JP2017036483A - 焼結体の製造方法、脱脂体の製造方法および加熱炉 - Google Patents

焼結体の製造方法、脱脂体の製造方法および加熱炉 Download PDF

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Abstract

【課題】焼成工程の途中で処理環境が変化しても高品質な焼結体を製造可能な焼結体の製造方法、脱脂工程の途中で処理環境が変化しても十分な脱脂がなされた脱脂体を製造可能な脱脂体の製造方法、および、焼成工程や脱脂工程の途中で処理環境が変化しても被処理物に対して十分な処理を行い得る加熱炉を提供すること。【解決手段】本発明の焼結体の製造方法は、焼成炉1内に金属粉末と有機バインダーとを含む成形体を入れた状態で、焼成炉1内で第1昇温プログラムに基づいた昇温を開始する第1の工程と、昇温の途中で焼成炉1内の真空度または露点を計測する第2の工程と、第2の工程において計測した真空度または露点が所定条件を満たさないとき、第1昇温プログラムに代えて第2昇温プログラムを適用して昇温を行い、所定条件を満たすとき、第1昇温プログラムを適用して昇温を行う第3の工程と、を有することを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、焼結体の製造方法、脱脂体の製造方法および加熱炉に関するものである。
金属粉末を含む成形体を焼成して焼結体を製造する粉末冶金法は、目的とする形状に近い金属製品を製造可能であることから、多くの産業分野で普及している。
成形体の製造にはいくつかの方法が知られているが、その中の1つに、金属粉末と有機バインダーとを混合、混練し、この混練物を用いて射出成形する金属粉末射出成形(MIM:Metal Injection Molding)法がある。このMIM法により製造された成形体は、脱脂処理(脱バインダー処理)が施されて有機バインダーが除去された後、焼成に供される。焼成では、金属粒末の粒子同士が結合し、焼結に至ることで目的とする金属製品(焼結体)が得られる。
例えば、特許文献1には、金属粉末と有機バインダーとを混練した後、射出成形処理、脱脂処理し、さらに異なった条件による2段の焼結処理を行う焼結磁性材料の製造方法が開示されている。そして、2段の焼結処理の例として、比較的低温での焼結と比較的高温での焼結とを行うことが開示されている。
特開平2−138443号公報
しかしながら、焼結処理では、被処理物から意図せず多量のガスが発生する等して、途中で処理条件が変化することがある。このように処理条件が変化すると、それが被処理物の焼結現象の進度に影響を及ぼし、良好な焼結がなされないことがある。
本発明の目的は、焼成工程の途中で処理環境が変化しても高品質な焼結体を製造可能な焼結体の製造方法、脱脂工程の途中で処理環境が変化しても十分な脱脂がなされた脱脂体を製造可能な脱脂体の製造方法、および、焼成工程や脱脂工程の途中で処理環境が変化しても被処理物に対して十分な処理を行い得る加熱炉を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の焼結体の製造方法は、金属粉末と有機バインダーとを含む成形体を焼成し、焼結体を製造する方法であって、
焼成炉内に前記成形体を入れた状態で、前記焼成炉内で第1昇温プログラムに基づいた昇温を開始する第1の工程と、
前記昇温の途中で前記焼成炉内の真空度または露点を計測する第2の工程と、
前記第2の工程において計測した真空度または露点が所定条件を満たさないとき、前記第1昇温プログラムに代えて第2昇温プログラムを適用して昇温を行い、前記第2の工程において計測した真空度または露点が所定条件を満たすとき、前記第1昇温プログラムを適用して昇温を行う第3の工程と、
を有することを特徴とする。
これにより、焼成工程の途中で処理環境が変化しても高品質な焼結体を製造することができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記第2昇温プログラムは、前記第1昇温プログラムを構成する要素のうち、昇温速度を大きくしたプログラムであることが好ましい。
これにより、真空度または露点が所定条件を満たさないことによって生じる金属酸化物の還元反応の反応速度の低下を、昇温速度の増加による還元反応の促進によって補うことができる。その結果、還元反応の反応速度が低下した状態が長時間続くのを防止して、焼結不良の発生を抑制することができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記第3の工程の後、前記第2の工程を再び行うことが好ましい。
