JP4789656B2 - 表面処理方法 - Google Patents

表面処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4789656B2
JP4789656B2 JP2006063100A JP2006063100A JP4789656B2 JP 4789656 B2 JP4789656 B2 JP 4789656B2 JP 2006063100 A JP2006063100 A JP 2006063100A JP 2006063100 A JP2006063100 A JP 2006063100A JP 4789656 B2 JP4789656 B2 JP 4789656B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nickel layer
layer
nickel
forming
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006063100A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007239025A (ja
Inventor
達也 石黒
正治 大山
直宏 國枝
正純 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006063100A priority Critical patent/JP4789656B2/ja
Publication of JP2007239025A publication Critical patent/JP2007239025A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4789656B2 publication Critical patent/JP4789656B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

本発明は、金属表面における表面処理方法に係り、特に、車両に搭載されて燃料を流通する金属製燃料配管における表面処理構造に関する。
車両に搭載される燃料配管は、燃料(ガソリンなど)の酸化作用に対応するために、燃料と接触する内周側表面に高い耐食性が要求される。この要求に対して、従来から、例えば、燃料配管の内周側表面に電気メッキ法によるニッケル層を形成することが広く行われている。ところが、この優れた耐食性能を発揮するニッケル層は、燃料配管を所定の管形状に成形加工する場合において、その層厚が減少する場合があった。
具体的に説明すると、例えば、燃料配管を構成するパイプは、ニッケル層の予め形成された基材(鉄鋼板)から、例えば、ロールフォーミング法などによって管状に成形される。このとき、管状に成形した基材の合わせ部分は溶接により接合されるため、この溶接された部分(ビード部分)におけるニッケル層の層厚が減少する場合があった。また、エンジンに燃料を供給するフューエルデリバリパイプは、ニッケル層の形成された構成部品を、例えば、炉中ロー付け法などによって互いに接合して管状に成形される。このとき、炉中の高温雰囲気によってニッケルの拡散移動が生じ、ニッケル層の層厚が減少する場合があった。
このように、電気メッキ法により形成されたニッケル層の層厚が減少することに対して、例えば、製品形状まで成形した燃料配管に電気メッキ法によってニッケル層を形成するまたは再度ニッケル層を形成することが考えられる。しかしながら、電気メッキ法の技術的な制約から、複雑な形状に成形された燃料配管に対して、ニッケル層を形成することは極めて難しい。
この問題に対して、例えば、下記特許文献1に示すような、パイプ成形物の製造方法およびパイプ成形物は知られている。この製造方法およびパイプ成形物は、最終的な製品形状に加工された成形物に対して、周知の方法を用いて無電解ニッケルメッキすることにより、パイプ成形物の表面に対して均一に無電解ニッケル層を形成するようになっている。これにより、例えば、フューエルデリバリパイプのように種々の部品が組み付けられる場合であっても、これらの部品を組み付けた後に無電解ニッケル層を形成することができるため、加工によるニッケル層の損傷を防止することができる。これにより、燃料と接する表面に無電解ニッケル層を適切に維持することができるため、ニッケルの優れた耐食性を発揮することができるようになっている。
特開2003−34877号公報
ところが、上述したように、燃料配管に採用される基材に予め電気メッキ法によるニッケル層が形成されている場合において、単純に無電解ニッケル層を形成した場合には、電気メッキ法によるニッケル層(第1のニッケル層)と無電解ニッケル層(第2のニッケル層)との密着性が問題となる。つまり、一般的に、金属ニッケルの特性として、一旦形成したニッケル層(第1のニッケル層)に対して、さらに別のニッケル層(第2のニッケル層)を積層して形成した場合には、これらの各ニッケル層の界面における密着性は強固ではない。また、一般的に、無電解メッキ法によって形成されるニッケル層の硬度は大きいため、割れやすい特性を有する。このため、上述した従来の製造方法およびパイプ成形物において、例えば、予め電気メッキ法によって形成されたニッケル層上に単に無電解ニッケル層を形成した場合には、無電解ニッケル層が剥がれたり割れたりする可能性がある。この場合には、無電解ニッケル層による高い耐食性を長期間に渡り確保できない可能性がある。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、高い耐食性を長期間に渡り維持可能な表面処理構造の表面処理方法を提供することにある。
