JP4793767B2 - 手提げ孔付き袋 - Google Patents

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この発明は、手提げ孔が設けられたラミネートフィルム製の袋において、袋の前後面を形成する前パネルと後パネルの間に、ポリエチレン製フィルムからなる補強シートを挟み込むことによって、手提げ孔部における強度を向上させるとともに、前パネルと後パネルに設けられた第一の手提げ孔よりも小さな第二の手提げ孔を補強シートに設け、袋を手提げしたときに補強シートが手指に柔らかく接触するようにして充填物の重量が作用しても痛さを感じにくい手触りを優しくした手提げ孔付き袋に関するものである。
米や豆類等々の穀物、ペット用飼料、肥料、園芸用士等の重量のある粒体や粉体あるいは各種液体を充填する袋の材質は、プラスチック製ラミネートフィルムが主流であり、スーパーマーケットやホームセンター等々の販売店で購入して持ち帰るために、手提げ用の孔が設けられたものがある。
ラミネートフィルム製で手提げ孔が設けられた袋の一例として、特許3487317号の公報に記載されたものが知られている。
特許3487317号公報
前記特許3487317号公報に記載された袋51は、米袋としてその発明が開示されており、この発明はラミネートフィルムからなるもので、図4に示すように一端に把手52が形成され、口元シール53と把手シール54の間に単一の手提げ孔55が設けられている。この袋51には、手提げ孔55が設けられているので販売店で購入した後に手提げして持ち帰ることができるが、手提げしたときに5kg〜10kg入りの袋では米の重量により発生する応力を手指の腹で支えるため図5に示すように手提げ孔55が変形し、手提げ孔55の上部周縁における手指の人差し指近辺のX部及び小指近辺のY部に集中するため、その部分が延びて変形し易く、フィルムに亀裂Zが入って裂けやすくなる欠点があった。
また、ラミネートフィルムはその素材の性質上比較的硬く、打ち抜かれた手提げ孔の周縁が手指の腹に当たって痛さを感じ手触りが悪い。打ち抜き刃物の切れ味が落ちてくるとギザギザとなり、さらに手触りが悪くなる欠点があった。
上記手提げ孔55周辺のフィルムが延びることを防止するために、手提げ孔55の周囲を5〜10mm幅で熱シールして強化する方法も試みられているが、フィルムが熱シールされるとそのシール部分が硬化するため、重い袋を手提げして歩くときに硬化部分が手指の腹に強く当たって痛くなり、手提げすることすらできなくなる。特に園芸用土は水分を含むものが多くあり、重量が大きく、手が痛くなって手提げして運搬することはできなかった。比重の大きな液体が充填された袋においては、手提げの役には立たなかった。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、米や豆類等の穀物、ペット用飼料、肥料、園芸用土等の重量のある粒体や粉体あるいは各種液体が収納された重い袋を手提げして歩いても、手提げ孔部の変形が少なく、しかも手に優しく痛くならない重量物充填用の袋を提供することにある。
上記目的を達成するために、重量のある粒体や粉体あるいは各種液体が充填された袋をその手提げ孔に手指を通して手提げしたときに作用する力を分散するための手に優しく接触する補強シートを袋の前パネルと後パネルの間に挟み込んで熱シールし、かつその補強シートには前パネルと後パネルに設けられた手提げ孔よりも小さく形成された手提げ孔を設けたことを特徴とするものである。
さらに具体的には、
プラスチック製ラミネートフィルムからなり、かつ袋1を構成する前パネル2と後パネル3に共通の第一の手提げ孔4、5が形成された袋であって、
前パネル2と後パネル3との間に、ポリエチレン製フィルムからなる補強シート6が第一の手提げ孔4、5を塞ぐ大きさに切断されて挿入されており、