これにより、第2昇温プログラムを適用したことが効果を発揮したかどうかを検証することができる。すなわち、再び行う第2の工程後の第3の工程では、再び真空度または露点が所定条件を満たすか否かの判定を行うことになるため、そこで真空度や露点の状況に応じて適した昇温プログラムを選択することができる。これにより、焼結体の品質のバラツキを最小限に留めたり、第2昇温プログラムによる効果を最大限に発揮させたりすることができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記第2の工程において、前記焼成炉内の真空度の時間積分または露点の時間積分を算出し、
前記第3の工程における前記所定条件は、前記真空度の時間積分に係る条件または前記露点の時間積分に係る条件であることが好ましい。
これにより、所定条件として真空度や露点の計測値に係る条件をそのまま用いる場合に比べて、第3の工程において所定条件を満たすか否かの判定を、相対的に厳しい所定条件に基づいて行うことができる。このため、真空度や露点の変化に対して早めに対処することができ、還元反応の反応速度が低下した状態が長時間続くのを防止することができる。
本発明の脱脂体の製造方法は、金属粉末と有機バインダーとを含む成形体を脱脂し、脱脂体を製造する方法であって、
脱脂炉内に前記成形体を入れた状態で、前記脱脂炉内を第1昇温プログラムに基づいた昇温を開始する第1の工程と、
前記昇温の途中で前記脱脂炉内における前記有機バインダーの分解ガス濃度を計測する第2の工程と、
計測した分解ガス濃度が所定範囲内にあるとき、第2昇温プログラムを適用して昇温を行い、計測した分解ガス濃度が所定範囲内にないとき、前記第1昇温プログラムを適用して昇温を行う第3の工程と、
を有することを特徴とする。
これにより、脱脂工程の途中で処理環境が変化しても十分な脱脂がなされた脱脂体を製造することができる。
本発明の加熱炉は、炉本体と、
前記炉本体内を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段の出力を調整する出力調整手段と、
前記炉本体内の真空度または露点を計測する計測手段と、
昇温プログラムに基づいて前記出力調整手段の動作を制御する機能と、前記計測手段の計測結果に基づいて前記昇温プログラムを書き換える機能と、を含む制御手段と、
を有することを特徴とする。
これにより、この加熱炉を焼成炉として用いた場合に、焼成工程の途中で処理環境の因子が変化しても高品質な焼結体を製造することができる。
本発明の加熱炉は、炉本体と、
前記炉本体内を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段の出力を調整する出力調整手段と、
前記炉本体内における前記有機バインダーの分解ガス濃度を計測する計測手段と、
昇温プログラムに基づいて前記出力調整手段の動作を制御する機能と、前記計測手段の計測結果に基づいて前記昇温プログラムを書き換える機能と、を含む制御手段と、
を有することを特徴とする。
これにより、この加熱炉を脱脂炉として用いた場合に、脱脂工程の途中で処理環境の因子が変化しても十分な脱脂がなされた脱脂体を製造することができる。
本発明の加熱炉の第1実施形態を適用した焼成炉を示す断面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の加熱炉の第2実施形態を適用した脱脂炉を示す断面図である。 本発明の焼結体の製造方法の実施形態を説明するための工程図である。 第1昇温プログラムを示す温度プロファイル、第2昇温プログラムを示す温度プロファイル、および、真空度の計測値の推移を示すグラフの各一例である。 本発明の脱脂体の製造方法の実施形態を説明するための工程図である。
以下、本発明の焼結体の製造方法、脱脂体の製造方法および加熱炉について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<加熱炉>
≪第1実施形態≫
まず、本発明の加熱炉の第1実施形態を適用した焼成炉について説明する。焼成炉は、金属粉末と有機バインダーとを含む成形体を加熱することにより、焼結させる加熱炉である。
図1は、本発明の加熱炉の第1実施形態を適用した焼成炉を示す断面図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1、2の上方を「上」、下方を「下」として説明する。
図1に示す焼成炉1は、水平方向に長軸を有する筒状をなす炉本体2と、炉本体2内に設けられた筒状をなす隔壁4と、隔壁4の内壁に沿って設けられたヒーター5と、炉本体2の内部にガスを導入するガス導入系6と、ガスを排気するガス排気系7と、を有する。以下、焼成炉1の各部について詳述する。
図1に示す炉本体2は、水平方向に軸線を有する円筒形状をなしており、軸線の延在方向における一端(図1の右端)は塞がれている一方、他端(図1の左端)は開閉可能になっている。そして、炉本体2の他端側から内部に被処理物を入れたり、取り出したりすることができる。
