以下、本発明を実施するための雀球遊技機の形態について説明する。本発明の雀球遊技機は、例えば、27種の牌の図柄を各4個、計108個の牌を用いてゲームを行うようにした遊技機である。この27種の牌の図柄は、萬子が「一萬」〜「九萬」の9種、筒子が「一筒」〜「九筒」の9種、索子が「一索」と「九索」の2種、字牌が「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」の7種としている。従って、萬子と筒子と索子が数牌となるが、索子は数牌であるが「一索」と「九索」のみ設けているので、「順子」を形成することができない牌種になる。
なお、上記した2種の数牌は、例えば、萬子を「一萬」〜「九萬」の9種類の図柄、索子を「一索」〜「九索」の9種類の図柄から構成し、筒子を「一筒」と「九筒」、字牌を「東」「南」「西」「北」「白」「發」「中」から構成される牌の図柄を有する雀球遊技機にすることも可能である。また、本発明の雀球遊技機は、3種の数牌(萬子、筒子、索子)と字牌の計4種の牌種から構成され、計136個の図柄を使用する雀球遊技機として実施することも可能である。
図1は、本発明の雀球遊技機において、その遊技盤の構成の一例を示す正面図である。図1に示すように、雀球遊技機1の前面部は、基本的には遊技盤面部2、操作パネル3、操作パネル3の下方に設けられた遊技球発射レバー4、メダル受け皿5、スピーカー6から音声や効果音を出力する音声出力口7、ランプ装置8、ガイドレール9、等から構成されている。なお、遊技盤面部2の構成は、図2に示している。
図2に示すように、ガイドレール9に囲まれた遊技盤面部2の中央には、液晶表示装置からなる第1の表示装置10、表示装置10の上方には特別入賞装置(以下、アタッカーという)11、アタッカー11の右側には遊技球が通過可能なアタッカー作動口12が配設されている。そして、アタッカー11の斜め上方には、入球口13aと13bが配置されている。さらに、遊技盤面部2の下方部2aには、図3に示すように、横方向に25個の入球口13c、13d、・・・が配置されている。そして、各入球口には、牌の図柄が表示されている。これら27個の入球口13a、13b、・・・の配置は、例えば、アタッカー11の斜め左上には「一索」の入球口13a、同じく斜め右上には「九索」の入球口13bが配置されている。さらに、表示装置10の下側であって遊技盤面部2の下方部2aには、図3に示すように、横方向に、最左端には「東」の入球口13c、続いて「南」の入球口13d、・・・、最右端には「北」の入球口が配置されている。
遊技盤面部2には、さらに、ランプ付き飾り装置14、風車15、等が設けられている。なお、ランプ装置8、ランプ付き飾り装置14に用いる発光体は、種々のカラー色を発光するLEDを使用する。なお、遊技盤面部2には、発射された遊技球の動きを案内するために多数本の釘が配設されているが、図2にはこれらの釘は図示していない。なお、遊技盤面部2の上方部には、ドット表示等から構成される表示装置36が設けられている。
操作パネル3には、図4に示すように、液晶表示装置から構成される第2の表示装置16、メダル投入口17、および各種の操作ボタン(ボタンスイッチ)が設けられている。この各種の操作ボタンは、遊技開始(BED)ボタン18、13個の手牌の図柄に対応してボタンが横方向に配設され、捨て牌の操作を行なう手段となる捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、・・・、19m、自摸した牌を捨て牌とする操作を手段となる自摸捨て牌用ボタンスイッチ20、リーチボタン21、右シフトボタン22a、左シフトボタン22b、選択決定ボタン23、遊技終了ボタン24、メダル払出しボタン25、等から構成されている。なお、捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、・・・、19m、自摸捨て牌用ボタンスイッチ20は、捨て牌操作手段を構成する。
遊技者が上記した各種のボタンを操作する(押圧してスイッチ接点をオンする)と、例えば、捨て牌用ボタン19aを押圧すると捨て牌信号が発生し、この信号がマイクロコンピュータから構成される制御基板に入力される。そして、制御基板に搭載されているソフトウエア(プログラム)は、入力された信号を解析して入力信号ごとに、ゲームを進行させるために予め設定された処理を実行するようになっている。
第1の表示装置10および第2の表示装置16は、遊技者に対してゲームの進行に応じて必要な情報、および演出用画像を表示するために使用される。第1の表示装置10には、主として、自摸すべき牌の図柄、および捨て牌とすべき牌の図柄を遊技者に明示する手段、および上がり役を完成したときの演出画像を表示する手段として使用される。第2の表示装置16は、主として、遊技者の手牌を構成する牌の図柄、遊技者が捨て牌として捨てた牌の図柄、等を表示する手段として使用される。
図5は、第2の表示装置16に各種の画像や情報を表示したときの表示例を示している。図5に示すように、表示装置16の表示面の上部横方向には、メダル貯留枚数表示部26、残り遊技球数表示部27、表ドラ表示部28、風牌表示部29、演出画像表示部30、捨て牌の図柄を表示する捨て牌表示部33が設けられている。
演出表示部30の上方部には、特別遊技役のうち、ビッグゲーム役の権利を得ることができる上がり役を示すビッグゲーム上がり役表示部31、チャンスゲーム役の権利を得ることができる2種の上がり役を示すチャンスゲーム上がり役表示部32aと32bが設けられている。なお、演出表示部30には自摸れば上がりになる牌の図柄や、上がり役を完成させたときに演出画像等が表示される。捨て牌表示部33には、遊技者が現在までに捨て牌とした図柄が捨て牌を行なった順に表示される。
さらに、第2の表示装置16の下部横方向には、13個の手牌の図柄を表示する手牌表示部34、自摸した牌の図柄を表示する自摸牌表示部35が設けられている。なお、手牌表示部34および自摸牌表示部35に表示する各図柄の下部には、手牌から捨て牌を決定するための入力手段となる捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、・・・、19m、20に対応するボタン名(A、B、C、D、E、・・・、M、N)が表示されている。手牌表示部33に表示される牌の図柄は、所定の順序、例えば、後記する図柄コードの順に、カラーで表示される。さらに、表示装置16の各表示部は、ゲームの進行に応じて牌の図柄、演出画像、数値等がプログラム処理により更新して表示される。
雀球遊技機1の筐体内部の所定位置には、本発明の雀球遊技機1の作動を制御するための制御基板が搭載されている。この制御基板は、例えば、図6に示すように、メイン制御基板Ka、サブ制御基板Kb、第1の画像制御基板Kc、第2の画像制御基板Kdから構成されている。これら制御基板Ka、Kb、KcおよびKdは、それぞれマイクロプロセッサであるCPU40a、40b、40c、40d、記憶装置(ROM)であるROM41a、41b、41c、41d、同じく記憶装置(RAM)であるRAM42a、42b、42c、42d、入出力インターフェイス(I/F)回路43a、43b、43c、44d、通信用インターフェイス(I/F)回路44a、44b、44c、44d等を備えたマイクロコンピュータから構成されている。
メイン制御基板Kaとサブ制御基板Kb、サブ制御基板Kbと第1の画像制御基板Kcおよび第2の画像制御基板Kdとは、ケーブル線T1、T2、T3により接続されてデータ通信が可能になっている。なお、各制御基板のRAM42a〜42dは、雀球遊技機1の電源がOFFされたときにもその記憶内容が保持されるようにすることが望ましい。
メイン制御基板Kaに搭載されている入出力インターフェイス回路43aには、ゲームを実施するときに遊技者がメダル投入口17に投入したメダルを検出するメダル投入センサ、各入球口13a、・・・等に入球した遊技球を検出するためのセンサ、捨て牌用ボタンスイッチ19a、・・・、および各種のボタンスイッチ等が接続され、その入力信号がメイン制御基板Kaに入力されるようになっている。さらに、入出力インターフェイス回路43aには、遊技者にメダルを払い出すためのメダル払出装置、遊技球を発射装置に送るための遊技球送り装置、アタッカー11の開閉を制御するアタッカー開閉制御装置等が接続され、プログラムの制御によりこれらの装置に制御信号が出力されるようになっている。また、入出力インターフェイス回路43aには、表示装置36が接続されている。
サブ制御基板Kbに搭載されている入出力I/F回路43bには、ランプ8、14等が接続されている。第1の画像制御基板Kcの入出力I/F回路43cには、第1の表示装置10が接続され、第2の画像制御基板Kdの入出力I/F回路43dには、第2の表示装置16、スピーカー6が接続されている。
雀球遊技機1の動作を制御、あるいは第1の表示装置10、第2の表示装置16に情報や画像を表示する等の各種のソフトウエア(プログラム)は、各制御基板Ka、Kb、Kc、Kdに搭載されたROM41a〜41dに記憶されている。また、各RAM42a〜42dは、これらプログラムが作動するときに各種のデータの読み込みやデータの作成、計算等を行なうための記憶領域(ワークエリア)等として使用される。各制御基板のCPU40a〜40dとしては、各制御基板Ka、Kb、Kc、Kdに要求される機能を適切に処理することができるように、8ビット、16ビットあるいは32ビットのCPUの何れかを採用するようにする。上記した各制御基板Ka、Kb、Kc、KdとROM41a〜41dに記憶されているプログラムは、本発明の雀球遊技機の動作を制御する遊技機動作制御手段を構成する。
メイン制御基板Kaに搭載されているROM41aには、雀球遊技機1のゲーム進行を統括して制御するための各種のプログラムが記憶されている。メイン制御基板KaのROM41aに搭載されているプログラムは、例えば、図7に示すように、メイン制御プログラムP1、通信制御プログラムP2、メダル管理プログラムP3、遊技球管理プログラムP4、自動配牌プログラムP5、特別遊技役抽選プログラムP6、ドラ抽選プログラムP7、入賞判定プログラムP8、自摸牌選択支援プログラムP9、等から構成される。
メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、雀球遊技機1の全体の動作を統括制御するプログラムであり、主に下記の処理を行なう。
(1)遊技機1の電源がONされたときの初期化の処理と、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kb、サブ制御基板Kbを経由して第1の画像制御基板Kcおよび第2の画像制御基板Kdに送信する処理を行なう。この制御コマンドに基づいて、サブ制御基板Kbと第1および第2の画像制御基板Kc、Kdは、電源ON時の初期化処理を行なう。
(2)各種のセンサやボタンスイッチから入力される信号を解析し、その信号に対応した処理をように雀球遊技機1の作動を制御する。例えば、遊技者が遊技球を発射したときに入球した入球口の入球センサから入球信号が入力されると、この入球信号に対応する入球口の牌の図柄コードを求め、この図柄コードを自摸牌としてRAM42aに記憶する手牌データに追加(自摸の操作)する処理を行なう。
