JP4791695B2 - 脱脂炉 - Google Patents

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本発明は、成型工程において成型品の脱脂を行う脱脂炉に関するものである。
粉末射出成型プロセスでは、セラミックスや金属などの粉末にバインダ(ワックス等の低分子量成分、熱加塑性樹脂等の高分子量成分、その他を適宜の分量で配合したもの)を混合し、射出成型して成型品(いわゆるグリーン体)を得る。次に、脱脂工程でバインダを加熱分解させて除去することにより脱脂体(いわゆるブラウン体)の状態にする。次に、このブラウン体を焼結工程で焼結することにより焼結体(完成品)が得られる。このプロセス中で脱脂工程が最終的な完成品の品質に大きく影響し、脱脂に長時間を費やすことが欠陥の少ない完成品を得るために必要とされている。
すなわち、通常の脱脂処理では脱脂炉にてワーク(成型品)全体を均熱加熱するようになっているため、炉内がある温度つまりバインダの融点以上の温度に達すると、ワークの随所において一斉にバインダの軟化が始まり、その自重でワークの下部に変形やだれを生じ易く、特に急激に温度を上げた場合にはそのような不具合が顕著に現われる。したがって、ワークにだれや変形を生じさせずに脱脂を完了するためには、極めて緩やかな速度で温度を上昇させていくことが行われ、脱脂に長時間を要するという問題があった。
これに対して特許文献1に開示された従来例においては、脱脂炉内に高温ガスと低温ガスを一定サイクルで周期的に導入し、ワークの中心及び下部を常に低温に保ってワーク全体に保形力を与えるようにすることで、ワークの上部表面から脱脂が進行し、ワーク全体のだれや変形を有効に防止するようにしている。
特開平6−73407号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来例においても、脱脂炉内の温度上昇に伴ってバインダの分解速度が急激に速くなり、ワークの急激な温度上昇が発生するため、バインダが分解して生成された気体がワーク内部で膨張し、高温雰囲気での脱ガス燃焼なども作用してワーク表面の膨れ現象やクラックなどの不良が生じていた。特に、基板のような比較的薄肉のワークにおいては上部及び下部で適正な温度差を保つことができずに不良品の発生率が高くなっていた。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、ワークの急激な温度上昇に伴う不良の発生率を低下しつつ脱脂に要する時間の短縮が可能な脱脂炉を提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、成型品であるワークを収納する炉本体と、炉本体内を加熱する加熱手段と、炉本体内の雰囲気温度を測定する雰囲気温度測定手段と、ワークの表面温度を測定する表面温度測定手段と、ワークの温度上昇を抑制する温度上昇抑制手段と、前記加熱手段及び前記温度上昇抑制手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、炉本体内の雰囲気温度を設定温度まで上昇させる際に、前記表面温度測定手段で測定した測定表面温度が前記雰囲気温度測定手段で測定した測定雰囲気温度よりも低いときには、温度上昇勾配を相対的に大きくし、前記測定表面温度が前記測定雰囲気温度よりも高いときには、温度上昇勾配を略ゼロとし、前記測定表面温度が前記測定雰囲気温度と略一致するときには、温度上昇勾配を相対的に小さくするように、前記加熱手段を制御し、前記測定表面温度が高くなり、該測定表面温度と前記測定雰囲気温度との温度差が所定の閾値を超えたとき、前記温度上昇抑制手段を制御して、前記温度差を減少させるようにワークの温度調整を行うことを特徴とする。
この発明によれば、ワークの急激な温度上昇が発生すると炉本体内の雰囲気温度とワークの表面温度との温度差が増大するから、この温度差を減少するようにワークの温度調整を行うことによってワークの急激な温度上昇が抑制でき、ワーク表面の膨れ現象やクラックなどの不良の発生率を低下させることができる。しかも、両者の温度差が小さいときには雰囲気温度の温度上昇勾配を大きくしてもワークの急激な温度上昇が生じないから、脱脂に要する時間を短縮することができる。また、測定表面温度と測定雰囲気温度の温度差に応じて雰囲気温度の温度上昇勾配を変化させているから、ワークの急激な温度上昇をより確実に抑制して脱脂不良をさらに低減できるとともに脱脂時間のさらなる短縮が図れる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、雰囲気温度測定手段は、ワークの近傍であって当該ワークを挟んで対向する位置に設置された複数の温度センサを有することを特徴とする。