炉本体2は、例えば耐熱鋼のような鉄基合金で構成される。また、炉本体2の内壁面は、炉本体2の軸線に垂直な横断面において四角形、六角形、八角形のような多角形をなしていてもよいが、図2に示すような真円の他、楕円、長円のような円形をなしているのが好ましい。これにより、炉本体2の内部の温度分布をより均一にし易くなる。
隔壁4は、炉本体2の内部に設けられ、炉本体2の軸線と平行な軸線を持つ筒状をなしている。また、隔壁4の内壁面の形状は、隔壁4の軸線に垂直な横断面において四角形をなしている。
このような隔壁4は、例えばステンレス鋼、耐熱鋼のような金属材料や、カーボンのような炭素材料で構成される。
隔壁4の内部には、平板状のステージ3が設けられている。ステージ3は、隔壁4を貫通する脚部31を介して炉本体2の内壁面に固定されている。このステージ3は、焼成炉1において焼成処理が施される被処理物Wを載置可能になっている。
炉本体2には、焼成用ガスを導入するためのガス導入系6が接続されている。図1に示すガス導入系6は、ガスが流通可能な配管61と、図示しないガス発生源と、を備えている。配管61の一端は炉本体2に接続され、配管61の他端はガス発生源に接続されている。これにより、配管61を介して炉本体2の内部に焼成用ガスを導入し得るようになっている。
また、炉本体2には、ガスを排気するためのガス排気系7が接続されている。図1に示すガス排気系7は、ガスが流通可能な配管71と、排気ポンプ72と、を備えている。配管71の一端は炉本体2に接続され、配管71の他端は排気ポンプ72に接続されている。これにより、配管71を介して炉本体2の内部を排気ポンプ72によって排気し得るようになっている。
また、隔壁4の内部には、ヒーター5(加熱手段)が設けられている。ヒーター5に通電することで、炉本体2の内部の雰囲気や隔壁4、ステージ3等を加熱し、それに伴って被処理物Wを加熱する。
また、ヒーター5には、配線51を介して出力調整部52が接続されている。出力調整部52は、ヒーター5の出力を変化させ、被処理物Wの温度を変化させるようになっている。
なお、図2に示す炉本体2には、被処理物Wを取り囲むように、すなわち、被処理物Wの上方、下方、両側方に各1個ずつ、合計4個のヒーター5が設けられている。さらに、図1では、この4個のヒーター5が、炉本体2の軸線に沿って3組並んでいる。したがって、図1、2に示す炉本体2では、全部で12個のヒーター5が設けられている。また、これらの各ヒーター5には、個別に出力調整部52が接続されている。なお、図1、2では、一部のヒーター5や出力調整部52の図示を省略している。また、このようなヒーター5の数や配置は、一例であり、上記に限定されない。
また、隔壁4の内部には、熱電対8(温度測定手段)が設けられている。また、熱電対8には、配線81を介して温度調整部82(温度調整手段)が接続されている。さらに、温度調整部82と出力調整部52とは、配線83を介して互いに接続されている。なお、図1に示す記号X、Y、Zは、それぞれ配線83の接続先を示している。すなわち、図1に示す記号X同士、記号Y同士および記号Z同士がそれぞれ電気的に接続されるように配線83が敷設されている。
これらの熱電対8、配線81、温度調整部82および配線83により、隔壁4の内部の温度を測定し、それに基づいて出力調整部52に適切な出力値が指示される。出力調整部52では、この出力値に応じてヒーター5に電力を供給する。
さらに、本実施形態に係る焼成炉1は、総合制御部85(制御手段)、および、総合制御部85と各温度調整部82とを電気的に接続する配線86と、を備えている。総合制御部85は、複数の温度調整部82の動作を同時に制御し得るようになっている。これにより、炉本体2の内部に温度差が生じた場合でも、炉本体2の内部全体が目的の温度になるように制御することができる。
また、本実施形態に係る焼成炉1は、炉本体2の内部の真空度を測定する真空計91(計測手段)と、炉本体2の内部の露点を測定する露点計92(計測手段)と、を備えている。この真空計91は、配線911を介して総合制御部85と電気的に接続されている。また、露点計92は、配線921を介して総合制御部85と電気的に接続されている。
総合制御部85は、あらかじめ設定されている第1昇温プログラムに基づいて温度調整部82および出力調整部52の動作を制御する機能と、真空計91または露点計92の計測結果に基づいて第1昇温プログラムを第2昇温プログラムに書き換え、第2昇温プログラムに基づいて温度調整部82および出力調整部52の動作を制御する機能と、を有する。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の加熱炉の第2実施形態を適用した脱脂炉について説明する。脱脂炉は、金属粉末と有機バインダーとを含む成形体を加熱することにより、有機バインダーの少なくとも一部を熱分解して除去し、脱脂体を得る加熱炉である。
