JP4792021B2 - 2サイクル内燃エンジン用エアクリーナ及び該エアクリーナを使った混合気通路の通路長さ調整方法 - Google Patents

2サイクル内燃エンジン用エアクリーナ及び該エアクリーナを使った混合気通路の通路長さ調整方法 Download PDF

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本発明は、2サイクル内燃エンジンに関し、典型的には、チェンソーや刈払い機のような携帯型動力作業機の動力源として用いられるエンジン用のエアクリーナ及び該エアクリーナを使った混合気通路の通路長さ調整方法に関する。
従来から刈払機やチェンソー等の携帯型動力作業機の動力源として2サイクルガソリンエンジンが用いられている。この種の2サイクル内燃エンジンは、クランク室で予圧縮した混合気を使って燃焼室の掃気が行われる。具体的には、ピストン上昇時に前記クランク室に混合気が導入され、このクランク室内に導入された混合気はピストンの下降動作によって予圧縮されると共に、この予圧縮された混合気が掃気行程で燃前記焼室に導入されて燃焼室の掃気が行われる。
このように2サイクル内燃エンジンにあっては、混合気のガス流動を使って前記燃焼室内の掃気を行うことから、前記燃焼室に導入された混合気(未燃ガス)が燃焼ガスと一緒に大気中に排出されてしまうという、いわゆる「吹き抜け」の問題を有しており、この「吹き抜け」現象によって2サイクルエンジンの排ガス対策を困難にしているのが現状である。
「混合気の吹き抜け」を抑制するための技術として、例えば特許文献1、2に見られる層状掃気が知られている。この層状掃気は、「エアによる初期掃気」とも呼ばれる。特許文献1、2は、混合気を生成する混合気通路と、燃料を含まないエアが通過するエア通路とを備えた気化器を開示している。そして、特許文献1、2に開示の気化器には、共通のエアクリーナを通じて浄化したエアが前記混合気通路及び前記エア通路に供給される。
この種のエンジンに関する典型的なエアクリーナは、特許文献2中に従来例として挙げられているように(同文献の図9)、前記気化器の前記混合気通路及び前記エア通路に関連して開口した一つの筒状のエア取り入れ口を有し、この共通のエア取り入れ口を通じて前記混合気通路及び前記エア通路にエアが供給されるようになっていた。しかし、特許文献2でも指摘しているように、前記気化器の混合気通路からの吹き返しによって前記エアクリーナに逆流した混合気が前記エア通路に流入し、これによって初期掃気に用いるフレッシュエア中に燃料が混入してしまい、その結果、エンジンから燃焼ガスと共に未燃成分が排出されてしまうという問題があった。この問題は、言うまでもないことであるが、環境問題から排気ガス浄化の要請が高まっている現在においては改善すべき技術的課題の一つとして挙げることができる。
特許文献2は、この技術的課題に対して、前記エアクリーナの前記共通のエア取り入れ口にバッフルプレートを設けることを提案している。すなわち、特許文献2は、前記気化器の前記混合気通路からの「吹き返し」によって前記エアクリーナに逆流した混合気が前記エア通路に流入するのを阻止することを目的として、前記気化器に通じる前記エアクリーナのエア取り入れ口を、前記気化器の前記混合気通路に通じる第一エア取り入れ口と、前記エア通路に通じる第2エア取り入れ口とに区画し、これら第1、第二のエア取り入れ口の間に邪魔壁を設けることを提案している。
特開2001−55958号公報 特開2000−170611号公報
本発明の目的は、排気ガス中に含まれる有害物質を低減することのできる2サイクル内燃エンジン用エアクリーナを提供することにある。
本発明の更なる目的は、排気ガス中に含まれる有害物質を低減しつつエンジン特性を変化させることのできる2サイクル内燃エンジン用エアクリーナ及び混合気通路の通路長さ調整方法を提供することにある。
上記の技術的課題は、本発明の一つの観点によれば、
2サイクル内燃エンジンの吸気系の一部を構成する気化器が、混合気を生成する混合気通路と、燃料を含まない層状掃気用のフレッシュエアが通過するフレッシュエア通路とを備え、これら混合気通路とフレッシュエア通路とに、エアクリーナエレメントで浄化した浄化エアを供給するエアクリーナであって、
前記気化器の前記混合気通路に連通した混合気用開口と、前記気化器の前記フレッシュエア通路に連通したフレッシュエア用開口とを備え且つ吸気系部品に脱着可能に取り付けられたエアクリーナベースと;
該エアクリーナベースの前記混合気用開口に設けられたエア案内部材とを有し;
該エア案内部材が、前記混合気用開口の近傍で湾曲した後に前記エアクリーナベースに沿って延びる形状を有し且つ周囲壁で囲まれた通路断面を備え、
該エア案内部材によって、該エア案内部材の内部に前記浄化エアを取り込む第一浄化エア取り入れ口と、該第一浄化エア取り入れ口と前記エアクリーナベースの前記混合気用開口との間に亘って延びる混合気用エア延長通路が形成され
前記エアクリーナベースが、前記フレッシュエア用開口から起立し且つ前記エア案内部材の内部に位置する筒状ボスを更に有し、
該筒状ボスの側壁に、前記混合気用開口とは反対方向に開放した第二浄化エア取り入れ口が形成され、
該第二浄化エア取り入れ口が、前記エア案内部材の前記第一浄化エア取り入れ口と同じ高さレベルに位置していることを特徴とする2サイクル内燃エンジン用エアクリーナを提供することにより達成される。
また、本発明の他の観点によれば、上記の技術的課題は、
2サイクル内燃エンジンの吸気系の一部を構成する気化器が、混合気を生成する混合気通路と、燃料を含まない層状掃気用のフレッシュエアが通過するフレッシュエア通路とを備え、これら混合気通路とフレッシュエア通路とに、エアクリーナエレメントで浄化した浄化エアを供給するエアクリーナであって、
前記気化器の前記混合気通路に連通した混合気用開口と、前記気化器の前記フレッシュエア通路に連通したフレッシュエア用開口とを備え且つ吸気系部品に脱着可能に取り付けられたエアクリーナベースと、
前記エアクリーナベースの前記フレッシュエア用開口から起立し且つ前記混合気用開口とは反対側に開放した第二浄化エア取り入れ口を備えた筒状ボスと、
該エアクリーナベースの前記混合気用開口に設けられたエア案内部材とを有し、
該エア案内部材が、前記円筒ボスの周囲に沿って湾曲して延び且つ周囲壁で囲まれた通路断面を備え、
該エア案内部材の先端が前記第二浄化エア取り入れ口と同じ方向に開放し且つ前記第二浄化エア取り入れ口と同じ高さレベルに位置する第一浄化エア取り入れ口を構成していることを特徴とする2サイクル内燃エンジン用エアクリーナを提供することにより達成される。
図1を参照して本発明の基本概念を参考のために説明する。図1の参照符号300は、層状掃気式の2サイクルエンジンの吸気系を示す。吸気系300は、従来と同様に、その上流端にエアクリーナ302を有し、エアクリーナ302内のエアクリーナエレメント304で浄化したエアが2サイクルエンジン(図示せず)に供給される。エアクリーナ302は、吸気系部品(典型的には気化器306)に、例えばボルトなどを使って脱着可能に取り付けられたエアクリーナベース308と、アウターケース310とで構成されている。アウターケース310は比較的簡単な操作によってエアクリーナベース308から取り外すことができる。アウターケース310をエアクリーナベース308から取り外すことでエアクリーナエレメント304を掃除又は交換することができる。
