JP5255211B2 - 乳酸系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、シーラントなどに好適に用いられる乳酸系樹脂組成物に関する。
近年、ポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸、及び脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸とから誘導される脂肪族ポリエステル等は、熱可塑性樹脂で生分解性を有するポリマーとして開発されている。
これらのポリマーは、動物の体内で数カ月から1年以内に100%分解し、又は、土壌や海水中に置かれた場合、湿った環境下では数週間で分解を始め、約1年から数年で消滅する。さらに、分解生成物は、人体に無害な乳酸や二酸化炭素と水になるという特性を有している。
特に、ポリ乳酸は、近年、原料のL−乳酸が発酵法により大量且つ安価に製造されるようになってきたことや、堆肥中での分解速度が速く、カビに対する抵抗性、食品に対する耐着臭性および耐着色性等、優れた特徴を有することより、その利用分野の拡大が期待されている。
各種のシール材用途分野において、柔軟性及びシーラント適性にも優れる樹脂が求められている。これらの樹脂としてポリエチレンや各種エチレン共重合体の使用が検討されている。一方、近年CO2の排出抑制、化石資源の節約等地球環境の保全の面からいわゆる
植物由来の樹脂が注目を集めている。ポリエチレンや各種エチレン共重合体はその種類によっては柔軟性があり、またシーラント適性にも優れているが、これらは植物由来の樹脂ではないポリオレフィン系の樹脂である。そのため、CO2の排出抑制、化石資源の節約
等地球環境の保全の面からいわゆる植物由来の樹脂の使用がより好ましい。
このような理由からシーラントに適した柔軟性フィルム用の樹脂材料であって且つ地球環境の面から植物由来度の高い樹脂材料が求められていた。
本発明は、植物由来の乳酸系樹脂組成物、乳酸系樹脂組成物より形成されるフィルム、ならびに該フィルムからなるシーラントを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に関し、鋭意検討を行った結果、特定のエチレン系共重合体(A)とポリ乳酸(B)とを含有する樹脂組成物が本発明の目的を達成できることを見出した。
すなわち、本発明の乳酸系樹脂組成物は、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)及びエチレン−ビニルエステル共重合体(A2)から選ばれるエチレン系共重合体(A)90〜30質量部と、乳酸系樹脂(B)10〜70質量部(但し、(A)及び(B)の合計が100質量部)とを含有することを特徴とする。
前記乳酸系樹脂組成物は、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)がエチレン−アクリル酸メチルであることが好ましい。
前記乳酸系樹脂組成物は、エチレン−ビニルエステル共重合体(A2)がエチレン−酢酸ビニル共重合体であることが好ましい。
本発明の柔軟性フィルムは、前記乳酸系樹脂組成物から形成されることを特徴とする。
本発明のシーラントは、前記柔軟性フィルムからなることを特徴とする。
本発明の乳酸系樹脂組成物から形成されるフィルムは、ヒートシール性および柔軟性を有し、シーラントとして優れた性能を有する。そのため、食品、電子、薬品、化粧品等の各種包装用資材、農業用、土木・建築用の資材、コンポスト資材等の広範囲における資材として好適に使用しうる。
以下、本発明の乳酸系樹脂組成物について具体的に説明する。
[エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)]
本発明で用いられるエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)は、メルトフローレート(MFR;JIS K7210、190℃、2160g荷重)が0.1〜
300g/10分、好ましくは0.2〜250g/10分、さらに好ましくは0.5〜200g/10分である。エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)のMFRが上記範囲内にあると、加工性に優れるとともに引張破断点強度、破断点伸び等の引張特性などの基本物性に優れる乳酸系樹脂組成物が得られる。
