JP4793850B2 - 雀球遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、麻雀の知識や雀球遊技機の遊技経験が少ない遊技者、同じく豊富な遊技者に対しても、ゲームが楽しめるように、ゲームの進行をアシストする手段を備えた雀球遊技機に関するものである。
雀球遊技機においては、遊技盤面部内に麻雀牌(以下、牌という)の図柄の種類に対応して複数の入球口を設け、遊技者の14個の手牌から不要な1個の牌を捨てる「捨て牌」の操作を行った後、遊技者が1個の遊技球を発射するツモ(以下、自摸という)の操作を行ってこの遊技球が入球した入球口に対応する牌の図柄が、自摸した牌(自摸牌)として手牌に加えられる。そして、この自摸の操作により、14個になった手牌の図柄の組合せが予め設定された上がり(和了)役の組合せを完成していない場合には、再び、手牌から不要な牌を1個選択して「捨て牌」の操作を行なう。このようにして、遊技者は、所定の個数(例えば、11個)以内の遊技球を発射させて自摸の操作を行い、14個になった手牌について予め設定された上がり役の組合せを完成させると、上がり役ごとに所定枚数のメダルを賞として獲得することができる。さらに、この上がり役が、ゲームごとに設定された特定の上がり役である場合には、次の所定のゲーム数について、通常の遊技(通常遊技)と比較して遊技者にとって有利な特別遊技役(ボーナスゲーム役)のゲームを行なうことができるようになっている。
通常の雀球遊技機において、この特別遊技役としては、ビックゲーム役とチャンスゲーム役の2種類が設けられている。ビックゲーム役とは、1ゲームごとにビックゲーム役として抽選により予め設定された特定の上がり役(例えば、大三元)で上がると、次回以降の所定回数のゲームについて、遊技者は有利な状態でゲームを進めることができる権利を獲得できるゲームのことをいう。このビックゲーム役の権利を獲得したゲームは、遊技盤面上の通過口(アタッカー作動口)が有効になり、遊技球がこのアタッカー作動口を通過すると、特別入球口(アタッカー)が開口する。そして、遊技者はこのアタッカーに遊技球を1個入球させるごとに、牌選択ボタン等の操作により、所望する牌を自摸牌として任意に選択できる。これにより、ビックゲーム役の権利を獲得したゲームは、容易に上がることが可能になる。そして、遊技者は、ビックゲームの権利を獲得したゲ−ムについて上がり役を完成させると、次回以降の所定のゲーム数について、このビックゲーム役の権利が成立した状態でゲームを行なうことができる。
チャンスゲーム役とは、1ゲームごとにチャンスゲーム役として抽選により設定された特定の上がり役を完成させると獲得できるボーナスゲーム役である。チャンスゲーム役の上がり役を完成させると、このゲームで獲得できる得点数が通常遊技の上がり役より加算される(例えば、2倍)か、あるいは、次の1ゲームのみ、上記したビックゲーム役の権利が成立した状態、すなわち、遊技球を、アタッカー作動口を通過させると、アタッカーが開口し、このアタッカーに遊技球を1個入球させるごとに、遊技者は牌選択ボタン等の操作により、所望する牌を自摸牌として選択することが可能になる。従って、遊技者は特別遊技の権利を得ると、より多くのメダルを獲得することが可能になる。なお、通常遊技とは、上記ビックゲーム役またはチャンスゲーム役の権利を獲得していないゲームのことをいう。
従来から雀球遊技機は、麻雀の知識が乏しい遊技者にとっては気楽にゲーム(遊技)を行い難いという欠点があった。この理由は、雀球遊技機には上がり役の組合せが20数種設定されていること、この上がり役を完成させるための牌の組合せが種々あること、および上がり役ごとに上がり役の大きさ、すなわち、遊技者が獲得できるメダル枚数が異なること等による。特に、麻雀の知識が乏しい遊技者にとっては、上がり役をより早く完成させるために、現在の13個の手牌に自摸の操作により1個の牌を追加すべき牌、あるいは現在の14個の手牌から不要な1個の牌を捨て牌として捨てるべき牌について、即座に判断することは不可能である。
このような課題を解決するために、遊技者のゲーム進行を支援する手段(アシスト手段)を備えた麻雀用遊技機として、例えば、下記の特許文献が提案されている。
特開平7−155426号公報 特開2003−62333号公報
上記特許文献1には、聴牌判断手段および自摸牌判断手段により、次にどの牌に対応する入球口に遊技球を入球させると上がり役が完成するかを判断し、例えば、ヘルプスイッチが操作されたときに、上がり役を完成させることができる入球口のランプを点灯させるようにした雀球遊技機が記載されている。しかし、特許文献1には、毎回の自摸の操作あるいは捨て牌の操作を行なうときに、自摸すべき牌や捨て牌とすべき牌を判定し、この判定した牌を遊技者に明示、例えば、表示装置に表示する手段については記載されていない。
上記特許文献2には、複数の対戦者が存在する携帯麻雀ゲーム装置等を対象として、アドバイスボタンをONすることにより、遊技者のゲーム進行の判断をアドバイスするための手段が記載されている。特許文献2には、上がり役の目標を決定するために「早アガリ重視」または「翻数重視」の選択、「捨て牌指導」の選択等について、画面と対話方式によりアドバイス機能を選択可能にすることが記載されている。さらに特許文献2には、「捨て牌指導」が選択された場合には、表示装置に表示した手牌の図柄の中から捨て牌とすべき牌に目印を付与することも記載されている。
上記特許文献1に記載の発明には、現在の手牌が聴牌の状態になったか否かを判定し、聴牌の状態になっている場合には、次に自摸すべき牌を判定し、遊技者がヘルプスイッチを押したときには、この自摸すべき牌に対応する入球口をランプで点灯させるようにした雀球遊技機である。しかし、特許文献1には、毎回の自摸の操作あるいは捨て牌の操作を行なうときに、自摸すべき牌や捨て牌とすべき牌を判定し、この判定した牌を遊技者に明示するようなアシスト手段、例えば、表示装置に表示する手段については記載されていない。
上記特許文献2に記載の発明は、捨て牌指導等のアシスト機能を備えた麻雀ゲーム装置であるが、遊技球を使用した、いわゆる雀球遊技機ではない。
遊技球が入球した入球口に対応する牌の図柄が自摸した牌となる雀球遊技機において、麻雀の知識や雀球遊技機の遊技経験が少ない遊技者にとっては、現在の手牌について、より早く、かつ確実に、上がり役を完成させるために、遊技者の毎回の捨て牌操作、および自摸の操作を行なう前に、これら捨て牌とすべき牌や自摸すべき牌を明示してアシストすることが重要になる。麻雀の知識や雀球遊技機の遊技経験が少ない遊技者は、このアシスト手段の明示に従って自摸牌、捨て牌の操作を行えば、より確実に、上がり役を完成させることが可能になるので、興趣を高くしてゲームを楽しむことができるようになる。
そこで本発明の目的は、麻雀の知識や雀球遊技機の遊技経験が少ない遊技者、および遊技経験が豊富な遊技者に対しても、ゲーム進行の興趣をより高くすることができるアシスト手段、特に、自摸の操作を行なう前の手牌について、上がり役を完成させるために、この手牌に自摸牌として追加すべき適切な牌を判定して、遊技者にアシストする手段を備えた雀球遊技機を提供することにある。
本発明は、遊技盤面部に複数種の麻雀牌に対応する入球口が配置され、遊技球が入球した入球口に対応する麻雀牌の図柄が自摸の操作による自摸牌として、その図柄コードを記憶装置に記憶している手牌データに加える手段と、前記手牌データから不要な図柄コードを捨て牌として捨てるための捨て牌の操作手段と、前記自摸の操作により前記図柄コードが加えられた前記手牌データが予め設定された上がり役の組合せを完成させると、賞として前記上がり役ごとに予め設定された枚数のメダルを払出す手段と、演出画像を表示するための表示手段を備えた雀球遊技機であって、
前記雀球遊技機は、
自摸の操作を行なう前の手牌データの目標とする上がり役を、国士無双、七対子、前記国士無双と前記七対子を除いた一般上がり役の3種類のなかからいずれか一つに設定する目標上がり役設定手段と、
前記目標上がり役設定手段が設定した前記手牌データの目標とする上がり役に対して、前記手牌データに自摸すべき牌の図柄コードを判定する自摸牌判定手段と、
前記自摸牌判定手段が判定した自摸すべき牌の図柄コードに対応する図柄を前記表示手段に表示する手段と、
前記目標とする上がり役が前記一般上がり役に設定された前記手牌データに、仮の自摸牌の図柄コードを追加したときに手牌データに含まる面子、対子、塔子の組合せに基づいて、該手牌データを点数で評価する手牌評価手段と、を備え、
前記自摸牌判定手段は、前記目標とする上がり役が前記一般上がり役に設定された前記手牌データについて、
前記手牌データに前記複数種の麻雀牌に対応する図柄コードを、順次1個ずつ仮の自摸牌として加えたときの手牌データを前記手牌評価手段により評価し、前記手牌データの評価点数が最も高くなる前記仮の自摸牌の図柄コードを、自摸すべき牌の図柄コードとして判定する手段を有し、
さらに、前記記憶装置に記憶されたデータテーブルであって、予め前記入球口ごとに設定された評価点数を、前記入球口の図柄に対応する図柄コードと関連付けした入球口評価点数データテーブルを備え、
前記手牌評価手段は、前記手牌データに含まれている面子、対子、塔子に関与していない孤立牌の図柄コードを、前記入球口評価点数データテーブルに前記孤立牌の図柄コードに対応して記憶されている前記評価点数で評価する手段を有している雀球遊技機である。
本発明の雀球遊技機は、次のような効果を有している。
(1)遊技者が捨て牌や自摸の操作を行なう都度、遊技者の手牌を構成する図柄は変化する。本発明においては、遊技者が毎回の自摸の操作を行なう前に、この自摸の操作を行なう前の手牌データに基づいて、まず、この手牌データの目標とする上がり役を設定し、続いて、この目標とする上がり役に対してこの手牌データに自摸すべき適切な図柄コードを判定して、この自摸すべき牌の図柄を遊技者にアシストするようにしている。これにより、遊技者が毎回の自摸の操作を行なう前に、適切な自摸すべき牌を明示することができるアシスト手段を備えた雀球遊技機を提供することができるようになる。
(2)遊技者が自摸の操作を行なう前の手牌データに基づいて、この手牌データの目標とする上がり役、および、自摸すべき牌を判定するための目標上がり役は、「国士無双」、「七対子」、「一般上がり役」の3種類に設定しているので、目標とする上がり役を設定するためのプログラム処理の時間を著しく短縮することができる。特に、「国士無双」と「七対子」とを目標とする上がり役に設定できないときには、「一般上がり役」を目標とする上がり役に設定するようにしている。また、「一般上がり役」は20数種類設定されているがこれらの個々の上がり役を目標とする上がり役に設定する処理を行なっていないので、「一般上がり役」を目標とする上がり役に設定するための処理時間は、0に近くなる。
(3)手牌の目標とする上がり役が「一般上がり役」に設定されたときに、この手牌データに自摸すべき牌の判定は、この手牌データに本雀球遊技機で使用する図柄コードを順次1個仮の自摸牌として加えたときに、この手牌データに含まれている「面子」、「対子」、「塔子」等の有無に基づいて、手牌データを点数で評価する手段を採用している。これにより、自摸すべき牌の図柄コードの判定は、プログラム処理により高速、かつ、客観的に行なうことができる。
(4)上記(2)、(3)により、遊技者の捨て牌の操作終了に追従して、適切なタイミングで、次の操作である自摸すべき牌の図柄を明示することができる雀球遊技機を提供することができる。
以下、本発明を実施するための雀球遊技機の形態について説明する。本発明の雀球遊技機は、例えば、27種の牌の図柄を各4個、計108個の牌を用いてゲームを行なうようにした遊技機である。この27種の牌の図柄は、萬子が「一萬」〜「九萬」の9種、筒子が「一筒」〜「九筒」の9種、索子が「一索」と「九索」の2種、字牌が「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」の7種としている。従って、萬子と筒子と索子が数牌となるが、索子は数牌であるが「一索」と「九索」のみ設けているので、「順子」を形成することができない牌種になる。