気化器306は、燃料を含まない層状掃気用のフレッシュエアが通過するフレッシュエア通路312と、混合気を生成する混合気通路314とを有し、フレッシュエア通路312と混合気通路314とは互いに独立している。エアクリーナベース308は、気化器306の混合気通路314に通じる混合気用開口316と、気化器306のフレッシュエア通路312に通じるフレッシュエア用開口318とを有し、これら混合気用開口316、フレッシュエア用開口318は互いに独立している。
エアクリーナベース308はエア案内部材320を有している。典型的には、エアクリーナベース308及びエア案内部材320は共にプラスチック成型品である。図1の例では、エア案内部材320をエアクリーナベース308に固着することにより、エア案内部材320は、エアクリーナベース308に一体化されており、エアクリーナベース308から脱着不能である。
エア案内部材320は、混合気用開口316の近傍で湾曲した後にエアクリーナベース308に沿って横方向に延びる形状を有している。その最も典型的な例が側面視でL字状である。そして、エア案内部材320は、周囲壁320aで囲まれた通路断面Sを備えている。周囲壁320aの一部をエアクリーナベース308で構成してもよい。
エア案内部材320は、その先端に開口322を有している。この開口322は、エアクリーナエレメント304によって浄化されたエアをエア案内部材320の内部に取り込む第一浄化エア取り入れ口を構成し、この第一浄化エア取り入れ口322はエア案内部材320のL字状の混合気用エア延長通路324を通じてエアクリーナベース308の混合気用開口316に連通している。なお、図1に例示のエア案内部材320は筒を折り曲げた形状で図示してあるが、例えば第一浄化エア取り入れ口をラッパ状に拡開して混合気用エア延長通路324の容積を拡大してもよく、また、エア案内部材320の長手方向途中部分を拡大するなどにより、混合気用エア延長通路324の容積を拡大してもよい。
気化器306の混合気通路314からの吹き返しガスは、エア案内部材320の湾曲した通路形状によって該エア案内部材320の湾曲した部分で受け止められ、該エア案内部材320の第一浄化エア取り入れ口322から外部に流出してエアクリーナ302の中に漏れ出るのを抑えることができる。したがって、吹き返しガス中の燃料成分がエアクリーナベース308のフレッシュエア用開口318を通じて気化器306のフレッシュエア通路312に侵入してしまうのを抑制することができ、これにより2サイクル内燃エンジンの排気ガス中に含まれる有害物質を低減することができる。
吹き返しガス中の燃料成分がエアクリーナベース308のフレッシュエア用開口318に流入するのを低減するのに、エア案内部材320の第一浄化エア取り入れ口322は、エアクリーナベース308のフレッシュエア用開口318から遠ざけるのが好ましい。すなわち、第一浄化エア取り入れ口322とフレッシュエア用開口318の間の距離Dが大きくなるように設計するのが好ましい。
図1に例示するように、エア案内部材320の混合気用エア延長通路324の長さの異なるエアクリーナベース308を複数種類用意して、ユーザの選択により、ユーザが希望するエンジン特性となるエアクリーナベース308をエンジンに組み込むようにしてもよい。
エア案内部材320の混合気用エア延長通路324の長さを変更するという簡単な手段によって、ユーザが希望するエンジン特性を備えた2サイクルエンジンをユーザに提供するという考え方に従うときに、エンジンチューニングを極めて容易にする図2〜図4に例示するように種々の変形例を提案することができる。
図2は第2の参考例を示す。図2を参照して、エア案内部材320の先端部に関するハーフ部材326を用意し、このハーフ部材326をエア案内部材320に装着するか否かによってエンジン特性を変化させるようにしてもよい。勿論、長さ寸法の異なる複数種類のハーフ部材326を用意し、ユーザが希望するエンジン特性となるハーフ部材326を選択して、選択したハーフ部材326をエア案内部材320の先端部に組み付けるようにしてもよい。
図3は第3の参考例を示し、この第3の参考例ではエア案内部材320がエアクリーナベース308から脱着可能である。そして、混合気用エア延長通路324の長さの異なるエア案内部材320が複数用意される。これにより、ユーザが希望するエンジン特性となるエア案内部材320を選択し、そして、選択したエア案内部材320をエアクリーナベース308に装着することができる。
図4は第4の参考例を示す。この第4の参考例にあっては、エア案内部材320は、その先端部分が周囲壁320aの一部を切り欠いた形状を有し、この周囲壁の切欠き部分328に相補的周囲壁部材330が脱着可能に装着される。この第三の例によれば、相補的周囲壁部材330を装着しないときには、エア案内部材320によって形成される混合気用エア延長通路324は、エアクリーナベース308のフレッシュエア用開口318から切欠き部分328までの短縮した長さになり、相補的周囲壁部材330を装着することにより、混合気用エア延長通路324を延長することができる。したがって、この相補的周囲壁部材330をエア案内部材320に装着するか否かによってエンジン特性を変化させることができる。勿論、長さ寸法の異なる複数種類の相補的周囲壁部材330を用意し、ユーザが希望するエンジン特性となる相補的周囲壁部材300を選択して、選択した相補的周囲壁部材300を切欠き部分328に装着するようにしてもよい。
本発明の上記目的及び他の目的、また、作用効果は、以下の本発明の好ましい実施の形態によって明らかになろう。
図5〜図15は、実施例のエアクリーナを適用するのに好適な2サイクル内燃エンジンを例示するものである。図示のエンジン1は、単気筒エンジンであり、刈払い機などの携帯型動力作業機等の動力源として使用される四流掃気式の小型空冷式2サイクルガソリンエンジンである。
図5を参照して、前記エンジン1は、冷却フィン2aを備えたシリンダブロック2と、該シリンダブロック2の下端に連結されたクランクケース3とを有し、前記シリンダブロック2に形成されたシリンダボア4にはピストン5が往復動可能に嵌装され、該ピストン5によって燃焼室6が画成されている。
前記燃焼室6はスキッシュドーム形(半球形)が採用され、その頂部に臨んで点火プラグ7が配置されている。また、前記クランクケース3によって画成されたクランク室8には、前記クランクケース3に軸支されたクランクシャフト9が回転自在に配設されている。図5中、参照符号Oは、前記クランクシャフト9の回転中心を示す。前記クランクシャフト9と前記ピストン5とはコンロッド10を介して連結されている。前記ピストン5の往復動は前記クランクシャフト9によって回転運動に変換され、回転する前記クランクシャフト9によって前記エンジン1の動力が出力される。
横断面図である図6を参照して、前記シリンダブロック2には、前記シリンダボア4に臨んで排気ガスEを外部に排出する単一の排気ポート11と、該排気ポート11の中心と前記シリンダボア4の中心とを結ぶ仮想中心線CL(図6)を挟んで左右対称に、シュニューレ掃気方式の一対の第一、第二の掃気ポート12、12、13、13が形成され、各対の掃気ポート12、13は前記シリンダブロック2の矩形の側部開口17を通じて外部に開放されている(図9)。