(3)ゲーム開示時に、自動配牌プログラムP5が作動して14個の手牌データが決定されたときに、この手牌の図柄コードをサブ制御基板Kbに送信するための処理、および上記(1)、(2)の処理において、遊技者が捨て牌の操作、自摸の操作を行なう都度、現在の手牌の図柄コード、捨て牌、自摸牌に関する牌の図柄コードをサブ制御基板Kbに送信するための処理、等を行なう。
通信制御プログラムP2は、サブ制御基板Kbとの通信を行なうためのプログラムである。この通信データは、送信するデータは如何なる処理を行なうかを予め設定した制御コマンドと、この制御コマンドと共に送信される制御データから構成される。また、第1の画像制御基板Kcまたは第2の画像制御基板Kdにデータを送信する場合には、サブ制御基板Kbを経由してデータが送信されることになる。
メダル管理プログラムP3は、メダル投入口17からメダルの投入信号、遊技終了ボタン24からの入力信号、メダル払い出しボタン25の入力信号等を検出したときに、メダルの貯留枚数の更新管理と払い出しの処理を行なうためのプログラムである。
遊技球管理プログラムP4は、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1の制御に基づいて、次の処理を行なうプログラムである。
(1)ゲーム開始時に、RAM42aに記憶する残り遊技球数を、初期設定値、例えば、11個に設定する。これにより、遊技者は、11個の遊技球を発射させて上がり役を完成させることができない場合には、当該ゲームはゲームオーバ(流局)になる。
(2)捨て牌ボタンスイッチ19a、・・・等から捨て牌の操作信号を検出すると、遊技球発射位置(図1には図示せず)に遊技球を1球送る制御を行なう。
(3)遊技球発射レバー4から発射された遊技球が入球口13a、13b、13c、等の何れかに入球し、その入球信号が検出されると、残り遊技球数を「1」減算する。
自動配牌プログラムP5は、1ゲームの開始時に、14個の配牌の図柄コードをランダムに自動的に決定する処理を行なうためのプログラムである。この自動配牌プログラムP5は、乱数発生手段により発生した乱数を利用して、本雀球遊技機1で使用する27種、計108個の牌から、14個の配牌の図柄コードを決定する処理を行なう。なお、この27種の各牌には、図8に示すように、例えば、「一萬」〜「中」まで16進数のコードが設定され、さらに、各図柄コードには4個の数値が割り付けられ、これらの図柄コードデータテーブルが予めROM41aに登録されている。自動配牌プログラムP5は、上記した乱数を利用してこの各図柄コードに割り付けられた数値をランダムに選択することにより、14個の配牌の図柄コードを決定する処理を行なう。
特別遊技役抽選プログラムP6は、予め設定されている上がり役の中から1ゲームごとに特別遊技役の権利を獲得できる上がり役を抽選により決定するプログラムである。例えば、ビックゲーム役の権利を獲得できる上がり役は、「国士無双」、「大三元」、「九連宝燈」、「一気通貫」、「字一色」の5種類の上がり役から1種を抽選により決定する。また、チャンスゲーム役の権利を獲得できる上がり役は、例えば、「一気通貫」、「七対子」、「三暗刻」、「平和」、「一盃口」、「タンヤオ」の上がり役から2種類を抽選により決定する。なお、この特別遊技役の権利を獲得できる上がり役を抽選により決定する方法は、プログラム処理により発生した所定桁数の乱数を用いた抽選により決定する。ドラ抽選プログラムP7は、ゲーム開始時に、同様にして抽選により表ドラを決定するためのプログラムである。
入賞判定プログラムP8は、前記した自動配牌プログラムP5により14個の手牌データが決定されたとき、および遊技者が自摸の操作を行ったときに、手牌データが予め設定された上がり役の組合せになっているかどうかを判定するためのプログラムである。この上がり役としては、図9に示すような構成の上がり役別獲得メダル枚数データテーブル、すなわち、上がり役のコードとその上がり役に対して遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)が予め入賞判定プログラムP8、またはROM41aに記憶されている。そして、現在の14個の手牌データについて、入賞判定プログラムP8が上がり役を完成したと判定した場合には、図9に示すデータテーブルを参照して獲得メダル枚数を求め、上がり役完成の制御コマンドとその上がり役のコード、獲得したメダル枚数等を、サブ制御基板Kbを経由して第1および第2の画像制御基板Kc、Kdに送信する処理を行なう。
なお、14個の手牌データが上がり役を完成したとき、この上がり役の手牌データの組合せに、「表ドラ」「白」「發」「中」の牌が含まれていると、図9に示すように、上がり役で獲得したメダル枚数に、これら各牌の組合せに対してメダル3個が加算される。
また、遊技者の手牌データが上がり役の組合せを完成したときに、図9に示す上がり役コードのなかから、如何なる上がり役を完成させたかの判定処理は、入賞判定プログラムP8が行なう。この上がり役コードの判定は、入賞判定プログラムP8内に上がり役コードごとに、この上がり役を判定するための牌の組合せデータ等から構成される上がり役判定データテーブルを予め登録しておくことにより可能になる。
自摸牌選択支援プログラムP9は、特別遊技役の権利を獲得したゲームにおいて、アタッカー11に遊技球が入球した信号が入力されると、遊技者に対して、第1の表示装置10の画面と対話方式により自摸する牌の図柄を任意に選択する操作を支援するためのプログラムである。
続いて、サブ制御基板KbのROM41bに搭載されているプログラムの構成について説明する。図10に示すように、サブ制御基板Kbには、主として、メイン制御プログラムP21、通信制御プログラムP22、ランプ制御プログラムP23、アシストプログラムP24から構成される。
サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから送信された各種の制御コマンドと制御データを解読して、上記各プログラムの実行を制御するためのプログラムである。
通信制御プログラムP22は、メイン制御基板Kaからのデータの受信と、第1および第2の画像制御基板Kc、Kdとの通信を行なうためのプログラムである。なお、第1および第2の画像制御基板Kc、Kdは、サブ制御基板Kbから送信されたこれら各種の制御コマンドとその制御データ等を受信すると、プログラム処理により第1の画像制御基板Kcは第1の表示装置10に、第2の画像制御基板Kdは第2の表示装置16に演出用の画像や情報を表示し、さらに、スピーカー6から演出用の音声や効果音を出力する。
ランプ制御プログラムP23は、メイン制御基板Kaから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、ランプ8、14の点灯と消灯の制御をためのプログラムである。
アシストプログラムP24は、遊技者に対してアシスト手段の実行を行なうためのプログラムである。このアシストプログラムP24の処理内容は、本発明の特徴をなすものであって、主として現在の手牌データについてその目標とする上がり役(以下、目標上がり役という)を設定するためのメインプログラムである目標上がり役設定プログラムP25と、この目標上がり役設定プログラムP25のサブプログラムとして作動する第1の目標上がり役判定プログラムP26と、第2の目標上がり役判定プログラムP27とから構成される。
なお、第1の目標上がり役判定プログラムP26の処理内容は第1の目標上がり役判定手段を構成し、第2の目標上がり役判定プログラムP27の処理内容は第2の目標上がり役判定手段を構成する。
第1の目標上がり役判定プログラムP26は、次の処理を行なう。
(1)RAM42bに記憶している遊技者の現在の手牌データ、すなわち、自摸の操作を行なう前の13個の手牌データ、および捨て牌の操作を行なう前の14個の手牌データに基づいて、まず、予め設定された上がり役のなかからその一つを順次、現在の手牌の目標上がり役として設定可能か否かを判定する処理を行なう。そして、目標とする上がり役として設定可能と判定された場合には、この上がり役を現在の手牌データに対する目標上がり役として設定する処理を行なう。なお、上記の予め設定された上がり役とは、1ゲームごとに設定される特定の上がり役、すなわち、特別遊技役の権利を獲得することができる上がり役を示す。また、特別遊技役とは、前記したビックゲーム役とチャンスゲーム役を示す。
なお、ビックゲーム役となり得る上がり役は、前記したように、1ゲームごとに「国士無双」、「大三元」、「九連宝燈」、「一気通貫」、「字一色」の5種類の上がり役から1種が抽選により決定される上がり役である。また、チャンスゲーム役となり得る上がり役は、1ゲームごとに、例えば、「一気通貫」、「七対子」、「三暗刻」、「平和」、「一盃口」、「タンヤオ」の上がり役から2種類が抽選により決定される上がり役である。
(2)続いて、上記(1)により設定した目標上がり役に対して、自摸すべき牌、および捨て牌とすべき牌を判定する。そして、この判定した自摸すべき牌を遊技者が自摸の操作を行なう前に、また、この判定した捨て牌とすべき牌を遊技者が捨て牌の操作を行なう前に、第1の表示装置10等に明示(表示)する処理を行なう。
第2の目標上がり役判定プログラムP27は、次の処理を行なう。
(1)遊技者の現在の手牌データ、すなわち、自摸の操作を行なう前の13個の手牌データ、および捨て牌の操作を行なう前の14個の手牌データについて、まず、予め設定された所定の上がり役の順に、この上がり役を当該ゲームの目標とする上がり役として設定可能か否かを判定する処理を行なう。そして、先に目標とする上がり役として設定可能と判定された上がり役を、現在の手牌データに対する目標上がり役として設定する処理を行なう。なお、上記の予め設定された所定の上がり役の順とは、例えば、図9に示す上がり役別獲得メダル枚数データテーブルのように、遊技者が上がり役を完成させたときに獲得できるメダル枚数の多い順にする。
(2)続いて、上記(1)により設定した目標上がり役に対して、現在の手牌データに自摸すべき牌、および現在の手牌データから捨て牌とすべき牌の図柄コードを判定する。そして、この判定した自摸すべき牌の図柄を遊技者が自摸の操作を行なう前に、また、この判定した捨て牌とすべき牌の図柄を遊技者が捨て牌の操作を行なう前に、第1の表示装置10等に明示(表示)する処理を行なう。
上記した第1の目標上がり役判定プログラムP26は、図10に示すように、ビックゲーム役を構成する「国士無双」、「大三元」、「九連宝燈」、「一気通貫」、「字一色」を目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する処理を行なう国士無双上がり役判定プログラムP26a1、大三元上がり役判定プログラムP26b1、九連宝燈上がり役判定プログラムP26c1、一気通貫上がり役判定プログラムP26d1、字一色上がり役判定プログラムP26e1を備えている。さらに、これら各プログラムP26a1〜P26e1は、サブプログラムとして自摸牌判定プログラムP26a1−1、P26b1−1、P26c1−1、P26d1−1、P26e1−1と、捨て牌判定プログラムP26a1−2、P26b1−2、P26c1−2、P26d1−2、P26e1−2を備えている。
上記した第2の目標上がり役判定プログラムP27は、図11に示すように、30点上がり役判定プログラムP27a、9点上がり役判定プログラムP27b、6点上がり役判定プログラムP27c、3点上がり役判定プログラムP27dから構成されている。
