JP4794087B2 - 変位量の微調整装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば工作機械や顕微鏡等におけるX−Yテーブルの微量送り機構等に適用できる変位量の微調整用の装置並びにその方法に係り、特に半導体の製造や遺伝子分析等の分野において好適な超高精度の位置出し、微量送りの可能な変位量の微調整装置並びに変位量の微調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
旋盤、フライス盤を初めとする各種工作機械や産業用ロボット、更には顕微鏡や写真現像用の拡大投影機等には、X−Yテーブルと呼ばれる水平2軸を移動できるスライドテーブルが使用されている。X−Yテーブルの移動駆動手段としてはモータの回転運動をスライダの直線運動に変換するボールねじ機構等が採用されており、更に微量な送りを可能にするためにモータの出力軸に減速機を接続し、ボールねじのスクリューシャフトの回転数を極めて低速に設定する試みがなされている。
【0003】
上記の減速機は歯数ないし径を異にする複数の歯車を適宜組み合わせて成る歯車列を利用したものがほとんどであり、各歯車間のバックラッシュやこれらと支持部材との間のクリアランスあるいは組み付け時の組付誤差等があり、設定できる変位量としては数μmオーダーが限界とされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら近時の産業界の発達は目覚ましく、例えばIC、LSI等の半導体の製造分野や遺伝子情報の分析等を行う研究分野では更に1/1000、精度を高めた数nmオーダーの変位量の調整が求められている
これを従来の歯車列による減速機により実現しようとした場合、個々の部品の精度を高め、クリアランスを最小限に小さくし、組付誤差をなくすといっても限界があり、また装置の大型化、複雑化や製造コストの大幅な増大につながり技術的、経済的にその実現は事実上不可能である。
【0005】
本発明は上記の従来の問題点に着目してなされたものであって、極めて簡易且つ安価な構成により高精度でしかも安定性、確実性の高い極微量の変位量の調整を可能にする変位量の微調整装置並びに変位量の微調整方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、互いに対向して平行に配置された一対の弾性部材と、前記一対の弾性部材の一端に一体に形成され所定位置に固定される固定部と、前記一対の弾性部材の他端に一体に形成され移動可能な移動部と、前記一対の弾性部材を撓むように弾性変形させて、前記移動部を微量だけ変位させる駆動手段を具備し、前記駆動手段は、一対の弾性部材の互いに対向する部分に渡されて一体に形成され、且つ「く」の字形に湾曲した形状に形成され真っ直ぐになる形状に弾性変形する湾曲部材と、前記湾曲部材の中央部を押圧する駆動装置を備え、前記駆動装置が駆動すると、前記湾曲部材の中央部が押圧されて真っ直ぐに延びる方向に弾性変形する
ことを特徴とする変位量の微調整装置である。
【0009】
請求項記載の発明は、請求項に記載した変位量の微調整装置において、移動部には当該移動部の移動を弾性変形することにより許容する支持片の一端が一体に形成されていることを特徴とする変位量の微調整装置である。
【0010】
請求項記載の発明は、請求項に記載した変位量の微調整装置において、支持片の他端には固定部材が一体に形成され支持されていることを特徴とする変位量の微調整装置である。
【0011】
請求項の発明は、互いに対向して平行に配置された一対の弾性部材が複数組備えられ、前記一対の弾性部材の一端に形成され所定位置に固定される固定部と、前記複数組備えられた一対の弾性部材の他端に1つの移動部が一体に形成され、前記一対の弾性部材を撓むように弾性変形させて、前記移動部を微量だけ変位させる駆動手段を具備し、且つ前記1つの移動ベースと前記複数組備えられた一対の弾性部材の配置関係が、1つの移動ベースを異なる複数の方向へ変位させるものであり、前記駆動手段は、一対の弾性部材の互いに対向する部分に渡されて一体に形成され、且つ「く」の字形に湾曲した形状に形成され真っ直ぐになる形状に弾性変形する湾曲部材と、前記湾曲部材の中央部を押圧する駆動装置を備え、前記駆動装置が駆動すると、前記湾曲部材の中央部が押圧されて真っ直ぐに延びる方向に弾性変形することを特徴とする変位量の微調整装置である。
【0012】
請求項記載の発明は、請求項に記載した変位量の微調整装置において、移動部には当該移動部の異なる複数の方向の変位を弾性変形によって許容する複数の支持片の一端が一体に形成されていることを特徴とする変位量の微調整装置である。
【0013】
