JP4792258B2 - 反応性紫外線吸収剤およびその製造方法 - Google Patents

反応性紫外線吸収剤およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、アリル基もしくはメタリル基を含有する紫外線吸収剤に関し、特に他の単量体と共重合することにより、得られた重合物に紫外線吸収という機能を付与することができる紫外線吸収剤およびその製造方法に関する。
従来、紫外線吸収剤については数多くの製品が市販されており、塗料、コーティング剤、インク、プラスチックの成型品などに添加し、耐光性向上の目的で使用されている。しかしながら、これら市販の紫外線吸収剤は、通常非反応性の低分子化合物であるため、塗料、コーティング剤などの物品に使用した場合、塗膜からのブリードアウト現象があり、性能が維持できにくいこと、乾燥、加熱や成型時の熱によって昇華すること、また、溶剤や薬品にさらされたとき、塗膜から溶出することなどがあり、それらによって使用した量の紫外線吸収剤が物品中に含有および保持されなくなり、紫外線吸収剤の性能が保持されにくい場合があった。
そこで、これらの紫外線吸収剤に反応性基を持たせることにより、塗料、コーティング剤、インク、プラスチックなどに使用される樹脂と、直接反応させる方法が知られている(例えば、特許文献1、2を参照)。しかし、これらの反応性紫外線吸収剤の反応性基として知られているものは、アクリル基、ビニルエーテル基、エポキシ基などであり、これらの基は反応性が良すぎるため、他の単量体と共重合をするときに自己重合を起こしたり、保存中に重合したりして、その取り扱いが容易ではなかった。また、共重合したときに、重合物の中に均一に分布せず、分布がかたよってしまう場合があった。
さらに、反応性基を持った単量体が乳化性能を持っている場合は、乳化重合用の反応性乳化剤として樹脂と反応させることもできる(例えば、特許文献3、4を参照)。反応性乳化剤は、乳化重合をするときの乳化剤として使用し、重合終了時に乳化剤が樹脂と反応するものであり、アクリル基やエポキシ基などの反応性のよい反応基を有しているものは乳化重合がうまくできない。そこで現在はアリル基が主流の反応性基となっているが、今まで知られているアリル基含有の反応性乳化剤は、乳化剤としての機能しか持っておらず、重合物にその他の機能を付与するものは知られていなかった。
特開2003−40937号公報 特開2003−253248号公報 特開平11−349610号公報 特開2002−265505号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、樹脂などに耐候性を付与することができ、他の単量体との反応性が良好で、取り扱いが容易な反応性紫外線吸収剤を提供することである。また、重合物に耐候性を付与することのできる乳化重合用反応性乳化剤を提供することにある。
そこで本発明者らは鋭意検討し、特定の反応基を持つ紫外線吸収剤を見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、下記の一般式(1)
Figure 0004792258
(R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、もしくは酸素原子を含有してもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表わし、はアリル基またはメタリル基を表わし、Dは水素原子、アニオン性親水基、末端が水酸基のポリオキシアルキレン鎖、または末端にアニオン性親水基を導入したポリオキシアルキレン鎖を表わす)
で表わされることを特徴とする反応性紫外線吸収剤およびその製造方法である。
本発明の効果は、樹脂などに耐候性を付与することができ、他の単量体との反応性が良好で、取り扱いが容易な反応性紫外線吸収剤を提供したことであり、さらに、重合物に耐候性を付与することのできる乳化重合用反応性乳化剤を提供したことにある。
本発明の反応性紫外線吸収剤は、下記の一般式(1)で表わされる構造を持つものである。
Figure 0004792258
(R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、もしくは酸素原子を含有してもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表わし、Aはアリル基またはメタリル基を含有する基を表わす)