その補強シート6には第一の手提げ孔4、5よりも小さな第二の手提げ孔7が形成され、その手提げ孔7は第一の手提げ孔4、5の内側に配置され、
第一の手提げ孔4、5を挟むように袋1の両側縁に直交する2本または複数条、あるいは格子状等々の上口元シール10と下口元シール9が行われることにより補強シート6が前パネル2と後パネル3の間に融着され、
上口元シール10と距離を保って平行に補強シール11が行われることにより、補強シート6の上縁が袋からはみ出さないように閉塞されていることを特徴とする手提げ孔付き袋である。
上記の構成とすることにより、重量のある粒体や粉体あるいは各種液体が充填された袋1の第二の手提げ孔7に手指を挿入して手提げしたとき、補強シート6の手提げ孔7の内周上縁7bは掌と反対側、即ち指先側へL字状に折れ曲がって手指に当たることとなる。このとき、前パネル2と後パネル3の手提げ孔4、5の内周上縁4b、4bには充填物の重量による応力は直接作用しない。手提げ孔7の内周上縁7bは掌に強く当たらない。
ラミネートフィルムよりも柔らかく手触りのよい素材からなるポリエチレンフィルムから作られた補強シート6の手提げ孔7を、前後のパネル2、3の手提げ孔4、5よりも小さく形成することにより、手提げ孔7の内周下縁7bが折れ曲がって手の指腹に所定の幅を持って接触する手に優しい袋とすることができる。
補強シート6が前後のパネル2、3の間に下口元シール9と上口元シール10で溶着されて介在することにより、充填物の重量による応力は補強シート6に分散し、前後のパネル2、3の手提げ孔4、5の内周上縁4b、5bに集中せず、よって手提げ孔部4、5の破損を防ぐ袋となる。
肥料や園芸用土等は、米袋ほど丁寧な取り扱いをされることはまれであり、山積みされるときに放り投げられることも少なくない。また、園芸用土では屋外に多数野積みにされることが多い。補強シール6の上縁が上口元シール10よりもはみ出していると、取り扱いの際に補強シール6の上縁が引っ掛かって前後のパネル2、3を引き剥がすように作用し、上口元シール10のシール強度が弱いと補強シート6と前後のパネル2、3が分離しやすく、袋を手提げたときに作用する力が補強シート6から前後のパネル2、3にうまく分散しないおそれがある。前後のパネル2、3に力が分散しないと、一部に集中して手提げ孔4、5の周辺に亀裂が発生しやすく、本願発明の目的が達成できないこととなる。従って、上口元シール10の上側にこの上口元シール10と若干の距離を保って補強シール6の上縁を密閉するように補強シール11を行う。
以下、この発明の実施例を図1ないし図3に示す図面に基づいて説明する。
袋1は2枚のシートが重ね合わされており、前パネル2に充填物の品名や銘柄、後パネル3にメーカー名や精米所名等々が印刷されている。重ね合わされた前パネル2と後パネル3の所定位置に、第一の手提げ孔4と手提げ孔5が刃物で打ち抜かれている。この手提げ孔4、5は従来の手提げ孔よりも大きく形成されるものである。
前パネル2と後パネル3を一旦上下に分離し、その間へ第一の手提げ孔4、5を塞ぐ大きさに切断された補強シート6を挿入して後パネル3の内面に重ねた後、位置ズレを防ぐための仮止めを行う。仮止めの方法は、熱によるポイントシール、接着等々あまり強度を必要としない手段でよい。補強シート6の材質は、手に直接触れても痛さを感じにくいポリエチレンからなる。
続いて補強シート6に前記前パネル2と後パネル3に加工された手提げ孔4、5よりも一回り小さく形成された第二の手提げ孔7を刃物で打ち抜く。
第一の手提げ孔4、5の内周下縁4a、5aと第二の手提げ孔7の内周下縁7aはその位置が一致しているが、第二の手提げ孔7の内周上縁7bは第一の手提げ孔4、5の内周上縁4b、5bから所定距離だけ下方へ離れた内側に位置している。補強シート6における手提げ孔7の内周上縁7bと前後のパネル2、3における手提げ孔4、5の内周上縁4b、5bとの距離Xは、5mmから20mmぐらいが好ましい。