図3は、本発明の加熱炉の第2実施形態を適用した脱脂炉を示す断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。また、図において、前述した実施形態と同様の事項については、同一符号を付している。
図3に示す脱脂炉10は、炉本体2の内部の真空度を測定する真空計91、および、炉本体2の内部の露点を測定する露点計92に代えて、有機バインダーの熱分解ガスの濃度を測定するガス濃度センサー93(計測手段)を備えている以外、第1実施形態に係る焼成炉1と同様である。
ガス濃度センサー93は、配線931を介して総合制御部85と電気的に接続されている。
総合制御部85は、あらかじめ設定されている第1昇温プログラムに基づいて温度調整部82および出力調整部52の動作を制御する機能と、ガス濃度センサー93の計測結果に基づいて第1昇温プログラムを第2昇温プログラムに書き換え、第2昇温プログラムに基づいて温度調整部82および出力調整部52の動作を制御する機能と、を有する。
ガス濃度センサー93は、有機バインダーの熱分解ガスの濃度を測定し得るセンサーであれば、いかなるものであってもよい。有機バインダーの熱分解ガスの種類としては、例えば、メタン、エチレン、エタン、プロピレン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ホルムアルデヒド等の炭化水素系ガスまたはこれらの誘導体等が挙げられる。
このうち、例えばメタンの濃度を検出するセンサーの検出方式としては、熱触媒方式、赤外線吸光光度方式、熱伝導率検出方式等が知られている。本発明では、これらいずれの検出方式のセンサーであっても用いることができる。
<焼結体の製造方法>
次に、本発明の焼結体の製造方法の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、前述した焼成炉1を用いた方法について説明する。
図4は、本発明の焼結体の製造方法の実施形態を説明するための工程図である。
図4に示す焼結体の製造方法は、[1]焼成炉1内に成形体(被処理物)を入れ、第1昇温プログラムに基づいた昇温を開始する第1の工程と、[2]昇温の途中で焼成炉1内の真空度または露点を計測する第2の工程と、[3]計測した真空度または露点が所定条件を満たさないとき、第2昇温プログラムを適用して昇温を行い、計測した真空度または露点が所定条件を満たすとき、第1昇温プログラムを適用して昇温を行う第3の工程と、[4]第3の工程において第1昇温プログラムが選択された場合であって、その時点で第1昇温プログラムの終了条件が満たされていたときには、第1昇温プログラムを終了させ、その時点で第1昇温プログラムの終了条件を満たされていないときには、第2の工程に戻す第4の工程と、を有する。以下、各工程について順次説明する。
[1]まず、焼成炉1内に被処理物Wとして成形体を入れる。この成形体は、金属粉末と有機バインダーとを含んでいる。具体的には、この成形体は、金属粉末と有機バインダーとの混合物を用い、圧粉成形(圧縮成形)法、金属粉末射出成形(MIM:Metal Injection Molding)法、押出成形法等の各種成形法を用いて製造される。このようにして得られた成形体は、金属粉末の粒子同士の間隙に、有機バインダーが一様に分布した状態となる。
また、焼成炉1内に入れられる成形体には、必要に応じて、脱脂処理が施されていてもよい。すなわち、焼成炉1内には被処理物として脱脂体が入れられてもよい。この脱脂処理としては、例えば、成形体を加熱する方法、有機バインダーを分解するガスに成形体を曝す方法等が挙げられる。
なお、この脱脂処理に前述した本発明の加熱炉を用いることもできる。なお、かかる脱脂処理については、後に詳述する。
次いで、焼成炉1内に成形体を入れた状態で、焼成炉1の炉本体2内の気体を排気する。これにより、炉本体2内が減圧され、真空状態となる。
炉本体2内の真空度は、特に限定されないが、10−5Pa以上10Pa以下であるのが好ましく、10−4Pa以上10Pa以下であるのがより好ましい。炉本体2内の真空度を前記範囲内に設定することにより、炉本体2内における酸素、窒素、水等の濃度が十分に低下するため、成形体中の金属粉末の酸化や窒化等を抑制しつつ成形体を焼成することができる。
また、炉本体2内の真空度を前記範囲内に設定することにより、成形体中に含まれる炭素と金属粉末に含まれる酸素との反応を誘起することができる。これは、炭素による金属酸化物の還元反応に相当する。さらに、焼成の過程で成形体からガスが発生した場合、このガスを焼成炉1外へ速やかに排出することができる。これにより、発生したガスによって真空度が低下し還元反応の反応速度が低下したり還元反応が停止したりするのを抑制することができる。