この発明によれば、炉本体内の雰囲気温度を正確に測定することができる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、表面温度測定手段は、炉本体に収納された状態のワーク上面の温度を測定する第1の温度センサと、炉本体内に収納された状態のワーク下面の温度を測定する第2の温度センサとを有し、制御手段は、第1の温度センサによる測定温度に応じて温度上昇抑制手段の動作を開始させるとともに第2の温度センサによる測定温度に応じて温度上昇抑制手段の動作を停止させることを特徴とする。
この発明によれば、炉本体内ではワークを棚などの上に載せる必要があることから、ワークにおいては上部に比べて下部の温度変化が遅れることになるが、第1の温度センサによるワーク上面の測定温度に応じて温度上昇抑制手段の動作を開始させることによってワークの急激な温度上昇を確実に抑制でき、しかも、第2の温度センサによりワーク下面の温度を測定することでワークの温度が確実に低下したことを確認してから温度上昇抑制手段の動作を停止させているから温度調整の精度が向上する。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、温度上昇抑制手段は、炉本体内の酸素濃度を調整する機構を有することを特徴とする。
ワークから分解気化したバインダが発火点を超える雰囲気温度下で残留酸素と結合して燃焼しワークの温度を急激に上昇させる虞があるが、この発明によれば、炉本体内の酸素濃度を低下させてバインダの燃焼を防ぐことによりワークの温度上昇が抑制できる。
請求項5の発明は、請求項1の発明において、温度上昇抑制手段は、炉本体内の圧力を調整する機構を有することを特徴とする。
この発明によれば、炉本体内の圧力を高くすることでバインダの沸点を上げてバインダの分解速度を遅くできるから、バインダの分解気化に伴うワークの急激な温度上昇が抑制できるとともに、バインダの体積膨張による膨れも抑制できる。
請求項6の発明は、請求項1の発明において、温度上昇抑制手段は、少なくともワークの表面温度よりも低温の気体をワークに噴射する機構を有することを特徴とする。
この発明によれば、低温の気体をワークに噴射することでワークの温度を急速に低下させ、ワークの温度上昇を迅速に抑制することができる。
本発明によれば、ワークの急激な温度上昇が発生すると炉本体内の雰囲気温度とワークの表面温度との温度差が増大するから、この温度差を減少するようにワークの温度調整を行うことによってワークの急激な温度上昇が抑制でき、ワーク表面の膨れ現象やクラックなどの不良の発生率を低下させることができ、しかも、両者の温度差が小さいときには雰囲気温度の温度上昇勾配を大きくしてもワークの急激な温度上昇が生じないから、脱脂に要する時間を短縮することができるという効果がある。また、ワークの急激な温度上昇をより確実に抑制して脱脂不良をさらに低減できるとともに脱脂時間のさらなる短縮が図れるという効果もある。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本実施形態の脱脂炉を示す模式図であって、箱形に形成された炉本体1と、両端で炉本体1の内部と連通し炉本体1の外側に設けられたガス循環路2と、後述する各種の制御を行う制御装置10とで構成される。
炉本体1の床1aは図示しない昇降装置によって上下方向に移動可能となっており、上側の停止位置にあるときに炉本体1を密閉している。そして、床1aの上にはワークWを載せた複数のパレット3が積まれる。このパレット3は、ワークWを載せるための平坦な主部3aと、主部3aの背面より突出して主部3aを支える複数の脚部3bとで構成され、一のパレット3の上に他のパレット3を積んだときに下段のパレット3の主部3aに載せたワークWと上段のパレット3の主部3aとの間に隙間が生じる程度に脚部3bの高さが設定されている。
