JP4791130B2 - 自己粘着性ポリ乳酸系樹脂軟質フィルム - Google Patents

自己粘着性ポリ乳酸系樹脂軟質フィルム Download PDF

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Description

本発明は、文具、ステッカー、産業用、農業用等に好適に使用できるフィルムまたはシートに関するもので、ポリ乳酸系樹脂の透明性を維持しつつ、フィルムとしての軟質性、耐熱性に優れた自己粘着性ポリ乳酸系樹脂軟質フィルムに関するものである。
地球環境が重要視されるようになり、近年において、生分解性を有する樹脂が注目され、従来より使用されてきた塩化ビニル系樹脂やオレフィン系樹脂に代わって使用されるようになりつつある。生分解性樹脂は、土壌中等において、加水分解やバクテリヤ等による生分解により、地球環境に悪影響を及ぼすことのない物質になることが知られている。
現在使用及び検討されている生分解性樹脂は、化学合成系、微生物系、天然物利用系の3つに大別される。化学合成系としては、例えばポリカプロラクトン系、ポリ乳酸系、ポリブチレンサクシネート系、ポリグリコール酸系、ポリビニルアルコール系などがある。一方、微生物系としては、例えばポリ3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合ポリエステル、ポリアミノ酸などがあり、天然物利用系としては、例えば修飾澱粉、酢酸セルロース、キトサン、アルギン酸などの利用が挙げられる。これらの生分解性樹脂の中で、大量生産が可能で、コスト的に有利なことから、現在、化学合成系の脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂であるポリカプロラクトン系、ポリ乳酸系、ポリブチレンサクシネート系などが使用および検討が盛んに行われている。
前記化学合成系の中で、石油系原料から合成される生分解性樹脂は、石油資源の枯渇等の問題が提唱されており、非石油系原料から合成される生分解性樹脂に注目が集まっており、特にポリ乳酸系樹脂は、トウモロコシなどの植物を発酵して得られる乳酸を原料として製造され、そして微生物によって水と二酸化炭素に分解され、再び植物の育成を助けるという連鎖性を有することから、バイオリサイクル型として有力視されている。
ところで、このポリ乳酸系樹脂は、透明性に優れているものの、結晶性樹脂であって、硬くて脆く、成形しにくいなどの欠点を有している。したがって、このような欠点をなくすために、共重合したり、あるいは可塑剤を添加する方法などが試みられている。しかしながら、共重合する方法においては、得られる乳酸共重合体は、結晶性が失われ耐熱性が著しく損なわれたり、引張り強度や弾性率が低下したりするなどの問題がある。また、可塑剤を添加する方法においても、ポリ乳酸系樹脂の特徴である透明性が損なわれたり、あるいは可塑剤がブリードアウトしたり、ブレンド時に発煙が生じたり、可塑化効果が不充分であるなどの問題を有している。
そこで、この問題を解決するためにポリ乳酸系樹脂に、ゴム成分やアクリル系樹脂を添加する検討がなされているが、未だ透明性を維持しつつ、耐熱性やフィルムやシート成形性に優れたものは得られていない。
また、自己粘着性フィルムとして、生分解樹脂と粘着性付与剤と可塑剤を配合して、生分解性粘着付与フィルムが特開平2003−201351等に記載されているが、これらのフィルムは、ポリ乳酸系樹脂よりも柔軟性の面で優れた生分解し得樹脂を使用しているが、その樹脂がポリ乳酸系樹脂よりも透明性で劣るため、フィルムとしても透明性に劣るものであった。
特開2002−155207号公報 特開2004−10842号公報 特開2004−269720号公報 特開2004−285258号公報 特開2003−201351号公報
本発明は、ポリ乳酸系樹脂が本来有する透明性を維持しつつ、柔軟性を付与し、フィルムやシートとしての成形性や保管性等の優れ、自己粘着性を有する自己粘着性ポリ乳酸系樹脂軟質フィルムを提供することを目的とする。
本発明の自己粘着性ポリ乳酸系樹脂軟質フィルムは、ポリ乳酸系樹脂とアクリル系ブロック共重合体からなるポリ乳酸系樹脂軟質フィルムにおいて、ポリ乳酸系樹脂30〜70質量%で、アクリル系ブロック共重合体が70〜30質量%であり、アクリル系ブロック共重合体が、式A−B−Aまたは式A−B−C(式中A、BおよびCは、それぞれ異なる重合体ブロックを示す。)で表され、Aがメタクリル酸アルキルエステル単位、Bがアクリル酸アルキルエステル単位、Cがメタクリル酸アルキルエステル単位またはアクリル酸アルキルエステル単位であるトリブロック共重合体であることを特徴とするものである。
また、本発明に使用されるアクリル系ブロック共重合体が、ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸n−ブチル−b−ポリメタクリル酸メチルの構造で示されるトリブロック共重合体であることが好ましい。
上記各重合体ブロックの重量平均分子量は、特に限定されないが、A、BおよびC重合体ブロックそれぞれの重量平均分子量が3,000〜500,000の範囲で、アクリル系ブロック共重合体全体の重量平均分子量が10,000〜1,000,000であることが好ましい。