なお、上記した2種の数牌は、例えば、萬子を「一萬」〜「九萬」の9種類の図柄、索子を「一索」〜「九索」の9種類の図柄から構成し、筒子を「一筒」と「九筒」、字牌を「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」から構成される牌の図柄を有する雀球遊技機にすることも可能である。また、本発明の雀球遊技機は、3種の数牌(萬子、筒子、索子)と字牌の計4種の牌種から構成され、計136個の図柄を使用する雀球遊技機として実施することも可能である。
図1は、本発明の雀球遊技機において、その遊技盤の構成の一例を示す正面図である。図1に示すように、雀球遊技機1の前面部は、基本的には遊技盤面部2、操作パネル3、操作パネル3の下方に設けられた遊技球発射レバー4、メダル受け皿5、スピーカー6から音声や効果音を出力する音声出力口7、ランプ装置8、ガイドレール9、等から構成されている。なお、遊技盤面部2の構成は、図2に示している。
図2に示すように、ガイドレール9に囲まれた遊技盤面部2の中央には、液晶表示装置からなる第1の表示装置10、表示装置10の上方には特別入賞装置(以下、アタッカーという)11、アタッカー11の右側には遊技球が通過可能なアタッカー作動口12が配設されている。そして、アタッカー11の斜め上方には、入球口13aと13bが配置されている。さらに、遊技盤面部2の下方部2aには、図3に示すように、横方向に25個の入球口13c、13d、・・・が配置されている。そして、各入球口には、牌の図柄が表示されている。これら27個の入球口13a、13b、・・・の配置は、例えば、アタッカー11の斜め左上には「一索」の入球口13a、同じく斜め右上には「九索」の入球口13bが配置されている。さらに、表示装置10の下側であって遊技盤面部2の下方部2aには、図3に示すように、横方向に、最左端には「東」の入球口13c、続いて「南」の入球口13d、・・・、最右端には「北」の入球口が配置されている。
遊技盤面部2には、さらに、ランプ付き飾り装置14、風車15、等が設けられている。なお、ランプ装置8、ランプ付き飾り装置14に用いる発光体は、種々のカラー色を発光するLEDを使用する。なお、遊技盤面部2には、発射された遊技球の動きを案内するために多数本の釘が配設されているが、図2にはこれらの釘は図示していない。なお、遊技盤面部2の上方部には、ドット表示等から構成される表示装置36が設けられている。
操作パネル3には、図4に示すように、液晶表示装置から構成される第2の表示装置16、メダル投入口17、および各種の操作ボタン(ボタンスイッチ)が設けられている。この各種の操作ボタンは、遊技開始(BED)ボタン18、13個の手牌の図柄に対応してボタンが横方向に配設され、捨て牌の操作を行なう手段となる捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、・・・、19m、自摸した牌を捨て牌とする操作を手段となる自摸捨て牌用ボタンスイッチ20、リーチボタン21、右シフトボタン22a、左シフトボタン22b、選択決定ボタン23、遊技終了ボタン24、メダル払出しボタン25、等から構成されている。なお、捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、・・・、19m、自摸捨て牌用ボタンスイッチ20は、捨て牌操作手段を構成する。
遊技者が上記した各種のボタンを操作する(押圧してスイッチ接点をオンする)と、例えば、捨て牌用ボタン19aを押圧すると捨て牌信号が発生し、この信号がマイクロコンピュータから構成される制御基板に入力される。そして、制御基板に搭載されているソフトウエア(プログラム)は、入力された信号を解析して入力信号ごとに、ゲームを進行させるために予め設定された処理を実行するようになっている。
第1の表示装置10および第2の表示装置16は、遊技者に対してゲームの進行に応じて必要な情報、および演出用画像を表示するために使用される。第1の表示装置10には、主として、自摸すべき牌の図柄、および捨て牌とすべき牌の図柄を遊技者に明示する手段、および上がり役を完成したときの演出画像を表示する手段として使用される。第2の表示装置16は、主として、遊技者の手牌を構成する牌の図柄、遊技者が捨て牌として捨てた牌の図柄、等を表示する手段として使用される。
図5は、第2の表示装置16に各種の画像や情報を表示したときの表示例を示している。図5に示すように、表示装置16の表示面の上部横方向には、メダル貯留枚数表示部26、残り遊技球数表示部27、表ドラ表示部28、風牌表示部29、演出画像表示部30、捨て牌の図柄を表示する捨て牌表示部33が設けられている。
演出表示部30の上方部には、特別遊技役のうち、ビッグゲーム役の権利を得ることができる上がり役を示すビッグゲーム上がり役表示部31、チャンスゲーム役の権利を得ることができる2種の上がり役を示すチャンスゲーム上がり役表示部32aと32bが設けられている。なお、演出表示部30には自摸れば上がりになる牌の図柄や、上がり役を完成させたときに演出画像等が表示される。捨て牌表示部33には、遊技者が現在までに捨て牌とした図柄が捨て牌を行なった順に表示される。
さらに、第2の表示装置16の下部横方向には、13個の手牌の図柄を表示する手牌表示部34、自摸した牌の図柄を表示する自摸牌表示部35が設けられている。なお、手牌表示部34および自摸牌表示部35に表示する各図柄の下部には、手牌から捨て牌を決定するための入力手段となる捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、・・・、19m、20に対応するボタン名(A、B、C、D、E、・・・、M、N)が表示されている。手牌表示部33に表示される牌の図柄は、所定の順序、例えば、後記する図柄コードの順に、カラーで表示される。さらに、表示装置16の各表示部は、ゲームの進行に応じて牌の図柄、演出画像、数値等がプログラム処理により更新して表示される。
雀球遊技機1の筐体内部の所定位置には、本発明の雀球遊技機1の作動を制御するための制御基板が搭載されている。この制御基板は、例えば、図6に示すように、メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、第1の画像制御基板Kc、第2の画像制御基板Kdから構成されている。これら制御基板Ka、Kb、KcおよびKdは、それぞれCPU40a、40b、40c、40d、ROM41a、41b、41c、41d、RAM42a、42b、42c、42d、入出力インターフェイス(I/F)回路43a、43b、43c、44d、通信用インターフェイス(I/F)回路44a、44b、44c、44d等を備えたマイクロコンピュータから構成されている。
メイン制御基板Kaとサブ制御基板Kb、サブ制御基板Kbと第1の画像制御基板Kcおよび第2の画像制御基板Kdとは、ケーブル線T1、T2、T3により接続されてデータ通信が可能になっている。なお、各制御基板のRAM42a〜42dは、雀球遊技機1の電源がOFFされたときにもその記憶内容が保持されるようにすることが望ましい。
メイン制御基板Kaに搭載されている入出力インターフェイス回路43aには、ゲームを実施するときに遊技者がメダル投入口17に投入したメダルを検出するメダル投入センサ、各入球口13a、・・・等に入球した遊技球を検出するためのセンサ、捨て牌用ボタンスイッチ19a、・・・、および各種のボタンスイッチ等が接続され、その入力信号がメイン制御基板Kaに入力されるようになっている。さらに、入出力インターフェイス回路43aには、遊技者にメダルを払い出すためのメダル払出装置、遊技球を発射装置に送るための遊技球送り装置、アタッカー11の開閉を制御するアタッカー開閉制御装置等が接続され、プログラムの制御によりこれらの装置に制御信号が出力されるようになっている。また、入出力インターフェイス回路43aには、表示装置36が接続されている。
サブ制御基板Kbに搭載されている入出力I/F回路43bには、ランプ8、14等が接続されている。第1の画像制御基板Kcの入出力I/F回路43cには、第1の表示装置10が接続され、第2の画像制御基板Kdの入出力I/F回路43dには、第2の表示装置16、スピーカー6が接続されている。
雀球遊技機1の動作を制御、あるいは第1の表示装置10、第2の表示装置16に情報や画像を表示する等の各種のソフトウエア(プログラム)は、各制御基板Ka、Kb、Kc、Kdに搭載されたROM41a〜41dに記憶されている。また、各RAM42a〜42dは、これらプログラムが作動するときに各種のデータの読み込みやデータの作成、計算等をための記憶領域(ワークエリア)等として使用される。各制御基板のCPU40a〜40dとしては、各制御基板Ka、Kb、Kc、Kdに要求される機能を適切に処理することができるように、8ビット、16ビットあるいは32ビットのCPUの何れかを採用するようにする。
メイン制御基板Kaに搭載されているROM41aには、雀球遊技機1のゲーム進行を統括して制御するための各種のプログラムが記憶されている。メイン制御基板KaのROM41aに搭載されているプログラムは、例えば、図7に示すように、メイン制御プログラムP1、通信制御プログラムP2、メダル管理プログラムP3、遊技球管理プログラムP4、自動配牌プログラムP5、特別遊技役抽選プログラムP6、ドラ抽選プログラムP7、入賞判定プログラムP8、自摸牌選択支援プログラムP9、等から構成される。
メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、雀球遊技機1の全体の動作を統括制御するプログラムであり、主に下記の処理を行なう。
(1)遊技機1の電源がONされたときの初期化の処理と、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kb、サブ制御基板Kbを経由して第1の画像制御基板Kcおよび第2の画像制御基板Kdに送信する処理を行なう。この制御コマンドに基づいて、サブ制御基板Kbと第1および第2の画像制御基板Kc、Kdは、電源ON時の初期化処理を行なう。
(2)各種のセンサやボタンスイッチから入力される信号を解析し、その信号に対応した処理をように雀球遊技機1の作動を制御する。例えば、遊技者が遊技球を発射したときに入球した入球口の入球センサから入球信号が入力されると、この入球信号に対応する入球口の牌の図柄コードを求め、この図柄コードを自摸牌としてRAM42aに記憶する手牌データに追加(自摸の操作)する処理を行なう。
(3)ゲーム開始時に、自動配牌プログラムP5が作動して14個の手牌が決定されたときに、この手牌の図柄コードをサブ制御基板Kbに送信するための処理、および上記(1)、(2)の処理において、遊技者が捨て牌の操作、自摸の操作を行なう都度、現在の手牌の図柄コード、捨て牌、自摸牌に関する牌の図柄コードをサブ制御基板Kbに送信するための処理、等を行なう。
通信制御プログラムP2は、サブ制御基板Kbとの通信を行なうためのプログラムである。この通信データは、送信するデータは如何なる処理を行なうかを予め設定した制御コマンドと、この制御コマンドと共に送信される制御データから構成される。また、第1の画像制御基板Kcまたは第2の画像制御基板Kdにデータを送信する場合には、サブ制御基板Kbを経由してデータが送信されることになる。
メダル管理プログラムP3は、メダル投入口17からメダルの投入信号、遊技終了ボタン24からの入力信号、メダル払い出しボタン25の入力信号等を検出したときに、メダルの貯留枚数の更新管理と払い出しの処理を行なうためのプログラムである。
遊技球管理プログラムP4は、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1の制御に基づいて、次の処理を行なうプログラムである。
(1)ゲーム開始時に、RAM42aに記憶する残り遊技球数を、初期設定値、例えば、11個に設定する。これにより、遊技者は、11個の遊技球を発射させて上がり役を完成させることができない場合には、当該ゲームはゲームオーバ(流局)になる。