上記距離Xが小さいと、袋1が充填物の重量で変形したときに前後のパネル2、3における手提げ孔4、5の内周上縁4b、5bが手指の腹に直接当たって痛さを感ずるようになる。
手提げ孔4、5が一致するように前パネル2と後パネル3を再び重ね合わせ、フィルムの流れ方向の両側縁に直線状の側縁シール8を行う。続いてフィルムの流れ方向に直角方向に直線状に手提げ孔4、5を挟んで上下に下口元シール9と上口元シール10を行う。図1に示すように、上口元シール10の上側に若干の距離を保って補強シール11を行う。図2に示すように補強シール6の上縁を密閉するようにシールを行い、補強シール6の上縁が袋1から外側へはみ出さないようにする。
下口元シール9と上口元シール10及び補強シール11が行われた袋は、ギロチンカッターで一枚ずつカットして単葉の袋に仕上げるか、もしくは連続してロール状に巻取る。
単葉の袋の場合は、充填物を充填した後で底シールを行うことにより密封して商品とする。ロール状に巻き取られたものでは、その都度単葉にカットして充填物を充填した後底シールを行って密封する。
重量のある粒体や粉体あるいは液体等が充填された袋1において、手提げ孔4、5、7に手指を通して手提げると(図3に示す)、補強シート6に形成された手提げ孔7の内周上縁7bが掌と反対側へほぼL字状に折れ曲って、その部分が手指に当たり、前後のパネル2、3の手提げ孔4、5の内周上縁4b、5bが直接当たることはない。
上口元シール10の上側に、補強シール11が行われることにより補強シート6の上縁が袋からはみ出さない。補強シート6の上縁が袋内に保護されている。
上記実施例では、下口元シール9と上口元シール10がそれぞれ一条のみ直線状に行われているが、複数条の口元シールを行ってもよい。また、口元シールを格子状に行うか、充填物が漏れ出すおそれがない粒体の場合には多数の点からなる口元シールであってもよい。
は、この発明の実施の形態に係る袋の構成を示す正面図である。 は、同袋の一部を破断した正面図である。 は、同袋に充填物を充填した使用状態における断面図である。 は、従来の袋の斜視図である。 は、同袋に充填物を充填した状態の正面図である。
1・・・袋
2・・・前パネル
3・・・後パネル
4・・・手提げ孔
4a・・手提げ孔4の内周下縁
4b・・手提げ孔4の内周上縁
5・・・手提げ孔
5a・・手提げ孔5の内周下縁
5b・・手提げ孔5の内周上縁
6・・・補強シート
7・・・手提げ孔
7a・・手提げ孔7の内周下縁
7b・・手提げ孔7の内周上縁
8・・・側縁シール
9・・・下口元シール
10・・上口元シール
11・・補強シール

Claims (1)

  1. 重量のある粉体や粒体あるいは液体を充填するために厚手のプラスチック製ラミネートフィルムからなる袋であって、その袋1を構成する前パネル2と後パネル3に共通の第一の手提げ孔4、5が形成されおり、
    前パネル2と後パネル3との間に、ポリエチレン製フィルムからなる補強シート6が第一の手提げ孔4、5を塞ぐ大きさに切断されて挿入されており、
    その補強シート6には第一の手提げ孔4、5よりも小さな第二の手提げ孔7が形成されるとともに、その第二の手提げ孔7は第一の手提げ孔4、5の内側に配置され、
    第一の手提げ孔4、5を両側から挟むように袋1の両側縁に直交する下口元シール9と上口元シール10が行われることにより補強シート6が前パネル2と後パネル3の間に融着され、
    上口元シール10と距離を保ち平行に、かつ補強シート6の上縁よりも上側に、補強シール11が行われることにより袋の上縁が閉塞されていることを特徴とする手提げ孔付き袋。
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