請求項記載の発明は、請求項に記載した変位量の微調整装置において、支持片の他端には取付ベースが一体に形成されていることを特徴とする変位量の微調整装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1から図3に基づいて本発明の第1の実施の形態に係る変位量の微調整装置1並びにこの装置を使用した本発明の変位量の微調整方法について説明する。
符号3は一対の弾性部材としての一対の弾性板を示し、この一対の弾性板3は互いに対向して平行に配置されている。一対の弾性板3の一端部には、固定部としての固定ブロック7が一体に形成されている。この固定ブロック7は、取付ベース15に設けられた延長ブロック8に固定されている。また固定ブロック7には貫通穴5が形成されている。
【0017】
一対の弾性板3の他端には移動部としての移動ブロック9が一体に形成され、この移動ブロック9の下面には支持片11の一端が一体に形成され、さらにこの支持片11の他端には基台部13が一体に形成されている。基台部13は取付ベース15に取り付けられている。
符号17は湾曲部材としての湾曲板を示し、この湾曲板17は一対の弾性板3の対向領域に配置され、その両端部は一対の弾性板3の対向する部分のほぼ中央に一体に形成されている。即ち、湾曲板17は一対の弾性板3の対向する部分に渡されて一体に形成されている。湾曲板17は「く」の字形に湾曲する形状で、真っ直ぐになる形状に弾性変形することができる。
【0018】
一対の湾曲板3、固定ブロック7、移動ブロック9、支持片11及び湾曲板17は焼き入れをした鋼材によって一体に形成されている。従って、これらの部材間に組付誤差が発生することはない。なお、湾曲板3、固定ブロック7、移動ブロック9、支持片11及び湾曲板17は、ワイヤカット放電加工機やレーザ加工機等を用いた高精度切削加工によって製作する。
【0019】
符号19は駆動装置としてのマイクロメータを示し、このマイクロメータ19の本体21は固定ブロック7に取り付けられており、摺動子23は固定ブロック7の貫通穴5へ貫入している。摺動子23の先端部は湾曲板17の中央部に連結されている。マイクロメータ19の操作部25を回すと、摺動子23が前進後退する。
【0020】
移動ブロック9には載置テーブル27が接続されており、載置テーブル27は移動ブロック9と共に変位する。また載置テーブル27には変位量検出センサ29が接続されており、載置テーブル27の変位量を検出する。
【0021】
次に変位量の微調整装置1の動作について説明する。
マイクロメータ19の操作部25を回して摺動子23を進行させると、湾曲板17の中央部が押圧され、実線で示す状態から仮想線で示す真っ直ぐになる状態に弾性変形する。湾曲片17が真っ直ぐに延びるに従って一対の弾性板3が押されて、一対の弾性板3が実線で示す状態から仮想線で示すように互いに離間する方向へ撓んで弾性変形する。一対の弾性板3が撓んで互いに離間する方向へ弾性変形するのに伴い、移動ブロック9を後退させる方向の力が生じて、移動ブロック9は微量だけ載置テーブル27と共に後退する方向へ変位する。
上記の動作において一対の弾性板3を用いたので、不要な回転(倒れ)方向の力が相殺され、移動ブロック9を真っ直ぐに変位させることができる。
【0022】
マイクロメータ19の操作部25を操作して摺動子23を後退させると、湾曲板17が仮想線で示す真っ直ぐな状態から実線で示す「く」の字形の状態に戻り、これに伴って一対の弾性板3が互いに近接する方向へ動作して実線で示す元の状態になり、移動ブロック9が前進する方向へ変位する。移動ブロック9の変位に伴って支持片11が元の状態に戻る。
上記した湾曲板17が実線で示す「く」の字形の状態となり、一対の弾性板3が平行になる状態で、移動ブロック9が最も前進した位置となる。
上記の動作における移動ブロック9の変位量は、マイクロメータ19の摺動子23の変位量が数μmであるのに対し数nmという極微量なものである。
【0023】
移動ブロック9(載置テーブル27)の変位量は変位量検出センサ29によって検出する。
上記したようにマイクロメータ19の摺動子23を前進後退する方向へ変位させるのに伴い移動ブロック9も変位するが、摺動子23の変位量と移動ブロック9の変位量は正比例する関係にはならない。それは、一対の弾性板3が互いに離れる方向へ弾性変形する程、移動ブロック9の変位量が小さくなるからである。即ち、摺動子23が前進するのに伴い一対の弾性板3の湾曲が大きくなるのに従い、移動ブロック9の変位量が小さくなる。従って、摺動子23を同じ量ずつ前進させても、摺動子23が前進する程、移動ブロック9の変位量が小さくなる。
【0024】