1〜R4はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、もしくは酸素原子を含有してもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表わし、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、2級ブチル基、ターシャリブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2級ペンチル基、ネオペンチル基、ターシャリペンチル基、ヘキシル基、2級ヘキシル基、ヘプチル基、2級ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、2級オクチル基、ノニル基、2級ノニル基、デシル基、2級デシル基、ウンデシル基、2級ウンデシル基、ドデシル基、2級ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、2級トリデシル基、テトラデシル基、2級テトラデシル基、ヘキサデシル基、2級ヘキサデシル基、オクタデシル基などのアルキル基;プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、イソペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、オレイル基などのアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基などのアルキルオキシ基が挙げられる。
Aは、アリル基またはメタリル基を含有する基であればいずれの基でもよく、アリル基やメタリル基に他の基が結合した基でもよい。こうした他の基としては、例えば、エーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ポリエーテル鎖、硫酸エステル基、スルホン酸基、リン酸エステル基、カルボン酸基、カチオン性基などが挙げられ、Aはこれら他の基を2種以上含有してもかまわない。好ましい基は、アニオン性親水基および/またはポリエーテル鎖である。
一般式(1)で表わされる化合物を製造する方法としては、公知の方法をいずれも使用することができ、例えば、下記一般式(2)で表わされる化合物に、アリル基やメタリル基を含有する化合物を反応させる方法や、他の基を反応させた後にアリル基やメタリル基を含有する化合物を反応させる方法などが挙げられる。
Figure 0004792258
(R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、もしくは酸素原子を含有してもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表わす)
具体的な反応方法としては、例えば、
(1)アリルクロライド、アリルブロマイド、メタリルクロライドなどのハロゲン化合物や、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物などの基を持ったアリル化合物またはメタリル化合物を、一般式(2)で表わされる化合物と反応する方法。
(2)一般式(2)で表わされる化合物にアルキレンオキシドを反応させた後に、上記のハロゲン化合物やエポキシ化合物を反応させる方法。
(3)ヘキサメチレンジイソシアネートやトリレンジイソシアネートなどの2価イソシアネートを一般式(2)で表わされる化合物に反応させ、その後アリルアルコール、アリルアミン、メタリルアルコールなどのアリル化合物やメタリル化合物を反応させる方法。
(4)モノエポキシ化合物を一般式(2)で表わされる化合物に反応させ、反応後に生成した水酸基にアリルグリシジルエーテルやメタリルグリシジルエーテルなどを反応させる方法。
(5)ジエポキシ化合物を一般式(2)で表わされる化合物に反応させ、未反応のエポキシ基にアリルアルコール、アリルアミン、メタリルアルコールなどのアリル化合物やメタリル化合物を反応させる方法。
(6)ジカルボン酸化合物を一般式(2)で表わされる化合物に反応させ、未反応のカルボキシル基にアリルアルコール、アリルアミン、メタリルアルコールなどのアリル化合物やメタリル化合物を反応させる方法などが挙げられる。
これらの中でも、副生物が少なく製造しやすいことから、アリル基またはメタリル基を持ったエポキシ化合物を一般式(2)で表わされる化合物に反応させるのが好ましく、アリルグリシジルエーテルの使用がより好ましい。
エポキシ基の開環反応には、必要に応じて触媒を使用することができる。使用できる触媒はエポキシ基の開環反応に使用するものであれば特に限定されず、例えば、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、三フッ化ホウ素またはそのエーテル錯塩、塩化アルミニウム、酸化バリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
上記アリル基またはメタリル基導入反応後に水酸基を含有する化合物が得られた場合には、この水酸基にさらなる化合物を反応させることもできる。こうした反応としては、例えば、アニオン性親水基、カチオン性親水基などのイオン性親水基の導入が挙げられ、このような基の中でも、特に好ましいのは、アニオン性親水基であり、例えば、−SO3M、−R5−SO3M、−R6−COOM、−PO32、−PO3MHまたは−CO−R7−COOMで表わされる基などが挙げられる。
上記のアニオン性親水基を表わす式中、Mは水素原子、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属原子、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属原子(但し、アルカリ土類金属原子は通常2価であるため1/2モルがMに相当)、NH4、モノメチルアミン、ジプロピルアミンなどのアルキルアミンの4級アンモニウムまたはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミンの4級アンモニウムを表わす。