本発明の自己粘着性ポリ乳酸系樹脂軟質フィルムは、ポリ乳酸系樹脂が本来有する透明性を損なうことなく、柔軟性が付与され、良好な成形性を有し、各種用途に用いられるフィルム、シートとして有用な自己粘着性を有するものである。本発明のフィルムは、耐熱性に優れているので、成形効率がよく、成形時のロール等への付着がなく、成形後にロール状に巻き取り、保管してもフィルム同士のブロッキング起こらずに速やかな解反することが可能なものであり、ガラス面等に粘着性を有するものである。
本発明に使用されるポリ乳酸系樹脂としては、ポリ乳酸または乳酸と他の化合物とを共重合したコポリマー、もしくはこれらの混合物を用いることができる。乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸が挙げられ、他のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
ポリ乳酸系樹脂は、従来公知の方法で合成することができる。すなわち、特開平7−33861号公報、特開昭59−96123号公報、高分子討論会予稿集44巻、3198−3199 頁に記載のような乳酸からの直接脱水縮合、または乳酸環状二量体ラクチドの開環重合によって合成することができる。
直接脱水縮合を行なう場合、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸、又はこれらの混合物のいずれの乳酸を用いても良い。また、開環重合を行なう場合においても、L−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、メソ−ラクチド又はこれらの混合物のいずれのラクチドを用いても良い。
ラクチドの合成、精製及び重合操作は、例えば米国特許4057537号明細書、公開欧州特許出願第261572号明細書、Polymer Bulletin, 14, 491−495 (1985)、及び Makromol Chem., 187, 1611−1628 (1986) 等の文献に様々に記載されている。
ポリ乳酸系樹脂におけるL乳酸単位、D乳酸単位の構成モル比L/Dは100/0〜0/100のいずれであっても良いが、L/Dが100/0〜60/40であることが好ましい。より好ましいL/Dは100/0〜80/20である。
乳酸コポリマーは、乳酸モノマー又はラクチドと共重合可能な他の成分が共重合されたものである。このような他の成分としては、2個以上のエステル結合形成性の官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等が挙げられる。ジカルボン酸としては、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。
多価アルコールとしては、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させたものなどの芳香族多価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのエーテルグリコール等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシブチルカルボン酸、その他特開平6−184417号公報に記載されているもの等が挙げられる。ラクトンとしては、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
乳酸コポリマーの加水分解性は、コポリマーにおける乳酸単位の含量により影響される。このため、乳酸コポリマー中の乳酸単位の含量は、用いる共重合成分にもよるが、一般に50モル%以上であり、好ましくは70モル%以上である。乳酸単位の含量や共重合成分によって、得られる製品の機械特性や生分解性を調節することが可能である。
これらポリ乳酸系重合体は、特に限定されないが一般に、結晶性の場合は融点60〜200℃、重量平均分子量5万〜50万、好ましくは10万〜30万程度のものである。
また、共重合と同じ効果を得る目的で、ポリ乳酸と他の脂肪族ポリエステルを単にブレンドしても良い。この場合において、他の脂肪族ポリエステルを構成するモノマーやポリ乳酸含量等は、共重合の場合と同様である。
メタクリル酸アルキルエステル単位を構成する単量体としては、必ずしも限られるものではないが、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸トリフルオロメチル等を挙げることができ、これらは1種または2種以上で使用することができる。
重合体ブロックは、上記メタクリル酸アルキルエステル単位のみを含有することができるが、本発明の効果を損なわない範囲の少割合(重合体ブロックの総量に対して通常20質量%以下)であれば、炭素数が1〜4のアルキル基または環構造を有するアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単位以外の他の単量体単位を含有することがでる。