本発明者等は、前記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、密着性を良好に確保するために、電気メッキ法によるニッケル層の最適な層厚と無電解メッキ法によるニッケル層の最適な層厚とを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、車両に搭載されて、燃料を流通する燃料配管の表面処理構造、電気メッキ法により基材の表面上に形成されて、0.5μmから9.0μmの層厚を有する第1のニッケル層と、無電解メッキ法により前記第1のニッケル層上に形成されて、1.0μmから8.0μmの層厚を有する第2のニッケル層とから構成した。この場合、前記燃料配管は、車両のエンジンに組み付けられて燃料を供給するためのフューエルデリバリパイプであるとよい。
これらによれば、燃料の酸化作用に対して良好な耐食性が長期間に渡り必要な燃料配管(例えば、パイプやフューエルデリバリパイプなど)の表面処理構造を電気メッキ法による第1のニッケル層と無電解ニッケル法による第2のニッケル層とから構成することができる。これにより、加工に伴って第1のニッケル層の層厚が減少した場合であっても、第1のニッケル層上に形成される第2のニッケル層によって耐食性を確保することができる。
この場合、第1のニッケル層を0.5μmから9.0μmまでの層厚となるように形成し、第2のニッケル層を1.0μmから8.0μmまでの層厚となるように形成することにより、第1のニッケル層と第2のニッケル層との密着性を極めて良好に確保することができる。これにより、例えば、製品形状とするための仕上げ加工が施された場合であっても、第2のニッケル層が剥がれたり割れたりすることを防止することができ、第1のニッケル層と第2のニッケル層とから構成される表面処理構造の耐食性を長期間に渡り確保することができる。
そこで、本発明の特徴は、車両に搭載されて、燃料を流通する燃料配管の表面処理方法であって、電気メッキ法により、基材の表面上に0.5μmから9.0μmの層厚となるように第1のニッケル層を形成するニッケル層形成工程と、前記ニッケル層形成工程によって形成された第1のニッケル層の表面を活性化するために酸洗する酸洗工程と、無電解メッキ法により、前記酸洗工程によって酸洗された第1のニッケル層上に1.0μmから8.0μmの層厚となるように第2のニッケル層を形成する無電解ニッケル層形成工程とを備えたことにある。この場合、前記酸洗工程は、35%濃塩酸の酸濃度を150ml/Lから300ml/Lに調整した溶液を用いて、前記第1のニッケル層の表面を活性化するとよい。
これらによれば、第1のニッケル層を形成するニッケル層形成工程と、第2のニッケル層を形成する無電解ニッケル層形成工程との間に酸洗工程を設けて、燃料配管の表面処理構造を形成することができる。このとき、酸洗工程においては、35%濃塩酸の酸濃度を150ml/Lから300ml/Lに調整した溶液に対して、第1のニッケル層が形成された基材を、例えば、室温にて5分から7分浸漬させて第1のニッケル層の表面を活性化するとよい。これにより、第1のニッケル層上に第2のニッケル層を強固な密着性を確保して形成することができる。したがって、第1のニッケル層と第2のニッケル層とから構成される表面処理構造の耐食性を長期間に渡り確保することができる。
この場合、前記ニッケル層形成工程後であって前記酸洗工程前に、前記第1のニッケル層が形成された基材から所定の管形状を有する管形状体を加工成形する形状加工工程を設けるとよい。また、前記ニッケル層形成工程前に、基材から所定の管形状を有する管形状体を形成する形成部材を加工成形する形状加工工程と、前記ニッケル層形成工程後であって前記酸洗工程前に、前記第1のニッケル層が形成された前記形成部材を一体的に組み付けて前記所定の管形状を有する管形状体を組み立てる組立工程とを設けるとよく、この場合、前記組立工程によって組み立てられる管形状体は、車両のエンジンに組み付けられて燃料を供給するためのフューエルデリバリパイプであるとよい。
これによれば、パイプのように予め第1のニッケル層が形成された基材から管形状体を製造する場合や、フューエルデリバリパイプのように各構成部品を組み付けて管形状体を製造する場合であっても、酸洗工程と無電解ニッケル層形成工程とを一連の工程とすることができる。したがって、第1のニッケル層上に第2のニッケル層を強固な密着性を確保して形成することができ、第1のニッケル層と第2のニッケル層とから構成される表面処理構造の耐食性を長期間に渡り確保することができる。
a.第1実施形態
