JP4410064B2 - 金属多孔質焼結体の製造方法及び装置 - Google Patents

金属多孔質焼結体の製造方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、金属多孔質焼結体の製造方法及び装置に関し、詳しくは、金属粉と有機質バインダーとを含むスラリー状物質を発泡性樹脂に含浸させたグリーンシートを熱処理して金属多孔質焼結体を連続的に製造するための方法及び装置に関する。
金属多孔質焼結体を製造する方法として、金属粉と有機質バインダーとを含むスラリーを、成形時に骨材として一時的に機能する発泡性樹脂の気泡中に含浸させた後、これを加熱炉内で加熱することにより、発泡性樹脂と有機質バインダーとを除去する脱バインダー処理及び脱脂処理を行い、その後、金属粉を焼結することによって金属多孔質焼結体を製造する方法、いわゆるスラリー法が知られている。
このスラリー法では、金属粉を焼結させる前に有機質バインダーが全て抜けてしまうと、製品の形状を保持することが困難となる。これを防ぐため、従来は、有機質バインダーとして収炭率の高いフェノール樹脂等を用い、焼結前に連結材の役目となるカーボンを残し、その後1000℃近くでカーボンを脱炭するとともに金属粉を焼結させる加熱処理を行っている。この加熱時の雰囲気ガスとしては、高露点の湿潤水素や二酸化炭素を使用している(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−158116号公報
上記スラリー法におけるグリーンシートに含まれる有機質バインダーは最大40%程度であり、連続処理を行った場合、グリーンシートから発生するバインダー蒸気に起因するカーボンやタール等が発生し、炉内外を汚染したり、製品に付着したりすることがある。
製品に付着した場合には歩留まりが低下し、炉が汚染された場合には操業を止めてクリーニングする必要がある。これを回避するためには、単位時間当たりの処理量を下げるか、雰囲気ガス量を増大させることが必要である。しかし、これらの対処法は、金属多孔質焼結体の生産量が少なくなり、また、高価なガスを大量に使用するため、製造コストの増大を招き好ましくない。
そこで本発明は、カーボンやタール等の発生を抑制し、低廉なガスを使用して最適な炉内雰囲気を形成することによって効率よく低コストで金属多孔質焼結体を製造することができる方法及び装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の金属多孔質焼結体の製造方法は、Ni,Mo,Co又はFeあるいはこれらの金属合金から選択された金属粉と有機質バインダーとを含むスラリーを発泡性樹脂に含浸させたグリーンシートを加熱炉内で加熱し、前記グリーンシート中の発泡性樹脂を分解して気化させるとともに、該発泡性樹脂の気泡中に存在する前記有機質バインダーを炭素化し、生成した炭素に前記金属粉を担持させる第1加熱工程を行った後、前記炭素を除去するとともに前記金属粉を焼結させる第2加熱工程を行って金属多孔質焼結体を製造する方法であって、前記第1加熱工程における炉内雰囲気を、金属還元域、炭素還元域及び金属粉の焼結温度未満の領域に設定し、前記第2加熱工程における炉内雰囲気を、金属還元域、炭素酸化域及び金属粉の焼結温度以上の領域に設定することを特徴としている。
さらに、本発明の金属多孔質焼結体の製造方法は、上記構成において、前記各工程の炉内雰囲気を、炉内ガス成分のCO/CO比、HO/H比及び酸素分圧のいずれかの一つと、炉内温度とを調節することによって前記領域に維持することを特徴とし、特に、前記加熱炉から炉内ガスを導出し、該炉内ガスに酸素含有ガス及び炭化水素系ガスを添加して燃焼させた後、前記加熱炉内に循環導入することを特徴としている。
また、本発明の金属多孔質焼結体の製造装置は、Ni,Mo,Co又はFeあるいはこれらの金属合金から選択された金属粉と有機質バインダーとを含むスラリーを発泡性樹脂に含浸させたグリーンシートを載置して入口部から出口部に向けて移動させるメッシュベルトを備えた加熱炉と、該加熱炉の入口部から炉内ガスを導出する炉内ガス導出経路と、該炉内ガス導出経路に導出した炉内ガスに酸素含有ガス及び炭化水素系ガスを添加して燃焼させる燃焼室と、該燃焼室で燃焼後の再生ガスを前記加熱炉の出口部に導入する再生ガス導入経路と、該再生ガス導入経路を流れるガス組成を分析するガス分析計と、該ガス分析計の分析値に基づいて前記炉内ガスに添加する酸素含有ガス及び炭化水素系ガスの少なくともいずれか一方の添加量を調節する添加量制御手段とを備えていることを特徴としている。
