徐々に変化していることが分かる。
このため、第2のゴムストリップ12の前記せん断変形δ1も、第2の部分15から第1の部分14に向かって徐々に大きくなるとともに、この第1の部分14から第3の部分16に向かって徐々に小さくできる。つまり、第2のゴムストリップ12のせん断変形量を滑らかに変化させることができるので、局部的な応力集中を防止し、サイド補強ゴム9の耐久性を悪化を防止している。
また、サイド補強ゴム9の第2の部分15において、前記境界線Eの前記角度θi は、80度以下が望ましい。また、第3の部分16において、前記境界線Eの前記角度θi は30度以下が望ましい。従って、第1の部分14から第3の部分16の領域において前記境界線Eの角度θi が30度以下に抑えられるため、比較的広い範囲に亘って第2のゴムストリップ12を大きくせん断変形させ得る。従って、乗り心地をより一層向上させることができる。
図6に示されるように、前記第1、第2のゴムストリップ11及び12は、幅Wgに比して長さが十分に大きいテープ状をなし、例えば押出機及び/又はカレンダー機を含むゴム成型装置から未加硫の状態で連続して供給される。そして、このゴムストリップ11及び12は、例えば被巻付体の外側に螺旋状に巻き重ねられることによって、サイド補強ゴム9となるストリップ積層体9mが形成される。
前記各々のゴムストリップ11及び12の幅Wg及び厚さTgは、特に限定されないが、好ましくは幅Wgが5〜30mm、また厚さTgが0.5〜4.0mmが好ましい。各々のゴムストリップの幅Wgが5mm未満の場合又は厚さTgが0.5mm未満の場合、所定の形状のサイド補強ゴム9を形成する場合、ストリップの剛性が小さくなる及び/又は巻回数が著しく増加するため生産性が低下する傾向がある。逆に前記幅Wgが30mmを超える場合又は厚さTgが4.0mmを超える場合、精度良く断面形状を作るのが困難になる傾向がある。
また、図7に示されるように、第1及び第2のゴムストリップ11及び12は、予め一つに重ねられた複合ストリップ20として、前記被巻付体に巻き付けられるのが望ましい。これにより、個々に巻き付ける場合に比して生産性が向上する。この実施形態の複合ストリップ20は、一対の押圧ローラR1、R2の間の隙間に、同じ幅Wg及び厚さtgを有する第1及び第2のゴムストリップ11及び12を通過させることによって、一体に圧着形成されるものが例示される。また、第1及び第2のゴムストリップ11及び12は、各々の幅中心線を実質的に揃えられて圧着されている。
図8及び図9に示される実施形態では、複合ストリップ21は、第1及び第2のゴムストリップ11及び12は、各々の幅中心線11C、12Cが幅方向にずらされて圧着されている。これにより、複合ストリップ21は、幅方向の一方に、第1のゴムストリップ11がはみ出すはみ出し部22を有するとともに、他方には、第2のゴムストリップ12がはみ出すはみ出し部23を有する。このような複合ストリップ21は、幅方向の両端部が変形しやすくなるため、ゴムストリップが重なり合う部分に等において柔軟に変形し、段差の吸収又は大きな段差の発生を抑えるのに役立つ。
図10には、本実施形態のランフラットタイヤ1の製造方法の一例が示される。
略円筒状をなす成型ドラムDには、慣例に従い、予めシート状のインナーライナーゴム10が巻き付けられている。本実施形態では、これらを被巻付体として、複合ストリップ20(又は21であり、以下同じ。)が所定の位置に巻き付けられる。例えば、複合ストリップ20の一端が、インナーライナーゴム10の外側に止着されるとともに、成型ドラムDはその中心線(これは、後のタイヤ回転軸と同軸である。)の周りで回転させられる。これにより、複合ストリップ20は、インナーライナーゴム10の周りを螺旋状に巻き付けられる。この際、成型ドラムDに対する複合ストリップ20のタイヤ軸方向への送りピッチが適宜調節され、所定の断面形状のストリップ積層体9Mが形成される。
しかる後、サイド補強ゴム9の外側に、カーカスプライ6A、ビードコア5、ビードエーペックス8などがセットされ、カーカスプライ6Aの折返しが行われる。さらに、サイドウォールゴム3Gやクリンチゴム4Gがさらにその外側に配される。その後、ビードコア5、5の間隔を縮めながらトレッド領域をタイヤ半径方向外側に突出させることにより、予め待機しているリング状のベルト層7及びトレッドゴム2Gと合体させる。これにより、図11に示されるような生カバー1Lが得られる。そして、該生カバー1Lを加硫成形することによって、本実施形態のランフラットタイヤ1が製造される。
