JP4390798B2 - 接着剤、それからなる積層物 - Google Patents

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本発明は、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂を含有する接着剤であって、特に、ポリ乳酸系樹脂材料とポリオレフィン樹脂材料との接着性に優れる接着剤と、それを用いた積層物に関するものである。
近年、環境への配慮から、石油原料に頼らず、廃棄時に環境負荷が小さい植物由来樹脂に注目が集まっている。その中でもとうもろこしやさつまいもなどの農作物を原料にするポリ乳酸系樹脂は、資源的に有利であり、生分解性を持ち、さらに透明性、熱溶融成形性、耐熱性に優れており、実用の段階まで到達している。
例えば、ポリ乳酸系樹脂を用いたフィルムなどの成形体が実用されているが、使用に当たっては機械的特性や、バリア性などに改善の余地がある。これらの問題を解決する手段の一つとして、異種樹脂材料との複合化を挙げることができる。例えば、ポリ乳酸系樹脂フィルムにバリア性や柔軟性に優れたポリオレフィンフィルムのような異種樹脂フィルムを積層することで、ポリ乳酸系樹脂フィルムの弱点を補うことができると考えられている。
ポリ乳酸系樹脂フィルムと異種樹脂フィルムとを接着して積層する場合、接着剤としても、ポリ乳酸系の樹脂を主材料とした接着剤を使用することが、同様の理由から好ましい。また水性接着剤は環境配慮型接着剤として注目されている。
すなわち、媒体を含む接着剤には溶剤性、水性があるが、溶剤性接着剤は、有機溶剤を含んでいるため、引火等の危険性があり、また、環境汚染等の問題があった。近年、揮発性有機化合物(VOC)の規制が特に厳しくなり、接着剤の分野でも、水性接着剤へとその様態が移行しつつある。中でも、水性分散体(エマルション)は、環境への負荷が小さく、また溶剤性接着剤と同様に液状であることから、現行の塗装ラインをほぼそのまま使用できるという長所を有するため、代替技術のうちで最も有望視されている。
しかしながら、ポリ乳酸系樹脂材料と異種樹脂材料とを積層して、ポリ乳酸系樹脂成形体の弱点を補うことは、使用する接着剤の接着性が充分でないことから困難なものであった。
例えば、ポリ乳酸樹脂とエポキシ基含有アクリル樹脂(特許文献1)、ポリ乳酸樹脂とゴム含有アクリル樹脂(特許文献2)からなる樹脂組成物に関する検討は行われているが、ポリ乳酸樹脂に、耐衝撃強度や機械強度、溶融張力を付与することを目的としており、接着剤、特に水性接着剤としての検討はなされていない。また、ポリ乳酸樹脂水性分散体と石油系樹脂エマルションからなるコート剤に言及した文献もあるが(特許文献3)、これは床用艶出し剤に関する検討であるため接着剤としての検討が行われていない。水性接着剤用途としてはポリ乳酸樹脂とポリエステル系樹脂からなる水性接着剤に関する検討がなされているが(特許文献4)、実質的にポリ乳酸樹脂フィルム同士の貼り合せや、ポリ乳酸樹脂フィルムと紙との貼り合わせについてしか検討されておらず、ポリ乳酸系樹脂基材と異種樹脂基材との接着には検討の余地があった。また、本発明者らも、乳酸残基を含有する生分解性ポリエステル樹脂の水性分散体を接着剤として使用する検討を行っているが(特許文献5)、特定組成の樹脂を重合するという煩わしさに加えて、ポリ乳酸系樹脂基材と異種樹脂基材との接着には検討の余地があった。また、特許文献5において、アクリル樹脂添加の可能性について言及しているが、ポリ乳酸系樹脂基材と異種樹脂基材との接着性向上には検討の余地があった。
特開2005−343970号公報 特開2006−137908号公報 特開2005−002303号公報 特開2003−128888号公報 特開2004−300284号公報
本発明の課題は、上記問題を解決し、ポリ乳酸系樹脂材料とポリオレフィン樹脂材料との接着が良好な接着剤を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のアクリル樹脂を含有する接着剤が、ポリ乳酸系樹脂材料とポリオレフィン樹脂材料との良好な接着性(ラミネート強度)を発現することを見出し、また、それ単独では接着効果をほとんど示さないポリ乳酸系樹脂を、上記接着剤に含有させるとラミネート強度が増加することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)ポリ乳酸系樹脂材料とポリオレフィン樹脂材料とを接着する接着剤であって、前記接着剤が、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(B)とをA/B=95/5〜50/50(質量比)の割合で含むことを特徴とする接着剤。
(2)媒体(C)を含有することを特徴とする(1)に記載の接着剤。
(3)ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)水性分散体とポリ乳酸系樹脂(B)水性分散体とを混合することを特徴とする(2)記載の接着剤の製造方法。
(4)ポリ乳酸系樹脂材料とポリオレフィン樹脂材料とが、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(B)とをA/B=95/5〜50/50(質量比)の割合で含む接着剤によって接着されたものであることを特徴とする積層物。