かかる他の単量体単位としては、例えば、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル等の炭素数が5以上のメタクリル酸アルキルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチルなどのアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸トリメチルシリルなどのアルキルエステル以外のメタクリル酸エステル;アクリル酸トリメチルシリルなどのアルキルエステル以外のアクリル酸エステル;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド等のメタクリルアミド類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミド類;メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基を有するビニル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル系モノマー;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系モノマー;エチレン、プロピレン等のオレフィン;ε−カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトンなどのモノマーに由来する構成成分を含有していてもよい。
アクリル酸アルキルエステル単位を構成する単量体のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソノニル基、ドデシル基、トリデシル基、ステアリル基等を挙げることができる。また、炭素数が5〜20のアルキル基としては、例えば、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ステアリル基等を挙げることができる。これらの基は置換基を有していてもよく、かかる置換基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基;N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等のアミノ基;塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子等を挙げることができる。
アクリル酸アルキルエステル単位を構成する単量体としては、必ずしも限られるものではないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸トリフルオロメチル、アクリル酸トリメトキシシリルプロピル等を挙げることができ、これらは1種または2種以上で使用することができる。また、上記炭素数が5〜20のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単位を構成する単量体としては、必ずしも限られるものではないが、例えば、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸2−メトキシペンチル、メタクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)ペンチル、メタクリル酸パ−フルオロペンチル、メタクリル酸2−トリメトキシシリルペンチル等を挙げることができ、これらは1種または2種以上で使用することができる。
重合体ブロックは、アクリル酸アルキルエステルおよび/または炭素数が5〜20のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単位のみを含有することができるが、本発明の効果を損なわない範囲の少割合(重合体ブロックの総量に対して20質量%以下)であれば、他の単量体単位を含有することができる。かかる単量体単位としては、例えば、炭素数が21以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル、炭素数が1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル;炭素数が21以上のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸トリメチルシリルなどのアルキルエステル以外のメタクリル酸エステル;アクリル酸トリメチルシリルなどのアルキルエステル以外のアクリル酸エステル;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド等のメタクリルアミド類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミド類;メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基を有するビニル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル系モノマ−;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系モノマー;エチレン、プロピレン等のオレフィン;ε−カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトンなどのモノマーに由来する構成成分を含有していてもよい。
本発明で使用されるトリブロック共重合体は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、分子側鎖中または分子主鎖末端に水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、トリメトキシシリル基などの官能基を有していてもよい。
