JP4793943B2 - トグル式射出成形機の型締装置の操作方法および型締装置 - Google Patents

トグル式射出成形機の型締装置の操作方法および型締装置 Download PDF

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本発明は、固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、可動盤を貫通して固定盤と型締ハウジングとを連結している複数本のタイバーと、可動盤と型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備え、タイバーにはタイバーナットが設けられていると共に、タイバーナットは所定の部分が型締ハウジング内に設けられているタイバーナットポケットに格納され、タイバーナットを駆動すると型締力の調整ができるようになっているトグル式射出成形機の型締装置の操作方法および型締装置に関するものである。
トグル式射出成形機の型締装置は、固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、可動盤を貫通して固定盤と型締ハウジングとを連結している複数本のタイバーと、可動盤と型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とからなる。固定側金型と可動側金型とからなる一対の金型が取り付けられた型締装置のトグル機構を駆動すると、一対の金型は型閉して、タイバーが弾性的に伸びる。そうすると、タイバーの張力によって所定の型締力が得られる。金型内に形成されているキャビティに溶融樹脂、または溶融金属を射出して、冷却固化を待って型開すると所望の成形品が得られる。適切な型締力は、トグル機構を構成するクロスヘッドを駆動して所定の位置にすると得られる。ところで、型閉された一対の金型の厚さは金型毎に異なっている。従って、型閉時の固定盤と可動盤の距離、すなわち型厚も、取り付けられる金型によって異なることになる。そこで、適切な型締力を得るためには、型締されるときにクロスヘッド位置が所定の位置になるように、予め金型の厚さに応じて型締ハウジングと固定盤との距離を調整する必要がある。この調整は、型締力調整または型厚調整と呼ばれている。
固定盤と型締ハウジングとを連結しているタイバーには、その両方の端部に雄ネジが形成されている。そして、タイバーの一方の端部は固定盤に明けられた貫通孔に挿通されてタイバー固定部材すなわち固定ナットが螺合されている。これにより、タイバーの一方の端部は固定盤に固定されている。他方の端部は型締ハウジングに明けられている貫通孔を貫通し、タイバーナットが螺合され、型締ハウジングに取り付けられている。型締力調整は、固定部材とタイバーナットとで区切られたタイバーの長さ、すなわちタイバーの有効長を変化させて行われるが、具体的にはタイバーナットを回転駆動して行われる。タイバーは複数本、例えば4本からなり、平面あるいは側面形状が略正方形の型締ハウジングの4隅に設けられている。そして、それぞれのタイバーに螺合されているタイバーナットには、それぞれ従動ギヤが固着され、4個の従動ギヤは型締ハウジングの中央部に設けられている比較的大径の1個のセンターギヤに噛み合わされている。従って、センターギヤを回転駆動すると、4個のタイバーナットは同じ回転角だけ回転して、型締ハウジングは固定盤に対して平行度が維持されたまま型締力が調整される。
特開2000−15677号公報
従来より型締力調整には色々な方法が提案されているが、例えば特許文献1により、トグル式射出成形機において所定の型締力が容易に得られる型締力調整方法が提案されている。特許文献1に記載の型締力調整方法によると、固定盤と可動盤の間隔を一対の金型の厚さよりも大きい状態にして、トグル機構のクロスヘッドを所定の型締力を得るための位置にし、このクロスヘッド位置を保持した状態のままタイバーナットを一対の金型がタッチするまで回転駆動すると、所定の型締力が得られる。
特許文献1に記載の型締力調整方法によれば、容易にかつ精度良く所定の型締力が得られるので、型締力調整方法としては優れている。しかしながら、他の従来周知の型締力調整方法と同様に、解決すべき問題点も見受けられる。以下、これらの問題点を図5によって説明する。
