JP4794494B2 - 酸化スズゾルの製造方法 - Google Patents

酸化スズゾルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4794494B2
JP4794494B2 JP2007101086A JP2007101086A JP4794494B2 JP 4794494 B2 JP4794494 B2 JP 4794494B2 JP 2007101086 A JP2007101086 A JP 2007101086A JP 2007101086 A JP2007101086 A JP 2007101086A JP 4794494 B2 JP4794494 B2 JP 4794494B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tin oxide
oxide sol
tin
hydrochloric acid
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007101086A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008222540A (ja
Inventor
史進 高崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiichi Kigenso Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Kigenso Kagaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiichi Kigenso Kagaku Kogyo Co Ltd filed Critical Daiichi Kigenso Kagaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP2007101086A priority Critical patent/JP4794494B2/ja
Publication of JP2008222540A publication Critical patent/JP2008222540A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4794494B2 publication Critical patent/JP4794494B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Colloid Chemistry (AREA)

Description

本発明は、酸化スズゾルの製造方法及び酸化スズゾルの平均粒子径の制御方法に関する。
酸化スズゾルは、酸化スズの機能を有しながら液体状であるため、他の成分と容易に混合され塗液形態で使用できる点で酸化スズ粉末よりも優れている。
従って、現在、酸化スズゾルは、(プラスチック)レンズのハードコート剤及びプラスチックの帯電防止剤等の多くの分野で利用されている。
そして、ハードコート剤及び帯電防止剤などの用途においては、酸化スズゾルが微粒子であり、かつ、単分散であることが重要視されている。すなわち、レンズに対するハードコートや帯電防止能を有する光学フィルムなどの用途においては、レンズあるいはフィルムの透明性を損なってはならないため、白色散乱の少ない微粒子の酸化スズゾルが求められる。更に、酸化スズゾルが適用される材料が均質であるためには同じ大きさの酸化スズ微粒子が材料中に均一に分散しなければならない点で、酸化スズゾルの単分散性が必要である。
ところで、特許文献1の実施例には、塩化第二錫五水和物を蒸留水に溶解し、次に過熱して得られた沈殿物を遠心分離し、上澄液を捨て蒸留水を加える操作を繰り返し、塩酸を除去し、次にアンモニア水を加え加熱するコロイド状SnO水溶液の製造方法が開示されている。
又、特許文献2には、水溶性スズ化合物と重炭酸アルカリ金属塩または重炭酸アンモニウム塩とを反応させゲルを生成した後、アンモニアを添加し、水熱処理することからなる結晶質酸化スズゾルの製造方法が開示されている。
更に、特許文献3には加水分解性スズ化合物を加水分解処理し洗浄後、得られたハロゲン濃度が0.001%以上3%以下の原料をアンモニア水に溶解して加熱処理を行うことを特徴とする非晶質酸化スズゾルの製造方法が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1〜3のような方法は酸化スズゾルを製造するにあたって不純物含有量を制御された前駆体が必要である点で製造工程として煩雑で非効率である。
又、特許文献3のような非晶質酸化スズゾルは粒子が小さいために粒子間のファンデルワールス力が強く不安定である。
そして、特許文献4には、塩酸あるいは蓚酸の水溶液に過酸化水素と金属スズをH/Snモル比が2〜3の範囲を保ちながら添加し反応させる酸性の酸化スズゾルの製造方法が開示されている。この方法はH/Snモル比を2〜3に保ちながら金属スズと過酸化水素を交互に添加させる点で工程として複雑で実施が難しい。又、酸化スズゾルの重要な特性である粒子径についての制御方法についてはなんら触れられていない。