なお、炉本体2は真空状態にしてもよいが、代わりに、還元性雰囲気にしてもよい。
還元性雰囲気としては、例えば、水素、一酸化炭素のような還元性ガス(焼成用ガス)、あるいはこれらの還元性ガスを含む雰囲気が挙げられる。これらの雰囲気は、成形体中の金属粉末の酸化や窒化等を抑制しつつ成形体を焼成することができる。
また、炉本体2内を還元性雰囲気にすることにより、還元性ガスと金属粉末に含まれる酸素との反応を誘起することができる。これは、水素等の還元性ガスによる金属酸化物の還元反応に相当する。
炉本体2内の還元性ガスの濃度は、特に限定されないが、10体積%以上であるのが好ましく、50体積%以上であるのがより好ましい。還元性ガスの濃度を前記範囲内に設定することにより、還元性ガスによる金属酸化物の還元反応の反応速度が十分に速くなり、焼結不良の発生を抑制することができる。
そして、炉本体2内の露点は、特に限定されないが、−30℃以下であるのが好ましく、−40℃以下であるのがより好ましい。炉本体2内の露点を前記範囲内に設定することにより、炉本体2内における水蒸気の濃度が十分に低下するため、成形体中の金属粉末の酸化を抑制するとともに、還元性ガスによる金属酸化物の還元反応の反応速度が低下したり還元反応が停止したりするのを抑制することができる。
次いで、焼成炉1内を真空状態または還元性雰囲気に維持しつつ、総合制御部85にあらかじめ設定されている第1昇温プログラムを起動する。これにより、第1昇温プログラムに基づいて温度調整部82および出力調整部52を動作させ、焼成炉1内の昇温が開始される(第1の工程)。
ここで、第1昇温プログラムは、経過時間と設定温度との関係を規定している。なお、経過時間を細かいステップで規定しておくことにより、経過時間ごとの昇温速度をより細かく規定することができる。
総合制御部85では、このような経過時間と設定温度との関係に基づいて、温度調整部82および出力調整部52を動作させる。すなわち、ある設定温度と、その設定温度を実現するためにヒーター5で必要な出力との関係は、焼成炉1の構造等によって異なるため、かかる関係をあらかじめ把握しておく。かかる関係を総合制御部85に保持させておくことにより、第1昇温プログラムで規定される設定温度に基づいて、ヒーター5で必要な出力を指示することができる。
図5は、第1昇温プログラムを示す温度プロファイルの一例である。図5の横軸は経過時間、縦軸は設定温度を示しており、第1昇温プログラムを示す温度プロファイルを破線の折れ線で示している。
図5に示す第1昇温プログラムは、室温から700℃まで昇温させるステップ1(S1)と、700℃で維持するステップ2(S2)と、700℃から1000℃まで昇温させるステップ3(S3)と、1000℃で維持するステップ4(S4)と、1000℃から1250℃まで昇温させるステップ5(S5)と、1250で維持するステップ6(S6)と、1250℃から室温まで降温させるステップ7(S7)と、を含んでいる。
[2]次に、昇温の途中で焼成炉1内の真空度または露点を計測する(第2の工程)。計測値は、総合制御部85に送信される。
例えば、炉本体2内が真空状態にあるときは、真空度が計測される。また、炉本体2内が還元性雰囲気になっているときは、露点が計測される。
なお、真空度や露点は、常時モニターされ、計測値が随時、総合制御部85に送信されるようになっていてもよい。
[3]次に、総合制御部85において、計測した真空度または露点が所定条件を満たすかどうか、判定を行う。かかる所定条件とは、真空度や露点が金属酸化物の還元反応の反応速度を左右することから、それを考慮して適宜設定される。すなわち、焼結不良が発生する程度まで反応速度が低下しないように、真空度や露点の上限値が設定され、その上限値より低い範囲に計測値やその演算処理値が含まれた場合に「所定条件を満たす」とする。
そして、計測した真空度または露点が所定条件を満たしていないと判定されたとき、すなわち、真空度の計測値が上限値を上回ったり、露点の計測値が上限値を上回ったりした場合には、総合制御部85において、第1昇温プログラムを第2昇温プログラムに書き換える。これにより、これ以降、総合制御部85は、第2昇温プログラムに基づいて温度調整部82および出力調整部52を動作させ、焼成炉1内の昇温が行われる(第3の工程)。
ここで、第2昇温プログラムは、第1昇温プログラムと同様、経過時間と設定温度との関係を規定しているが、この関係が第1昇温プログラムとは相違している。具体的には、第2昇温プログラムは、第1昇温プログラムよりも昇温速度が小さく規定されていてもよいが、大きく規定されているのが好ましい。これにより、還元反応の反応速度が低下した分を、昇温速度の増加による還元反応の促進によって補うことができる。すなわち、還元反応の反応速度が低下したことを、真空度または露点の計測値から間接的に捉え、それを昇温プログラムに反映させる(フィードバックする)ことにより、還元反応の低下を速やかに補うことができる。これにより、還元反応の反応速度が低下した状態が長時間続くのを防止し、焼結不良の発生を抑制することができる。