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)におけるエチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸エステル成分としては、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチルなどが挙げられるが、アクリル酸メチル及びメタクリル酸メチルが特に好ましい。
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)としては、具体的には、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸イソオクチル共重合体、エチレン−アクリル酸−2−エチルヘキシル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸イソブチル共重合体などが挙げられるが、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体及びエチレン−アクリル酸メチル共重合体が特に好ましい。
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)は、エチレン単位含有量が好ましくは99.5〜40重量%、さらに好ましくは95〜50重量%、より好ましくは90〜60重量%であり、(メタ)アクリル酸エステル成分から導かれる構成単位含有量((メタ)アクリル酸エステル成分単位含有量)が好ましくは0.5〜60重量%、さらに好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体(A1)のエチレン単位含有量が上記範囲内にあると、得られる乳酸系樹脂組成物は、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)の本来的に有する好ましい諸物性を保持している。
本発明においては、上記エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂(A1)
はオートクレーブ高圧重合法、チューブラー高圧重合法 いずれの方法によって製造されたものであってもよいが、チューブラー高圧重合法により製造された共重合体樹脂を用いることがより好ましい。
この方法で得られた共重合体樹脂は、通常のラジカル重合法等の他の方法で製造されたエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体に比較して、例え共重合組成や平均分子量が同じものであっても融点が高く、然も、溶融状態での粘弾性挙動等の熱的諸物性やその他の属性が異なる。
チューブラー高圧重合法とは、チューブラー反応器を使用し、高圧で遊離基触媒を用いてラジカル重合する方法であり、例えば、特開昭62−273214号公報等に記載されている方法が例示できる。
上記チューブラー高圧重合法で得られた共重合体は、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル含量:E(重量%)と共重合体融点:T(℃)(JIS K7121ISO)との関係が下記式(I)、
−0.8×E+115≧T≧−0.8×E+109…(I)
を満足する共重合体である。
[エチレン−ビニルエステル共重合体(A2)]
本発明で用いられるエチレン−ビニルエステル共重合体(A2)は、メルトフローレート(MFR;JIS K7210、190℃、2160g荷重)が0.1〜300g/10分、好ましくは0.2〜200g/10分、さらに好ましくは0.2〜100g/10分である。エチレン−ビニルエステル共重合体(A2)のMFRが上記範囲内にあると、加工性に優れるとともに引張破断点強度、破断点伸び等の引張特性などの基本物性に優れるとともに耐熱性に優れる乳酸系樹脂組成物が得られる。
エチレン−ビニルエステル共重合体(A2)におけるエチレンと共重合可能なビニルエステル成分としては、具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなどが挙げられる。
エチレン−ビニルエステル共重合体(A2)としては、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン−n−酪酸ビニル共重合体、エチレン−パーサティック酸ビニル共重合体、エチレン−ラウリン酸ビニル共重合体、エチレン−ステアリン酸ビニル共重合体、エチレン−安息香酸ビニル共重合体、エチレン−サリチル酸ビニル共重合体、エチレン−シクロヘキサンカルボン酸ビニル共重合体などが挙げられるが、特にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。