(2)捨て牌ボタンスイッチ19a、・・・等から捨て牌の操作信号を検出すると、遊技球発射位置(図1には図示せず)に遊技球を1球送る制御を行なう。
(3)遊技球発射レバー4から発射された遊技球が入球口13a、13b、13c、等の何れかに入球し、その入球信号が検出されると、残り遊技球数を「1」減算する。
自動配牌プログラムP5は、1ゲームの開始時に、14個の配牌の図柄をランダムに自動的に決定する処理を行なうためのプログラムである。この自動配牌プログラムP5は、乱数発生手段により発生した乱数を利用して、本雀球遊技機1で使用する27種、計108個の牌から、14個の配牌の図柄(図柄コード)を決定する処理を行なう。なお、この27種の各牌には、図8に示すように、例えば、「一萬」〜「中」まで16進数のコードが設定され、さらに、各図柄コードには4個の数値が割り付けられ、これらの図柄コードデータテーブルが予めROM41aに登録されている。自動配牌プログラムP5は、上記した乱数を利用してこの各図柄コードに割り付けられた数値をランダムに選択することにより、14個の配牌の図柄を決定する処理を行なう。
特別遊技役抽選プログラムP6は、予め設定されている上がり役の中から1ゲームごとに特別遊技役の権利を獲得できる上がり役を抽選により決定するプログラムである。例えば、ビックゲーム役の権利を獲得できる上がり役は、「国士無双」、「大三元」、「九連宝燈」、「一気通貫」、「字一色」の5種の上がり役から1種を抽選により決定する。また、チャンスゲーム役の権利を獲得できる上がり役は、例えば、「一気通貫」、「七対子」、「三暗刻」、「平和」、「一盃口」、「タンヤオ」の上がり役から2種を抽選により決定する。なお、この特別遊技の権利を獲得できる上がり役を抽選により決定する方法は、プログラム処理により発生した所定桁数の乱数を用いた抽選により決定する。ドラ抽選プログラムP7は、ゲーム開始時に、同様にして抽選により表ドラを決定するためのプログラムである。
入賞判定プログラムP8は、前記した自動配牌プログラムP5により14個の手牌が決定されたとき、および遊技者が自摸の操作を行ったときに、手牌が予め設定された上がり役の組合せになっているかどうかを判定するためのプログラムである。この上がり役としては、図9に示すような構成の上がり役別獲得メダル枚数データテーブル、すなわち、上がり役のコードとその上がり役に対して遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)が予め入賞判定プログラムP8、またはROM41aに記憶されている。そして、現在の14個の手牌について、入賞判定プログラムP8が上がり役を完成したと判定した場合には、図9に示すデータテーブルを参照して獲得メダル枚数を求め、上がり役完成の制御コマンドとその上がり役のコード、獲得したメダル枚数等を、サブ制御基板Kbを経由して第1および第2の画像制御基板Kc、Kdに送信する処理を行なう。
なお、14個の手牌データが上がり役を完成したとき、この上がり役の手牌データの組合せに、「表ドラ」「白」「發」「中」の牌が含まれていると、図9に示すように、上がり役で獲得したメダル枚数に、これら各牌の組合せに対してメダル3個が加算される。
また、遊技者の手牌データが上がり役の組合せを完成したときに、図9に示す上がり役コードのなかから、如何なる上がり役を完成させたかの判定処理は、入賞判定プログラムP8が行なう。この上がり役コードの判定は、入賞判定プログラムP8内に上がり役コードごとに、この上がり役を判定するための牌の組合せデータ等から構成される上がり役判定データテーブルを予め登録しておくことにより可能になる。
自摸牌選択支援プログラムP9は、特別遊技役の権利を獲得したゲームにおいて、アタッカー11に遊技球が入球した信号が入力されると、遊技者に対して、第1の表示装置10の画面と対話方式により自摸する牌の図柄を任意に選択する操作を支援するためのプログラムである。
続いて、サブ制御基板KbのROM41bに搭載されているプログラムの構成について説明する。図10に示すように、サブ制御基板Kbには、主として、メイン制御プログラムP21、通信制御プログラムP22、ランプ制御プログラムP23、アシストプログラムP24から構成される。
サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから送信された各種の制御コマンドと制御データを解読して、上記各プログラムの実行を制御するためのプログラムである。
通信制御プログラムP22は、メイン制御基板Kaからのデータの受信と、第1および第2の画像制御基板Kc、Kdとの通信を行なうためのプログラムである。なお、第1および第2の画像制御基板Kc、Kdは、サブ制御基板Kbから送信されたこれら各種の制御コマンドとその制御データ等を受信すると、プログラム処理により第1の画像制御基板Kcは第1の表示装置10に、第2の画像制御基板Kdは第2の表示装置16に演出用の画像や情報を表示し、さらに、スピーカー6から演出用の音声や効果音を出力する。
ランプ制御プログラムP23は、メイン制御基板Kaから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、ランプ8、14の点灯と消灯の制御を行なうためのプログラムである。
アシストプログラムP24は、次の処理を行なうためのプログラムから構成されている。
(1)遊技者の現在の手牌データ、すなわち、捨て牌の操作を行なう前の14個の手牌データ、および自摸の操作を行なう前の13個の手牌データについて、その手牌データを構成する図柄コードの構成に基づいて、この手牌データの目標とする上がり役を設定する処理を行なう。この手牌データの目標とする上がり役は、「国士無双」、「七対子」、「一般上がり役」の3種類のなかからいずれか1種類を設定する。
(2)上記(1)により設定した手牌データの目標とする上がり役に対して、遊技者の捨て牌の操作を行なう前の14個の手牌データについては、この手牌データから捨て牌とすべき牌の図柄コードの判定を行なう。さらに、自摸の操作を行なう前の13個の手牌データについては、この手牌データに自摸すべき牌を判定する処理を行なう。
アシストプログラムP24は、図10に示すように、国士無双目標上がり役判定プログラムP24a、七対子目標上がり役判定プログラムP24b、一般上がり役目標設定プログラムP24cから構成されている。
国士無双目標上がり役判定プログラムP24aは、RAM42bに記憶している現在の手牌データについて、その手牌の目標とする上がり役を「国士無双」に設定することが可能か否かを判定する処理を行なう。そして、設定可能と判定された場合、現在の手牌データが13個のときにはそのサブプログラムである自摸牌判定プログラムP24a−1を作動させて、自摸すべき牌の図柄コードを判定する処理を行なう、そして、判定した自摸すべき牌の図柄コードをRAM42bに記憶する。
また、国士無双上がり役判定プログラムP24a−1は、現在の手牌データが14個のときにはそのサブプログラムである捨て牌判定プログラムP24a−2を作動させて、この14個の手牌データのなかから捨て牌とすべき牌の図柄コードを判定する処理を行なう。そして、判定した捨て牌とすべき牌の図柄コードをRAM42bに記憶する。
七対子目標上がり役判定プログラムP24bは、RAM42bに記憶している現在の手牌データについて、その手牌の目標とする上がり役を「七対子」に設定することが可能か否かを判定する処理を行なう。そして、設定可能と判定された場合、現在の手牌が13個のときにはそのサブプログラムである自摸牌判定プログラムP24b−1を作動させて、自摸すべき牌の図柄コードを判定する処理を行なう。そして、判定した自摸すべき牌の図柄コードをRAM42bに記憶する。
また、同様にして、七対子目標上がり役判定プログラムP24bは、現在の手牌データが14個のときにはそのサブプログラムである捨て牌判定プログラムP24b−2を作動させて、この14個の手牌データのなかから捨て牌とすべき牌の図柄コードを判定する処理を行なう。そして、判定した捨て牌とすべき牌の図柄コードをRAM42bに記憶する。
一般上がり役目標設定プログラムP24cは、RAM42bに記憶している現在の手牌データについて、その手牌の目標とする上がり役を「一般上がり役」に設定する処理を行なう。っそして、現在の手牌データが13個のときにはそのサブプログラムである自摸牌判定プログラムP24c−1を作動させて、自摸すべき牌の図柄コードを判定する処理を行なう。そして、判定した自摸すべき牌の図柄コードをRAM42bに記憶する。
また、同様にして、現在の手牌データが14個のときにはそのサブプログラムである捨て牌判定プログラムP24c−2を作動させて、この14個の手牌データのなかから捨て牌とすべき牌の図柄コードを判定する処理を行なう。そして、判定した捨て牌とすべき牌の図柄コードをRAM42bに記憶する。
一般上がり役目標設定プログラムP24cは、さらに、孤立牌判定プログラムP24c−3、手牌評価プログラムP24c−4を備えている。
孤立牌判定プログラムP24c−3は、手牌データのなかに孤立牌が含まれているか否かを判定し、孤立牌が含まれている場合にはその図柄コードをRAM42bに記憶する処理を行なうプログラムである。上記した孤立牌とは、手牌データを構成する牌の図柄コードについて、少なくとも「面子」、「対子」、「塔子(ターツ)」の組合せに関与していない図柄コードを示す。このうち、「面子」とは、「刻子」と「順子」のことを示す。なお、孤立牌は、「面子」、「対子」、「塔子」の組合せの他に、「嵌塔(カンター)」、「辺塔(ペンター)」の組合せに関与していない図柄コードも含めるようにしてもよい。
手牌評価プログラムP24c−4は、手牌をこの手牌を構成する図柄コードの組合せ状況に応じて点数で評価するためのプログラムである。すなわち、図柄コードの組合せである少なくとも上記した少なくとも「面子」、「対子」、「塔子」について予め点数を設定しておき、手牌データに形成されているこれら「面子」、「対子」、「塔子」の組合せとその組合数を判定し、それぞれの組合せに点数を付与することにより、手牌を点数で評価するプログラムである。なお、図柄コードの組合せとして、上記した「嵌塔」、「辺塔」を含めてもよい。図柄コードの組合せに点数を設定した牌の組合せ別点数データの一例を図11に示す。
図11に示す牌の組合せ別点数データは、データテーブルとして組合せのコードに対応させてその点数を手牌評価プログラムP24c−4内に予め記憶しておくようにするとよい。この牌の組合せ別点数データにおいては、予め設定した点数の大きさは、面子>塔子>嵌塔および対子>辺塔の順にしている。「孤立牌」は「0」点に設定している。このように、面子(「刻子」と「面子」)に最も大きい点数を設定しているので、手牌評価プログラムP24c−4により手牌データを評価すると、その評価点数が大きいほどこの手牌データは、上がり役の組合せにより近いと判断することができる。すなわち、現在の14個の手牌データに孤立牌が含まれていないとき、手牌評価プログラムP24c−4は、この14個の手牌データから順次1個の図柄コードを仮の捨て牌として捨てたとき(削除)、13個の手牌データの評価点数が最も大きくなる仮の捨て牌を、捨て牌とすべき牌として遊技者にアシストすると、短時間で最も適切なアシストを行なうことが可能になる。
なお、アシストプログラムP24は、国士無双目標上がり役判定プログラムP24a、七対子目標上がり役判定プログラムP24b、一般上がり役目標設定プログラムP24cについて、国士無双目標上がり役判定プログラムP24aまたは七対子目標上がり役判定プログラムP24bを先に作動させ、「国士無双」と「七対子」を目標上がり役として設定することができなかった場合には、「一般上がり役」を目標上がり役として設定する処理を行なうように制御する。
上記のように、先に「国士無双」または「七対子」を目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する理由は次の通りである。
(1)「国士無双」が目標上がり役として設定された場合には、遊技者は「七対子」や「一般上がり役」と比較して、より多くのメダルを獲得できる上がり役を完成させる可能性が生じる。