図5には、第2昇温プログラムを示す温度プロファイルの一例と、真空度の計測値の推移を示すグラフの一例と、を示している。なお、第2昇温プログラムを示す温度プロファイルを実線の折れ線で示し、真空度の計測値の推移を一点鎖線で示している。
図5に示すように、第2昇温プログラムを示す温度プロファイルは、真空度が上昇したとき、それに呼応して昇温速度が第1昇温プログラムを示す温度プロファイルよりも大きくなっている。図5に示す第2昇温プログラムを示す温度プロファイルでは、ステップ1(S1)の途中で昇温速度が大きくなっている。すなわち、この温度変化の部分をステップ8(S8)とすると、ステップ8の昇温速度はステップ1の昇温速度よりも大きくなっている。
ステップ8の昇温速度、すなわち第2昇温プログラムのうち第1昇温プログラムよりも大きくなっている昇温速度は、ステップ1の昇温速度の101%以上200%以下であるのが好ましく、110%以上180%以下であるのがより好ましい。これにより、過焼結を抑制しつつ、還元反応の不足を短時間で補うことができる。
なお、図5に示す例では、ステップ8において、ステップ2の設定温度を超えて昇温しているが、第2昇温プログラムはこのような設定に限定されない。例えば、第1昇温プログラムと同様、ステップ2の設定温度までの昇温に留めてもよい。
また、図5では、ステップ8において昇温速度を大きくする例を図示しているが、ステップ8の設定はこれに限定されず、例えば昇温速度を変えることなくステップ2の温度を超えるように昇温する設定であってもよい。
さらに、図5に示すステップ8の設定は、昇温した後、降温する設定になっているが、降温させることなく、ステップ2の設定温度を高く変更するようにしてもよい。
なお、真空度や露点が上昇しているにも関わらず、このような第2昇温プログラムへの書き換えがなされなかった場合、例えば、第2昇温プログラムへ書き換える代わりに第1昇温プログラムの進行を一時的に停止する措置をとった場合、還元反応の反応速度が低下した状態が長時間続くことになる。この場合、最終的に還元し切れない金属酸化物が残留し易くなり、焼結不良の発生を招くおそれがある。
これに対し、第2昇温プログラムに書き換えることにより、最終的に焼結不良の発生を抑制することができる。その結果、高品質な焼結体を効率よく製造することができる。
一方、計測した真空度または露点が所定条件を満たしていると判定されたとき、すなわち、真空度の計測値が上限値を下回っていたり、露点の計測値が上限値を下回っていたりした場合には、総合制御部85において、引き続き第1昇温プログラムに基づいて焼成炉1内の昇温が行われる(第3の工程)。
ところで、本工程において第2昇温プログラムへの書き換えがなされた後、本実施形態では、図4に示すように再び第2の工程に戻すようにする。すなわち、本実施形態では、第2の工程が複数回繰り返される。これにより、第2昇温プログラムへの書き換えが効果を発揮したかどうかを検証することができる。
そして、第2昇温プログラムへの書き換えが効果を発揮した場合、本工程(第3の工程)においては、真空度または露点が所定条件を満たすという判定がなされることになる。この場合、総合制御部85において、第2昇温プログラムを再び第1昇温プログラムへと書き戻す。これにより、これ以降、総合制御部85は、再び、本来の第1昇温プログラムに基づいて焼成炉1内の昇温を行う。このようにすれば、上昇していた真空度や露点が低下したとき、速やかに第1昇温プログラムに基づく昇温に戻すことができる。これにより、ほぼ設計通りの焼結プロセスを経過させることができることになるので、焼結体の品質のバラツキを最小限に留めることができる。
また、第2昇温プログラムへ書き換えたものの、その効果が未だ十分に発揮されていない場合には、真空度や露点が所定条件を満たさないという判定がなされることになる。この場合、引き続き第2昇温プログラムが適用され、それが効果を発揮して所定条件を満たすようになるまで、第2の工程と第3の工程とを繰り返すこととなる。これにより、上昇した真空度や露点を速やかに低下させ、還元反応の反応速度の低下を最小限に留めることができる。換言すると、第2昇温プログラムへ書き換えたことによる効果が発現するまで、第2昇温プログラムによる昇温を続けることになるため、第2昇温プログラムによる効果が最大限に発揮される。
なお、このように第2の工程と第3の工程とを複数回にわたって繰り返す場合には、そのたびに第2昇温プログラムの内容を更新するようにしてもよい。例えば、より昇温速度を大きくした第2昇温プログラムに更新することにより、真空度や露点の低下をさらに促進することができる。