図5の断面図には、従来周知のトグル式射出成形機の、固定盤71の一部、型締ハウジング72の一部、1本のタイバー73等が示されている。固定盤71には貫通孔75が明けられ、内周面に雌ネジが設けられたタイバー固定部材76が固定盤71に固着されている。タイバー73の一方の端部は貫通孔75を貫通し、貫通した部分に形成されている雄ネジにタイバー固定部材76の雌ネジが螺合されている。これにより、タイバー73の一方の端部は、固定盤71に固定されている。型締ハウジング72にも貫通孔78が明けられているが、貫通孔78の出口近傍は所定長さだけ拡径されたタイバーナット挿入穴79が形成され、このタイバーナット挿入穴79の底部にはタイバーナット着座面80が形成されている。タイバー73の他方の端部は、型締ハウジング72の貫通孔78を貫通し、端部近傍に設形成されている雄ネジにタイバーナット81が螺合している。これにより、タイバー73の他方の端部は型締ハウジング72に取り付けられている。タイバーナット81には、小径部82と大径部83とが設けられ肩部84が形成されている。タイバーナット81は、大径部83がタイバーナット挿入穴79に入れられて、型締ハウジング72に固定されたナットカバー86によって肩部84が押さえられている。すなわち、タイバーナット81の大径部83は、タイバーナット挿入穴79とナットカバー86とによって構成されているタイバーナットポケット90に格納され、小径部82の一部がナットカバー86から外部へ出ている。出ている小径部82の側部に従動ギヤ88が固着されている。従って、図5に示されていないセンターギヤを駆動すると、これと噛み合っている従動ギヤ88が駆動され、タイバーナット81も回転する。タイバー73は、タイバー固定部材76によって回転が拘束されているので、タイバーナット81が回転すると、タイバーナット81が軸方向に移動する。すなわち、型締ハウジング72が軸方向に移動する。これにより、タイバー固定部材76とタイバーナット81との間のタイバー有効長92が変化する。これにより、型締力が調整ができる。
このようなタイバーナットポケット90は、タイバーナット81が滑らかに回転できるように、タイバーナット81の大径部83よりわずかに大きく形成されて、遊びが設けられ、タイバーの軸方向にも所定の隙間が確保されている。すなわち、タイバーナット81とタイバーナット着座面80の間には第1の隙間93が、タイバーナット81とナットカバー86の間には第2の隙間94が形成されている。このような第1、2の隙間93、94は、型締装置の型締工程や型開工程において変化する。具体的には、型締工程においては型締力の反作用によって固定盤71と型締ハウジング72は離反する方向に力が作用するので、タイバーナット81はタイバーナット着座面80に着座して第1の隙間93は実質的に零になり、第2の隙間94は広がる。型開工程においては固定盤71と型締ハウジング72には離反する力が解除されるので、タイバーナット81はタイバーナット着座面80から離間して第1の隙間93が生じる。射出成形機のトグル式型締装置には複数本のタイバーが設けられているが、各タイバーには部品公差や組立精度の影響から、上記したような第1、2の隙間93、94が全てのタイバーにおいて均一に変化するわけではない。変化が不均一になると、型締ハウジング72にふらつきや傾きが生じて、トグル機構を介して可動盤にもふらつきや傾きが生じてしまう。この結果、次のような色々な問題が生じる。例えば、金型がタッチする前後で可動盤の直進性が悪化して、可動盤の角度が変化し、パーティングラインがずれてしまう。そうすると、固定側金型と可動側金型とで形成されるキャビティの形状にもずれが生じて、成形不良が発生してしまう。特に、高い光学特性が求められるレンズの場合、光軸のずれ、収差の悪化などが生じてしまう。また、可動盤の直進性が損なわれると、ガイドピンが設けられている金型や、インロータイプの金型の場合、ガイドピンやインロー部が摩耗してしまう。さらには、わずかに型開させたままで射出して型締して圧縮する、いわゆる射出圧縮成形方法は転写性に優れた射出成形方法として知られているが、射出時に可動盤がふらつくと成形品の重量ばらつきや板厚ばらつきが発生してしまう。光ディスクのような、重量や板厚の均一性が強く求められ、ハイサイクルで成形される成形品においては、特に上記したような問題が生じやすい。型開工程においても問題が生じる。すなわち、型開してロボットアーム等によって成形品を取り出すときに、停止位置の精度が得られないので取出不良が生じてしまう。さらには、射出成形機を長期間稼動した時に、タイバーナット81が回転して弛んでしまい、型締力が変化する恐れもある。