本発明方法では、第1加熱工程における炉内雰囲気を、金属還元域、炭素還元域及び金属粉の焼結温度未満の領域に設定することにより、金属粉焼結前の有機質バインダーの炭素化を促すことができ、第2加熱工程における炉内雰囲気を、金属還元域、炭素酸化域及び金属粉の焼結温度以上の領域に設定することにより、炭素の除去と金属粉の焼結とを効果的に行うことができ、有機質バインダーを多量に含んだグリーンシートの型崩れを防止しながら、強度を有する金属多孔質焼結体を効率よく製造することができる。
炉内雰囲気は、焼結する金属の焼結開始温度と、該金属の酸化還元領域及び炭素の酸化還元領域を示すエリンガム図とに基づいて設定される。各領域の維持は、CO/CO比で制御調整することができるが、CO/CO比と平衡状態となるHO/H比や酸素分圧に基づいて制御することによっても所定の炉内雰囲気が維持できる。
そして、本発明装置にもあるように、加熱炉から導出した炉内ガスに酸素含有ガス及び炭化水素系ガスを添加して燃焼させた後、前記加熱炉内に循環導入することにより、系外から投入するガス量を増大させることなく、加熱炉内の見かけ上の雰囲気ガス量を増大させることができる。
また、炉内ガスに酸素含有ガス及び炭化水素系ガスを添加して燃焼させた際に変動するガス成分、例えば、CO、CO、CH等を分析し、分析結果に基づいて酸素含有ガス及び炭化水素系ガスの添加量を調節することにより、炉内雰囲気を安定化させることができる。これにより、金属多孔質焼結体を安定して効率よく製造することができ、製造コストの低減が図れるとともに、汚染源である炉内ガス中のカーボンやタールを燃焼によって除去することができるので、製品や炉内外の汚染も防止できる。さらに、燃焼用のガスとして空気やプロパンガスを使用することにより、設備コストや運転コストの低減も図れる。
図1は本発明の金属多孔質焼結体の製造装置の一形態例を示す系統図である。この金属多孔質焼結体の製造装置は、加熱炉11の出口部11aに冷却室12を連設し、加熱炉11と冷却室12とにわたってグリーンシート13を移動させるためのメッシュベルト14を配設した装置本体部15と、前記加熱炉11から導出した炉内ガスに酸素含有ガス及び炭化水素系ガスを添加して燃焼室16で燃焼させることにより再生した後、前記加熱炉11内に循環導入するの再生循環装置部17とで形成されている。
再生循環装置部17は、加熱炉11の入口部11bから炉内ガスを導出して燃焼室16に導く炉内ガス導出経路18と、前記燃焼室16に酸素含有ガスを導入する酸素含有ガス導入経路19及び炭化水素系ガスを導入する炭化水素系ガス導入経路20と、前記燃焼室16で燃焼後の再生ガスを前記加熱炉11の出口部11aに導入する再生ガス導入経路21と、該再生ガス導入経路21を流れるガスの組成を分析するガス分析計22と、該ガス分析計22の分析値に基づいて、前記酸素含有ガス導入経路19から燃焼室16に導入される酸素含有ガスの添加量を調節する酸素含有ガス流量調節器23及び前記炭化水素系ガス導入経路20から導入される炭化水素系ガスの添加量を調節する炭化水素系ガス流量調節器24と、過剰な再生ガスを排出する排気経路25とを備えている。
前記グリーンシート13は、Ni,Mo,Co又はFeあるいはこれらの金属合金から選択された金属粉と有機質バインダーとを含むスラリーを発泡性樹脂に含浸させたものであって、有機質バインダー及び発泡性樹脂には、従来から金属多孔質焼結体の製造用に用いられている各種有機質バインダー及び発泡性樹脂を使用でき、例えば、有機質バインダーにはフェノールレジン、ユリアレジン、メラミンレジン等を、発泡性樹脂には発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン等をそれぞれ使用することができる。
また、グリーンシート13の製作手順は、従来と同様にして行うことができるので、その詳細な説明は省略する。このグリーンシート13は、所定形状に成形された状態でメッシュベルト14に載置され、入口部11bから加熱炉11内に搬入されて熱処理され、出口部11aから冷却室12に搬送されて冷却された後、製品金属多孔質焼結体26として取り出される。