そこで、マイクロメータ19の摺動子23の前進量と移動ブロック9の変位量を予め計測しておき、この計測したデータをコンピュータに記憶させ、データから算出した摺動子23の前進量と移動ブロック9の変位量の関係に基づいて、マイクロメータ19の摺動子23の前進後退を制御すれば所望の移動ブロック9の変位量を得ることができる。例えば、マイクロメータ19の摺動子23を初期状態から5μmずつ前進させた場合の移動ブロック9の変位量が初期位置から10nm、7nm、5nm…である場合に、このデータをコンピュータに記憶させ、摺動子23の前進量と移動ブロック9の変位量との関係に基づいて摺動子23の前進後退を制御すれば、移動ブロック9を変位させたい量に対応して摺動子23を前進後退させることができる。
また、マイクロメータ19の目盛20は、上記の摺動子23の前進量と移動ブロック9の変位量との関係に基づいて不等間隔に設けてある。従ってマイクロメータ19の摺動子23を上記の不等間隔に設けた目盛20の1目盛分ずつ進めることにより移動ブロック9を等しい量ずつ変位させることができる。
この第1の実施の形態において、移動ブロック9を後退させるのに一対の弾性板3を互いに離間する方向へ弾性変形させたが、本発明はこれに限定させず、一対の弾性板3を互いに近づく方向へ撓ませ弾性変形させてもよい。
【0025】
図4から図7に基づいて本発明の第2の実施の形態に係る変位量の微調整装置31並びにこの装置を使用した本発明の変位量の微調整方法について説明する。
第2の実施の形態に係る変位量の微調整装置31は、本発明をX−Yテーブルに適用したものである。
第2の実施の形態に係る変位量の微調整装置31は、第1の実施の形態に係る変位量の微調整装置1の構成と同様の部分を有するので、同様の構成部分については第1の実施の形態で用いた符号を付して、その説明を省略する。
【0026】
一対の弾性板3は二組設けられ、一対の弾性板3は、弾性板3の延長線が互いに直交する位置に配置されている。一対の弾性板3の一端には固定ブロック7が一体に形成され、この固定ブロック7は取付ベース33の支持台35にボルト37によって固定されている。
二組の一対の弾性板3の他端には、移動部としての1つの移動ベース39が一体に形成されている。移動ベース39の下面には一対の支持片41が一体に形成されており、この一対の支持片41の下端には平板状の中間ベース43が一体に形成されている。中間ベース43の下面には一対の支持片45が一体に形成され、この支持片45は一対の支持片41に直交する向きに配置されている。即ち、一対の支持片41と一対の支持片45は、平面視で井桁状になるように配置されている。
【0027】
一対の支持片45の下端には平板状の固定ベース47が一体に形成されている。固定ベース47は取付ベース33に取り付けられている。
二組の一対の弾性板3、固定ブロック7、移動ベース39、支持片41、中間ベース43、支持片45及び固定ベース47は一体に形成され、焼き入れした鋼材によって構成されている。従って、これらの部材間に組付誤差が発生することはない。なお、弾性板3、固定ブロック7、移動ベース39、支持片41、中間ベース43、支持片45及び固定ベース47は第1の実施の形態で説明したのと同様にワイヤカット放電加工機等を用いた高精度切削加工等によって製作する。
【0028】
一対の弾性板3には、雌ネジ部材としての雌ネジブロック49がそれぞれ一体に形成されており、この雌ネジブロック49は互いに異なるネジ方向の雌ネジが形成されている。雌ネジネブロック49には、一対の雌ネジブロック49の雌ネジに対応する異なるネジ方向の2つの雄ネジを有するスクリューシャフト51が螺合している。このスクリューシャフト51によって雄ネジ部材が構成されている。スクリューシャフト51はカップリング53を介してサーボモータ55の回転軸56に連結されている。
駆動手段は、一対の雌ネジブロック49、スクリューシャフト51、カップリング53及びサーボモータ55によって構成されている。
移動ベース39にはX−Yテーブル57が取り付けられている。また移動ベース39に変位量検出センサ29が接続されている。
【0029】
次に、この変位量の微調整装置31の動作について説明する。
変位量の微調整装置31のX−Yテーブル57を動かすための動作は、二組設けられた一対の弾性板3のいずれかの側を弾性変形させるだけでX1−X2方向、Y1−Y2方向のいずれも同じある。
サーボモータ55を駆動し回転軸56を正転させると、これと共にスクリューシャフト51が回転し、一対の雌ネジブロック49が互いに離間する方向へ移動する。これによって、一対の弾性板3が実線で示す状態から仮想線で示すように離間する方向へ撓んで弾性変形する。一対の弾性板3が撓んで互いに離間する方向へ弾性変形するのに伴い、移動ベース39をX2へ変位させる方向の力が生じて、移動ベース39はX−Yテーブル57と共にX2方向へ変位する。