30点上がり役判定プログラムP27aは、30枚のメダルを獲得することができる上がり役である「国士無双」、「清老頭」、「大三元」、「大四喜」、「小四喜」、「字一色」、「九連宝燈」を目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する処理を行なう国士無双上がり役判定プログラムP27a1、清老頭上がり役判定プログラムP27a2、大三元上がり役判定プログラムP27a3、・・・を備えている。さらに、これら各プログラムP27a1、・・・は、サブプログラムとして自摸牌判定プログラムP27a1−1、P27a2−1、P27a3−1、・・・と、捨て牌判定プログラムP27a1−2、P27a2−2、P27a3−2、・・・を備えている。
同様に、9点上がり役判定プログラムP27bは、9枚のメダルを獲得することができる上がり役である「小三元」、「純全帯公」、・・・を目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する処理を行なう小三元上がり役判定プログラムP27b1、・・・を備えている。さらに、これら各プログラムP27b1、・・・は、サブプログラムとして自摸牌判定プログラムP27b1−1、・・・と、捨て牌判定プログラムP27b1−2、・・・を備えている。
同様に、6点上がり役判定プログラムP27cは、6枚のメダルを獲得することができる上がり役である「一気通貫」、「混老頭」、・・・を目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する処理を行なう一気通貫上がり役判定プログラムP27c1、・・・を備えている。さらに、これら各プログラムP27c1、・・・は、サブプログラムとして自摸牌判定プログラムP27c1−1、・・・と、捨て牌判定プログラムP27c1−2、・・・を備えている。
同様に、3点上がり役判定プログラムP27dは、3枚のメダルを獲得することができる上がり役である「七対子」、を目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する処理を行なう七対子上がり役判定プログラムP27d1と、「雀頭」1組と計4組の「刻子」や「順子」で形成される上がり役である「一般上がり役」を目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する処理を行なう一般上がり役判定プログラムP27d2から構成される。
なお、一般上がり役判定プログラムP27d2が目標上がり役として設定する「一般上がり役」とは、上記した第1の目標上がり役判定プログラムP26、および30点上がり役判定プログラムP27a、・・・、6点上がり役判定プログラムP27cが判定する上がり役を除いた、「雀頭」1組と計4組の「刻子」や「順子」で形成される上がり役である「三暗刻」、「平和」、「断公九」、「四暗刻」、「混一色」、「平上がり」を示すが、これら個々の上がり役を目標上がり役として設定する処理は行なわない。
これら七対子上がり役判定プログラムP27d1と一般上がり役判定プログラムP27d2は、それぞれサブプログラムとして、自摸牌判定プログラムP27d1−1、P27d2−1と、捨て牌判定プログラムP27d1−2、P27d2−2を備えている。
第1の画像制御基板KcのROM41cに搭載されているプログラムは、第1の表示装置10に各種の画像等を表示するためのプログラムであって、図12に示すように、メイン制御プログラムP31、画面表示プログラムP32等から構成される。第1の画像制御基板Kcのメイン制御プログラムP31は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドと制御データを受信し、受信したデータに基づいて画面表示プログラムP32のサブプログラムの作動を制御する処理を行なう。
画面表示プログラムP32は、サブ制御基板Kbから送信されてきた制御コマンドとその制御データに基づいて、第1の表示装置10に画像や数値情報等を表示する制御を行なうためのプログラムであって、通常遊技画面表示プログラムP32a、特別遊技画面表示プログラムP32b、アシスト画面表示プログラムP32c、等から構成される。
通常遊技画面表示プログラムP32aは、雀球遊技機1の電源ON時から、遊技者が通常の遊技を行っているときに、表示装置10に各種の演出画像や遊技者に対して支援する各種の画像を表示する処理を行なうプログラムである。通常遊技画面表示プログラムP32aは、さらに、サブプログラムとして初期演出表示プログラムP32a−1、ゲーム演出表示プログラムP32a−2を備えている。
初期演出表示プログラムP32a−1は、雀球遊技機の電源をONしたときに、初期画面を表示するためのプログラムである。ゲーム演出表示プログラムP32a−2は、ゲームの進行に伴って遊技者にゲームの操作等をアドバイスする画面等を表示する。
特別遊技画面表示プログラムP32bは、遊技者が特別遊技の権利を獲得したときに各種の演出用の画面を表示する処理を行なうプログラムである。
アシスト画面表示プログラムP32cは、自摸牌表示プログラムP32c−1、捨て牌表示プログラムP32c−2から構成されている。自摸牌表示プログラムP32c−1は、前記した目標上がり役に対する自摸すべき牌の図柄を第1の表示装置10に表示するためのプログラムである。捨て牌表示プログラムP32c−2は、同じく、前記した捨て牌とすべき牌の図柄を第1の表示装置10に表示するためのプログラムである。
第2の画像制御基板KdのROM41dに搭載されているプログラムは、第2の表示装置16に各種の画像等を表示するためのプログラムと、スピーカー6に音声・効果音を出力するためのプログラムから構成されている。これらのプログラムは、図13に示すように、メイン制御プログラムP41、画面表示プログラムP42、音声・効果音出力プログラムP43等から構成される。
第2の画像制御基板Kdのメイン制御プログラムP41は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドと制御データを受信し、受信したデータに対応して画面表示プログラムP42の各サブプログラム、音声・効果音出力プログラムP43を作動させる処理を行なうためのプロググラムである。画面表示プログラムP42は、通常遊技画面表示プログラムP42a、特別遊技画面表示プログラムP42b、自摸れば上がり牌表示プログラムP42cから構成されている。
通常遊技画面表示プログラムP42aは、初期演出表示プログラムP42a−1、ゲーム演出プログラムP42a−2等のサブプログラムを備えている。
初期演出表示プログラムP42a−1は、雀球遊技機の電源をONしたときに、初期画面を表示するためのプログラムである。ゲーム演出表示プログラムP42a−2は、遊技の進行に伴って遊技者が捨て牌の操作、遊技球の発射による自摸牌の操作等を行なうごとに、メイン制御基板Kaからサブ制御基板Kbを経由して送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、図5に示すように、現在の手牌データの図柄、捨て牌の図柄等を表示する処理を行なうためのプログラムである。
特別遊技画面表示プログラムP42bは、遊技者が特別遊技役の権利を獲得したときに各種の演出用の画面を表示する処理を行なうプログラムであって、サブプログラムとして自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1を備えている。自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1は、遊技者が特別遊技役の権利を獲得したときに作動されるプログラムであり、第2の表示装置16に表示された自摸牌の候補の図柄を牌選択右シフトボタン22a、あるいは牌選択左シフトボタン22bを操作してスクロールさせながら、対話方式により自摸すべき牌の図柄を選択する操作を支援するためのプログラムである。
自摸れば上がり牌表示プログラムP42cは、例えば、サブ制御基板Kbに搭載されている第1の目標上がり役判定プログラムP26のサブプログラムである自摸牌判定プログラムP26a1−1、P226b1−1、・・・、第2の目標上がり役判定プログラムP27のサブプログラムである自摸牌判定プログラムP27a1−1、P27a2−2、・・・、が自摸れば上がりになる牌を判定したときに、この自摸れば上がりになる牌の図柄を第2の表示装置16に表示するためのプログラムである。
音声・効果音出力プログラムP43は、サブ制御基板Kbから送信された制御コマンドとその制御データに基づいて、遊技の進行に伴って各種の演出用音声、および効果音をスピーカー6から出力するためのプログラムである。
なお、第1の画像制御基板KcのROM41c、第2の画像制御基板KdのROM41dには、それぞれ表示装置10、16に表示する画像データがデジタル画像データとして記憶されている。例えば、各牌の図柄の画像、演出用の風景やキャラクタに関する画像、上がり役を完成したときの演出用の画像等である。
上記した各制御基板Ka、Kb、Kc、Kdの動作を制御する遊技機動作制御プログラムは、アセンブラ言語、C言語あるいはVisual Basic言語等を利用して開発し、各基板のCPUが実行可能なプログラムである機械語プログラムに翻訳したプログラムが各制御基板Ka、Kb、Kc、KdのROMに記憶されている。
続いて、本発明の雀球遊技機1について、ゲーム進行の作動内容について説明する。このゲーム進行の作動は、上記した各プログラムの制御に従って実行される。
まず、雀球遊技機1の電源がONされると、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、メイン制御基板KaのRAM42aの記憶領域を初期化する。続いて、メイン制御プログラムP1は、電源ON時の初期化制御コマンドをサブ制御基板Kbに、サブ制御基板Kbはこの初期化制御コマンドを第1および第2の画像制御基板Kc、Kdに伝送する。サブ制御基板Kb、第1および第2の画像制御基板Kc、Kdは、この初期化制御コマンドを受信すると、各メインプログラムはRAM42b、RAM42c、RAM42dの記憶領域を初期化する。また、第1および第2の画像制御基板Kc、Kdに搭載されている各メイン制御プログラムP31および41は、初期演出表示プログラムP32a−1およびP42a−1を作動させて、電源ON時の演出画面、例えば、風景あるいはキャラクタに関する画像を表示装置10、16に表示する等の処理を行なう。
遊技者がゲームを行なうためには、1ゲームにつき所定の枚数のメダル、例えば、3枚をメダル投入口17に投入する必要がある。メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1がそのメダル投入信号を検出すると、メダル管理プログラムP3を作動させる。メダル管理プログラムP3は投入されたメダル枚数をカウントする処理を行い、メダル貯留枚数を記憶するRAM42aの記憶領域に投入されたメダル枚数を記憶する処理を行なう。
メイン制御プログラムP1は、1ゲームの実施に必要なメダルが投入されたことを検出すると、ゲームを実施することが可能な状態になったと判定して、遊技者に遊技開始ボタン18の押圧を促すための制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して第1の画像制御基板Kcに送信する。第1の画像制御基板Kcはこの制御コマンドを受信すると、ゲーム演出表示プロググラムP32a−2は表示装置10に、「遊技開始ボタンを押して下さい」と表示する処理を行なう。このとき、第2の画像制御基板Kdの音声・効果音出力プログラムP43を作動させて、同時に音声をスピーカー6から出力させるようにしてもよい。