なお、上述のような生カバー成型方法では、サイド補強ゴム9の位置や形状が安定して成型できない場合には、中子成形法を用いることができる。中子成形法は、例えば組立中子(図示せず)の周りに必要なゴム材料及びプライ等を貼り付けそのまま加硫し、その後、中子を分解して取り出すことにより行われる。この成形法では、精度良くサイド補強ゴム9を成型できる。
上記実施形態では、複合ストリップ20を被巻付体である成型ドラムDの軸方向の一方側に向かって巻き付ける態様を示した。しかし、例えば図12に模式的に示されるように、複合ストリップ20を、成型ドラムDの軸方向の一方側S1に向かって巻き付けるとともに、任意の位置(本実施形態ではサイド補強ゴム9の一方側の端部)で折返し前記成型ドラムDの軸方向の他方側S2に向かって巻き付ける段階を含むこともできる。従って、サイド補強ゴム9は、一方側S1に向かって巻き付けられた第1の層9aと、他方側S2に向かって巻き付けられた第2の層9bとが少なくとも重ね合わされる。
図13には、このようなサイド補強ゴム9を用いたランフラットタイヤの部分断面図を示す。図13から明らかなように、この実施形態のサイド補強ゴム9は、前記第1の層9a及び第2の層9bにおいて、それぞれ第1のゴムストリップ11同士、第2のゴムストリップ12同士が接続されている。これにより、第1のゴムストリップ11及び第2のゴムストリップ12の界面Eは、この図では逆V字状にのびている。また、図2との対比から明らかなように、このような実施形態では、界面Eの長さを大きく形成できる。
ゴムストリップを用いて形成されたサイド補強ゴム9を有するランフラットタイヤについて、タイヤが破壊するまで耐久テストを続けた場合、複素弾性率の小さい第2のゴムストリップ12に沿って亀裂が発生することが多い。従って、本実施形態のように、第1の層9aの第2のゴムストリップ12と、第2の層9bの第2のゴムストリップ12とをほぼV字状に接続することにより、図2の態様に比して、第2のゴムストリップ12の長さを増大させ得る。これにより、第2のゴムストリップ12に沿った亀裂は、サイド補強ゴム9を分断するためにはより長い距離を成長せざるを得ない。従って、この実施形態のランフラットタイヤ1は、ランフラット走行距離が増大する。
本実施形態では、1回の折返しによりサイド補強ゴム9を形成したが3回又は4回以上折返しを重ねてサイド補強ゴム9を形成することもできる。このようなサイド補強ゴムは、各層の第2のゴムストリップ12は、ジグザグ状に接続されることでより大きい長さを持つことができる。従って、クラックの成長に時間を要するので、耐久性をさらに向上させることができる。
また、本実施形態のランフラットタイヤ1には、トレッド部2を含め路面と接地する可能性があるタイヤ外面の好ましい実施形態のプロファイル(輪郭線)を適用することができる。図14には正規状態のタイヤ外面のプロファイルTLが描かれている。なお前記プロファイルTLは、トレッド部2に設けられた溝を埋めたものとして特定される。前記正規状態において、該プロファイルTLとタイヤ赤道Cとの交点CPからタイヤ最大幅SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面上の点をPとするとき、前記交点CPから前記点Pまでの区間においてタイヤ外面の曲率半径RCを徐々に減少させるとともに、次の関係を満足させることが望ましい。
0.05< Y60 /H ≦0.1
0.1< Y75 /H ≦0.2
0.2< Y90 /H ≦0.4
0.4< Y100 /H ≦0.7
ここで、Y60、Y75、Y90及びY100 は、前記交点CPからタイヤ軸方向にタイヤ最大幅の半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%のタイヤ軸方向距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の各点P60、P75、P90及びP100 と、前記交点CPとのタイヤ半径方向の各距離、Hはタイヤ断面高さである。
また、RY60=Y60/H
RY75=Y75/H
RY90=Y90/H
RY100 =Y100 /H
とすると、前記関係を満足する範囲は図15にグラフとして示される。図14及び図15から明らかなように、前記関係を満足するタイヤ外面のプロファイルは非常に丸くなる。このため、そのようなプロファイルを有するタイヤの接地形状は、接地幅が小さく、また接地長さが大きくなる。これは、騒音性能及びハイドロプレーニング性能の向上に役立つ。