図5に戻って、前記排気ポート11に近位の前記第一掃気ポート12及び前記排気ポート11から遠位の前記第二掃気ポート13に関し、前記シリンダボア4に臨む前記第一、第二掃気ポート12、13の矩形の第一、第二の掃気窓14、15が前記排気ポート11の上端縁11aよりも低い位置に設置されている。図5から最も良く分かるように、ここに注意すべきことは、前記第一、第二の掃気窓14、15の上縁14a、上縁15aの高さレベルが異なっている点であり、前記第一掃気窓14の上縁14aが前記第二掃気窓15の上縁15aよりも低い高さ位置に設定されている。換言すれば、前記排気ポート11から遠位の前記第二掃気窓15の上縁15aは前記排気ポート11に近位の前記第一掃気窓14よりも相対的に△hだけ高い位置に設定されている(図5)。
つまり、この2サイクルエンジン1は、前記ピストン5が下降動する過程で、先ず前記排気ポート11が開き、次の掃気行程では、前記排気ポート11から遠位の前記第二掃気ポート13が開いた後に、前記排気ポート11に近位の前記第一掃気ポート12が開くように設定されている。
前記第一、第二の掃気ポート12、13は、図6から最も良く分かるように、水平面において前記排気ポート11とは反対側に傾斜した方向に指向されており、また、図7から最も良く分かるように、垂直面において上方に角度θ(仰角)の方向に指向されている。なお、図7では、第二掃気ポート13だけが図示されているが、第一掃気ポート12についてもその指向方向が仰角に設定されていると理解されたい。
前記第一、第二の掃気ポート12、13の仰角の角度は共通であってもよいし、異なっていてもよい。最も好ましくは、第二掃気ポート13の仰角は、第一掃気ポート12の仰角よりも大きな値に設定されるのがよい。
図5から理解できるように、前記シリンダブロック2には、前記排気ポート11が設けられた排気側フランジ18と径方向反対側に吸気側フランジ19が設けられ、この吸気側フランジ19には、上下に離置した2つの通路20、21が形成されている。図8は吸気側フランジ19だけを抽出した正面図である。図5、図8を参照して、横方向に長い横長の長円形状の上側の通路20は、燃料を含まないエアAが通過するエア用通路である、下側の矩形の通路21は、混合気Mが通過する混合気用通路である。
前記吸気側フランジ19には、後に詳しく説明するエアクリーナ及び気化器を含む吸気系部品が接続され、特開2000−240457号公報にも記載されているように気化器内の独立した通路を通じて、燃料を含まないフレッシュエアAが上側の前記エア用通路20に供給され、他方、下側の前記混合気用通路21には混合気Mが供給される。
前記混合気用通路21は、前記シリンダボア4の下端部に臨む混合気用出口21aを通じて前記クランク室8と連通しており(図5)、前記ピストン5が上昇する過程で前記混合気用出口21aを通じて前記クランク室8へ混合気Mが充填される。
前記シリンダブロック2には、前記シリンダボア4に沿って上下方向に延びるブロック内部通路23が形成されている(図5、図9、図10)。図10は、前記シリンダブロック2の側部に形成された矩形の開口17を含む側部フランジ25を抽出した正面図である。前記ブロック内部通路23の主なる機能は、前記排気ポート11に近位の前記第一掃気ポート12と前記クランク室8とを連通させて、前記クランク室8で予圧縮した混合気Mを前記燃焼室6に誘導することにある。
図6および図8に戻って、前記エア用通路20は、二つのエア誘導路つまりエア誘導部27、27に分岐され、各エア誘導部27は、前記シリンダブロック2の側部に開放したエア誘導部出口27aで終端している。図6において、前記エア用通路20の中にハッチングを付した楕円が見られるが、これは、前記エア用通路20の断面形状が長円であることを説明すると共に、その長円の長軸の向きを説明するものである。
すなわち、前記エア用通路20は、前記エア誘導部27の下流部分及びエア誘導部出口27aが上下方向に長い縦長の長円形状の通路断面であり、これよりも上流側は長軸が徐々に傾いて、前記エア導入部27、27の合流部分では長軸が角度α(図6)の傾きを有している。そして、入口の近傍ではエア用通路の20の長軸が略水平になっている。すなわち、前記エア用通路20のエア誘導部27の通路断面は、その入口近傍の分岐した部分では横長の長円形状である。そして、この入口部分に対してエア誘導部27が角度αの傾きで開口している。エア誘導部27は、下流に向かうに従って長軸が徐々に立ち上がり、そして、エア誘導部27の途中で縦長の長円になり、そのまま終端に至る。つまり終端のエア誘導部出口27aは縦長の長円形状を有している。つまり、全長に亘って長円形状の通路断面を備えた前記エア誘導部27は、入口部分では横長であり、この入口部分から分岐した部分は角度αで傾いた長円であり、そして下流に向かうに従って徐々に捻れて、エア誘導部27の途中で縦長の長円となり、そのまま終端の終端(エア誘導部出口27a)まで縦長の長円を保っている。そして、各エア誘導部27及びエア誘導部出口27aは、平面視したときに、図6から最も良く分かるように、前記シリンダボア4及び前記第二掃気ポート13に隣接し且つこれらに沿って湾曲した形状を有している。
図9、図10は、前記矩形の側部開口17の周囲に設けられた側部フランジ25を図示するものであり、図10は、前記側部フランジ25だけを抽出した正面図である。この側部フランジ25には、通路形成部材30が固定される(図11、図12)。参照符号31は側部フランジ25に形成されたネジ穴を示し、このねじ穴31に対応する前記通路形成部材30のボルト挿通孔37にボルト32(図6に仮想線で示してある)を挿入することによって前記通路形成部材30が前記シリンダブロック2に固定され、この通路形成部材30によって前記シリンダブロック2の前記矩形の側部開口17が閉塞される。
図11、図12を参照して、前記通路形成部材30は、前記シリンダブロック2の側部フランジ25に対応した外形輪郭を有し、この通路形成部材30には、前記側部フランジ25に開口するエア誘導部出口27a(図10)と対向する入口側開口34(図11)と、前記第二掃気ポート13(図10)に対向する出口側開口35(図11)と、これら入口側開口34と出口側開口35とを結ぶ外部エア通路36とが形成されている。図10、図11から分かるように入口側開口34は上下方向に長い縦長の長円形状を有し、また、図11から分かるように前記外部エア通路36も上下方向に長い縦長の長円形状を有する。他方、前記出口側開口35は円形(図12)であるが、前記入口側開口34及び外部エア通路36と実質的に同じ通路有効断面積を有している。図11中、参照符号37は前記ボルト32を受け入れるボルト挿通孔である。
前記シリンダブロック2に前記通路形成部材30を固定することにより、前記第二掃気ポート13は、前記通路形成部材30の前記外部エア通路36を介して、エアの導入路である前記エア用通路20(エア誘導部27)に接続される。
前述したように、燃料を含まないフレッシュエアAは、前記横長の長円形状のエア用通路20(図8)を通じて前記シリンダブロック2の内部に入り、前記縦長の長円形状のエア誘導部27を通じて前記通路形成部材30の縦長の長円形状の前記外部エア通路36から前記第一、第二掃気ポート12、13に供給される。つまり、フレッシュエアAを供給する通路は、前記横長の長円形状のエア用通路20から縦長の長円形状(エア誘導部27)になり、そして、このエア誘導部27から前記外部エア通路36まで縦長の長円形状を維持し、そして、前記第二掃気ポート13に開口する前記外部エア通路36の前記出口側開口35は円形に変化するが、この一連のフレッシュエアAを前記第二掃気ポート13に導く通路は全長に亘って通路有効断面積は実質的に同じである。