トリブロック共重合体は、「硬質ブロック」と「軟質ブロック」とから構成されるトリブロック共重合体であり、従来から餅状の形態を有するものが用いられてきたが、取扱性などの点で問題があった。本発明はこの点に着目して、ジブロック共重合体自体の製造性や他成分との配合工程における取扱性の観点から検討した結果、例えば100℃以上の温度域で流動性を有する液体状であるものが取扱性が非常に良好であることを見出し、しかも該トリブロック共重合体はポリ乳酸系樹脂の軟質化に有用であることも判明した。
本発明のトリブロック共重合体を製造する方法は、上記条件を満足するブロック共重合体が得られる限りにおいて特に限定されることはなく、公知の手法に準じた方法を採用することができる。一般に、トリブロック共重合体を得る方法としては、各ブロックを構成するモノマ−をリビング重合する方法が取られる。このようなリビング重合の手法としては、例えば、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩などの鉱酸塩の存在下でアニオン重合する方法(特公平7−25859号公報)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤とし有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法(特開平11−335432号公報)、有機希土類金属錯体を重合開始剤として重合する方法(特開平6−93060号公報)、α−ハロゲン化エステル化合物を開始剤として銅化合物の存在下ラジカル重合する方法などが挙げられる。また、多価ラジカル重合開始剤や多価ラジカル連鎖移動剤を用いて、各ブロックを構成するモノマ−を重合させ、トリブロック共重合体を一部含有する混合物として製造する方法なども挙げられる。
重合工程以降のポリマー回収方法は特に限定されないが、本発明のジブロック共重合体が高められた温度で高い流動性を有する液状物質であることから、比較的、トルク容量の小さい装置でも取扱が可能であり、例えば、攪拌機付きの槽型反応機を加熱し、重合に使用した溶媒を除去し、低い位置にある弁からトリブロック共重合体を回収する方法などを採用することができる。
上記アクリル系ブロック共重合体において重合体ブロックA、BおよびCのうち少くとも1つは前記アクリル酸アルキルエステル単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単位からなることがより好ましく、重合体ブロックA、BおよびCの全てがアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステル単位からなることがさらに好ましく、特に重合体ブロックAがメタクリル酸アルキルエステルからなり、重合体ブロックBがアルキル酸アルキルエステルからなり、重合体ブロックCがメタクリル酸アルキルエステルまたはアクリル酸アルキルエステルからなることが好ましい。これらの特に好ましいアクリル系ブロック共重合体の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸n−ブチル−b−ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸n−ブチル−b−ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸n−ブチル−b−ポリアクリル酸エチルなどの式A−B−AまたはA−B−Cの構造で示されるトリブロック共重合体を挙げることができる。これらのうち、ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸n−ブチル−b−ポリメタクリル酸メチルの構造で示されるトリブロック共重合体であることがより望ましい。
上記ブロック共重合体中の重合体ブロックA、重合体ブロックBおよび重合体ブロックCの重量平均分子量は、必ずしも限定されないが、一般的にはそれぞれ3,000〜500,000の範囲であることが好ましく、3,000〜300,000の範囲であることが好ましい。またブロック共重合体全体の重量平均分子量は、必ずしも限定されないが、一般的には10,000〜1,000,000の範囲であることが好ましく、30,000〜500,000の範囲であることがより好ましく、40,000〜200,000の範囲であることがさらに好ましい。
本発明の自己粘着性ポリ乳酸系樹脂軟質フィルムは、ポリ乳酸系樹脂30〜70質量%で、アクリル系ブロック共重合体としてアクリル系トリブロック共重合体が70〜30質量%であることが好ましい。アクリル系トリブロック共重合体が、30質量%未満であると、ポリ乳酸系樹脂の軟質化が充分ではなく、柔軟性のないフィルムとなりやすく、自己粘着性の面で不十分となり、70質量%を超えると、作成されたフィルムをロールで巻き取り、その後フィルムを解反した場合にフィルム同士が剥離できない状態になり好ましくない。
また、上記のような配合割合で作成された本発明の自己粘着性ポリ乳酸系樹脂軟質フィルム用の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、所望により各種添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤、可塑剤、耐電防止剤、難燃剤、無機充填剤等を添加してもよい。