遊技者が遊技開始ボタン18を押圧し、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1がこの遊技開始ボタン18からゲーム開始信号を検出すると、1ゲームの遊技が開始できる状態になる。すると、メイン制御プログラムP1は、ゲーム開始の制御コマンドを、サブ制御基板Kbを経由して第1および第2の画像制御基板Kc、Kdに伝送する。第1および第2の画像制御基板Kc、Kdのゲーム演出表示プログラムP32a−2、P42a−2は、この制御コマンドに基づいて、ゲーム開始時の演出画像を表示装置10、16に表示すると共に、音声・効果音出力プログラムP43により音声をスピーカー6から出力する。このようにして、雀球遊技機の1ゲームが開始する。
続いて、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1の制御により、自動配牌プログラムP5が作動して、ゲームを開始するために必要な14個の配牌の図柄コードをプログラム処理により自動的に決める。自動配牌プログラムP5は、自動配牌した14個の図柄コードをRAM42aの手牌記憶領域に順次記憶した後、所定の順序、例えば、図柄コードの上昇順、すなわち、萬子、筒子、索子、風牌、三元牌の順に並び替えて手牌記憶領域に記憶する。
次に、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、この14個の配牌された図柄コードを、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbに送信する。サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、この14個の配牌された図柄コードを受信すると、RAM42bにこの図柄コードを記憶すると共に、第2の画像制御基板Kdにこれら14個の配牌された図柄コードを送信する。第2の画像制御基板Kdのゲーム演出表示プログラムP42a−2は、14個の配牌の図柄コードを受信すると、図5に示すような牌の図柄の画像を表示装置16の手牌表示部34と自摸牌表示部35に表示する処理を行なう。
続いて、特別遊技役抽選プログラムP6(ただし、通常遊技の遊技を行なうときに作動する)、およびドラ抽選プログラムP7の各プログラムが作動して、ビッグゲーム役の権利が獲得できる上がり役とチャンスゲーム役の権利が獲得できる上がり役の決定、表ドラの決定を行なう。そして、これらのプログラムP6、P7の処理により決定されたビックゲーム役およびチャンスゲーム役、表ドラの図柄の各データ(コード化されたデータ)は、制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信される。
第2の画像制御基板Kdのゲーム演出表示プログラムP42a−2は、ビックゲーム役およびチャンスゲーム役の上がり役のコード、表ドラの図柄コードを受信すると、図5に示すように、ビックゲーム役とチャンスゲーム役をそれぞれビッグゲーム上がり役表示部31、チャンスゲーム上がり役表示部32a、32b、表ドラを表ドラ表示部28に表示する処理を行なう。同様に、風牌の図柄コードも制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信され、風牌表示部29にその図柄を表示する。
なお、サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、メイン制御基板Kaから当該ゲームのビックゲーム役およびチャンスゲーム役として決定した上がり役のコード、表ドラの牌の図柄コードを受信すると、これらのコードをRAM42bに記憶する処理を行なう。
続いて、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、第1および第2の表示装置10、16に遊技の開始条件が整ったことを表示し、またスピーカー6に音声で知らせる処理を行なうように制御する。次に、メイン制御プログラムP1は、入賞判定プログラムP8を作動させて、自動配牌された14個の手牌データが既に上がり役を完成しているか否かを判定させる処理を行なう。なお、入賞判定プログラムP8は、遊技者が遊技球を発射する等の自摸牌の操作を行なって手牌データが14個になったときにも作動される。
入賞判定プログラムP8の処理により、自動配牌された14個の手牌データが予め設定された上がり役を完成していると判定した場合には、この入賞判定プログラムP8は、予め設定された如何なる上がり役で上がっているかの判定処理と、遊技者が獲得できる得点(獲得メダル枚数)等を図9に示す上がり役別獲得メダル枚数データテーブルを参照して決定する処理を行なう。続いて、入賞判定プログラムP8は、これら上がり役のコード、獲得したメダル枚数等を、サブ制御基板Kbを経由して第1および第2の画像制御基板Kc、Kdに送信する。第1および第2の画像制御基板Kc、Kdは、これらのデータを受信すると、ゲーム演出表示プログラムP32a−2、P42a−2は、上がり役、獲得した得点、その他の演出画像を第1の表示装置10、第2の表示装置16の上がり牌表示部30等に所定の時間ほど表示する処理を行なう。
一方、自動配牌された14個の手牌データの組合せが上がり役を完成していない場合には、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、捨て牌アシストの制御コマンドをサブ制御基板Kbに送信する。サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、この捨て牌アシストの制御コマンドを受信すると、アシストプログラムP24を作動させる。アシストプログラムP24は、目標上がり役を設定するためのメインプログラムである目標上がり役設定プログラムP25を作動させる。
目標上がり役設定プログラムP25は、次の処理を行なう。
(1)まず、第1の目標上がり役判定プログラムP26を作動させて、現在の手牌データに基づいて手牌の目標とする上がり役を、ビッグゲーム役、続いてチャンスゲーム役を構成する上がり役のなかからその一つを設定することが可能か否かを判定する。そして、設定可能と判定された場合には、先(最初)に判定された上がり役を目標とする上がり役として設定し、以降の判定処理は行なわないようにする。
(2)上記(1)により現在の手牌データについてその目標とする上がり役を設定することができなかったときには、第2の目標上がり役判定プログラムP27を作動させて、メダル30枚を獲得することができる上がり役、続いて、同じくメダル9枚を獲得することができる上がり役、続いて、同じくメダル6枚を獲得することができる上がり役、続いて、同じくメダル3枚を獲得することができる上がり役の順に、現在の手牌データの目標とする上がり役を設定することが可能か否かを判定する。そして、設定可能と判定された場合には、先に判定された上がり役を現在の手牌データの目標とする上がり役として設定し、以降の判定処理は行なわないようにする。
続いて、遊技者の現在の手牌データについて、その目標とする上がり役を設定し、この目標上がり役に対して遊技者に自摸すべき牌、捨て牌とすべき牌をアシストする処理手順を、下記の(手順1)〜(手順7)に基づいて説明する。
(手順1)
サブ制御基板Kbの第1の目標上がり役判定プログラムP26は、RAM42bに記憶されている当該ゲームのビッグゲーム役の上がり役コードを判定する。そして、この上がり役コードに対応する国士無双上がり役判定プログラムP26a1、大三元上がり役判定プログラムP26b1、・・・、字一色上がり役判定プログラムP26e1のいずれかを作動させる。
当該ゲームのビッグゲーム役の上がり役として「国士無双」が決定されているときには、国士無双上がり役判定プログラムP26a1は、図14に示す上がり役判定データテーブルを参照して、「国士無双」を現在の手牌データの目標上がり役として設定することが可能か否かを判定し、設定可能と判定された場合には「国士無双」を目標上がり役として設定する処理を行なう。
図14に示す上がり役判定データテーブルは、上がり役の「国士無双」、「大三元」、「九連宝燈」、「一気通貫」、「字一色」、・・・のコードごとに、これらの上がり役を現在の手牌データの目標上がり役として設定するための必要条件を規定したデータテーブルである。この上がり役判定データテーブルは、上がり役ごとに第1の必要条件と第2の必要条件とから構成されている。第1の必要条件は、当該上がり役を完成させるために現在の手牌データに含まれている必要な牌の個数等を規定している。さらに、第2の必要条件は、当該上がり役を完成するために不足している牌の個数、すなわち、自摸の操作を行なうために必要とする残り遊技球の個数を規定したものである。
なお、上がり役判定データテーブルに示す第1および第2の必要条件に関するデータは、コード化して目標上がり役判定プログラムP25等に予め登録しておくか、国士無双上がり役判定プログラムP26a1、・・・等の各上がり役判定プログラムの処理ロジックに取り入れるようにする。
(手順2)
国士無双上がり役判定プログラムP22a1は、現在の手牌データの目標上がり役を「国士無双」に設定することが可能か否かを、図14に示す上がり役判定データテーブルを参照して行なう。この上がり役判定データとしては、現在の手牌データのなかに、第1の必要条件としてヤオチュウ牌種が9牌種数以上含まれ、かつ、第2の必要条件として現在の手牌データについて「国士無双」の上がり役を完成するために不足している(または、「必要とする」)牌の個数以上の残り遊技球が存在するときに、「国士無双」を目標上がり役として設定することが可能であると判定する処理を行なう。
なお、この「国士無双」の上がり役を完成するために不足している牌の個数とは、現在の手牌データについて、「国士無双」の上がり役を完成させるために自摸して追加すべきヤオチュウ牌の個数を意味する。この不足している牌の個数の算出は、「国士無双」の上がり役が構成する牌の図柄コードを国士無双上がり役判定プログラムP26a1等に登録しておき、現在の手牌データの図柄コードと比較する処理を行うことにより可能になる。
また、「国士無双」を目標上がり役として判定するための第1の必要条件として「現在の手牌のなかにヤオチュウ牌種が9牌種数以上含まれている」と設定した理由は、本発明の雀球遊技機においては、遊技者が自摸操作のために発射できる遊技球の個数は最大11個に設定していること、および、図3に示す遊技盤面部2の下方部に設置されている入球口の配列において、ヤオチュウ牌種である「東」「南」「一萬」「九萬」「白」「發」「中」「一筒」「九筒」「西」「北」は、両端部あるいは両端部の近傍、および中央部に配列されている。これら両端部あるいは両端部の近傍、および中央部に位置する入球口は、遊技球を狙って入球させることが比較的困難である。これは、手で発射レバーのバネ力を適度に調整して遊技球をこれらの入球口に入球させることがかなり難しいことによる。従って、現在の手牌にヤオチュウ牌種が含まれている牌種数が9牌種数以上と大きな値に設定した。