5およびR6はメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンなどのアルキレン基を表わす。中でも原料の入手のしやすさから、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンなどの炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。
7は、二塩基酸またはその無水物の残基である。二塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸などの飽和脂環族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリレンジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ナジック酸(エンドメチレンテトラヒドロフタル酸)、メチルナジック酸、メチルブテニルテトラヒドロフタル酸、メチルペンテニルテトラヒドロフタル酸などの不飽和脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。これらは無水物の形で用いられてもよい。
こうしたアニオン性親水基の中でも、−SO3M、−PO32または−PO3MHで表わされる基が好ましく、−SO3Mがより好ましい。また、Mはアルカリ金属、4級アンモニウム、NH4が好ましく、4級アンモニウム、NH4がより好ましく、NH4がさらに好ましい。
イオン性親水基を表わす式中、−SO3Mで表わされるアニオン性親水基を導入するために硫酸エステル化する場合は、アニオン性親水化剤として、例えば、スルファミン酸、硫酸、無水硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸などを使用することができる。硫酸エステル化する場合の反応条件は、特に限定されないが、通常温度は室温〜150℃、圧力は常圧〜0.5MPa程度の加圧下、反応時間は1〜10時間程度である。必要に応じて、尿素などの触媒を使用してもよい。また、Mが水素原子の場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ、アンモニア、アルキルアミンまたはモノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどで中和を行ってもよい。
イオン性親水基を表わす式中、−R5−SO3Mで表わされるアニオン性親水基を導入する場合は、アニオン性親水化剤として、例えば、プロパンサルトン、ブタンサルトンなどを使用することができる。スルホン酸化する場合の反応条件は、特に限定されないが、通常温度は室温〜100℃、圧力は常圧〜0.5MPa程度の加圧下、反応時間は1〜10時間程度である。また、必要に応じて、溶剤を加えてもよい。また、Mが水素原子の場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ、アンモニア、アルキルアミンまたはモノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどで中和を行ってもよい。
イオン性親水基を表わす式中、−R6−COOMで表わされるアニオン性親水基を導入するためにカルボン酸化する場合は、アニオン性親水化剤としては、例えば、クロロ酢酸(R6がメチル基に相当)、クロロプロピオン酸(R6がエチル基に相当)またはこれらの塩などが使用できる。カルボン酸化する場合の反応条件は、特に限定されないが、通常温度は室温〜150℃、圧力は常圧〜0.5MPa程度の加圧下、反応時間は1〜10時間程度である。また、Mが水素原子の場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ、アンモニア、アルキルアミンまたはモノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどで中和を行ってもよい。
イオン性親水基を表わす式中、−PO32または−PO3MHで表わされるアニオン性親水基を導入するためにリン酸エステル化する場合は、アニオン性親水化剤としては、例えば、五酸化二リン、ポリリン酸、オルトリン酸、オキシ塩化リンなどが使用できる。リン酸化する場合には、モノエステル型の化合物とジエステル型の化合物が混合体として得られるが、これらは分離してもよいし、分離が難しい場合はそのまま混合物として使用してもよい。リン酸エルテル化する場合の反応条件は、特に限定されないが、通常温度は室温〜150℃、圧力は常圧、反応時間は1〜10時間程度である。また、Mが水素原子の場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ、アンモニア、アルキルアミンまたはモノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどで中和を行ってもよい。