本発明の自己粘着性ポリ乳酸系樹脂軟質フィルム用樹脂組成物の調整方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば溶融混練法や溶剤に溶解して混合する方法などにより、ポリ乳酸樹脂組成物を調製することができるが、これらの方法の中で、溶融混練法が好ましい。この溶融混練法を適用する場合には、前記のポリ乳酸系樹脂、アクリル系トリブロック共重合体及び所望により用いられる各種添加剤を配合し、単軸押出機や多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどを用い、180℃以上の温度で溶融混練することが好ましい。
上記のように調整された樹脂組成物を、例えばインフレーション成形、Tダイ押出成形、カレンダー成形等の従来公知の方法で、フィルムまたはシートとして成形されて本発明のポリ乳酸系樹脂軟質フィルムをえることができる。ポリ乳酸系樹脂軟質フィルムの厚みとしては、目的用途によって適宜設定されるが、通常0.02〜1.5mm程度である。
また、必要に応じては、一方の面に他の生分解性樹脂や熱可塑性樹脂かなるフィルムやシートを積層させて使用することも可能である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
各実施例及び比較例を表1のようなポリ乳酸系樹脂とアクリル系トリブロック共重合体との配合調整し、Tダイ押出成形にて0.2mm厚のフィルムを成形し、透明性、耐ロールブロッキング性、軟質化、自己粘着性について評価し、その結果を表1に示す。
透明性、耐ロールブロッキング性、軟質化の評価は以下の方法にて行った。
透明性:東洋精機株式会社製のLIGHT SCATERRING METERによって各フィルムのNAS値(値が低いほど透明性が高い)を測定した。
○:NAS値が8未満
×:NAS値が8以上
耐ロールブロッキング性:各作成したフィルムをロールで巻き取り、1日間室温で放置した後、フィルムの解反性について評価した。
○:力を入れることなく剥離できる
△:力を多少必要とする、困難な剥離できる
×:力を入れても、剥離するのが困難である
軟質化:基準サンプルとしてポリ塩化ビニル100重量部に可塑剤(DOP)を20重量部と50重量部を添加したもので、厚さ0.2mmのPVCフィルムをA、Bをカレンダー成形にて作成した。
○:PVCフィルムAとPVCフィルムBとの間の軟質度合いである。
△:PVCフィルムAよりやや硬いが、軟質化が感じられる。
×:PVCフィルムAより硬く、軟質化が感じられない。
自己粘着性:透明なガラス板に幅100mm、長さ200mmに裁断したフィルムを貼り付け、ガラス板を垂直に立てて、室温にて3時間放置した後の状態を観察した。
○:初期の状態のままガラス面に密着している。
△:部分的にフィルムのうきが発生。
×:フィルムが剥がれてしまった。
Figure 0004791130
PLA:LACEA H−400(三井化学社製)
トリブロック共重合体1:ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸n−ブチル−b−ポリメタクリル酸メチル
トリブロック共重合体2:ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸n−ブチル−b−ポリアクリル酸メチル
ジブロック共重合体:ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸メチル
アクリル系重合体:ポリメタクリル酸メチル
ジブロック共重合体、アクリル系重合体を使用した比較例3及び比較例4は、実施例2と比較して軟質化劣るものであり、自己粘着性の面でも不十分であり、フィルムとして使用するのは問題があった。
本発明の自己粘着性ポリ乳酸系樹脂軟質フィルムは、透明性及び軟質性、生産性、自己粘着性に優れているので、販促用ステッカーフィルム、マーキングフィルム等に好適に利用することができる。

Claims (3)

  1. ポリ乳酸系樹脂とアクリル系ブロック共重合体からなるポリ乳酸系樹脂軟質フィルムにおいて、ポリ乳酸系樹脂30〜70質量%で、アクリル系ブロック共重合体が70〜30質量%であり、アクリル系ブロック共重合体が、式A−B−Aまたは式A−B−C(式中A、BおよびCは、それぞれ異なる重合体ブロックを示す。)で表され、Aがメタクリル酸アルキルエステル単位、Bがアクリル酸アルキルエステル単位、Cがメタクリル酸アルキルエステル単位またはアクリル酸アルキルエステル単位である100℃以上の温度領域で流動性を有するトリブロック共重合体であることを特徴とする自己粘着性ポリ乳酸系樹脂軟質フィルム。
  2. アクリル系ブロック共重合体において、A、BおよびC重合体ブロックそれぞれの重量平均分子量が3,000〜500,000の範囲で、アクリル系ブロック共重合体全体の重量平均分子量が10,000〜1,000,000であることを特徴とする請求項1記載の自己粘着性ポリ乳酸系樹脂フィルム。
  3. アクリル系ブロック共重合体が、ポリメタクリル酸メチル−b−ポリアクリル酸n−ブチル−b−ポリメタクリル酸メチルの構造で示されるトリブロック共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の自己粘着性ポリ乳酸系樹脂フィルム。
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