前記通路形成部材30には、図6、図7から理解できるように、リード弁40とリード弁ガイド44とが二本のビス41によって固定されている。ここに、前記ビス41は、前記通路形成部材30を前記シリンダブロック2に固定したときに、ビスヘッド41aが前記第二掃気ポート13内に位置するように配置されている。前記ビス41は、前記通路形成部材30に設けられたネジ穴42(図11)に螺合される。
前記リード弁40は、前記通路形成部材30の前記出口側開口35に設けられ、該出口側開口35を開閉する。すなわち、前記ブロック内部通路23が負圧になると前記リード弁40が開いて、エアAが前記エア用通路20、前記外部エア通路36を通じて前記第一、第二掃気ポート12、13に流入する。逆に、前記第一、第二掃気ポート12、13が正圧になると、前記リード弁40が閉じ、これにより前記第一、第二掃気ポート12、13を通じて前記シリンダボア4及び/又は前記クランク室8内のガスが外部に流出するのが防止される。
図7、図9、図10を参照して、前記ブロック内部通路23には、上下に延びる第一仕切壁(縦仕切壁)46によって、前記第一掃気ポート12に通じる第一内部通路23aと、前記第二掃気ポート13に通じる第二内部通路23bとに区画され、また、前記第二内部通路23bは、横方向に延びる第二仕切壁(横仕切壁)47によって前記第二掃気ポート13に通じる部分に限定されている。すなわち、前記第二掃気ポート13に通じる前記第二内部通路23bは、前記第一、第二の仕切壁46、47によって実質的に前記ブロック内部通路23の一部に限定されており、この第二内部通路23bは、吸気系から供給されるフレッシュエアAを所定量蓄えて初期掃気に備える機能を有している。
前記ブロック内部通路23には、縦仕切壁つまり前記第一仕切壁46から下方に延びる第一リブ48を有し、また、横仕切壁つまり前記第二仕切壁47の横方向中間部分から下方に延びる第二リブ49を有する。この第一、第二リブ48、49は前述した前記リード弁40を固定するための前記二本のビス41の配置位置と一致しており、そして、この第一、第二リブ48、49は、前記二本のビス41のビスヘッド41aの各々に対向して設けられている。これにより、前記二本のビス41は、リブ46、47によって脱落が規制される。
上述した2サイクル内燃エンジン1の掃気行程において、前記第一、第二掃気ポート12、13のうち、前記排気ポート11から遠位の前記第二掃気ポート13から燃料を含まないフレッシュエアAが先行して前記燃焼室6に吐出する。そのとき、前記第一掃気ポート12内に存在している燃料を含まないフレッシュエアAも誘引して前記燃焼室6に吐出する。次いで前記排気ポート11に近位の前記第一掃気ポート12から混合気Mが前記燃焼室6に吐出する。これにより、図13に図示するように、前記第二掃気ポート13から吐出されるフレッシュエアAが、その後前記第一掃気ポート12から前記燃焼室6に入り込む混合気Mを包み込むので、前記燃焼室6に導入された混合気Mが、そのまま前記排気ポート11を通じて外部に排出される、いわゆる「吹き抜け」を抑制することができる。
図14は、比較のために従来の層状掃気式の2サイクル内燃エンジン50を図示したものであり、従来のエンジン150にあっては、第一、第二掃気ポート151、152のうち、排気ポート153に近位の前記第一掃気ポート151から燃料を含まないフレッシュエアAが吐出され、遠位の前記第二掃気ポート52から混合気Mが吐出されるように構成されているが、この掃気方式では、燃焼室154内の混合気MとエアAとの境界が明確ではなく、混合気Mが前記排気ポート153を通じて外部に排出される傾向を含んでいた。
図5などに図示のエンジン1の排気ガス浄化効果を確認するために、排気量やシリンダボア4の寸法など基本的な構造を共通にした図5のエンジン1と従来例のエンジン50(図14)とを作って、排気ガス中の未燃ガス成分の量を対比したのが図15である。この図15から約20〜40%の低減効果を確認できるであろう。
如上のように、図5などに図示の前記2サイクル内燃エンジン1によれば、前記排気ポート11から遠位の前記第二掃気ポート13を通じて先行して前記燃焼室6に導入されたフレッシュエアAが前記燃焼室6でループを描きながら、後に前記燃焼室6に導入される混合気Mを包み込むため、従来よりも混合気Mの吹き抜けを抑制することができ、これにより排気ガスEに含まれる有害成分を低減することができる。
また、前記2サイクル内燃エンジン1にあっては、前記通路形成部材30を前記シリンダブロック2に固定することで、前記第二掃気ポート13にエアAを供給するようにしてあり且つ前記第二掃気ポート13にフレッシュエアAを導入する前記エア誘導部27(図6)の通路断面形状を上下方向に長い長円形状に設定すると共に前記エア誘導部27を前記シリンダボア4及び前記第二掃気ポート13に隣接し且つこれらに沿って湾曲した形状に設定してあるため、これを従来のように円形の通路断面に設定した場合に比べて、また、従来のように直線状に延びる形状に設定した場合に比べて、前記シリンダブロック2の形状をコンパクトにすることができる。
更に、前記第二掃気ポート13に設けた前記リード弁40を固定する前記二本のビス41が、エンジン内部に位置し且つ前記ビスヘッド41aに隣接したリブ48、49によって脱落が規制されることから、エンジン振動によって前記ビス41が抜け出てクランク室8に脱落するのを防止することができ、前記ビス41が前記クランク室8に脱落したときに発生する前記エンジン1の破損を防止することができる。
図16は、図5などに図示の前記2サイクルエンジン1に吸気系50及び排気系51を搭載した図である。この図16を参照して、排気系51はマフラー52で構成され、従来と同様にマフラー52は前記エンジン1の排気ポート11に接続されている。
吸気系50は、前記エンジン1側から上流に向けて順に連結された、アダプタ53、気化器54、エアクリーナ55で構成されている。アダプタ53には、その内部に、互いに独立したフレッシュエア通路53aと混合気通路53bとが形成されている。前記アダプタ53のフレッシュエア通路53aは、前記エンジン1のエア用通路20に連通し、他方、前記混合気通路53bは、前記エンジン1の混合気用通路21に接続されている。
前記気化器54は、互いに独立して形成されたフレッシュエア通路54aと混合気通路54bとを有し、従来と同様に、混合気通路54bには図外の燃料タンクからガソリンが供給されて混合気Mが生成される。
前記気化器54のフレッシュエア通路54a及び混合気通路54bには、夫々、絞り弁57、58が設けられている。前記混合気通路54bの絞り弁58の開度を変化させることによりエンジン1の出力が制御される。前記絞り弁57、58はバタフライ弁であってもよいしロータリ弁であってもよい。前記気化器54の上流端に前記エアクリーナ55が接続されている。前記エアクリーナ55を構成する5つのプラスチック成型品からなる部品61〜65を図17に示す。
第1実施例(図17〜図23)