(2)「七対子」は7組の「対子」の組合せにより構成される上がり役であるため、雀球遊技機においては比較的上がり易い役であり、かつ、上がり役の図柄の構成も単純である。従って、特に、麻雀遊技の知識に乏しい遊技者は、「七対子」が目標上がり役に設定されると、より興趣を高くしてゲームを進めることが可能になる。
第1の画像制御基板KcのROM41cに搭載されているプログラムは、第1の表示装置10に各種の画像等を表示するためのプログラムであって、図12に示すように、メイン制御プログラムP31、画面表示プログラムP32等から構成される。第1の画像制御基板Kcのメイン制御プログラムP31は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドと制御データを受信し、受信したデータに基づいて画面表示プログラムP32のサブプログラムの作動を制御する処理を行なう。
画面表示プログラムP32は、サブ制御基板Kbから送信されてきた制御コマンドとその制御データに基づいて、第1の表示装置10に画像や数値情報等を表示する制御を行なうためのプログラムであって、通常遊技画面表示プログラムP32a、特別遊技画面表示プログラムP32b、アシスト画面表示プログラムP32c、等から構成される。
通常遊技画面表示プログラムP32aは、雀球遊技機1の電源ON時から、遊技者が通常の遊技を行っているときに、表示装置10に各種の演出画像や遊技者に対して支援する各種の画像を表示する処理を行なうプログラムである。通常遊技画面表示プログラムP32aは、さらに、サブプログラムとして初期演出表示プログラムP32a−1、ゲーム演出表示プログラムP32a−2を備えている。
初期演出表示プログラムP32a−1は、雀球遊技機の電源をONしたときに、初期画面を表示するためのプログラムである。ゲーム演出表示プログラムP32a−2は、ゲームの進行に伴って遊技者にゲームの操作等をアドバイスする画面等を表示する。
特別遊技画面表示プログラムP32bは、遊技者が特別遊技の権利を獲得したときに各種の演出用の画面を表示する処理を行なうプログラムであって、権利獲得演出表示プログラムP32b−1を備えている。
アシスト画面表示プログラムP32cは、自摸牌表示プログラムP32c−1、捨て牌表示プログラムP32c−2から構成されている。自摸牌表示プログラムP32c−1は、前記した目標上がり役に対する自摸すべき牌の図柄を第1の表示装置10に表示するためのプログラムである。捨て牌表示プログラムP32c−2は、同じく、前記した捨て牌とすべき牌の図柄を第1の表示装置10に表示するためのプログラムである。
第2の画像制御基板KdのROM41dに搭載されているプログラムは、第2の表示装置16に各種の画像等を表示するためのプログラムと、スピーカー6に音声・効果音を出力するためのプログラムから構成されている。これらのプログラムは、図13に示すように、メイン制御プログラムP41、画面表示プログラムP42、音声・効果音出力プログラムP43等から構成される。
第2の画像制御基板Kdのメイン制御プログラムP41は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドと制御データを受信し、受信したデータに対応して画面表示プログラムP42の各サブプログラム、音声・効果音出力プログラムP43を作動させる処理を行なうためのプロググラムである。画面表示プログラムP42は、通常遊技画面表示プログラムP42a、特別遊技画面表示プログラムP42b、自摸れば上がり牌表示プログラムP42cから構成されている。
通常遊技画面表示プログラムP42aは、初期演出表示プログラムP42a−1、ゲーム演出プログラムP42a−2等のサブプログラムを備えている。
初期演出表示プログラムP42a−1は、雀球遊技機の電源をONしたときに、初期画面を表示するためのプログラムである。ゲーム演出表示プログラムP42a−2は、遊技の進行に伴って遊技者が捨て牌の操作、遊技球の発射による自摸牌の操作等を行なうごとに、メイン制御基板Kaからサブ制御基板Kbを経由して送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、図5に示すように、現在の手牌の図柄、捨て牌の図柄等を表示する処理を行なうためのプログラムである。
特別遊技画面表示プログラムP42bは、遊技者が特別遊技役の権利を獲得したときに各種の演出用の画面を表示する処理を行なうプログラムであって、自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1を備えている。自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1は、遊技者がこの特別遊技役の権利を獲得したときに作動されるプログラムであり、第2の表示装置16に表示された自摸牌の候補の図柄を牌選択右シフトボタン22a、あるいは牌選択左シフトボタン22bを操作してスクロールさせながら、対話方式により自摸すべき牌の図柄を選択する操作を支援するためのプログラムである。
自摸れば上がり牌表示プログラムP42cは、例えば、サブ制御基板Kbに搭載されている自摸牌判定プログラムP24a−1、P24b−1、P24c−1が自摸れば上がりになる牌の図柄コードを判定したときに、この自摸れば上がりになる牌の図柄を表示するためのプログラムである。
音声・効果音出力プログラムP43は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、遊技の進行に伴って各種の演出用音声、および効果音をスピーカー6から出力するためのプログラムである。
なお、第1の画像制御基板KcのROM41c、第2の画像制御基板KcのROM41dには、それぞれ表示装置10、16に表示する画像データがデジタル画像データとして記憶されている。例えば、各牌の図柄の画像、演出用の風景やキャラクタに関する画像、上がり役を完成したときの演出用の画像等である。
上記した各制御基板Ka、Kb、Kc、Kdの動作を制御するプログラムは、アセンブラ言語、C言語あるいはVisual Basic言語等を利用して開発し、各基板のCPUが実行可能なプログラムである機械語プログラムに翻訳したプログラムが各制御基板Ka、Kb、Kc、KdのROMに記憶されている。
続いて、本発明の雀球遊技機1について、ゲーム進行の作動内容について説明する。このゲーム進行の作動は、上記した各プログラムの制御に従って実行される。
まず、雀球遊技機1の電源がONされると、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、メイン制御基板KaのRAM42aの記憶領域を初期化する。続いて、メイン制御プログラムP1は、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kbに、サブ制御基板Kbはこの初期化制御コマンドを第1および第2の画像制御基板Kc、Kdに伝送する。サブ制御基板Kb、第1および第2の画像制御基板Kc、Kdは、この初期化制御コマンドを受信すると、各メインプログラムはRAM42b、RAM42c、42dの記憶領域を初期化する。また、第1および第2の画像制御基板Kc、Kdに搭載されている各メイン制御プログラムP31および41は、初期演出表示プログラムP32a1およびP42a1を作動させて、電源ON時の演出画面、例えば、風景あるいはキャラクタに関する画像を表示装置10、16に表示する等の処理を行なう。
遊技者がゲームを行なうためには、1ゲームにつき所定の枚数のメダル、例えば、3枚をメダル投入口17に投入する必要がある。メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1がそのメダル投入信号を検出すると、メダル管理プログラムP3を作動させる。メダル管理プログラムP3は投入されたメダル枚数をカウントする処理を行い、メダル貯留枚数を記憶するRAM42aの記憶領域に投入されたメダル枚数を記憶する処理を行なう。
メイン制御プログラムP1は、1ゲームの実施に必要なメダルが投入されたことを検出すると、ゲームを実施することが可能な状態になったと判定して、遊技者に遊技開始ボタン18の押圧を促すための制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して第1の画像制御基板Kcに送信する。第1の画像制御基板Kcはこの制御コマンドを受信すると、ゲーム演出表示プロググラムP32a−2は表示装置10に、「遊技開始ボタンを押して下さい」と表示する処理を行なう。このとき、第2の画像制御基板Kdの音声・効果音出力プログラムP43を作動させて、同時に音声をスピーカー6から出力させるようにしてもよい。
遊技者が遊技開始ボタン18を押圧し、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1がこの遊技開始ボタン18からゲーム開始信号を検出すると、1ゲームの遊技が開始できる状態になる。すると、メイン制御プログラムP1は、ゲーム開始の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して第1および第2の画像制御基板Kc、Kdに伝送する。第1および第2の画像制御基板Kc、Kdのゲーム演出表示プログラムP32a−2、P42a−2は、この制御コマンドに基づいて、ゲーム開始時の演出画像を表示装置10、16に表示すると共に、音声・効果音出力プログラムP43により音声をスピーカー6から出力する。このようにして、雀球遊技機の1ゲームが開始する。
続いて、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1の制御により、自動配牌プログラムP5が作動して、ゲームを開始するために必要な14個の配牌の図柄をプログラム処理により自動的に決める。自動配牌プログラムP5は、自動配牌した14個の図柄コードをRAM42aの手牌記憶領域に順次記憶した後、所定の順序、例えば、図柄コードの上昇順、すなわち、萬子、筒子、索子、風牌、三元牌の順に並び替えて手牌記憶領域に記憶する。
次に、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、この14個の配牌された図柄コードを、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、この14個の配牌された図柄コードを受信すると、RAM42bにこの図柄コードを記憶すると共に、第2の画像制御基板Kdにこれら14個の配牌された図柄コードを送信する。第2の画像制御基板Kdのゲーム演出表示プログラムP42a−2は、14個の配牌の図柄コードを受信すると、図5に示すような牌の図柄の画像を表示装置16の手牌表示部34と自摸牌表示部35に表示する処理を行なう。
続いて、特別遊技役抽選プログラムP6(ただし、通常遊技の遊技を行なうときに作動する)、およびドラ抽選プログラムP7の各プログラムが作動して、ビッグゲーム役の権利が獲得できる上がり役とチャンスゲーム役の権利が獲得できる上がり役の決定、表ドラの決定を行なう。そして、これらのプログラムP6、P7の処理により決定されたビックゲーム役およびチャンスゲーム役、表ドラの図柄の各データ(コード化されたデータ)は、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信される。
第2の画像制御基板Kdのゲーム演出表示プログラムP42a−2は、ビックゲーム役およびチャンスゲーム役の上がり役のコード、表ドラの図柄コードを受信すると、図5に示すように、ビックゲーム役とチャンスゲーム役をそれぞれビッグゲーム上がり役表示部31、チャンスゲーム上がり役表示部32a、32b、表ドラを表ドラ表示部28に表示する処理を行なう。同様に、風牌の図柄コードも制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信され、風牌表示部29にその図柄を表示する。