[4]第3の工程において引き続き第1昇温プログラムが用いられた場合、その後、図4に示すように第1昇温プログラムの終了条件を満たすかどうか、判定を行う。そして、終了条件を満たす場合、第1昇温プログラムを終了し、焼成炉1内の昇温を終了させる。これにより、焼結体は自然冷却または強制冷却によって室温まで冷却される。
一方、終了条件を満たさない場合、本実施形態では、図4に示すように再び第2の工程に戻すようにする。これにより、第1昇温プログラムによる昇温が継続される(第4の工程)。
第1昇温プログラムの終了条件とは、例えば、起動からの経過時間であってもよく、特定のステップからの経過時間であってもよく、焼成炉1内の真空度や露点の計測値またはその演算処理値であってもよい。そして、このような終了条件は、成形体が十分に焼結し得る条件であるといえる。
なお、前述した第2の工程における真空度または露点の計測値は、総合制御部85に送信された後、必要に応じて演算処理に供されてもよい。すなわち、総合制御部85では(第3の工程では)、真空度や露点の計測値をこの演算処理にかけ、得られた処理値が所定条件を満たすか否かを判定するようにしてもよい。
この演算処理としては、例えば、時間微分処理、時間積分処理等が挙げられる。このうち、時間積分処理に供されることにより、真空度や露点の時間変化を積算することができる。そして、総合制御部85では、真空度や露点の時間積分が所定条件を満たすか否か、判定する。その結果、計測値自体をモニターするよりも早い段階で真空度や露点の変化を捉え易くなる。すなわち、計測値自体をモニターして第3の工程における判定にかける場合、計測値の揺らぎを考慮して、ある程度判定の条件を緩く設定せざるを得ない。これに対し、時間積分値を用いることにより、計測値の揺らぎに対する鋭敏さが低減される。これにより、判定の条件を相対的に厳しく設定することができ、真空度や露点の変化に対して早めに対処することができる。その結果、真空度や露点が過度に悪化するのを抑制し、還元反応の反応速度が低下した状態が長時間続くのを防止することができる。
また、真空度や露点のような処理環境の因子は、それぞれ還元反応の進行や有機バインダーの熱分解、焼成炉1の内壁面に付着した成分の脱離等に伴って上昇する物理量である。前述したように、金属酸化物の還元反応は、真空度や露点の上昇が直接にかつ短時間に影響を受け易い。このため、このような物理量に基づいて第3の工程の判定を行うことにより、還元反応の反応速度が低下した状態が長時間続くのを防止することができる。加えて、真空度や露点は、計測手段で測定されるときのタイムラグが小さい、すなわち、その変化が短時間で捉えられる物理量であることから、第3の工程の判定に供される物理量として有用である。
<脱脂体の製造方法>
次に、本発明の脱脂体の製造方法の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、前述した脱脂炉10を用いた方法について説明する。
図6は、本発明の脱脂体の製造方法の実施形態を説明するための工程図である。
以下、脱脂体の製造方法の実施形態について説明するが、以下の説明では、前述した焼結体の製造方法の実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図6に示す脱脂体の製造方法は、焼成炉1に代えて脱脂炉10を用い、第2の工程において有機バインダーの熱分解ガスの濃度を計測し、第3の工程において計測した熱分解ガスの濃度が所定条件を満たすか否かを判定するようにしている点で相違している以外、図4に示す焼結体の製造方法と同様である。
すなわち、図6に示す脱脂体の製造方法は、[1]脱脂炉10内に成形体(被処理物)を入れ、第1昇温プログラムに基づいた昇温を開始する第1の工程と、[2]昇温の途中で脱脂炉10内における有機バインダーの熱分解ガスの濃度を計測する第2の工程と、[3]計測した熱分解ガスの濃度が所定条件を満たさないとき、第2昇温プログラムを適用して昇温を行い、計測した熱分解ガスの濃度が所定条件を満たすとき、第1昇温プログラムを適用して昇温を行う第3の工程と、[4]第3の工程において第1昇温プログラムが選択された場合であって、その時点で第1昇温プログラムの終了条件が満たされていたときには、第1昇温プログラムを終了させ、その時点で第1昇温プログラムの終了条件を満たされていないときには、第2の工程に戻す第4の工程と、を有する。
第2の工程では、昇温の途中で脱脂炉10内における有機バインダーの熱分解ガスの濃度を計測する。計測値は、総合制御部85に送信される。