本発明は、上記したような従来の問題点あるいは課題を解決した、トグル式射出成形機の型締装置の操作方法および型締装置を提供することを目的としている。具体的には、可動盤のふらつきや傾きを防ぐことによって、型締時にパーティングラインにずれが生じることもなく、キャビティの形状のずれもなく、ガイドピンが設けられている金型やインロータイプの金型であってもガイドピンやインロー部が摩耗することはなく、射出圧縮成形においても射出時に可動盤がふらつくことはなく、製品取出時においても高い精度で型開位置で停止でき、さらには長期間稼動してもタイバーナットが弛むことがなく安定した型締力が得られる、トグル式射出成形機の型締装置の操作方法および型締装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、タイバーナットポケットに、所定の形状のテーパ状のスペーサとスペーサを駆動するアクチュエータとが設けられる。スペーサは、タイバーナットとタイバーナットポケットの所定の内表面の間に設けられる。このとき、スペーサとタイバーナットの間、またはタイバーナットとタイバーナットポケットの間に、タイバーの軸方向の移動を許容する隙間が確保されるように構成される。そして、アクチュエータを駆動すると、前記隙間が実質的に零になるように構成される。
すなわち、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、前記可動盤を貫通して前記固定盤と前記型締ハウジングとを連結している複数本のタイバーと、前記可動盤と前記型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備え、前記タイバーにはタイバーナットが設けられていると共に、前記タイバーナットは、その所定部分が前記型締ハウジング内に設けられているタイバーナットポケット内に、所定の遊びとしてタイバーの軸方向の隙間を確保して収められ、前記タイバーナットを回転駆動すると型締力の調整ができるようになっているトグル式射出成形機の型締装置において、少なくとも型開工程と型閉工程と型締工程は、前記隙間に所定のテーパ状のスペーサを挿入して前記隙間を実質的に零にして実施し、前記型締力の調整は、前記スペーサを待避させて、前記隙間を確保して実施するように構成される。
請求項2に記載の発明は、固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、前記可動盤を貫通して前記固定盤と前記型締ハウジングとを連結している複数本のタイバーと、前記可動盤と前記型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備え、前記タイバーにはタイバーナットが設けられていると共に、前記タイバーナットは、その所定部分が前記型締ハウジング内に設けられているタイバーナットポケット内に、所定の遊びとしてタイバーの軸方向の隙間を確保して収められ、前記タイバーナットを回転駆動すると型締力の調整ができるようになっているトグル式射出成形機の型締装置において、前記タイバーナットポケットには、前記タイバーナットポケットの所定の内表面と前記タイバーナットとの間に設けられるテーパ状のスペーサと、該スペーサーを駆動するアクチュエータとが設けられ、前記アクチュエータを駆動すると前記スペーサによって、前記隙間が実質的に零になるように構成される。請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の装置において、前記スペーサは、いずれも一方の面が他方の面に対して傾斜して一方向に板厚がテーパ状に減少する第1、2のスペーサからなり、これらの一対のスペーサは板厚が薄い方と厚い方とが互いに重ねられた状態で設けられている。請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の装置において、前記アクチュエータが流体式のピストンシリンダユニットまたは電磁ソレノイドからなるように構成される。