すなわち、粒子径が小さいほど白色散乱がなく、酸化スズゾルが適用される材料の濁りを小さくできる点、粒子径が大きいほど酸化スズゾル粒子の界面が減少するためファンデルワールス力による凝集を緩和することができ、酸化スズゾルの高濃度化や酸化スズゾルが安定しにくい水以外の溶媒を用いることが可能になることや、酸化スズゾルをコーティングによって成膜するときの膜強度及び密着性に影響するという点で酸化スズゾルの粒子径を制御することは重要である。
従って、微粒子かつ単分散であり、さまざまな粒子径の酸化スズゾルを効率的に製造する方法が必要とされているが、未だこれを満足する方法は知られていない。
ところで、有機溶媒の酸化スズゾルは樹脂への混合が容易である点や溶媒の揮発が速いことからコーティングによって良質な膜が得られる優位性を持つため有用である。
しかしながら、一般的に知られている蒸留などによる酸化スズゾルの水溶媒から有機溶媒への置換は特殊設備や工程が複雑となり非効率である。又、スズアルコキシドを有機溶媒中で加水分解すれば有機溶媒の酸化スズゾルが得られるが、スズアルコキシドが高価であるため商用として非効率である。従って、有機溶媒の酸化スズゾルの安価で効率的な製造方法も求められている。
特開昭56−82504号 特公平3−3607号 特開平10−59720号 特許2687361号
発明が解決しようとする課題
本発明は上記の問題に鑑みて成されたものであって、その目的は粒子径の制御が容易であり効率的な酸化スズゾルの製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、酸化スズゾルの製造に際し、特定濃度の塩酸溶液にスズを特定量添加し、次に過酸化水素水を添加することにより、上記目的を達成する事を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1)0.1〜8規定(N)の塩酸にスズをHCl/Sn(モル比)=0.5〜1となるように添加した反応液に、過酸化水素水を添加することを特徴とする平均粒子径5〜100nmの酸化スズゾルの製造方法。
(2)酸化スズゾルがSnO換算で20%以上を含有し、平均粒子径が5〜15nmであることを特徴とする前記(1)記載の酸化スズゾルの製造方法。
(3)過酸化水素水添加中又は添加後の反応液温度を40〜60℃に保つことを特徴とする前記(1)又は前記(2)記載の酸化スズゾルの製造方法。
(4)前記(1)〜前記(3)記載の製造方法で製造した酸化スズゾルに塩基を添加することを特徴とする酸化スズゾルの製造方法。
(5)前記(1)〜前記(4)記載の製造方法で製造された酸化スズゾルを乾燥して得た固形分を水又は有機溶媒に添加し解膠させることを特徴とする酸化スズゾルの製造方法
提供する。
発明の効果
本発明により、単分散性と粒子径が制御された酸化スズゾルを効率的に製造できるため、斯界において好適に用いることが出来る。
以下、本発明の酸化スズゾルの製造方法及び酸化スズゾルの平均粒子径の制御方法について詳細に説明する。
なお、本発明において、平均粒子径とはレーザードップラー法によって測定された粒子径分布の体積累積頻度が50%となる粒子径を言う。又、本発明において、「%」とは、特に断りがない場合、「重量%=質量%」を示す。
本発明は、大きく分類すると、(1)酸性水溶媒の酸化スズゾルの製造方法、(2)塩基性水溶媒の酸化スズゾルの製造方法、(3)有機溶媒の酸化スズゾルの製造方法及び(4)酸化スズゾルの平均粒子径の制御方法となる。以下、順次、説明を行う。
1.酸性水溶媒の酸化スズゾルの製造方法
先ず、酸性水溶媒の酸化スズゾルの製造方法について説明する。
本発明は、0.1〜8規定(N)の塩酸にスズをHCl/Sn(モル比)=0.5〜1となるように添加した反応液に、過酸化水素水を添加することを特徴とし、得られる酸化スズゾルの平均粒子径は5〜100nm、好ましくは5〜15nmである。
初期塩酸濃度は、0.1〜8規定(N)、好ましくは0.3〜6規定である。
初期塩酸濃度が0.1規定未満では酸化スズゾルの生成が緩慢になる点、詳細は後述するがこの初期塩酸の規定度が生成する酸化スズゾルの平均粒子径に影響しており、酸化スズゾルの平均粒子径が100nmを超え粗大になるため好ましくない。又、初期塩酸の規定度が8規定を超える場合でも酸化スズゾルを得ることはできるが、高濃度のため塩化水素の揮発が起こりやすく、環境を汚染するため好ましくない。
次に、上記の塩酸溶液にスズをHCl/Sn(モル比)=0.5〜1となるように添加する。
HCl/Snモル比が0.5未満では酸化スズゾルにならないスズが残り、酸化スズの収率が低下するため、又、HCl/Snモル比が1を超える場合は酸化スズゾルを得ることはできるが、塩酸が過剰なため非効率であるばかりでなく、用途によっては使用困難となるような過剰な塩酸が酸化スズゾル中に含まれることになるため好ましくない。
なお、上記塩酸やスズは一般的に市販されているものを使用できる。スズの形態は特に限定されないが、塩酸と過酸化水素との接触によって酸化スズゾルが生成する点から考えて表面積の大きい形態、例えば粉末、粒、チップ状のものが好ましい。