さらに、「国士無双」を目標上がり役として判定するための上がり役判定データとして、現在の手牌データから「国士無双」の上がり役を完成するために必要とする牌の個数以上の残り遊技球が存在することを第2の必要条件として設定している。この遊技球の残り個数は、メイン制御基板Kaの遊技球管理プログラムP4により把握されているので、メイン制御基板Kaからサブ制御基板Kbに遊技球の残り個数が送信されてきたときに、サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、この遊技球の残り個数をRAM42bに記憶する処理を行なう。これにより、国士無双上がり役判定プログラムP26a1は、現在の遊技球の残り個数を把握することが可能になる。
なお、遊技者が狙った入球口に入球させようとして遊技球を発射しても、狙った入球口に遊技球が必ず入球するとは限らない。従って、この遊技球の残り個数は、例えば、1個または2個余裕を持たせて、「国士無双」の上がり役を完成するために必要とする牌の個数に「+1」(または「+2」)した値以上の残り遊技球が存在することを第2の必要条件としてもよい。
上記手順(2)と同様にして、当該ゲームのビッグチャンス役として「大三元」が抽選により決定されている場合には、第1の目標上がり役判定プログラムP26は大三元上がり役判定プログラムP26b1を作動させる。大三元上がり役判定プログラムP26b1は、図14に示す上がり役判定データテーブルを参照して、「大三元」を目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する。図14に示すように、「大三元」に関する上がり役設定のための第1の必要条件と第2の必要条件は、二つ設けている。このように、上がり役ごとに、第1の必要条件と第2の必要条件に関するデータを適切に設定し、上がり役判定データテーブルに登録しておく。
国士無双上がり役判定プログラムP26a1は、「国士無双」を目標上がり役として設定することが可能であると判定した場合には、次の(手順3)または(手順4)の何れかを行なう。一方、「国士無双」を目標上がり役として設定することができないと判定した場合には、下記の(手順5)により、チャンスゲーム役を構成する上がり役を目標とする上がり役に設定することが可能か否かを判定する処理を行なう。さらに、(手順5)により目標とする上がり役を設定することができないと判定された場合には、下記(手順6)に基づいて第2の目標上がり役判定プログラムP27の処理により、目標とする上がり役を設定する処理を行なう。
(手順3)
現在の手牌データの状態が、遊技者が手牌データから不要な1個の牌を捨てる捨て牌の操作を行なった後の13個の手牌データであるときには、国士無双上がり役判定プログラムP26a1は自摸牌判定プログラムP26a1−1を作動させる。自摸牌判定プログラムP26a1−1は、目標とする上がり役「国士無双」に対して手牌データに自摸すべき牌の図柄コードを判定し、遊技者が自摸の操作を行なう前に、この判定した牌の図柄を第1の表示装置10に表示させるための制御を行なう。
(手順4)
一方、現在の手牌データの状態が、遊技者が自摸の操作を行なった後の14個の手牌データであるときには、国士無双上がり役判定プログラムP26a1は捨て牌判定プログラムP26a1−2を作動させる。捨て牌判定プログラムP26a1−2は、目標とする上がり役「国士無双」に対して手牌データから捨て牌とすべき牌の図柄コードを判定し、遊技者が捨て牌の操作を行なう前に、この判定した牌の図柄を第1の表示装置10に表示させるための制御を行なう。
(手順5)
第1の目標上がり役判定プログラムP26は、RAM42bにチャンスゲーム役の上がり役コードとして記憶されている二つ上がり役コードを判定する。そして、この上がり役コードに対応する一気通貫上がり役判定プログラムP26f1、・・・を順次作動させて、チャンスゲーム役の上がり役を現在の手牌データに対する目標上がり役として設定可能であるか否かを判定する。そして、チャンスゲーム役の上がり役のいずれかを目標上がり役として設定可能と判定された場合には、先に判定された上がり役を現在の手牌データに対する目標上がり役として設定する処理を行なう。
一気通貫上がり役判定プログラムP26f1、・・・等が、現在の手牌データの目標上がり役を、チャンスゲーム役となり得る「一気通貫」、「七対子」、「三暗刻」、「平和」、「一盃口」、「タンヤオ」として設定することが可能か否かを判定する方法は、前記したビッグゲーム役を構成する上がり役のうちの一つを、現在の手牌データの目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する手順と同じ処理により行なうことができる。例えば、上がり役判定プログラムP26f1、・・・等は、図14に示す上がり役判定データテーブルに、上がり役「一気通貫」、「七対子」、「三暗刻」、「平和」、「一盃口」、「タンヤオ」を現在の手牌データの目標上がり役として設定可能か否かを判定するため登録されている第1の必要条件と第2の必要条件を参照して判定することができる。
(手順6)
第2の目標上がり役判定プログラムP27は、予め設定された上がり役の順に、現在の手牌データについてその目標とする上がり役を、これら上がり役の何れか一つに設定することが可能か否かを判定する。そして、設定可能と判定された場合には、先に設定可能と判定された上がり役を目標上がり役として設定する処理を行なう。なお、上記した予め設定された上がり役の順とは、例えば、図15に示す点数別上がり役データテーブルように、遊技者が上がり役を完成させたときに獲得できるメダル枚数(点数)の多い上がり役の順にする。なお、図15に示す点数別上がり役データテーブルは、第2の目標上がり役判定プログラムP27に登録しておくようにする。さらに、図15に示す各上がり役を、現在の手牌データに対する目標上がり役として設定可能か否かを判定するための第1の必要条件と第2の必要条件は、図14に示す上がり役判定データテーブルに登録しておくようにする。
図15に示す点数別上がり役データテーブルにおいては、獲得できるメダル枚数の多い順に、30点役、9点役、6点役、3点役に分類し、例えば、メダル30枚を獲得できる30点役には、図9に示す上がり役別獲得メダル枚数データテーブルに基づいて、「国士無双」、「清老頭」、「大三元」、・・・、「九連宝燈」の上がり役を決めている。同様にして、9点役、6点役、3点役に含まれる上がり役としては、図9に示す各上がり役に基づいて設定する。
第2の目標上がり役判定プログラムP27は、次の手順に従って現在の手牌データに対する目標上がり役を設定する処理を行なう。
(手順6−1)
最初に、図15に示す30点役を構成する上がり役を、現在の手牌データに対する目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する。設定可能と判定された場合には、先に設定可能と判定された上がり役を目標上がり役として設定する処理を行なう。そして、設定可能と判定された場合には、以降の目標上がり役判定の処理は行なわないようにする。このとき、30点役を構成する上がり役を判定する順序は、予め設定した順序、例えば、図14に示す「国士無双」→「清老頭」→、・・・「九連宝燈」の順にする。
(手順6−2)
上記した(手順6−1)により30点役について目標上がり役を設定することができなかった場合には、次の順位である9点役を構成する上がり役を、現在の手牌データに対する目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する。設定可能と判定された場合には、先に設定可能と判定された上がり役を目標上がり役として設定する処理を行なう。そして、設定可能と判定された場合には、以降の目標上がり役判定の処理は行なわないようにする。
9点役を構成する上がり役を、現在の手牌データに対する目標上がり役として設定することができなかった場合には、6点役を構成する上がり役、さらに3点役を構成する上がり役を、現在の手牌データに対する目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する処理を行なう。
(手順6−3)
上記した(手順6−2)において、3点役を構成する上がり役を目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する処理は、次のように行なう。
(1)最初に、「七対子」を現在の手牌データに対する目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する処理を行なう。
(2)上記(1)の処理で、「七対子」を目標上がり役として設定することができない場合には、第2の目標上がり役判定プログラムP27は、前記した「一般上がり役」を現在の手牌データに対する目標上がり役として設定する処理を行なう。この「一般上がり役」とは、「雀頭」1組と計4組の「刻子」や「順子」で構成される上がり役を示し、図9に示す具体的な上がり役名称を示すものではない。
3点役を構成する上がり役を目標上がり役として設定する処理である上記(1)、(2)において、最初に、「七対子」を現在の手牌データに対する目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する理由は、次の通りである。すなわち、「七対子」は、7組の「対子」の組合せから構成される上がり役であるため、雀球遊技機においては他の上がり役と比較して上がり役を完成させることが比較的になる。従って、3点役については、最初に「七対子」を現在の手牌データに対する目標上がり役として設定することが可能か否かを判定する方が、遊技者に対して上がり役を完成させるために、より親切なアシストを行なうことができるからである。
上記(手順1)〜(手順6)の何れかの手順を実行して、現在の手牌データに対する目標上がり役が設定されると、続いてこの目標上がり役に対して、遊技者が自摸すべき牌、および捨て牌とすべき牌の図柄コードを判定し、この判定した図柄を遊技者にアシストする処理を行なう。
このアシストを行なう処理は、上記した(手順1)〜(手順6)に記載の何れかの処理を実行して目標上がり役を設定した上がり役判定プログラムのサブプログラムである自摸牌判定プログラムと、捨て牌判定プログラムが実行する。例えば、当該ゲームのビッグゲーム役が「国士無双」であり、国士無双上がり役判定プログラムP26a1が「国士無双」を目標上がり役として設定した場合には、自摸すべき牌の判定は自摸牌判定プログラムP26a1−1、捨て牌とすべき牌の判定は捨て牌判定プログラムP26a1−2が行なう。
また、これら自摸牌判定プログラムP26a1−1、・・・、捨て牌判定プログラムP26a1−2、・・・が作動するタイミングは、次のようになる。
(1)メイン制御基板Kaから、遊技者が捨て牌の操作を行なった後の13個の手牌データに関する図柄コードが送信されてきたときには、サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、自摸牌判定プログラムP26a1−1、・・・を作動させて、目標上がり役に対して適切な自摸すべき牌の図柄コードを判定する。そして、この判定した牌の図柄を、遊技者が遊技球を発射する前に、自摸すべき図柄として第1の表示装置10等に表示させる処理を行なう。
(2)メイン制御基板Kaから、遊技者が自摸の操作を行なって上がり役を完成していない14個の手牌データに関する図柄コードが送信されてきたときには、メイン制御プログラムP21は捨て牌判定プログラムP26a1−2、・・・を作動させて、RAM42bに記憶している手牌データのなかから、目標上がり役に対して適切な捨て牌とすべき牌の図柄コードを判定する。そして、この判定した牌の図柄を、遊技者が捨て牌の操作を行なう前に、捨て牌とすべき図柄として第1の表示装置10等に表示させる処理を行なう。