以上のように、本発明によると、型締力の調整はタイバーナットポケットとタイバーナットの所定の部分との間に、タイバーの軸方向の隙間を確保して実施するので、従来の射出成形機と同様にタイバーナットを滑らかに回転させることができ容易に型締力を調整することができる。そして、本発明によると型開工程、型閉工程および型締工程は、前記隙間に所定のスペーサを挿入して隙間を実質的に零にして実施するので、型締ハウジングがふらつくことはない。従って、可動盤がふらつくことはなく、可動盤は直進性を保って精度良く駆動される。可動側金型は固定側金型とタッチする直前と直後とで角度が変わらず、パーティングラインがずれないので、金型内に形成されるキャビティの形状も歪まない。従って、成形不良は生じない。高い精度が求められているレンズの場合であっても、光軸のずれも収差にもばらつきが生じることもない。また、ガイドピンや、インロー部が設けられている金型であっても、可動盤は直進性を保つので、ガイドピンやインロー部は摩耗し難い。さらには、射出圧縮成形方法を実施する場合においても、射出時に可動盤がふらつくことはないので、成形品の重量ばらつきや板厚ばらつきはない。従って、重量や板厚の均一性が強く求められると共に光ディスクをハイサイクルで成形する場合でも、成形不良は生じにくい。また、型開時にも可動盤を精度良く停止させることができるので、成形品の取り出し不良は減少する。さらには、タイバーナットはタイバーナットポケット内で実質的に固定されて回転できないので、長期間稼動してもタイバーナットは弛みにくく型締力は安定する。また、他の発明によると、ピストンシリンダユニット、電磁ソレノイド等のアクチュエータと、スペーサとから構成されているだけで、構造はシンプルであり、安価に提供することができ、また既存のトグル式射出成形機にも容易に取り付けることもできる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の実施に係るトグル式射出成形機の型締装置も、概略的には従来周知のトグル式射出成形機の型締装置と同様に構成されている。すなわち、本実施の形態に係るトグル式射出成形機の型締装置1は、図1の正面図に示されているように、固定側金型2が取り付けられる固定盤3と、可動側金型5が取り付けられる可動盤6と、型締ハウジング8と、可動盤6を貫通して固定盤3と型締ハウジング8とを連結している4本のタイバー10、10、…と、可動盤6と型締ハウジング8との間に設けられているトグル機構11とからなる。固定盤3には貫通孔が明けられていると共に、これらの貫通孔に対応した位置に、雌ネジからなるタイバー固定部材13、13、…が固着されている。タイバー10、10、…の一方の端部は、固定盤3の貫通孔を貫通し、貫通した部分に形成されている雄ネジがタイバー固定部材13、13、…の雌ネジに螺合している。これにより、タイバー10、10、…の一方の端部は固定盤3に固定されている。タイバー10、10、…の他方の端部は、後に詳しく説明するように、型締ハウジング8に明けられている貫通孔を貫通している。そして、タイバー10、10、…の他方の端部に設けられている雄ネジに、図1には示されてはいないがタイバーナットが螺合している。
本実施の形態によると、タイバーナット押付装置21、21、…は、このような型締ハウジング8の矢印Y1で示されている、トグル機構11の反対側に設けられている。タイバーナット押付装置21、21、…は、図2の(ア)に示されているように、4本のタイバー10、10、…のそれぞれに対応して設けられている。図3の(ア)にも、このようなタイバーナット押付装置21、21、…、型締ハウジング8、タイバー10、10,…等が示されている。