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係り、車両の燃料配管を構成する金属製のパイプPに形成された表面処理構造を断面図により概略的に示している。この表面処理構造は、金属管10の内周表面上に形成されて0.5μmから9.0μmの層厚を有する第1のニッケル層20と、同ニッケル層20上に形成されて1.0μmから8.0μmの層厚を有する第2のニッケル層30とから構成されている。なお、図1は、パイプPの内周面側を概略的に示したものである。したがって、パイプPの外周面側には、車両に搭載される燃料配管にて従来から広く採用されている周知の保護層(例えば、クロメート層や樹脂被覆層など)が形成されることはいうまでもない。
このパイプPは、第1のニッケル層20を形成する電気ニッケルメッキ工程と、金属管10を成形する形状加工工程と、形成された第1のニッケル層20を酸洗する酸洗工程と、第2のニッケル層30を形成する無電解ニッケルメッキ工程とを経ることによって製造される。そして、これらの各工程を順に行うことにより、金属管10の内周表面上に、第1のニッケル層20と第2のニッケル層30とが所定の層厚を有して形成される。以下、各工程を具体的に説明する。
電気ニッケルメッキ工程は、金属管10を構成する基材としての、例えば、SPCC鋼板に対して、第1のニッケル層20を形成する工程である。この電気ニッケルメッキ工程は、周知の電気メッキ法を採用することができる。したがって、詳細な説明を省略するが、以下に簡単に説明しておく。第1のニッケル層20を形成する電気ニッケルメッキ工程は、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸などを所定の割合で含有するメッキ液を用いる。そして、このメッキ液に対して、少なくとも、SPCCの一面側(より詳しくは、金属管10の内周面側)を接触させるとともに、所定の電流密度で所定時間通電することにより、上述した層厚範囲内の第1のニッケル層20が形成される。なお、第1のニッケル層20の層厚については、後に詳述する。
形状加工工程は、第1のニッケル層20が形成されたSPCC鋼板を、例えば、ロールフォーミング法を用いて金属管10を成形する工程である。ここで、形状加工工程においては、電気ニッケルメッキ工程によって第1のニッケル層20が形成されたSPCC鋼板を所定幅に切断してコイルに巻き取ったコイル材(所謂、フープ材)が用いられる。そして、形状加工工程においては、コイルから巻き戻されたSPCC鋼板のフープ材を複数のローラで管状に成管した後、突き合わされたフープ材の両端を連続的に溶接する。これにより、図2に示すように、内周表面に第1のニッケル層20の形成された金属管10が連続的に成形される。ここで、金属管10の溶接部分11(以下、ビード部11という)は、内周面側に突出した状態となる。
酸洗工程は、金属管10の内周表面に形成された第1のニッケル層20の表面を活性化する工程である。この酸洗工程は、例えば、塩酸溶液を用いることができる。このとき、この塩酸溶液の酸濃度は、35%濃塩酸として150ml/Lから300ml/Lに調整される。そして、この塩酸溶液に対して、室温にて、金属管10を5分から7分浸漬することによって、第1のニッケル層20の表面を活性化させる。なお、塩酸溶液の濃度については、後に詳述する。
無電解ニッケルメッキ工程は、酸洗工程によって活性化された第1のニッケル層20の表面に対して、第2のニッケル層30を形成する工程である。この無電解ニッケルメッキ工程は、周知の無電解メッキ法を採用することによって無電解ニッケル層30を形成するものである。すなわち、無電解ニッケルメッキ工程は、金属塩としてのニッケルと還元剤としてのリンを主成分とするとともにpH緩衝剤、錯化剤、安定剤その他の添加剤を補助成分とするメッキ液を満たした槽に対して、酸洗工程を経た金属管10を浸漬することにより第2のニッケル層30を形成する。
この第2のニッケル層30を形成するにあたり、均一かつ所定の層厚のニッケル層を形成するために、メッキ層の形成に伴って変化するメッキ液の化学組成を一定に維持するとともに、メッキ液のpHやメッキ液の液温などを一定に維持するとよい。そして、メッキ液を金属管10の内部まで到達させるために、メッキ液槽中に金属管10を浸漬した状態で、金属管10を振動させたりメッキ液を攪拌するとよい。
そして、予め実験的に上述した層厚まで形成されることが確認された所定の浸漬時間の経過後、金属管10をメッキ液から取り出して乾燥させる。なお、所定の浸漬時間に代えて、例えば、メッキ液槽に投入された層厚検査用部材のニッケル層の層厚を測定することにより、金属管10の第2のニッケル層30の層厚を推定して取り出すようにしてもよい。このように無電解ニッケルメッキ工程を経ることにより、図1に示すように、活性化された第1のニッケル層20上に上述した所定の層厚の第2のニッケル層30が形成される。
次に、上記各工程を経て形成される表面処理構造、すなわち、第1のニッケル層20と第2のニッケル層30の最適な層厚の決定について説明する。本発明の発明者等は、形成される表面処理構造の耐食性を良好に確保するとともに第1のニッケル層20上に密着性を良好に確保して第2のニッケル層30を形成するために、各種実験を行った。そして、この各種実験の結果に基づき、第1のニッケル層20の最適な層厚範囲、第2のニッケル層30の最適な層厚範囲および酸洗工程における塩酸溶液の酸濃度範囲を決定した。以下に、具体的に説明する。