また、炉本体1内の雰囲気温度を測定するための2つの温度センサ7a,7bと、ワークWの上面温度並びに下面温度を測定するための第1の温度センサ7c並びに第2の温度センサ7dとが炉本体1内に設置してある。これらの温度センサ7a〜7dは炉本体1内の高温に対する耐久性や測定精度に優れたものを用いる必要があることから、何れもシース熱電対(例えば、シース外径が1.0mmのKタイプのもの)を用いており、図2(a)に示すように起立した状態で炉本体1の床1aに固定された金属製のシャフト8に取付治具8aを用いて取り付けられている。一方の温度センサ7aは、各々ワークWが載せられていない最上段のパレット3とその下段のパレット3との間に生じる隙間に配置され、他方の温度センサ7bは、各々ワークWが載せられていない最下段のパレット3とその上段のパレット3との間に生じる隙間に配置されている。また、第1の温度センサ7c並びに第2の温度センサ7dはそれぞれワークWの上面及び下面に接するように配置されている。ここで、図2(b)に示すようにワークWを載せるパレット3の主部3aにはV字状の複数の溝3cが並設されており、この溝3cに第2の温度センサ7dを挿入することでワークWからの荷重が第2の温度センサ7dに加わらないようにしてある。尚、温度センサ7a〜7dが取り付けられるシャフト8や取付治具8aをパレット3と同種の材料(例えば、アルミナなど)で形成すれば、温度センサ7a〜7dがワークWやパレット3から熱膨張率の違いによる不要な外力を受けることがなく、温度センサ7a〜7dの位置ずれや破損等を防いで正確な温度測定が可能となる。
また、パレット3を挟んで対向する炉本体1の両側面にはガス循環路2と連通するガス流入口1b並びにガス流出口1cが開口し、ガス流入口1b及びガス流出口1cには各々ルーバ4,4が配設されている。尚、ガス流入口1bに配設されたルーバ4は後述するように制御装置10によって角度調節が可能となっている。
ガス循環路2は炉本体1の外側を囲むように設けられており、そのほぼ中央にガスを循環させるためのファン5が設置され、さらにファン5よりも下流側にはヒータ(電熱ヒータ)6が設けられている。また、ガス循環路2には外部からガスを導入するための導入管2aがファン5の上流側に設けられ、内部のガスを排出するための排出管2bが導入管2aの上流側に設けられるとともに、冷却用のガスを導入するための冷却ガス導入管2cがファン5の下流側に設けられている。すなわち、圧縮空気や不活性ガスを導入管2aからガス循環路2に導入し、ワークWの加熱によって生じるバインダの分解ガスを排出管2bから排出してガス循環路2内のガスを置換するものである。ここで、圧縮空気が通る流路と不活性ガスが通る流路は各々制御弁9a,9bを介して導入管2aに接続されている。また排出ガスが通る流路が制御弁9cを介して排出管2bに接続され、制御弁9cと排出管2bの間には排出ガスの圧力(=炉本体1内の圧力)を測定するための圧力センサ17が設けてある。さらに冷却ガスが通る流路が制御弁9dを介して冷却ガス導入管2cと接続されている。尚、排出管2bはガス循環路2内においてガスの流れる方向に沿って屈曲されるとともに、その断面積がガス循環路2の断面積の5分の1程度に形成されて排出効率を高めている。
図3は制御装置10のブロック図を示している。温度測定部12は4つの温度センサ7a〜7dの出力を信号処理して各温度センサ7a〜7dの温度測定値を求めるとともに温度測定値をアナログ値からデジタル値に変換して制御部11に出力する。制御部11はマイコンやメモリ等で構成され、専用のプログラムを実行することで後述するPID制御等の各種の制御を実現している。ヒータ駆動部13は制御部11のPID制御の元でヒータ6への通電の入切及び通電電流の増減による発熱量の調整を行っている。同じくルーバ駆動部14並びに制御弁駆動部15も各々制御部11の制御の元で図示しない駆動機構によるルーバ4の回動並びに制御弁9a〜9dの駆動を行っている。また圧力測定部16は排出管2bに設けられた圧力センサ17の出力を信号処理して圧力測定値を求めるとともに圧力測定値をA/D変換した測定圧力データを制御部11に出力する。
而して、ワークWを載せたパレット3を多段に積んで炉本体1内に収納し、制御装置10は制御弁9aで減圧(0.8MPa→0.2MPa)した圧縮空気を毎分200リットルの流量で導入管2aからガス循環路2に導入し且つ制御弁9cを全開にして炉本体1内の圧力を大気圧程度に維持した状態でヒータ6及びファン5を制御し、ヒータ6で加熱した気体をファン5によってガス循環路2内で図1における矢印の向きに循環させ、炉本体1内の雰囲気温度を室温から設定温度(バインダが分解気化する温度以上の温度)まで昇温する。このとき、ルーバ4の角度を調整することで炉本体1内におけるガスの撹拌性を高め、炉本体1内の雰囲気温度が均一になるようにしている。
次に、制御装置10の動作についてさらに詳しく説明する。