本発明の接着剤は、ポリ乳酸系樹脂材料とポリオレフィン樹脂材料、特にポリオレフィン樹脂フィルム、とを良好に接着(ラミネート)することができる。また、接着剤成分にポリ乳酸系樹脂を含有させることにより、ラミネート強度を向上させることができる。さらに、接着剤の一部を植物由来のポリ乳酸系樹脂に置き換えたことにより、環境に対して極めて好ましい接着剤を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の接着剤は、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)を含有することが必要である(本発明において、「(メタ)アクリル酸…」とは、「アクリル酸…、または、メタクリル酸…」を意味する。)。ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独または共重合樹脂であることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げられる。ラミネート強度の点から、メタクリル酸アルキルエステルの単独または共重合樹脂であることが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボン酸類、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド類、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、スチレン、メチルスチレン等のオレフィン類、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル化合物類等も挙げられる。
ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)の重量平均分子量は、1万〜500万の範囲であることが好ましく、3万〜300万の範囲であることがより好ましく、5万〜100万の範囲であることがさらに好ましい。重量平均分子量が1万未満であると、接着性が発現しない場合があり、重量平均分子量が500万を超えると接着性が低下する場合がある。
なお、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)の重量平均分子量は、GPC分析(島津製作所製、溶媒:テトラヒドロフラン、屈折率分光計、ポリスチレン換算)などにより分析することができる。
また、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)のアルキル基の炭素数は1〜20の範囲であることが好ましく、1〜10の範囲であることがより好ましく、1〜4の範囲であることがさらに好ましい。炭素数が20を超えるポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル樹脂(A)を製造することは困難であるため使用し難い。
本発明において、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂以外のポリアクリル樹脂、例えば、アクリロニトリルの単独または(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外のモノマーとの共重合体を使用した場合、ポリ乳酸系樹脂と異種樹脂材料とを良好に接着することができない。
本発明の接着剤は、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(B)とを含有することが必要である。その質量比(A/B)は、95/5〜50/50であることが必要である。ポリ乳酸系樹脂(B)の割合が質量%未満の場合は、接着性向上効果が小さく、またポリ乳酸系樹脂(B)の割合が50質量%を超えると接着性向上効果が著しく低下する。
本発明においてポリ乳酸系樹脂(B)は、乳酸類を原料として重合された樹脂である。乳酸類の具体例として、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸、それらの混合物や乳酸の環状2量体のラクタイドなどが挙げられる。また、ポリ乳酸系樹脂(B)の原料として、ヒドロキシカルボン酸類を併用してもよい。ヒドロキシカルボン酸類の具体例としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5ーヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカルボン酸を挙げることができる。さらに、ヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体、例えば、グリコール酸の2量体であるグリコライドや6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステルであるε−カプロラクトンを挙げることができる。
ポリ乳酸系樹脂(B)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、ポリ乳酸の場合、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸を直接脱水重縮合する方法や、乳酸の環状2量体であるラクタイドを開環重合する方法などがあげられる。これらに代えて、市販されているポリ乳酸系樹脂を用いてもよい。
