JP4791644B2 - ガス検知出力補正方法およびガス検知装置 - Google Patents

ガス検知出力補正方法およびガス検知装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属酸化物半導体を主成分とするガス感応部を有する半導体式ガス検知素子のガス検知出力補正方法と前記半導体式ガス検知素子の劣化判定方法、および金属酸化物半導体を主成分とするガス感応部を有する半導体式ガス検知素子を備え、前記半導体式ガス検知素子に電圧を印加して前記半導体式ガス検知素子の抵抗値を測定可能なガス検知回路に組み込み、前記半導体式ガス検知素子を被検知ガスと接触自在に設けたガス検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
可燃性ガスや毒性ガス等を検知する金属酸化物半導体を主成分とするガス感応部を有する半導体式ガス検知素子は、実使用の過程において種々の原因により特性が変化する。このような特性変化の原因として、例えば以下のような場合が考えられる。
【0003】
(1)被毒
例えば、長期に亘って電気絶縁体やシリコーン樹脂等の珪素化合物に晒されるような雰囲気下で使用した場合、前記珪素化合物が熱等の影響により揮発してガス検知素子の周囲に到達すると、前記ガス感応部に対して被膜を形成し、一酸化炭素等の被検知ガスに対する感度が鈍化するという被毒現象を引き起こす。また、前記珪素化合物の他に、トリクロロエチレン等のハロゲン化合物等においても、同様に被毒現象を引き起こす原因となり得る。
(2)経年劣化
長期に亘る使用の結果、半導体式ガス検知素子に対する通電加熱によりガス感応部に添加されている触媒や、ガス感応部を形成する半導体そのものの活性変化が起きる。
(3)その他
ガス検知素子の破損、断線、変形等の物理的要因による変化等の原因で前記半導体式ガス検知素子の特性が変化する場合がある。
【0004】
上述のような原因により、半導体式ガス検知素子の特性の変化が認められた場合に、使用している半導体式ガス検知素子がガス検知により得られた出力値を補正して、補正後の値をガス検知出力として適用したとしても正しい出力が得られなくなるほど前記ガス検知素子の出力特性が変化(劣化)してしまった場合には、前記ガス検知装置に設けられるガス検知素子を交換する必要が生じる。
【0005】
従来、このような半導体式ガス検知素子の特性変化による出力値の補正は、劣化していない半導体式ガス検知素子で所定濃度の被検知ガスを含有する標準ガスに対する出力を基準出力として求めるとともに、実使用中の半導体式ガス検知素子の標準ガスに対する測定出力を求め、前記基準出力と前記測定出力との出力比を算出し、被検知ガスに対する測定値に乗じることにより行っていた。
また、前記出力比を乗じて被検知ガスに対する測定値を補正したとしても、その出力比が大きくなるとばらつきが大きくなるばかりで正確な値が得られなくなる傾向にあるため、前記出力比が許容値を越えて大きくなった場合は、その半導体式ガス検知素子が劣化して使用に耐えなくなったと判定していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の出力値の補正には、標準ガスを準備する必要があり、ガス検知装置を実使用している現場で容易に準備出来るものとは限らず、前記半導体式ガス検知素子の特性の検査を簡便に行うことは困難であった。
また、前記標準ガスとしては、所定濃度の被検知ガスを用いる必要性から、水素ガスやメタンガス等取り扱いに注意を要することもあり、煩わしい作業となるという実状もあり、簡便化が望まれている。
【0007】
従って、本発明の目的は、簡便に半導体式ガス検知素子の特性の検査を行い、出力値を容易に補正したり、その検査結果を基にそのガス検知素子の劣化を見いだし交換時期の特定を容易にする技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
半導体式ガス検知素子は長期に亘って使用していると、被検知ガスが存在しない標準雰囲気中において、ガス検知装置に通電を開始してから前記半導体式ガス検知素子の出力が安定する出力値(初期安定出力)が、劣化していない半導体式ガス検知素子を備えたガス検知装置に通電を開始してから前記劣化していない半導体式ガス検知素子の出力が安定する出力値(標準安定出力)に比べて上昇する傾向があることが経験的に知られている。本発明は、この点に着目してなされたものである。