型締ハウジング8の4隅には、図3にも示されているように、タイバー10が貫通する貫通孔23が明けられ、貫通孔23の出口近傍は、所定の形状でくり抜かれたタイバーナット挿入穴26が形成されている。このタイバーナット挿入穴26にタイバーナット25と、タイバーナット押付装置21が格納あるいは収納されるようになっている。タイバーナット挿入穴26の底面28は、タイバー10の軸方向に対して垂直に形成され、後で説明するようにタイバーナット押付装置21が設置される面になっている。タイバー10の他方の端部は貫通孔23を貫通しており、他方の端部近傍には雄ネジが形成され、この雄ネジにタイバーナット25が螺合している。これにより、タイバー10、10、…の他方が型締ハウジング8に取り付けられている。タイバーナット25には、小径部30と大径部31とからなり、これらにより肩部32が形成されている。タイバーナット25は、その大径部31がタイバーナット挿入穴26に入れられ、ナットカバー35によって肩部32が押さえられている。ナットカバー35は、型締ハウジング8にボルト等によって固定されている。従って、タイバーナット25は、タイバーナット挿入穴26とナットカバー35とによって構成されるタイバーナットポケット36に、その大径部31が収まっている。このタイバーナットポケット36にはタイバーナット押付装置21の一部も格納されており、タイバーナット25は、軸方向の移動が規制されている。タイバーナット25の小径部30の一部は、ナットカバー35から外部へ出て、従動ギヤ38が固着されている。型締ハウジング8には、図2に示されているように、中央部に比較的大径のセンターギヤ40が設けられ、このセンターギヤ40に従動ギヤ38、38、…が噛み合わされている。従って、図2には示されていないが、所定の駆動ギヤを駆動すると、該駆動ギヤに噛み合わされているセンターギヤ40が駆動され、その結果従動ギヤ38、38、…が回転してタイバーナット25、25、…も回転する。そうすると、タイバー有効長Lが変化して型締力を調整することができる。
タイバーナット押付装置21は、第1のスペーサ42と、第2のスペーサ43と、エア式のピストンシリンダユニット45とからなり、第1、2のスペーサ42、43がタイバーナットポケット36に収まっている。第1のスペーサ42は、図2の(イ)に示されているように、平面形状が長方形で、上面47と下面48とが所定の角度50で傾斜した板状を呈している。従って、矢印Y2方向に向かって板厚がテーパ状に減少している。第1のスペーサ42には、長方形状のくり抜き51が明けられている。くり抜き51は、長方形の短辺がタイバー10の径よりもわずかに長くなっており、タイバー10が挿入されるようになっている。従って、第1のスペーサ42は、タイバー10にガイドされて、くり抜き51の長方形の長辺の長さだけ前後方向に、図3の(ア)に関しては上下方向にスライドすることができる。
第2のスペーサ43も、図2の(ウ)に示されているように、平面形状が長方形で、上面53と下面54とが所定の角度56で傾斜した板状を呈している。従って、矢印Y3方向に板厚がテーパ状に減少している。第1のスペーサ42の角度50と、第2のスペーサ43の角度56とは等しい。従って、第1、2のスペーサ42、43を、図2の(イ)、(ウ)に示されている状態で、第1のスペーサ42の下面48と第2のスペーサ43の上面53を合わせると、第1のスペーサ42の上面47と第2のスペーサ43の下面54とは平行になり、全体として板厚が一様な板状を呈するようになる。第2のスペーサ43には、タイバー10が挿通される円形の挿通孔58が明けられている。
タイバー10には、タイバーナット25が螺合して取り付けられているように説明されているが、実際には、図3の(ア)、(イ)に示されているように、タイバー10に第2のスペーサ43が挿通孔58よって挿通され、次いで第1のスペーサ42がくり抜き51により挿通された後に、タイバーナット25が螺合されている。従って、タイバーナットポケット36の底面28には第2のスペーサ43の下面54が接し、第1のスペーサ42の上面47にはタイバーナット25が接することになる。実際には、タイバーナットポケット36には軸方向に遊びが設けられ、タイバーナット25がタイバーナットポケット36内で滑らかに回転できるようになっている。すなわち、タイバーナットポケット36内には、第1のスペーサ42の上面47とタイバーナット25の間に形成されている第1の隙間S1と、タイバーナット25の肩部32とナットカバー35の間に形成されている第2の隙間S2とからなる、タイバーの軸方向の隙間が設けられている。