前記酸素含有ガス導入経路19から導入する酸素含有ガスには、燃焼に寄与する酸素を含有していれば任意のガスを使用することができ、通常は空気を用いることが好ましい。また、炭化水素系ガス導入経路20から導入する炭化水素系ガスは、炉内ガス及び酸素含有ガスと混合した状態で燃焼する任意の炭化水素系ガスを使用することができ、プロパンガス(LPG)等の汎用の炭化水素系ガスを用いることが好ましい。
前記加熱炉11内は複数の温度帯から構成されており、入口部11b側は、グリーンシート13中の炭素を維持しつつ、有機質バインダー及び発泡性樹脂に含まれる成分であるH,O等を除去する脱バインダー処理、脱脂処理に適したガス雰囲気及び温度に制御された第1加熱工程を行う低温部となっており、出口部11a側は、残存しているCを除去するのに適したガス雰囲気及び温度に制御された第2加熱工程を行う高温部となっている。
低温部及び高温部の温度及び雰囲気は、図2に示すエリンガム図に基づいて設定される。図2は金属粉としてNi粉を使用したときのエリンガム図であり、図2において、線L1は、Niの焼結温度である800℃を示している。線L2は、Niの酸化/還元領域を示しており、線L2よりも上側が酸化領域となり、線L2よりも下側が還元領域となる。線L3は、Cの酸化/還元領域を示しており、線L3よりも上側が酸化領域(脱炭領域)となり、下側が還元領域(析出領域)となる。
このエリンガム図は、線L2と線L3とにより4つの領域に区分することができる。すなわち、線L2及び線L3の両線より上側でNi及びCが共に酸化領域となる第1領域F1と、線L2より上側で線L3より下側のNiが酸化領域でCが還元領域となる第2領域F2、線L2より下側で線L3より上側のNiが還元領域でCが酸化領域となる第3領域F3、線L2及び線L3の両線より下側でNi及びCが共に還元領域となる第4領域F4とに区分できる。さらに、第2領域F2以外は、線L2より高温側と低温側とに区分できる。
第4領域F4は、Ni、Cが酸化されずにそのままの状態を維持することができる領域であるが、この第4領域F4内で線L1より低温側の領域、すなわち、図2に示す低温領域FLの領域は、Niが焼結しない領域となる。したがって、加熱炉11における低温部の温度及び雰囲気を、この低温領域FLの範囲内に収まるように制御することにより、金属還元域、炭素還元域及び金属粉の焼結温度未満の領域で第1加熱工程を行うことができる。これにより、発泡性樹脂及び有機質バインダーからO、H成分を除去して炭素化し、生成した炭素にNi粉を担持させることができ、所定形状を保持した状態にすることができる。
第3領域F3は、Niが酸化されずにそのままの状態を維持するとともに、Cを酸化して脱炭することができる領域であるが、この第3領域F3内で線L1より高温側の領域、すなわち、図2に示す温領域FHの領域は、Niを焼結できる領域となる。したがって、加熱炉11における高温部の温度及び雰囲気を、この高温領域FHの範囲内に収まるように制御することにより、金属還元域、炭素酸化域及び金属粉の焼結温度以上の領域で第2加熱工程を行うことができる。これにより、第1加熱工程終了後の成形物内に存在するC成分を酸化して除去しながらNiを焼結させ、残炭量が少なく、十分な強度を有する製品としてのNi多孔質焼結体を製造することができる。
なお、図2では、Niのみを示して説明したが、図3に示すように、Niの他、Mo、Co、Feにおいても、各金属の酸化域、還元域を考慮して加熱炉11内の雰囲気を設定することにより、Niの場合と同様にして各金属の多孔質焼結体を製造することができる。
このようにして加熱炉11内で第1加熱工程及び第2加熱工程を連続的に行い、グリーンシート13から製品金属多孔質焼結体26を製造すると、グリーンシート13から発生したH,C,O及びこれらの化合物が加熱炉11内の雰囲気中に混合した状態となる。前記H,C,O等を含む炉内ガスは、入口部11bから炉内ガス導出経路18に抜き出されて燃焼室16に導かれ、酸素含有ガス導入経路19から導入される酸素含有ガス、例えば空気と、炭化水素系ガス導入経路20から導入される炭化水素系ガス、例えばプロパンガスとが添加されて燃焼処理される。
燃焼室16での燃焼処理は、燃焼後のガスを再生ガス導入経路21から加熱炉11の出口部11aに循環導入して雰囲気用のガスとして利用できる再生ガスを得るためのものであって、例えば空気とプロパンガスとを完全燃焼空気比の70〜98%程度で燃焼させることにより、再生ガスとして利用可能な発熱型変成ガスを発生させる。