イオン性親水基を表わす式中、−CO−R7−COOMで表わされるアニオン性親水基を導入するために二塩基酸化する場合は、アニオン性親水化剤としては、前述した二塩基酸またはその無水物などが使用できる。例えば、マレイン酸(R7がCH=CH基に相当)、フタル酸(R7がフェニル基に相当)またはこれらの塩またはこれらの無水物などが挙げられる。二塩基酸化する場合の反応条件は、特に限定されないが、通常温度は室温〜150℃、圧力は常圧、反応温度は1〜10時間程度である。必要に応じて、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリを触媒として使用してもよい。また、Mが水素原子の場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ、アンモニア、アルキルアミンまたはモノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどで中和を行ってもよい。
また、上記アリル基またはメタリル基導入反応後に水酸基を含有する化合物が得られた場合には、この水酸基にエチレンオキシドやプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加重合することもでき、さらにこれらのアルキレンオキシドを付加重合した後にできる末端の水酸基に、上記イオン性親水基を導入することもできる。こうしたイオン性親水基やアルキレンオキシドを導入することにより、耐候性という機能の他に、親水性などの機能を共重合したポリマーに付与することができる。
アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン(1,4−ブチレンオキシド)などが挙げられる。付加されるアルキレンオキシドの重合形態は限定されず、1種類のアルキレンオキシドの単独重合、2種類以上のアルキレンオキシドのランダム共重合、ブロック共重合またはランダム/ブロック共重合などであってよい。アルキレンオキシドを付加することにより、共重合して得られたポリマーに、例えば、エチレンオキシドを付加した場合であれば親水性などを付与することができ、プロピレンオキシドを付加した場合であれば柔軟性などを付与することができる。付加するアルキレンオキシドの重合度は特に限定されないが、1〜100モル付加することが好ましく、3〜50モル付加することがより好ましい。100モルより多く付加した場合は、付加量に見合った効果が出ない場合がある。
本発明の反応性紫外線吸収剤はベンゾフェノン骨格を有しており、このベンゾフェノン骨格が紫外線吸収機能を持つ。なお、本発明の反応性紫外線吸収剤は、このベンゾフェノン骨格を2つ有した2量体や、3量体以上のオリゴマーであってもよい。
本発明の反応性紫外線吸収剤は、樹脂に耐候性という機能を付与することができるが、構造によってはそれ以外の機能、例えば、親水性の調節、耐水性の向上、相溶性の向上、帯電防止性の向上、防曇性の向上、接着性の向上、染色性の向上、造膜性の向上、耐ブロッキング性の向上などの機能を付与することもできる。改質の対象となる樹脂は特に限定されず、あらゆる樹脂に使用可能であり、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリールエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂などに使用することができる。本発明の反応性紫外線吸収剤は、樹脂表面への塗工や、樹脂を加工する際に練りこむなどしても紫外線吸収の機能を発揮することもできるが、樹脂製造時に単量体成分の一つとして他の単量体と重合させることが好ましい。
本発明の反応性紫外線吸収剤の使用量は、単量体の種類、改質の目的、要求される性能などにより、種々変えることができるが、単量体に対して好ましくは0.1〜80質量%使用することができ、0.5〜60質量%使用することがより好ましい。また、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミドなどの架橋性ジビニル化合物などを通常の使用量の範囲で任意に使用することができる。
本発明の乳化重合用反応性乳化剤としては、本発明の反応性紫外線吸収剤を使用することができる。乳化重合用反応性乳化剤として使用するためには、反応性紫外線吸収剤が乳化剤としての機能を持っていなければならず、そのためには、イオン性親水基および/またはポリオキシアルキレン鎖を含有していることが好ましい。これら乳化剤としての機能を持つ反応性紫外線吸収剤は、先に記載したイオン性親水基やアルキレンオキシドを分子内に導入することで得られる。イオン性親水基の好ましい種類や範囲および製造方法は、先に記載した通りである。
アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン(1,4−ブチレンオキシド)などが挙げられる。これらの中でも、乳化性を制御しやすいという観点から、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドを使用することが好ましい。付加されるアルキレンオキシドの重合形態は限定されず、1種類のアルキレンオキシドの単独重合、2種類以上のアルキレンオキシドのランダム共重合、ブロック共重合またはランダム/ブロック共重合などであってよい。