図17を参照して、前記エアクリーナ55は、エアクリーナベース61と、このエアクリーナベース61と協働してエアクリーナ室66(図16)を形成するアウターケース62を有し、前記エアクリーナ室66には、ロアエレメント63とアッパエレメント64とで構成されるエアクリーナエレメント67が所定位置に位置決めされる。前記ロアエレメント63と前記アッパエレメント64は、夫々、枠体63b、64bに設置した微細なメッシュ孔を備えたプラスチック成形膜や不織布又は紙製膜よりなる濾材63a、64aが固設されている。
前記エアクリーナベース61は、前記気化器54の上流端にボルト(図示せず)を使って脱着可能に連結される。図17を参照して、前記エアクリーナベース61は、筒状に起立する周囲フランジ69で囲まれた混合気用開口70を有し、この混合気用開口70は、前記気化器54の混合気通路54bに対応して配置されている。なお、この実施例では混合気用開口70及び周囲フランジ69は平面視円形の輪郭を有しているが、矩形であってもよいし楕円であってもよい。
前記エアクリーナベース61は、前記周囲フランジ69に隣接して配置された中空筒状の第一ボス71を更に有する。前記第一筒状ボス71は、その底部が開放して、前記気化器54のフレッシュエア通路54aに連通している。他方、前記第一筒状ボス71の上端の天井壁71aによって閉塞されている。なお、この実施例では、前記筒状ボス71は平面視円形の輪郭を有しているが、矩形であってもよいし楕円であってもよい。前記第一筒状ボス71の天井壁71aには、ボルト挿通孔73が形成されている。このボルト挿通孔73に対応してアウターケース62にも第二のボルト挿通孔74が設けられ、図16から分かるように、前記第一筒状ボス71の内部から挿入されたボルト75とナット76との組み合わせによってアウターケース62が取り外し可能に装着される。
前記筒状ボス71は、図16及び図18から分かるように、その側面の一部を切り欠いた形状のフレッシュエア用開口77を有し、このフレッシュエア用開口77は前記混合気用開口70とは反対側に向けて開放されている。なお、図18は、図16のX18−X18線に沿った断面図である。
前記ロアエレメント63と前記アッパエレメント64は、これを組み合わせることにより細かい孔を備えたメッシュ膜63a、64aで包囲された中空の前記エアクリーナエレメント67が形成される。なお、図17には、前記ロアエレメント63を正面から見た図が描いてあり、前記アッパエレメント64は背面から見た図が描いてある。
前記エアクリーナエレメント67は、前記エアクリーナベース61の第一筒状ボス71及び周囲フランジ69によって位置決めされる。すなわち、前記ロアエレメント63は、その中央部分に、前記エアクリーナベース61の第一筒状ボス71と相補的な形状の第二筒状ボス80と、前記エアクリーナベース61の周囲フランジ69と相補的な形状の第二周囲フランジ81とを有している。この第二周囲フランジ81で囲まれた第一通気口83は、エアクリーナベース61の前記混合気用開口70に対応した位置に形成されている。前記第二筒状ボス80の底部は下方に向けて開放されており、他方、天井壁80aには第二ボルト挿通孔82が形成されている。このロアエレメント63の天井壁80aは、アッパエレメント64の中心プレート84と当接する。そして、中心プレート84に形成された第三ボルト挿通孔85は、ロアエレメント63の天井壁80aの第二ボルト挿通孔82に対応して開口しており、第二、第三のボルト挿通孔82、85には前述したボルト75が挿通される。前記ロアエレメント63の前記第二筒状ボス80は、第二周囲フランジ81とは反対側の側面に第二通気口87(図18)が形成され、この第二通気口87は、前記エアクリーナベース61のフレッシュエア用開口77に対応した位置に配設されている。なお、この第二通気口87は縦リブ88(図18)によって左右に分割されているが、これは任意である。
図17に示す前記エアクリーナ55の5つの部品61〜65のうち参照符号65はエア案内部材を示す。すなわち、前記エアクリーナ55はエア案内部材65を更に有し、このエア案内部材65は後の説明から分かるように脱着可能である。
図19、図20はエア案内部材65を上下反転させた状態の斜視図である。図19、図20を参照して、エア案内部材65は、上下に離間して配置された天板90と底板91を有し、これら天板90及び底板91は略半長円形状を有し、天板90、底板91のラウンドした周囲は側壁92によって囲まれている。
前記底板91には、前記ロアエレメント63の第二筒状ボス80を受け入れる第一開口93と、前記ロアエレメント63の第二周囲フランジ81を受け入れる第二開口94とを有する。他方、前記天板90には、前記第二筒状ボス80の天井壁の第二ボルト挿通孔82に対応して第四ボルト挿通孔95(図20、図21)が形成されている。
エア案内部材65は、側方に向けて開放した浄化エア取り入れ口96を有する。そして、前記第一、第二の開口93、94の並び方向において、第一開口93が第二開口94に対して上流側に位置するように配置されている。すなわち、前記エア案内部材65は、浄化エア取り入れ口96によって側方に向けて大きく開放した形状を有し、この浄化エア取り入れ口96からエア案内部材65に導入されたエアの流れ方向の上流側に前記第一開口93が配設され、下流側に前記第二開口94が設けられている。前述したように、前記第一開口93は、前記気化器54のフレッシュエア通路54aに連通し、他方、前記第二開口94は、前記気化器54の混合気通路54bに連通している。なお、図20に最も良く現れているが、前記第一、第二開口88、89の間に補強リブ97が設けられ、この補強リブ97は前記底板91と前記天板90とに亘って上下に延びている。
図21〜図23は、前記エア案内部材65を設置した状態を示す。なお、これら図21〜図23では、前記エアクリーナベース61、前記アウターケース62、前記アッパエレメント64を省いて、前記ロアエレメント63との関係で前記エア案内部材65が描いてある。
前記エア案内部材65は、その第一開口93の中に前記ロアエレメント63の前記第二筒状ボス80が挿入され、また、第二開口94に前記ロアエレメント63の前記第二周囲フランジ81を受け入れられる。これによりエア案内部材65は、ロアエレメント63及びエアクリーナベース61に対して位置決めされる。前記エアクリーナエレメント67で浄化されたエアは、浄化エア取り入れ口96から前記エア案内部材65の中に導入され、次いで、前記フレッシュエア用開口77を通じて前記気化器54のフレッシュエア通路54aに入ると共に、前記混合気用開口70を通じて前記気化器54の混合気通路54bに入る。
したがって、前記エアクリーナベース61の混合気用開口70は、エア案内部材65の略L字状に延びる内部通路によって浄化エア取り入れ口96まで延長される。そして、エアクリーナベース61から突出する筒状ボス71のフレッシュエア用開口77は、浄化エア取り入れ口96と実質的に同じ高さレベルに開放される(図21、図22)。そして、このフレッシュエア用開口77は、エア案内部材65の浄化エア取り入れ口96に向けて開放される。換言すれば、エア案内部材65の内部通路に開放しているフレッシュエア用開口77は、混合気用開口70とは反対方向に開放しており、そして、浄化エア取り入れ口96と実質的に同じ高さレベルに開放される。