なお、サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから当該ゲームのビックゲーム役およびチャンスゲーム役として決定した上がり役のコード、表ドラの牌の図柄コードを受信すると、これらのコードをRAM42bに記憶する処理を行なう。
続いて、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、第1および第2の表示装置10、16に遊技の開始条件が整ったことを表示し、またスピーカー6に音声で知らせる処理を行なうように制御する。次に、メイン制御プログラムP1は、入賞判定プログラムP8を作動させて、自動配牌された14個の手牌が既に上がり役を完成しているか否かを判定させる処理を行なう。なお、入賞判定プログラムP8は、ゲーム中において遊技者が遊技球を発射する等の自摸牌の操作を行なって手牌が14個になったときに作動される。
入賞判定プログラムP8の処理により、自動配牌された14個の手牌が予め設定された上がり役を完成していると判定した場合には、この入賞判定プログラムP8は、予め設定された如何なる上がり役で上がっているかの判定処理と、遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)等を図9に示す上がり役別獲得メダル枚数データテーブルを参照して決定する処理を行なう。続いて、入賞判定プログラムP8は、これら上がり役のコード、獲得したメダル枚数等を、サブ制御基板Kbを経由して第1および第2の画像制御基板Kc、Kdに送信する。第1および第2の画像制御基板Kc、Kdは、これらのデータを受信すると、ゲーム演出表示プログラムP32a−2、P42a−2は、上がり役、獲得した得点、その他の演出画像を第1の表示装置10、第2の表示装置16の上がり牌表示部30等に所定の時間ほど表示する処理を行なう。
一方、自動配牌された14個の牌の組合せが上がり役を完成していない場合には、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、捨て牌アシストの制御コマンドをサブ制御基板Kbに送信する。サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、この捨て牌アシストの制御コマンドを受信すると、アシストプログラムP24を作動させる。
アシストプログラムP24は、次の処理を行なう。
(1)まず、国士無双目標上がり役判定プログラムP24aを作動させて、現在の手牌の目標上がり役を「国士無双」に設定することが可能か否かを、図14に示す上がり役判定データテーブルを参照して行なう。「国士無双」を現在の14個の手牌データに対する目標上がり役として判定するための上がり役判定データとしては、現在の手牌のなかに、第1の必要条件としてヤオチュウ牌種が9牌種数以上含まれ、かつ、第2の必要条件として現在の手牌について「国士無双」の上がり役を完成するために不足している(または、「必要とする」)牌の個数以上の残り遊技球が存在するときに、国士無双目標上がり役判定プログラムP24aは、「国士無双」を目標上がり役として設定する処理を行なう。
なお、この「国士無双」の上がり役を完成するために不足している牌の個数とは、現在の手牌データを構成する図柄コードについて、「国士無双」の上がり役を完成させるために不足している図柄コード、すなわち、自摸して追加すべきヤオチュウ牌の個数を意味する。この不足している牌の個数の算出は、「国士無双」の上がり役が構成する牌の図柄コードを国士無双目標上がり役判定プログラムP24a等に登録しておき、現在の手牌データを構成する図柄コードと比較する処理を行なうことにより可能になる。
また、「国士無双」を目標上がり役として判定するための第1の必要条件として「現在の手牌のなかにヤオチュウ牌種が9種以上含まれている」と設定した理由は、本発明の雀球遊技機においては、遊技者が自摸操作のために発射できる遊技球の個数は最大11個に設定していること、および、図3に示す遊技盤面部2の下方部に設置されている入球口の配列において、ヤオチュウ牌種である「東」「南」「一萬」「九萬」「白」「發」「中」「一筒」「九筒」「西」「北」は、両端部あるいは両端部の近傍、および中央部に配列されている。これら両端部あるいは両端部の近傍、および中央部に位置する入球口は、遊技球を狙って入球させることが比較的困難である。これは、手で発射レバーのバネ力を適度に調整して遊技球をこれらの入球口に入球させることがかなり難しいことによる。従って、現在の手牌にヤオチュウ牌種が含まれている牌種数が9種以上と大きな値に設定した。
さらに、「国士無双」を目標上がり役として判定するための上がり役判定データとして、現在の手牌から「国士無双」の上がり役を完成するために必要とする牌の個数以上の残り遊技球が存在することを第2の必要条件として設定している。この遊技球の残り個数は、メイン制御基板Kaの遊技球管理プログラムP4により把握されているので、メイン制御基板Kaからサブ制御基板Kbに遊技球の残り個数が送信されてきたときに、サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、この遊技球の残り個数をRAM42bに記憶する処理を行なう。これにより、国士無双目標上がり役判定プログラムP24aは、現在の遊技球の残り個数を把握することが可能になる。
なお、遊技者が狙った入球口に入球させようとして遊技球を発射しても、狙った入球口に遊技球が必ず入球するとは限らない。従って、この遊技球の残り個数は、例えば、1個または2個余裕を持たせて、「国士無双」の上がり役を完成するために必要とする牌の個数に「+1」(または「+2」)した値以上の残り遊技球が存在することを第2の必要条件としてもよい。
国士無双目標上がり役判定プログラムP24aは、「国士無双」を目標上がり役として設定すると、捨て牌判定プログラムP24a−2を作動させる。捨て牌判定プログラムP24a−2は、現在の14個の手牌データについてその目標とする上がり役「国士無双」に対して、この手牌データから捨て牌とすべき牌を判定する処理を行なう。
一方、国士無双目標上がり役判定プログラムP24aにより、「国士無双」を目標上がり役として設定することができないと判定された場合には、アシストプログラムP24は、七対子目標上がり役判定プログラムP24bを作動して、「七対子」を現在の手牌データの目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する処理を行なう。
七対子目標上がり役判定プログラムP24bが、「七対子」を現在の14個の手牌データに対する目標上がり役として判定するための上がり役判定データは、図14に示すように、例えば、その第1の必要条件は、現在の手牌データのなかに、「対子」が5組以上含まれ、かつ、「刻子」が含まれていないこととしている。さらに、第2の必要条件は、現在の手牌について「七対子」の上がり役を完成するために不足している(または、「必要とする」)牌の個数以上の残り遊技球が存在することとしている。
七対子目標上がり役判定プログラムP24bにより、「七対子」を目標上がり役として設定することができないと判定された場合には、アシストプログラムP24は、一般上がり役目標設定プログラムP24cを作動して、「一般上がり役」を現在の手牌データの目標上がり役として設定する処理を行なう。
「国士無双」が目標上がり役として設定されたとき、現在の14個の手牌データから捨て牌とすべき牌の図柄コードの判定は、捨て牌判定プログラムP24a−2により、次の手順により行なうことができる。
(1)まず、現在の14個の手牌データに、ヤオチュウ牌以外の図柄コードが含まれているか否かを判定する処理を行なう。この判定の結果、ヤオチュウ牌以外の図柄コードが含まれている場合には、このヤオチュウ牌以外の図柄コードを捨て牌とすべき牌として判定する。現在の14個の手牌データにヤオチュウ牌以外の図柄コードが含まれていない場合には、下記(2)記載の手順により、捨て牌とすべき牌の図柄コードの判定を行なう。
(2)現在の14個の手牌データを構成する図柄コードの全てが、ヤオチュウ牌の図柄コードである場合には、手牌データに「刻子」または「槓子(カンツ)」、「対子」が形成されているか否かを判定する。そして、「刻子」または「槓子(カンツ)」が形成されているときには、「刻子」または「槓子(カンツ)」を形成している図柄コードの1個を捨て牌とすべき図柄コードとして判定する。また、手牌データに「対子」が2組以上含まれている場合には、いずれか一方の「対子」を形成する図柄コードの1個を捨て牌とすべき図柄コードとして判定する。
「七対子」が目標上がり役として設定されたとき、現在の14個の手牌データから捨て牌とすべき牌の図柄コードの判定は、捨て牌判定プログラムP24a−2により、次の手順により行なうことができる。
現在の14個の手牌データについて、「対子」を形成していない図柄コードを捨て牌とすべき図柄コードとして判定する。このとき、手牌データには「対子」を形成していない図柄コードが複数含まれていることがある。この場合には、図15に示す入球口評価点数データテーブルを参照して、捨て牌とすべき図柄コードを判定する処理を行なう。すなわち、「対子」を形成していない複数の図柄コードごとに、この図柄コードに対応して入球口評価点数データテーブルに記憶されている評価点数を参照して、この評価点数の値が最も少ない図柄コードを捨て牌とすべき図柄コードとして判定する。
図15に示す入球口評価点数データテーブルは、遊技盤面部2に配置した27個の入球口ごとに予め設定した評価点数について、入球口に対応する図柄の図柄コードとこの評価点数との関係を示すデータテーブルであって、アシストプログラムP24内等に記憶されている。入球口ごとに設定した評価点数は、自摸の操作として遊技者が発射した遊技球について、入球口への入球のし易さ等を考慮して設定されている。
上記のように、手牌データのなかに捨て牌とすべき図柄コードの候補が複数存在するときに、この図柄コードに対応する入球口の評価点数が最も低い図柄コードを捨て牌とすべき図柄コードとして判定すると、遊技者が次の自摸の操作を行なったときに、「対子」を形成する確率がより高くなるので、遊技者により親切なアシストを行なうことが可能になると考えられる。なお、捨て牌とすべき図柄コードの候補が複数存在し、かつ、その入球口の評価点数が同じ値のときは、字牌の図柄コードを優先して捨て牌とすべき図柄コードとして判定する等、適切な判定を行なうようにするとよい。
なお、図15に示す入球口評価点数データテ−ブルにおいて、各入球口の評価点数は、次のような考え方により設定することができる。
(1)遊技盤面部2の上方部に配置した「一索」と「九索」の入球口13aと13bは、狙って遊技球を入球させることが比較的容易であるため、評価点数は「4」に設定する。
(2)図3に示す遊技盤面部2の下方部2aの横方向に配列した25個の入球口には、その配列の位置に基づいて、次の考え方により評価点数を設定する。
(2−1)最左端の入球口「東」と最右端の入球口「北」は、狙って遊技球を入球させることが比較的困難なため、評価点数は「1」に設定する。
(2−2)左側の中央部に位置するように、数牌の「一萬」から「九萬」の図柄に対応する入球口を上昇順に配置している。この「一萬」から「九萬」の入球口の配列のうち、遊技盤面部2の左下のほぼ中央に位置する「四萬」、「五萬」、「六萬」の入球口は、狙って遊技球を入球させることが比較的容易であること、およびこの入球し易さから萬子の「順子」、「対子」、「刻子」や「両面待ち」の組合せを形成させることが比較的容易になるため、評価点数は「4」に設定する。
(2−3)右側の中央部に位置するように、数牌の「一筒」から「九筒」の図柄に対応する入球口を上昇順に配置している。この「筒子」の入球口についても、上記(2−2)と同様な理由により、遊技盤面部2の右下のほぼ中央に位置する「四筒」、「五筒」、「六筒」の入球口の評価点数は「4」に設定する。
(2−4)「萬子」と「筒子」の入球口の間に配置されている三元牌の「白」、「發」、「中」に対応する図柄の入球口は、遊技球を遊技盤面部2の左下あるいは右下の入球口を狙って発射したときに、遊技球が釘などに当たって入球する確率が高くなる場合がある。従って、「白」、「發」、「中」に対応する図柄の入球口の評価点数は「3」に設定する。