また、乳化重合用反応性乳化剤として使用する場合は、全アルキレンオキシド中のエチレンオキシドの割合が50〜100モル%になるように付加するのが好ましく、60〜100モル%がより好ましく、80〜100モル%がさらに好ましく、100モル%が最も好ましい。エチレンオキシドの割合が50モル%未満になると、乳化性能が劣る場合がある。重合度としては、1〜100モル付加が好ましく、1〜80モル付加がより好ましく、3〜30モル付加がさらに好ましい。100モルより多く付加した場合は、付加量に見合った効果が出ない場合がある。さらに、これらのアルキレンオキシドの末端にイオン性親水基を導入する場合は、上記の方法で導入することができ、好ましい種類や範囲および製造方法は先に記載した通りである。
本発明の乳化重合用反応性乳化剤は、従来公知の乳化重合用反応性乳化剤で使用する、通常の使用量の範囲で任意に使用することができるが、概ね原料単量体に対して、好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは0.2〜10質量%、最も好ましくは0.3〜5質量%で使用することができる。また、本発明の乳化重合用反応性乳化剤と他の反応性または非反応性乳化剤との併用も可能である。また、乳化重合する単量体に特に制限はないが、好ましくはアクリレート系エマルション、スチレン系エマルション、酢酸ビニル系エマルション、SBR(スチレン/ブタジエン)エマルション、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)エマルション、BR(ブタジエン)エマルション、IR(イソプレン)エマルション、NBR(アクリロニトリル/ブタジエン)エマルションなどを形成するための単量体に好適に使用できる。
アクリレート系エマルション用単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸(エステル)同士、(メタ)アクリル酸(エステル)/スチレン、(メタ)アクリル酸(エステル)/酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸(エステル)/アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸(エステル)/ブタジエン、(メタ)アクリル酸(エステル)/塩化ビニリデン、(メタ)アクリル酸(エステル)/アリルアミン、(メタ)アクリル酸(エステル)/ビニルピリジン、(メタ)アクリル酸(エステル)/アルキロールアミド、(メタ)アクリル酸(エステル)/N,N−ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸(エステル)/N,N−ジエチルアミノエチルビニルエーテル、シクロヘキシルメタクリレート系などが挙げられる。
スチレン系エマルション用単量体としては、スチレン単独の他、例えば、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/ブタジエン、スチレン/フマルニトリル、スチレン/マレインニトリル、スチレン/シアノアクリル酸エステル、スチレン/酢酸フェニルビニル、スチレン/クロロメチルスチレン、スチレン/ジクロロスチレン、スチレン/ビニルカルバゾール、スチレン/N,N−ジフェニルアクリルアミド、スチレン/メチルスチレン、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン、スチレン/アクリロニトリル/メチルスチレン、スチレン/アクリロニトリル/ビニルカルバゾール、スチレン/マレイン酸などが挙げられる。
酢酸ビニル系エマルション用単量体としては、酢酸ビニル単独の他、例えば、酢酸ビニル/スチレン、酢酸ビニル/塩化ビニル、酢酸ビニル/アクリロニトリル、酢酸ビニル/マレイン酸(エステル)、酢酸ビニル/フマル酸(エステル)、酢酸ビニル/エチレン、酢酸ビニル/プロピレン、酢酸ビニル/イソブチレン、酢酸ビニル/塩化ビニリデン、酢酸ビニル/シクロペンタジエン、酢酸ビニル/クロトン酸、酢酸ビニル/アクロレイン、酢酸ビニル/アルキルビニルエーテルなどが挙げられる。
本発明の乳化重合用反応性乳化剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分と併用することができる。