エチレン−ビニルエステル共重合体(A2)は、エチレン単位含有量が95〜50重量%、好ましくは90〜54重量%、さらに好ましくは85〜60重量%であり、ビニルエステル成分から導かれる構成単位含有量(ビニルエステル成分単位含有量)が5〜50重量%、好ましくは10〜46重量%、さらに好ましくは15〜40重量%であることが望ましい。エチレン−ビニルエステル共重合体(A2)のエチレン単位含有量が上記範囲内にあると、得られる乳酸系組成物は、エチレン−ビニルエステル共重合体(A2)の本来的に有する好ましい諸物性を保持している。
[乳酸系樹脂(B)]
本発明における乳酸系樹脂(B)とは、重合に供するモノマーの重量に換算して、乳酸成分を50重量%以上含むポリマーを包含する。その具体例としては、(i)ポリ乳酸、
(ii)乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸との共重合体、(iii)乳酸、脂肪族多価
アルコールと脂肪族多塩基酸との共重合体、(iv)(i)〜(iii)のいずれかの組み合わせによる混合物、及び(V)上記(i)〜(iv)と生分解性を有するポリエステル類との混
合物が挙げられる。
本発明で用いられる乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸又はそれらの混合物、又は、乳酸の環状2量体であるラクタイドを挙げることができる。特に、L−乳酸及びD−乳酸を混合して用いる場合、得られるポリ乳酸の構成成分として、L−乳酸又はD−乳酸何れかが75重量%以上含まれることが好ましい。
<乳酸系樹脂(B)の製造方法>
本発明で用いられる乳酸系樹脂(B)の製造方法としては、
(i)乳酸又は乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸の混合物を原料として、直接脱水重縮
合する方法(例えば、米国特許第5,310,865号に示されている製造方法)、(ii)乳酸の環状二量体(ラクタイド)を溶融重合する開環重合法(例えば、米国特許2,758,987号に開示されている製造方法)、(iii)乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン
酸の環状2量体、例えば、ラクタイドやグリコライドとε一カプロラクトンを、触媒の存在下、溶融重合する開環重合法(例えば、米国特許4,057,537号に開示されている製造方法)、(iv)乳酸、脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸の混合物を、直接脱水重縮合する方法(例えば、米国特許5,428,126号に開示されている製造方法)、(v)ポリ乳酸と脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸とのポリマーを、有機溶媒存
在下に縮合する方法(例えば、欧州特許公報0712880A2号に開示されている製造方法)、及び(vi)乳酸を触媒の存在下、脱水重縮合反応を行うことによりポリエステル重合体を製造するに際し、少なくとも一部の工程で、固相重合を行う方法、等を挙げることができるが、その製造方法には、特に限定されない。
また、少量のトリメチロールプロパン、グリセリンのような脂肪族多価アルコール、ブタンテトラカルボン酸のような脂肪族多塩基酸、多糖類等のような多価アルコール類を共存させて共重合させてもよく、又ジイソシアネート化合物等のような結合剤(高分子鎖延長剤)を用いて分子量を上げてもよい。
<乳酸系樹脂(B)の分子量>
乳酸系樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)や分子量分布は、実質的に成形加工が可能であれば特に制限されない。また、本発明で使用する乳酸系樹脂(B)の重量平均分子量は、実質的に充分な機械物性を示すものであれば特に制限されない。一般的には、重量平均分子量(Mw)で3〜100万が好ましく、5〜75万が更に好ましく、8〜50万が最も好ましい。重量平均分子量(Mw)が3万より小さい場合、樹脂組成物を成形加工して得られた成形体の機械物性が充分でなかったり、逆に分子量が100万を越える場合、成形加工時の溶融粘度が極端に高くなり取扱い困難となったり製造上不経済となったりする場合がある。
<乳酸系樹脂(B)の好ましい形態>