さらに、本発明の雀球遊技機においては、過去に実施されたゲームについて、27個の入球口に遊技球が入球した回数の実績をサブ制御基板Kaのメイン制御プログラムP21により把握し、この入球回数の多さを前記した入球口評価点数データテーブルの評価点数に反映させるようにしてもよい。例えば、過去に実施されたゲームについて、入球回数が多い上位5位までの入球口の評価点数には、「1点」を追加するようにする。なお、過去に実施されたゲームとは、前日と本日実施されたゲーム、あるいは当該ゲームまでに実施された100回分のゲーム等、適切に設定する。
続いて、「一般上がり役」が目標上がり役として設定されたとき、現在の14個の手牌データから捨て牌とすべき牌の図柄コードを判定する手順について説明する。この判定処理は、捨て牌判定プログラムP24c2が行なう。
(1)まず、孤立牌判定プログラムP24c3を作動させて、14個の手牌データに、孤立牌となる図柄コードが含まれているか否かを判定する。この判定の結果、「孤立牌」となる図柄コードが含まれている場合には、この「孤立牌」の図柄コードを捨て牌とすべき図柄コードとして判定する。なお、前記したように「孤立牌」とは、手牌データを構成する牌の図柄コードについて、少なくとも「刻子」と「順子」を示す「面子」、「対子」、「塔子」の組合せに関与していない図柄コードを示す。このうち、さらに、孤立牌には、「嵌塔」、「辺塔」の組合せに関与していない図柄コードも含めるようにしてもよい。さらに、14個の手牌データに孤立牌が複数個判定された場合には、上記と同様に、孤立牌判定プログラムP24c−3は、図15に示す入球口評価点数データテーブルを参照して、評価点数の値が最も少ない図柄コードを捨て牌とすべき図柄コードとして判定する処理を行なうようにする。
(2)上記(1)の手順において、14個の手牌データに孤立牌の図柄コードが含まれていないと判定された場合には、次の手順(2a)~(2b)により捨て牌とすべき図柄コードを判定する処理を行なう。
(2a)14個の手牌データから、順次1個の図柄コードを仮の捨て牌として削除した13個の手牌データを、手牌評価プログラムP24c−4により点数で評価する。この処理は、14個の手牌データから、順次1個の図柄コードを仮の捨て牌として削除した13個の手牌データについて、仮の捨て牌として削除した図柄コード別に手牌データの評価点数を算出する。
(2b)上記(2a)の手順で算出した手牌データの評価点数のうち、この手牌データの評価点数が最も大きな値になる仮の捨て牌として削除した図柄コードを、捨て牌とすべき図柄コードと判定する処理を行なう。
上記(2b)において、手牌データの評価点数が最も大きな値になる仮の捨て牌を、捨て牌とすべき牌と判定する利用は次の通りである。前記したように、手牌の評価点数が大きいほどこの手牌データは、上がり役の組合せにより近いと判断することができる。これにより、手牌データから仮の捨て牌Aを削除したときに、この手牌データの評価点数が他の仮の捨て牌Bより大きいということは、この仮の捨て牌Aを捨て牌として捨てた方が、仮の捨て牌Bよりも、上がり役を完成させるための影響が少ないことを示すからである。
上記した手順により、現在の14個の手牌データから捨て牌とすべき牌の図柄コードが判定されると、アシストプログラムは、RAM42bに記憶されたこの捨て牌とすべき牌の図柄コードを制御コマンドと共に、第1の画像制御基板Kcに送信する。第1の画像制御基板Kcは、このデータを受信するとアシスト画面表示プログラムP32cを作動させて、図16に示すように、捨て牌とすべき牌の図柄コードに対応する図柄を第1の表示装置10に表示する制御を行なう。
遊技者は、第1の表示装置10に表示された捨て牌とすべき牌の図柄を確認すると、現在の手牌に含まれているこの捨て牌とすべき牌に対応する捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、・・・、19m、自摸捨て牌用ボタンスイッチ20の一つを押圧して、捨て牌の操作を行なう。遊技者がこの捨て牌用ボタンスイッチを押圧した信号がメイン制御基板に入力されると、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、RAM42aの手牌データ記憶領域に記憶している手牌データからこの捨て牌の操作を行なった図柄に対応する図柄コードを削除し、続いて、13個になった手牌データを図柄コード順に並び変えて、RAM42aの手牌データ記憶領域に記憶する。
続いて、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、この遊技者が捨て牌とした図柄コードと、13個になった手牌データをサブ制御基板Kbに送信する処理を行なう。サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、これら捨て牌の図柄コードと13個になった手牌データをRAM42bに記憶すると共に、第2の制御基板Kdに送信する。第2の制御基板Kdは、これらのデータを受信すると、ゲーム演出表示プログラムP42a−2により、図5に示している第2の表示装置16に示す表示画面のうち、捨て牌表示部33、手牌表示部34および自摸牌表示部35に表示する図柄を更新して再表示する処理を行なう。
以上に説明した本発明の実施形態は、遊技者が捨て牌の操作を行なう前の14個の手牌データについて、この手牌データの目標とする上がり役を設定し、この目標とする上がり役に対して手牌データから適切な捨て牌とすべき牌を判定して遊技者に明示する手段について説明した。本発明は、さらに、遊技者が捨て牌の操作を行なって13個になった手牌データについて、次の操作となる自摸すべき牌を、遊技者が自摸の操作を行なう前に、表示装置10に明示するアシストする手段を備えていることに特徴がある。
メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、遊技者が捨て牌の操作を行なうと、RAM42aに記憶している手牌データからこの捨て牌とした図柄コードを削除し、図柄コード順に並び替えてRAM42aに記憶する。続いて、メイン制御プログラムP1は、これら捨て牌の図柄コードと13個の手牌データをサブ制御基板Kbに送信する制御を行なう。サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、捨て牌の図柄コードと13個の手牌データを受信すると、受信したデータをRAM42bに記憶した後、アシストプログラムP24を作動させて、まず、この13個の手牌データの目標とする上がり役を設定する処理を行なう。続いて、アシストプログラムP24、この目標とする上がり役に対して自摸すべき牌の図柄コードを判定して、遊技者にこの自摸すべき牌の図柄をアシストするための処理を行なう。
以下、遊技者の手牌データが13個のときに、遊技者が自摸の操作を行なう前に自摸すべき牌の図柄をアシストする手順について説明する。
まず、アシストプログラムP24は、国士無双目標上がり役判定プログラムP24aを作動させて、RAM42bに記憶している現在の手牌データについて、その手牌の目標とする上がり役を「国士無双」に設定することが可能か否かを判定する処理を行なう。そして、「国士無双」を目標とする上がり役に設定することが可能であると判定したときには、「国士無双」を目標とする上がり役として、自摸牌判定プログラムP24a−1により、13個の手牌データに自摸すべき牌の図柄コードを判定する処理を行なう。
一方、「国士無双」を目標とする上がり役に設定することができないと判定したときには、アシストプログラムP24は、七対子目標上がり役判定プログラムP24bを作動させて、「七対子」を目標とする上がり役に設定することが可能か否かを判定する処理を行なう。
そして、「七対子」を目標とする上がり役として設定することが可能であると判定したときには、「七対子」を目標とする上がり役として、自摸牌判定プログラムP24b−1により、13個の手牌データに自摸すべき牌の図柄コードを判定する処理を行なう。
「七対子」を目標とする上がり役に設定することができないと判定したときには、アシストプログラムP24は、一般上がり役目標上がり役設定プログラムP24cを作動させて、「一般上がり役」を目標とする上がり役に設定する処理を行なう。続いて、一般上がり役目標設定プログラムP24cは、自摸牌判定プログラムP24c−1により、13個の手牌データに自摸すべき牌の図柄コードを判定する処理を行なう。
現在の13個の手牌データについて、その目標とする上がり役を「国士無双」、または「七対子」に設定することが可能であるか否かの判定は、前記した図14に示す上がり役判定データテーブルを参照して、前記した国士無双目標上がり役判定プログラムP24a、七対子目標上がり役判定プログラムP24bの処理により行なうことができる。
現在の13個の手牌データについて、その目標とする上がり役が「国士無双」に設定されたとき、自摸牌判定プログラムP24a1は、次の手順により自摸すべき牌の図柄コードを判定する処理を行なう。
(1)「国士無双」は、13種のヤオチュウ牌を1個ずつ揃え、そのうちの一つを雀頭とした上がり役である。従って、「国士無双」が目標とする上がり役として設定された場合には、この13種のヤオチュウ牌の図柄コードを自摸牌判定プログラムP24a−1に予め登録しておく。そして、まず、現在の13個の手牌データが「国士無双」で聴牌の状態になっているか否かを判定する。「国士無双」で聴牌の状態になっていないと判定された場合には、13個の手牌データに対して、「国士無双」を完成させるために不足しているヤオチュウ牌の図柄コードを判定する。この不足しているヤオチュウ牌の図柄コードが自摸すべき牌の図柄コードと判定する。このとき、自摸すべき牌の図柄コードは複数個判定される可能性があるので、この判定された全ての図柄コードを自摸すべき牌としてその図柄コードをRAM42bに記憶する処理を行なう。
(2)現在の13個の手牌データが「国士無双」で聴牌の状態になっているときには、この手牌データは、13種のヤオチュウ牌が1個ずつ揃って13面待ちの状態か、あるいは「雀頭」が完成してタンキ待ちの場合がある。この13面待ちのときは、13種の図柄コードを自摸すべき牌としてRAM42bに記憶する処理を行ない、タンキ待ちのときはこの図柄コードを自摸すべき牌としてRAM42bに記憶する処理を行なう。
「七対子」は、7組の「対子」から構成される上がり役である。従って、「七対子」が目標とする上がり役として設定された場合には、自摸牌判定プログラムP24b−1は、現在の13個の手牌データに対して「七対子」を完成させるために不足している牌の図柄コードは、手牌データのなかで「対子」を形成していない図柄コードを自摸すべき牌として判定する処理を行なう。この場合、自摸すべき牌の図柄は複数個判定されることもあるので、この判定された全ての図柄を自摸すべき牌とする処理を行なって、これらの図柄コードをRAM42bに記憶する。
現在の13個の手牌データについて、その目標とする上がり役が「一般上がり役」に設定されたとき、自摸牌判定プログラムP24c−1は、次の手順により自摸すべき牌の図柄コードを判定する処理を行なうことができる。
(1)RAM42bに記憶している現在の13個の手牌データに、仮の自摸牌となる図柄コードを1個追加する。この仮の自摸牌となる図柄コードは、例えば、まず、図8に示す図柄コードデータテーブルの「一萬」とする。
(2)上記(1)により14個になった手牌データについて、前記した手牌評価プログラムP24c−4により点数で評価して、その評価点数を仮の自摸牌とした図柄コードと対応付けてRAM42bに記憶する。
(3)上記(2)の処理を、図8に示す図柄コードデータテーブルの図柄コード順に、「一萬」〜「中」までの全図柄コードについて行なう。
(4)上記(3)の処理が終了すると、仮の自摸操作を行なって14個にした手牌データの評価点数が最も高くなる仮の自摸牌となる図柄コードを求める。そして、自摸すべき牌の図柄コードは、手牌データの評価点数が最も高くなる仮の自摸牌として判定し、その図柄コードをRAM42bに記憶する。