その他の成分としては、例えば、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルカノールアミドなどの非イオン性界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、α−オレフィンスルホネート、アシル化イセチオネート、アシル化アミノ酸、アシル化ポリペプチド、脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボキシレートなどのアニオン性界面活性剤;ステアリルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、ポリジメチルジアリルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤;アルキルカルボベタイン、アミドプロピルカルボベタイン、イミダゾリニウムベタインなどの両性界面活性剤;アルキルアミンオキサイドなどの半極性界面活性剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、エタノール、パラトルエンスルホン酸などの溶剤;エチレンジアミン4酢酸塩(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸(HEDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、アスパラギン酸−N,N−ジ酢酸、N−ヒドロキシエチルイミノジ酢酸またはこれらの塩などのアミノカルボン酸類、クエン酸、グルコン酸、グリコール酸、酒石酸またはこれらの塩などのオキシカルボン酸類などの金属イオン封鎖剤;硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム(芒硝)、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムなどの無機塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ;モノエタノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−エチルモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アミノエチルエタノールアミンなどのアルカノールアミン;ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウム−オレフィン共重合体などの分散剤;増粘剤などを含有することができる。
本発明の重合物は、本発明の反応性紫外線吸収剤や乳化重合用反応性乳化剤と、他の単量体との共重合によって得られる重合物である。得られた重合物は、各種プラスチック製品、塗料、接着剤、粘着剤、インク、フィルム、コーティング剤、紙塗工剤、サイズ剤、シーラーなどに使用することができる。
以下本発明を実施例により、具体的に説明する。
(製造例1)
攪拌機、温度計および窒素導入管を備えた3,000cm3のステンレス製加圧反応装置に、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン1,070g(5モル)および触媒として水酸化ナトリウム10gを仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後、アリルグリシジルエーテル570g(5モル)を90℃でフィードし、フィード終了後、90℃で5時間熟成した。熟成終了後、吸着剤を使用して触媒の水酸化ナトリウムを除去し、本発明の下記化合物Aを得た。
Figure 0004792258
(製造例2)
製造例1と同様の装置に、2,2’,4−トリヒドロキシ−4’−オクチルベンゾフェノン1,710g(5モル)および触媒として水酸化ナトリウム10gを仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後、アリルグリシジルエーテル570g(5モル)を90℃でフィードし、フィード終了後、90℃で5時間熟成した。熟成終了後、吸着剤を使用して触媒の水酸化ナトリウムを除去し、本発明の下記化合物Bを得た。
Figure 0004792258
(製造例3)
製造例1と同様の装置に、2,4−ジヒドロキシ−4’−メトキシベンゾフェノン1,220g(5モル)および触媒として水酸化ナトリウム5gを仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後、ヘキサメチレンジイソシアネート840g(5モル)を60℃でフィードし、フィード終了後、90℃で2時間熟成した。熟成終了後、メタリルアルコール360g(5モル)を90℃でフィードし、フィード終了後、90℃で3時間熟成した。その後、吸着剤を使用して触媒の水酸化ナトリウムを除去し、本発明の下記化合物Cを得た。
Figure 0004792258
(製造例4)
製造例1と同様の装置に、2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンゾフェノン1,140g(5モル)、コハク酸590g(5モル)および触媒として水酸化ナトリウム10gを仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後180℃まで昇温した。その後、エステル化反応で出てくる水を除去しながら徐々に減圧を行い、1.3kPaまで減圧して、その減圧度のまま180℃で3時間熟成した。熟成終了後、80℃まで冷却および常圧に戻し、アリルアルコール290g(5モル)を添加し、再び180℃および1.3kPaの減圧度で3時間エステル化反応を行った。反応終了後、吸着剤を使用して触媒の水酸化ナトリウムを除去し、本発明の下記化合物Dを得た。
Figure 0004792258
(製造例5)