そして、第3の工程では、総合制御部85において、計測した熱分解ガスの濃度が所定条件を満たすかどうか、判定を行う。かかる所定条件とは、熱分解ガスの濃度のような処理環境の因子が有機バインダーの熱分解反応の反応速度を左右することから、それを考慮して適宜設定される。すなわち、熱分解ガスの濃度が高くなると、熱分解速度が低下し、脱脂不良が発生する(脱脂が不十分になる)おそれがあるため、かかる脱脂不良が発生する程度まで熱分解速度が低下しないように、熱分解ガスの濃度の上限値が設定され、その上限値より低い範囲に計測値やその演算処理値が含まれた場合に「所定条件を満たす」とする。
この他、脱脂体の製造方法の実施形態の第2〜第4の工程は、焼結体の製造方法の実施形態における真空度や露点を、熱分解ガスの濃度に置き換えた以外、同様とされる。
以上、本発明の焼結体の製造方法、脱脂体の製造方法および加熱炉について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の加熱炉は、前記実施形態から隔壁4が省略されていてもよく、ヒーター5の位置は隔壁4と炉本体2との間であってもよい。また、前記実施形態は、いわゆるバッチ式の炉であるが、本発明の加熱炉は連続式の炉であってもよい。
また、本発明の焼結体の製造方法および本発明の脱脂体の製造方法は、それぞれ前記実施形態に対して任意の工程が追加されたものであってもよい。
1…焼成炉、2…炉本体、3…ステージ、4…隔壁、5…ヒーター、6…ガス導入系、7…ガス排気系、8…熱電対、10…脱脂炉、31…脚部、51…配線、52…出力調整部、61…配管、71…配管、72…排気ポンプ、81…配線、82…温度調整部、83…配線、85…総合制御部、86…配線、91…真空計、92…露点計、93…ガス濃度センサー、911…配線、921…配線、931…配線、W…被処理物

Claims (7)

  1. 金属粉末と有機バインダーとを含む成形体を焼成し、焼結体を製造する方法であって、
    焼成炉内に前記成形体を入れた状態で、前記焼成炉内で第1昇温プログラムに基づいた昇温を開始する第1の工程と、
    前記昇温の途中で前記焼成炉内の真空度または露点を計測する第2の工程と、
    前記第2の工程において計測した真空度または露点が所定条件を満たさないとき、前記第1昇温プログラムに代えて第2昇温プログラムを適用して昇温を行い、前記第2の工程において計測した真空度または露点が所定条件を満たすとき、前記第1昇温プログラムを適用して昇温を行う第3の工程と、
    を有することを特徴とする焼結体の製造方法。
  2. 前記第2昇温プログラムは、前記第1昇温プログラムを構成する要素のうち、昇温速度を大きくしたプログラムである請求項1に記載の焼結体の製造方法。
  3. 前記第3の工程の後、前記第2の工程を再び行う請求項2に記載の焼結体の製造方法。
  4. 前記第2の工程において、前記焼成炉内の真空度の時間積分または露点の時間積分を算出し、
    前記第3の工程における前記所定条件は、前記真空度の時間積分に係る条件または前記露点の時間積分に係る条件である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の焼結体の製造方法。
  5. 金属粉末と有機バインダーとを含む成形体を脱脂し、脱脂体を製造する方法であって、
    脱脂炉内に前記成形体を入れた状態で、前記脱脂炉内を第1昇温プログラムに基づいた昇温を開始する第1の工程と、
    前記昇温の途中で前記脱脂炉内における前記有機バインダーの分解ガス濃度を計測する第2の工程と、
    計測した分解ガス濃度が所定範囲内にあるとき、第2昇温プログラムを適用して昇温を行い、計測した分解ガス濃度が所定範囲内にないとき、前記第1昇温プログラムを適用して昇温を行う第3の工程と、
    を有することを特徴とする脱脂体の製造方法。
  6. 炉本体と、
    前記炉本体内を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段の出力を調整する出力調整手段と、
    前記炉本体内の真空度または露点を計測する計測手段と、
    昇温プログラムに基づいて前記出力調整手段の動作を制御する機能と、前記計測手段の計測結果に基づいて前記昇温プログラムを書き換える機能と、を含む制御手段と、
    を有することを特徴とする加熱炉。
  7. 炉本体と、
    前記炉本体内を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段の出力を調整する出力調整手段と、
    前記炉本体内における前記有機バインダーの分解ガス濃度を計測する計測手段と、
    昇温プログラムに基づいて前記出力調整手段の動作を制御する機能と、前記計測手段の計測結果に基づいて前記昇温プログラムを書き換える機能と、を含む制御手段と、
    を有することを特徴とする加熱炉。
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