続いて、現在の遊技者の手牌データに自摸すべき牌の図柄コード、すなわち、遊技者が捨て牌の操作を行って現在の手牌データが13個になったとき、この手牌データに、遊技球を1個発射する自摸の操作を行なう前に、自摸するために狙うべき入球口の図柄を判定するための処理手順について説明する。
この処理手順は、例えば、目標上がり役として「国士無双」が設定されたときには下記の(手順7−1)、同じく「七対子」が設定されたときには下記の(手順7−2)、同じく「一般上がり役」が設定されたときには、(手順7−3)に従って行なうことができる。
(手順7−1)
「国士無双」は、13種のヤオチュウ牌を1個ずつ揃え、そのうちの一つを「雀頭」とした上がり役である。従って、「国士無双」が目標上がり役として設定された場合には、「自摸牌判定データ」としてこの13種のヤオチュウ牌の図柄コードを自摸牌判定プログラムP26a1−1に予め登録しておくことにより、現在の手牌データの図柄コードに対して、「国士無双」を完成させるために不足している牌の図柄コードを自摸牌判定プログラムP26a1−1により判定することができる。このとき、自摸すべき牌の図柄は複数個判定される可能性があるので、この判定された全ての図柄を自摸すべき牌としてその図柄コードをRAM42bに記憶する処理を行なう。
(手順7−2)
「七対子」は、7組の「対子」から構成される上がり役である。従って、「七対子」が目標上がり役として設定された場合には、現在の手牌データの図柄コードに対して「七対子」を完成させるために不足している牌の図柄コード、すなわち、「対子」を形成していない孤立牌を自摸すべき牌として、自摸牌判定プログラムP27d1−1等により判定することができる。この場合、自摸すべき牌の図柄は複数個判定されることもあるので、この判定された全ての図柄を自摸すべき牌とする処理を行なって、これらの図柄コードをRAM42bに記憶する。なお、「対子」を形成していない孤立牌を自摸すべき牌と判定するときに、既に「対子」を形成している牌の図柄は、自摸すべき牌の図柄として判定しない処理を行なう。
(手順7−3)
「一般上がり役」は、前記したように、計4組の「刻子」や「順子」と1組の「雀頭」から構成される。従って、現在の13個の手牌データを、より確実に「一般上がり役」を完成させるために自摸すべき牌の図柄コードの判定は、例えば、次の(処理1)〜(処理4)に従って行なうことができる。
(処理1)
まず、現在の手牌データを構成する牌の組合せの状況を評価するために、面子、塔子(ターツ)、嵌塔(カンター)、対子、辺塔(ペンター)、孤立牌について予め点数を設定した牌の組合せ点数データテーブルを作成して、目標上がり役設定プログラムP25等に登録しておく。この牌の組合せ点数データテーブルのデータ構成例を図16に示す。図16に示す「面子」とは、「刻子」または「順子」を示す。また、「孤立牌」とは、「国士無双」等の特殊な牌の組合せによる上がり役を除いて、上記した面子、塔子、嵌塔、対子、辺塔、に関与していない牌を示す。
図16に示す牌の組合せ点数データテーブルにおいて、孤立牌には「0」点を設定しているが、この孤立牌については、例えば、次のようにして評価点数を設定することができる。
すなわち、27種の牌の図柄に対応して遊技盤面部2に27個配設されている入球口について、その遊技球の入球し易さ等を考慮して予め設定した評価点数を付与する。この入球口に設定した評価点数のデータテーブルの一例を図17に示す。図17に示す入球口評価点数データテーブルは、遊技球が入球し易い順等を考慮して「4」「3」「2」「1」点の評価点数を各入球口に付与している。
(処理2)
続いて、現在の13個の手牌データに1個の牌を仮自摸して14個の手牌データにしたとき、この14個の手牌データについて、面子、塔子、嵌塔、対子、辺塔、孤立牌の組数あるいは個数を求める。手牌データに面子、塔子、嵌塔、対子、辺塔、孤立牌が含まれているか否かの判定は次のようにして行なうことができる。
まず、仮自摸してRAM42bに記憶した14個の手牌データについて、図柄コード順にその個数を求めたテータテーブルをRAM42bに記憶する。そして、このデータテーブルについて、図柄コード別にその個数を判定することにより、「刻子」および「対子」の個数を求めることができる。続いて、手牌データからこれら「刻子」および「対子」の図柄を削除したデータテーブルについて、その図柄コードの並びを図8に示す図柄コードデータテーブルを参照することにより、塔子、嵌塔、対子、辺塔、孤立牌の組数あるいは個数を求めることができる。
上記した(処理2)において、1個の牌の図柄コードを仮自摸して手牌データに追加する手順は、図8に示す図柄コードデータテーブルの「1萬」の図柄コードから順次1個づつ図柄コード順に、現在の13個の手牌データに追加する処理を行なう。このとき、麻雀遊技のルールから、現時点のゲームの場において既に4個開示されている牌の図柄は自摸する牌として選択できない。従って、サブ制御基板Kbのメイン制御プログラムP21は、当該ゲームにおいて捨て牌とされた図柄コードと、現在の手牌を構成する図柄コードについて、図柄コード別の個数を算出しそのデータテーブルをRAM42bに記憶する処理を行なうようにする。そして、自摸牌判定プログラムP27d2−1は、(処理2)において、既に4個開示されている牌の図柄は、仮自摸する牌として選択しない処理を行なうようにする。
(処理3)
上記(処理2)で求めた面子、塔子、嵌塔、対子、辺塔、孤立牌の組数あるいは個数に対して、図16に示す牌の組合せ点数データテーブルを参照して点数を与える。例えば、面子が2組あれば4点×2組=8点、両面待ちが1組あれば3点×1組=3点を付与する。孤立牌については、図17に示す入球口評価点数データテーブルを参照して点数を付与する。例えば、手牌データに孤立牌として「二萬」が含まれている場合には、図17の入球口評価点数データテーブルを参照して、この「二萬」には「2点」を付与する。そして、仮自摸して14個になった手牌データについて、付与した点数を合計して評価点の合計点数を求め、この仮自摸した図柄コードと評価点の合計点数をRAM42bに記憶する。なお、この(処理3)において手牌データに含まれている孤立牌に評価点数を付与するときに、この孤立牌が当該ゲームにおいて表ドラである場合には、所定の点数、例えば、「1点」を追加するようにしてもよい。
さらに、過去に実施されたゲームについて、27個の入球口に遊技球が入球した回数の実績をサブ制御基板Kaのメイン制御プログラムP21により把握し、この入球回数の多さを孤立牌の評価点数に反映させるようにしてもよい。例えば、過去に実施されたゲームについて、入球回数が多い上位5位までの入球口に対応する牌の図柄コードには、「1点」を追加するようにする。なお、過去に実施されたゲームとは、前日と本日実施されたゲーム、あるいは当該ゲームまでに実施された100回分のゲーム等、適切に設定する。
(処理4)
仮自摸すべき27種の牌の図柄コード1個ずつについて、上記(処理2)〜(処理3)を順次行なう。そして、RAM42bに記憶した上記手牌データの合計点数が最も多くなった仮自摸した牌の図柄コードを、自摸すべき牌の図柄コードとして判定する。このとき、自摸すべき牌の図柄コードは複数個判定される可能性があるので、この判定された複数個の図柄コードを自摸すべき牌の図柄コードと判定し、その図柄コードをRAM42bに記憶する。
(手順7−4)
アシストプログラムP24は、上記(手順7−1)、(手順7−2)、(手順7−3)に記載した何れかの処理により判定し、RAM42bに記憶した自摸すべき牌の図柄コードを制御コマンドと共に、第1の画像制御基板Kcに送信する。第1の画像制御基板Kcは自摸すべき牌の図柄コードを受信すると、図18に示すように、自摸牌表示プログラムP32c−1により第1の表示装置10に自摸すべき牌の図柄を表示する。これにより、遊技者が毎回の自摸操作を行なう前に、遊技球を発射して入球させるべき入球口の図柄が第1の表示装置10に表示されるので、麻雀知識の乏しい遊技者はこの表示された牌の図柄に対応する入球口を狙って遊技球を発射すればよいことになる。
上記(処理4)において自摸すべき牌の図柄が複数個判定されたときには、アシストプログラムP24は次の処理を行なうようにしてもよい。すなわち、複数個判定された自摸すべき牌の図柄に対応する入球口の評価点数を、前記した図17に示す入球口評価点数データテーブルを参照して求める。そして、この評価点数の高い入球口に対応する図柄を、自摸すべき牌として優先して狙うように第1の表示10に表示するようにしてもよい。
遊技者が遊技球発射レバー4を操作して遊技盤面2内に遊技球を発射して、入球した入球口に対応する図柄が自摸した牌の図柄になる。メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、この遊技球が入球口に入球した信号に基づいて、自摸した牌の図柄コードを求める処理を行なう。そして、この自摸した図柄コードと13個の手牌データを制御コマンドと共に、サブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する。さらに、メイン制御プログラムP1は、RAM42aの手牌記憶領域に記憶している手牌データにこの自摸した図柄コードを加え、図柄コード順にソートして、再びRAM42aの手牌記憶領域に記憶する処理を行なう。これにより、RAM42aの手牌記憶領域に記憶している手牌データは14個の図柄コードから構成されることになる。
なお、図17に示す入球口評価点数データテ−ブルにおいて、各入球口の評価点数は、次のような考え方により設定することができる。
(1)遊技盤面部2の上方部に配置した「一索」と「九索」の入球口13aと13bは、狙って遊技球を入球させることが比較的容易であるため、評価点数は「4」に設定する。
(2)図3に示す遊技盤面部2の下方部2aの横方向に配列した25個の入球口には、その配列の位置に基づいて、次の考え方により評価点数を設定する。
(2−1)最左端の入球口「東」と最右端の入球口「北」は、狙って遊技球を入球させることが比較的困難なため、評価点数は「1」に設定する。
(2−2)左側の中央部に位置するように、数牌の「一萬」から「九萬」の図柄に対応する入球口を上昇順に配置している。この「一萬」から「九萬」の入球口の配列のうち、遊技盤面部2の左下のほぼ中央に位置する「四萬」、「五萬」、「六萬」の入球口は、狙って遊技球を入球させることが比較的容易であること、およびこの入球し易さから萬子の「順子」、「対子」、「刻子」や「両面待ち」の組合せを形成させることが比較的容易になるため、評価点数は「4」に設定する。
(2−3)右側の中央部に位置するように、数牌の「一筒」から「九筒」の図柄に対応する入球口を上昇順に配置している。この「筒子」の入球口についても、上記(2−2)と同様な理由により、遊技盤面部2の右下のほぼ中央に位置する「四筒」、「五筒」、「六筒」の入球口の評価点数は「4」に設定する。
(2−4)「萬子」と「筒子」の入球口の間に配置されている三元牌の「白」、「發」、「中」に対応する図柄の入球口は、遊技球を遊技盤面部2の左下あるいは右下の入球口を狙って発射したときに、遊技球が釘などに当たって入球する確率が高くなる場合がある。従って、「白」、「發」、「中」に対応する図柄の入球口の評価点数は「3」に設定する。