【0030】
サーボモータ55の回転軸56を逆転させると、回転軸56と共にスクリューシャフト51も逆転して、雌ネジブロック49が互いに近接する方向へ移動する。これに伴って一対の弾性板3が互いに近接する方向へ動作して実線で示す元の状態になる。これに伴い移動ベース39がX1方向へ変位する。また移動ベース39の変位に伴って支持片45が元の状態に戻る。そして、一対の弾性板3が平行になる状態で、移動ベース39が最もX1方向側へ変位した位置となる。
移動ベース39をY1−Y2方向へ変位させる場合も、上記のX1−X2方向へ変位させる動作と同様である。なお、移動ベース39のY1−Y2方向への変位に伴って、一対の支持片45が弾性変形する。
なお、Y1−Y2方向の動作においても、一対の弾性板3が平行になる状態で、移動ベース39が最もY1方向側へ変位した位置となる。
【0031】
上記の動作において一対の弾性板3を用いたので、不要な回転(倒れ)方向の力が相殺され、移動ベース39を真っ直ぐに変位させることができる。
移動ベース39をX1−X2方向及びY1−Y2方向へ適当に変位させて、X−Yテーブル57を所望の位置に停止させる。
上記の動作における移動ベース39の変位量は、スクリューシャフト51の変位量が数μmであるのに対し数nmという極微量なものである。
移動ベース39(X−Yテーブル57)の変位量は変位量検出センサ29によって検出する。
【0032】
なお、この変位量の微調整装置31においても、第1の実施の形態で説明した制御方法と同様に、サーボモータ55の回転軸56の回転量と移動ベース39の変位量を計測して求めておき、この計測したデータをコンピュータに記憶させ、データから算出した回転軸56の回転量と移動ベース39の変位量の関係に基づいてサーボモータ55の回転軸56の回転量を制御する。
この第2の実施の形態において、移動ベース39をX2方向またY2方向へ動作させるのに一対の弾性板3を互いに離間する方向へ弾性変形させたが、本発明はこれに限定させず、一対の弾性板3を互いに近づく方向へ撓ませ弾性変形させてもよい。
【0033】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
上記第1の実施の形態において湾曲板3、固定ブロック7、移動ブロック9、支持片11及び湾曲板17を、第2の実施の形態において弾性板3、固定ブロック7、移動ベース39、支持片41、中間ベース43、支持片45及び固定ベース47をワイヤカット放電加工機やレーザ加工機等を用いた高精度切削加工によって成形したものに焼き入れを施して製作したが、本発明はこれに限定されず、プラスチック等によって製作してもよい。
また、上記実施の形態では、一対の湾曲板3を平行になるように配置したが、本発明はこれに限定されず、線対称となる配置関係であれば例えば「ハ」の字状に傾斜していてもよい。
【0034】
前記実施の形態1及び実施の形態2に示す変位量の微調整装置を移動量の調整のみを目的として使用するのではなく、かかる構成を採ることによって生ずる減速作用に着目し、増力装置等の目的で使用することも可能である。その一例として本発明の変位量の微調整装置を極めて大型に成形し、荷役装置等として使用する態様が考えられる。
【0035】
変位量の微調整装置31の支持片41、45の配置態様として、上記平面視において移動ベース39の内側に完全に納まる井桁状に組んだ配置態様の他、図8(a)、(b)に示す変位量の微調整装置51、61ように平面視において移動ベース39の外側に支持片45を配置する態様を採ることも可能である。
図8(a)に示す変位量の微調整装置51では、各8枚ずつの支持片41、45を配置し、また図8(b)に示す微調整装置61では、各4枚ずつの支持片41、45を配置している。このように多数の支持片41、45を備えることにより、移動ベース39の変位方向が傾くのを防止でき、移動ベース39をより確実に真っ直ぐに移動させることができる。即ち、支持片41はX1−X2方向以外の方向からの力には弾性変形しにくく、また支持片45はY1−Y2方向以外の方向からの力には弾性変形しにくい。従って、支持片41、45を多数設けることで、移動ベース39がX1−X2方向及びY1−Y2方向以外に傾くのを規制して、常に真っ直ぐに変位するようにしている。
なお、図8では駆動手段としてマイクロメータ19を用いた例を示した。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明の変位量の微調整装置によれば、歯車列を使用した減速機に見られる歯車のバックラッシュや歯車と支持部材間のクリアランス、複数の部品を組み付ける場合に生ずる組付誤差等の問題は生ぜず、極めて簡易な構成により小型、軽量且つ安価に変位量の微調整装置を製造できる。