まず、第1のニッケル層20と第2のニッケル層30とから形成される表面処理構造の耐食性について説明する。この耐食性を評価するに当たり、下記表1に示すように、第1のニッケル層20の層厚Xと第2のニッケル層30層厚Yとを組み合わせたテストピースを作製した。そして、アルコール系燃料を封入した状態で所定温度雰囲気中にて所定時間だけ放置することによって、作製したテストピースの耐食性を評価した。
Figure 0004789656
表1からも明らかなように、第1のニッケル層20と第2のニッケル層30とから形成される本発明の表面処理構造は、総じて優れた耐食性を有する。しかしながら、第1のニッケル層20の層厚Xを0.5μm未満とし、第2のニッケル層30の層厚Yを1.0μm未満として表面処理構造を形成した場合には、すべてのテストピースにおいて、基材(SPCC鋼板)の酸化腐食すなわち赤錆の発生が認められた。これは、第1のニッケル層20の層厚Xと第2のニッケル層30の層厚Yがそれぞれ小さいことによって耐食性が不足しており、その結果、ニッケル本来の良好な耐食性が発揮できないためと考えられる。
また、第1のニッケル層20の層厚Xが0.5μmから9.0μmであり、第2のニッケル層30の層厚Yが1.0μm未満である場合には、基材のごく一部に酸化腐食が認められた。これは、第2のニッケル層30の層厚Yが極端に小さい場合には、例えば、同層30が第1のニッケル層20から剥がれやすくなったり、第2のニッケル層30にピンホールが存在しているためと考えられる。そして、この場合には、第2のニッケル層30が有する極めて優れた耐食性を発揮することができないものの、金属管10の酸化腐食が第1のニッケル層20によって抑制されたと考えられる。したがって、この耐食性評価に基づけば、第1のニッケル層20の層厚は0.5μm以上必要であり、第2のニッケル層30の層厚は1.0μm以上必要であると決定することができる。
次に、第1のニッケル層20と第2のニッケル層30との密着性について説明する。上述したように、第1のニッケル層20と第2のニッケル層30の最小層厚は、必要な耐食性に基づいて決定することができる。一方、最大層厚は、密着性に基づいて決定することができる。ここで、密着性に関しては、第1のニッケル層20と第2のニッケル層30との界面における密着性と、第2のニッケル層30の硬度に起因する密着性とを考慮する必要がある。以下、この密着性の評価について、具体的に説明する。
まず、界面における密着性について説明する。この密着性は、酸洗工程における塩酸溶液の酸濃度に大きく影響される。このため、下記表2に示すように、第1のニッケル層20の層厚Xを変化させるとともに、塩酸溶液の酸濃度Zを変化させてテストピースを作製した。なお、このテストピースにおいては、第2のニッケル層30の層厚を一定(例えば、8.0μm程度)に形成して作製した。そして、200℃の高温雰囲気中にて1時間放置することによって、作製したテストピースの密着性を評価した。ここで、密着性の良否は、高温雰囲気中で放置したテストピースの表面処理構造に浮きが発生しているか否かに基づいて評価するようにした。
Figure 0004789656
表2からも明らかなように、上記耐食性評価によって決定した第1のニッケル層20の最小層厚0.5μm以上で浮き無く密着性が良好となるのは、塩酸溶液の酸濃度Zが150ml/L以上の場合であった。より詳しく説明すると、塩酸溶液の酸濃度Zが150ml/L未満である場合には、酸洗による第1のニッケル層20の活性化が不十分であることが考えられる。このため、第2のニッケル層30が強固に第1のニッケル層20上に形成できないと考えられる。なお、第1のニッケル層20の層厚Xが0.5μm未満であるときに密着性が良好となるのは、例えば、管状のテストピースの作製時に付与される熱によって第1のニッケル層20のNiが基材中に拡散することにより、Ni−Fe合金層が形成されたためと考えられる。このようにNi−Fe合金層が形成された場合には、150ml/L未満の酸洗でも、第2のニッケル層30を形成するのに十分な活性化が得られたと考えられる。
一方、塩酸溶液の酸濃度Zが150ml/L以上である場合には、第1のニッケル層20の活性化が十分に行われ、第2のニッケル層30が強固に形成されると考えられる。したがって、第1のニッケル層20の層厚Xが0.5μm以上であっても、良好な密着性を確保することができる。ただし、第1のニッケル層20の層厚Xが9.0μmよりも大きい場合には、密着性が悪化する。これは、酸洗工程における酸洗によっても、第1のニッケル層20の厚い酸化皮膜が完全に除去できないためと考えられる。
したがって、第1のニッケル層20と第2のニッケル層30との密着性評価と、表面処理構造の耐食性とに基づけば、第1のニッケル層20の層厚は0.5μm以上9.0μm以下に決定することができる。また、塩酸溶液の酸濃度は、150ml/L以上と決定することができる。なお、塩酸溶液濃度Zの上限値に関しては、従来から行われているメッキの酸洗工程においてメッキ層の損傷が起きない酸濃度として規定されている300ml/Lを、本発明の塩酸溶液の酸濃度の上限値として決定した。