【0009】
そこで、本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究したところ、前記初期安定出力値の変動量は、前記ガス検知素子の出力の補正量と相関のあることを新たに見いだし、本発明を完成させるに到った。
【0010】
尚、本発明において、劣化していない半導体式ガス検知素子とは、例えば、製造後に実使用していない半導体式ガス検知素子や、ほとんど使用されていない状態の半導体式ガス検知素子で、出力特性が実使用前の出力特性と比べて実質的に変化が無い半導体式ガス検知素子を指す。
【0011】
〔構成1〕
この目的を達成するための本発明のガス検知出力補正方法の特徴構成は、請求項1に記載のように、
ブリッジ回路に設けられると共に金属酸化物半導体を主成分とするガス感応部を有する半導体式ガス検知素子に電圧を印加して前記半導体式ガス検知素子の抵抗値が測定可能であり、前記半導体式ガス検知素子が被検知ガスと接触することによって抵抗値の変化が現れた場合に、その抵抗値の変化を電圧の変化として出力したガス検知出力を補正するガス検知出力補正方法であって、
被検知ガスが存在しない標準雰囲気中において前記半導体式ガス検知素子に通電した時の初期安定出力値を求め、
前記標準雰囲気中において劣化していない半導体式ガス検知素子により求められる標準安定出力値と、前記初期安定出力値との出力差である増加量を求め、
前記半導体式ガス検知素子による前記被検知ガスに対する前記ガス検知出力から前記増加量を減じて差分を求めると共に、当該差分に対して、さらに、劣化していない半導体式ガス検知素子による前記被検知ガスに対する前記ガス検知出力を、当該差分により除した値を係数として乗じて前記ガス検知出力を補正することにある。
【0012】
また、この目的を達成するための本発明のガス検知素子の劣化判定方法の特徴構成は、請求項2に記載のように、請求項1に記載のガス検知出力補正方法を用いて前記半導体式ガス検知素子の劣化を判定するに際し、前記補正に適用された補正値が所定値を越えた時に前記半導体式ガス検知素子が劣化していると判定することにある。
【0013】
〔作用効果1〕
つまり、検知対象となる半導体式ガス検知素子に通電した時の初期安定出力値を求め、前記標準雰囲気中において劣化していない半導体式ガス検知素子により求められる標準安定出力値と、前記初期安定出力値との出力差である増加量をガス検知前に求めておき、前記半導体式ガス検知素子により被検知ガスに対するガス検知出力を求めると、後述の実施例において示したように、前記出力差(増加量)と前記ガス検知出力との間には相関関係があることが明らかになった。つまり、半導体式ガス検知素子による被検知ガスに対するガス検知出力から増加量を減じて差分を求めると共に、当該差分に対して、さらに、劣化していない半導体式ガス検知素子による被検知ガスに対するガス検知出力を、当該差分により除した値を係数として乗じて補正値を決定することにより前記ガス検知出力が補正されるから、前記ガス検知出力の補正値決定に伴う操作が容易であるため、簡便かつ迅速に正確な被検知ガスの出力値を得ることができる。
【0014】
つまり、前記半導体式ガス検知素子の初期安定出力値と標準安定出力値の検査を行う際に、特に何も準備する必要がなく、かつ、前記半導体式ガス検知素子のガス検知出力の補正の操作も容易であることから、簡便なガス検知出力補正方法を提供することができる。
【0015】
ここで、特性変化を検査するための基準となる水素ガスやメタンガス等の可燃性ガスを準備する必要がないのであるから、特性変化を検査する際、可燃性ガスを扱う時のように換気や周囲の火元を注意するといった特別な配慮をする必要がない。また、前記可燃性ガス以外にも、特に何も準備する必要がないので、手軽に前記半導体式ガス検知素子の初期安定出力値と標準安定出力値の検査を行うことができる。
【0016】
また、前記補正に適用された補正値が所定値を越えた時に前記半導体式ガス検知素子が劣化していると判定するため、適切な所定値を設定することで半導体式ガス検知素子の劣化の基準を客観的に明確に定義することができ、実使用者においても容易に半導体式ガス検知素子の劣化を判定できる劣化判定方法を提供することができる。