好ましい態様では、前記エア案内部材65の内部で形成される、混合気生成用のエアが通過する通路の有効断面積を、限定するものではないが、前記気化器54や前記シリンダブロック2に形成された混合気通路の有効断面積と実質的に等しくなるように設計されるのがよい。このようにすることにより、前記2サイクルエンジン1の例えば慣性吸気の最適化に適した通路長さに関し、前記エア案内部材65の内部通路長さ、つまり浄化エア取り入れ口96から混合気用開口70に至る混合気用エア延長通路の長さを変更することで調整することができる。
すなわち、前記気化器54の混合気通路54bに通じる前記混合気用開口70から前記浄化エア取り入れ口96までの混合気用エア延長通路の長さの異なるエア案内部材65を装着するだけで変更可能であり、このことは例えば次の利点がある。
(1)実際にエンジン1を製造した後に、内部通路長さ(混合気用エア延長通路)及びこの混合気用エア延長通路の容積の異なる複数種類のエア案内部材65を予め用意しておき、ユーザの要請などに応じたエンジン特性となるエア案内部材65を装着したエンジン1をユーザに供給するようにすることができる。これによればユーザなどが要求するエンジン1の出力又はトルク、混合気の吹き返しの抑制、吸気音を最適にバランスさせることのできるエア案内部材65をエンジン1に組み込むことで、個々に異なるユーザの満足度を高めることができる。
(2)スタンダード品として、出力、トルク、吹き返し、吸気音などに関して総合的にバランスのとれた所定の内部通路長さのエア案内部材65をエンジン1に組み込んでおき、オプションとして高回転に適した内部通路長さを備えたエア案内部材や高トルクに適した内部通路長さを備えたエア案内部材を用意して、ユーザの好みに合致したエア案内部材を選択させるようにすることができる。
(3)前記2サイクルエンジン1の例えば慣性吸気の最適化に適した通路長さに調整することができる。よって、吸気系の設計値に対してエア案内部材65の選択によって、前記浄化エア取り入れ口96と前記混合気用開口70との間の実質的な通路長さの値を調整することにより前記2サイクルエンジン1の例えば慣性吸気に適した吸気系をチューニングすることができる。
上述したエアクリーナ55によれば、前記浄化エア取り入れ口96から前記気化器54の混合気通路54bに通じる前記混合気用開口70に至る混合気用エア延長通路が約90ー湾曲している。換言すれば、前記気化器54の混合気通路54bに通じる前記混合気用開口70は、その上方に屋根のように位置する前記エア案内部材65の前記天板部分90によって覆われていることから、前記気化器54から吹き返しの混合気中の燃料成分が前記天板部分90によって受け止められるため、前記エア案内部材65の内部に入り込んだ吹き返しの混合気中の燃料成分を、前記混合気用開口70が臨む部位よりも上流側に移行し難くすることができる。そして、前記気化器54のフレッシュエア通路54aに通じるフレッシュエア用開口77が、前記混合気用開口70よりも上流側に位置しているため、このフレッシュエア用開口77の中に、吹き返しガス中の燃料成分が侵入するのを抑制することができる。更に、前記エア案内部材65の側壁92を拡開させていることにより混合気の流速が落ち、吹き返し混合気中の燃料成分の飛散を抑止できる。
更に、実施例のエアクリーナ55によれば、前記気化器54のフレッシュエア通路54aに通じるフレッシュエア用開口77が、前記エア案内部材65の内部で起立する前記中空の筒状ボス71に形成され、且つ該筒状ボス71の側面のうち、前記混合気用開口70とは反対側に設けられているため、吹き返しガス中の燃料成分が前記フレッシュエア用開口77に侵入するのを一層抑制することができる。
また、実施例のエアクリーナ55によれば、上述した筒状ボス71の上端の天井壁71aにボルト挿通孔73を設け、このボルト挿通孔73に挿入した前記ボルト75を使って前記アウターケース62を固定するようにしてあるため、前記アウターケース62の締結のために、別の部位にボルト挿通用のボスを設けるのに比べて、前記エアクリーナ55の構造を簡素化することができる。
ちなみに、前記特許文献2に添付の図面から分かるように、従来のエアクリーナのアウターケースを脱着可能にボルト止めするためのボスは、上記エア取り入れ口からオフセットして配置されていた。
また、実施例のエアクリーナ55では、前記アウターケース62を固定するのに用いた前記筒状ボス71を使って前記エアクリーナエレメント67を位置決めするようになっているため、このエアクリーナエレメント67を位置決めする部材を別途用意する必要が無く、これによっても前記エアクリーナ55の構造を簡素化することができる。
また、前述したように、前記エア案内部材65が前記エアクリーナ55の他の部品とは別部材で構成され、このエア案内部材65が脱着可能であるため、前記気化器54の混合気通路54bに通じる前記混合気用開口70と前記浄化エア取り入れ口96との間の混合気用エア延長通路に関し、その通路長さの異なる前記エア案内部材65を作って、これを前記エアクリーナ55に装着することで、前記気化器54の混合気通路54bに通じるエア案内通路長さ、ひいては前記エンジン1の吸気系50に含まれる混合気通路長さが最適値となるように容易に調整することができる。
すなわち、実施例の前記エアクリーナ55は、前記気化器54の混合気通路54bに通じる前記混合気用開口70を、これに脱着可能なエア案内部材65によって上流側へ所定距離変位させることを提案するものであり、この脱着可能なエア案内部材の通路長さを変更することにより前記2サイクルエンジン1の慣性吸気に適した吸気系を作ることができる。この視点に立脚するのであれば、前記気化器54の混合気通路54bに通じる前記混合気用開口70に脱着可能に装着することのできる、独立した且つ略90度湾曲した通路延長部材を設けるようにしてもよい。
以下に、本発明の他の実施例を説明するが、これら他の実施例において上述した第1実施例と同一の要素には同一の参照符号を付すことにより説明を省略し、各実施例の特徴部分を説明する。
第2実施例(図24)
この第2実施例は、エア案内部材65の一部を前記ロアエレメント63で構成する例を示すものである。すなわち、ロアエレメント63は、前記図17を参照して説明した、アッパエレメント64との組み合わせでエアクリーナエレメントを構成するものであり、ロアエレメント63には、エアクリーナベース61の第一筒状ボス71(気化器54のフレッシュエア通路54aに連通)に対応した第二筒状ボス80及びエアクリーナベース61の混合気用開口70(気化器54の混合気通路54bに連通)に連通する第一通気口83が形成されている。
この第2実施例では、ロアエレメント63に、平面視したときに、第一通気口83を挟んで左右にU字状に延びる底壁100が形成され、この底壁100の両側縁には第一フランジ100aが形成されている。この底壁100は前記エア案内部材65の一部を構成する。
すなわち、第2実施例では、両側縁に第一フランジ100aを備えた底壁100と、この底壁100に対応した断面アーチ状のハーフ部材102とで前記エア案内部材65が構成されている。アーチ状ハーフ部材102は、その両側縁に第二フランジ102aを有し、この第二フランジ102aは、前述した底壁100の第一フランジ100aと一体となって前記エア案内部材65の側壁を構成する。