そして、スズ添加塩酸溶液に過酸化水素水を添加する。過酸化水素水の添加量が不足すると酸化スズゾルにならないスズが残るため、スズがすべて酸化スズゾルになる量を添加する必要がある。
そして、塩酸濃度によってスズがすべて酸化スズゾルになるための過酸化水素水の量が異なるためスズに対する量で一義的に規定することはできないが、H/Snモル比で1〜5、好ましくは2〜3である。
過酸化水素水は連続あるいは断続的に添加すればよい。ただし、過酸化水素水の添加によって過酸化水素とスズの発熱反応が起こるため、一次的に大量の過酸化水素水が添加されることによる反応液の過剰な温度上昇が起こらないように注意する必要がある。
過酸化水素水を添加中または添加後にスズが完全に消滅し、酸化スズゾル生成反応が完了するまで反応液は40〜60℃で維持されることが好ましい。このとき反応液が40℃未満の場合は酸化スズゾルの生成反応速度が著しく低下するために非効率であり、60℃を超える場合は酸化スズゾルの生成反応に消費されるはずの過酸化水素の分解や塩化水素の揮発が増加したり、反応液中の反応物濃度の変化によって酸化スズゾルの特性制御が困難になる点で好ましくない。
なお、スズが完全に消滅し、酸化スズゾルの生成反応が完了するまでの時間は、反応液の塩酸濃度によって異なるが、通常、5〜100時間である。
この様にして生成した酸化スズゾルは、安定な分散状態を保つことができる。
生成した酸化スズゾル中の塩酸は、プロトンを放出し、そのプロトンを吸着した酸化スズゾルの表面に正電荷を与えるために存在する。
酸化スズゾルが安定な分散状態を保てる範囲であれば、酸化スズゾル中の塩酸を限外ろ過、透析などによって除去することも可能である。
又、酸化スズゾルに塩酸以外の酸、例えば硝酸、酢酸、蓚酸などを加えて限外ろ過、透析することで酸の種類を変えることができる。
なお、生成した酸化スズゾル中の過酸化水素は、酸化スズゾルが存在するためには必要ないため、揮発、分解、限外ろ過や透析などによって除去しても構わない。
更に、酸化スズゾルが安定な範囲で、酸化スズゾルを限外ろ過、蒸発などによって濃縮することができる。
そして、酸化スズゾルを乾燥させて酸化スズゾル粒子表面の水を取り去ったあとに再び水に入れ解膠させることで高濃度の酸化スズゾルを得ることも可能である。
これは乾燥された酸化スズゾル粒子表面に濃縮された塩酸が残存し、粒子同士が完全に凝集することを抑制しているためと考えられる。このとき除去したい水の量に応じて適当な乾燥温度を選択すればよく、通常20〜100℃程度が好ましい。
本発明の酸化スズゾルの濃度は、SnO換算で20%以上含有することが好ましい。
但し、50%を超えると増粘やゲル化する恐れがあるので、好ましくない。
2.塩基性水溶媒の酸化スズゾルの製造方法
次に、塩基性水溶媒の酸化スズゾルの製造方法について説明する。
上記の様にして作製された酸性水溶媒の酸化スズゾルに塩基性物質添加することにより、塩基性水溶媒の酸化スズゾルを製造することができる。
塩基としてはアンモニア、水酸化アルカリ、水酸化四級アミンなどが例示される。
塩基の添加量は、酸化スズゾルのpHが7〜12となる範囲で添加されることが望ましい。このときpHが7未満であると酸化スズゾル粒子表面に十分な負電位が与えられず好ましくない。又、塩基の添加は上記負電位の付与が目的であり、pH12を超える塩基の添加は必要としない。
塩基性水溶媒の酸化スズゾルを得るために酸性水溶媒の酸化スズゾルに添加する塩基の必要量は酸性水溶媒の酸化スズゾルに含有される塩酸の量によって異なるため、一義的に決定することが出来ないが、塩基/SnO重量比で0.001〜1の範囲である。
なお、上記酸性水溶媒の酸化スズゾルの場合と同様であるが、塩基性水溶媒の酸化スズゾルを乾燥させて酸化スズゾル粒子表面の水を取り去ったあとに再び水に入れ解膠させることで高濃度の酸化スズゾルを得ることも可能である。
3.有機溶媒の酸化スズゾルの製造方法
更に、有機溶媒の酸化スズゾルの製造方法について説明する。
上記酸性水溶媒又は塩基性水溶媒の酸化スズゾルを乾燥して得られた固形分を、有機溶媒中で解膠させて有機溶媒の酸化スズゾルを製造することができる。
この時、酸化スズゾルを乾燥して得られた固形分と有機溶媒を混ぜる前に、有機溶媒中に0.01〜5%の酸又は塩基を添加しておくことで、酸化スズゾルの固形分の解膠を促進することができる。
酸としては塩酸、硝酸、硫酸などの強酸及び酢酸などの弱酸が、塩基としてはアンモニア、水酸化アルカリ、水酸化四級アミンなどが例示される。
酸性水溶媒の酸化スズゾルの固形分で有機溶媒の酸化スズゾルを製造すると酸性有機溶媒の酸化スズゾルが得られるが、この酸性有機溶媒の酸化スズゾルへ塩基を添加しpH7以上とすることで容易に塩基性有機溶媒の酸化スズゾルとすることもできる。
なお、上記有機溶媒としてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、アセトン、セロソルブ等が例示される。
4.酸化スズゾルの平均粒子径の制御方法