製造例1と同様の装置に、前記化合物A984g(3モル)、スルファミン酸291g(3モル)および触媒として尿素4gを仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後120℃に昇温し、同温度で8時間反応させた後、ろ過にて触媒を除去し、本発明の下記化合物Eを得た。
Figure 0004792258
(製造例6)
製造例1と同様の装置に、前記化合物A984g(3モル)および触媒として水酸化カリウム3gを仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後、エチレンオキシド1,980g(45モル)を120℃で3時間かけてフィードした。フィード終了後、120℃で2時間熟成し、反応終了後、吸着剤を使用して触媒の水酸化カリウムを除去し、本発明の下記化合物Fを得た。
Figure 0004792258
(製造例7)
製造例1と同様の装置に、2,4−ジヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン1,140g(5モル)および触媒として水酸化ナトリウム10gを仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後、アリルグリシジルエーテル570g(5モル)を90℃でフィードし、フィード終了後、90℃で5時間熟成した。熟成終了後120℃に昇温し、同温度でエチレンオキシド2,200g(50モル)を3時間かけてフィードし、120℃で2時間熟成させた。熟成後、吸着剤を使用して触媒の水酸化ナトリウムを除去し、スルファミン酸485g(5モル)および触媒として尿素11gを仕込み、120℃で8時間反応させた後、ろ過にて触媒を除去し、本発明の下記化合物Gを得た。
Figure 0004792258
(製造例8)
製造例1と同様の装置に、前記化合物A984g(3モル)および無水マレイン酸294g(3モル)を仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後、80℃で6時間エステル化反応した後、水酸化カリウムで中和し、本発明の下記化合物Hを得た。
Figure 0004792258
(製造例9)
製造例1と同様の装置に、前記化合物A984g(3モル)を仕込み、40℃で五酸化二リン284g(2モル)を1時間かけて添加した後、80℃で2時間熟成した。このあと、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、本発明の下記化合物Iを得た。なお、化合物Iは、リン酸モノエステルとリン酸ジエステルが1対1(モル比)の混合物であった。
Figure 0004792258
以下の化合物は比較用の化合物である。
Figure 0004792258
Figure 0004792258
Figure 0004792258
実施例1および参考例
本発明の反応性紫外線吸収剤(前記化合物A,B,E)の樹脂改質剤として性能を見るために、スチレンの溶液重合を行い、得られた樹脂の耐候性を評価した。反応性紫外線吸収剤(前記化合物C,D)について参考例として同様の評価を行った。
<重合方法>
撹拌機、温度計および窒素導入管を備えた500mlのステンレス製加圧反応装置にキシレン100gを仕込み、系内を窒素ガスで置換した。別にスチレン150g、本発明の反応性紫外線吸収剤(化合物A〜E)をそれぞれ7.5g、過酸化ベンゾイル2gおよびジターシャリブチルパーオキサイド1gからなる5種の混合溶液を調製し、それぞれ反応温度130℃で上記5種の混合溶液を2時間かけて反応容器内に連続的に滴下した。滴下終了後、さらにキシレン10g、過酸化ベンゾイル0.5gおよびジターシャリブチルパーオキサイド0.5gからなる混合溶液をそれぞれ滴下し、130℃で2時間反応させ、その後冷却して5種の重合体溶液を得た。これらの重合体溶液から得られる試験片について以下の耐候性試験を行った。なお、比較例として本発明の反応性紫外線吸収剤を含まないスチレンホモポリマー溶液を同様の反応によって得た。また、得られたスチレンホモポリマー溶液(固形分150g)に対して、前記化合物Lを7.5g添加した重合体溶液についても以下の耐候性試験を行った。
<耐候性試験>
上記で得た7種の重合体溶液を、50mm×70mmのガラス板に厚さ1mmになるように塗布および乾燥して成膜した7種の試験片を作成した。耐候性試験法としては、サンシャインウエザオメーター(スガ試験機(株)製WEL−SUN−HCH−B型)を用いて促進耐候性試験を行った。試験条件は、温度:63±3℃、サイクル:120分中18分降雨、時間は2,000hrである。耐候性試験後の各試験片を光沢計((株)村上色彩技術研究所製 GM26D型)を使用して光沢を測定して光沢保持率を求めた。測定角は60度で、光沢保持率は、光沢保持率(%)=[試験後の光沢/試験前の光沢]×100である。保持率が高いほど光沢が低下しにくく、耐候性に優れていることを示す。結果を表1に示す。
Figure 0004792258
実施例2
本発明の反応性紫外線吸収剤(前記化合物F〜I)と比較の乳化剤(前記化合物J、K)を使用し、アクリル酸ブチル/アクリル酸メチル/アクリル酸=49/49/2(質量比)の混合物を単量体としてそれぞれ乳化重合を行い、得られた6種の重合体の耐水性と耐候性を測定した。