ここで、金属管10の内周表面に形成される第1のニッケル層20は、上述したように、形状加工工程前の電気ニッケルメッキ工程によって基材に予め形成される。この場合、形状加工工程において金属管10が成管されると、図1または図2に示したように、金属管10の内周面側にビード部11が形成される。これにより、基材に均一に形成された第1のニッケル層20であっても、図1または図2に示したように、ビード部11の表面に位置する第1のニッケル層20の層厚が減少する。したがって、金属管10のビード部11においても、最小層厚である0.5μmの第1のニッケル層20が形成されるように、電気ニッケルメッキ工程においては、2.0μmから9.0μmの層厚となるように第1のニッケル層20を形成することが好ましい。
次に、第2のニッケル層30自体の密着性について説明する。この密着性は第2のニッケル層30の硬度、言い換えれば、割れやすさに起因しており、第2のニッケル層30に微小な亀裂が生じることによって密着性が悪化する。このため、下記表3に示すように、第2のニッケル層30の層厚Yを変化させたテストピースを作製した。なお、このテストピースにおいては、第1のニッケル層20の層厚を一定(例えば、9.0μm程度)に形成するとともに、塩酸溶液の酸濃度が150ml/L以上の溶液を用いて酸洗して作製した。そして、このテストピースを屈曲し、第2のニッケル層30の状態を観察して密着性の良否を評価するようにした。
Figure 0004789656
表3からも明らかなように、8.0μmよりも大きな層厚Yとなるように形成された第2のニッケル層30においては、屈曲することによって割れが発生して密着性が悪化する。これは、第2のニッケル層30が無電解メッキ法により形成されるために、その硬度が大きくなり、特に層厚が増加するに伴って割れやすくなるためと考えられる。したがって、第2のニッケル層30自体の密着性評価と、表面処理構造の耐食性とに基づけば、第2のニッケル層30の層厚は1.0μm以上8.0μm以下に決定することができる。
以上の説明からも理解できるように、この第1実施形態によれば、電気メッキ法によって基材表面上に形成される第1のニッケル層20と、無電解メッキ法によって第1のニッケル層20上に形成される第2のニッケル層30との密着性を良好に確保することができる。これにより、形状加工工程において、第1のニッケル層20の層厚が減少しても、より詳しくは、金属管10のビード部11表面の第1のニッケル層20の層厚が減少しても、第2のニッケル層30を適正に形成することができ、第1のニッケル層20と第2のニッケル層30とから構成されるパイプPの表面処理構造の耐食性を極めて良好に確保することができる。
b.第2実施形態
次に、車両の燃料配管を形成してエンジンに燃料を供給するフューエルデリバリパイプDPに本発明に係る表面処理構造を形成した第2実施形態について説明する。フューエルデリバリパイプDPは、図3に示すように、エンジンに供給する燃料を一時的に溜める本体部110を備えている。
本体部110は、図3に示したフューエルデリバリパイプDPのA−A断面を表した図4に示すように、断面略U字状の下部ケース111と上部ケース113から形成されている。そして、下部ケース111と上部ケース113とが一体的に組み立てられた本体部110の内周表面上には、上記第1実施形態と同様に決定された、0.5μmから9.0μmの層厚を有する第1のニッケル層120と、同ニッケル層120上に形成されて1.0μmから8.0μmの層厚を有する第2のニッケル層130とから構成される表面処理構造が形成されている。
なお、図4は、フューエルデリバリパイプDPの本体部110の内周面側を概略的に示したものである。したがって、本体部110の外周面側には、車両に搭載されるフューエルデリバリパイプにて従来から広く採用されている周知の保護層(例えば、クロメート層や被覆層など)が形成されることはいうまでもない。
下部ケース111には、図示省略の燃料噴射弁を連結するための4個の筒部112が所定の間隔をおいて形成されており、各筒部112の底部には貫通孔112aが設けられている。上部ケース113の一端部には、図示省略の燃料ポンプからの加圧された燃料が供給される燃料供給管114が連結されている。燃料供給管114は、上述した第1実施形態のパイプPと同様に製造されるものであり、その内周表面上には、第1のニッケル層20および第2のニッケル層30が形成されている。そして、燃料供給管114には、上部ケース113への組み付け位置を規定するためのスプール114aが周知の端末加工方法によって形成されている。また、下部ケース111には、2個の取付用ブラケットが筒部112間の中間にて、例えば、プロジェクション溶接などによって固着されている。
次に、このフューエルデリバリパイプDPを製造する各工程を説明する。なお、この第2実施形態に係る各工程を説明するに当たり、上記第1実施形態と同一の工程に関してはその詳細な説明を省略する。このフューエルデリバリパイプDPは、下部ケース111および上部ケース113を成形する形状加工工程と、電気ニッケルメッキ工程と、下部ケース111および上部ケース113などを一体的に組み立てる組立工程と、酸洗工程と、無電解ニッケルメッキ工程とを経ることにより製造される。そして、これらの各工程を順に行うことにより、フューエルデリバリパイプDPの本体部110の内周表面上に、第1のニッケル層120と第2のニッケル層130とが所定の層厚を有して形成される。