最後に、本発明の酸化スズゾルの平均粒子径の制御方法について説明する。
本発明は、0.1〜8規定(N)の塩酸にスズをHCl/Sn(モル比)=0.5〜1となるように添加した反応液に、過酸化水素水を添加することにより酸化スズゾルを製造する方法において、予め初期塩酸濃度と得られる酸化スズゾルの平均粒子径との関係を求めておき、これに基づき、初期塩酸濃度を変化させることにより、得られる酸化スズゾルの平均粒子径を5〜100nm、好ましくは5〜15nmにコントロールすることを特徴とする。
以下、更に詳細に説明する。
本発明は、上記酸性水溶媒の酸化スズゾルの製造方法において、スズを添加する前の塩酸(初期塩酸)の規定度を変えることで酸化スズゾルの平均粒子径を変化させることができる。
すなわち、上記初期塩酸の規定度が高いほど平均粒子径の小さい酸化スズゾルが得られる。後述する実施例1〜5で得られた酸化スズゾルの塩酸の規定度と酸化スズゾルの平均粒子径の関係を図1に示す。これより、上記初期塩酸の規定度を変化させることでおおよそ平均粒子径5〜100nmの酸化スズゾルが得られることが判る。
上記初期塩酸の規定度によって酸化スズゾルの粒子径が変化する理由を説明する。
酸化スズゾルの粒子の生成過程はまず、スズの表面から塩酸へのスズの溶出が起こり次に塩酸中に溶出して生成したスズ化学種が加水分解しメタスズ化合物が生成し、このメタスズ化合物が過酸化水素に酸化されて酸化スズの結晶が生成すると考えられる。
メタスズ化合物から酸化スズが生成するため、酸化スズ濃度はメタスズ化合物濃度に依存し、メタスズ化合物濃度が急激に高まればそれに応じて酸化スズ濃度も急激に高まり核生成の臨界濃度に対する過飽和は大きくなると考えられる。
酸化スズ濃度の過飽和が大きい場合、より多くの核が生成するため酸化スズゾルの生成反応が完了した時点での酸化スズゾルの平均粒子径はより小さくなると考えられる。
従って、メタスズ化合物濃度が高くなるような条件下では酸化スズゾルの平均粒子径は小さくなる傾向にあるといえる。メタスズ化合物濃度が高くなる条件とはスズの表面から塩酸へのスズの溶出速度が速くなるような条件であり、それは上記塩酸の規定度が高い場合である。逆にこの塩酸の規定度が低い場合、生成する酸化スズの核が少ないために酸化スズゾルの平均粒子径は大きくなると考えられる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴を明確にする。なお、本発明は、これらの実施例の態様に限定されない。
0.5Nの塩酸720gに粒状スズを60g添加し反応液を調製した。該反応液を適度に攪拌しながら35%の過酸化水素水200gを反応液の温度を40〜60℃に保ちながら徐々に添加し、その後50℃で24時間保持して酸化スズゾルを得た。得られた酸化スズゾルの平均粒子径は90nmであった。
1Nの塩酸360g、粒状スズを60g及び35%の過酸化水素水150gを用いた以外は、実施例1と同様にして、酸化スズゾルを得た。得られた酸化スズゾルの平均粒子径は30nmであった。
2Nの塩酸180g、粒状スズを60g及び35%の過酸化水素水120gを用いた以外は、実施例1と同様にして、酸化スズゾルを得た。得られた酸化スズゾルの平均粒子径は15nmであった。
4Nの塩酸90g、粒状スズを60g及び35%の過酸化水素水100gを用いた以外は、実施例1と同様にして、酸化スズゾルを得た。得られた酸化スズゾルの平均粒子径は9nmであった。なお、酸化スズゾルの濃度はSnO換算で31%であった。
6Nの塩酸60g、粒状スズを60g及び35%の過酸化水素水100gを用いた以外は、実施例1と同様にして、酸化スズゾルを得た。得られた酸化スズゾルの平均粒子径は8nmであった。なお、酸化スズゾルの濃度はSnO換算で36%であった。
実施例4で得られた酸化スズゾル100gへ水900gを添加し限外ろ過によって150gとなるまで濃縮した。そこへ水600gを加えさらに25%アンモニア水10gを添加した後、再び限外ろ過によって210gとなるまで濃縮し、pH9.6の酸化スズゾルを得た。
実施例4で得られた酸化スズゾル100gを50℃で乾燥し得られた固形分39gをエタノール100gへ添加した後攪拌し、エタノール溶媒の酸化スズゾルを得た。
実施例6で得られた酸化スズゾル210gを80℃で乾燥し得られた固形分35gを、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液2gが添加されたエタノール100gに添加した後、酸化スズゾル粒子が十分に解膠するまで攪拌し、エタノール溶媒の酸化スズゾルを得た。該ゾルの平均粒子径は10nmであった。
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、(1)酸性水溶媒の酸化スズゾル、(2)塩基性水溶媒の酸化スズゾル及び(3)有機溶媒の酸化スズゾルが簡単な操作で製造することが出来ると共に(4)初期塩酸の規定度を変えることにより、酸化スズゾルの平均粒子径を制御出来ることが明らかである。
実施例1〜5で得られた酸化スズゾルのスズを添加する前の塩酸(初期塩酸)の規定度と平均粒子径の関係を示す図面である。