さらに、本発明の雀球遊技機においては、過去に実施されたゲームについて、27個の入球口に遊技球が入球した回数の実績をサブ制御基板Kaのメイン制御プログラムP21により把握し、この入球回数の多さを前記した入球口評価点数データテーブルの評価点数に反映させるようにしてもよい。例えば、過去に実施されたゲームについて、入球回数が多い上位5位までの入球口の評価点数には、「1点」を追加するようにする。なお、過去に実施されたゲームとは、前日と本日実施されたゲーム、あるいは当該ゲームまでに実施された100回分のゲーム等、適切に設定する。
このように、入球口ごとの評価点数を反映して自摸すべき牌を判定する手段を採用すると、釘の調整等によって遊技球が入球し易い入球口を自摸すべき牌として優先してアシストすることも可能になる。
続いて、遊技者に捨て牌のアシストを行なう手順について説明する。
遊技者が自摸の操作を行って14個になった手牌データが、上がり役の組合せを完成させることができなかったときには、現在の14個の手牌データから不要な1個の牌を捨てる捨て牌の操作を行なう必要がある。本発明の雀球遊技機においては、遊技者が現在の手牌データから不要な1個の牌を捨てる操作を行なう前に、この捨て牌とすべき牌の図柄コードを判定して第1の表示装置10等に表示するアシスト手段を備えている。
この捨て牌とすべき牌を遊技者にアシストする手順は、前記した第1の目標上がり役判定プログラムP26、または第2の目標上がり役判定プログラムP27を構成する国士無双上がり役判定プログラムP26a1、・・・の何れかが設定した目標上がり役に対して、現在の手牌データから捨て牌とすべき牌の図柄コードをプログラム処理により判定する。続いて、この捨て牌として判定した図柄コードに対応する図柄を第1の表示装置10等に表示する処理を行なう。この捨て牌とすべき牌の図柄コードの判定は、現在の手牌データについて国士無双上がり役判定プログラムP26a1、・・・により設定された目標上がり役に対応する捨て牌判定プログラム、すなわち、図10ないし図11に示す捨て牌判定プログラムP26a1−2、P26b1−2、・・・、P27d2−2の何れかの処理により、次の(手順8)〜(手順9)に従って行なう。
(手順8)
まず、上記した各捨て牌判定プログラムP26a1−2、・・・等は、現在の14個の手牌データから捨て牌とすべき牌の図柄コードの判定を、次の(処理1)〜(処理4)に記載の処理手順に基づいて行なう。
なお(処理1)においては、RAM42bに記憶されている現在の手牌データに孤立牌が含まれているか否かを判定し、孤立牌が含まれている場合にはこの孤立牌を捨てるべき牌として遊技者にアシストする処理を行なう。また、(処理1)において手牌に孤立牌が判定されない場合には、(処理2)〜(処理5)に記載の手順に従って捨て牌とすべき牌を判定する処理を行なう。
(処理1)
まず、14個の手牌データに含まれている牌のうち、孤立牌を捨て牌とすべき牌として判定し、その図柄コードをRAM42bに記憶する。なお、上記した孤立牌とは、図19に示すように、上がり役ごとに設定される。そして、この孤立牌に関するデータ、または孤立牌を判定するためのロジックは、各捨て牌判定プログラムP26a1−2、・・・等に登録、または判定ロジックとして取り入れられる。
例えば、上がり役が「国士無双」のときに手牌データに含まれている孤立牌とは、ヤオチュウ牌以外の牌を示す。また、「国士無双」と「七対子」を除いた30点役、9点役、6点役を構成する上がり役(「雀頭」1組と計4組の「刻子」や「順子」とで形成される上がり役)における孤立牌とは、上がり役を完成させるために必ず必要とする「必要牌」を除いた牌について、面子、両面待ち、カンチャン、ペンチャン、対子を形成していない牌を示す。例えば、上がり役が「大三元」のときに「必要牌」とは、「白」、「發」、「中」の三元牌を示し、「孤立牌」とはこの三元牌を除いた面子、塔子、嵌塔、対子、辺塔を形成していない牌を示す。なお、何れかの三元牌が4個揃っている場合には、その1個は「孤立牌」と判定する。
また、上がり役が「一般上がり役」のときの孤立牌は、14個の手牌データにおいて面子、塔子、嵌塔、対子、辺塔を形成していない牌を示す。なお、目標上がり役が「七対子」のときは、孤立牌は存在しないことになる。
また、(処理1)において、孤立牌が複数個存在する場合には、例えば、前記した入球口評価点数データテーブルを参照して、入球口の評価点数が低い図柄を捨て牌として判定するようにする。このように評価点数が低い入球口に対応する図柄を捨て牌と判定すると、以降の自摸の操作により、遊技球が入球し難い入球口の図柄について「対子」、「刻子」、「順子」の組合せを形成する確率は低くなるので、遊技者により親切なアシストを行なうことが可能になると考えられる。
(処理2)
現在の手牌データの目標上がり役が「国士無双」に設定され、かつ、手牌に孤立牌が含まれていないときは、手牌データはヤオチュウ牌から構成されているので、この手牌データのなかから「刻子」(同一の牌4個も含む)を形成している牌の1個、あるいは「対子」が2組以上形成されている場合にはその何れか1個の牌を捨て牌と判定し、その図柄コードをRAM42bに記憶する。
(処理3)
目標上がり役が「七対子」のときは、対子を形成していない牌を捨て牌と判定し、その図柄コードをRAM42bに記憶する。
(処理4)
目標上がり役がビッグゲーム役またはチャンスゲーム役、30点役、9点役、6点役を構成する上がり役の場合は、これら上がり役を完成させるために必要な必要牌(図19に示す必要牌)を除いた手牌データから、捨て牌を判定するための捨て牌判定ルールを設定し、この捨て牌判定ルールに基づいて捨て牌を判定する。この捨て牌判定ルールとしては、例えば、次の(1)、(2)を設定することができる。
(1)現在の14個の手牌データから、順次1個の図柄コードを仮の捨て牌として捨てた13個の手牌データについて目標上がり役を完成させるために必要な必要牌、あるいは「順子」「刻子」を除いた手牌データについて、前記した図16に示す牌の組合せ点数データテーブルを参照して点数を付与する。そして、この手牌データの合計点数が最も大きくなる牌を捨て牌と判定しその図柄コードをRAM42bに記憶する。
(2)「九連宝燈」や「一気通貫」等のように数牌の特殊な並びにより構成される上がり役については、これら上がり役ごとに捨て牌を判定するための捨て牌判定ルールをさらに設定する。そして、これら捨て牌判定ルールを各捨て牌判定プログラムP26c1−2、・・・等に取り入れて、現在の手牌データのなかから捨て牌とすべき図柄コードを判定する処理を行なう。
(処理5)
目標上がり役が「一般上がり役」のときは、現在の14個の手牌データから順次1個の図柄コードを仮の捨て牌としたときに、13個になった手牌データの図柄コードの構成について、前記した図16に示す牌の組合せ点数データテーブルを参照して点数を付与し、13個になった手牌データの合計点数が最も大きくなる図柄コードを捨て牌と判定しその図柄コードをRAM42bに記憶する。
(手順9)
アシストプログラムP24は、上記(手順8)の処理により判定した捨て牌とすべき牌の図柄コードを制御コマンドと共に、第1の画像制御基板Kcに送信する。第1の画像制御基板Kcは、捨て牌とすべき牌の図柄コードを受信すると、捨て牌表示プログラムP32c−2により、図20に示すように、第1の表示装置10に捨て牌とすべき牌の図柄を表示する。これにより、遊技者が毎回の捨て牌の操作を行なう前に、遊技者に対して現在の手牌から捨て牌とすべき牌の図柄をアシストすることができるようになる。
遊技者が捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、19c、・・・の何れかを押圧して捨て牌の操作を行なうと、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、遊技者が捨て牌とした図柄コードを制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して、第1および第2の画像制御基板Kc、Kdに送信する。さらに、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1は、RAM42aの手牌記憶領域に記憶している手牌データからこの捨て牌とした図柄コードを削除し、続いて、図柄コード順にソートして再びRAM42aの手牌記憶領域に記憶する。これにより、RAM42aの手牌記憶領域に記憶されている手牌データは、13個の図柄コードから構成されることになる。次に、メイン制御プログラムP1は、この13個の手牌データを制御コマンドと共にサブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する制御を行なう。
このようにして、遊技者が遊技球発射レバー4を操作して遊技盤面2内に遊技球を発射して、聴牌状態になり、かつ残り遊技球数表示部27に「1」以上の数値の表示がある場合、遊技者は牌を捨てる操作を行なう前に、リーチボタン21を操作してリーチをかけることができる。ただし、聴牌状態になっていない場合には、リーチボタン21を操作してリーチをかけることができない。
リーチボタン21を操作した後は、捨て牌ボタン19a、19b、19c、・・・のいずれか一つを操作して手牌の中から一つの牌の図柄を捨てるか、自摸牌捨てボタン20を操作して自摸牌切りを行うと、捨て牌表示部33に捨て牌の図柄が横向きに、さらにリーチ棒が表示される。このリーチ操作に関する制御は、まず、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1がリーチボタン21の操作信号を検出し、さらに捨て牌ボタン19a、19b、等からの操作信号を検出後、入賞判定プログラムP8の聴牌判定処理により聴牌の判定結果が得られた場合に、リーチがかかったという制御コマンドを第2の画像制御基板Kdに送信する。第2の画像制御基板Kdのゲーム演出表示プログラムP42a−2は、制御コマンドを受信すると、捨て牌表示部33に捨て牌の図柄の表示処理等を行なう。
このようにして、ゲームの場がリーチ状態になり、遊技者が遊技球を発射して入球した入球口13a、13b、・・・の何れかに対応する自摸牌により上がり役を完成させることができない場合には、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1の制御により、この自摸した牌は自動的に捨て牌として処理される。すなわち、遊技者は、自摸牌の捨て牌用ボタンスイッチ20を操作する必要はなくなる。
続いて、遊技者がビッグゲーム役の権利を獲得したゲームの操作、およびそのプログラム処理の概要について説明する。
メイン制御基板Kaの入賞判定プログラムP8は、通常遊技のゲームにおいて、発射された遊技球が入球した入球口13a、13b、・・・に対応する図柄コードが手牌に追加される都度、予め設定した上がり役の組合せが完了したかどうかのチェックを行なう。そして、1ゲームが終了するまでの間に、当該ゲームにおいてビッグゲーム役の上がり役として決定された上がり役を完成させていると判定すると、ビッグゲーム役の上がり役が完成したことを示す制御コマンドを第1と第2の画像制御基板Kc、Kdに送信する。すると、第1と第2の画像制御基板Kc、Kdの権利獲得演出表示プログラムP32b−1、特別遊技画面表示プログラムP42bは、それぞれ第1と第2表示装置10、16に上がり役の説明表示とビッグゲーム権利成立の表示等を所定の時間表示し、遊技者にビッグゲーム役の権利が成立したことを知らせる。