炉内ガスへの空気やプロパンガスの添加量は、ガス分析計22で再生ガス中のCO、CO、CH等の濃度を分析し、これらの分析値に基づいて最適な組成の再生ガスが得られるようにそれぞれ調節される。例えば、ガス分析計22で測定した再生ガス中のCO量があらかじめ設定した規定値よりも多い場合には、相対的に空気の添加量を増加させてプロパンガスの添加量を減少させる。逆に再生ガス中のCO量が既定値よりも少ない場合には、相対的に空気の添加量を減少させてプロパンガスの添加量を増加させる。また、CO/CO比やHO/H比、酸素分圧に基づいて制御することもできる。
再生ガス中のCH濃度の上昇は、加熱炉11内での有機物濃度の増加を意味し、脱脂不良や炉内外の汚染の前兆であるから、空気(酸素)量を増加させてこれらの有機物を燃焼することにより、脱脂不良や炉内外の汚染を未然に防止することができる。
また、前記燃焼処理により、加熱炉11内での脱バインダー処理及び脱脂処理で発生したカーボンやタールをCO、CO、水、Hに変換できるので、従来は不要な副生物であったカーボンやタールを燃料として利用することが可能となる。なお、空気やプロパンガスの添加量の調節は、炉内ガスの量や組成、これらの添加量に応じて空気及びプロパンガスの双方の流量をそれぞれ調節してもよく、いずれか一方の流量のみを調節して両者の添加割合を変えるようにしてもよい。
燃焼室16で発生した再生ガスは、ガス分析計22を通って再生ガス導入経路21から加熱炉11の出口部11aに導入され、必要量以上の再生ガスは、排気経路25から外部に排出される。このようにして燃焼室16で炉内ガスの燃焼処理を行うことにより、加熱炉11の処理効率を向上させることができるとともに、製品の汚染も防止できるので、金属多孔質焼結体の製造コストを削減することができる。
実施例1
金属粉であるニッケル粉に有機質バインダーであるフェノールレジンを30%加えたスラリーを発泡性樹脂である発泡ポリウレタンに含浸させ、幅200mm×長さ300mmで、重量が22gのグリーンシートをサンプルとして作成し、このサンプルを図1に示す構成の製造装置で熱処理することにより、ニッケル多孔質焼結体を製造した。
加熱炉は全長4200mm、冷却室は全長4000mmであり、メッシュベルトの搬送スピードは400mm/minに設定した。加熱炉内は、サンプルを短時間で所定温度まで一定速度にて加熱できるように、第1加熱ゾーン(予熱部)の温度を600℃、第2加熱ゾーン(昇温部)の温度を1100℃、第3加熱ゾーン(均熱部)の温度を1110℃、第4加熱ゾーン(均熱部)の温度を1110℃にそれぞれ設定した。
加熱室内の雰囲気は、加熱室出口部に導入する再生ガス中のCO濃度が1.80〜1.90%の範囲になるように、燃焼室への空気及びプロパンガスの導入量を調節した。再生ガス導入経路21から加熱炉への再生ガス導入量は30m/hrとした。このときの分析計で分析したCO濃度は、12.5%で略一定であった。このときの炉内雰囲気を、図2に示すエリンガム図に加筆すると、破線B1に沿う状態となる。
製造した製品ニッケル多孔質焼結体の残炭量は30ppmであり、強度も十分であった。なお、製品の評価を行うに際し、残留炭素量が100ppm以下、引張強度が5kg以上を満足したものを合格とした。
比較例1
実施例1において、炉内ガスの循環再生制御を行わなかった以外は実施例1と同じ操作を行った。その結果、120枚のサンプルを連続処理したところ、処理時間の経過に伴って製品中の残留炭素量が増大した。このとき、分析計のCO濃度も同時に増大し、分析計のCO濃度は減少した。処理後の加熱室及び冷却室には、有機質バインダーに由来するカーボン及びタールが堆積していた。
実施例2
実施例1において、15m/hrの炉内ガスを導出し、燃焼室にて空気及びプロパンガスを添加して900℃で燃焼させた。空気及びプロパンガスの導入量は、分析計での分析値が実施例1と同等のCO/COになるように制御した。この燃焼処理で発生した再生ガス35m/hrの内、5m/hrを排気経路から排出し、30m/hrを加熱炉に循環導入した。
これ以外の条件は実施例1と同じに設定し、サンプルを120枚連続して処理した。その結果、得られた製品の残炭量は30ppm以下であり、強度も十分であった。また、加熱室及び冷却室に有機質バインダーに由来するカーボンやタールによる汚染は起こらなかった。さらに、排気経路から煙や異臭は排出されなかった。