「一般上がり役」が目標とする上がり役に設定されたとき、上記のように、仮りの自摸操作により手牌データの評価点数が最も高くなる仮の自摸牌とした図柄コードを、自摸すべき牌の図柄コードとして判定する理由は、前記したように、手牌の評価点数が大きいほどこの手牌データは、上がり役の組合せにより近くなると判断することができるからである。
なお、仮の自摸牌を追加して14個になった手牌データを、手牌評価プログラムP24c−4により点数で評価するとき、この手牌データには「面子」、「対子」、「塔子」の組合せに関与していない「孤立牌」が含まれる場合もある。図11に示す牌の組合せ別点数データテーブルにおいて、この「孤立牌」の点数は「0」点を設定しているが、仮の自摸により14個にした手牌データを手牌評価プログラムP24c−4により点数で評価するとき、この「孤立牌」は次のように評価する。
すなわち、手牌データに含まれている「孤立牌」には、図15に示す入球口評価点数データテーブルを参照して、この「孤立牌」の図柄コードに対応する入球口の評価点数を付与する。また、「孤立牌」が当該ゲームにおいて「表ドラ」に設定されているときには、この「孤立牌」の図柄コードに対応する入球口の評価点数に、さらに所定の点数、例えば、「1」点をプラスする処理を行なう。
上記のように、手牌データに含まれている「孤立牌」にも所定の点数を付与して14個の手牌データを点数で評価すると、次のような効果が生じる。
点数が高い「孤立牌」が手牌データに含まれていると、この手牌データの評価点数は高くなるので、このときの仮の自摸牌が自摸すべき牌として判定される可能性が生じる。このことは、手牌データに「孤立牌」が含まれていても、この「孤立牌」は入球し易い入球口に対応する図柄か、あるいは、「表ドラ」である可能性が高い。これにより、「孤立牌」が入球し易い入球口に対応する図柄の場合には、遊技者の次以降の自摸操作により、「面子」、「対子」、「塔子」等が形成し易くなり、また、「表ドラ」の場合には上がり役を完成させたときにより多くのメダルを獲得することができるので、遊技者にとって適切な自摸すべき牌をアシストすることができるようになる。
上記(1)において、現在の13個の手牌データに仮自摸した牌の図柄コードを加えるとき、麻雀遊技のルールに基づいて、現在のゲームの場において既に4個開示されている牌の図柄コードは、仮自摸する牌として選択しない処理を行なう必要がある。なお、既に4個開示されている牌の図柄とは、現在の手牌、現在までの捨て牌、表ドラ、風牌として表示されている牌について、同一の牌の図柄が既に4個開示されている牌の図柄を示すが、このうち、例えば、表ドラ、風牌については、4個開示されている牌の図柄としてカウントしない処理を行なう等、適宜に設定するとよい。
上記した既に4個開示されている牌の図柄コードを、仮自摸する牌として選択しないためのプログラム処理は、次の手順(1)、(2)により行なうことができる。
(1)サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、RAM42bに図8に示す27種の図柄コードについてその開示個数をカウントする開示個数テーブルを設ける。そして、メイン制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから自動配牌プログラムP5が自動配牌した14個の牌の図柄コード、遊技者が自摸操作を行なった結果の自摸牌の図柄コード、表ドラおよび風牌の図柄コードが送信されてきたときに、この開示個数テーブルの該当する図柄コードの開示個数をカウントする記憶領域を「+1」する処理を行なう。
(2)自摸牌判定プログラムP24c−1は、この開示個数テーブルを参照して、仮自摸する牌として選択した図柄コードが既に4個開示されているか否かを判定する。そして、既に4個開示されている図柄コードについては仮自摸する牌として選択しない処理を行なうようにする。すなわち、開示個数が0〜3個の牌の図柄コードを仮自摸する牌として選択する処理を行なう。
上記した手順により、現在の13個の手牌データに自摸すべき牌の図柄コードが判定されると、アシストプログラムP24は、RAM42bに記憶されたこの自摸すべき牌の図柄コードを制御コマンドと共に、第1の画像制御基板Kcに送信する。第1の画像制御基板Kcは、このデータを受信するとアシスト画面表示プログラムP32cを作動させて、図17に示すように、遊技者が自摸の操作を行なう前に、自摸すべき牌の図柄コードに対応する図柄を第1の表示装置10に表示する制御を行なう。
遊技者は、第1の表示装置10に表示された図柄を確認すると、この表示された図柄に対応する入球口を狙って自摸操作である遊技球を発射する。遊技者が遊技球を発射して、入球口への入球信号がメイン制御基板に入力されると、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、RAM42aの手牌データ記憶領域に記憶している手牌データに、この遊技球が入球した入球口に対応する図柄の図柄コードを追加する。続いて、14個になった手牌データを図柄コード順に並び変えて、RAM42aの手牌データ記憶領域した後、自摸した図柄コードを含め14個になった手牌データをサブ制御基板Kbに送信する。さらに、メイン制御プログラムP1は、入賞判定プログラムP8を作動させて、この14個の手牌データが上がり役を完成させたか否かの判定を行なうように制御する。
本発明の雀球遊技機においては、遊技者の自摸操作により遊技盤面2内に遊技球を発射して、手牌データが聴牌状態になり、かつ残り遊技球数表示部27に「1」以上の数値の表示がある場合、遊技者は牌を捨てる操作を行なう前に、リーチボタン21を操作してリーチをかけることができる。ただし、聴牌状態になっていない場合には、リーチボタン21を操作してリーチをかけることができない。
リーチボタン21を操作した後は、捨て牌ボタン19a、19b、19c、・・・のいずれか一つを操作して手牌の中から一つの牌の図柄を捨てるか、自摸牌捨てボタン20を操作して自摸牌切りを行なうと、捨て牌表示部33に捨て牌の図柄が横向きに、さらにリーチ棒が表示される。このリーチ操作に関する制御は、まず、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1がリーチボタン21の操作信号を検出し、さらに捨て牌ボタン19a、19b、等からの操作信号を検出後、入賞判定プログラムP8の聴牌判定処理により聴牌の判定結果が得られた場合に、リーチがかかったという制御コマンドを第2の画像制御基板Kdに送信する。第2の画像制御基板Kdのゲーム演出表示プログラムP42a−2は、制御コマンドを受信すると、捨て牌表示部33に捨て牌の図柄を横向きに表示する処理を行なう。
このようにして、ゲームの場がリーチ状態になり、遊技者が遊技球を発射して入球した入球口13a、13b、・・・の何れかに対応する自摸牌により上がり役を完成させることができない場合には、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1の制御により、この自摸した牌は自動的に捨て牌として処理される。すなわち、遊技者は、自摸牌の捨て牌用ボタンスイッチ20を操作する必要はなくなる。
続いて、遊技者がビッグゲーム役の権利を獲得したゲームの操作、およびそのプログラム処理の概要について説明する。
メイン制御基板Kaの入賞判定プログラムP8は、通常遊技のゲームにおいて、発射された遊技球が入球した入球口13a、13b、・・・に対応する図柄コードが手牌に追加される都度、予め設定した上がり役の組合せが完了したかどうかのチェックを行なう。そして、1ゲームが終了するまでの間に、当該ゲームにおいてビッグゲーム役の上がり役として決定された上がり役を完成させていると判定すると、ビッグゲーム役の上がり役が完成したことを示す制御コマンドを第1と第2の画像制御基板Kc、Kdに送信する。すると、第1と第2の画像制御基板Kc、Kdの権利獲得演出表示プログラムP32b−1、特別遊技画面表示プログラムP42bは、それぞれ第1と第2表示装置10、16に上がり役の説明表示とビッグゲーム権利成立の表示等を所定の時間表示し、遊技者にビッグゲーム役の権利が成立したことを知らせる。
ビッグゲーム役の権利が成立すると、前記のように、次回以降のゲーム遊技において、アタッカー11を開口させて任意に自摸牌を選択することができるゲームを所定の回数、例えば、15ゲーム数ほど行なうことが可能になる。すなわち、ビッグゲーム役の権利が成立しているゲームでは、自動配牌した後、遊技者が遊技球を発射してその遊技球がアタッカー作動口12を通過し、その信号がメイン制御基板Kaに入力されると、メイン制御プログラムP1は、アタッカー11を開き、遊技球がアタッカー11内に入り易い状態にする。そして、遊技者は、アタッカー11内に遊技球を1個入球させるごとに、第2の表示装置16と対話方式により任意に自摸牌を選択することができるようになる。
そして、ビッグゲーム役の権利が成立したゲームにおいては、メイン制御プログラムP1は、残り遊技球の数が「0」になって上がり役が完成しない場合には、ビッグゲーム役の権利はその時点で無効にし、次のゲームからは通常遊技のゲームが実施される状態にする。
ビッグゲーム役の権利が成立しているときに、アタッカー11内に遊技球が入球すると、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1はこの入球信号に基づいて、自摸牌候補表示の制御コマンドを第2の画像制御基板Kdに送信する。すると、第2の画像制御基板Kdの自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1は、表示装置16に自摸牌を任意に選択するための自摸牌候補選択画面を表示する。この自摸牌候補選択画面の一例を図18に示す。
図18に示す自摸牌候補選択画面は、ゲームで使用する27種の牌の図柄を所定の順序に配列、例えば、「一萬」「二萬」「三萬」、・・・「發」「中」の順に、その全てまたは一部の図柄を表示した画面である。図21に示す画面は、遊技者が右シフトボタン22a、左シフトボタン22bを1回押圧するごとに右方向、または左方向に牌の図柄が1図柄ほどスクロールして表示され、選択決定ボタン23を押圧したときに、予め設定した特定の表示領域Tに表示されている図柄が自摸牌として選択されるようにプログラム処理により制御する。そして、上記手順により判定した自摸すべき牌の図柄については、自摸牌候補選択画面に他の図柄より明るく表示するようにする。
さらに、自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1により、自摸牌候補選択画面を表示する初期画面は、原点となる特定の表示領域Tに「一萬」の図柄を表示し、遊技者が右シフトボタン22a、または左シフトボタン22bを1回操作するごとに、図柄コードの順に右方向、あるいは左方向に1図柄ほどスクロールして表示するようにする。
なお、麻雀遊技のルールでは、同一の図柄の牌が既に4個開示されている図柄を自摸しても上がり役を完成させることができない。この対策として、図18に示す自摸牌候補選択画面を表示するときに、既に4個開示されている牌の図柄は他の図柄より暗く表示して遊技者が識別できるようにするとよい。
図18に示す自摸牌候補選択画面の表示は、次のようなプログラム処理により実行することができる。
例えば、メイン制御基板Kaの自摸牌選択支援プログラムP9に、図8に示す本雀球遊技機で取り扱う27種の牌の図柄コードを、図柄コード順に配列した牌配列テーブルを登録しておく。なお、この登録されている牌配列テーブルの図柄データ配列においては、所定の配列位置(記憶番地)を予め設定しておき、選択決定ボタン23が押圧されたとき、この所定の配列位置に記憶されている図柄コードが自摸牌として選択されるように処理する。図18においては、所定の配列位置に「一萬」の図柄コードが記憶されていることを示している。
そして、アタッカー11が開口して自摸牌選択支援プログラムP9が作動すると、この牌配列テーブルのデータをRAM42に読み出し、この読み出した各牌の配列の図柄コードを第2の画像制御基板Kdに送信する。第2の画像制御基板Kdの自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1は、図18に示す自摸牌候補選択画面の初期画面を表示する。