しかも、複数の部材を組み付けて使用する場合問題となる部材間の膨張率ないし収縮率の違いによって引き起こされる変位量のズレ等の問題も生じない。
【0037】
また、互いに対向して配置した一対の弾性板を用いたので、弾性板が湾曲しても不要な回転(倒れ)方向の力が相殺され、移動部を真っ直ぐに変位させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る変位量の微調整装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る変位量の微調整装置を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る変位量の微調整装置を示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る変位量の微調整装置を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る変位量の微調整装置を示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る変位量の微調整装置を示す正面図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る変位量の微調整装置を示す側面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る変位量の微調整装置において、弾性支持片の配設態様を異ならせた二種の実施の形態を示す骨格的平面図である。
【符号の説明】
1 変位量の微調整装置
3 一対の弾性板
7 固定ブロック
9 移動ブロック
11 支持片
17 湾曲板
19 マイクロメータ
31 変位量の微調整装置
39 移動ベース
41、45 支持片
43 中間ベース
47 固定ベース
49 雌ネジブロック
51 スクリューシャフト
55 サーボモータ

Claims (6)

  1. 互いに対向して平行に配置された一対の弾性部材と、前記一対の弾性部材の一端に一体に形成され所定位置に固定される固定部と、前記一対の弾性部材の他端に一体に形成され移動可能な移動部と、前記一対の弾性部材を撓むように弾性変形させて、前記移動部を微量だけ変位させる駆動手段を具備し
    前記駆動手段は、
    一対の弾性部材の互いに対向する部分に渡されて一体に形成され、且つ「く」の字形に湾曲した形状に形成され真っ直ぐになる形状に弾性変形する湾曲部材と、
    前記湾曲部材の中央部を押圧する駆動装置を備え、
    前記駆動装置が駆動すると、前記湾曲部材の中央部が押圧されて真っ直ぐに延びる方向に弾性変形する
    ことを特徴とする変位量の微調整装置。
  2. 請求項1に記載した変位量の微調整装置において、移動部には当該移動部の移動を弾性変形することにより許容する支持片の一端が一体に形成されていることを特徴とする変位量の微調整装置。
  3. 請求項に記載した変位量の微調整装置において、支持片の他端には固定部材が一体に形成され支持されていることを特徴とする変位量の微調整装置。
  4. 互いに対向して平行に配置された一対の弾性部材が複数組備えられ、前記一対の弾性部材の一端に形成され所定位置に固定される固定部と、前記複数組備えられた一対の弾性部材の他端に1つの移動部が一体に形成され、前記一対の弾性部材を撓むように弾性変形させて、前記移動部を微量だけ変位させる駆動手段を具備し、且つ前記1つの移動ベースと前記複数組備えられた一対の弾性部材の配置関係が、1つの移動ベースを異なる複数の方向へ変位させるものであり、
    前記駆動手段は、
    一対の弾性部材の互いに対向する部分に渡されて一体に形成され、且つ「く」の字形に湾曲した形状に形成され真っ直ぐになる形状に弾性変形する湾曲部材と、
    前記湾曲部材の中央部を押圧する駆動装置を備え、
    前記駆動装置が駆動すると、前記湾曲部材の中央部が押圧されて真っ直ぐに延びる方向に弾性変形する
    ことを特徴とする変位量の微調整装置。
  5. 請求項4に記載した変位量の微調整装置において、移動部には当該移動部の異なる複数の方向の変位を弾性変形によって許容する複数の支持片の一端が一体に形成されていることを特徴とする変位量の微調整装置。
  6. 請求項4に記載した変位量の微調整装置において、支持片の他端には取付ベースが一体に形成されていることを特徴とする変位量の微調整装置。
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