乳酸系樹脂(B)の好ましい形態の一つとしては、ポリ乳酸樹脂が挙げられる。
ポリ乳酸樹脂の好ましい形態としては、三井化学社により製造されるポリ乳酸樹脂(商品名:レイシア)が挙げられる。「レイシア」の銘柄としては、例えば、H−100、H−400、H−440、H−360、H−280、100J、H−100E、M−151S
Q04、M151S Q52等が挙げられる。
[乳酸系樹脂組成物]
本発明の乳酸系樹脂組成物は、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)及びエチレン−ビニルエステル共重合体(A2)から選ばれるエチレン系共重合体(A)と乳酸系樹脂(B)とを含有する。
エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)及びエチレン−ビニルエステル共重合体(A2)は単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。また、2種以上の共重合体(A1)のブレンド物、2種以上の共重合体(A2)のブレンド物などを用いてもよい。
本発明の乳酸系樹脂組成物においては、該エチレン系共重合体(A)および乳酸系樹脂(B)の合計量100質量部に対して、エチレン系共重合体(A)90〜30質量部と、乳酸系樹脂(B)10〜70重量部とを含有することが好ましく、エチレン系共重合体(A)80〜50質量部と、乳酸系樹脂(B)20〜50質量部とを含有することが特に好ましく、エチレン系共重合体(A)75〜55質量部と、乳酸系樹脂(B)25〜45質量部とすることが最も好ましい。
[その他の成分]
本発明の乳酸系樹脂組成物は必要に応じて用いられる他の樹脂を含有してもよい。このような他の樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどの通常フィルム成形に用いられるポリオレフィン系樹脂、及びエチレン−不飽和カルボン酸アイオノマーなどが挙げられる。エチレン−不飽和カルボン酸アイオノマーとしては、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の1〜90モル%、好ましくは20〜80モル%を金属イオンで中和したものが使用される。金属イオンとしては、亜鉛、マグネシウム、カルシウムなどのような2価金属が好ましく、特に亜鉛が好ましい。エチレン−不飽和カルボン酸アイオノマーとしては、たとえばエチレン−メタクリル酸のZnアイオノマーなどが好ましく用いられる。また、粘着付与剤やスリップ/アンチブロッキング剤など、従来公知の添加剤も配合可能である。
[乳酸系樹脂組成物の調製方法]
本発明の乳酸系樹脂組成物を調製する方法は、公知、公用の機器や方法、例えば、混練機、1軸或いは多軸の押出し機、タンブラーやヘンシェルミキサー等のミキサーなどを用いることができる。特に1軸或いは2軸押出機などの混錬装置を用いて溶融混錬することが適している。事前に原料を充分に乾燥することは、樹脂組成物の良好な成形加工性を発揮させるためには重要である。
また、本発明の乳酸系樹脂組成物の形状は、粉末状、ペレット状、棒状など種々の形状、大きさでもよく、その形状に何ら制限はない。
[成形体及びその製造方法]
本発明の乳酸系樹脂組成物は、公知公用の成形法に適用できる好適な材料であり、得られる成形体は、特に制限はないが、例えばフィルム、シート、モノフィラメント、繊維や不織布等のマルチフィラメント、射出成形体、ブロー成形体、積層体、発泡体、真空成形体などの熱成形体が挙げられる。なかでもフィルムが特に好適な用途として挙げられる。なお、本発明により得られた成形体は、柔軟性に優れた特徴を有している。
本発明の乳酸系樹脂組成物から形成される成形体の成形方法としては、射出成形法、ブロー成形法(射出延伸ブロー、押出し延伸ブロー、ダイレクトブロー)、バルーン法、インフレーション成形、共押出法、カレンダー法、ホットプレス法、溶媒キャスティング法、(延伸)押出し成形,異形押出し成形、真空(圧空)成形などの熱成形、溶融紡糸(モノフィラメント、マルチフィラメント、スパンボンド法、メルトブローン法など)、解繊糸法、押出し発泡や型発泡等の発泡成形法、圧縮成形法等が挙げられ、何れの方法も用いることができる。なかでも、ブロー成形法(押出し延伸ブロー、ダイレクトブロー)、バルーン法、インフレーション成形、共押出法、カレンダー法、押出し成形,押出しラミネーション法、異形押出し成形、押出し発泡成形法等が好ましく用いられる。
また、本発明のフィルムの厚みは、用途によって種々変更できるが、一般的にいうと、5〜200μm、好ましくは10〜100μmの範囲にあることが望ましい。