続いて、遊技者が右シフトボタン22aを1回操作すると、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1はこの操作信号を解読し、自摸牌選択支援プログラムP9を作動させる。自摸牌選択支援プログラムP9は、RAM42に読み出した牌配列テーブルのデータを右方向に1回リング状にシフト(回転)させる。そして、このシフトした牌配列テーブルのデータを第2の画像制御基板Kdに送信する。すると、第2の画像制御基板Kdの自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1は、図18に示す画面を右方向に各図柄を1図柄ほどスクロールさせて再表示する。
一方、遊技者が左シフトボタン22bを1回操作した場合には、自摸牌選択支援プログラムP9はRAM42に記憶している牌配列テーブルのデータをリング状に左方向に1回シフトさせ、さらに、上記と同様に自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1は、図柄を左方向に1図柄ほどスクロールさせた自摸牌候補表示画面を表示させることができる。
続いて、遊技者が選択決定ボタン23を押圧してこの操作信号がメイン制御基板Kaに入力されると、メイン制御プログラムP1は、RAM42aの所定の配列位置に記憶されている図柄コード、すなわち、図18に示した画面例では、領域Tに表示されている「一萬」を自摸した牌として決定する処理を行なう。
このようにして自摸牌の図柄が決定すると、メイン制御プログラムP1はこの自摸牌の図柄コードを、サブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する。第2の画像制御基板Kdは、この受信した自摸牌の図柄コードに対応する図柄を自摸牌表示部35に表示する。
さらに、メイン制御基板Kaの入賞判定プログラムP8は、この自摸牌により1個追加された手牌が上がり役を完成させたか否かを判定する処理を行なう。
上記したメイン制御基板Kaの自摸牌選択支援プログラムP9、第1の画像制御基板Kcの自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1、右シフトボタン22a、左シフトボタン22b、選択決定ボタン23等は、特別遊技役の権利を獲得したゲームにおいて、遊技者が自摸の操作を行なうときの自摸操作手段になる。
なお、上記した特別遊技役の権利を獲得したゲームの自摸の操作手段は、自摸牌候補選択画面に自摸牌の候補となる図柄をリング状に表示して、右あるいは左方向にスクロールさせながら自摸牌を選択する例について説明したが、本発明においては、表示装置10の画面の左右方向、上下方向、あるいは斜め方向に牌の図柄を配列表示し、これらの図柄を左右方向、上下方向、あるいは斜め方向にスクロールさせながら選択する手段を採用してもよい。
本発明の実施形態において、遊技者に自摸すべき牌、および捨て牌とすべき牌をアシストするアシスト明示手段は、第1の表示装置10にその牌の図柄を表示する例について説明したが、本発明においては次のようなアシスト明示手段(1)、(2)を採用することも含まれる。
(1)遊技盤面部2内であって、各入球口の近傍にLED等の発光手段を設ける。そして、自摸すべき牌が判定されると、第1の画像制御基板Kcの自摸牌表示プログラムP32c−1は、この自摸すべき牌の図柄に対応する入球口のLEDを発光させて、遊技者に狙うべき入球口を明示するようにする。
(2)捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、19c、・・・、自摸牌の捨て牌用ボタンスイッチ20の近傍、またはこれらスイッチ内部にLED等の発光手段を設ける。そして、捨て牌とすべき牌が判定されると、第1の画像制御基板Kcの捨て牌表示プログラムP32c−2は、この捨て牌とすべき牌の図柄に対応する捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、19c、・・・、自摸牌の捨て牌用ボタンスイッチ20に対応するLEDを発光させて、遊技者に捨て牌として捨て牌操作を行なうスイッチを明示するようにする。
また、上記した本発明の実施形態においては、遊技者が自摸の操作、あるいは捨て牌の操作を行なう前の手牌データに基づいて、まず、目標とする上がり役を設定し、この設定した目標上がり役に対して、自摸すべき牌あるいは捨て牌とすべき牌をアシストする手段について説明したが、本発明は次の手段(1)、(2)を有する雀球遊技機にも適用することができる。
(1)遊技者が1ゲームを実行する前に、そのゲームの上がり方針を表示画面と対話方式により選択させる。このゲームの上がり方針としては、例えば、「早上がり狙い方針」、「大役狙い方針」、「安全狙い方針」等のなかから何れか一つの上がり方針を選択させるようにする。
(2)そして、遊技者の現在の手牌について、この選択されたゲームの上がり方針に対応する目標上がり役を設定し、この設定した目標上がり役に対する自摸すべき牌、および捨て牌とすべき牌を判定する処理を行なうようにする。
なお、上記した「早上がり狙い方針」とは、現在の手牌から最短の自摸回数、すなわち、向聴数が最も少ないと判定される上がり役で上がることをゲーム進行の方針とするものである。また、「大役狙い方針」とは、遊技者がより多くのメダルを獲得できる上がり役で上がることをゲーム進行の方針とするものである。さらに、「安全狙い方針」とは、これら「早上がり狙い方針」と「大役狙い方針」との中間的なゲーム進行方針を示し、現在の手牌データからより緻密に目標とする上がり役を判定し、この判定した目標上がり役をゲーム進行の方針にするものである。
そして、これらゲーム上がり方針ごとに目標とする上がり役を設定するための目標上がり役を設定するための上がり役判定データを適切に設定し、さらに、現在の手牌データからこの目標上がり役に対して自摸すべき牌、および捨て牌とすべき牌を判定するための自摸牌判定ルールや捨て牌判定ルールを適切に設定する。これにより、遊技者が1ゲームを実行する前に選択したゲームの上がり方針に対する目標上がり役を設定し、この目標上がり役に対して自摸すべき牌、および捨て牌とすべき牌をアシストすることが可能になる。
また、本発明の雀球遊技機において、遊技者に対するアシスト手段の実行は、アシスト用押しボタンを操作パネル3に設置し、遊技者がこのアシスト用押しボタンを押圧すると、自摸すべき牌および捨て牌とすべき牌をアシストするようにしてもよい。
本発明の雀球遊技機の一例を示す正面図である。 図1に示す雀球遊技機の遊技盤面部の一例を示す正面図である。 図2に示す遊技盤面部の下部に設置されている入球口とその牌の図柄の配設例を示す図である。 図1に示す操作パネルの構成例を説明するための正面図である。 図4に示す表示装置に表示する画面例を説明するための図である。 本発明の雀球遊技機の作動を制御する制御基板の構成を説明するための図である。 図6に示すメイン制御基板に搭載されているプログラムの構成例を示す図である。 本発明の雀球遊技機に用いられる麻雀牌の図柄と、この図柄に設定されている図柄コードとの関係を示す図柄コードデータテーブルの構成例を説明するための図である。 本発明の雀球遊技機に設定されている上がり役の名称とそのコード、およびこの上がり役を完成させたときに遊技者が獲得できるメダル枚数を示す上がり役別獲得メダル枚数データテーブルの構成例を説明するための図である。 図6に示すサブ制御基板に搭載されているプログラムの構成例を説明するための図である。 牌の組合せ別点数データの一例を説明するための図である。 図6に示す第1の画像制御基板に搭載されているプログラムの構成例を説明するための図である。 図6に示す第2の画像制御基板に搭載されているプログラムの構成例を説明するための図である。 現在の手牌データについて、その目標とする上がり役を「国士無双」と「七対子」に設定するための必要条件の一例を説明するための図である。 入球口評価点数データテーブルのデータ構成の一例を説明するための図である。 遊技者に、捨て牌とすべき牌の図柄を明示するアシスト画面の一例を示す図である。 遊技者に、自摸すべき牌の図柄を明示するアシスト画面の一例を示す図である。 ビッグゲーム役の権利を獲得したゲームを実施するときに、自摸牌の候補となる図柄の並びをスクロールさせて、自摸する牌を選択するための画面例を説明するための図である。
符号の説明
1 :雀球遊技機
2 :遊技盤面部
3 :操作パネル
10 :表示装置
11 :アタッカー
13a、13b、13c、・・・:入球口
16 :表示装置
18 :遊技開始ボタン
19a、19b、19c、・・・:捨て牌用ボタンスイッチ
20 :自摸牌の捨て牌用ボタンスイッチ
22a:右シフトボタン
22b:左シフトボタン
23 :選択決定ボタン
24 :遊技終了ボタン
40a、40b、40c、40d:CPU
41a、41b、41c、41d:ROM
42a、42b、42c、42d:RAM
P24:アシストプログラム
P24a:国士無双目標上がり役判定プログラム
P24a−1:自摸牌判定プログラム
P24a−2:捨て牌判定プログラム
P24b:七対子目標上がり役判定プログラム
P24b−1:自摸牌判定プログラム
P24b−2:捨て牌判定プログラム
P24c:一般上がり役設定プログラム
P24c−1:自摸牌判定プログラム
P24c−2:捨て牌判定プログラム
P24c−3:孤立牌判定プログラム
P24c−4:手牌評価プログラム

Claims (1)

  1. 遊技盤面部に複数種の麻雀牌に対応する入球口が配置され、遊技球が入球した入球口に対応する麻雀牌の図柄が自摸の操作による自摸牌として、その図柄コードを記憶装置に記憶している手牌データに加える手段と、前記手牌データから不要な図柄コードを捨て牌として捨てるための捨て牌の操作手段と、前記自摸の操作により前記図柄コードが加えられた前記手牌データが予め設定された上がり役の組合せを完成させると、賞として前記上がり役ごとに予め設定された枚数のメダルを払出す手段と、演出画像を表示するための表示手段を備えた雀球遊技機であって、
    前記雀球遊技機は、
    自摸の操作を行なう前の手牌データの目標とする上がり役を、国士無双、七対子、前記国士無双と前記七対子を除いた一般上がり役の3種類のなかからいずれか一つに設定する目標上がり役設定手段と、
    前記目標上がり役設定手段が設定した前記手牌データの目標とする上がり役に対して、前記手牌データに自摸すべき牌の図柄コードを判定する自摸牌判定手段と、
    前記自摸牌判定手段が判定した自摸すべき牌の図柄コードに対応する図柄を前記表示手段に表示する手段と、
    前記目標とする上がり役が前記一般上がり役に設定された前記手牌データに、仮の自摸牌の図柄コードを追加したときに手牌データに含まる面子、対子、塔子の組合せに基づいて、該手牌データを点数で評価する手牌評価手段と、を備え、
    前記自摸牌判定手段は、前記目標とする上がり役が前記一般上がり役に設定された前記手牌データについて、
    前記手牌データに前記複数種の麻雀牌に対応する図柄コードを、順次1個ずつ仮の自摸牌として加えたときの手牌データを前記手牌評価手段により評価し、前記手牌データの評価点数が最も高くなる前記仮の自摸牌の図柄コードを、自摸すべき牌の図柄コードとして判定する手段を有し、
    さらに、前記記憶装置に記憶されたデータテーブルであって、予め前記入球口ごとに設定された評価点数を、前記入球口の図柄に対応する図柄コードと関連付けした入球口評価点数データテーブルを備え、
    前記手牌評価手段は、前記手牌データに含まれている面子、対子、塔子に関与していない孤立牌の図柄コードを、前記入球口評価点数データテーブルに前記孤立牌の図柄コードに対応して記憶されている前記評価点数で評価する手段を有していることを特徴とする雀球遊技機。
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