形状加工工程は、基材としての、例えば、SPCC鋼板をプレス加工することにより断面略U字状の下部ケース111および上部ケース113を成形する工程である。ここで、下部ケース111は、プレス加工によって筒部112が一体的に形成される。そして、下部ケース111および上部ケース113は、プレス成形された後、筒部112の貫通孔112aおよび燃料供給管114の取付孔を形成するための孔あけ加工が施される。
電気ニッケルメッキ工程は、プレス加工および孔あけ加工された下部ケース111および上部ケース113に対して、第1のニッケル層120を形成する工程である。そして、この電気ニッケルメッキ工程により、0.5μm以上9.0μm以下の層厚を有する第1のニッケル層120が形成される。なお、この第2実施形態における電気ニッケルメッキ工程に関しては、メッキする対象が形状加工された下部ケース111および上部ケース113であること以外、上記第1実施形態の電気ニッケルメッキ工程と同様に行われる。したがって、その説明を省略する。
組立工程は、第1のニッケル層120が形成された下部ケース111および上部ケース113と、燃料供給管114および取付用ブラケット115を一体的に組み立てる工程である。具体的に説明すると、形状加工された下部ケース111および上部ケース113は、互いに向かい合わせた状態で、その開口側の全周において嵌合される。また、上部ケース113には、形成された取付孔に対して、燃料供給管114がスプール114aにより規制される位置まで挿入される。そして、下部ケース111および上部ケース113の嵌合部分および上部ケース113と燃料供給管114の連結部分は、それぞれ炉中ロー付け法により液密に一体的に接合される。さらに、下部ケース111には、取付用ブラケット115がプロジェクション溶接によって接合される。
酸洗工程は、組立工程において一体的に組み立てられた本体部110の内周表面に形成された第1のニッケル層120および燃料供給管の内周表面に形成された第1のニッケル層20の表面を活性化する工程である。この酸洗工程により、第1のニッケル層120(20)の表面が活性化される。なお、この第2実施形態に係る酸洗工程も、上記第1実施形態の酸洗工程と同様に行われるため、その説明を省略する。
無電解ニッケルメッキ工程は、酸洗工程によって活性化された本体部110の第1のニッケル層120および燃料供給管114の第1のニッケル層20の表面に対して、第2のニッケル層130(30)を形成する工程である。そして、この無電解ニッケルメッキ工程により、図4に示すように、第1のニッケル層120(20)の表面上に、1.0μm以上8.0μm以下の層厚を有する第2のニッケル層130(30)が形成される。なお、この第2実施形態における無電解ニッケルメッキ工程に関しても、上記第1実施形態の無電解ニッケルメッキ工程と同様に行われる。したがって、その説明を省略する。
そして、この第2実施形態においても、上述した第1実施形態と同様の表面処理構造、すなわち、0.5μmから9.0μmの層厚を有する第1のニッケル層120と1.0μmから8.0μmの層厚を有する第2のニッケル層130とが本体部110の内周表面上に形成される。これにより、上記第1実施形態と同様の効果が期待できる。特に、この第2実施形態においては、形状加工工程後に電気ニッケルメッキ工程を設定し、組立工程後に酸洗工程および無電解ニッケルメッキ工程を設定するようにした。
これにより、形状加工工程におけるプレス加工によって第1のニッケル層120が損傷することを防止することができ、第1のニッケル層120を適切な層厚に形成することができる。また、組立工程後に酸洗工程および無電解ニッケルメッキ工程を設定することにより、第2のニッケル層130を第1のニッケル層120上に密着性よく形成することができる。
すなわち、電気メッキ法により形成される第1のニッケル層120は、上述したようにその硬度が小さいため、ロー付けするために炉中に投入されるとその熱によって拡散移動する場合がある。この場合、例えば、組立工程前に第2のニッケル層130を形成した場合には、第1のニッケル層120の拡散移動に伴って第2のニッケル層130の密着性が損なわれる可能性がある。これに対し、組立工程後に無電解ニッケルメッキ工程を設定することによって、拡散移動後の第1のニッケル層120上に第2のニッケル層130を形成することができ、極めて良好な耐食性と密着性を確保することができる。
本発明の第1実施形態に係るパイプの表面処理構造を説明するための断面図である。 図1のパイプの形状加工工程にて形成されたビード部における第1のニッケル層を説明するための断面図である。 本発明の第2実施形態に係るフューエルデリバリパイプの概略図である。 図3のフューエルデリバリパイプのA−A線に沿った拡大断面図であって、フューエルデリバリパイプの表面に形成された表面処理構造を説明するための図である。
符号の説明