本発明の接着剤は、上述のように、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(B)とを含有するものである。これらの構成の接着剤は、公知の方法を使用して、溶融し基材上に押出しすることによって、または、基材材料の溶融物と共押出しすることによって、基材/接着層からなる積層体を製造することができる。また、接着剤の溶融物と被着体の溶融物とを基材上に共押出しすることによって、または、基材材料の溶融物と接着剤の溶融物と被着体材料の溶融物とを共押出しすることによって、基材/接着層/被着体からなる積層物を製造することができ、例えば、基材としてポリ乳酸系樹脂材料を、また被着体としてポリオレフィン樹脂材料を使用すると、これらを接着して積層することができる。
押出温度は、接着剤を構成する樹脂や基材材料、被着体材料の融点または流動開始温度以上であることが必要であり、融点または流動開始温度より10℃以上高いことが好ましい。たとえば、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(B)からなる接着剤の場合、押出温度は180〜230℃が好ましく、190〜220℃がさらに好ましい。温度が低すぎると押出しが不安定になったり、過負荷に陥りやすく、逆に温度が高すぎると樹脂が分解し、得られる積層体の強度が低下したり、着色する等の問題が発生するため好ましくない。
さらに本発明の接着剤は媒体(C)を含有してもよく、接着剤に媒体(C)を含有させることにより、塗工法を適用して接着剤を使用することも可能となる。
本発明において、媒体(C)としては、有機溶剤、水、または水と親水性有機溶剤の混合物が挙げられ、室温・常圧において液体であり、加熱や減圧によって揮発し、除去できるものが好ましい。
有機溶剤の例としては、ジエチルケトン(3−ペンタノン)、メチルプロピルケトン(2−ペンタノン)、メチルイソブチルケトン(4−メチル−2−ペンタノン)、2−ヘキサノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2−へプタノン、3−へプタノン、4−へプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、ベンゼン、ソルベッソ100、ソルベッソ150等の芳香族炭化水素類、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン等の含ハロゲン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、γ―ブチロラクトン、イソホロン等のエステル類、加えて後述の親水性有機溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤を媒体(C)として接着剤に含有させることによって、溶剤系接着剤を得ることができる。その製造方法は特に限定されるものではなく、市販のポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル樹脂(A)と必要に応じてポリ乳酸系樹脂(B)とを、同時に有機溶剤に溶解してもよく、別々に有機溶剤に溶解したものを特定の割合で混合してもよい。
本発明において、媒体(C)としては、保存安定性、取り扱いの容易さ、さらに、環境保護、省資源、消防法等による危険物規制、職場環境改善等の立場から、水または水と親水性有機溶剤の混合物を使用することが好ましい。これらを接着剤に含有させることによって、水性接着剤を得ることができる。
媒体(C)として水と親水性有機溶剤の混合物を使用する場合、親水性有機溶媒は主に基材へのぬれ性を付与するために添加される。媒体(C)における親水性有機溶剤の割合は、環境面および水性接着剤の液安定性の面より、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、含有していないことが特に好ましい。
親水性有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、テトラヒドロフラン(以下、THFと略称する。)、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体、さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等が挙げられる。上記親水性有機溶剤の中でも、取り扱いやすさから、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、THF、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルが好ましく、特にエタノール、n−プロパノール、イソプロパノールが好ましい。これらの親水性有機溶剤は2種以上を混合して使用してもよい。