比較例2
実施例1において、燃焼室への空気及びプロパンガスの導入量を、再生ガスの分析値がCO濃度0.1%,CO濃度11.7%になるように調節した。これ以外の条件は実施例1と同じに設定して処理を行ったところ、残炭量は30ppm以下であったが、製品の強度が十分に得られなかった。このときの炉内雰囲気を、図2に示すエリンガム図に加筆すると、破線B2に沿う状態となる。また、搬送速度を50mm/minに落としても同様の結果しか得られなかった。
実施例3
実施例1において、燃焼室への空気及びプロパンガスの導入量を、再生ガスの分析値がCO濃度8.9%,CO濃度7.4%になるように調節した。これ以外の条件は実施例1と同じに設定して処理を行った。その結果、製品の強度が不足しており、また、色が黒く、残炭量は1700ppmであった。このときの炉内雰囲気を、図2に示すエリンガム図に加筆すると、破線B3に沿う状態となる。
同じ条件で、搬送速度を50mm/minに設定変更したところ、製品の残炭量は100ppmまで減少し、強度も十分なものとなった。
実施例4
使用した金属粉をニッケル粉からコバルト粉に変更した。これ以外の条件は実施例3と同じに設定して処理を行った。その結果、製品の残炭量は100ppmであり、十分な強度を有していた。
実施例1〜4,比較例1,2の結果を表1及び表2に示す。
Figure 0004410064
Figure 0004410064
本発明の金属多孔質焼結体の製造装置の一形態例を示す系統図である。 金属粉としてNi粉を使用したときの炉内雰囲気を説明するためのエリンガム図である。 Ni、Mo、Co及びFeのエリンガム図である。
符号の説明
11…加熱炉、12…冷却室、13…グリーンシート、14…メッシュベルト、15…装置本体部、16…燃焼室、17…再生循環装置部、18…炉内ガス導出経路、19…酸素含有ガス導入経路、20…炭化水素系ガス導入経路、21…再生ガス導入経路、22…ガス分析計、23…酸素含有ガス流量調節器、24…炭化水素系ガス流量調節器、25…排気経路、26…製品金属多孔質焼結体

Claims (4)

  1. Ni,Mo,Co又はFeあるいはこれらの金属合金から選択された金属粉と有機質バインダーとを含むスラリーを発泡性樹脂に含浸させたグリーンシートを加熱炉内で加熱し、前記グリーンシート中の発泡性樹脂を分解して気化させるとともに、該発泡性樹脂の気泡中に存在する前記有機質バインダーを炭素化し、生成した炭素に前記金属粉を担持させる第1加熱工程を行った後、前記炭素を除去するとともに前記金属粉を焼結させる第2加熱工程を行って金属多孔質焼結体を製造する方法であって、前記第1加熱工程における炉内雰囲気を、金属還元域、炭素還元域及び金属粉の焼結温度未満の領域に設定し、前記第2加熱工程における炉内雰囲気を、金属還元域、炭素酸化域及び金属粉の焼結温度以上の領域に設定することを特徴とする金属多孔質焼結体の製造方法。
  2. 前記各工程の炉内雰囲気を、炉内ガス成分のCO/CO比、HO/H比及び酸素分圧のいずれかの一つと、炉内温度とを調節することによって前記領域に維持することを特徴とする請求項1記載の金属多孔質焼結体の製造方法。
  3. 前記加熱炉から炉内ガスを導出し、該炉内ガスに酸素含有ガス及び炭化水素系ガスを添加して燃焼させた後、前記加熱炉内に循環導入することを特徴とする請求項1又は2記載の金属多孔質焼結体の製造方法。
  4. Ni,Mo,Co又はFeあるいはこれらの金属合金から選択された金属粉と有機質バインダーとを含むスラリーを発泡性樹脂に含浸させたグリーンシートを載置して入口部から出口部に向けて移動させるメッシュベルトを備えた加熱炉と、該加熱炉の入口部から炉内ガスを導出する炉内ガス導出経路と、該炉内ガス導出経路に導出した炉内ガスに酸素含有ガス及び炭化水素系ガスを添加して燃焼させる燃焼室と、該燃焼室で燃焼後の再生ガスを前記加熱炉の出口部に導入する再生ガス導入経路と、該再生ガス導入経路を流れるガス組成を分析するガス分析計と、該ガス分析計の分析値に基づいて前記炉内ガスに添加する酸素含有ガス及び炭化水素系ガスの少なくともいずれか一方の添加量を調節する添加量制御手段とを備えていることを特徴とする金属多孔質焼結体の製造装置。
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