【0017】
〔構成2〕
この目的を達成するための本発明のガス検知装置の特徴構成は、請求項3に記載のように、
金属酸化物半導体を主成分とするガス感応部を有する半導体式ガス検知素子を備えるとともに、前記半導体式ガス検知素子を、前記半導体式ガス検知素子に電圧を印加して前記半導体式ガス検知素子の抵抗値を測定可能なブリッジ回路に組み込み、前記半導体式ガス検知素子を被検知ガスと接触自在に設け、前記半導体式ガス検知素子が前記被検知ガスと接触することによって抵抗値の変化が現れた場合に、その抵抗値の変化を電圧の変化としてガス検知出力を出力する出力部を設けたガス検知装置であって、
前記半導体式ガス検知素子により測定された標準安定出力値と初期安定出力値とを記憶する記憶部を備え、前記標準安定出力値と前記初期安定出力値とを比較して増加量を求め、
前記半導体式ガス検知素子による前記被検知ガスに対する前記ガス検知出力から前記増加量を減じて差分を求めると共に、当該差分に対して、さらに、劣化していない半導体式ガス検知素子による前記被検知ガスに対する前記ガス検知出力を、当該差分により除した値を係数として乗じて前記ガス検知出力を補正する演算部を備えたことにある。
【0018】
〔作用効果2〕
つまり、金属酸化物半導体を主成分とするガス感応部を有する半導体式ガス検知素子を備えるとともに、前記半導体式ガス検知素子を、前記半導体式ガス検知素子に電圧を印加して前記半導体式ガス検知素子の抵抗値を測定可能なガス検知回路に組み込み、前記半導体式ガス検知素子を被検知ガスと接触自在に設けることにより、前記半導体式ガス検知素子が被検知ガスに晒された場合に前記ガス感応部に被検知ガスが吸着させられ、前記半導体式ガス検知素子に電圧を印加することによって吸着させられた被検知ガスが前記ガス感応部の触媒作用により酸化させられ、その酸化作用に伴い前記半導体式ガス検知素子に、前記被検知ガス量に対応する抵抗値変化を与えることができる。このガス検知素子の抵抗値を測定可能に構成するから、前記抵抗値から前記被検知ガス濃度を求めることができる。
【0019】
また、前記半導体式ガス検知素子により測定された標準安定出力値と初期安定出力値とを記憶する記憶部を備えているから、被検知ガスを検知する際に、ベースとなる半導体式ガス検知素子の初期安定出力値や、劣化していない半導体式ガス検知素子のベースである標準安定出力値のデータを記憶することができる。
【0020】
また、演算部を設けてあるから前記記憶部に記憶されている前記標準安定出力値と前記初期安定出力値とを比較して出力差である増加量を求め、前記半導体式ガス検知素子による被検知ガスに対するガス検知出力から前記増加量を減じて差分を求めると共に、当該差分に対して、さらに、劣化していない半導体式ガス検知素子による被検知ガスに対するガス検知出力を、当該差分により除した値を係数として乗じて補正するための補正量を計算することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明は、これらによって限定されるものではない。
本発明のガス検知装置は、図1に示すように、半導体式ガス検知素子1を、前記半導体式ガス検知素子1に電圧を印加して前記半導体式ガス検知素子1の抵抗値を測定可能なガス検知回路4に組み込み、前記半導体式ガス検知素子1を被検知ガスと接触自在に設けて構成してある。
また、前記ガス検知回路4には、前記半導体式ガス検知素子1に被検知ガスとの接触による抵抗値の変化が現れた場合、その抵抗値の変化を電気信号として出力する出力部6を設けてある。さらに、前記出力部6により、前記標準安定出力や前記初期安定出力を測定した際の出力を記憶する記憶部7を設けると共に、被検知ガスを検知した際のガス検知出力を受け、前記記憶部7に記憶された前記標準安定出力及び前記初期安定出力に基づき補正する演算部8を設けてあり、前記演算部8により補正された補正出力を、外部に警報音や警報表示を呈する警報装置5に出力自在に構成してある。
【0022】
前記ガス検知装置として、小型で携帯して使用が可能な携帯用ガス検知器、家庭用として使用されている家庭用ガス警報器、産業用として使用されている工業用定置式ガス検知警報装置等、ガスを検知することを目的として使用される機器全般を指す。