Claims (5)

  1. 0.1〜8規定(N)の塩酸にスズをHCl/Sn(モル比)=0.5〜1となるように添加した反応液に、過酸化水素水を添加することを特徴とする平均粒子径5〜100nmの酸化スズゾルの製造方法。
  2. 酸化スズゾルがSnO換算で20%以上を含有し、平均粒子径が5〜15nmであることを特徴とする請求項1記載の酸化スズゾルの製造方法。
  3. 過酸化水素水添加中又は添加後の反応液温度を40〜60℃に保つことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の酸化スズゾルの製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の製造方法で製造した酸化スズゾルに塩基を添加することを特徴とする酸化スズゾルの製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の製造方法で製造された酸化スズゾルを乾燥して得た固形分を水又は有機溶媒に添加し解膠させることを特徴とする酸化スズゾルの製造方法。
JP2007101086A 2007-03-09 2007-03-09 酸化スズゾルの製造方法 Active JP4794494B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007101086A JP4794494B2 (ja) 2007-03-09 2007-03-09 酸化スズゾルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007101086A JP4794494B2 (ja) 2007-03-09 2007-03-09 酸化スズゾルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008222540A JP2008222540A (ja) 2008-09-25
JP4794494B2 true JP4794494B2 (ja) 2011-10-19