また、このようなプロファイルは、サイドウォール部3の領域が短くなるという特徴を有する。このため、該プロファイルをランフラットタイヤ1に採用することにより、本来的に撓みにくいタイヤを提供しうる他、サイド補強ゴム9のゴムボリュームを低減でき、ランフラットタイヤにおける質量低下及び乗り心地性の向上が達成される点で特に好ましい。なお、前記曲率半径Rcは段階的に減少する態様でも良いが、好ましくは本実施形態のように連続的に減少するものが望ましい。
本発明は、乗用車用のものとして特に好適であるが、図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施できるのは言うまでもない。例えば、第1のゴムストリップと第2のゴムストリップとは、幅及び/又は厚さを異ならせることができる。また、ゴムストリップとして、複素弾性率が異なる3種類以上を含ませても良い。
本発明の効果を確認するために、表1の仕様に基づきタイヤサイズ「245/40R18」のランフラットタイヤを複数種類試作され、下記の性能がテストされた。タイヤの基本構造は、実施例8を除き、図1に示した通りであり、トレッド外面のプロファイル及びサイド補強ゴムの構成のみを変化させた。なお比較例のタイヤは、いずれもサイド補強ゴムが単一のゴム配合からなり、しかも従来の押し出し方式にて形成されている。また、実施例8のランフラットタイヤは、図13に示したように、第1及び第2のゴムストリップを端部で折り返して巻き付けられたサイド補強ゴムを有するものとした。
テストの方法は、次の通りである。
<縦バネ(230kPa、0kPa)>
各供試タイヤを正規リム(18×8.5JJ)にリム組みしかつ内圧を230kPa又は0kPaとするとともに、荷重5kNを負荷して平面に接地させてタイヤの縦たわみ量が測定された。そして、前記荷重5kNを縦たわみ量で除すことにより、近似的に各内圧での縦バネ定数を得た。結果は、比較例1を100とする指数で表示した。数値が小さいほど縦バネが小さいことを示す。
<乗り心地(実車評価)>
排気量4300cm3 の国産FR車に各供試タイヤを4輪装着するとともに、内圧230kPaを充填してドライアスファルト路面の段差路、ベルジャン路(石畳の路面)、ビッツマン路(小石を敷き詰めた路面)等において、ゴツゴツ感、突き上げ、ダンピングに関して官能評価を行い、10点法で評価した。数値が大きいほど良好である。
<ランフラット耐久性能>
各供試タイヤを下記リムにリム組み後、内圧230kPaを充填し、温度38℃で34時間放置した後、リムのバルブコアを抜き取ってタイヤ内腔と大気とを自由に連通させた。そして、この状態で、半径1.7mのドラムを有するドラム試験機上を下記条件で走行させ、タイヤが破壊するまでの走行距離が測定された。数値が大きいほど良好である。
リム:18×8.5JJ
速度:80km/h
縦荷重:4.14kN
<タイヤ質量>
各供試タイヤの1本当たりの質量が測定された。結果は、比較例1を100とする指数で示す。数値が小さいほど軽量であることを示す。
テストの結果などを表1に示す。
Figure 0004796387
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例に比べて、乗り心地及びランフラット耐久性能を両立していることが確認できた。
本発明の実施形態を示すランフラットタイヤの断面図である。 その要部拡大図である。 そのランフラット状態を示すタイヤの断面図である。 (A)、(B)は、サイド補強ゴムの作用を説明する模式図である。 ゴムストリップの境界線の角度を説明するサイド補強ゴムの断面図である。 ゴムストリップの斜視図である。 複合ストリップを製造する工程の一例を示す斜視図である。 複合ストリップを製造する工程の他の例を示す斜視図である。 その複合ストリップの断面図である。 ランフラットタイヤの製造方法を説明する断面図である。 それによって成型された生カバーの断面図である。 本発明の他の実施形態を示すゴムストリップの巻付け方法を示す線図である。 本発明の他の実施形態を示すランフラットタイヤの断面図である。 タイヤ外面のプロファイルを示す線図である。 タイヤ外面の各位置におけるRYiの範囲を示す線図である。
符号の説明
1 ランフラットタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
9 サイド補強ゴム層
11 第1のゴムストリップ
12 第2のゴムストリップ
14 第1の部分
15 第2の部分
16 第3の部分
20、21 複合ストリップ
E 第1のゴムストリップと第2のゴムストリップとの境界線