ピストンシリンダユニット45のシリンダ60は、タイバーナット挿入穴26の所定の部分に固定され、ピストン61をタイバー10の軸方向に対して垂直に駆動できるようになっている。ピストン61に取り付けられているピストンロッド62には、第1のスペーサ42が固定的に取り付けられている。従って、ピストンシリンダユニット45を駆動すると、第1のスペーサ42は、図3の(ア)において上下に駆動される。そうすると、後で説明するように、第1、2の隙間S1、S2からなる、タイバーナットポケット36内のタイバーの軸方向の隙間を確保したり、実質的に零にすることができる。
本実施の形態に係るトグル式射出成形機の型締装置の作用を説明する。所定の厚さの固定側金型2と可動側金型5とを固定盤3と可動盤6とにそれぞれ取り付ける。射出成形機に設けられている所定の操作ボタンを押すと型締力調整が自動的に実施されるようになっているが、以下説明を簡単にするために手動的に行うように説明する。トグル機構11を駆動して、固定側金型2と可動側金型5がタッチするまで型閉して、そのときのトグル機構11のクロスヘッド位置を記憶する。金型がタッチしたことは、型開閉用のサーボモータのトルクリミッタ等によって確認する。トグル機構11を駆動して型開する。記憶したクロスヘッド位置と、所望の型締力を発生させるクロスヘッド位置との差から、調整すべきタイバー有効長Lの長さを計算する。タイバーナット押付装置21、21、…を駆動する。すなわち、ピストンシリンダユニット45、45、…のピストン61を駆動して、図3の(ア)において矢印Y5で示されているように第1のスペーサ42を後退させる。そうすると、第1、2の隙間S1、S2が確保されて、タイバーナット25を自由に回転させることができるようになる。型締力調整モータを駆動して、駆動ギヤを駆動する。そうすると、センターギヤ40を介して従動ギヤ38、38、…が回転駆動され、タイバーナット25、25、…が回転する。タイバー有効長Lが所定の長さになったところで型締力調整モータを停止して、型締力の調整を完了する。
型締力の調整が完了したら、タイバーナット押付装置21、21、…を駆動する。すなわち、ピストンシリンダユニット45のピストン61を駆動して、図3の(イ)に示されているように、第1のスペーサ42を矢印Y6の方向に挿入する。そうすると、第1のスペーサ42と第2のスペーサ43との重ねられた板厚は増大するので、タイバーナット25は矢印Y8方向に押し付けられ、第1、2の隙間S1、S2は実質的に零になる。この状態で以下の成形サイクルを実施する。トグル機構11を駆動して型締する。タイバーナットポケット36内にはタイバーの軸方向の隙間は無く、タイバーナット25はタイバーナットポケット36に実質的に固定されている。従って、型締ハウジング8はふらつかず、可動盤6もふらつかない。従来周知のように、固定側金型2と可動側金型5との間に形成されているキャビティに溶融樹脂あるいは溶融金属材料を射出する。冷却固化を待ってトグル機構11を駆動して型開する。成形品を取り出す。型開時にも型締ハウジング8と可動盤6はふらつかない。
本発明に係るトグル式射出成形機のタイバーナット押付装置は、上記実施の形態に限定されることなく色々な形で実施できる。例えば、タイバーナット押付装置は、タイバーナット挿入穴26の底面28に接するように設けられていると説明されているが、タイバーナット25とナットカバー35の間に設けてもよい。図4には、このような第2の実施の形態に係るトグル式射出成形機のタイバーナット押付装置21が示されている。当業者には容易に理解されるので、前記した実施の形態に係るトグル式射出成形機と作用効果が類似する構成部品には、同じ参照番号を付して重複説明はしない。第2の実施の形態に係るトグル式射出成形機においては、型締時にタイバーナット25が直接タイバーナット挿入穴26の底面28に直接着座するので、第1、2のスペーサ42、43には型締力は作用しない。したがって、スペーサが破損し難いという利点が得られる。た、第1、2のスペーサ42、43からなる2個のスペーサで実施するように説明されているが、第1のスペーサ42のみでも実施可能である。例えば、タイバーナット挿入穴26の底面28を、タイバーの軸方向に対して所定の角度で傾斜した斜面で形成する。そして、第1のスペーサ42を傾斜した底面28に接しながらスライドさせるように実施すれば、第1、2の隙間S1、S2を確保したり実質的に零にすることができる。また、タイバーナット押付装置のピストンシリンダユニットはエア式で説明されているが、油圧式であっても良いし、ピストンシリンダユニットの代わりに電磁ソレノイドにより駆動するように実施することもできる。