Family

ID=39841578

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007101086A Active JP4794494B2 (ja) 2007-03-09 2007-03-09 酸化スズゾルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4794494B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010195657A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Mitsubishi Materials Corp 超粒子酸化錫粉末の製造方法
US8491822B2 (en) 2009-07-21 2013-07-23 Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. Tin oxide particles and process for producing the same
JP5330918B2 (ja) * 2009-07-27 2013-10-30 三井金属鉱業株式会社 酸化スズ粒子及び酸化スズゾルの製造方法
JP5711981B2 (ja) 2011-01-19 2015-05-07 三井金属鉱業株式会社 酸化スズ粒子及びその製造方法
KR101939076B1 (ko) * 2018-04-25 2019-01-17 (주)필스톤 대전방지 기능을 갖는 고투과율 및 고내열성 하드코팅제 및 그 제조방법

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2687361B2 (ja) * 1987-07-22 1997-12-08 日産化学工業株式会社 酸化スズゾルの製造方法
JP3250259B2 (ja) * 1992-07-07 2002-01-28 日産化学工業株式会社 変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体ゾル及びその製造法
JP4088721B2 (ja) * 1997-03-13 2008-05-21 日産化学工業株式会社 導電性酸化スズ微粉末及び導電性酸化スズゾルの製造方法
JP4193036B2 (ja) * 2002-10-29 2008-12-10 日産化学工業株式会社 導電性酸化スズの製造方法
JP4561955B2 (ja) * 2002-12-03 2010-10-13 日産化学工業株式会社 変性された酸化第二スズゾル、酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体ゾル及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008222540A (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4794494B2 (ja) 酸化スズゾルの製造方法
JP2783417B2 (ja) ルチル型酸化チタンゾルの製造法
JP5035545B2 (ja) アルカリ性ジルコニアゾルの製造方法
WO2012017752A1 (ja) 酸化チタンゾル、その製造方法、超微粒子状酸化チタン、その製造方法及び用途
JP5818196B2 (ja) 酸化スズ超微粒子の製造方法
TWI741116B (zh) 二氧化矽粒子分散液及其製造方法
KR100678524B1 (ko) 티타니아 용액의 제조방법
JP3515034B2 (ja) 酸化チタンゾル及びその製造方法
JP4891021B2 (ja) ニオブ系酸化物微粒子の製造方法
JP6933976B2 (ja) シリカ系粒子分散液及びその製造方法
JP4851685B2 (ja) ルチル型酸化チタン超微粒子の製造方法
JP2023011705A (ja) タンタル酸分散液及びタンタル酸化合物
JP2003342370A (ja) 球状ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子の製造方法
KR101797751B1 (ko) 지르코니아의 제조방법 및 그에 의해 제조된 지르코니아 졸
JP2687361B2 (ja) 酸化スズゾルの製造方法
JPH08208228A (ja) 無定形酸化チタンゾルの製造方法
JP2007176710A (ja) 酸化アンチモンゾルの製造方法および酸化アンチモンゾル
JP5729926B2 (ja) 酸化ガリウム粉末
KR20090021005A (ko) 불순물이 함유된 은 화합물로부터 은 콜로이드의 제조방법
JP3642490B1 (ja) チタニア溶液の製造方法
JP2820251B2 (ja) 酸化チタンゾル
JP6774014B2 (ja) 金属酸化物ナノ粒子の製造方法
JP4068355B2 (ja) 層状ニオブ酸化物剥離層ゲル及びその製法
JP2008174399A (ja) 酸化インジウムを主成分とする粉末の製造方法
CN111453755B (zh) 纳米级硫酸钡生产方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100113

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110705

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110726

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4794494

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140805

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140805

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250