Claims (7)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るトロイド状のカーカスと、前記カーカスの内側に配された断面略三日月状をなすサイド補強ゴムとを具えたランフラットタイヤであって、
    前記サイド補強ゴムは、ゴムストリップをタイヤ回転軸の周りに巻き重ねたストリップ積層体から形成され、しかも
    前記ゴムストリップは、複素弾性率が異なりかつタイヤ半径方向に交互に配された第1のゴムストリップ及び第2のゴムストリップを少なくとも含み、
    正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填されしかも無負荷である正規状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、
    前記サイド補強ゴムは、前記第1のゴムストリップと第2のゴムストリップとの境界線がほぼタイヤ半径方向に沿ってのびる第1の部分と、
    前記第1の部分よりもサイド補強ゴムの外端側で前記境界線がタイヤ半径方向外側に向かって実質的にタイヤ軸方向内側に傾いてのびる第2の部分と、
    前記第1の部分よりもサイド補強ゴムの内端側で前記境界線がタイヤ半径方向外側に向かって実質的にタイヤ軸方向外側に傾いてのびる第3の部分とを含み、
    しかも前記境界線は、前記第2の部分から前記第3の部分までその傾きが徐々に変化することを特徴とするランフラットタイヤ。
  2. 前記第2のゴムストリップの複素弾性率E*bは10MPa以下であり、かつ前記第1のゴムストリップの複素弾性率E*aとの比(E*a/E*b)が1.2〜10.0である請求項1記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記第2の部分は、前記境界線の接線がタイヤ半径方向線に対して80度以下で傾くとともに、前記第3の部分は、前記境界線の接線がタイヤ半径方向線に対して30度以下で傾く請求項1記載のランフラットタイヤ。
  4. 正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填されしかも無負荷である正規状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、
    タイヤ外面のプロファイルは、該プロファイルとタイヤ赤道(C)との交点(CP)からタイヤ最大幅(SW)の45%の距離(SP)を隔てるタイヤ外面上の点を(P)とするとき、前記交点(CP)から前記点(P)までの区間においてタイヤ外面の曲率半径(RC)は徐々に減少するとともに、
    次の関係を満足する請求項1乃至3のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
    0.05< Y60 /H ≦0.1
    0.1< Y75 /H ≦0.2
    0.2< Y90 /H ≦0.4
    0.4< Y100 /H ≦0.7
    (ここで、Y60、Y75、Y90及びY100 は、前記交点(CP)からタイヤ軸方向にタイヤ最大幅の半幅(SW/2)の60%、75%、90%及び100%のタイヤ軸方向距離をそれぞれ隔てるタイヤ外面上の各点P60、P75、P90及びP100 と、前記交点(CP)とのタイヤ半径方向の各距離、Hはタイヤ断面高さである。)
  5. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るトロイド状のカーカスと、前記カーカスの内側に配された断面略三日月状をなすサイド補強ゴムとを具えたランフラットタイヤを製造するランフラットタイヤの製造方法であって、
    円筒状の被巻付体に、複素弾性率が異なる第1のゴムストリップ及び第2のゴムストリップの少なくとも一部を重ねて螺旋状に巻き付けることにより前記サイド補強ゴムを形成する工程を含むとともに、
    前記複合ストリップは、実質的に同一の幅を有する前記第1及び第2のゴムストリップの幅中心線をずらせて重ねられていることを特徴とするランフラットタイヤの製造方法。
  6. 前記巻き付けに先立ち、前記第1のゴムストリップと前記第2のゴムストリップとを予め一つに重ねて複合ストリップを形成する工程をさらに含む請求項5記載のランフラットタイヤの製造方法。
  7. 第1及び第2のゴムストリップを、前記被巻付体の軸方向の一方側に向かって巻き付けるとともに、任意の位置で折返し前記被巻付体の軸方向の他方側に向かって巻き付ける段階を含む請求項5又は6に記載のランフラットタイヤの製造方法。
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