リ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(B)と媒体(C)とからなる水性接着剤の製造方法特に限定されない。ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(B)とを同時にまたは連続で水性分散化してもよいが、最も簡便な方法は、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)水性分散体と、下記ポリ乳酸系樹脂(B)水性分散体とを特定の割合で混合する方法が挙げられる。上記ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)水性分散体は、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)と媒体(C)とからなり、製造方法は特に限定されるものではなく、市販されているアクリル樹脂水性分散体を用いてもよい。市販の水性分散剤としては、例えば、楠本化成社製NeoCrylシリーズ、積水化学社製エスダイン#7000シリーズ、日本純薬社製ジュリマーシリーズ、大日本インキ工業社製ボンコートシリーズ、三井化学社製タケラックシリーズなどが挙げられる。
ポリ乳酸系樹脂(B)水性分散体の製造方法は、特に限定されず、転相乳化法、強制乳化法などが挙げられる。例えば、特開2005−008733号公報に記載の方法、すなわち、密閉可能な容器に、ポリ乳酸系樹脂(B)、水、塩基性化合物、親水性有機溶剤などの原料を投入し、次いで、槽内の温度を45〜200℃、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは80〜120℃に保ちつつ、好ましくは粗大粒子が無くなるまで(例えば、5〜120分間)撹拌を続けることにより、ポリ乳酸系樹脂(B)を十分に分散化させ、その後、好ましくは撹拌下で40℃以下に冷却することにより、分散体を得ることができる。このとき、槽内の温度が45℃未満の場合は、ポリ乳酸系樹脂(B)の分散化が困難になる。槽内の温度が200℃を超える反応は、不経済な上、ポリ乳酸系樹脂(B)の加水分解反応が著しく進行する場合があるので好ましくない。その後、親水性有機溶剤を留去して、ポリ乳酸系樹脂(B)水性分散体を得ることができる。
ポリ乳酸系樹脂(B)水性分散体は、上記方法で製造できるが、市販されているポリ乳酸系樹脂水性分散体を用いてもよい。市販の水性分散剤としては、例えば、第一工業製薬社製のプラセマシリーズやミヨシ油脂社製のランディPLシリーズなどが挙げられる。
本発明の媒体(C)を含有する接着剤において、樹脂〔(A)+(B)〕の含有率は、媒体(C)の種類、積層条件、目的とする接着層の厚さや性能などにより適宜調整され、特に限定されるものではないが、分散体の粘度を適度に保ち、かつ良好な接着層形成能を発現させる点で、1〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%が特に好ましい。1質量%未満では十分な接着性を得がたく、60質量%を超えると、保存安定性が低下したり、取り扱いが困難になる場合がある。
本発明の接着剤には、界面活性剤を含有させることもできるが、その含有量は少ないほど接着層と基材との密着性、接着性が向上し、長期保存後の接着性経時変化が小さく、また、衛生面での問題も生じない。したがって、界面活性剤成分は、樹脂〔(A)+(B)〕100質量部に対して20質量部以下とするのが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
本発明の接着剤には、接着性をさらに向上させるために、樹脂〔(A)+(B)〕100質量部に対して、架橋剤(D)を0.1〜50質量部、好ましくは0.5〜30質量部添加することができる。架橋剤(D)の添加量が0.1質量部未満の場合は、塗膜性能の向上の程度が小さく、50質量部を超える場合は、媒体(C)を含有する接着剤の液安定性、接着層の接着性や加工性などの性能が低下することがある。架橋剤(D)としては、自己架橋性を有する架橋剤、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物、多価の配位座を有する金属錯体を用いることができ、このうち、イソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、アジリジン化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤、分子内に2つ以上の(メタ)アクリル基を有する化合物、分子内に(メタ)アクリル基とグリシジル基を1つずつ有する化合物等が好ましい。また、これらの架橋剤を組み合わせて使用してもよい。
また本発明の接着剤には、接着性を向上させるために、可塑剤を配合してもよい。可塑剤の配合割合は、ポリ乳酸系樹脂(B)に対して0.1〜30質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜20質量%の範囲であることがより好ましい。添加量が0.1質量部未満であると添加効果が小さく、30質量部を超えて添加しても効果の更なる向上は期待し難く、場合によっては接着性が低下するする。可塑剤としては、ポリ乳酸系樹脂(B)に対して相溶し、かつ、不揮発性であり、環境問題などの観点から無毒性で、さらにFDA(Food and Drug Administration)に合格しているものが好ましい。具体的には、エーテルエステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤である。エーテルエステル系可塑剤の具体例としては、ビスメチルジエチレングリコールアジペート、ビスブチルジエチレングリコールアジペートなどである。また、オキシ酸エステル系可塑剤の具体例としては、アセチルクエン酸トリブチル等が挙げられる。これらの可塑剤は単独で使用してもよく、あるいは2種類以上を併用してもよい。