ビッグゲーム役の権利が成立すると、前記のように、次回以降のゲーム遊技において、アタッカー11を開口させて任意に自摸牌を選択することができるゲームを所定の回数、例えば、15ゲーム数ほど行なうことが可能になる。すなわち、ビッグゲーム役の権利が成立しているゲームでは、自動配牌した後、遊技者が遊技球を発射してその遊技球がアタッカー作動口12を通過し、その信号がメイン制御基板Kaに入力されると、メイン制御プログラムP1は、アタッカー11を開き、遊技球がアタッカー11内に入り易い状態にする。そして、遊技者は、アタッカー11内に遊技球を1個入球させるごとに、第1の表示装置10と対話方式により任意に自摸牌を選択することができるようになる。
そして、ビッグゲーム役の権利が成立したゲームにおいては、メイン制御プログラムP1は、残り遊技球の数が「0」になって上がり役が完成しない場合には、ビッグゲーム役の権利はその時点で無効にし、次のゲームからは通常遊技のゲームが実施される状態にする。
ビッグゲーム役の権利が成立しているときに、アタッカー11内に遊技球が入球すると、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1はこの入球信号に基づいて、自摸牌候補表示の制御コマンドを第1の画像制御基板Kcに送信する。すると、第2の画像制御基板Kdの自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1は、表示装置16に自摸牌を任意に選択するための自摸牌候補選択画面を表示する。この自摸牌候補選択画面の一例を図21に示す。
図21に示す自摸牌候補選択画面は、ゲームで使用する27種の牌の図柄を所定の順序に配列、例えば、「一萬」「二萬」「三萬」、・・・「發」「中」の順に、その全てまたは一部の図柄を表示した画面である。図21に示す画面は、遊技者が右シフトボタン22a、左シフトボタン22bを1回押圧するごとに右方向、または左方向に牌の図柄が1図柄ほどスクロールして表示され、選択決定ボタン23を押圧したときに、予め設定した特定の表示領域Tに表示されている図柄が自摸牌として選択されるようにプログラム処理により制御する。そして、上記手順により判定した自摸すべき牌の図柄については、自摸牌候補選択画面に他の図柄より明るく表示するようにする。
さらに、自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1により、自摸牌候補選択画面を表示する初期画面は、原点となる特定の表示領域Tに「一萬」の図柄を表示し、遊技者が右シフトボタン22a、または左シフトボタン22bを1回操作するごとに、図柄コードの順に右方向、あるいは左方向に1図柄ほどスクロールして表示するようにする。
なお、麻雀遊技のルールでは、同一の図柄の牌が既に4個開示されている図柄を自摸しても上がり役を完成させることができない。この対策として、図21に示す自摸牌候補選択画面を表示するときに、既に4個開示されている牌の図柄は他の図柄より暗く表示して遊技者が識別できるようにするとよい。
図21に示す自摸牌候補選択画面の表示は、次のようなプログラム処理により実行することができる。
例えば、メイン制御基板Kaの自摸牌選択支援プログラムP9に、図8に示す本雀球遊技機で取り扱う27種の牌の図柄コードを、図柄コード順に配列した牌配列テーブルを登録しておく。なお、この登録されている牌配列テーブルの図柄データ配列においては、所定の配列位置(記憶番地)を予め設定しておき、選択決定ボタン23が押圧されたとき、この所定の配列位置に記憶されている図柄コードが自摸牌として選択されるように処理する。図21においては、所定の配列位置に「一萬」の図柄コードが記憶されていることを示している。
そして、アタッカー11が開口して自摸牌選択支援プログラムP9が作動すると、この牌配列テーブルのデータをRAM42に読み出し、この読み出した各牌の配列の図柄コードを第2の画像制御基板Kdに送信する。第2の画像制御基板Kdの自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1は、図21に示す自摸牌候補選択画面の初期画面を表示する。
続いて、遊技者が右シフトボタン22aを1回操作すると、メイン制御基板Kaのメイン制御プログラムP1はこの操作信号を解読し、自摸牌選択支援プログラムP9を作動させる。自摸牌選択支援プログラムP9は、RAM42に読み出した牌配列テーブルのデータを右方向に1回リング状にシフト(回転)させる。そして、このシフトした牌配列テーブルのデータを第2の画像制御基板Kdに送信する。すると、第2の画像制御基板Kdの自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1は、図21に示す画面を右方向に各図柄を1図柄ほどスクロールさせて再表示する。
一方、遊技者が左シフトボタン22bを1回操作した場合には、自摸牌選択支援プログラムP9はRAM42に記憶している牌配列テーブルのデータをリング状に左方向に1回シフトさせ、さらに、上記と同様に自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1は、図柄を左方向に1図柄ほどスクロールさせた自摸牌候補表示画面を表示させることができる。
続いて、遊技者が選択決定ボタン23を押圧してこの操作信号がメイン制御基板Kaに入力されると、メイン制御プログラムP1は、RAM42aの所定の配列位置に記憶されている図柄コード、すなわち、図21に示した画面例では、領域Tに表示されている「一萬」を自摸した牌として決定する処理を行なう。
遊技者がこのような操作を行なって自摸牌の図柄を決定すると、メイン制御プログラムP1はこの自摸牌の図柄コードを、サブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する。第2の画像制御基板Kdは、この受信した自摸牌の図柄コードに対応する図柄を自摸牌表示部35に表示する。
さらに、メイン制御基板Kaの入賞判定プログラムP8は、この自摸牌により1個追加された手牌が上がり役を完成させたか否かを判定する処理を行なう。
上記したメイン制御基板Kaの自摸牌選択支援プログラムP9、第2の画像制御基板Kdの自摸牌候補選択支援プログラムP42b−1、右シフトボタン22a、左シフトボタン22b、選択決定ボタン23等は、特別遊技役の権利を獲得したゲームにおいて、遊技者が自摸の操作を行なうときの自摸操作手段になる。
このようにして自摸牌の図柄が決定すると、メイン制御プログラムP1はこの自摸牌の図柄コードをRAM42aの手牌データ記憶領域に追加すると共に、サブ制御基板Kbを経由して第2の画像制御基板Kdに送信する。第2の画像制御基板Kdは、この受信した自摸牌の図柄コードに対応する図柄を自摸牌表示部35に表示する。
さらに、メイン制御基板Kaの入賞判定プログラムP8は、この自摸牌により1個追加されて14個になった手牌データが、上がり役を完成させたか否かを判定する処理を行なう。
なお、上記した特別遊技役の権利を獲得したゲームの自摸操作手段は、自摸牌候補選択画面に自摸牌の候補となる図柄をリング状に表示して、右あるいは左方向にスクロールさせながら自摸牌を選択する例について説明したが、本発明においては、表示装置16の画面の左右方向、上下方向、あるいは斜め方向に牌の図柄を配列表示し、これらの図柄を左右方向、上下方向、あるいは斜め方向にスクロールさせながら特定の表示領域Tに位置する図柄を自摸牌として選択する手段を採用してもよい。
上記した本発明の実施形態において、遊技者に自摸すべき牌、および捨て牌とすべき牌をアシストするアシスト明示手段は、第1の表示装置10にその牌の図柄を表示する例について説明したが、本発明においては次のようなアシスト明示手段(1)、(2)を採用することも含まれる。
(1)遊技盤面部2内であって、各入球口の近傍にLED等の発光手段を設ける。そして、自摸すべき牌が判定されると、第1の画像制御基板Kcの自摸牌表示プログラムP32c−1は、この自摸すべき牌の図柄に対応する入球口の近傍に設置したLEDを発光させて、遊技者に狙うべき入球口を明示するようにする。
(2)捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、19c、・・・、自摸牌の捨て牌用ボタンスイッチ20の近傍、またはこれらスイッチ内部にLED等の発光手段を設ける。そして、捨て牌とすべき牌が判定されると、第1の画像制御基板Kcの捨て牌表示プログラムP32c−2は、この捨て牌とすべき牌の図柄に対応する捨て牌用ボタンスイッチ19a、19b、19c、・・・、自摸牌の捨て牌用ボタンスイッチ20に対応するLEDを発光させて、遊技者に捨て牌として捨て牌操作を行なうスイッチを明示するようにする。
また、上記した本発明の実施形態においては、遊技者が自摸の操作、あるいは捨て牌の操作を行なう前の手牌データに基づいて、まず、目標とする上がり役を設定し、この設定した目標上がり役に対して、自摸すべき牌あるいは捨て牌とすべき牌をアシストする手段について説明したが、本発明は次の手段(1)、(2)を有する雀球遊技機にも適用することができる。
(1)1ゲームを実行する前に、遊技者によりそのゲームの上がり方針を、例えば、第1の表示装置10と対話方式により選択させるようにする。このゲームの上がり方針としては、例えば、「早上がり狙い方針」、「大役狙い方針」、「安全狙い方針」等のなかから何れか一つの上がり方針を選択させるようにする。
(2)そして、遊技者の現在の手牌データについて、遊技者が毎回の捨て牌の操作、自摸牌の操作を行う前に、この選択されたゲームの上がり方針に対応する目標上がり役を設定し、この設定した目標上がり役に対して、現在の手牌データに自摸すべき牌、および現在の手牌データから捨て牌とすべき牌を判定する処理を行なうようにする。そして、この判定した自摸すべき牌、捨て牌とすべき牌の図柄コードに対応する図柄を第1の表示装置10に表示する処理を行うようにする。
なお、上記した「早上がり狙い方針」とは、現在の手牌データから最短の自摸回数、すなわち、向聴数が最も少ないと判定される上がり役で上がることをゲーム進行の方針とするものである。また、「大役狙い方針」とは、遊技者がより多くのメダルを獲得できる上がり役で上がることをゲーム進行の方針とするものである。さらに、「安全狙い方針」とは、これら「早上がり狙い方針」と「大役狙い方針」との中間的なゲーム進行方針を示し、現在の手牌データからより緻密に目標とする上がり役を判定し、この判定した目標上がり役をゲーム進行の方針にするものである。
そして、これらゲーム上がり方針ごとに目標とする上がり役を設定するための目標上がり役を設定するための上がり役判定データ、および、現在の手牌データからこの目標上がり役に対して自摸すべき牌、および捨て牌とすべき牌を判定するための自摸牌判定ルールや捨て牌判定ルールを適切に設定し、これらのデータや判定ルールをプログラム内に登録する。これにより、遊技者が1ゲームを実行する前に選択したゲームの上がり方針に対して、現在の手牌データに基づいてこの手牌の目標とする上がり役を設定し、この目標上がり役に対して自摸すべき牌、および捨て牌とすべき牌を、遊技者にアシストすることが可能になる。
また、本発明の雀球遊技機において、遊技者に対するアシスト手段の実行は、アシスト用押しボタンを操作パネル3に設置し、遊技者がこのアシスト用押しボタンを押圧すると、遊技機動作制御手段は、自摸すべき牌および捨て牌とすべき牌を遊技者にアシストするように制御してもよい。