【0023】
前記半導体式ガス検知素子1は、図2に示すように、白金、パラジウム、白金−パラジウム合金等の貴金属線コイル2に酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を主成分とする金属酸化物半導体を塗布、乾燥後焼結成型してあるガス感応部3を備えた、いわゆる熱線型半導体式ガス検知素子を用いることができる。
【0024】
前記金属酸化物半導体は、通常高温で焼結するとO2-イオンの空格子に由来する過剰な電子(自由電子)が存在し、n型半導体性を示す。
雰囲気中の酸素が前記金属酸化物半導体の表面の自由電子を捕らえ、前記金属酸化物半導体表面にマイナスイオンとなって吸着する。このため、前記金属酸化物半導体表面近傍に電子欠乏層が形成され、前記金属酸化物半導体は高抵抗状態になる。一方、雰囲気中に被検知ガスが存在すると、前記金属酸化物半導体表面で酸化反応が起こり、吸着していた酸素が消費される。その結果、前記酸素に捕らえられていた電子が放出されるため、自由電子が増加すると共に電子欠乏層がなくなり、粒子間を電子が通り易くなるため、前記金属酸化物半導体は、低抵抗状態となる。このような抵抗値変化を前記ガス検知回路4で測定することにより被検知ガスを検知することができる。
【0025】
また、前記記憶部7は、EEPROMや、前記半導体式ガス検知素子1により測定された出力値の書き込み、消去が可能なものであれば使用できる。
【0026】
また、演算部8は、前記標準安定出力値と前記初期安定出力値とを変数としてプログラム等に適用することにより演算する形態であれば使用できる。
【0027】
また、前記半導体式ガス検知素子1としては前記熱線型半導体式のものに限らず、基板型などの形態であってもよい。また、出力部6については、前記演算部8において求められた補正値により補正された最終的な出力値をデジタル表示するものであっても良いし、警報装置5と組み合わせた複合的なものであっても良い。
【0028】
前記半導体式ガス検知素子1は、被検知ガスとして可燃性ガスや一酸化炭素などの毒性ガスを検知して測定された抵抗値に基づいた出力値を生じる特性を有する。尚、この出力値は、前記ガス感応部3が被検知ガスの接触した時に被検知ガス濃度に応じて抵抗値を変化させることにより決定されるものであって、この出力値は被検知ガス濃度に換算することが出来るものである。
【0029】
【実施例】
上述のような構成のガス検知装置を用いた場合に、以下のように出力差を補正する。
熱線型半導体式ガス検知素子をガス検知装置に装着した際に、前記半導体式ガス検知素子のベースとなる標準安定出力を被検知ガスが存在しない雰囲気中で測定し、記憶部であるEEPROMに保存しておく。前記ガス検知装置をガス検知に用いた場合、前記熱線型半導体式ガス検知素子のベースとなる初期安定出力値を被検知ガスが存在しない雰囲気中で測定し、前記記憶部に保存しておく。その後、検知対象ガス中の被検知ガスを検知した際には、前記演算部において、前記初期安定出力値を前記標準安定出力値との出力差に基づいて、被検知ガスの出力値を図5より補正する。
【0030】
製造後、実使用に供されていない熱線型半導体式ガス検知素子における通電初期安定出力(標準安定出力)を測定したところ、図3のようになった。(以下、図中の出力は前記標準安定出力を0Vとして規格化している)また、この熱線型半導体式ガス検知素子に、100ppmの被検知ガス(13A都市ガス)を含む空気を供給したところ図3に示す感度出力Aが得られた。
【0031】
一方、先と同様に製造され、実使用に5年以上供された熱線型半導体式ガス検知素子の劣化品における通電初期安定出力(測定初期安定出力)を求めると、図4のようになった。図4より、初期安定出力は、実使用によりaだけ増加していることが分かる。この熱線型半導体式ガス検知素子に、100ppmの被検知ガスを含む空気を供給したところ図4に示す感度出力(差分)Bが得られた。感度出力は前記ガス検知素子の実使用に伴い低下していることが分かる。
【0032】
同様に、実使用期間の種々に異なる熱線型半導体式ガス検知素子を用意するとともに、その熱線型半導体式ガス検知素子に100ppmの被検知ガスを含む空気を供給した時の感度出力をそれぞれ求めた。