制御装置10においては、炉本体1内の雰囲気温度に対して設定される目標温度と2つの温度センサ7a,7bで測定される測定雰囲気温度との差が小さくなるように制御部11からPID制御の操作量を出力し、この操作量でヒータ駆動部13を制御してヒータ6の発熱量を増減することによって炉本体1内の雰囲気温度を調節する。尚、目標温度は室温から上記設定温度までの間で多段階に設定され、ある段階の目標温度から次の段階の目標温度に昇温させる時間(以下、「昇温時間」と呼ぶ)が増減することで温度上昇勾配(昇温速度)が変化することになる。また、制御部11は温度測定部12から取得した温度センサ7a,7bの温度測定値を平均することで測定雰囲気温度を求めるとともに、第1の温度センサ7cの温度測定値(測定上面温度)と測定雰囲気温度の差分(以下、「上面温度差」と呼ぶ)及び第2の温度センサ7dの温度測定値(測定下面温度)と測定雰囲気温度の差分(以下、「下面温度差」と呼ぶ)を求めている。
一方、上述のPID制御に用いる比例ゲイン、積分時間、微分時間の各パラメータは、各段階の目標温度並びに昇温時間を一つのセグメントとして各セグメント毎に設定される。すなわち、制御部11では測定雰囲気温度と目標温度を比較し、測定雰囲気温度の目標温度に対する偏差を求め、この偏差と比例ゲイン、積分時間、微分時間のパラメータから操作量を決定してPID制御を行い、測定雰囲気温度が目標温度に達したら(偏差がほぼゼロとなったら)次の段階の目標温度を設定し、最終的に測定雰囲気温度が上記設定温度に達するまで各セグメントに順次移行しながらPID制御を繰り返し行っている。
ところで、炉本体1内の雰囲気温度の昇温に伴ってバインダの分解速度が急激に速くなるとワークWにも急激な温度上昇が発生し、バインダの分解気化で発生した気体がワークWの内部に残ったまま膨張し、ワークW表面の膨れ現象やクラックなどの不良が生じる虞がある。これに対して本実施形態では、炉本体1内の雰囲気温度とは別にワークWの表面温度(上面温度及び下面温度)を測定し、その測定値(測定上面温度)と測定雰囲気温度の差分である上面温度差(=測定上面温度−測定雰囲気温度)が所定の閾値(>0)を超えていれば、ワークWに急激な温度上昇が発生していると制御部11が判断してワークWの温度上昇を抑制する制御を行うようになっている。すなわち、制御部11がワークWに急激な温度上昇が発生していると判断した場合、制御弁駆動部15を介して制御弁9a,9cを制御することにより導入管2aからの圧縮空気の流量を増加するとともに排出管2bから排出される気体の流量を減少させて炉本体1内の圧力を高くし、それによってバインダの沸点を上昇させて分解速度を減速し、ワークWの温度上昇を抑制することができるものである。また、炉本体1内の圧力が高くなることで気体の膨張によるワークW表面の膨れやクラックの発生も抑制できる。尚、バインダの分解気化した気体を置換する必要があるから、上述の場合であっても排出気体の流量は最低でも毎分50リットル程度に維持することが望ましい。
また、炉本体1内の雰囲気温度がワークWから分解気化したバインダの発火点を超えていると酸素との結合により気化したバインダが燃焼し、その燃焼熱でワークWの表面温度が急激に上昇してしまうことがある。そこで制御部11では、上面温度差が上記閾値よりも高く設定された閾値(以下、「燃焼閾値」と呼ぶ)を超えていれば上述の燃焼熱による急激な温度上昇がワークWに発生していると判断し、制御弁駆動部15を介して制御弁9aを閉じるとともに制御弁9bを開き、導入管2aからガス循環路2に流入する気体を圧縮空気から不活性ガスに切り換えることで炉本体1内の酸素濃度を低下させ、それによりバインダの燃焼を抑えてワークWの温度上昇を抑制する。尚、不活性ガスの流量を多くすれば酸素濃度を早く低下することができるが、毎分50リットル(0.1MPa)程度の流量とすることが望ましい。
さらに、上述の圧力調整あるいは酸素濃度調整ではワークWの温度上昇の抑制に時間がかかるような場合、制御部11は制御弁駆動部15を介して制御弁9dを開くことにより冷却ガス導入管2cからガス循環路2に冷却ガスを導入し、ガス循環路2内の気体温度を低下させてワークWを急速に冷やすようにしている。このとき、低温の気体が各ワークWに均等に触れるように制御部11はルーバ駆動部14を介してルーバ4の角度を調整している。例えば、気化したバインダの燃焼によるワークWの温度上昇が10℃程度であったとすると、液体から気化した窒素ガスなどの低温度ガスを冷却ガスに用いることで炉本体1のような熱容量の大きいものは徐々に温度が低下するが、雰囲気温度はすぐに10℃程度低下させることが可能である。