例えば長い長尺アーチ状ハーフ部材102Aと、短い短尺アーチ状ハーフ部材102Bとを用意し、これらハーフ部材102Aと102Bから選択したハーフ部材102がロアエレメント63に組み付けられる。アーチ状ハーフ部材102に複数の例えばピン104を一体成形し、他方、ロアエレメント63に複数の孔106を設け、ピン104を孔106に嵌入することによりアーチ状ハーフ部材102が底壁100と一体化される。なお、ピン104と孔106とは相対的であり、アーチ状ハーフ部材102に孔106と形成し、ロアエレメント63にピン104を形成してもよい。
この第2実施例によれば、長尺アーチ状ハーフ部材102Aと短尺アーチ状ハーフ部材102Bのように複数種類のアーチ状ハーフ部材102を用意して、この中から選択したアーチ状ハーフ部材102を装着したエンジン1をユーザに提供することができる。
第3実施例(図25)
この第3実施例は、エアクリーナ55のエアクリーナエレメントに関する変形例を示す。第3実施例で採用されたエアクリーナエレメント67は全体としてリング状の形状を有する。このリング状のエアクリーナエレメント67は、エアクリーナベース61と、このエアクリーナベース61から離間して配置される天板プレート122とで挟持された状態で組み付けられ、エアクリーナベース61、エアクリーナエレメント67、天板プレート122はカバー124で覆われる。なお、この第3実施例では、エア案内部材65として、側面視でL字状に湾曲した筒状部材で構成され、このL字状筒状部材65が、エアクリーナベース61の混合気用開口70の回りの周囲フランジ69に脱着可能に嵌合されている。
第4実施例(図26、図27)
この第4実施例は、エア案内部材65の一部を前記エアクリーナベース61で構成する例を示すものである。すなわち、エアクリーナベース61には、気化器54のフレッシュエア通路54aに連通した第一筒状ボス71と、気化器54の混合気通路54bに連通した混合気用開口70とを取り囲む外周側円形状突起130と、第一筒状ボス71を取り囲む内周側円弧状突起132とが形成されている。
内外の突起130、132は、アーチ状ハーフ部材134と協働してエア案内部材65を構成する。すなわち、アーチ状ハーフ部材134は、平面視したときに円弧状の形状を有し、また、断面逆U字状の形状を有し、その両側壁の下端が内外の突起130、132に着座することにより混合気用開口70から左右に円弧状に延びるエア案内部材65が形成される。
例えば長い長尺のアーチ状ハーフ部材134Aと、短尺のアーチ状ハーフ部材134Bとを用意し、これらハーフ部材134Aと134Bから選択したアーチ状ハーフ部材134がエアクリーナベース61に組み付けられる。
第5実施例(図28〜図31)
この第5実施例は、上記第4実施例の変形例でもある。上記第4実施例では、長さの異なる2種類のアーチ状ハーフ部材134A、134Bを用意したが、一方のアーチ状ハーフ部材134(例えば短尺のアーチ状ハーフ部材134B)に代えて、この第5実施例ではL字状に湾曲した筒状部材140が用意される(図28、図29)。図29は、L字状筒状部材140の一部を切り欠いた側面図である。このL字状筒状部材140を選択したときには、L字状筒状部材140の下端を、エアクリーナベース61の混合気用開口70の回りの周囲フランジ69に嵌合させることによりエアクリーナベース61に固定される。
図30は、アーチ状ハーフ部材134Aを選択して、これをエアクリーナベース61に装着した状態を示す。図31は、L字状筒状部材140を選択してエアクリーナベース61に装着した状態を示す。図30、図31から理解できるように、アーチ状ハーフ部材134とL字状筒状部材140とを用意して、いずれか一方を選択してエアクリーナベース61に装着することで、混合気用エア延長通路の長さ及び容積の異なるエア案内部材65を形成することができる。
第6実施例(図32)
この第6実施例は上述した第4実施例及び第5実施例の変形例でもある。この実施例では、内外の円弧状突起131、132が外側円形突起130の内側に形成されている。内外の円弧状突起131、132は混合気用開口70を挟んで左右で異なっている。すなわち、一方の内外の突起131L、132Lの長さ、幅、曲率が、他方の内外の円弧状突起131R、132Rとは異なっている。なお、エアクリーナベース61の複数の孔106は、混合気用開口70を挟んで左右非対称の位置に設けられている。
そして、3種類のハーフ部材144、146、148が用意されている。第1のハーフ部材144は、エアクリーナベース61の混合気用開口70の両側に延びる平面視U字状の形状を有している。したがって、第1のハーフ部材144を選択したときには、混合気用開口70を挟んで左右に延びるエア案内部材65を形成することができる。
第2のハーフ部材146は、エアクリーナベース61の混合気用開口70の左側に対応した形状を有している。したがって、第2のハーフ部材146を選択したときには、エアクリーナベース61の左側の突起130L、132Lと協働して混合気用開口70を挟んで左側に延びるエア案内部材65を形成することができる。
第3のハーフ部材148は、エアクリーナベース61の混合気用開口70の右側に対応した形状を有している。したがって、第3のハーフ部材148を選択したときには、エアクリーナベース61の右側の突起130R、132Rと協働して混合気用開口70を挟んで右側に延びるエア案内部材65を形成することができる。
上述したように、左右の円弧状突起131L、132Lと131R、132Rとは、その長さ、幅、曲率が異なっているため、3種類のハーフ部材144、146、148によって3種類のエア案内部材65を形成することができる。勿論、左側の突起130L、132Lと第2ハーフ部材146とで形成される左側の混合気用エア延長通路の入口や通路断面が、右側の円弧上突起130R、132Rと第3ハーフ部材148とで形成される右側の混合気用エア延長通路の入口や通路断面とは異なっていてもよいし、同じであってもよい。
本発明の基本概念の第1の参考例を説明するための図である。 本発明の基本概念の第2の参考例を説明するための図である。 本発明の基本概念の第3の参考例を説明するための図である。 本発明の基本概念の第4の参考例を説明するための図である。 実施例のエアクリーナを適用するのに適した2サイクルエンジンの縦断面図である。 図5のエンジンの横断面図である。 図5の2サイクル内燃エンジンの第二掃気ポートを断面して示すための部分縦断面図である。 シリンダブロックの吸気側フランジだけを抽出した正面図である。 シリンダブロックの側面図であり、シリンダブロックの側部に形成した矩形開口(ブロック内部通路)を説明するための図である。 図9の側部フランジを抽出した正面図であり、図9に図示の矩形開口の内部構造およびその周囲に形成した側部フランジを説明するための図である。 シリンダブロックに固定されて外部エア通路を形成する通路形成部材の正面図である。 図11のX12−X12線に沿った断面図である。 図5の2サイクルエンジンの掃気行程での作用説明図である。 従来の層状掃気式2サイクルエンジンの掃気行程での作用説明図である。 図5のエンジンの排気ガス浄化効果を説明するための図である。 図5のエンジンに第1実施例のエアクリーナなどの吸気系部品及び排気系部品を連結した断面図である。 第1実施例のエアクリーナが5つの部品で構成されていることを説明するための図である。 