10…金属管、11…ビード部、20,120…第1のニッケル層、30,130…第2のニッケル層、110…本体部、111…下部ケース、112…筒状部、112a…貫通孔、113…上部ケース、114…燃料供給管、P…パイプ、DP…フューエルデリバリパイプ

Claims (4)

  1. 車両に搭載されて、燃料を流通する燃料配管の表面処理方法であって、
    電気メッキ法により、基材の表面上に0.5μmから9.0μmの層厚となるように第1のニッケル層を形成するニッケル層形成工程と、
    前記第1のニッケル層が形成された基材から所定の管形状を有する管形状体を加工成形する形状加工工程と、
    前記ニッケル層形成工程によって形成された第1のニッケル層の表面を活性化するために酸洗する酸洗工程と、
    無電解メッキ法により、前記酸洗工程によって酸洗された第1のニッケル層上に1.0μmから8.0μmの層厚となるように第2のニッケル層を形成する無電解ニッケル層形成工程とを備えたことを特徴とする燃料配管の表面処理方法。
  2. 車両に搭載されて、燃料を流通する燃料配管の表面処理方法であって、
    基材から所定の管形状を有する管形状体を形成する形成部材を加工成形する形状加工工程と、
    電気メッキ法により、基材の表面上に0.5μmから9.0μmの層厚となるように第1のニッケル層を形成するニッケル層形成工程と、
    前記第1のニッケル層が形成された前記形成部材を一体的に組み付けて前記所定の管形状を有する管形状体を組み立てる組立工程と、
    前記ニッケル層形成工程によって形成された第1のニッケル層の表面を活性化するために酸洗する酸洗工程と、
    無電解メッキ法により、前記酸洗工程によって酸洗された第1のニッケル層上に1.0μmから8.0μmの層厚となるように第2のニッケル層を形成する無電解ニッケル層形成工程とを備えたことを特徴とする燃料配管の表面処理方法。
  3. 前記組立工程によって組み立てられる管形状体は、車両のエンジンに組み付けられて燃料を供給するためのフューエルデリバリパイプである請求項に記載した燃料配管の表面処理方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載した燃料配管の表面処理方法において、
    前記酸洗工程は、
    35%濃塩酸の酸濃度を150ml/Lから300ml/Lに調整した溶液を用いて、前記第1のニッケル層の表面を活性化することを特徴とする燃料配管の表面処理方法。
JP2006063100A 2006-03-08 2006-03-08 表面処理方法 Expired - Fee Related JP4789656B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006063100A JP4789656B2 (ja) 2006-03-08 2006-03-08 表面処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006063100A JP4789656B2 (ja) 2006-03-08 2006-03-08 表面処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007239025A JP2007239025A (ja) 2007-09-20
JP4789656B2 true JP4789656B2 (ja) 2011-10-12

Family

ID=38584847

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006063100A Expired - Fee Related JP4789656B2 (ja) 2006-03-08 2006-03-08 表面処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4789656B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5639948B2 (ja) * 2011-04-14 2014-12-10 マルヤス工業株式会社 車両用配管の表面処理構造
JP6025492B2 (ja) * 2012-10-12 2016-11-16 株式会社キーレックス 燃料給油管の製造方法
JP6245687B2 (ja) 2013-09-10 2017-12-13 臼井国際産業株式会社 スチール製の燃料圧送配管
JP6466071B2 (ja) * 2014-03-06 2019-02-06 臼井国際産業株式会社 ステンレス製の自動車用燃料配管

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05222541A (ja) * 1992-02-07 1993-08-31 Hitachi Ltd 金めっき方法
JPH0748681A (ja) * 1992-07-15 1995-02-21 Nippon Tokushu Arumaito Kogyo Kk 無電解メッキと電気メッキを併用したメッキ方法