本発明のフィルムは、従来公知のフィルムや薄層基材と、接着剤または接着性樹脂を用いて貼合せ、あるいは共押出により、積層体として使用することができる。フィルムや薄層基材の材料としては、例えばポリ乳酸、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド(ナイロン)、エチレンービニルアルコール共重合体、蒸着フィルム、アルミニウム、紙等が挙げられる。
[用途]
本発明の乳酸系樹脂組成物から形成されるフィルムは、ヒートシール性および柔軟性に優れ、たとえば、シーラントフィルムとして、食品、電子、薬品、化粧品等の各種包装用資材、農業用、土木・建築用の資材、コンポスト資材等の広範囲における資材として好適に使用しうるが、これに限定されるものではない。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例および比較例で行ったヒートシール強度、破断点強度、伸び、曲げ剛性率及び硬度(ショアD)の試験、評価および測定は、以下の方法に従って行った。
(1)ヒートシール強度
ヒートシール圧0.2MPa、シール時間1秒、片側加熱により、インフレーション成形により作成した50μmフィルムの樹脂層面を合わせて所定の温度で接着し、剥離角度90°(Tピール)、剥離速度300mm/min、試験片幅15mmで剥離したときの強度で示した。
(2)破断点強度(MPa)
JIS K 6760に従って測定した。
(3)伸び(%)
JIS K 6760に従って測定した。
(4)曲げ剛性率
JIS K7106に従って測定した。
(5)硬度(ショアD)
JIS K 7215に従って測定した。
また、コンパウンド及びフィルム成形に用いた装置及び成形方法は以下の通りである。
(1)装置
コンパウンド(二軸押出機)PCM30
(2)成形方法
インフレーション成形(30mmφインフレーション成形機)
実施例、比較例で用いた成分は以下の通りである。
・ポリエチレン(商品名:ミラソン16、プライムポリマー社製)
密度0.923
MFR(JIS K7210、190℃、2160g荷重)=3.7g/10分
[エチレン−(メタ)アクリレート共重合体]
・エチレン−アクリル酸メチル共重合体1(EMA1)(チューブラー高圧重合法により製造)
エチレン単位含有量=80重量%
アクリル酸メチル単位含有量=20重量%
MFR(JIS K7210、190℃、2160g荷重)=8g/10分
融点(JIS K7121、 ISO3146に準拠)=92℃
・エチレン−アクリル酸メチル共重合体2(EMA2)(チューブラー高圧重合法 により製造)
エチレン単位含有量=76重量%
アクリル酸メチル単位含有量=24重量%
MFR(JIS K7210、190℃、2160g荷重)=2g/10分
融点(JIS K7121 ISO3146に準拠)=91℃
[エチレン−ビニルエステル共重合体]
・エチレン−ビニルエステル共重合体1(EVA1)
エチレン単位含有量=81重量%
酢酸ビニル単位含有量=19重量%
MFR(JIS K7210、190℃、2160g荷重)=2.5g/10分
[ポリ乳酸]
・ポリ乳酸1:レイシアH−100(PLA1)
MFR(JIS K7210、190℃、2160g荷重)=8g/10分
融点:164℃(DSC)
・ポリ乳酸2:レイシアH−400(PLA2)
MFR(JIS K7210、190℃、2160g荷重)=3g/10分
融点:166℃(DSC)
[アイオノマー]
・エチレン−メタクリル酸共重合体のZnアイオノマー(アイオノマー1)
エチレン−メタクリル酸共重合体中のメタクリル酸単位含有量=10重量%
中和度=73モル%
MFR(JIS K7210、190℃、2160g荷重)=1.0g/10分
エチレン−アクリル酸メチル共重合体1(EMA1)を70質量部と、ポリ乳酸(商品名:H100、三井化学社製)(PLA1)を30質量部とを予めホットエアーで乾燥し混合した後、30mm径二軸押出機(コンパウンドPCM30)を用い、シリンダー設定温度180℃の条件で溶融混錬することにより乳酸系樹脂組成物ペレットを得た。得られた乳酸系樹脂組成物の190℃におけるメルトフローレートは表1に示す通り、8.6g/10分であった。また、プレスシートの物性を表3に示す。
このペレットを用い、ダイ温度175℃に設定した30mmφインフレーション成形機により、厚み50μmのフィルムを作成した。このフィルムのヒートシール試験の結果を表2に示す。