本発明の接着剤には、さらに他の重合体、粘着付与成分等を添加することができる。
他の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、変性ナイロン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは2種以上を混合して使用してもよい。
粘着付与成分としては、ロジン類、テルペン類、石油樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂などが挙げられる。ロジン類としては、重合ロジン、不均化ロジン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン、及びこれらのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、エチレングリコールエステル、ジエチレングリコールエステル、トリエチレングリコールエステルなどが挙げられる。テルペン類としては、低重合テルペン系、α‐ピネン重合体、β‐ピネン重合体、テルペンフェノール系、芳香族変性テルペン系、水素添加テルペンなどが挙げられる。石油樹脂としては、炭素数5個の石油留分を重合した石油樹脂、炭素数9個の石油留分を重合した石油樹脂、及びこれらを水素添加した石油樹脂、マレイン酸変性、フタル酸変性石油樹脂などが挙げられる。
さらに、本発明の接着剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、顔料、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の各種薬剤を添加してもよい。
本発明の媒体(C)を含有する接着剤は、塗膜形成能に優れているので、公知の成膜方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等により各種基材表面に均一にコーティングし、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥又は乾燥と焼付けのための加熱処理を行い、媒体を除去することにより、各種基材表面に、均一な樹脂塗膜からなる接着層を形成した積層体を得ることができる。このときの加熱装置としては、通常の熱風循環型のオーブンや赤外線ヒーター等を使用すればよい。また、加熱温度や加熱時間は、媒体(C)の種類、基材の特性、硬化剤の種類や配合量などにより適宜選択されるものであり、特に限定されず、例えば、加熱温度50〜300℃程度の範囲で使用できる。
本発明において、基材上に形成する接着層の厚みは特に限定されないが、0.05〜200μmであることが好ましく、0.1〜150μmであることがより好ましく、0.5〜100μmであることがさらに好ましい。厚みが0.05μm未満では接着性が低くなり、200μmを超えると、媒体(C)を含有する接着剤を使用した場合には、乾燥時間を長く必要とする。
本発明の接着剤の特性を活かすためには、基材と被着体の組み合わせは、ポリ乳酸系樹脂材料とポリオレフィン樹脂材料の組み合わせであることが必要である。本発明の接着剤からなる接着層を形成する基材と被着体としては、ポリ乳酸系樹脂材料とポリオレフィン材料のいずれを用いてもよい。本発明の接着剤が樹脂成分としてポリ乳酸系樹脂(B)も成分として使用できることから、基材としてはポリ乳酸系樹脂材料が好ましく用いられる。
上述した基材としては、射出成形法、ブロー成形法、押出成形法、押出発泡成形法などにより成形された成形体が挙げられ、その形状としては、たとえばフィルムが挙げられる。フィルムの厚さは特に限定されるものではないが、通常0.5〜1000μm、好ましくは1〜500μm、より好ましくは1〜100μm、特に好ましくは1〜50μmである。フィルムはコロナ処理などの物理的表面処理が施されていることが好ましいが、本発明の接着剤はぬれ性に優れているので、施されていなくてもよい。また、基材の形状が発泡シートである場合には、その厚さは、通常0.1〜5mmであり、0.5〜4mmであることが好ましく、1〜3mmであることがより好ましい。
基材上に形成された接着層上に被着体を積層することによって、基材/接着層/被着体からなる積層物を得ることができる。
被着体を積層する条件は特に限定されないが、温度は60℃以上であり、基材が樹脂材料である場合は、樹脂の融点以下であることが好ましい。被着体を積層する方法としては、例えば、被着体フィルムを熱ロールで圧力をかけながら、基材上の接着層上にラミネートする方法や、溶融した被着体材料を、基材上の接着層上に押出ラミネートする方法が挙げられる。
被着体としては、本発明の接着剤の接着特性およびポリ乳酸系樹脂材料へのバリア性等の付与の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィン樹脂材料や環状ポリオレフィン樹脂材料、を使用することが好ましい。