本実施の形態に係るトグル式射出成形機の概略を示す正面図である。 本実施の形態に係るトグル式射出成形機の一部を模式的に示す図で、その(ア)はトグル式射出成形機の要部の一部を示す斜視図、その(イ)、(ウ)はタイバーナット押付装置を構成する第1、2のスペーサをそれぞれ示す斜視図である。 本実施の形態に係るトグル式射出成形機の一部を模式的に示す図で、その(ア)は型締力の調整時のタイバーナット押付装置を、その(イ)はその他の状態のタイバー押付装置をそれぞれ示す正面断面図である。 本実施の第2の形態に係るトグル式射出成形機の一部の模式的に示す正面断面図である。 従来のトグル式射出成形機の、タイバーによって固定盤と型締ハウジングが連結されている状態を示す断面図である。
符号の説明
1 型締装置 2 定側金型
3 固定盤 5 固定側金型
6 可動盤 8 型締ハウジング
10 タイバー 11 トグル機構
21 タイバーナット押付装置 25 タイバーナット
26 タイバーナット挿入穴 28 底面
35 ナットカバー 36 タイバーナットポケット
38 従動ギヤ
42 第1のスペーサ 43 第2のスペーサ
45 ピストンシリンダユニット
47、53 上面
48、54 下面
S1 第1の隙間 S2 第2の隙間

Claims (4)

  1. 固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、前記可動盤を貫通して前記固定盤と前記型締ハウジングとを連結している複数本のタイバーと、前記可動盤と前記型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備え、前記タイバーにはタイバーナットが設けられていると共に、前記タイバーナットは、その所定部分が前記型締ハウジング内に設けられているタイバーナットポケット内に、所定の遊びとしてタイバーの軸方向の隙間を確保して収められ、前記タイバーナットを回転駆動すると型締力の調整ができるようになっているトグル式射出成形機の型締装置において、
    少なくとも型開工程と型閉工程と型締工程は、前記隙間に所定のテーパ状のスペーサを挿入して前記隙間を実質的に零にして実施し、
    前記型締力の調整は、前記スペーサを待避させて、前記隙間を確保して実施することを特徴とする、トグル式射出成形機の型締装置の操作方法。
  2. 固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、前記可動盤を貫通して前記固定盤と前記型締ハウジングとを連結している複数本のタイバーと、前記可動盤と前記型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備え、前記タイバーにはタイバーナットが設けられていると共に、前記タイバーナットは、その所定部分が前記型締ハウジング内に設けられているタイバーナットポケット内に、所定の遊びとしてタイバーの軸方向の隙間を確保して収められ、前記タイバーナットを回転駆動すると型締力の調整ができるようになっているトグル式射出成形機の型締装置において、
    前記タイバーナットポケットには、前記タイバーナットポケットの所定の内表面と前記タイバーナットとの間に設けられるテーパ状のスペーサと、該スペーサーを駆動するアクチュエータとが設けられ、
    前記アクチュエータを駆動すると前記スペーサによって、前記隙間が実質的に零になることを特徴とするトグル式射出成形機の型締装置。
  3. 請求項2に記載の装置において、前記スペーサは、いずれも一方の面が他方の面に対して傾斜して一方向に板厚がテーパ状に減少する第1、2のスペーサからなり、これらの一対のスペーサは板厚が薄い方と厚い方とが互いに重ねられた状態で設けられている、トグル式射出成形機の型締装置。
  4. 請求項2または3に記載の装置において、前記アクチュエータが流体式のピストンシリンダユニットまたは電磁ソレノイドからなることを特徴とする、トグル式射出成形機の型締装置。
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