その結果、実使用後の熱線型半導体式ガス検知素子における劣化した感度出力Bと前記初期安定出力の増加量aとの間には図5に示したような相関関係があることが明らかになった。図5において、横軸がベースとなる前記初期安定出力の増加量aを示し、縦軸が劣化した感度出力Bを示す。
【0033】
このような相関関係に基づき、演算部において測定初期安定出力と標準安定出力との差(増加量)aを基に、差分Bに対して、A/Bを係数として乗じる補正により劣化する前の感度出力を求めることが出来ることが分かった。
【0034】
〔別実施形態〕
被検知ガスに対する出力を、前記熱線型半導体式ガス検知素子に対する間欠的な通電駆動により求める場合、その通電駆動を停止しているときの初期安定出力を測定し、平均値をベースとして測定安定出力として扱うことが出来る。この時、その後に行う標準安定出力との比較等の操作は、上述の実施例と同様に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガス検知装置の概略を示すブロック図
【図2】熱線型半導体式ガス検知素子の概略図
【図3】実使用に供されていない熱線型半導体式ガス検知素子における標準安定出力とガス検知後の感度出力のグラフ
【図4】実使用に供された熱線型半導体式ガス検知素子における初期安定出力とガス検知後の感度出力のグラフ
【図5】実使用後の熱線型半導体式ガス検知素子における劣化した感度出力と前記初期安定出力の増加量との相関関係を表したグラフ。
【符号の説明】
1 半導体式ガス検知素子
2 貴金属線コイル
3 ガス感応部
4 ガス検知回路
5 警報装置
6 出力部
7 記憶部
8 演算部

Claims (3)

  1. ブリッジ回路に設けられると共に金属酸化物半導体を主成分とするガス感応部を有する半導体式ガス検知素子に電圧を印加して前記半導体式ガス検知素子の抵抗値が測定可能であり、前記半導体式ガス検知素子が被検知ガスと接触することによって抵抗値の変化が現れた場合に、その抵抗値の変化を電圧の変化として出力したガス検知出力を補正するガス検知出力補正方法であって、
    被検知ガスが存在しない標準雰囲気中において前記半導体式ガス検知素子に通電した時の初期安定出力値を求め、
    前記標準雰囲気中において劣化していない半導体式ガス検知素子により求められる標準安定出力値と、前記初期安定出力値との出力差である増加量を求め、
    前記半導体式ガス検知素子による前記被検知ガスに対する前記ガス検知出力から前記増加量を減じて差分を求めると共に、当該差分に対して、さらに、劣化していない半導体式ガス検知素子による前記被検知ガスに対する前記ガス検知出力を、当該差分により除した値を係数として乗じて前記ガス検知出力を補正するガス検知出力補正方法。
  2. 請求項1に記載のガス検知出力補正方法を用いて前記半導体式ガス検知素子の劣化を判定するに際し、
    前記補正に適用された補正値が所定値を越えた時に前記半導体式ガス検知素子が劣化していると判定する半導体式ガス検知素子の劣化判定方法。
  3. 金属酸化物半導体を主成分とするガス感応部を有する半導体式ガス検知素子を備えるとともに、前記半導体式ガス検知素子を、前記半導体式ガス検知素子に電圧を印加して前記半導体式ガス検知素子の抵抗値を測定可能なブリッジ回路に組み込み、前記半導体式ガス検知素子を被検知ガスと接触自在に設け、前記半導体式ガス検知素子が前記被検知ガスと接触することによって抵抗値の変化が現れた場合に、その抵抗値の変化を電圧の変化としてガス検知出力を出力する出力部を設けたガス検知装置であって、
    前記半導体式ガス検知素子により測定された標準安定出力値と初期安定出力値とを記憶する記憶部を備え、前記標準安定出力値と前記初期安定出力値とを比較して増加量を求め、
    前記半導体式ガス検知素子による前記被検知ガスに対する前記ガス検知出力から前記増加量を減じて差分を求めると共に、当該差分に対して、さらに、劣化していない半導体式ガス検知素子による前記被検知ガスに対する前記ガス検知出力を、当該差分により除した値を係数として乗じて前記ガス検知出力を補正する演算部を備えたガス検知装置。
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