本発明の接着剤を使用することによって、積層物のラミネート強度を1.0N/15mm以上、好ましくは1.5N/15mm以上、より好ましくは2.0N/15mm以上とすることができる。ラミネート強度が1.0N/15mm未満であると、取り扱い時に剥離することがある。
本発明の接着剤を使用して得られる積層体や積層物にサーモフォーミングを適用することによって、碗型、箱型、ボトル型などの形状に成形加工することできる。これらの成形体は、容器やトレーなどの用途に使用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
(A)評価方法
(1)アクリル樹脂の構成
KBr法にて、赤外分光装置(Perkin Elmer System 2000)を用い求めた。媒体(C)を含む場合、下記の固形分濃度を求める方法と同様にして媒体(C)を除去した後測定した。
(2)水性接着剤の固形分濃度
接着剤を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、固形分濃度を求めた。
(3)水性接着剤のポットライフ
水性接着剤を室温で30日放置した後の水性分散体の外観を次の3段階で評価した。
○:外観に変化なし。
△:増粘や僅かな沈殿物の発生がみられる。
×:固化、凝集や著しい沈殿物の発生が見られる。
(4)密着性
基材/接着層(塗膜)からなる積層体の塗膜面に粘着テープ(ニチバン社製TF−12)を貼り付けた後、勢いよくテープを剥離した。塗膜面の状態を目視で観察して、以下のように評価した。
○:剥がれがなかった。
×:剥がれがあった。
(5)ラミネート強度
基材がフィルムである場合は、基材/接着層(塗膜)/被着体からなる積層物を15mm幅で切り出し、1日後、引張試験機(インテスコ社製インテスコ精密万能材料試験機2020型)を用い、引張速度200mm/分、引張角度180度で剥離強度を測定した。また、基材が発泡シートである場合は、引張速度50mm/分、引張角度90度の条件で測定した。
(B)接着剤原料
(1)ポリメタクリル酸アルキルエステル樹脂水性分散体(A−1)
楠本化成社製、NeoCryl A−5045、スチレンとメタクリル酸アルキルエステルの共重合体、固形分濃度46質量%。
(2)ポリメタクリル酸メチル(A−2)
三菱レイヨン社製、アクリペットVH。
(3)ポリアクリル樹脂水性分散体(A−3)
楠本化成社製、NeoCryl A−6075、スチレンとアクリロニトリルの共重合体、固形分濃度45質量%。
(4)ポリエステル樹脂水性分散体(E−1)
ユニチカ社製、エリーテル KZT−8803、固形分濃度30質量%。
(5)ポリオレフィン樹脂水性分散体(O−1)
ユニチカ社製、アローベース SB−1010、固形分濃度25質量%。
(6)ポリウレタン樹脂水性分散体(U−1)
旭電化工業社製、アデカボンタイター UX−0666、固形分濃度40質量%。
(7)ポリ乳酸系樹脂水性分散体(P−1)の製造
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、100.0gのポリ乳酸系樹脂(ネイチャーワークス社製、6302D)、100.0gのTHF、5.0gのトリエチルアミン、7.0gの乳化剤(旭電化工業社製、アデカプルロニックP−85)、288.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌機の撹拌翼の回転速度を500rpmとして撹拌した。そうしたところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、樹脂粒状物が浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れて加熱した。そして、系内温度を80℃に保って、さらに75分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度500rpmとして撹拌しつつ室温(約25℃)まで冷却することで、ポリ乳酸系樹脂水性分散体を得た。得られたポリ乳酸系樹脂水性分散体500gを1リットルの2口丸底フラスコに仕込み、ロータリーエバポレーターを用い、浴温35〜40℃で、親水性有機溶媒を留去した。続いて、冷却を行った後、フラスコ内の液状成分を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリ乳酸系樹脂水性分散体(P−1)を得た。濾液の固形分濃度を測定したところ、30.0質量%であった。
(8)ポリ乳酸樹脂水性分散体(P−2)
第一工業製薬社製、プラセマ L110、固形分濃度52質量%。
(9)ポリ乳酸樹脂(P−3)
ネイチャーワークス社製、6201D。
(10)架橋剤(D−1)
オキサゾリン基含有樹脂水性分散体(日本触媒社製、エポクロスK−2030E、固形分濃度40質量%)。
(C)基材
(1)ポリ乳酸フィルム
2軸延伸ポリ乳酸フィルム(ユニチカ社製、製品名テラマックフィルムTFE−15、厚さ15μm)。
(2)ポリ乳酸系発泡シート