ここで、本実施形態ではワークWの急激な温度上昇の発生を上面温度差によって判断しているが、これはワークWの下面がパレット3の主部3aに接しているために上面に比べて雰囲気温度の変化に対する応答性が低いため、相対的に応答性の高い上面の温度との温度差(上面温度差)に応じて上述の圧力調整や酸素濃度調整あるいは冷却ガスによる冷却を開始することによりワークWの急激な温度上昇を確実に抑制することができる。尚、制御部11では下面温度差がほぼゼロとなり、ワークWの温度が確実に低下したことを確認してから上述の圧力調整や酸素濃度調整あるいは冷却ガスによる冷却を停止させており、これによって温度調整の精度を向上している。
また、制御部11は上述したPID制御の各セグメントにおいて上面温度差の正負に応じて昇温速度を変更する制御も行っている。すなわち、図4に実線で示すように上面温度差が負(<0℃)の期間T1では目標温度と昇温時間で決まる基準の温度上昇勾配(昇温速度)よりも温度上昇勾配を大きく(昇温速度を速く)し、上面温度差が正(>0℃)の期間T2では温度上昇勾配をほぼゼロとし、上面温度差がゼロ(=0℃)の期間T3では上記基準の昇温速度よりも温度上昇勾配を小さく(昇温速度を遅く)する。尚、このような温度上昇勾配の変更は制御部11にてPID制御のパラメータをステップ的に増減することで実現される。
而して、ワークWの温度が雰囲気温度よりも低い場合には昇温速度を速くし、ワークWの温度が雰囲気温度よりも高い場合には昇温速度を遅くするとともに、ワークWの温度と雰囲気温度がほぼ一致している場合には昇温速度をほぼゼロとすることによって、図4に点線で示すようにワークWの温度と雰囲気温度(測定雰囲気温度)との差に関係なく一定の昇温速度で昇温する場合に比較して、ワークWの急激な温度上昇をより確実に抑制して脱脂不良を低減できるとともに脱脂時間の短縮が図れるものである。
本実施形態の脱脂炉を示す模式図である。 (a)(b)は同上の要部の断面図である。 同上における制御装置のブロック図である。 同上における制御装置の動作説明図である。
符号の説明
1 炉本体
2 ガス循環路
6 ヒータ
7a,7b 温度センサ
7c 第1の温度センサ
7d 第2の温度センサ
10 制御装置
W ワーク

Claims (6)

  1. 成型品であるワークを収納する炉本体と、炉本体内を加熱する加熱手段と、炉本体内の雰囲気温度を測定する雰囲気温度測定手段と、ワークの表面温度を測定する表面温度測定手段と、ワークの温度上昇を抑制する温度上昇抑制手段と、前記加熱手段及び前記温度上昇抑制手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、炉本体内の雰囲気温度を設定温度まで上昇させる際に、前記表面温度測定手段で測定した測定表面温度が前記雰囲気温度測定手段で測定した測定雰囲気温度よりも低いときには、温度上昇勾配を相対的に大きくし、前記測定表面温度が前記測定雰囲気温度よりも高いときには、温度上昇勾配を略ゼロとし、前記測定表面温度が前記測定雰囲気温度と略一致するときには、温度上昇勾配を相対的に小さくするように、前記加熱手段を制御し、前記測定表面温度が高くなり、該測定表面温度と前記測定雰囲気温度との温度差が所定の閾値を超えたとき、前記温度上昇抑制手段を制御して、前記温度差を減少させるようにワークの温度調整を行うことを特徴とする脱脂炉。
  2. 雰囲気温度測定手段は、ワークの近傍であって当該ワークを挟んで対向する位置に設置された複数の温度センサを有することを特徴とする請求項1記載の脱脂炉。
  3. 表面温度測定手段は、炉本体に収納された状態のワーク上面の温度を測定する第1の温度センサと、炉本体内に収納された状態のワーク下面の温度を測定する第2の温度センサとを有し、制御手段は、第1の温度センサによる測定温度に応じて温度上昇抑制手段の動作を開始させるとともに第2の温度センサによる測定温度に応じて温度上昇抑制手段の動作を停止させることを特徴とする請求項1記載の脱脂炉。
  4. 温度上昇抑制手段は、炉本体内の酸素濃度を調整する機構を有することを特徴とする請求項1記載の脱脂炉。
  5. 温度上昇抑制手段は、炉本体内の圧力を調整する機構を有することを特徴とする請求項1記載の脱脂炉。
  6. 温度上昇抑制手段は、少なくともワークの表面温度よりも低温の気体をワークに噴射する機構を有することを特徴とする請求項1記載の脱脂炉
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