ポリ乳酸(商品名:H100)の代わりにポリ乳酸(商品名:H400、(三井化学)社製)(PLA2)を30質量部とした以外は実施例1と同様にして乳酸系樹脂組成物ペレットを調製した。更にこのペレットから実施例1と同様の方法でフィルムを作製した。結果を表1〜3に示す。
エチレン−アクリル酸メチル共重合体1(EMA1)を60質量部と、ポリ乳酸(商品名:H100)(PLA1)を32質量部、及びアイオノマー1を8質量部とを、実施例1と同様の方法を用いて乳酸系樹脂組成物ペレットとした。更にこのペレットから実施例1と同様の方法でフィルムを作製した。結果を表1〜3に示す。
エチレン−ビニルエステル共重合体1(EVA1)を60質量部と、ポリ乳酸(商品名:H100)(PLA1)を32質量部及びアイオノマー1を8質量部とを、実施例1と同様の方法を用いて乳酸系樹脂組成物ペレットとした。更にこのペレットから実施例1と同様の方法でフィルムを作製した。結果を表1〜3に示す。
エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA1)を40質量部と、ポリ乳酸(商品名:H100)(PLA1)を32質量部と、アイオノマー1を28質量部とを、実施例1と同様の方法を用いて乳酸系樹脂組成物ペレットとした。更にこのペレットから実施例1と同様の方法でフィルムを作製した。結果を表1〜3に示す。
エチレン−アクリル酸メチル共重合体2(EMA2)を70質量部と、ポリ乳酸(商品名:H400)(PLA2)を30質量部とを、実施例1と同様の方法を用いて乳酸系樹脂組成物ペレットとした。更にこのペレットから実施例1と同様の方法でフィルムを作製した。結果を表1〜3に示す。
エチレン−アクリル酸メチル共重合体2(EMA2)を60質量部と、ポリ乳酸(商品名:H400)(PLA2)を30質量部と、アイオノマー1を10質量部とを、実施例1と同様の方法を用いて乳酸系樹脂組成物ペレットとした。更にこのペレットから実施例1と同様の方法でフィルムを作製した。結果を表1〜3に示す。
[比較例1]
ポリエチレン(商品名:ミラソン16、プライムポリマー社製)を70質量部と、ポリ乳酸(商品名:H100)(PLA1)を30質量部とを実施例1と同様の方法を用いて乳酸系樹脂組成物ペレットとした。更にこのペレットから実施例1と同様の方法でフィルムを作製した。結果を表1〜3に示す。
[比較例2]
ポリエチレン(商品名:ミラソン16、プライムポリマー社製)を60質量部と、ポリ乳酸(商品名:H100)(PLA1)を32質量部、及びアイオノマー1を8質量部とを、実施例1と同様の方法を用いて乳酸系樹脂組成物ペレットとした。更にこのペレットから実施例1と同様の方法でフィルムを作製した。結果を表1〜3に示す。
Figure 0005255211
配合量は質量部で示す
Figure 0005255211
表上段の値は剥離強度(N/15mm): 剥離時の最大値(n=5の平均値)を示す。
表下段は剥離形態を示す。
表中、「界面」は、フィルム界面の剥離、「樹脂切れ」は、フィルムの切断、凝集およびフィルム面内の凝集剥離を示す。
Figure 0005255211
プレスシート物性

Claims (4)

  1. エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)及びエチレン−ビニルエステル共重合体(A2)から選ばれるエチレン系共重合体(A)80〜50質量部と、
    乳酸系樹脂(B)20〜50質量部(但し、(A)及び(B)の合計が100質量部)とを含有する乳酸系樹脂組成物から形成されるシーラントフィルム
  2. エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)がエチレン−アクリル酸メチルである請求項1に記載のシーラントフィルム
  3. エチレン−ビニルエステル共重合体(A2)がエチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1または2に記載のシーラントフィルム
  4. エチレン系共重合体(A)がエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)であり、該エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A1)がチューブラー高圧重合法により製造されたものである請求項1に記載のシーラントフィルム。
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