ポリ乳酸系樹脂(ユニチカ社製、HV−6250H)を、二軸混練押出発泡体製造装置(東芝機械製TEM−48BS)に供給した。温度200℃で溶融し、吐出量100kg/h下で炭酸ガス1.4質量%添加して、独立気泡からなる発泡倍率6.0倍、厚み2.2mmの均一な発泡体シートを作製した。
(D)被着体
(1)被着体フィルム
無延伸ポリプロピレンフィルム(東レ合成フィルム社製、トレファンNO ZK93K、厚み50μm)。
(2)被着体材料
ポリプロピレン(日本ポリケム社製、FB3GT)。
実施例1
接着剤として、ポリメタアクリル酸アルキルエステル樹脂水性分散体(A−1)とポリ乳酸系樹脂水性分散体(P−1)とを、アクリル樹脂固形分とポリ乳酸系樹脂固形分の質量部が表1に記載の質量部になるように混合し、さらに水を加えて、固形分濃度30質量%の水性接着剤を調製した。
基材として2軸延伸ポリ乳酸フィルムを使用し、このコロナ処理面に、得られた水性接着剤を、乾燥後の膜厚が1μmになるように塗布し、120℃で1分間乾燥させ、基材/接着層(塗膜)からなる積層体を得た。得られた積層体の密着性は良好であった。
基材として2軸延伸ポリ乳酸フィルムを使用し、このコロナ処理面に、得られた水性接着剤を、乾燥後の膜厚が4μmになるように塗布し、120℃で1分間乾燥させ、基材/接着層(塗膜)からなる積層体を得た。次いで、得られた積層体の接着層と、被着体である無延伸ポリプロピレンフィルムとを貼り合わせ、ヒートプレス機(シール圧0.2MPaで5秒間)にて100℃でプレスして、基材/接着層/被着体からなる積層物を得た。得られた積層物のラミネート強度は2.4N/15mmであった。
実施例2〜、比較例1、2
ポリメタアクリル酸アルキルエステル樹脂水性分散体(A−1)とポリ乳酸系樹脂水性分散体(P−1)または(P−2)とを、アクリル樹脂固形分とポリ乳酸系樹脂固形分の質量部が表1に記載の質量部になるように混合し、さらに水を加えて、固形分濃度30質量%の水性接着剤を調製した。
得られた水性接着剤を使用し、実施例1と同様にして積層体と積層物を得てそれぞれの特性を測定した。
実施例
樹脂固形分100質量部に対して20質量部の架橋剤(D−1)を添加した以外は実施例と同様に行った。
実施例
ポリメタクリル酸メチル(A−2)50質量部と、ポリ乳酸樹脂(P−3)50質量部とをドライブレンドした後、二軸混練押出機(池貝製PCM−30、ダイス直径4mm×3孔、シリンダ温度210℃、ダイ出口温度200℃)のホッパーより供給し、押出し、ペレット状に加工し、乾燥して、ペレット状の接着剤を得た。
得られた接着剤と被着体材料のポリプロピレンとを、押出機を用いて、ポリ乳酸系発泡シート上に共押出しして、ポリ乳酸系発泡シート/接着層/ポリプロピレンフィルム(厚み:2.2mm/50μm/100μm)からなる積層物を製造した。
実施例10
ポリメタクリル酸メチル(A−2)70質量部と、ポリ乳酸樹脂(P−3)30質量部を用いた以外は実施例と同様にして、ポリ乳酸系発泡シート/接着層/ポリプロピレンフィルム(厚み:2.2mm/50μm/100μm)からなる積層物を製造した。
比較例3〜6
ポリメタクリル酸アルキルエステル樹脂水性分散体(A−1)に代えて、ポリアクリル樹脂(A−3)、ポリエステル樹脂水性分散体(E−1)、ポリオレフィン樹脂水性分散体(O−1)、ポリウレタン樹脂水性分散体(U−1)を用いた以外は実施例と同様に行った。
実施例1〜10および比較例1〜6の評価結果を表1に示す。
Figure 0004390798
実施例1〜6、で得られた水性接着剤は、密着性、ポットライフも良好で、ラミネート強度に優れるものであった。ポリ乳酸系樹脂の添加量を増やすことで、ラミネート強度は上昇した(実施例2〜4)。ポリ乳酸系樹脂水性分散体は、市販のものを用いても性能が発現することが確認できた(実施例)。水性接着剤に架橋剤(D)を添加することによって、ラミネート強度を上昇させることができた(実施例)。さらに、基材上に接着剤と被着体材料を共押出しして製造した積層物も良好なラミネート強度を示した(実施例9、10)。
一方、比較例1〜6のように、ポリメタクリル酸アルキルエステル樹脂を含有しない場合や、含有量が少ない場合は、満足できるラミネート強度は得られず、また、ポットライフが短くなることがあった。

Claims (4)

  1. ポリ乳酸系樹脂材料とポリオレフィン樹脂材料とを接着する接着剤であって、前記接着剤が、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(B)とをA/B=95/5〜50/50(質量比)の割合で含むことを特徴とする接着剤。
  2. 媒体(C)を含有することを特徴とする請求項1に記載の接着剤。
  3. ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)水性分散体とポリ乳酸系樹脂(B)水性分散体とを混合することを特徴とする請求項2記載の接着剤の製造方法。
  4. ポリ乳酸系樹脂材料とポリオレフィン樹脂材料とが、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂(A)とポリ乳酸系樹脂(B)とをA/B=95/5〜50/50(質量比)の割合で含む接着剤によって接着されたものであることを特徴とする積層物。
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