<重合方法>
実施例1と同様の装置に、脱イオン水120gを仕込み、系内を窒素ガスで置換した。別に混合単量体(アクリル酸ブチル/アクリル酸メチル/アクリル酸=49/49/2(質量比))100gに前記化合物F〜Kの乳化重合用乳化剤4gをそれぞれ溶解し6種の単量体乳化液を得た。それぞれの単量体乳化液10gと過硫酸アンモニウム0.08gとを反応容器に加え60℃に昇温した。その後、残りの単量体乳化液を2時間かけてそれぞれの反応容器内に連続的に滴下し、滴下終了後同温度で2時間熟成して6種の重合体エマルションを得た。
<耐水性試験>
上記6種の重合体エマルションをそれぞれ0.2mmの厚さのポリマーフィルムになるようにガラス板にそれぞれ塗布および乾燥して成膜し、得られた6種の試験片をそれぞれ50℃の水に浸漬した。それぞれについて、ポリマーフィルムが白化して、ポリマーフィルムを通して8ポイントの文字が判別できなくなるまでの時間を測定し、耐水性の評価とした。評価の基準は以下の通りである。結果を表2に示す。
○:24時間以上
△:5時間以上
×:1時間未満
<耐候性試験>
上記乳化重合によって得た6種の重合体エマルションを、50mm×70mmのガラス板にそれぞれ厚さ0.2mmになるように塗布および乾燥して成膜して6種の試験片を作成した。耐候性試験法としては、サンシャインウエザオメーター(スガ試験機(株)製WEL−SUN−HCH−B型)を用いて促進耐候性試験を行った。試験条件は、温度:63±3℃、サイクル:120分中18分降雨、時間は2,000hrである。
耐候性試験後の各試験片を光沢計((株)村上色彩技術研究所製 GM26D型)を使用して光沢を測定して光沢保持率を求めた。測定角は60度で、光沢保持率は、光沢保持率(%)=[試験後の光沢/試験前の光沢]×100である。保持率が高いほど光沢が低下しにくく、耐候性に優れていることを示す。結果を表2に示す。
Figure 0004792258
表1から、本発明の反応性紫外線吸収剤を使用した場合(試験片A〜E)と、使用しない場合(試験片X、Y)では明らかに耐候性に差が生じ、従来の紫外線吸収剤を添加しただけでは、持続力に問題があるため耐候性に劣る結果となった。また、表2から、本発明の反応性紫外線吸収剤を乳化剤として使用した場合(試験片F〜I)、従来の反応性乳化剤を使用した場合(試験片J)および従来の非反応性乳化剤を使用した場合(試験片K)とを比較すると、明らかに耐候性が良好なエマルションが得られることがわかった。
本発明の反応性紫外線吸収剤は、樹脂などに耐候性を付与することができ、他の単量体との反応性が良好で、取り扱いが容易な反応性紫外線吸収剤であり、さらに、重合物に耐候性を付与することのできる乳化重合用乳化剤としても有用である。

Claims (7)

  1. 下記の一般式(1)
    Figure 0004792258
    (R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、もしくは酸素原子を含有してもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表わし、はアリル基またはメタリル基を表わし、Dは水素原子、アニオン性親水基、末端が水酸基のポリオキシアルキレン鎖、または末端にアニオン性親水基を導入したポリオキシアルキレン鎖を表わす)
    で表わされることを特徴とする反応性紫外線吸収剤。
  2. 下記の一般式(3)
    Figure 0004792258
    (R 8 は炭素数2〜4のアルキレン基を表わし、nは0〜100の整数を表わし、Xは水素原子またはアニオン性親水基を表わす)
    で表される請求項1に記載の反応性紫外線吸収剤。
  3. 下記の一般式(2)
    Figure 0004792258
    (R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、もしくは酸素原子を含有してもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表わす)
    で表わされる化合物に、アリルグリシジルエーテルまたはメタリルグリシジルエーテルを反応させる工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の反応性紫外線吸収剤の製造方法。
  4. 前記工程後に、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加重合させて前記一般式(3)で表わされる反応性紫外線吸収剤を得る請求項3に記載の反応性紫外線吸収剤の製造方法。
  5. らにアニオン性親水基を付与させる請求項3または4に記載の反応性紫外線吸収剤の製造方法。
  6. 請求項1または2に記載の反応性紫外線吸収剤からなることを特徴とする乳化重合用反応性乳化剤。
  7. 請求項1または2に記載の反応性紫外線吸収剤を使用して得られたことを特徴とする重合物。
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