図16のX18−X18線に沿った断面図である。 第1実施例のエアクリーナに含まれるエア案内部材の斜視図である。 第1実施例のエアクリーナに含まれるエア案内部材の他の方向から見た斜視図である。 エアクリーナエレメントのロアエレメントにエア案内部材を装着した状態を説明するための斜視図である。 エアクリーナエレメントのロアエレメントにエア案内部材を装着した状態を説明するための正面図である。 エアクリーナエレメントのロアエレメントにエア案内部材を装着した状態を説明するために他の方向から見た斜視図である。 第2実施例を説明するための図であり、この第2実施例のエアクリーナに含まれるロアエレメントの平面図である。 第3実施例を説明するための図である。 第4実施例のエアクリーナに含まれるエアクリーナベースの平面図である。 図26の第4実施例のエアクリーナの断面図である。 第5実施例のエアクリーナに含まれるエアクリーナベースの平面図である。 第5実施例のエアクリーナに装着可能な筒状のL字状エア案内部材の一部切欠き側面図である。 第5実施例のエアクリーナに関し、エア案内部材の一部としてアーチ状のハーフ部材を選択したときの混合気用エア延長通路を説明するための図である。 第5実施例のエアクリーナに関し、エア案内部材の一部として筒状のL字状部材を選択したときの混合気用エア延長通路を説明するための図である。 第6実施例のエアクリーナに含まれるエアクリーナベースの平面図である。
符号の説明
300 吸気系
302 エアクリーナ
304 エアクリーナエレメント
308 エアクリーナベース
316 混合気用開口
316 フレッシュエア用開口
320 エア案内部材

Claims (9)

  1. 2サイクル内燃エンジンの吸気系の一部を構成する気化器が、混合気を生成する混合気通路と、燃料を含まない層状掃気用のフレッシュエアが通過するフレッシュエア通路とを備え、これら混合気通路とフレッシュエア通路とに、エアクリーナエレメントで浄化した浄化エアを供給するエアクリーナであって、
    前記気化器の前記混合気通路に連通した混合気用開口と、前記気化器の前記フレッシュエア通路に連通したフレッシュエア用開口とを備え且つ吸気系部品に脱着可能に取り付けられたエアクリーナベースと;
    該エアクリーナベースの前記混合気用開口に設けられたエア案内部材とを有し;
    該エア案内部材が、前記混合気用開口の近傍で湾曲した後に前記エアクリーナベースに沿って延びる形状を有し且つ周囲壁で囲まれた通路断面を備え、
    該エア案内部材によって、該エア案内部材の内部に前記浄化エアを取り込む第一浄化エア取り入れ口と、該第一浄化エア取り入れ口と前記エアクリーナベースの前記混合気用開口との間に亘って延びる混合気用エア延長通路が形成され
    前記エアクリーナベースが、前記フレッシュエア用開口から起立し且つ前記エア案内部材の内部に位置する筒状ボスを更に有し、
    該筒状ボスの側壁に、前記混合気用開口とは反対方向に開放した第二浄化エア取り入れ口が形成され、
    該第二浄化エア取り入れ口が、前記エア案内部材の前記第一浄化エア取り入れ口と同じ高さレベルに位置していることを特徴とする2サイクル内燃エンジン用エアクリーナ。
  2. 前記筒状ボスによって前記エアクリーナエレメントが位置決めされている、請求項に記載の2サイクル内燃エンジン用エアクリーナ。
  3. 前記筒状ボスが天井壁を有し、該天井壁にボルト挿通孔が形成され、該ボルト挿通孔に挿通されたボルトを使って、前記エアクリーナのアウターケースが前記筒状ボスに固定される、請求項に記載の2サイクル内燃エンジン用エアクリーナ。
  4. 2サイクル内燃エンジンの吸気系の一部を構成する気化器が、混合気を生成する混合気通路と、燃料を含まない層状掃気用のフレッシュエアが通過するフレッシュエア通路とを備え、これら混合気通路とフレッシュエア通路とに、エアクリーナエレメントで浄化した浄化エアを供給するエアクリーナであって、
    前記気化器の前記混合気通路に連通した混合気用開口と、前記気化器の前記フレッシュエア通路に連通したフレッシュエア用開口とを備え且つ吸気系部品に脱着可能に取り付けられたエアクリーナベースと、
    前記エアクリーナベースの前記フレッシュエア用開口から起立し且つ前記混合気用開口とは反対側に開放した第二浄化エア取り入れ口を備えた筒状ボスと、
    該エアクリーナベースの前記混合気用開口に設けられたエア案内部材とを有し、
    該エア案内部材が、前記円筒ボスの周囲に沿って湾曲して延び且つ周囲壁で囲まれた通路断面を備え、
    該エア案内部材の先端が前記第二浄化エア取り入れ口と同じ方向に開放し且つ前記第二浄化エア取り入れ口と同じ高さレベルに位置する第一浄化エア取り入れ口を構成していることを特徴とする2サイクル内燃エンジン用エアクリーナ。
  5. 前記筒状ボスによって前記エアクリーナエレメントが位置決めされている、請求項に記載の2サイクル内燃エンジン用エアクリーナ。
  6. 前記筒状ボスが天井壁を有し、該天井壁にボルト挿通孔が形成され、該ボルト挿通孔に挿通されたボルトを使って、前記エアクリーナのアウターケースが前記筒状ボスに固定される、請求項に記載の2サイクル内燃エンジン用エアクリーナ。
  7. 前記エア案内部材が、前記エアクリーナベースに対して脱着可能である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の2サイクル内燃エンジン用エアクリーナ。
  8. 前記エア案内部材がその軸線に沿って分割した2つのハーフ部材を合体することにより構成され、一方のハーフ部材が前記エアクリーナベースと一体であり、他方のハーフ部材が前記エアクリーナベースに脱着可能であり、
    長さの異なる前記他方のハーフ部材を前記エアクリーナベースに装着することにより、前記エア案内部材の実質的な長さを変更することができる、請求項4〜6のいずれか一項に記載の2サイクル内燃エンジン用エアクリーナ。
  9. 2サイクル内燃エンジンの吸気系の一部を構成する気化器が、混合気を生成する混合気通路と、層状掃気用の燃料を含まないフレッシュエアが通過するフレッシュエア通路とを備え、これら混合気通路とフレッシュエア通路とに、エアクリーナエレメントで浄化した浄化エアを供給するエアクリーナを使って、前記浄化エアを前記混合気通路に供給するための混合気用エア延長通路の通路長さを調整する方法であって、
    前記気化器の前記混合気通路に連通した混合気用開口と、前記気化器の前記フレッシュエア通路に連通したフレッシュエア用開口とを備えた複数のエアクリーナベースを用意し、
    該複数のエアクリーナベースの各々が、
    該エアクリーナベースの前記混合気用開口に脱着不能に一体化されたエア案内部材を有し、
    該エア案内部材が、前記混合気用開口の近傍で湾曲した後に前記エアクリーナベースに沿って延びる形状を有し且つ周囲壁で囲まれた通路断面を備え、
    前記複数のエアクリーナベースのエア案内部材によって形成される前記混合気用エア延長通路の通路長さが異なり、
    前記複数のエアクリーナベースを選択的に前記2サイクル内燃エンジンに装着することを特徴とする2サイクル内燃エンジンの混合気通路の通路長さ調整方法。
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