JPH09235692A (ja) * 1996-02-29 1997-09-09 Matsushita Electric Works Ltd 基板のニッケル面の前処理方法
JPH1112761A (ja) * 1997-06-26 1999-01-19 Usui Internatl Ind Co Ltd 耐食性重合被覆鋼材
JP2000096288A (ja) * 1998-09-18 2000-04-04 Furukawa Electric Co Ltd:The 半田付性に優れるNiめっきアルミ基複合材および前記Niめっきアルミ基複合材の製造方法
JP2001098390A (ja) * 2000-09-06 2001-04-10 Usui Internatl Ind Co Ltd 内面の耐食性に優れた溶接管及びその製造方法
JP2003034877A (ja) * 2001-07-23 2003-02-07 Sanoh Industrial Co Ltd パイプ成形物の製造方法及びパイプ成形物
JP2003277982A (ja) * 2002-03-26 2003-10-02 Maruyasu Industries Co Ltd 金属管の表面処理構造および表面処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007239025A (ja) 2007-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1857570A2 (en) Method for forming a nickel-based layered structure on a magnesium alloy substrate, a surface-treated magnesium alloy article made thereform, and a cleaning solution and a surface treatment solution used therefor
JP5251078B2 (ja) 容器用鋼板とその製造方法
JP4789656B2 (ja) 表面処理方法
TW200925319A (en) Tin-plated material for electronic part
JP4479552B2 (ja) ホースおよびその製法
JP2010196084A (ja) 導電部材及びその製造方法
JPH0875084A (ja) 金属管における耐食性樹脂被覆構造
JP3176405B2 (ja) 内面の耐食性に優れた溶接管及びその製造方法
JP5639948B2 (ja) 車両用配管の表面処理構造
EP0592211B1 (en) Seamless cylinder shell construction
CN108699719B (zh) 用于制造耐腐蚀金属基材的方法和由此提供的耐腐蚀金属基材
US20090133798A1 (en) Process for producing wire for bead cord, bead cord, and vehicle tire
JP6004521B2 (ja) 加工性に優れた耐熱・耐食性めっき層を有する配管
CN107400905B (zh) 用于包层钢的涂布方法和用于涂布包层钢的涂布溶液
JP2006225686A (ja) 金属体、レンズマウント、及び金属の表面処理方法
US20160131282A1 (en) Multi-walled pipe and manufacture thereof
JP4280181B2 (ja) 溶接性、密着性、耐食性に優れた溶接缶用鋼板
JP2007186736A (ja) 金属ワイヤの製造方法、ゴム物品補強用金属コード及び車両用タイヤ
JP3369553B2 (ja) 耐熱・耐食性を有するめっき皮膜構造
JP2848888B2 (ja) 耐食性一重巻鋼管及びその製造方法
JP3200164B2 (ja) 燃料との接触部を有する鋼板製部品を製作するための鋼板及びその鋼板の製造方法
JP2002029270A (ja) 耐食性に優れた自動車用燃料タンク
JP3444179B2 (ja) 加工性、化成処理性、スポット溶接性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法
JP2003034877A (ja) パイプ成形物の製造方法及びパイプ成形物
JPH0890227A (ja) 金属管及びそれを用いたケーブル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081009

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110628

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110719

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140729

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4789656

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees